説明

清浄化剤としての水溶性マグネシウム化合物およびそれを用いる方法

【課題】硬水から石灰滓又は沈殿物の形成を低減し、石けんかすなどを除去するための組成物および方法を提供する。
【解決手段】水溶性マグネシウムを用いる組成物および方法であって、特定の態様においては水および水溶性マグネシウム化合物を含み且つ清浄化組成物に一般に用いられる他の物質を欠いている組成物および方法、また水中でのカルシウムイオンに対しするマグネシウムイオンの所定の比が、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを提供し得る組成物および方法、水溶性カルシウム塩のアニオンを含む水溶性マグネシウム塩が水不溶性カルシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりもより効果的である組成物および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性マグネシウム化合物を用いる組成物および方法に関する。本発明は、特に、硬質面用のつけ置き洗剤又はプレウォッシュ剤、清浄化組成物、あるいはリンス剤として特に有用である。また、本発明は、石灰滓を低減し、せっけん滓を除去し、硬水の染み付きなどを低減するためにそのような組成物を用いる方法に関する。特定の態様において、本発明の組成物は、水と水溶性マグネシウム化合物を含むが、清浄化組成物に一般に用いられる他の物質を欠いている。本発明の方法および組成物は、水中でのカルシウムイオンに対する所定の比率、例えばカルシウムイオンの等モル以上のモル量のマグネシウムイオンを提供し得る。水溶性カルシウム塩のアニオンを含む水溶性マグネシウム塩は、水不溶性カルシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりも効果的である。
【背景技術】
【0002】
水中における硬度の量は多くの系で望ましくない影響を有し得る。例えば、硬水が清浄化組成物とともに用いられるとき、硬水は硬水あか又は洗浄剤成分の沈殿を引き起こし得る。一般に、硬水は、炭酸カルシウムppmを単位にして示して約100ppmを超えるカルシウムイオンとマグネシウムイオン濃度を有していることを言う。
従来の方法は、硬水の望ましくない影響を克服するために硬水に複数の成分を加えるものである。硬水軟化剤は、硬水中のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンと置換するためにナトリウムイオンを加えるものである。従来の清浄化組成物は、硬水中のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを固定するためにキレート剤、金属イオン封鎖剤、又は閾剤のようなビルダーを含んでいる。新規で良好なビルダーの開発に莫大な努力が払われた。10年間にわたって、硬水での望ましい性能を提供するための試みにおいてより複雑な洗剤処方を作るのに莫大な努力が払われた。
より簡単な組成物を製造するというこの分野における従来と反対方向に進むことで硬水の望ましくない影響を克服することができるとすれば、予想外である。添加した硬度イオンを含む単純な組成物が硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成、せっけん滓などの除去に有益な効果を有するとは、なおさら全く予想外である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、硬水に伴う有害なそして望ましくない影響を克服するために複雑な複数の配合が必要であるという一般に保持された確信から逸脱している。硬質面を清浄化又は洗浄するとき、硬水の使用はしばしばその表面に残る硬水しみ付き、膜化、汚れ付け又はせっけん滓をもたらす。硬水しみ付き、汚れ付け、膜化および水あかは、自動皿洗い機で皿を洗浄するとき、台所又は浴室で清浄化たらい又は調理台若しくは他の硬質面を清浄化するとき、又は車を洗浄するとき特に明らかである。
本発明は、硬水の上述の望ましくない影響を克服するためにより単純な組成物を含有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、硬水中のカルシウムイオンの望ましくない影響に対抗するために水溶性マグネシウム塩を用いる方法および組成物からなる。
因みに、本発明の方法および組成物のうちの1つの態様は、この目的を達成するために水溶性マグネシウム塩および硬水を用いるに過ぎない。本発明の組成物および方法は、硬質面の清浄化のための硬水の使用に伴う他の有害な影響と共に石灰滓の形成を低減又は防止し得る。
本発明は、水溶性マグネシウム化合物を用いる組成物および方法に関する。
本発明は、つけおき洗剤又はプレウォッシュ剤、清浄化剤、あるいはリンス剤に用いられ得る。
特定の態様において、本発明の組成物は、水と水溶性マグネシウム化合物とを含むが、清浄化組成物で一般に用いられる他の物質を欠いている。
本発明の方法および組成物は、水中でのカルシウムに対する所定の比率で、例えばカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを提供し得る。水溶性マグネシウム塩は、カルシウムイオンと結合した炭酸塩と交換し得る結合アニオンを有する。カルシウムアニオン生成物が最も高い溶解可能性を有していることが好ましいが、必須ではない。本発明の組成物は、硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成を低減し、せっけん滓などの除去に用いられ得る。
【0005】
他の態様において、本発明は、対象物の清浄化の方法を含む。また、本発明の方法は、硬水の染み付き、水あか化又は沈渣を低減し得る。
本発明の方法は、対象物と、水および水溶性マグネシウム塩を含有する水性組成物とを接触させること、そして許容量の硬水染み付き、水あか又は沈渣を有する対象物を回収することを含み得る。この方法において、水性組成物は、接触の間カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み得る。この方法において、水溶性マグネシウム塩が、好適にはカルシウムと水溶性塩を形成するアニオンを含み得る。
【0006】
他の態様において、本発明は、対象物からせっけん滓を除去する方法を含む。この方法は、対象物上のせっけん滓を水および水溶性マグネシウム塩の水性組成物と接触させること、そして対象物からせっけん滓を除去することを含み得る。この方法において、水性組成物は、接触の間カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み得る。この方法において、水溶性マグネシウム塩は、好適にはカルシウムイオンとともに、水溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み得る。
【0007】
さらに他の態様において、本発明は、対象物へのせっけん滓の沈渣を防止する又は低減する方法を含む。この方法は、対象物と水および水溶性マグネシウム塩の水性組成物とを接触させることを含み得る。この方法において、水性組成物は、接触の間カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み得る。この方法において、水溶性マグネシウム塩は、好適にはカルシウムイオンとともに、水溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み得る。
【0008】
他の態様において、本発明は、水および水溶性マグネシウム塩の水性組成物を含む。本発明は、実質的に水および水溶性マグネシウムからなる水性組成物を含む。使用のために希釈すると、この組成物は、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み得る。好適な組成物は、カルシウムイオンとともに、水溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含む水溶性マグネシウム塩を含み得る。
【0009】
他の態様において、本発明は、水溶性マグネシウムおよび、水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤又はそれらの混合物からなる群から選択される更なる1成分を含有する組成物を含む。
1つの態様において、本発明は、実質的に水溶性マグネシウムおよび前記更なる1成分からなる組成物を含む。使用のために希釈すると、この組成物は、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み得る。好適な組成物は、カルシウムイオンとともに、水溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含む水溶性マグネシウム塩を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1〜6の各々は、x、yおよびz軸を有している。x軸は、カルシウムとビルダー、例えばSTPP、又は水溶性マグネシウム化合物とのモル比の尺度である。y軸は、試料を通った光線透過率の水準の尺度であって、0%は光が透過しない、そして100%は全光線が透過した、である。透過率の完全な又は部分的減少は、初期には透明な試料における微粒子形成が存在する結果として起る。効果的なビルダーは沈殿を防止又は低減して、透明な試料をもたらす。z軸は、20〜60℃の範囲の試験温度の尺度である。
【0011】
【図1】図1は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH8でビルダーとしてのSTPPの性能を表す比較のプロットである。
【図2】図2は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH8で沈殿の防止における塩化マグネシウムの性能のプロットである。
【図3】図3は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH10でビルダーとしてのSTPPの性能を表す比較のプロットである。
【図4】図4は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH10で沈殿の防止における塩化マグネシウムの性能のプロットである。
【図5】図5は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH12でビルダーとしてのSTPPの性能を表す比較のプロットである。
【図6】図6は、種々の量のカルシウムの存在下、種々の温度および一定のpH12で沈殿の防止における塩化マグネシウムの性能のプロットである。
【図7】図7は、17グレイン(850mg)の硬水のみを用いて100サイクル続けた後の多量の石灰滓の沈積を示している食器洗い機の内部の写真である。
【図8】図8は、17グレインの硬水を、唯一のリンス剤として導入された水溶性マグネシウム化合物の硫酸マグネシウムと共に用いて100サイクル続けた後の食器洗い機の内部の写真である。唯一のリンス剤としての硫酸マグネシウムが存在すると、金属への石灰滓の蓄積を防止した。この効果を得るために、ビルダー又はシーティング剤は全く必要でなかった。
【0012】
【図9】図9は、6つのガラスコップの写真である。ガラスコップ「C」は、リンス剤として硬水のみを用いた対照例である。他のガラスコップは、マグネシウム:カルシウムが1:1、1.5:1、2:1、2.5:1又は3:1のモル比を用いて浸し、そしてそのように標識化したものである。これらの比率は、流入する水の中に存在する量を含めて存在する全マグネシウム量に基いている。図9の結果は、唯一のリンス剤としての水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムがガラスコップへの石灰滓の蓄積を低減しそして防止したことを示している。意外にも、この実験では、マグネシウムとカルシウムとの1:1のモル比がガラスコップへの硬水あか化の増加をもたらし、一方より高い比率では対照のガラスコップと比較して硬水あか化の低減をもたらした。
【図10】図10は、塩化マグネシウムを用いて食器洗い機で100サイクルに供した1つと、塩化マグネシウムを用いたもう1つとの2つのガラスコップの写真である。マグネシウムとカルシウムとのモル比は1:1であった。予想外に、硫酸マグネシウムを塩化マグネシウムに変えると、マグネシウムとカルシウムとの1:1のモル比のものが対照よりも良好な結果を示した。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
本明細書において、用語の「水溶性」とは、1wt%より高い濃度で水に溶解され得る化合物を呼ぶ。
本明細書において、用語の「難溶性」又は「水難溶性」とは、0.1〜1.0wt%の濃度でのみ水に溶解され得る化合物を呼ぶ。
本明細書において、用語の「水不溶性」とは、0.1wt%未満の濃度でのみ水に溶解され得る化合物を呼ぶ。
本明細書において、用語の「キレート剤」および「金属イオン封鎖剤」とは、特定のモル比で水の硬度イオン(洗浄水、よごれおよび洗浄されている基質から)と錯体(溶解性又はそうでない)を形成する化合物を呼ぶ。水溶性錯体を形成し得るキレート剤としては、トリポリリン酸ナトリウム、EDTA、DTPA、NTA、クエン酸塩などが挙げられる。不溶性錯体を形成し得る金属イオン封鎖剤としては、三リン酸ナトリウム、ゼオライトAなどが挙げられる。本明細書において、用語の「キレート剤」と「金属イオン封鎖剤」とは同義語である。
【0014】
本明細書において、用語の「キレート剤のない」とは、キレート剤又は金属イオン封鎖剤を含まないあるいはキレート剤又は金属イオン封鎖剤が加えられなかった組成物、混合物若しくは成分を呼ぶ。万一、キレート剤のない組成物、混合物又は成分に汚染によりキレート剤又は金属イオン封鎖剤が存在するならば、キレート剤又は金属イオン封鎖剤の量は7wt%未満であるべきである。他の態様において、キレート剤又は金属イオン封鎖剤のそのような量は2wt%未満である。他の態様において、キレート剤又は金属イオン封鎖剤のそのような量は0.5wt%未満であり、そしてさらに他の態様において、キレート剤又は金属イオン封鎖剤のそのような量は0.1wt%未満である。
【0015】
本明細書において、用語の「有効量のキレート剤を欠いている」とは、余りに少な過ぎて水の硬度に測定できる程度に影響を及ぼすことができない程しかキレート剤又は金属イオン封鎖剤を含有しない組成物、混合物又は成分を呼ぶ。従って、キレート剤又は金属イオン封鎖剤の効果のない量は、水の硬度および濃縮物の希釈率によって異なる。
本明細書において、用語の「閾剤」とは、溶液から水の硬度イオンの結晶化を抑制するが、水の硬度イオンと特定の錯体を形成する必要がない化合物を呼ぶ。このことが閾剤をキレート剤又は金属イオン封鎖剤と区別する。閾剤としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸共重合体などが挙げられる。
【0016】
本明細書において、用語の「再付着防止剤」とは、清浄化される対象物への再付着ではなく水中で懸濁した状態を保つのに役立つ化合物を呼ぶ。
本明細書において、用語の「リン酸塩のない」とは、リン酸塩又はリン酸塩含有化合物を含まないあるいはリン酸塩又はリン酸塩含有化合物が加えられなかった組成物、混合物若しくは成分を呼ぶ。万一、リン酸塩の無い組成物、混合物又は成分の汚染によりリン酸塩又はリン酸塩含有化合物が存在するならば、リン酸塩の量は0.5wt%未満であるべきである。さらに好適には、リン酸塩の量は0.1wt%未満、そして最も好適には、リン酸塩の量は0.01wt%未満である。
【0017】
本明細書において、用語の「リンのない」とは、リン又はリン含有化合物を含まないあるいはリン又はリン含有化合物が加えられなかった組成物、混合物若しくは成分を呼ぶ。万一、リンの無い組成物、混合物又は成分の汚染によりリン又はリン含有化合物が存在するならば、リンの量は0.5wt%未満であるべきである。さらに好適には、リンの量は0.1wt%未満、そして最も好適には、リンの量は0.01wt%未満である。
【0018】
「清浄化」とは、よごれ除去、漂白、微生物個体群の低減、すすぎ又はそれらの組み合わせを実行すること又は支援することを意味する。
本明細書において、用語の「皿」とは、食事そして料理する食器のような品目を呼ぶ。本明細書において、用語の「皿洗浄」とは、皿の洗浄、清浄化又は皿を浸すことを呼ぶ。
本明細書において、用語の「硬質面」とは、シャワー、流し、トイレ、浴槽、調理台、窓、鏡、運搬用車両、床などを呼ぶ。これらの表面は、「硬質面」(例えば、壁、床、ベッドパンなど)、布地面、例えばニット、織物、および不織布面(例えば、外科衣類、カーテン、シーツと枕カバー、包帯など)、あるいは患者の治療備品(例えば、呼吸マスク、診断設備、シャント、身体潜望鏡、車椅子、ベッドなど)若しくは手術用機器および診断装置が代表例となるそれらであり得る。
【0019】
本明細書において、語句の「ヘルスケア表面」とは、ヘルスケア活動の一環として用いられている機器、装置、カート、かご、家具、構造体、建造物などの表面を呼ぶ。ヘルスケア表面の例としては、医療機器又は歯科器具の表面、医療装置又は歯科装置の表面、患者の健康状態を監視するために用いられる電子装置の表面、その中でヘルスケアが生じている構造体の床、壁又は材料固定具の表面を呼ぶ。ヘルスケア表面は、病室、手術室、慢性病室、分娩室、遺体室、および臨床診断室で見出される。ヘルスケア表面は動物のヘルスケアに用いられる品物および表面を含む。
本明細書において、用語の「機器」とは、本発明による安定化した組成物を用いた清浄化によって利益を得ることができる種々の医療又は歯科機器又は装置を呼ぶ。
【0020】
本明細書において、語句の「医療機器」、「歯科機器」、「医療装置」、「歯科装置」、「医療設備」又は「歯科設備」とは、医療又は歯科で用いられる機器、装置、道具、歯列矯正器具、器具および備品を呼ぶ。そのような機器、装置および備品は殺菌され、浸されるか又は洗浄され次いで加熱殺菌されるか、さもなければ本発明の組成物の中での清浄化から恩恵を受け得る。これらの種々の機器、装置および備品としては、限定されないが、診断の機器、トレイ、パン、容器、棚、鉗子、ハサミ、大はさみ、のこぎり(例えば、骨のこぎりおよびそれらの刃)、止血鉗子、メス、のみ、骨鉗子、やすり、ベンチ、ドリル、ドリツビット、石目やすり、掘削器具、スプレッダー、ブレーカー、エレベーター、クランプ、持針器、運び台、クリップ、フック、ノミ、キュレット、開創器、まっすぐにする器具、穴開けはさみ、抽出装置、角膜切開刀、へら、絞り出し器、トロカール、拡張器、ケージ、ガラス製品、管類、カテーテル、カニュール、栓、ステント、顕微鏡(例えば、内視鏡、聴診器および関節鏡)および関連備品など又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
本明細書において、固形清浄化組成物とは、固形物、例えば粉末、粒子、塊、薄片、顆粒、ペレット、タブレット、菱形のもの、パック、ブリケット、レンガ状の塊、固形ブロック、ユニット用具の形状又は当業者に公知の他の固形形状をした清浄化組成物を呼ぶ。用語の「固形」とは、固形の洗剤組成物の予想される貯蔵および使用条件下での洗剤組成物の状態を呼ぶ。一般に、洗剤組成物は、約100°F(38℃)以下で約120°F(49℃)より高い温度にさらされたときに固形形状を保つと期待されている。
【0022】
処理された組成物を記述するために用いられる「固形物」という用語によって、硬化した組成物が、例えば型から取り外されたときの型の形状、押し出し機などから押し出されて形成された品物の形状に関して、緩やかな圧迫又は圧力あるいは単なる重力の下では目に見えて流れない又は実質的にその形状を保っていることを意味する。固形成型組成物の硬度は、例えばコンクリートのように比較的緻密で硬質である融合固形ブロックのそれからコーキング材に類似した展性のそしてスポンジのようであると特徴付けられる堅さに及び得る。
【0023】
本明細書において、質量%(wt%)とは、ある物質の質量を組成物の全質量で割り、100を乗じたある物質の濃度を呼ぶ。
本明細書において、本発明の又は本発明の方法で用いられる組成物における成分の量を修飾する用語の「約」とは、例えば、実社会で濃縮物又は用途溶液を製造するために用いられる典型的な計測および液体の処理手順により、製造者、原料、又は組成物を製造するため又は本発明の方法などを実行するため用いられる成分の純度の差異により生じ得る数量の変分を呼ぶ。また、約という用語は、特定の初期混合により得られる組成物に対する異なる均衡条件が原因で相違する複数の量を包含する。「約」により修飾されようがされまいが、特許請求の範囲は量に対する均等量を含む。
【0024】
本明細書および特許請求の範囲で用いられるように、注目すべきは、「1つ」が、明細書が明確に別のことを定めていなければ複数の指示対象を含むことである。それ故、例えば、「1つの化合物」を含有する組成物への言及は2つ以上の化合物を含む混合物を含んでいる。また、注目すべきは、「又は」が、明細書が明確に別のことを定めていなければ一般に「および/又は」を含む意味で用いられていることである。
【0025】
水溶性マグネシウム化合物を用いる方法および組成物
本発明は、様々な表面を処理するための漬けおき洗剤、プレウォッシュ剤、清浄化剤又はリンス剤の作成および使用に有用である。本発明により作成される組成物は、自動食器洗い機、手動食器洗いにおいて、硬質面、例えば数例を挙げると、窓、鏡、セラミックタイルおよび洗面器、御影石、プラスチック、ステンレススチール、木材、調理台又は車両の清浄化において有用である。また、本発明により作成される組成物は、医療又は歯科の備品あるいは機器の清浄化若しくは処理およびリネン製品の洗浄に有用である。本発明は水溶性マグネシウム化合物を用いる組成物および方法に関する。本発明者らは、予想外に、例えば硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成を低減し、せっけん滓の形成を低減し、せっけん滓などを除くために水溶性マグネシウム化合物が用いられ得ることを見出したのである。特定の態様において、組成物および方法は、水溶性マグネシウムを各々含みそして用いるが、一般に清浄化組成物において用いられる他の物質を欠いている。これらの組成物は、水の染み付き又は水あかが問題である様々な状況、例えばタイル、ガラス皿、他の皿などのような硬質面の清浄化あるいはすすぎで用いられ得る。
【0026】
本発明者らは、水中でのカルシウムイオンに対する所定の比率、例えばカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを提供する水溶性マグネシウム塩の組成物が、硬水から石灰滓又は沈殿物の形成を有利に低減し、せっけん滓などを有利に除くことを見出した。例えば、マグネシウムイオンとカルシウムイオンとは1:1のモル比であるか又は組成物はより多くの量のマグネシウムイオンを含み得る。1つの好適な態様において、マグネシウムイオンとカルシウムイオンとは約1.5:1〜約3:1のモル比であり得る。さらに、本発明者らは、水溶性カルシウム塩のアニオンを含む水溶性マグネシウム塩の組成物が、水不溶性カルシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりも効果的であることを見出した。これらの組成物は、硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成を低減し、せっけん滓などを除くのに用いられ得る。
【0027】
驚いたことに、水溶性マグネシウム塩を含有する水は、硬水の特定の有害な影響を低減するのに有益な効果を有し得る。実際、硬水中に水溶性マグネシウム塩のみを有する組成物はこれらの有益な効果を有し得る。予想外に、水溶性マグネシウム塩が、従来のキレート剤又は金属イオン封鎖剤(トリポリリン酸ナトリウム(STPP))と同様にカルシウム塩の沈殿の防止に作用することが見出された。同様に、思いがけなく、硬水中に水溶性マグネシウム塩のみの組成物が硬水からの石灰滓の形成を低減した。さらに、思いがけなく、水溶性マグネシウム塩のみを含有するすすぎ水が、皿洗い後のガラスコップ上に、および水と接する食器洗い機の複数の部分に硬水からの石灰滓の形成を低減した。意外にも、硬水中に水溶性マグネシウム塩のみを含有する組成物が、タイルからせっけん滓を除いた。これらの効果は、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含有する組成物を用いて達成され得る。これらの効果は、水不溶性マグネシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりも効果的な、水溶性カルシウム塩のアニオンを含有する水溶性マグネシウムを用いてより低濃度の水溶性マグネシウム塩で達成され得る。
【0028】
上記のように、これらの有益な効果は、水および水溶性マグネシウム化合物を含有するが一般に清浄化組成物に用いられる他の物質を欠いている組成物によって達成され得る。すなわち、特定の態様において、水と水溶性マグネシウム化合物のみの組成物がそのような有益な効果を示し得る。組成物は、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含有し得る。組成物は水溶性カルシウムのアニオンを含有する水溶性マグネシウム塩を用いる水溶性マグネシウムを含有し得る。
特定の態様において、本発明の組成物は、水と水溶性マグネシウム化合物とから実質的になる。本明細書において、語句の「実質的に〜からなる」とは、記載された成分(例えば、水および水溶性マグネシウム化合物)を含有するが一般に清浄化組成物に用いられる効果的な量の任意の清浄化成分を欠いている組成物を呼ぶ。
【0029】
1つの態様において、本発明の組成物は、清浄化組成物において一般に用いられる清浄化成分を含まない。本明細書において、語句の「清浄化組成物において一般に用いられる清浄化成分を含まない」とは、一般に清浄化組成物で用いられる清浄化成分を含有していないあるいは一般に清浄化組成物で用いられる清浄化成分が加えられなかった組成物、混合物又は成分を呼ぶ。万一、一般に清浄化組成物で用いられる清浄化成分が一般に清浄化に用いられる清浄化成分を含まない組成物の汚染により存在するならば、一般に清浄化組成物に用いられる清浄化成分の量は0.5wt%未満であるべきである。さらに好適には、一般に清浄化組成物に用いられる清浄化成分の量は0.1wt%未満であり、そして最も好適には、一般に清浄化組成物に用いられる清浄化成分の量は0.01wt%である。
【0030】
本明細書において、「一般に清浄化組成物に用いられる清浄化成分」とは、アルカリ源、有機の界面活性剤又は清浄化剤(例えば、界面活性剤又は界面活性系、例えば、アニオン、カチオンおよび両性イオン性界面活性剤)、pH調整剤(例えば、有機又は無機のアルカリ源若しくはpH緩衝剤)、ビルダー(例えば、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩又はそれらの酸形のような無機ビルダー)、加工助剤、活性酸素化合物、ガラス又は金属防蝕剤、活性剤、水洗い補助機能物質、漂白剤、消泡剤、再付着防止剤、安定剤、酵素、キレート剤又は金属イオン封鎖剤(例えば、ホスホン酸塩、リン酸塩、アミノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩など)、洗剤ポリマー、軟化剤、酸性源、溶解度調整剤、漂白剤あるいは追加の漂白剤、発泡剤、又はアルカリ源のための活性剤を呼ぶ。
【0031】
本明細書において、「一般に清浄化組成物に用いられる清浄化成分」とは、抗菌剤、第2の硬化剤、洗剤フィラー、審美促進剤(すなわち、染料、着臭剤、香水)、潤滑油組成物、分散剤又は増粘剤を含まない。
また、特定の態様において、組成物は、抗菌剤、粘度調整剤(セルロースポリマー、グアー誘導体およびゴムなど)、審美促進剤(すなわち、染料、着臭剤、香水、香料)、潤滑油組成物、分散剤、防腐剤又は増粘剤を含み得る。
【0032】
本明細書において、本発明の組成物の成分に関連して、水とは、地方自治体又は自分用の水システム、例えば公共水道又は井戸から得られる飲料水を呼ぶ。水は、硬水、水道用水、井戸水、地方自治体の水システムにより供給される水、自分用の水システムにより供給される水、再生水又はシステム又は井戸から直接の水であり得る。1つの態様において、本発明の方法は、今日では使用されるようなそして作用させるために塩化ナトリウムでの定期的な再生を必要とする高分子水軟化装置床で処理されなかった水を用いる。一般的に、硬水とは、100ppmより多い量のカルシウムおよびマグネシウムのイオンを有する水を呼ぶ。多くの場合、硬水中のカルシウムとマグネシウムとの比率は約2:1又は約3:1である。ほとんどの場所は硬水を有するが、水の硬度は場所ごとに変化する傾向がある。
【0033】
本発明の組成物
1つの態様において、本発明は、水および水溶性マグネシウム塩から実質的になる水性組成物を含む。他の態様において、水性組成物は、さらに増粘剤から実質的になる。他の態様において、水性組成物は、水および水溶性マグネシウム塩からなる。さらに他の態様において、水溶性組成物は、水、水溶性マグネシウム塩、および抗菌剤、粘度調整剤、審美促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤又はそれらの混合物からなる群から選択される1成分からなる。
【0034】
この組成物は、使用のため希釈すると、カルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含有し得る。使用のため希釈すると、本発明の組成物は、カルシウムイオンのwt%の2分の1以上のwt%のマグネシウムイオンを含む。好適には、水溶性マグネシウム塩は、不溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、そして水性組成物は、使用のために希釈すると、カルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む。本発明の水性組成物は、好適には1wt%未満のリンおよび/又は1wt%未満のリン酸塩を含む。
【0035】
本発明は、水溶性マグネシウム塩、および抗菌剤、粘度調整剤、審美促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤又はそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分を含有する組成物を含む。他の態様において、本発明の組成物は、水溶性マグネシウム塩および抗菌剤、粘度調整剤、審美促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤又はそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分から実質的になる。
1つの態様において、組成物は固形ブロックである。固形ブロックは99〜100wt%の水溶性マグネシウム塩を含有し得る。そのような態様において、組成物は、好適には1wt%未満のリンおよび/又は1wt%未満のリン酸塩を含む。
【0036】
組成物は水中でカルシウムに対する所定の比率でマグネシウム化合物を含有し得る。マグネシウム化合物は、カルシウムと水溶性塩を形成するアニオンを含有する水溶性マグネシウム塩であり得る。マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンのいずれとも水溶性塩を形成するアニオンとして、塩化物および酢酸塩が挙げられる。硫酸塩はマグネシウムと水溶性塩を形成するが、そのカルシウム塩は水不溶性である。組成物は、キレート剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、閾剤、界面活性剤およびシーティング剤の有効量を欠いているか又は実質的に含まない。
【0037】
本発明の方法
本発明の清浄化組成物は、幅広い様々な産業、家庭、ヘルスケア、車の手入れ、および他の適用で用いられ得ると考えられる。いくつかの例として、抗菌剤、皿清浄化剤、車両清浄化剤、床清浄化剤、表面清浄化剤、つけおき洗剤、現場クリーン、窓清浄化剤および他の幅広い適用が挙げられる。
本発明は、対象物の清浄化方法を含む。この清浄化方法は、好適には硬水の染み付き、水あか化又は沈渣の低減をもたらす。本発明方法のこの態様は、対象物と、水および水溶性マグネシウム塩を含む水性組成物との接触を含み得る。また、本発明の方法は、許容し得る量の硬水の染み付き、水あか化又は沈渣を有する対象物を回収することを含み得る。
【0038】
以下の格付け体系は硬質面への染み付きを等級分けするために用いられる。格付け体系の作成において、透明なガラスコップを用いた。格付け1、1.5および2を有する表面は許容可能な染み付き量を有していると見なされる。格付け3を有する表面は辛うじて許容可能な染み付き量を有し、一方4又は5の格付け表面は許容不可能な染み付き量を有する。
【0039】
格付け 染み付き
1 実質的に染み付きなし 膜なし
1.5 染みの付いた表面1/8 膜なし〜辛うじて目に見える
2 染みの付いた表面1/4 痕跡/辛うじて目に見える
3 染みの付いた表面1/2 わずかな膜
4 染みの付いた表面3/4 中程度の膜
5 全表面染み付き 大量の膜
【0040】
本明細書において、硬水の染み付き、あか化又は沈渣の許容可能な量は、規定した碁盤目における1、1.5又は2の格付け表面を呼ぶ。言い換えれば、表面の4分の1染み付きおよび/又は辛うじて目に見えるだけの膜と同程度の表面は許容可能と見なされる。他の態様において、表面の4分の1未満が染み付きを有する表面は許容可能と見なされる。さらに他の態様において、表面の8分の1以下が染み付きを有する表面は許容可能と見なされそして他の態様において表面は染み付きを実質的に含まない。
【0041】
接触の間、水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含有し得る。1つの態様において、接触の間の水性組成物はカルシウムイオンのwt%の2分の1以上のwt%のマグネシウムイオンを含有する。他の態様において、水溶性マグネシウムは不溶性又は難溶性のカルシウム塩を形成するアニオンを含みそして接触の間の水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含む。
当業者は、可溶性マグネシウム化合物からのアニオンから形成されたカルシウム塩の溶解性が高くなると、マグネシウムとカルシウムとの比(Mg:Ca)が低い必要があると理解するであろう。言い換えれば、生じるカルシウム塩が非常に可溶性であれば、マグネシウムとカルシウムの濃度比が1:1に近づき、一方生じるカルシウム塩が低い溶解性であれば、マグネシウムとカルシウムとの比は1:1よりも高い必要がある。
【0042】
本発明の1つの態様において、水性組成物は水と水溶性マグネシウムとから実質的になる。他の態様において、水性組成物は水と水溶性マグネシウムとからなる。さらに他の態様において、水性組成物は水、水溶性マグネシウムおよび抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる。
【0043】
本発明の方法は、任意の様々な対象物の清浄化に適用され得る。例えば、接触は任意の様々な対象物又は表面に接触することを含み得る。本発明の方法の1つの変形において、接触は硬質面を水洗いすることを含む。硬質面はセラミックタイル、窓およびそれらの組み合わせからからなる群から選択される。硬質面は浴室又は台所に存在し得る。他の態様において、接触は皿を水洗いする又は予浸することを含む。
また、本発明は医療機器を水洗いする又は洗浄するためあるいは洗車で車両を水洗いする若しくは洗浄するために用いられ得る。
【0044】
本発明の方法は、硬水の任意の様々な悪影響を低減し得る。1つの態様において、本発明の方法は水あか化を低減し得る。本発明は硬質面からせっけん滓を除くのに非常に有効である。そのような方法において、対象物のせっけん滓を水と水溶性マグネシウムとを含む水性組成物と接触させ、そしてせっけん滓は対象物から除去される。他の態様において、水性組成物は水と水溶性マグネシウムとから実質的になる。水性組成物はさらに増粘剤から実質的になり得る。1つの態様において、水性組成物は水と水溶性マグネシウムとからなる。水性組成物は水、水溶性マグネシウムおよび抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分から実質的になり得る。
【0045】
本発明の方法は、任意の様々な表面からせっけん滓を除去し得る。1つの態様において、接触は浴室面に接触させることを含む。また、接触は、セラミックタイル、皿洗浄機の内部表面に接触することそして、せっけん滓を除去して光沢のある表面をもたらすことを含む。この方法は、任意の様々な種類のせっけん滓を除去するために用いられ得る。例えば、せっけん滓は、脂肪酸のカルシウム塩を単独で又は他の汚れ、例えば表面にせっけん滓をより付着しやすくし得るトリグリセリドおよび/又はタンパク質の存在下に含み得る。
【0046】
本発明の方法は、任意の様々な種類の表面からせっけん滓を除去するために用いられ得る。せっけん滓は浴室表面に存在し得る。浴室表面はシャワー内又は周囲、例えばシャワー室、衛生器具、壁、ガラス製シャワードアなどの表面であり得る。せっけん滓は皿洗い機の表面に存在し得る。1つの態様において、せっけん滓は硬質面に存在する。硬質面は車両、食器、又は調理器具、建築物表面、例えば窓あるいは床若しくは調理台であり得る。
【0047】
この発明の方法において、せっけん滓を効果的に除去するとは、表面から目視で検知しうる量のせっけん滓を除去することを言い得る。1つの対応において、せっけん滓を効果的に除去することは光沢のある表面をもたらす。せっけん滓を効果的に除去することは水の軟化用高分子層を用いる必要なく石灰滓を含まない表面をもたらす。本発明の1つの態様において、過剰なカルシウムイオンを含有する水性組成物は、少なくとも約50ppmのカルシウムイオン、例えばカルシウムイオンに起因して1ガロン(3.785L)当たり少なくとも約5グレイン(250mg)の硬度を含有する。本発明の1つの態様において、加えることとは、カルシウムイオンの約半分のwt%が全マグネシウムイオンのwt%となるために水溶性マグネシウム化合物を加えることを含んでいる。例えば、水の硬度として5グレインのカルシウムイオンを含有する水に対して少なくとも約2グレインの全マグネシウムイオン。本発明の方法の1つの態様において、加えることとは、カルシウムイオンの約半分のwt%より多い全マグネシウムイオンのwt%(約1:1のモル比である)を達成するためにカルシウムと可溶性塩を生じるアニオンを含有する水溶性マグネシウム化合物(例えば、MgCl)を加えることを含んでいる。本発明の方法の1つの態様において、加えることはカルシウムイオンのwt%の全マグネシウムイオンのwt%(約2:1のモル比である)を達成するためにカルシウムと不溶性塩を形成するアニオンを含有する水溶性マグネシウム化合物(例えば、MgSO)を加えることを含んでいる。
【0048】
本発明は、石灰滓制御のため水に加えて水溶性マグネシウムを用いる組成物又は方法を含んでいる。1つの態様において、本発明は水性組成物からのカルシウム沈殿物又は石灰滓を低減する方法を含む。この方法は、過剰なカルシウムイオンを含む水性組成物を提供すること、過剰なカルシウムイオンを含む水性組成物に水溶性マグネシウム化合物を加えること、清浄化のためにマグネシウム化合物が加えられた水性組成物を用いること、を含み得る。マグネシウム処理された水は、水性組成物からのカルシウム沈殿物又は石灰滓を低減するために望ましい任意の様々な目的のために用いられ得る。例えば、本発明の方法は、皿洗浄において皿の水洗いのためにマグネシウム化合物が加えられる水性組成物を用いることを含み得る。本発明の方法は、水中でカルシウムイオンに対する所定の比率でのマグネシウムイオン、例えばカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを提供することを含み得る。そのような方法は、硬水から石灰滓又は沈殿物の形成を有利に低減し、せっけん滓などを取り除き得る。本発明の方法は、水不溶性カルシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりも効果的である水溶性カルシウム塩のアニオンを含有する水溶性マグネシウム塩を用い得る。
【0049】
また、本発明は、水性組成物からカルシウム塩の沈殿物を低減する方法を含む。この方法は、過剰なカルシウムイオンを含有する水性組成物を提供すること、過剰なカルシウムイオンを含有する水性組成物に水溶性マグネシウム化合物を加えること、そして皿洗浄における皿水洗いのため、皿水洗いにおける皿用つけおき剤として、皿洗浄における皿用洗剤として、洗車における車両の水洗い用に、シャワー又は他の風呂用具を水洗いするため、窓を洗うためなどにマグネシウムが加えられた水性組成物を用いること、を含み得る。本発明の組成物は、ビルダー、金属イオン封鎖剤、キレート剤又は閾剤を含有しなくてあり得る。本発明の方法は、水中でカルシウムイオンに対する所定の比率のマグネシウムイオン、例えばカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを、含有し得る。そのような方法は、硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成を有利に低減し、せっけん滓などを有利に取り除き得る。本発明の方法は、水不溶性カルシウム塩を有するマグネシウム塩よりも効果的である水溶性カルシウム塩のアニオンを含有する水溶性マグネシウムを用い得る。
【0050】
本発明は、対象物の清浄化方法を含んでいる。この方法は、水溶性マグネシウム化合物の固形ブロックを提供すること、水溶性マグネシウム化合物を含有する水性組成物を形成するために固形ブロックと水性組成物とを接触させること、そして対象物を清浄化するために水溶性マグネシウム化合物を含有する水性組成物を対象物に適用することを含み得る。本発明の方法は、水中でカルシウムイオンに対する所定の比率のマグネシウムイオン、例えばカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを提供することを含む。そのような方法は、硬水からの石灰滓又は沈殿物の形成の低減、硬水染み付きの低減、せっけん滓などの取り除きを有利になし得る。本発明の方法は、水不溶性カルシウム塩のアニオンを有するマグネシウム塩よりもより効果的である水溶性カルシウム塩のアニオンを含有する水溶性マグネシウム塩を用い得る。
【0051】
1つの態様において、本発明は、固形ブロック清浄化組成物を含んでいる。固形ブロック清浄化組成物は99〜100wt%の水溶性マグネシウム化合物を含み得る。
他の態様において、本発明の方法は、表面を水洗いするために用いられている水の流れに本発明の水性組成物を注入するか又は本発明の固形組成物を入れることを含む。1つの態様において、本発明の方法は、有効性のために塩化ナトリウムを用いた定期的な再生処理が必要で現在使用されている高分子水軟化剤層では処理されなかった水を用いる。
【0052】
接触は、組成物を適用するための任意の多くの方法、例えば組成物をスプレーする、組成物に対象物を浸す、又はそれらの組み合わせを含み得る。組成物は、台所、浴室、工場、病院、歯科医院および食品工場を含む様々な場所で適用され得て、そして平坦な、不規則な又は多孔質のトポグラフィーを有する様々な硬質面に適用され得る。適した硬質面として、例えば建築物の表面(例えば、床、壁、窓、流し台、テーブル、カウンターおよび看板)、食器、硬質面の医療又は手術機器および装置、および硬質面の箱が挙げられる。そのような硬質面は、例えばセラミック、金属、ガラス、木材又は硬質プラスチックを含む様々な物質から作成され得る。
【0053】
本発明の組成物の濃縮物又は用途濃縮物は、対象物に清浄化組成物を適用するために任意の従来の方法又は装置を用いて対照物との接触に適用され又は対象物と接触させられ得る。例えば、対象物は、組成物又は組成物から作成された用途溶液を用いて拭かれ、噴霧され、および/又は浸される。組成物は表面に噴霧され、又は拭かれ得て、組成物は表面上を流れさせられ得て、あるいは表面は組成物中に浸され得る。接触は手動又は機械的であり得る。
【0054】
水溶性マグネシウム化合物
適した水溶性マグネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択されるそれらが挙げられる。これらの塩は、水和塩として又は無水塩として提供され得る。
【0055】
適した水溶性マグネシウム化合物はカルシウムとも溶解性の塩を形成するアニオンを有するマグネシウム塩を含む。そのような塩として、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択されるそれらが挙げられる。
直接食品接触に対するGRASとして承認された水溶性マグネシウム化合物としては、塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムが挙げられる。
【0056】
また、水溶性マグネシウム化合物の成型した又は押圧した固形ブロックあるいはパックは水不溶性マグネシウム化合物を含み得る。水不溶性化合物は有用な固形清浄化組成物を提供するために水溶性マグネシウム化合物が溶解する速度を遅くし得る。特定の態様において、水溶性マグネシウム化合物と水不溶性マグネシウム化合物との比率は約1:10〜約10:1、約1:5〜約5:1、又は約1:3〜約3:1であり得る。
【0057】
追加の成分
特定の態様において、また、組成物は、抗菌剤、粘度調整剤(セルロースポリマー、グアー誘導体およびゴムなど)、審美促進剤(すなわち、染料、着臭剤、香水、香料)、潤滑油組成物、分散剤、防腐剤又は増粘剤を含み得る。そのような成分が、例えば、参照によりその全てが本明細書に組み入れられる米国特許公開第2003/0139310号明細書および/又は同第2006/0113506号明細書に記載されている。
【0058】
除外すべき成分
本発明の組成物は、追加的な機能成分又は要素、例えばキレート剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、閾剤、界面活性剤又はシーティング剤などの有効量を欠いているか又は実質的に含んでいない。
本発明の組成物は、添加金属イオン封鎖剤又はキレート剤を実質的に含まなくてあり得るあるいは添加金属イオン封鎖剤又はキレート剤を含まなくてあり得る。1つの態様において、本発明の清浄化組成物は、添加金属イオン封鎖剤又はキレート剤を実質的に含んでいないか又は含んでいない。キレート剤又は金属イオン封鎖剤として、ホスホン酸塩、リン酸塩、アミノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩などが挙げられる。
【0059】
好適な態様において、本発明の組成物および本発明の方法は、界面活性剤又は界面活性剤システムを用いない。除外される界面活性剤としては、多くの供給元から市販されているアニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤および両性イオン界面活性剤が挙げられる。
他の態様において、本発明の組成物及び本発明の方法は、湿潤剤及びシーティング剤を用いない。湿潤剤及びシーティング剤は、シーティング作用を促進しそして水洗い完了後に玉のようになって付いた水に起因する染み付き又は筋付きを防止するために水洗い水の表面張力を低減し得る典型的には水溶性又は水分散性の低発泡性有機物質である。
【0060】
用途組成物
本発明の組成物は、濃縮物組成物及び用途組成物を含む。例えば、濃縮物組成物は、例えば用途組成物を形成するために水を用いて希釈され得る。1つの態様において、濃縮物組成物は対象物への適用の前に用途溶液に希釈され得る。経済的理由で、濃縮物が市販され得てそして末端消費者は用途溶液を目的として濃縮物を水又は水性希釈液で希釈し得る。濃縮組成物中の活性成分の量は、対象とする希釈倍数および水溶性マグネシウム塩の望ましい濃縮物に依存している。
【0061】
一般的に、約20ガロン(1ガロン=3.785L)の水に対して約1液量オンス(1液量オンス=29.57mL)〜約1ガロンの水に対する約5液量オンスの希釈が水性洗浄化組成物のために用いられる。典型的な用途場所において、濃縮物は、100ガロンの水当たり約3〜約20オンスの濃縮物の希釈率で、材料を混合する通常入手可能な蛇口水又は給水を用いる主要な水で希釈される。用途溶液は、望ましい特性を有する用途溶液を提供する希釈率で濃縮物を水で希釈することによって濃縮物から作成され得る。例示的な態様において、濃縮物は、少なくとも約20:1又は約20:1〜約2000:1の希釈剤と濃縮物との質量比で希釈され得る。
濃縮物は、用途溶液を提供するために使用場所にて水を用いて希釈され得る。洗剤組成物が自動皿洗い機又は食器洗い機で用いられるとき、使用場所は自動皿洗い機の内側であると予期される。
【0062】
固形物の態様
また、本発明は、水溶性マグネシウム化合物を含有する固形清浄化組成物に関する。例えば、本発明は、塩化マグネシウムの成型された固形ブロックを含む。さらなる例として、本発明は、水溶性マグネシウム化合物および炭酸マグネシウムを含有する押圧した固形ブロック又はパックを含む。
【0063】
本発明によれば、水溶性マグネシウム化合物(例えば、塩化マグネシウム)の固形清浄化組成物は、水溶性マグネシウム化合物(例えば、塩化マグネシウム)の粉末又は結晶形状物を提供すること、水溶性マグネシウム化合物の粉末又は結晶形物を溶融すること、溶融した水溶性マグネシウム化合物を金型に移すこと、そしてそれを固めるために溶融した塩を冷却することを含む方法によって製造され得る。例えば、塩化マグネシウムの固形ブロックは塩化マグネシウム六水和物をその約118℃の融点まで加熱することによって製造され得る。次いで、溶融塩は室温に冷却して硬い固形物を提供するためにプラスチック容器に移された。塩化マグネシウムから成型した固形物を形成するために、水和水(そして必要ならば追加の水)の存在は、工程の温度を実用レベルまで低減されることを可能として、無水塩に比べて融点の低減を可能とする。
【0064】
本発明によれば、水溶性マグネシウム化合物(例えば、炭酸マグネシウム)の固形清浄化組成物が、水溶性マグネシウム化合物(例えば、炭酸マグネシウム)の粉末又は結晶形物を提供すること、固形物(例えば、ブロック又はパック)を形成するために水溶性マグネシウム化合物を軽く押圧することを含む方法によって製造され得る。固形ブロックは50gの炭酸マグネシウム一水和物を約1000psiで約20秒間圧縮することにより製造され得る。
【0065】
水溶性マグネシウム化合物の固形物(例えば、ブロック又はパック、押圧又は成型物)は、例えば飲料水を処理するため、施設又は家庭の総合的水システムを処理するため、又は機械装置、例えば食器洗い機又は車両洗浄に供給される水を処理するために用いられ得る。本発明の方法は、例えば、水溶性マグネシウム化合物の固形状物と処理を必要としている水とを接触させること、そして清浄化のためにその水を用いることを含み得る。マグネシウムイオンはカルシウム塩の望ましくない沈殿物を低減し得る。それ故、マグネシウムは固形組成物が溶解しているときに連続して水を処理し得る。
【0066】
本明細書で開示の固形物清浄化又は水洗い組成物は、固形物、ペレット、ブロックおよびタブレットを含む様々な形状を包含するが粉末は含まない。当然のことながら、用語の「固形物」とは、固形清浄化組成物の貯蔵および使用の予想される条件下での洗剤組成物の状態をいう。一般的に、約100°F以下又は120°Fより高い温度で提供されるとき洗剤組成物は固形のままであると考えられる。
特定の態様において、固形清浄化組成物は単位用量状で提供される。単位用量とは、全構成単位が単一の洗浄サイクルの間に用いられるようにサイズ決定された固形清浄化組成物単位をいう。固形清浄化組成物が1単位用量として提供されると、それは約1g〜約50gの質量を有する。他の態様において、組成物は約50g〜約250gの、約100g以上の、又は約40g〜約110000gのサイズを有する固形物、ペレット、又はタブレットであり得る。
【0067】
他の態様において、固形清浄化組成物は、複数のペレットのブロックのような多目的固形物の形状で提供され、そして多数の洗浄サイクル用の水性洗浄組成物を作り出すために繰り返し用いられ得る。特定の態様において、固形清浄化組成物は約5g〜10kgの質量を有する固形物として提供される。特定の態様において、固形清浄化組成物の多目的形状物は約1〜10kgの質量を有する。さらなる態様において、固形清浄化組成物の多目的形状物は約5kg〜約8kgの質量を有する。他の態様において、固形清浄化組成物の多目的形状物は約5g〜約1kg、又は約5g〜約500gの質量を有する。
【0068】
包装システム
いくつかの態様において、固形組成物は包装され得る。包装用のレセプタクル又は容器は硬いか又は柔軟であり得て、そして例えばガラス、金属、プラスチックフィルム又はシート、段ボール、段ボール複合材料、紙などのように本発明により製造される組成物を容れるために適した任意の材料からなるものであり得る。
本発明の組成物は室温又は室温付近で処理されるので、構造的に材料にダメージを与えることなく混合物を容器内又は他の包装システムで直接的に形成することが出来るように、処理される混合物の温度は十分低いことが有利である。結果として、溶融条件下に処理されるか又は配合される組成物のために用いられるよりもより幅広い様々な材料が容器を作るために用いられ得る。
組成物を容れるために使用される適した包装は柔軟な、開けやすいフィルム材料で製造されている。
【0069】
処理した組成物の処方
本発明による固形清浄化組成物は、一般的に知られている任意の適した方法で分注され得る。清浄化又は洗浄組成物は、例えば参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4826661号、同第4690305号、同第4687121号、同第4426362号明細書、および米国再発行特許第32763号明細書および同再発行特許第32818号明細書に開示されているようなスプレー型のディスペンサーから分注され得る。手短くいえば、スペレー型のディスペンサーは、組成物の一部を溶解させるために固形組成物の露出した表面に水スプレーを衝突させること、次いで直ちにディスペンサーから組成物を含有している濃縮物溶液を貯蔵所又は直接に使用場所に向けることにより機能する。用いられるとき、生成物は包装(例えば膜)から取り出されそしてディスペンサー中に入れられる。水のスプレーは固形形状に一致する形状のノズルで作られ得る。また、ディスペンサー筺体は、間違った洗剤の導入および分注を防止する分注システムにおける洗剤形状にぴったり合い得る。水性濃縮物は一般に使用場所に対象に向けられる。
【0070】
1つの態様において、本発明の組成物は水に断続的に又は連続的に浸すことによって分注され得る。次いで、本発明の組成物は、例えば制御された又は所定の速度で溶解し得る。速度は、清浄化にとって有効である溶解した清浄化剤の濃度を保持するために効果的であり得る。
1つの態様において、本発明の組成物は、固形組成物から固形物を削り取りそして剥離物を水と接触させることにより分注され得る。剥離物は、清浄化にとって有効である溶解した清浄化剤の濃縮物を提供するために水に加えられ得る。
【0071】
本発明は、以下の実施例を参照することによりさらに理解され得る。これらの実施例は本発明の特定の態様の代表例であることを意図していて、本発明の範囲を如何様ようにも限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0072】
実施例1−水溶性マグネシウム化合物は硬水からカルシウム塩の沈殿を低減する
本実施例は、水への硬度イオン(Mg2+)の添加がカルシウム塩の沈殿の防止に従来のキレート剤又は金属イオン封鎖剤(トリポリリン酸ナトリウム(STPP))と同様に効いたことを明らかにする。
【0073】
材料および方法
水での沈殿物の形成は,水を通る可視光の透過率を低減する。100%透過率は沈殿物が形成されなかったことを示し、一方0%透過率は余りに多くの沈殿物が形成されるので光が試料を通過しなかったことを示している。約8、約10および約12のpH値で、約20℃、約45℃、および約70℃の温度で、MgCl(本発明)又はSTPP(比較例)のいずれかを含有している水に対して透過率が測定された。温度は、室温(20℃)、一般の洗濯室(45℃)および一般の自動皿洗浄温度(70℃)を反映する試みで選択した。結果を図1−6および以下の表に示す。
【0074】
結果
得られたデータを図1〜6および以下の対応する表に示す。
図1〜6のグラフは、各々はx、yおよびz軸を有している。x軸はカルシウムとビルダー、例えばSTPP又は水溶性マグネシウム化合物とのモル比の尺度である。y軸は、0%は光の透過がなくそして100%は全光線が光の透過があるとして、試料を通った光透過率のレベルの尺度である。透過率の全部の又は部分的減少は、初期は透明な試料内の生成した微粒子の存在の結果として生じる。効果的なビルダーは透明な試料において起る沈殿を防止又は低減する。z軸は、20〜60℃の範囲の試験温度の尺度である。
【0075】
図1は比較例を反映したものである。図1は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度そして一定のpH8でのビルダーとしてのSTPPの性能のそしてCa/ビルダーの比率および温度のSTPPの性能構築への影響を示す図表である。図1に対するデータは以下の表に示されている。おおまかに、図1の図表は、STPPが良好なキレート剤でありそして予想通りに、カルシウムイオンの濃度が増大しそして温度が上昇するにつれて、試料の透過率の低下に示されるようにSTPPがカルシウムイオンのキレート化における有効性を減らしたことを示している。
【0076】
【表1】

【0077】
図2は本発明を反映した図表である。図2は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度そして一定のpH8での沈殿防止における塩化マグネシウムの性能を示す図表である。図2に対するデータは以下の表に示されている。このグラフは、水溶性マグネシウムの塩(例えば、塩化マグネシウム)が意外にも中性のpHでさえ硬水の沈殿を制御し得たことを示している。おおまかに、図2の図表は、塩化マグネシウムが良好なキレート剤でありそして、カルシウムイオンの濃度が増大しそして温度が上昇すると、試料の透過率の低下に表されるように塩化マグネシウムがカルシウムイオンのキレート化における有効性を減らしていることを示している。図2に示された結果は驚くほどに比較例の図1に示されたそれと一致している。
【0078】
【表2】

【0079】
図3は比較例を反映した図表である。図3は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度でおよび一定のpH10でのビルダーとしてのSTPPの性能を示している。図3に対するデータは以下の表に示されている。このグラフをpH8で得られた結果(図1)と比較すると、アルカリ度の増加が、上昇した温度、特に約60℃でビルディング性能を低減させたことを示している。
【0080】
【表3】

【0081】
図4は本発明を反映した図表である。図4は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度そして一定のpH10での沈殿防止における塩化マグネシウムの性能を示している。図4に対するデータは以下の表に示されている。このグラフは、水溶性マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム)が意外にも塩基性のpHでさえ硬水の沈殿を制御し得たことを示している。アルカリ度の増加は、pH8(図2)と比べてカルシウム沈殿の程度に重大な影響を与えなかった。これは予想外である。
【0082】
【表4】

【0083】
図5は比較例を反映した図表である。図5は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度そして一定のpH12でのビルダーとしてのSTPPの性能を示している。図5に対するデータは以下の表に示されている。このグラフは、Ca/STPPが4以上のモル比で光透過率が約20%に低下して、STPPがカルシウムの沈殿を制御する働きを止めたことを示している。またしても、温度上昇はSTPP系が硬水に対してより影響を受けるようにする。
【0084】
【表5】

【0085】
図6は本発明を反映したものである。図6は、様々な量のカルシウムの存在下、様々な温度そして一定のpH12での沈殿防止における塩化マグネシウムの性能を示している。このグラフを図5と比較すると、極めてアルカリ性の条件下で、塩化マグネシウムのような水溶性マグネシウム化合物が水の硬度の制御においてSTPPと同程度であることを示している。
【0086】
【表6】

【0087】
考察
図1〜6に示すように、塩化マグネシウムはほとんどの条件下で水を軟化するためにSTPPの能力に匹敵するか上回っている。能力に匹敵する又は能力を上回ったとは、例えばカルシウムとビルダーとのほとんどのモル比に対して、STPPで達成されたのと同程度以上の水準に塩化マグネシウムが石灰滓を低減した(透過率により示される)ということである。特に、塩化マグネシウムの性能は、pH8および10ではすべての温度値でSTPPの性能を上回った。
pH値12では、塩化マグネシウムは、約80%透過率でスタートするが、STPPと比べて傾斜が緩やかであった。緩やかな傾斜はカルシウム/ビルダーの比率が増加するとき硬水沈殿のコントロールが良好であることを示している。
【0088】
実施例2−水溶性マグネシウム化合物が硬水からのあかの形成を低減する
本実施例は、水への硬度イオン(Mg2+)の添加が硬水からの石灰滓の形成を低減したことを明らかにする。
材料および方法
17グレインの硬度および2:1のCa:Mg質量比を有する水道水を種々の量の塩化マグネシウムと混ぜ、次いで140°Fのオーブン内のガラス瓶内で約2週間培養した。次いで、瓶を目視で石灰滓の蓄積を評価した。
結果
結果を以下の表に示す。
【0089】
【表7】

【0090】
データは水道水への水溶性マグネシウム塩の添加の効果を明確に示している。特に、0.48wt%以上の塩化マグネシウムが添加されるとき、ガラス瓶の表面に石灰滓の蓄積は全く観察されなかった。一方、マグネシウムが全く存在しないかそれとも少ない塩化マグネシウムが添加されたときは、ガラス瓶の表面に石灰滓の蓄積が観察された。
【0091】
実施例3−水洗いサイクルのため水溶性マグネシウム化合物の注入は皿洗い機内の硬水かからのあかの形成を低減した
本実施例は、洗浄水中への硬度イオン(Mg2+)のみの注入が食器洗い機への硬水からの石灰滓の形成を低減したことを明らかにする。
【0092】
材料および方法
1つの食器洗い機を、洗浄用に17グレインの硬水を用いそして洗浄サイクルにリンス剤を添加しないで100サイクル動作させた。1つの食器洗い機を、17グレインの硬水を用いそして唯一のリンス剤として導入された水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムを用いて100サイクル動作させた。硫酸マグネシウムはマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの1:1のモル比で導入した。どの洗浄サイクルにも洗剤は用いなかった。
【0093】
結果
図7および8は、17グレインの硬水のみを用いるか又は17グレインの硬水を用いそして唯一のリンス剤として導入された水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムを用いて、100サイクル動作させた後の食器洗い機の内部の写真である。
唯一のリンス剤としての水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムの存在は、図8に示すように金属への硬水石灰滓の蓄積を防止した。図8は、実質的に石灰滓のない自動食器洗い機の内部を示している。実際、図8の内部は光沢がありそして新しい自動食器洗い機の内部であるように見える。図7は、機械の内部での相当の硬水石灰滓を示している。石灰滓は光沢がなくそして食器洗い機はあたかも白い粉末が内部表面に振り掛けられたかのように見える。この効果を得るためにビルダーおよびシーティング剤は全く必要でなかった。
【0094】
実施例4−カルシウムイオンを超過するマグネシウムイオン源としての硫酸マグネシウムがガラスへコップのあか形成を低減した
本実施例は、マグネシウムイオンがカルシウムイオンを超過するとき、添加硬度イオン(Mg2+)のみを含有する硬水でのガラスコップの水洗いがガラスコップへの硬水からの石灰滓の形成を低減したことを明らかにする。
【0095】
材料および方法
1つのガラスコップを、洗浄用に17グレインの硬水を用いそして水洗いサイクルにリンス剤を添加しないで100サイクル食器洗い機に通過させた。他のガラスコップを、17グレインの硬水を用いそして唯一のリンス剤として導入された水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムを用いて100サイクル食器洗い機に通過させた。別のシリーズの100サイクルで、マグネシウムイオンとカルシウムイオンとの1:1、1.5:1、2:1、2.5:1および3:1のモル比を与えるために様々な濃度で硫酸マグネシウムを導入した。どの洗浄サイクルにも洗剤は用いなかった。
【0096】
結果
図9での結果は、唯一のリンス剤としての水溶性マグネシウム化合物である硫酸マグネシウムがガラスコップへの硬水あかの蓄積を低減若しくは防止したことを示している。図9で、ガラスコップ「C」はリンス剤として硬水のみを用いる対照例である。他のガラスコップは、カルシウムイオンに対するマグネシウムイオンのモル比が1〜3倍モルの範囲の様々なマグネシウムイオンとカルシウムイオンとのモル比を用いて水洗いした。
これらの比率は、入ってくる水の中に存在するものを含んで存在しているマグネシウムの全量に基いている。図9でのガラスコップ「C」は外観が曇っている。それはあたかも艶消しされているか又はエッチング液でエッチングされたかのように見える。ガラスコップ1:1は対照のガラスコップよりさらに曇っているか又はより艶消しである。3:1のガラスコップが実質的に膜化せず、染み付きなし、曇りなし、又はエッチングせずの外観を有するに至るまで、1.5:1から3:1までのガラスコップは前の(低い比率の)ガラスコップよりも外観のきれいさが増している。食器洗い機の金属への沈渣とは違って、マグネシウムとカルシウムとの比が1:1でのガラスコップの水洗いでは対照例に比べて硬水あかの沈殿が増加した。しかしながら、1.5:1以上の比率では3:1の比率で石灰滓がないガラスコップまで有意な改善が得られた。
【0097】
実施例5−可溶性カルシウム塩のアニオンを含む可溶性マグネシウム塩が低比率で皿洗浄において硬水からのあかの形成を低減した
本実施例は、水不溶性カルシウム塩のアニオンを与えるマグネシウム塩(MgSO)よりも水溶性カルシウム塩を形成するアニオンを与える水溶性マグネシウム塩(MgCl)の方がより低いMg2+:Ca2+の比率で硬水からの石灰滓の形成を低減したことを示している。
【0098】
材料および方法
第1のガラスコップと第2のガラスコップを、食器洗い機内で17グレインの硬水を用いそして唯一の洗浄剤として導入された水溶性マグネシウム化合物である塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムを用いて100サイクル食器洗い機に通過させた。マグネシウムイオンとカルシウムイオンとの1:1のモル比で水溶性硫酸マグネシウム化合物を導入した。どの洗浄サイクルにも洗剤は用いなかった。
【0099】
結果
図10での結果は、添加したマグネシウムイオン源として2つの水溶性マグネシウム化合物源で水洗いしたガラスコップを比較している。塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムは両方とも可溶性である。しかしながら、硫酸マグネシウムは可溶性であるが硫酸カルシウムはわずかに可溶性であるに過ぎない。
化合物 水溶解度(20℃)
塩化マグネシウム 54.6
硫酸マグネシウム 33.7
塩化カルシウム 42.0
硫酸カルシウム 0.2
【0100】
興味深いことに、塩化マグネシウムは硫酸マグネシウムよりも低い濃度で効果的に硬水からの石灰滓の形成を低減した。
類似のカルシウム塩が水溶性である塩化マグネシウムのようなマグネシウム化合物は、類似のカルシウム塩が水不溶性であるものよりも硬水あかの防止により効果的であることが見出された。図10は、両方の塩に対する全マグネシウムイオンとカルシウムイオンとの1:1のモル比でこのことを示している。MgCl6HOを1:1のモル比で処理した左側のガラスコップは実質的に透明であるが、一方、MgSO7HOを1:1のモル比で処理した右側のガラスコップは完全に曇っている。MgSO処理のガラスコップ(右)はあたかも付着力のある粉末で全面的に振りかけたかのように見える。
【0101】
実施例6−水溶性マグネシウム化合物を含有する水はせっけん滓を除去した
意外にも、添加した硬度イオン(Mg2+)のみを含有する硬水でタイルを水洗いするとタイルからせっけん滓を除去した。
【0102】
材料および方法
ココナツせっけん、硬水および炭酸カルシウムの希釈混合液を黒色のセラミックタイルにセットしそして空気乾燥させた。これを5回繰り返し、ひどく汚れたタイルを生じさせた。汚れたタイルの第1の区分を非加熱の17グレイン硬水に約1分間浸した。汚れたタイルの第2の区分を、約400ppmの塩化マグネシウムを混ぜた非加熱の17グレイン硬水に浸した。タイルの中間区分を汚した後に浸さなかった。
【0103】
結果
マグネシウムイオンを含まない硬水に含浸したタイル部分は多量のせっけん滓を示した。400ppmの塩化マグネシウムを含有する硬水に含浸したタイル部分は、硬水のみに含浸したか又は処理しなかったタイル部分と比べて著しく少ないせっけん滓を示した。ビルダー又は界面活性剤を含まないで水溶性マグネシウム化合物を含有する水は効果的にせっけん滓を除去した。
水溶性マグネシウムイオンの組成物中のマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの質量比2:1とするために、塩化マグネシウムを加えた。驚いたことに、カルシウムイオンを越えるマグネシウムイオンを含有する水溶性マグネシウム塩の組成物は、硬水からの石灰滓の形成を低減若しくは防止するだけでなく、せっけん滓をも除去する。
【0104】
実施例6−水溶性マグネシウム化合物がガラス洗浄剤による筋つきを低減した
本実施例は、従来のガラス洗浄剤にMg2+を混ぜると追加の硬度イオンを含まない従来のガラス洗浄剤よりも窓をきれいに清浄化したことを明らかにする。
【0105】
材料および方法
窓の1つの側を市販のガラス洗浄剤で洗った。他の側を同じ市販のガラス洗浄剤に200ppmの水溶性マグネシウム塩、例えば塩化マグネシウムを含有させて洗浄した。
【0106】
結果
窓の左側半分を従来のガラス洗浄剤に200ppmの塩化マグネシウムを加えて清浄化した。窓の右側半分を同じ従来のガラス洗浄剤に塩化マグネシウムを添加しないで清浄化した。ガラスへの筋つきは、配合物への水溶性マグネシウム塩の添加により非常に低減された。意外にも、ガラス清浄化剤および水溶性マグネシウム塩の組成物がガラス清浄化剤単独よりもガラスコップをきれいにした。
【0107】
実施例7−水溶性マグネシウム化合物がさびを除去した
意外にも、さびた対象物を添加硬度イオン(Mg2+)のみを含有する水に浸すと対象物からさびが除去した。
【0108】
材料および方法
さびの付いたスチールの塊を2つのビーカー内にセットした。1つのビーカーは17グレインの水に400ppmの塩化マグネシウムを含有していた。他方は17グレインの水を含有していた。卓上での2〜3時間後、スチールの塊を取り除いた。
【0109】
結果
17グレインの水に400ppmの塩化マグネシウムを入れたさびの付いたスチールを含むビーカー内の水はさび色であった。浸した後、硬水はいくつかのさびの小片を含んでいたが、一般的であった。硬水はさびを溶解しなかった。水溶性マグネシウム塩を混ぜた水はさびを溶解した。
【0110】
実施例8−水溶性マグネシウム化合物が表面を保護する
本実施例は、水溶性マグネシウム化合物(例えば、塩化マグネシウム)が硬水から表面を保護することを見出したことを明らかにする。
【0111】
材料および方法
セラミックタイルへの脱イオン水の接触角を検討した。タイルを先ず塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムのいずれかの1000ppm溶液で水洗いし次いで拭き取った。タイルへの脱イオン水の接触角を測定し次いで17グレインの硬水で水洗い、拭き取り、そして再度脱イオン水の接触角を測定した。
【0112】
結果
【0113】
【表8】

【0114】
考察
水溶性マグネシウム化合物の効果は、溶液中で形成し得る潜在的なカルシウム塩の水溶解性だけでなくマグネシウム化合物とガラス及びセラミックのようなカルシウム含有基材との相互作用の結果であると仮説を立てた。この仮説を検証するために、セラミックタイルへの脱イオン水の接触角を検討した。カルシウム含有基材の保護の向上は、基材への水の接触角に対する硬水の水洗いの影響が低減することによって示された。言い換えれば、基材の硬水の水洗い前と後との水の接触角の比が小さいと、硬水からの基材の保護が改善されたことと相関している。データは、塩化マグネシウムが、硫酸マグネシウムに比べてセラミックタイルのようなカルシウム含有基材に優れた保護を与えたことを明らかにしている。
【0115】
実施例9−水溶性マグネシウム化合物の固形組成物
塩化マグネシウムを成型した固形ブロックとして作製した。炭酸マグネシウムは押圧した固形物として作製した。
【0116】
方法及び結果
固形物は、粉末又は結晶材料から溶融、次いで冷却して固形化するために金型中に溶融材料を移すことによって作製され得る。塩化マグネシウムの固形ブロックは塩化マグネシウム六水和物を約118℃の融点まで加熱することにより作製した。次いで、室温まで冷却して硬い固形物を与えるために溶融塩をプラスチック容器に移した。
約50gの炭酸マグネシウム一水和物を約1000psiで約20秒間圧縮することにより固形ブロックを作製した。
炭酸マグネシウムは水不溶性であるが、押圧ブロックは炭酸マグネシウムと塩化マグネシウムのような水溶性マグネシウム塩との両方を含んで作製され得た。
【0117】
考察
水溶性マグネシウムの押圧又は成型固形物は、例えば飲料水の処理、施設又は家庭の全水システム、又は機械装置、例えば食器洗い機、衣料洗浄機又は洗車機に供給される水処理用に用いられ得る。組成物が用途溶液に希釈されるとき、固形組成物にマグネシウム化合物を加えることによって、マグネシウムイオンはカルシウム塩の望ましくない沈殿を低減し得る。それ故、固形組成物が溶解しているとき、マグネシウムは装置を継続的に処理し得る。
塩化マグネシウムおよび硫酸マグネシウムはFDAのGRASの要件に合致していて無制限の直接食物添加物として承認されている。理論に縛られることは望まないが、炭酸マグネシウムの押圧固形物では、水和の水がブロック内の結合剤であり得ると考えられる。塩化マグネシウムからの成型固形物の形成にとって、水和の水(そして必要なら追加の水)の存在は無水塩と比べて融点を低下させ、工程の温度を実際的なレベルまで低減することを可能とする。
【0118】
本発明は様々な特定のそして好適な態様および技術を参照して記載した。しかし、本発明の精神及び範囲を保持しつつ多くの変形および修正がなされ得ることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皿を清浄化する方法であって、自動皿洗い機で水と水溶性マグネシウム塩とから実質的になる水性組成物と皿とを接触させること、接触の間該水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含むこと、許容量の硬水染み付きを有する皿を回収すること、を含む前記方法。
【請求項2】
前記水性組成物が、アルカリ源、有機の界面活性剤又は清浄化剤、pH調整剤、ビルダー、加工助剤、活性酸素化合物、ガラス又は金属の防蝕剤、活性剤、水洗い補助機能物質、漂白剤、消泡剤、再付着防止剤、分解防止剤、酵素、キレート剤、洗剤ポリマー、軟化剤、酸性源、溶解度調整剤、漂白剤、発泡剤、アルカリ源用活性剤およびそれらの任意の組み合わせから実質的になる群から選択される追加の1つの機能成分を実質的に含んでいない請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性組成物が、キレート剤、界面活性剤およびシーティング剤を実質的に含んでいない請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
許容量の硬水染み付きが染みの付いた表面の約4分の1以下を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記水溶性マグネシウム塩が、難溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ接触の間前記水性組成物がカルシウムイオンのモル量の2倍モル量以上のマグネシウムイオンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記水性組成物が、水、水溶性マグネシウム塩、および抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水性組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
接触が皿を水洗いすること又はつけおき洗いすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
接触が医療機器を水洗いすること又はつけおき洗いすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
カルシウム塩の沈殿の低減又は水あか化の低減若しくは固形沈積物の低減をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
接触の間の前記水性組成物が、カルシウムに対するマグネシウムのモル比が1以上のマグネシウムイオンを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
硬質面を清浄化する方法であって、実質的に水と水溶性マグネシウム塩とからなる水性組成物と硬質面とを接触させること、接触の間該水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含むこと、許容量の硬水染み付きを有する硬質面を得ること、を含む前記方法。
【請求項16】
前記水性組成物が、アルカリ源、有機の界面活性剤又は清浄化剤、pH調整剤、ビルダー、加工助剤、活性酸素化合物、ガラス又は金属の防蝕剤、活性剤、水洗い補助機能物質、漂白剤、消泡剤、再付着防止剤、分解防止剤、酵素、キレート剤、洗剤ポリマー、軟化剤、酸性源、溶解度調整剤、漂白剤、発泡剤、アルカリ源用活性剤およびそれらの任意の組み合わせからなる群から実質的に選択される追加の1つの成分を実質的に含んでいない請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記水性組成物が、キレート剤、界面活性剤およびシーティング剤を実質的に含んでいない請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記水溶性マグネシウム塩が、難溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ接触の間の前記水性組成物がカルシウムイオンのモル量の2倍モル量以上のマグネシウムイオンを含む請求項15に記載の方法。
【請求項22】
許容量の硬水染み付きが染みの付いた表面の約4分の1以下を含む請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記水性組成物が、水、水溶性マグネシウム塩、および抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記水性組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項15に記載の方法。
【請求項25】
カルシウム塩の沈殿、水あか化、又は固形沈積物の低減をさらに含んでいる請求項15に記載の方法。
【請求項26】
接触の間の前記水性組成物が、カルシウムに対して1以上のモル比でマグネシウムイオンを含んでいる請求項15に記載の方法。
【請求項27】
接触が硬質面を水洗いすることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記硬質面が、セラミックタイル、窓およびそれらの組み合わせから実質的になる群から選択される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記硬質面がせっけん滓を含みそして接触がせっけん滓を表面から取り除く請求項15に記載の方法。
【請求項30】
皿を清浄化する方法であって、自動皿洗い機で実質的に水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる水性組成物と皿とを接触させること、接触の間の該水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含むこと、許容量の硬水染み付きを有する皿を回収すること、を含む前記方法。
【請求項31】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記水溶性マグネシウム塩が、不溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ接触の間の前記水性組成物がカルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む請求項30に記載の方法。
【請求項35】
許容量の硬水染み付きが染みの付いた表面の約4分の1以下を含む請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記水性組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項30に記載の方法。
【請求項37】
硬質面を清浄化する方法であって、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる水性組成物と皿とを接触させること、接触の間の該水性組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含むこと、許容量の硬水染み付きを有する硬質面を得ること、を含む前記方法。
【請求項38】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウムである請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記水溶性マグネシウム塩が、不溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ接触の間の前記水性組成物がカルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記水性組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項37に記載の方法。
【請求項43】
許容量の硬水染み付きが染みの付いた表面の約4分の1以下を含む請求項37に記載の方法。
【請求項44】
対象物からせっけん滓を取り除く方法であって、実質的に水と水溶性マグネシウム塩とからなる水性組成物と対象物上のせっけん滓とを接触させること、該対象物からせっけん滓を取り除くこと、を含む前記方法。
【請求項45】
前記せっけん滓を取り除くことが光沢のある表面をもたらす請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記せっけん滓が、脂肪酸、トリグリセリドおよびタンパク質を含む請求項44に記載の方法。
【請求項47】
対象物からせっけん滓を取り除く方法であって、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなる水性組成物と対象物上のせっけん滓とを接触させること、該対象物からせっけん滓を取り除くこと、を含む前記方法。
【請求項48】
硬質面の水性清浄化剤であって、実質的に水と水溶性マグネシウム塩とからなり、硬質面の清浄化剤としての使用のため希釈すると、該組成物がカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み、且つ該組成物はキレート剤、界面活性剤およびシーティング剤を実質的に含んでいない、前記清浄化剤。
【請求項49】
前記組成物が、アルカリ源、有機の界面活性剤又は清浄化剤、pH調整剤、ビルダー、加工助剤、活性酸素化合物、ガラス又は金属の防蝕剤、活性剤、水洗い補助機能物質、漂白剤、消泡剤、再付着防止剤、分解防止剤、酵素、キレート剤、洗剤、軟化剤、酸性源、溶解度調整剤、漂白剤、発泡剤、およびアルカリ源用活性剤およびそれらの任意の組み合わせからなる群から実質的に選択される追加の1つの成分を実質的に含んでいない請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項48に記載の組成物。
【請求項52】
前記組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項48に記載の組成物。
【請求項53】
前記組成物が、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分から実質的になる請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項48に記載の組成物。
【請求項55】
使用のため希釈すると、前記組成物が、カルシウムイオンのwt%の0.5倍以上のwt%のマグネシウムイオンを含む請求項48に記載の組成物。
【請求項56】
前記水溶性マグネシウム塩が難溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ前記水性組成物が、使用のため希釈するとカルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む請求項48に記載の組成物。
【請求項57】
皿清浄化組成物であって、実質的に水と水溶性マグネシウム塩とからなり、皿清浄化の使用のため希釈すると、該組成物がカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含み、且つ該組成物はキレート剤、界面活性剤およびシーティング剤を実質的に含んでいない、前記組成物。
【請求項58】
前記組成物が、アルカリ源、有機の界面活性剤又は清浄剤、pH調整剤、ビルダー、加工助剤、活性酸素化合物、ガラス又は金属の防蝕剤、活性剤、水洗い補助機能物質、漂白剤、消泡剤、再付着防止剤、分解防止剤、酵素、キレート剤、洗剤ポリマー、軟化剤、酸性源、溶解度調整剤、漂白剤、発泡剤、アルカリ源用活性剤およびそれらの組み合わせから実質的になる群から選択される1つの成分を実質的に含んでいない請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項57に記載の組成物。
【請求項60】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項57に記載の組成物。
【請求項61】
前記組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項57に記載の組成物。
【請求項62】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項57に記載の組成物。
【請求項63】
使用のため希釈すると、該組成物がカルシウムに対するマグネシウムのモル比が1倍以上のマグネシウムイオンを含む請求項57に記載の組成物。
【請求項64】
前記水溶性マグネシウム塩が難溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ前記水性組成物が、使用のため希釈すると、カルシウムに対するマグネシウムのモル比で1倍以上のマグネシウムイオンを含む請求項57に記載の組成物。
【請求項65】
水性硬質面清浄化剤であって、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなり、硬質面清浄化剤として使用のため希釈すると、該組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含む、前記清浄化剤。
【請求項66】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項65に記載の組成物。
【請求項68】
前記組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項65に記載の組成物。
【請求項69】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項65に記載の組成物。
【請求項70】
使用のため希釈すると、該組成物が、カルシウムに対するマグネシウムのモル比が1倍以上のマグネシウムイオンを含む請求項65に記載の組成物。
【請求項71】
前記水溶性マグネシウム塩が不溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ前記水性組成物が、使用のため希釈するとカルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む請求項65に記載の組成物。
【請求項72】
皿清浄化用組成物であって、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分からなり、硬質面清浄化剤として使用のため希釈すると、該組成物はカルシウムイオンのモル量以上のモル量のマグネシウムイオンを含む、前記組成物。
【請求項73】
前記水溶性マグネシウム塩が、可溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含んでいる請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記水溶性マグネシウム塩が、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、臭化マグネシウム、臭素酸マグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クロム酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、乳酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、チオ硫酸マグネシウム、それらの水和物およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項72に記載の組成物。
【請求項75】
前記組成物が、水および水溶性マグネシウム塩からなる請求項72に記載の組成物。
【請求項76】
前記組成物が、水、水溶性マグネシウム塩および水、抗菌剤、粘度調整剤、審美的促進剤、潤滑剤、分散剤、防腐剤、増粘剤およびそれらの混合物からなる群から選択されるさらなる1成分から実質的になる請求項72に記載の組成物。
【請求項77】
前記水溶性マグネシウム塩が、塩化マグネシウム塩である請求項72に記載の組成物。
【請求項78】
使用のため希釈すると、前記組成物が、カルシウムイオンのwt%の0.5倍以上のwt%のマグネシウムイオンを含む請求項72に記載の組成物。
【請求項79】
前記水溶性マグネシウム塩が不溶性カルシウム塩を形成するアニオンを含み、且つ前記水性組成物が、使用のため希釈するとカルシウムイオンのモル量の2倍以上のモル量のマグネシウムイオンを含む請求項72に記載の組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2010−526188(P2010−526188A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506701(P2010−506701)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062571
【国際公開番号】WO2008/137797
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】