説明

清浄剤収納二重容器

【課題】 透光性の清浄剤詰替用補助容器を用いることで、より深みのある着色外観を実現すると共に廃棄ごみの量を最小限にすることができる清浄剤収納二重容器を開発することをその課題とするものである。
【解決手段】上面が開口した透光性容器本体(1)と、室内のにおいを除去したり或いは、室内に心地よい香りを供給する清浄剤(2)が充填され、前記透光性容器本体(1)内に収納された透光性の清浄剤詰替用補助容器(3)と、透光性容器本体(1)の上面開口(6)に取り付けられ、通孔(5)を有する蓋体(4)とで構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器外面の色を自由に変更することができる芳香剤や消臭剤などが充填された清浄剤収納二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は単なる移動手段としての機能を有するだけでなく、車室内における居住性も非常に重視されている。車室内にはタバコの煙や人のにおい、エンジンオイルや排気ガスのにおいなど様々な匂いが充満している。そのため、車室内のにおいを除去するため、あるいは悪臭を隠すため消臭剤や芳香剤が使用されている。
【0003】
近年では更なる居住性の向上・個人の趣味に合わせた車室内造りが求められており、その方向性として車室内のカラフル化がある。従来の清浄剤収納二重容器は車室内の悪臭を取り除く或いは芳香により悪臭を隠すという機能が十分であれば問題がなかったが、前述のような顧客の要求には応えることができていなかった。そこで、従来では容器本体を着色するというようなことが行われていたが、平板な着色に過ぎず、彩りに深みのある容器とすることができなかった。また、容器本体に記載された芳香剤や脱臭剤のような清浄剤が消費されてしまうと、容器本体毎廃棄しなければならず、ごみの量が増えるという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる従来での問題点に鑑みてなされたもので、透光性の清浄剤詰替用補助容器を用いることで、より深みのある着色外観を実現すると共に廃棄ごみの量を最小限にすることができる清浄剤収納二重容器を開発することを、その課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の清浄剤収納二重容器(A)は「上面が開口した透光性容器本体(1)と、室内のにおいを除去したり或いは、室内に心地よい香りを供給したりする清浄剤(2)が充填され、前記透光性容器本体(1)内に収納された透光性の清浄剤詰替用補助容器(3)と、透光性容器本体(1)の上面開口(6)に取り付けられ、通孔(5)を有する蓋体(4)とで構成された」ことを特徴とする。
【0006】
請求項2は請求項1に記載の清浄剤収納二重容器(A)更なる限定で「透光性容器本体(1)、清浄剤詰替用補助容器(3)及び清浄剤(2)の少なくともいずれか一つが着色されている」ことを特徴とする。
【0007】
請求項3、4は清浄剤に関し、前者は「清浄剤(2)が芳香剤」であり、後者は「清浄剤が消臭剤」であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、清浄剤(2)が充填された清浄剤詰替用補助容器(3)を用いているので、充填された清浄剤(2)が消費されてしまうと清浄剤詰替用補助容器(3)のみを交換すればよく、従来のように容器本体及び蓋体まで廃棄する必要がなく、廃棄ごみの量が制限される。加えて、清浄剤詰替用補助容器(3)及び清浄剤(2)の少なくともいずれか一つが着色されておれば、前記着色が透光性容器本体(1)を通して見えるため、従来にない深みのある外観を得ることができる。加えて、透光性容器本体(1)にも着色を施しておけば、内外の着色がミックスされて今までにない外観を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図示実施例に基づいて詳述する。本発明の清浄剤収納二重容器(A)は透光性容器本体(1)、清浄剤(2)が充填された透光性の清浄剤詰替用補助容器(3)並びに蓋体(4)とで構成されている。透光性容器本体(1)は上面が開口し、その開口部分の外面にネジ(7)が螺設されたもので、材質は透明或いは半透明のガラス又は樹脂である。
【0010】
蓋体(4)は金属製、表面金属メッキの樹脂製の否透光性材料(勿論、透光性容器本体(1)と同様透光性のものでもよい。)で形成されており、その天井面には複数個の通孔(5)が穿設されており、下面開口の外周面には透光性容器本体(1)のネジ(7)に螺着される雌ネジ(9)が形成されている。
【0011】
清浄剤詰替用補助容器(3)は、前記透光性容器本体(1)内に収納される形状を有する上面開口、有底筒状のもので、例えば樹脂シートをインジェクション成形またはブロー成形或いは真空成形で形成されたものである。そして、内部に芳香剤や脱臭剤のような清浄剤(2)が充填されており、未使用時には、その上面開口に樹脂シート(8)が貼着・閉塞されている。使用時には、この樹脂シート(8)やアルミシートを剥離して清浄剤(2)を外部に露出させて使用することになる。
【0012】
清浄剤(2)は室内、本実施例の場合には、車室内の悪臭を吸着除去する脱臭剤や芳香で車室内の悪臭を覆い隠す芳香剤である。そして前記透光性容器本体(1)、清浄剤詰替用補助容器(3)及び清浄剤(2)の少なくともいずれか一つが着色されている。色は別段特定されるものでない。
【0013】
本発明に係る清浄剤収納二重容器(A)は室内、本実施例の場合では、車室内において使用されるもので、両面接着テープを使用して底面を例えばダッシュボードの上に固定して使用される。使用にあたって、前述のように詰替補助容器(3)の上面開口に貼着された樹脂シート(8)を外し、透光性容器本体(1)に収納し、蓋をすることになる。収納された清浄剤(2)が芳香剤である場合、芳香が蓋体(4)の通孔(5)を通して室内に流出する。清浄剤(2)が脱臭剤の場合には、前記通孔(5)を通して室内の悪臭を吸着することになる。そして、清浄剤(2)が消費されると新しい清浄剤(2)に交換することになるので、廃棄ごみは使い尽くされた清浄剤詰替用補助容器(3)のみとなる。
【0014】
また、図面からわかるように清浄剤詰替用補助容器(3)の上面開口には、外鍔(10)が設けられており、蓋をした時、蓋体(4)と透光性容器本体(1)の上面開口端とで、この外鍔(10)が挟まれることになり、清浄剤詰替用補助容器(3)が固定されることになる。
【0015】
つぎに、清浄剤収納二重容器(A)の外観についてであるが、前述のように着色された清浄剤(2)が透光性の詰替用補助容器(3)内に充填されている場合、清浄剤(2)の色が詰替用補助容器(3)の外面に現れることになる。そして、この色は更に透光性容器本体(1)を通して外から見ることができるのであるが、詰替用補助容器(3)と透光性容器本体(1)との間には距離(H)があるので、透光性容器本体(1)の表面から奥に入ったところで、その色が見え、その結果、深みのある外観を呈することになる。
【0016】
また、透光性容器本体(1)に着色した場合、透光性容器本体(1)全体の奥に別の色又は同じ色の詰替用補助容器(3)が外から見え、両方の色が混じり合うと同時に前記内外の距離(H)部分の色が単独で見え、非常にカラフルな外観を呈することになる。透光性容器本体(1)だけに着色した場合でも内部に詰替用補助容器(3)が鈍く見え、従来のような平板な容器と異なる外観を呈することになる。いずれにせよ透光性容器本体(1)内に透光性の詰替用補助容器(3)を収納することにより、透光性容器本体(1)の外から二重の表面が距離(H)を置いてみることができるため、非常に立体化に富む外観となり、非常に美しく、顧客の注意を大いに惹く外観とすることができる。なお、詰替用補助容器(3)の色は交換する度に自由に選ぶことができるので、室内に置く二重容器(A)の外観を顧客の好みに合わせて自由に変えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の二重容器は、内部に収納する詰替用補助容器のみを交換することで使用継続することができ、廃棄ごみの量を大幅に減少させることができるだけでなく、詰替用補助容器或いは清浄剤又は透光性容器本体のいずれかに着色されているために、非常にカラフル且つ、従来にない深みのある外観を呈するものとすることができ、競合製品に対して、その注目度を大いに高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる二重容器の外観斜視図
【図2】図1の分解斜視図
【符号の説明】
【0019】
(A) 清浄剤収納二重容器
(1) 透光性容器本体
(2) 清浄剤
(3) 清浄剤詰替用補助容器
(4) 蓋体
(5) 通孔
(6) 上面開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した透光性容器本体と、室内のにおいを除去したり或いは室内に心地よい香りを供給する清浄剤が充填され、前記透光性容器本体内に収納された透光性の清浄剤詰替用補助容器と、透光性容器本体の上面開口に取り付けられ、通孔を有する蓋体とで構成されたことを特徴とする清浄剤収納二重容器。
【請求項2】
透光性容器本体、清浄剤詰替用補助容器及び芳香剤の少なくともいずれか一つが着色されていることを特徴とする請求項1に記載の清浄剤収納二重容器。
【請求項3】
清浄剤が芳香剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清浄剤収納二重容器。
【請求項4】
清浄剤が消臭剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清浄剤収納二重容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−188240(P2006−188240A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381818(P2004−381818)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000114709)ヤック株式会社 (22)
【Fターム(参考)】