説明

清澄剤及びその製造方法、並びにガラス構造体

【課題】清澄性能に優れ、環境負荷が小さい清澄剤及び清澄剤の製造方法、並びに該清澄剤を用いたガラス構造体の提供。
【解決手段】アモルファス状態の金属酸化物を含有する清澄剤である。アモルファス状態の酸化スズを含有する態様が好ましい。金属原料をアルカリ化合物水溶液中に添加し、酸化した後、酸で中和する清澄剤の製造方法である。金属スズを水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、酸化剤で酸化した後、塩酸で中和する態様が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清澄剤及び清澄剤の製造方法、並びに該清澄剤を用いたガラス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス中の泡をなくす目的で添加される清澄剤としては、酸化ヒ素(As)が用いられていたが、この酸化ヒ素は、毒性が非常に強く、ガラスの製造工程や廃ガラスの処理時等に環境を汚染する可能性があり、その使用が制限されている。
このため、清澄剤として、酸化スズを用いることが提案されている(特許文献1参照)。また、清澄剤として、SnOとSbを用いることが提案されている(特許文献2参照)。また、清澄剤として、少なくとも五酸化ヒ素である酸化ヒ素と、酸化スズ、酸化アンチモン及び、酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種を用いることが提案されている(特許文献3参照)。これらの中でも、環境負荷の点から酸化スズが特に好適である。
【0003】
このような酸化スズの製造方法として、例えば特許文献4には、下記化学式で示すように、金属スズを硝酸に溶解し、生成したメタスズ酸沈殿物を回収し、これを焼成することにより酸化スズを製造している。この製造方法では、得られる酸化スズは強固な結晶構造となり、電気導電性などの性能は向上するが、清澄剤として用いるとガラス中での溶解性が悪くなり、清澄性能が低下してしまうという問題がある。
【化1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−59741号公報
【特許文献2】特開平10−114538号公報
【特許文献3】特開2007−137696号公報
【特許文献4】特開2008−056514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、清澄性能に優れ、環境負荷が小さい清澄剤及び清澄剤の製造方法、並びに該清澄剤を用いたガラス構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> アモルファス状態の金属酸化物を含有することを特徴とする清澄剤である。
<2> アモルファス状態の酸化スズを含有する前記<1>に記載の清澄剤である。
<3> 金属原料をアルカリ化合物水溶液中に添加し、酸化した後、酸で中和することを特徴とする清澄剤の製造方法である。
<4> 金属スズを水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、酸化剤で酸化した後、塩酸で中和する前記<3>に記載の清澄剤の製造方法である。
<5> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の清澄剤を含有することを特徴とするガラス構造体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、環境負荷が小さく、ガラス中での溶解性に優れ、高い清澄性能を有する清澄剤及び清澄剤の製造方法、並びに該清澄剤を用いたガラス構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の清澄剤としてのアモルファス状態の酸化スズの製造方法を示す工程図である。
【図2】図2は、実施例1の酸化スズ粉末のX線回折スペクトルを示す図である。
【図3】図3は、比較例1の酸化スズ粉末のX線回折スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(清澄剤)
本発明の清澄剤は、アモルファス状態の金属酸化物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
結晶状態の金属酸化物とアモルファス状態の金属酸化物では、同じ材料からなる金属酸化物であっても物性などが大幅に異なり、結晶状態の金属酸化物はアモルファス状態の金属酸化物に比べて、ガラス中での溶解性が悪くなり、清澄性能が低いものである。
【0010】
ここで、前記アモルファス状態には、結晶構造を完全にもたないもの以外にも、光学的には結晶構造が見られないがX線回折では弱い回折を示す潜晶質も含まれ、更にX線回折ではピークが見られるが、その幅が結晶質に比べて広い微結晶も含まれる。
本発明においては、前記アモルファス状態であるとは、結晶格子の面間隔に応じた明瞭なピークが見られず、低角度でブロードな回折スペクトルが観察されるものを意味し、非晶質、又は微結晶の集合体である。具体的には、前記アモルファス状態であるとは、プレス成形して作製した試料を株式会社リガク製のRINT−1200を用いて測定し、対象とする物質のX線回折スペクトルのうち最も高いピーク(例えば酸化スズの場合は26.6°付近のピーク)について半値幅が2θ(deg)で1°以上であることを意味する。
【0011】
前記アモルファス状態の金属酸化物としては、アモルファス状態であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアモルファス状態の酸化スズ、アモルファス状態の酸化鉄、アモルファス状態の酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの中でも、清澄性能が高い点からアモルファス状態の酸化スズが特に好ましい。
【0012】
−用途−
本発明の清澄剤は、優れた清澄性能を有しており、ガラス中の泡をなくすことができるので、例えば液晶ディスプレイ用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズ;CCD、CMOS等の固体撮像素子等のカバーガラスなどに好適に用いられる。
【0013】
本発明のアモルファス状態の金属酸化物は、以下に説明する本発明の清澄剤の製造方法により好適に製造される。
【0014】
(清澄剤の製造方法)
本発明の清澄剤の製造方法は、金属原料をアルカリ化合物水溶液中に添加し、酸化した後、酸で中和するものである。
この場合、金属スズを水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、酸化剤で酸化した後、塩酸で中和することが好ましい。
【0015】
前記金属原料としては、目的とする金属酸化物に対応した金属が用いられ、金属スズ、金属鉄、金属亜鉛、などが挙げられる。金属原料の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、操作性及び添加量の制御の容易さの観点から、粉末状であることが好ましい。
前記金属原料のアルカリ化合物水溶液中への添加量は、水溶液中のスズ(スズの酸素酸の状態で溶液では存在)のモル数の2倍以上のNaとなる量であることが好ましい。
【0016】
前記アルカリ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウム、アンモニアガス、アンモニア水、水酸化アンモニウム等のアンモニウム化合物;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安価なことと塩酸で中和することで容易に酸化スズを得ることができる点から水酸化ナトリウムが特に好ましい。
前記アルカリ化合物水溶液のpHは、13以上であることが好ましい。
前記金属原料をアルカリ化合物溶液中に添加した際には、該溶液を攪拌することが好ましい。前記撹拌は、通常の混合撹拌の手段を用いることができ、例えば撹拌羽根を付けた撹拌機等で行うことができる。
また、前記金属原料のアルカリ化合物水溶液への添加は、温度0℃〜80℃で行うことが好ましい。
【0017】
前記酸化としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化剤、酸化触媒、電極酸化、オゾン酸化などが挙げられる。これらの中でも、酸化剤による酸化が特に好ましい。
前記酸化剤としては、例えば過酸化水素、などが挙げられる。
前記酸化を行うことにより、金属をアルカリ化合物水溶液中に溶解させることができる。
前記酸化剤の添加量としては、スズ含有量の2倍のモル数となる量以上であることが好ましい。
なお、酸化の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌することが好ましい。前記撹拌は、通常の混合撹拌の手段を用いることができ、例えば撹拌羽根を付けた撹拌機等で行うことができる。
【0018】
次に、酸化剤で酸化した後、酸で中和することにより金属酸化物が形成され、沈澱する。
前記酸としては、使用するアルカリと中和反応時に水に対する溶解度の高い塩を精製する酸を選択することが望ましく、例えばアルカリに水酸化ナトリウムを使用する場合は、塩酸が特に好ましい。
前記酸の添加量としては、溶液のpHが4以下となる量が好ましい。pHが4を超えると、アルカリ金属の酸化スズへの残留が発生し、例えば水酸化ナトリウムではナトリウムの残留量が著しく増える。なお、中和の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌することが好ましい。
【0019】
次に、生じた沈澱を固液分離し、水で洗浄することにより、アモルファス状態の金属酸化物が得られる。
前記固液分離の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばろ過、遠心分離、シックナーなどが挙げられる。
【0020】
なお、本発明の清澄剤の製造方法は、アモルファス状態の金属酸化物が製造できれば上記製造方法に制限されるものではなく、例えばボールミル等によるメカニカルアロイングなどによっても製造することができる。
【0021】
ここで、本発明の清澄剤としてのアモルファス状態の酸化スズの製造方法について、以下に説明する。
図1に示すように、金属スズを水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、酸化剤で酸化してスズ酸ナトリウム溶液を得る。このスズ酸ナトリウム溶液を塩酸で中和することにより、酸化スズの沈殿が生じる。得られた沈殿を洗浄することにより、アモルファス状態の酸化スズを製造することができる。
得られた酸化スズは、水和物になっていてもよく、又は水酸化物を一部に含んでいても構わない。
【0022】
(ガラス構造体)
本発明のガラス構造体は、ガラス原料中に本発明の前記清澄剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0023】
前記清澄剤の含有量は、前記ガラス原料全体に対し0.05質量%〜0.5質量%が好ましく、0.1質量%〜0.2質量%がより好ましい。
【0024】
前記ガラス原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の組成のものが好適である。
・SiO:50質量%〜70質量%
・Al:10質量%〜20質量%
・B:7.5質量%〜15質量%
・MgO:0質量%〜7.5質量%
・CaO:0質量%〜10質量%
・SrO:0質量%〜10質量%
・BaO:0質量%〜15質量%
・MgO+CaO+SrO+BaO:5質量%〜17.5質量%
・TiO:0質量%〜5質量%
・ZrO:0質量%〜5質量%
・ZnO:0質量%〜5質量%
・SO:0質量%〜0.5質量%
【0025】
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。その含有率が低すぎると、ガラスの耐薬品性が悪化すると共に、歪点が低下し十分な耐熱性が得られなくなる。一方含有率が高すぎると、高温域での粘性が高くなって熔融が困難になることがある。したがって、SiOの下限は45質量%、更に50質量%、特に57質量%であることが好ましい。SiOの好ましい上限は70質量%である。
【0026】
Alは、ガラスの失透性を抑制すると共に、耐熱性を向上させる成分である。その含有率が低すぎると、失透しやすくなる。一方含有率が高すぎると、耐酸性が低下すると共に、熔解性が悪化することがある。したがって、Alの下限は7.5質量%、更には10質量%であることが好ましい。Alの上限は25質量%、更には20質量%であることが好ましい。
【0027】
は、ガラスの熔解性を向上させ、失透性を抑制すると共に、耐薬品性特にバッファードフッ酸に対する耐久性を向上させる成分である。その含有率が低すぎると、ガラスの熔解性が悪化すると共に、バッファードフッ酸に対する耐久性が不足することがある。一方、含有率が高すぎると、ガラスの歪点が低下し、耐熱性が不十分となることがある。したがって、Bの下限は4質量%、更には7.5質量%であることが好ましい。Bの上限は17.5質量%、更には15質量%であることが好ましい。
【0028】
MgO、CaO、SrO、及びBaOは、このうち少なくとも1種類を含有し、その合計含有率を5質量%〜30質量%とするとよい。前記合計含有率が低すぎると、ガラスの熔融が困難になることがある。一方、前記合計含有率が高すぎると、ガラスの膨張係数が大きくなり過ぎることがある。したがって、合計含有率の好ましい下限は5質量%であり、合計含有率の好ましい上限は30質量%、更には17.5質量%である。
【0029】
MgOは、歪点を余り下げずに、ガラスの熔解性を向上できる成分である。その含有率が高すぎると、ガラスの失透温度が高くなることがある。したがって、MgOの上限は10質量%、更には7.5質量%であることが好ましい。
【0030】
CaOは、MgOと同様な効果を有する成分である。その含有率が高すぎると、ガラスの失透温度が高くなることがある。したがって、CaOの好ましい上限は10質量%である。
【0031】
SrOは、ガラスの失透性を悪化させずに、熔解性を向上できる成分である。その含有率が高すぎると、ガラスの膨張係数が大きくなり過ぎることがある。したがって、SrOの好ましい上限は10質量%である。
【0032】
BaOは、ガラスの失透性を抑制できる成分である。その含有率が高すぎると、ガラスの膨張係数が大きくなり過ぎることがある。したがって、BaOの上限は30質量%、更には15質量%であることが好ましい。
【0033】
TiOは、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板などとしての機能を損なわない範囲で、5質量%程度まで含有させることができる。
【0034】
ZrOは、ガラスの歪点を上昇させ、耐酸性や耐アルカリ性を向上させるので、含有させることが好ましい成分である。しかし、その含有率が5質量%を超えると、脈理や失透を生じ易くなり、熔融性も悪化させることがある。
【0035】
ZnOは、ガラスの失透性を抑制すると共に熔解性を向上できる成分である。その含有率が5質量%を超えると、ガラスの歪点が低下することがある。
【0036】
SOは、酸化剤として用いる硫酸塩の残部として、ガラス中に0.5質量%まで残存してもよい成分である。
【0037】
前記ガラス原料バッチの熔融、更に熔融したバッチの成形は、公知の方法に従って行えばよい。ガラス原料バッチは、その組成等に応じた温度、例えば1,550℃以上で熔融することが好ましい。
熔融したガラス原料バッチは、所定の形状へと成形され、徐冷される。熔融したガラス原料バッチは、例えば、フュージョン法、ダウンドロー法、フロート法、これらを改良した各種方法により、ガラス板へと成形される。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
25質量%のNaOH水溶液(pH14.6)100mL中に、金属Sn粉末(和光純薬工業株式会社製)5gを添加し、50℃で5分間撹拌した。次に、酸化剤として35%のH(日本パーオキサイド株式会社製)を100mL添加し、30分間撹拌した。
次に、HClをpHが3になるまで添加し、酸化スズの沈殿を得た。ろ過後、沈殿をイオン交換水で水洗した。以上により、実施例1の酸化スズ粉末を作製した。
得られた酸化スズ粉末について、株式会社リガク製のRINT−1200を用いて、X線回折分析を行った。結果を図2に示す。図2の結果から、実施例1の酸化スズ粉末は、明確なピークが見られず、アモルファス状態であることが分かった。
【0040】
(比較例1)
金属スズ50gを純水380mLに投入し、70℃に昇温した後に、濃度61%硝酸を2mL/minの割合(HNO/Sn=3.7)で1時間定量添加(合計120mL)し、硝酸添加開始から3.5時間反応させて金属スズを溶解し、メタスズ酸の沈殿を得た。この溶解液を50℃まで自然冷却した後に、濃度25%アンモニア水を2mL/minの割合で40分間定量添加(合計80mL)してpH4に調整した。この溶解液を遠心分離機に入れて脱水し、メタスズ酸沈澱を回収した。更にメタスズ酸に純水を注ぎ、水洗浄濾過を行った。洗浄中に洗浄濾過水の電気伝導度を連続測定し、電気伝導度が1mS/cmになる手前で洗浄濾過を終了し、沈澱物を回収し、100℃で乾燥した後に軽く粉砕し、更に850℃で4時間焼成して酸化スズ粉末を得た。
得られた酸化スズ粉末について、実施例1と同様にして、X線回折分析を行った。結果を図3に示す。図3の結果から、比較例1の酸化スズ粉末は、明確なピークが見られ、結晶状態であることが分かった。また、X線回折スペクトルの26.6°付近の最も高いピークについて半値幅が2θ(deg)で1°未満であった。
【0041】
(比較例2)
市販品としての酸化スズ粉末(日本化学産業株式会社製)を用いた。
この酸化スズ粉末について、実施例1と同様にして、X線回折分析を行った。その結果、比較例2の酸化スズ粉末は、比較例1の図3と同様な明確なピークが見られ、結晶状態であることが分かった。また、X線回折スペクトルの26.6°付近の最も高いピークについて半値幅が2θ(deg)で1°未満であった。
【0042】
(実施例2及び比較例3〜4)
下記表1に示すガラス組成を、白金るつぼ内に入れ、1640℃で2時間、撹拌せずに熔融した。その後、るつぼのまま室温まで冷却し、ガラスを作製した。
得られたガラスの中心部分のうち2cmの体積部分を切り出し、研磨し、清澄性評価サンプルとした。
作製した各サンプルについて、以下のようにして、泡の数を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
<泡数の測定>
作製したサンプルの片側からエッジライトで光を照射して、暗室で目視にて確認できる泡をすべてカウントした。
【0044】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の清澄剤は、優れた清澄性能を有しており、ガラス中の泡をなくすことができるので、例えば液晶ディスプレイ用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ等の光学レンズ;CCD、CMOS等の固体撮像素子等のカバーガラスなどに好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アモルファス状態の金属酸化物を含有することを特徴とする清澄剤。
【請求項2】
アモルファス状態の酸化スズを含有する請求項1に記載の清澄剤。
【請求項3】
金属原料をアルカリ化合物水溶液中に添加し、酸化した後、酸で中和することを特徴とする清澄剤の製造方法。
【請求項4】
金属スズを水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、酸化剤で酸化した後、塩酸で中和する請求項3に記載の清澄剤の製造方法。
【請求項5】
請求項1から2のいずれかに記載の清澄剤を含有することを特徴とするガラス構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−173918(P2010−173918A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20906(P2009−20906)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(506347517)DOWAエコシステム株式会社 (83)
【Fターム(参考)】