清算装置、ショッピングカート、及び店舗システム
【課題】スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる店舗システム及びそれに好適に利用可能なショッピングカート等を提供する。
【解決手段】清算装置70は、バッグ160に入れられた複数の商品5のそれぞれのタグ情報を一括して読み取るタグリーダ75を備えている。ショッピングカート50に吊るされたバッグ160は、垂直軸(Z軸)周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されている。カート50を凹部73にセットした状態で、バッグ160を回転、揺動させながら、タグリーダ75によるタグ情報の読み取りが行われる。
【解決手段】清算装置70は、バッグ160に入れられた複数の商品5のそれぞれのタグ情報を一括して読み取るタグリーダ75を備えている。ショッピングカート50に吊るされたバッグ160は、垂直軸(Z軸)周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されている。カート50を凹部73にセットした状態で、バッグ160を回転、揺動させながら、タグリーダ75によるタグ情報の読み取りが行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートに関する。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等においては、購入する商品の精算時に、一般に次のような作業が行われている。まず、客が商品の入った買い物カゴをレジ台に置く。店員はカゴから商品を取り出し、バーコード読み取り装置で商品のバーコードを読み取った後、その商品を別のカゴに入れる。全ての商品の読み取りを行うとレジ装置が支払い金額を計算し、客はその金額を支払う。支払い後、客は精算済みの商品が入ったカゴを別の台(サッカー台)に移動させ、そこで商品をレジ袋(あるいは持参したバッグ)に詰め替える。
【0003】
一方、近年、RFID(Radio Frequency Identification)など、物品やカードの識別を非接触で行う技術が発達しつつある。例えば特許文献1には、各商品に、商品の識別情報を記憶させた無線タグを貼り付け、この無線タグの情報を一括的に読み取って商品の価格の積算を行うようにしたシステムが開示されている。こうした無線技術による積算を実現した店舗システムが実現できれば、店員が商品を一点一点スキャンしていく必要がないため、レジにおける清算が効率化される。
【0004】
【特許文献1】特開平11−120438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような無線技術を利用して商品のタグ情報を読み取るシステムにおいては、買い物カゴの中に複数の商品が入っていたとしても、それぞれの商品のタグ情報を正確に読み取れることが必要である。さらには、清算した後に、商品を買い物カゴからレジ袋等へ詰め替える必要のない、スムーズな買い物ができる店舗システムが実現されればより便利である。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートを提供することにある。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための、本発明の清算装置は、客の購入する無線タグ付きの複数の商品がショッピングカートに搭載された商品収容手段内に入ったままの状態で、前記各商品のタグからタグ情報を読み取って購入商品全体の価格を積算する清算装置であって、前記タグ情報を読み取る無線タグリーダと、前記商品収容手段を回す及び/又は揺らす回揺手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、商品収容手段(例えば、買い物カゴ、レジ袋や客が持参したバッグ)を回転、揺動させながら、リーダによるタグ情報の読み取りを行うことができるため、タグ情報の読み取りを正確に行うことができる。また、多くの商品を一々ショッピングカートから出して読み取っていく必要も無いので、レジの省力化・迅速化を図ることができ、清算後の商品の袋詰めなどの手間、スペースも不要となる。
【0009】
上記本発明の清算装置においては、前記ショッピングカートが、前記商品収容手段を保持し、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成された枠状の保持フレームを備えるものであって、前記回揺手段が、前記ショッピングカートとは別に設けられた、該保持フレームを前記垂直軸周りに回転させるアクチュエータを含むものとすることができる。
【0010】
このような構成では、保持フレームを回転させることにより、該保持フレームに保持された商品収容手段が回転することとなる。保持フレームを回転させるためのアクチュエータがショッピングカート側ではなく清算装置側に設けられているため、各ショッピングカートの構成を簡素化することができる。
【0011】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートが、同カートの前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リングを備え、前記前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた駆動輪が、該カム軌道リングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが回転すると共に、前記カム軌道リングのカム軌道に沿って揺動するものとすることができる。
【0012】
このような構成では、保持フレームに固定されたカム軌道リングのカム軌道に沿って保持フレーム(すなわち商品収容手段)が揺動する。このように、上下にうねったカム軌道リングを利用して揺動させる構成によれば、回転用アクチュエータのみで保持フレームの揺動を実現することができる。すなわち、保持フレームを揺動させるための複雑な機構は不要である。なお、カム軌道リングの形状を適宜変更すれば、商品収容手段の回揺の態様を変更することができる。
【0013】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートの前記保持フレームの下側に、該保持フレームとほぼ同径のガイドリングが該保持フレームと平行に固定されており、前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた偏芯駆動輪が、該ガイドリングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが前記垂直軸回りに回転すると共に、前記偏芯駆動輪の回転に伴って揺動するものとすることもできる。
【0014】
この構成では、アクチュエータ側の駆動輪を偏芯させることにより、保持フレームの揺動が実現される。この場合、上記のようなうねったカム軌道リングを利用する構成と比較して、ガイドリングの形状を簡素化することができる。
【0015】
上記本発明の清算装置は、さらに、前記商品収容手段を回転させながら前記無線タグリーダで前記商品の識別情報を読み取るように構成されており、前記リーダから読み込まれる単位時間当りの前記商品識別情報のデータ量(例えば商品の個数)が所定の設定値を越えたときに、前記商品収容手段の回転を低速にするように構成されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、例えば、レジ袋内に商品が偏って収容されていたとしても、この偏った部分のタグ情報を読み取る際には、レジ袋等をゆっくり回転させながら読み取りを行うことができるため、タグ情報を正確に読み取ることができる。
【0017】
また、前記商品収容手段を正回転させながら前記商品のタグ情報の読み取りを行った後、前記商品収容手段を逆回転させながら前記商品のタグ情報の再読み取りを行い、前記正回転時に読み取ったデータと、前記逆回転時に再読み取りしたデータとの整合を取るように構成されていてもよい。
このように正回転時のデータと逆回転時のデータとの整合を取るようにすることで、タグ情報の読み取りが正常に行われたどうかの判断が可能となる。
【0018】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートの保持フレームが円形であり、該円形の保持フレームに対応して半円径の凹部が形成されたレジ台をさらに備え、該レジ台の下面側であって前記凹部の近傍に前記無線タグリーダが配置されていることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、ショッピングカートをレジ台のこの凹部にセットした状態でタグ情報の読み取りを行うことが可能である。すなわち、ショッピングカートを略固定した状態で、保持フレームを回転、揺動させることが可能であるので、保持フレームの回転、揺動を良好に行うことができる。
【0020】
次に、本発明のショッピングカートは、購入する商品が入れられる商品収容手段を保持する枠状の保持フレームを備えたショッピングカートであって、前記保持フレームが、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
このように構成された本発明のショッピングカートによれば、上記本発明の清算装置と組み合わせて好適に使用することができる。換言すれば、上記本発明の清算装置とこのショッピングカートとを組み合わせることで、本発明に係る店舗システムを提供することができる。このショッピングカートは、その保持フレームが垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されたものである。したがって、該保持フレーム(すなわち、それに保持されるレジ袋等)を回転、揺動させながら、リーダによるタグ情報の読み取りを行うことができる。
【0022】
上記本発明のショッピングカートは、具体的には、水平軸周りに揺動可能に設けられた揺動リングを備え、前記保持フレームが、該揺動リングの内側で該揺動リングに対して回転可能に設けられているものとすることができる。
このような構成によれば、揺動リングの揺動と、該揺動リング内に対して回転する保持フレームの回転との組み合わせで、上記商品収容手段(レジ袋等)の回転、揺動を実現することができる。
【0023】
上記本発明のショッピングカートは、保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング、又は、保持フレームに固定された該保持フレームとほぼ同径のガイドリング、をさらに備えていることが好ましい。この場合、このカム軌道リングに、アクチュエータの駆動輪を当接させて同リングを回転させることで、カム軌道リングのカム軌道に沿って保持フレームが揺動することとなる。あるいは、アクチュエータ側の駆動輪を偏芯させ、その作用により保持フレームを揺動させることが可能である。
【0024】
上記本発明のショッピングカートは、さらに、前記保持フレームに付設された、レジ袋を広げた状態で掛けることができる袋掛けラックをさらに備えていることが好ましい。この袋掛けラックは、前記保持フレームの内周から、フレームの内側に向かって水平に延び出した左右一対のアームと、該一対のアームの中央に配置されたフックと、を有するものであり、前記一対のアームには、レジ袋が多数枚重ねられた袋重ね合わせ体の両側部が引っ掛けられると共に、中央の前記フックには該袋重ね合わせ体の上端中央部が引っ掛けられ、前記袋重ね合わせ体の一番手前側の袋を前記アームに沿って引っ張ることにより、該一番手前側の袋が広がるよう構成されたものである。
【0025】
このような構成によれば、レジ袋を広げた状態で袋掛けラックに引っ掛け、その中に、購入する商品を入れたまま商品の清算を行うことができる。清算後、客は、その袋をショッピングカートから外してそのまま持ち帰ることができる。そのため、買い物カゴからレジ袋又は持参したバッグ等への商品の詰め替えが不要となり、スムーズな買い物が実現される。
【0026】
上記本発明のショッピングカートは、また、前記揺動リングを支持する前記水平軸が、ショッピングカートの横方向に延びていてもよい。
このような構成によれば、ショッピングカートの保持フレーム(すなわち、それに保持されたレジ袋等)がショッピングカートの前後方向に揺動することとなる。ショッピングカートの構造や商品の重量等によっては、レジ袋をカートの横方向に揺動させた場合に、ショッピングカード全体が揺れてしまうおそれもある。このような場合、上記本発明のように、レジ袋をショッピングカートの前後方向に揺動させる構成とすれば、カート全体の揺れの発生を抑制することができる。その結果、タグ情報の読み取りをより正確に行うことができるという利点がある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上述したように、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートを提供することができる。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一形態の店舗システムを示す平面図である。
図1に示すように、この店舗システム1は、購入する商品5の清算を行うための清算装置70と、これらの商品5をこの清算装置70まで運ぶためのショッピングカート50とを備えている。なお、図1では、清算装置70とカート50とがそれぞれ1台ずつしか描かれていないが、この店舗システム1は、当然ながら、複数の清算装置70及びカート50を備えるものであってもよい。
【0029】
各商品5には、商品の識別情報を記憶した無線タグ(不図示)が貼り付けられている。この無線タグは、「RFIDタグ」、「無線IDタグ」などとも称されるものであり、図示しないが、コイル状のループアンテナと、それに接続されたLSIチップと、商品の識別情報を記憶するためのメモリとを備えている。
ここで、(商品)識別情報とは、少なくとも、その商品を識別するための識別コードの情報を含むものである。
【0030】
清算装置70は、図1に示すように、商品の価格の積算を行うレジスタ72と、該レジスタ72が載せられるレジ台71とを有している。さらに、レジ台71の下面側に配置されたアクチュエータMや無線タグリーダ75(図2参照、詳細後述)等も、この清算装置70の一部である。
【0031】
レジスタ72は、不図示の記憶手段を内蔵しており、この記憶手段内に各商品の価格のデータを保有することができる。レジスタ72は、無線タグリーダ75を介して読み込まれた各商品のタグ情報に基づいて、それに対応する各商品の価格データをその記憶手段から読み出し、それを積算して支払い金額を算出する。レジスタ72は、不図示のディスプレイを備えており、算出した支払い金額を同ディスプレイに表示する。なお、特に限定されるものではないが、このレジスタ72においては、電子マネーによる清算が行えるようになっていてもよい。また、レジスタ72は、詳細には店舗内のPOSシステムの一部として構成されているが、これについては図9を参照しながら再度説明する。
【0032】
次に、レジ台71について説明する。
レジ台71は、図1に示すように略L字型(く字型)となっており、その片側にレジスタ72が配置されている。レジスタ72の横には、カート50によって運ばれた商品5のタグ情報を読み取るタグ情報読取り部Bが構成されている。この例では、レジスタ72とアクチュエータMとの間のレジ台71上に、客の鞄(不図示)などを置くことができるようになっている。タグ情報読取り部Bでは、レジ台71の外周部に半円状の凹部73が形成されている。この凹部73の形状は、後述するショッピングカートの保持フレーム12の形状に対応している。
【0033】
図2は、この凹部73の周辺構造を一部模式的に示す側面図である。カート50にはバッグ160のみが吊るされている。
同図に示すように、カート50の前方部分を凹部73にセットすると、バッグ160が凹部73(タグ情報読取り部B)内に位置する。バッグ160の側方には、同バッグ内の商品5のタグ情報を読み取る無線タグリーダ(アンテナ)75が配置されている。このタグリーダ75は、複数の商品のタグ情報を一括して読み取る機能を備えている。タグリーダ75はプレート状のものであってもよいし、ドーム状のものであってもよい。タグリーダ75の上方には、バッグ160を回転、揺動させるための(詳細後述)アクチュエータMが固定的に配置されている。
【0034】
次に、図3〜図7を参照して、ショッピングカート50について詳細に説明する。
図3は、ショッピングカートの側面図であり、図3(A)が袋掛けラックRAがカート前方にある状態を示し、図3(B)が保持フレーム12が垂直軸Z周りに半回転し袋掛けラックRAがカート手前側に位置した状態を示している。図4は、図3の同ショッピングカートの前方部分を示す平面図である。
【0035】
本実施形態のショッピングカート50は、図3、図4に示すように、車輪29が取り付けられた枠状の下フレーム28と、該下フレーム28の側部から立ち上がるようにして設けられたポスト部25とを備えている。ポスト部25の上端からは、カート手前側に向かって手押し部20が形成されている。
【0036】
ポスト部25の上端には、図4に示すように、2本のフレームバー10が取り付けられている。各フレームバー10は、ポスト部25の上端における左右両側からショッピングカート前方側に向かって、互いに平行かつ水平に延び出している。各フレームバー10の先端には、水平軸11を介して揺動リング16(詳細下記)が取り付けられている。2本のフレームバー10のそれぞれの水平軸11は、図4に示すように、同一直線上に揃うように配置されている。
【0037】
揺動リング16は、図4に示す通り円環状の部材であり、水平軸11を中心として、ショッピングカート50の前後方向に揺動可能となっている。
【0038】
次に、この揺動リング16の内側に設けられた保持フレーム12について説明する。
保持フレーム12は、揺動リング16よりもやや小径に形成された円環状の部材であり、揺動リング16と同心に配置され、揺動リング16の内側で同リング16に対して回転自在に設けられている。
【0039】
図5に示すように、この保持フレーム12の断面形状は逆L字型、すなわち、環状に形成された周壁部12bの外周上端から、鍔部12aが外側に向かって張り出した形状となっている。一方、保持フレーム12を囲む揺動リング16の断面形状はほぼ矩形である。揺動リング16の上面には、ローラ軸19aによって回転可能に支持された複数のローラ19が設けられている。このローラ19は、図4の平面図に示すように、揺動リング16の周方向に等間隔で8つ設けられている。各ローラ軸19aは、揺動リング16の中心から放射状に水平に延びるように配置されている。
【0040】
図5に示すように、保持フレーム12は揺動リング16の上面側から組み込まれている。すなわち、保持フレーム12の鍔部12aの下面が、8つのローラ19上に支持された状態となっている。鍔部12aの下面において、ローラ19の上面に当接する部位には、環状のローラ受け溝12dが形成されている。
このような構成により、保持フレーム12が、揺動リング16の内側で同リング16に対して回転できるようになっている。
【0041】
図4に示すように、保持フレーム12の内側には、レジ袋101(袋重ね合わせ体A、図15等参照)を掛けるための袋掛けラックRAと、客が持ち込むバッグ160(「マイバッグ160」とも言う)を掛けるためのマイバッグラックRBが設けられている。
袋掛けラックRAは保持フレーム12内のおよそ半分の領域を占めるように設けられ、一方のマイバッグラックRBは保持フレーム12内の残りの領域を占めるように設けられている。
【0042】
袋掛けラックRAは、図6に示すように、保持フレーム12の内側に固定され、水平かつ互いに平行に延び出した一対のアーム38と、この一対のアーム38の間に設けられたフック35とを有している。この袋掛けラックRAは、図13〜図18に示すようなレジ袋101及び袋重ね合わせ体A(詳細後述)に対応したものであり、同レジ袋101を1枚ずつ広げた状態で吊るすことができるようになっている。各アーム38は、一例としてステンレス製の丸棒であり、レジ袋101の抜けを防止するために、その先端は上向きに折り曲げられている。フック35も同様にステンレス製の丸棒であり、上記各アーム38より短く形成され、先端が上向きに折り曲げられている。
【0043】
次に、マイバッグラックRBは、図7に示すように、保持フレーム12の内側に互いに対向するようにして設けられた一対のフック41からなる。各フック41は、コ字型に曲げられた丸棒部材であり、具体的には、保持フレーム12から内側に向かって互いに平行に延び出した2つの延出部41aと、各延出部41aの先端同士を繋ぐ水平部41cとからなる。マイバッグ160の両側の把手を、それぞれのフック41に掛けることで、マイバッグ160が口部を大きく広げた状態で保持される。したがって、客は、このマイバッグ160を買い物カゴ替わりに使用することができる。フック41は、このようにマイバッグ160の把手が掛けられるものであるため、把手が外れ難いように、図7に示す通り、保持フレーム12から延び出した先端側が上向きに折り曲げられていることが好ましい。
【0044】
次に、保持フレーム12を回転、揺動させるための機構について図8を参照して説明する。図8は、ショッピングカート50の保持フレーム12の周辺部を示す一部断面側面図である。図8には、清算装置70側のアクチュエータMも一緒に示されている。
【0045】
図8(A)に示すように、カート50の保持フレーム12の下側には、上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング18が、L字形状の連結部材17を介して固定されている。このカム軌道リング18は、断面円形の棒材を上下にうねるように屈曲させたフレームである。カム軌道リング18の平面形状(上方から見たときの形状)は、揺動リング16とほぼ同径(正確には、やや大径)の円形となっている。
【0046】
連結部材17は、保持フレーム12の下面から下方に延び出し、途中で径方向外側に折れ曲がり、その先端がカム軌道リング18の内周部に固定されている。図示は省略するが、この連結部材17は、保持フレーム12の周方向に複数個(例えば4個)設けられており、これによりカム軌道リング18が保持フレーム12にしっかりと固定されている。
【0047】
図8(A)に示すように、カート50をレジ台71の凹部73(図1参照)にセットすると、カム軌道リング18の上面にアクチュエータMの駆動輪61が当接する。この駆動輪61は、円形の輪郭形状を有するゴム製の部材であり、アクチュエータMの出力軸Maの先端に固定されている。
【0048】
この状態で、アクチュエータMを駆動し駆動輪61を回転させることにより、駆動輪61がカム軌道リング18の上面を転がり、同リング18及びそれに連結された保持フレーム12がZ軸(垂直軸)周りのθ方向に回転する。同時に、カム軌道リング18及び保持フレーム12は、同リング18のカム軌道に沿って上下に(水平軸11周りのγ方向)に揺動する。
なお、図8(A)は、アクチュエータMの駆動輪61がカム軌道リング18の最低位部に当接している状態を示し、図8(B)は、駆動輪61が同リング18の最高位部に当接している状態を示している。
【0049】
次に、本実施形態の清算装置70のブロック図について図9を参照して説明する。
図9に示すように、清算装置70において、タグリーダ75はレジスタ72に接続されており、タグリーダ75から読み取られたデータがレジスタ72に送られるようになっている。レジスタ72は、POSシステム77の一部として設けられており、ネットワーク上のサーバ76に繋がっている。このサーバ76内には、商品の在庫数や価格のデータが収容されている。レジスタ72は、サーバ76内のこの価格データを定期的に呼び出し、それに基づいて自己の記憶手段内の価格データを更新する。
【0050】
このPOSシステム77には、また、上述したアクチュエータMの駆動などを制御するコントローラ91が接続されている。POSシステム77とコントローラ91との間の信号の伝送はパラレル方式又はシリアル方式のいずれであってもよい。コントローラ91は、ドライバ95を介してアクチュエータMに接続され、アクチュエータMの正回転、逆回転、停止、加速及び減速等を制御する。アクチュエータMには回転パルス検出器93が内蔵されており、これによりアクチュエータMの回転数が検出され、その情報がコントローラ91にフィードバックされる。
【0051】
コントローラ91には、ショッピングカート50が所定位置にセットされたかどうかを検出するためのセンサ98が接続されている。このセンサ98は、一例として、タグ情報読取り部B(図2参照)においてレジ台71の下面側に固定された、接触型のセンサ(不図示)である。この場合、ショッピングカート50をレジ台の凹部73にセットした時点で、このセンサ98の接触部(不図示)がショッピングカート50の一部に当接して変位し、この変位が、電気的信号(カートセット完了信号)としてコントローラ91に送られる。コントローラ91は、センサ98によるこの検出結果に基づいてショッピングカートがセットされたか否かを判断し、その後、ドライバ95に所定の駆動信号を与える。
なお、センサ98としては、接触型のものに限らず、例えば光学式などの非接触型のものを利用してもよい。
【0052】
次に、本店舗システム1を利用する際のショッピングカート50及び清算装置70の動作について図10、図11等を参照して説明する。
図10は、本店舗システム1を利用する際の一連の動作を示した図である。図11は、同店舗システム1の一連の動作のフローチャートを示す図である。
【0053】
図10(A)に示す状態(初期状態)では、客が押すショッピングカート50の保持フレーム12にレジ袋101及びマイバッグ160が吊るされている。なお、以下の説明では、一例として、マイバッグ160にのみ購入商品5が入れられ、この購入商品5について清算を行う例について述べる。
【0054】
図10(A)に示すように、客は、ショッピングカート50に吊るされたマイバッグ160内に購入する複数の商品5を入れて、カート50を清算装置70まで運ぶ。そして、図10(B)に示すように、ショッピングカート50の前方(保持フレーム12部分)をレジ台71の凹部73にセットする。この際、レジ台71の下面側に設けられたセンサ98(図9参照)によって、カート50がセットされたことが検出され、検出結果がコントローラ91に送られる(図11のフローチャートにおけるステップS1)。次いで、センサ98の入力状態を確認し回転位置情報を取得(ステップS2)する。そして、回転パルス検出器93の入力状態を確認し、そこから得た情報をコントローラ91内のRAMに保存する。これらセンサ98及び検出器93からの情報はPOSシステム77に送信される(ステップS3)。
【0055】
その後、カート50がセットされたかどうかの判断が行われる(ステップS4)。カート50がセットされていないと判断された場合、アクチュエータMが駆動されることはない(ステップS10)。カート50がセットされたと判断された場合(ステップS4)、続いて、回転許可信号の有無(ステップS5)及び再読み込みの指示の有無(ステップS6)の判断が行われる。
ここで、ステップS5の「回転許可信号」とは、POS側からの、アクチュエータMを回転させてもよいかの判断信号である。ステップS6の「再読込指示」とは、POS側からの、再読み込みするかどうかの判断信号である。
【0056】
ステップS5において回転許可信号が「有り」と判断されると共に、ステップS6において再読込指示が「無し」と判断されたら、アクチュエータMを、予め設定された通常回転数で正回転方向に駆動させる(ステップS7)。このアクチュエータMの駆動により、図8を参照して説明したように、カート50の保持フレーム12及びそれに掛けられたマイバッグ160が、垂直軸Z周りに回転し、水平軸11周りに揺動することとなる(図10(C)参照)。
【0057】
清算装置70のタグリーダ75は、マイバッグ160がこのように回転、揺動している状態で動作する。タグリーダ75による読取りを開始するタイミングは、アクチュエータMの回転の開始と同時であってもよいし、あるいは、アクチュエータMの回転の開始よりも後であってもよい。マイバッグ160内の複数の商品5のタグ情報は、タグリーダ75によって、無線により一括して読み取られ、読み取られた各商品のタグ情報はレジスタ72(図9参照)に送られる。その後、マイバッグ160内の全商品5のタグ情報が読み込まれ(ステップS8)、アクチュエータ原点位置となった時点(ステップS9)で、アクチュエータMの駆動を停止する(ステップS10)。なお、この駆動の停止は、例えばアクチュエータMの回転パルスを基準として、この回転パルス数が所定値に達した時点で駆動を停止するようにしてもよい。
【0058】
レジスタ72は、上記のようにして読み取った各商品5のタグ情報に基づき、価格の積算を行い、積算した価格を不図示のディスプレイに表示する。次いで、客は、ディスプレイに表示されたこの積算価格を確認した上で、電子マネー情報が記憶された媒体(例えばICカードや携帯電話機など)をレジスタ72の所定位置にかざす。これにより、この媒体とレジ装置72との間で非接触の通信が行われ、電子マネーによる清算が行われ、商品の清算が完了する。
【0059】
清算が済んだ後、図10(D)に示すように、客はカート50をレジ台71から離し、店舗内の所定位置に返すと共に、清算済みの商品5が入ったマイバッグ160をカート50から取り外してそのまま持ち帰ることができる。
【0060】
以上説明した本実施形態の店舗システム1、清算装置70、及びカート50によれば、マイバッグ160(及びそれに入れられた購入商品5)を回転、揺動させながら、タグリーダ75で商品のタグ情報を読み取るものであるため、タグ情報の読み取りを正確に行うことができる。また、清算時、多くの商品5を一々バッグ160から出してスキャンする必要も無いので、レジの省力化・迅速化を図ることができる。さらには、清算の済んだ商品5が入ったバッグ160をカート50から取り外してそのまま持ち帰ることができるため、清算後の商品の袋詰めなどの手間、スペースも不要となる。
【0061】
なお、マイバッグ160の例に限らず、保持フレーム12に吊るされたレジ袋101内に複数の商品5を入れ、その商品5を清算する場合であっても、本発明による作用効果は上記同様に得ることができる。もっとも、マイバッグ160やレジ袋101ではなく、一般的な買い物カゴを利用する場合であっても、上記実施形態のようにカゴを回転、揺動させながら商品5のタグ情報を読み取るようにすれば、上記同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
また、各ショッピングカート50にアクチュエータMを設けて保持フレーム12を回転、揺動させる構成とすることも可能であるが、各ショッピングカート50の構成を簡素化する観点からすれば、本実施形態のようにアクチュエータMが清算装置70側に設けられていることが好ましい。
【0063】
次に、上記店舗システム1、清算装置70、及びショッピングカート50のさらに具体的な構成又は変更例について説明する。なお、以下の記載では、上記同様、マイバッグ160内に購入商品5が入っているものとして説明する。
【0064】
まず、清算装置70の動作に関して、局所的に偏った多数の商品のタグ情報を読み取る場合に、アクチュエータMの回転数を落としてバッグ160をゆっくり回すようにしてもよい。
すなわち、バッグ160内に商品5が偏って入っていた場合、すべての商品5のタグ情報を正確に読み取れない可能性がある。そこで、商品が偏った領域に対しては、バッグ160をゆっくり回転させながら、タグ情報の読み取りを行うことが効果的である。これを実現するために、清算装置70は、まず、タグリーダ75を介して、単位時間当りに読み込まれる商品のデータ量(商品の個数)を検出する。そして、このデータ量が所定の設定値を越えているか否かを判断し、超えていた場合には、アクチュエータMの回転数を低減させる。これにより、バッグ160の回転、揺動速度が低速となり、商品5をゆっくり回転、揺動させながらタグ情報を読み込むことができる。このような構成によれば、仮にバッグ160内で商品5が偏っていたとしても、各商品のタグ情報の読み取りを正確に行うことが可能となる。
【0065】
タグ情報の読み取りの信頼性を向上させる方法としては、他にも、マイバッグ160を正回転させながら各商品5のタグ情報の読み取りを行った後、今度は同バッグ160を逆回転させながらタグ情報の再読み取りを行い、その後、正回転時に読み取ったデータと、逆回転時に最読み取りしたデータとの整合を取るようにすることもできる。以下、これについて図12を参照して説明する。
【0066】
図12のフローチャートに示すように、まず、最初のタグ情報読み取り工程(ステップS31)において、マイバッグ160を正回転方向に通常速度で一周させながら、タグリーダ75を介して商品のタグ情報の読み取りを行う。読み取られたタグ情報は、清算装置70のレジスタ72(あるいはPOSシステム77)内の不図示の記憶手段に記憶される。次いで、今度は同バッグ160を逆回転方向に一周させながら(ステップS32)、タグ情報の読み取りを行う。読み取られたタグ情報は、上記同様、レジスタ72(あるいはPOSシステム77)内の不図示の記憶手段に記憶される。
【0067】
その後、このようにして得られた、正回転時に読み取ったデータと、逆回転時に読み取ったデータとの整合をとる。正回転時に読み取ったデータと逆回転時に読み取ったデータとが一致する場合には、タグ情報の読み取りが正常に行われたものと判断し、タグ情報の読み取りを終了し、読み取ったタグ情報に基づいて全商品価格の積算を行う。
【0068】
正回転時に読み取ったデータと逆回転時に読み取ったデータとが一致しない場合には、再度、マイバッグ160を正回転させながら再度の読み取り(ステップS33)を行う。次いで、それにより得られたデータと、先の工程(S31又はS32)におけるデータとの整合を取るようにすればよい。このように正回転時のデータと逆回転時のデータを利用して適宜整合をとることで、各商品5のタグ情報の読み取りの信頼性がさらに向上する。
【0069】
次に、上記実施形態のショッピングカート50の袋掛けラックRAに吊るして好適に使用することができるレジ袋101(およびそれが集合した袋重ね合わせ体A)の一例について図13〜図18を参照して説明する。
なお、この袋重ね合わせ体Aの主たる特徴は、一枚のレジ袋101を引き出して切り離すと、後続するレジ袋101がその口部を大きく広げた状態で自動的にスタンバイされる点にある。
【0070】
図13、図14に示すように、レジ袋101は、ポリエチレンシート材によって形成された所謂ポリ袋で、前壁102と、後壁103と、これら壁102、103の左右両側端部間に介在するまち部104とからなる密閉袋の上端部の一部を、口部105として切り取ったものである。口部105の左右両側には把手106が形成され、各把手106は、袋の前面壁部分106aと後壁側部分106bとが、袋周縁のシール部Sにおいて互いに接合された構成となっている。客は、この把手106に手を入れて袋101を持つことができる。
【0071】
各把手106には、人の耳の形に似た形状に切り込まれた把手支持用の切り込み109が設けられている。また、口部105の底部には、図示上向きに突出する山形のタブ107が形成されている。各タブ107には、キノコの頭の形に似た形状に切り込まれるタブ支持用の切り込み110が設けられている。このタブ支持用の切り込み110の中央部上方にはタブ切り難し用の切り込み121が形成されている。この切り込み121は、タブ107の上端縁と切り込み110との間にそれぞれ約1mm程度残して形成されている。
【0072】
上記のように構成された袋101は、図15に示すように複数枚が重ねられた状態(これを「袋重ね合わせ体A」という)で使用される。重ねられた袋101同士は、袋101の所定箇所に形成された局部圧縮部Kにより互いに圧着されている。
【0073】
局部圧縮部Kの形成について、以下、図16を参照して具体的に説明する。
まず、図16(A)に示すように、所定枚数の袋101を重ね合わせる。この際、各袋101には前壁102及び後壁103のそれぞれの表面に、コロナ放電による表面処理が施される。これにより、袋101同士が互いに引っ付き易くなり、袋同士の重ね合せが良好に行われることとなる。なお、このコロナ放電処理は、周知のコロナ放電装置を使用して実施可能である。このコロナ放電処理は袋101の内面には施されないため、袋101の前壁102と後壁103との内面同士が引っ付くようなことはない。
【0074】
次いで、この袋101の重ね合わせ体Aに対し、図16(B)に示すような型押し手段111を用いて加圧を施す。型押し手段111は、先端部112が厚肉円筒状に形成されたパンチ113と、このパンチ113の下方に配置される基台115とからなる。パンチ113は、不図示の昇降駆動手段(例えば油圧シリンダ)により昇降駆動される。基台115は、例えば鉄板からなる。
【0075】
パンチ113の寸法を例示すると、先端厚肉円筒部112の肉厚は1.7mmであり、その内径(先端凹部112cの内径)は3.5mmである。凹部112cの深さは3.0mmである。また、図16(A)からも明らかなように、厚肉円筒部112にはその先端部に角部ができないように、先端側が面取りされており、その面取り部が符号rで示されている。
【0076】
局部圧縮部Kを形成するにあたっては、図16(B)に示すように、袋重ね合わせ体Aを基台115上に載せ、この袋重ね合わせ体115に向けてパンチ113を下降させる。これにより袋重ね合わせ体Aの一部がパンチ113と基台115とにより加圧挟持され、図16(B)、図16(C)に示すような局部圧縮部Kが形成され、袋101同士が圧着される。
なお、局部圧縮部Kは、熱融着などによって袋同士を接合するものではなく圧着作用により袋同士を固定するものであるため、比較的小さな力で1枚の袋101を重ね合せ体Aから引き剥がすことが可能となっている。
【0077】
再び図13を参照する。本実施形態では局部圧縮部Kは、各把手106の下端側所要部(切り込み109の直下)に1箇所ずつと、山形状タブ107に5箇所との計7箇所に形成されている。このように、局部圧縮部Kを左右各把手106と、タブ107とに形成することにより、各袋101の口部105側がバラバラにならず、袋重ね合わせ体Aの形が安定して、保管や袋掛けラックへの支持が容易となる。
【0078】
次に、こうして形成された袋重ね合わせ体Aの使用方法について図17、図18を参照して説明する。
図17(A)は、図15と同じように、上記した袋掛けラックRA(図3参照)に支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た図あり、一番手前側の袋101は未開き状態となっている。
【0079】
この図17(A)に示す状態から、図17(B)に示すように袋重ね合わせ体Aの一番手前側の袋101のタブ107を手Hで手前側に引っ張る。すると、フック35に掛けられていたタブ107の上端部が切り込み121(図13参照)において引きちぎられる。これと共に、タブ107の各局部圧縮部Kが剥離し、手前側の袋101の前壁102が後壁103から引き離される。また、各把手106の局部圧縮部Kも同様にして剥離し、各把手106の前壁側部分106aと後壁側部分106bとが引き離される。このようにして袋101を手間側に引っ張ることによって、各把手106が袋掛けラックRAのアーム38に沿って手前側にスライドし、一番手前側の袋101が広がった状態(スタンバイ状態)となる。このように、把手106を支持アーム38に引っ掛けた状態で、袋の口部105を大きく開かせることが可能となっているため、客は、この袋101の中に、購入する商品5を入れていくことができる。
【0080】
上記のように一番手前側の袋101の口部105を大きく広げた状態で商品を入れ、その状態で清算装置70(図1参照)を通過することで、前述したような商品の清算が行われる。
【0081】
清算が終了した後、客は、商品が入った一番手前側の袋101を、図18(A)に示すように手前側に引っ張って重ね合せ体Aから引っぱり取ればよい。これについて詳細に説明すると、まず、袋101を引っ張ると、この袋101の奥側のタブ107側の局部圧縮部Kが、後続の袋110のタブ107の局部圧縮部Kから剥離する。この袋101をさらに引っ張ると、この袋101の後壁103が後続の袋101の前壁102から引き離されると共に、袋101の各把手106の後壁側部分106bの局部圧縮部Kが後続の袋101の前壁側部分106aの局部圧縮部Kから剥離され、一番手前側の袋101が後続する袋101から切り離される。後続の袋101は、図18(B)に示すように、口部105を大きく広げてスタンバイした状態となり、このスタンバイ状態の袋101が今度は一番手前側の袋となる。
【0082】
上記のように、袋掛けラックRAに支持させた袋重ね合わせ体Aによれば、一番手前側の袋101を、その口部105を大きく広げた状態でスタンバイさせることができ、このスタンバイ状態で袋101の中に商品を入れていくことが可能である。また、一番手前側の袋101を手前側に引っぱり取った後には、以降同様にして、後続する袋101が自動的に、口部105が広がったスタンバイ状態となる。したがって、次にショッピングカート等を利用する客が、袋101をわざわざ広げる必要もなく、スムーズな買い物が実現される。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、本発明のショッピングカートの他の構成例について図19〜図21を参照して説明する。
図19は、本発明のショッピングカートの他の例を示す側面図である。図20は、図19のショッピングカートに対応して設けられたアクチュエータM側の構成例を示す図であり、図20(A)が側面図であり、図20(B)、(C)が駆動輪形状を説明するための正面図である。図21は、図19のショッピングカートの保持フレームを図20のアクチュエータで回転、揺動させる際の状態を示す側面図である。
【0084】
図19に示すように、このショッピングカート51は、レジ袋101及びマイバッグ160を掛けることができるリング状の保持フレーム12(これについては図4等参照)の下側に固定されたガイドリング18′を備えている。
【0085】
このガイドリング18′は、上記第1の実施形態のカム軌道リング18のように上下にうねったものではなく、うねりのない平坦なリング状部材である。ガイドリング18′は、第1の実施形態同様、L字型の連結部材17を介して保持フレーム12に取り付けられている。ガイドリング18′は、保持フレーム12に対して平行に固定され、水平となっている。ガイドリング18′の外径は、保持フレーム12とほぼ同径(正確には、やや大径)に形成されている。
【0086】
このガイドリング18′に対応して、清算装置70側のアクチュエータMは図20に示すような構成となっている。すなわち、アクチュエータMの出力軸Maには、偏芯した駆動輪61′が固定されている。アクチュエータMは、図21に示すように、出力軸Maが傾斜するような姿勢でレジ台71(図1、図2参照)の下面側に配置されている。これにより、偏芯駆動輪61′が、ガイドリング18′の上面に斜めに当たるようになっている。
【0087】
以上のように構成されたショッピングカート51を利用するにあたっては、まず、上記実施形態同様、ショッピングカート51をレジ台71の凹部73(図1参照)にセットする。この状態では、図21に示すように、ガイドリング18′上面にアクチュエータMの偏芯駆動輪61′が当接する。この状態で、アクチュエータMを駆動し、偏芯駆動輪61′を回転させることにより、偏芯駆動輪61′がガイドリング18′の上面を転がり、ガイドリング18′及び保持フレーム12が垂直軸Z周りに回転する。これ同時に、保持フレーム12は、偏芯駆動輪61のカム曲線に沿って水平軸11周りに上下に揺動する。
【0088】
このようにして、第1の実施形態同様、保持フレーム18に吊るされたレジ袋101及び/又はマイバッグ160が垂直軸Z周りに回転し、水平軸11周りに揺動することとなるため、上記同様、タグリーダ75によるタグ情報の読み取りを正確に行うことができるものとなる。本実施形態の構成によれば、第1の実施形態の構成と比較して、ガイドリング18′が簡単な形状で済むという利点がある。
【0089】
なお、カート51をレジ台71の凹部73にセットする際、図20(C)に示すように、アクチュエータMの偏芯駆動輪61′が上向きの状態で停止していることが好ましい。これにより、偏芯駆動輪61′とガイドリング18との干渉が防止される。また、図21に示したように、アクチュエータMが傾斜して配置され、偏芯駆動輪61′がリング18′上面に斜めに当たるようになっているため、同駆動輪61′がリング上面に良好に押し当ることとなる。
【0090】
なお、第1及び第2の実施形態を通じて、ショッピングカート50、51はいずれも、袋掛けラックRAとマイバッグラックRBとの両方を備えるものであったが、これに限らずいずれか一方だけ備えるものであってもよい。例えば、袋掛けラックRAのみを備えるショッピングカートであったとしても、レジ袋101を買い物カゴ代わりに使用し、清算装置70のタグ情報読取り部B(図1参照)において、レジ袋101内に商品を入れたままの状態で清算を行うことができる。その後、客は、そのレジ袋101をカートから取り外してそのまま持ち帰ることができ、これにより、商品の詰替え作業が不要なスムーズな買い物が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一形態の店舗システムを示す平面図である。
【図2】レジ台の凹部の周辺構造を一部模式的に示す側面図である。
【図3】ショッピングカートの側面図であり、図3(A)は袋掛けラックがカート前方にある状態を示し、図3(B)は保持フレームが垂直軸Z周りに半回転し袋掛けラックがカート手前側に位置した状態を示している。
【図4】図3のショッピングカートの前方部分を示す平面図である。
【図5】図3のショッピングカートの揺動リングと保持フレームの係合部を拡大して示す図であり、図4のX−X線断面図である。
【図6】袋掛けラックを説明するための斜視図である。
【図7】マイバッグラックを説明するための斜視図である。
【図8】ショッピングカートの保持フレームの周辺部を示す一部断面側面図である。
【図9】清算装置のブロック図である。
【図10】店舗システムを利用する際の一連の動作を示した図である。
【図11】店舗システムの一連の動作のフローチャートを示す図である。
【図12】店舗システムの他の動作のフローチャートを示す図である。
【図13】ショッピングカートに引っ掛けて使用することが可能な包装袋の一例を示す平面図である。
【図14】図13の包装袋を斜方向から見た斜視図である。
【図15】図13の包装袋が複数枚集合した袋重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図16】袋重ね合わせ体の断面構成を示すと共に、その製造方法の一例を示す縦断面図である。
【図17】袋重ね合わせ体の使用方法を説明するための図であり、袋掛けラックに支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た斜視図である。
【図18】袋重ね合わせ体の使用方法を説明するための図であり、袋掛けラックに支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た斜視図である。
【図19】ショッピングカートの他の例を示す側面図である。
【図20】図19のショッピングカートに対応して設けられたアクチュエータM側の構成例を示す図であり、図20(A)が側面図であり、図20(B)、(C)が駆動輪の正面図である。
【図21】図19のショッピングカートの保持フレームを図20のアクチュエータで回転、揺動させる際の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0092】
1・・・店舗システム、5・・・商品、10・・・フレームバー、11・・・水平軸、12・・・保持フレーム、12a・・・鍔部、12b・・・周壁部、12d・・・ローラ受け溝16・・・揺動リング、17・・・連結部材、18・・・カム軌道リング、18′・・・ガイドリング19・・・受けローラ、19a・・・ローラ軸、20・・・手押し部、25・・・ポスト部、28・・・下フレーム、29・・・車輪、35・・・フック、38・・・アーム、41・・・フック、41a・・・延出部、41c・・・水平部、50・・・ショッピングカート、61、61′・・・駆動輪、70・・・清算装置、71・・・レジ台、72・・・レジスタ、73・・・凹部、75・・・無線タグリーダ、76・・・サーバ、77・・・POSシステム、91・・・コントローラ、93・・・回転パルス検出器、95・・・ドライバ、98・・・センサ、101・・・レジ袋、102・・・前壁、103・・・後壁、104・・・まち部、105・・・口部、106・・・把手、107・・・タブ、109・・・切り込み、111・・・型押し手段、113・・・パンチ、115・・・基台、121・・・切り込み、160・・・マイバッグA・・・袋重ね合わせ体、B・・・タグ情報読取り部、K・・・局部圧縮部、M・・・アクチュエータ、Ma・・・出力軸、RA・・・袋掛けラック、RB・・・マイバッグラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートに関する。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等においては、購入する商品の精算時に、一般に次のような作業が行われている。まず、客が商品の入った買い物カゴをレジ台に置く。店員はカゴから商品を取り出し、バーコード読み取り装置で商品のバーコードを読み取った後、その商品を別のカゴに入れる。全ての商品の読み取りを行うとレジ装置が支払い金額を計算し、客はその金額を支払う。支払い後、客は精算済みの商品が入ったカゴを別の台(サッカー台)に移動させ、そこで商品をレジ袋(あるいは持参したバッグ)に詰め替える。
【0003】
一方、近年、RFID(Radio Frequency Identification)など、物品やカードの識別を非接触で行う技術が発達しつつある。例えば特許文献1には、各商品に、商品の識別情報を記憶させた無線タグを貼り付け、この無線タグの情報を一括的に読み取って商品の価格の積算を行うようにしたシステムが開示されている。こうした無線技術による積算を実現した店舗システムが実現できれば、店員が商品を一点一点スキャンしていく必要がないため、レジにおける清算が効率化される。
【0004】
【特許文献1】特開平11−120438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような無線技術を利用して商品のタグ情報を読み取るシステムにおいては、買い物カゴの中に複数の商品が入っていたとしても、それぞれの商品のタグ情報を正確に読み取れることが必要である。さらには、清算した後に、商品を買い物カゴからレジ袋等へ詰め替える必要のない、スムーズな買い物ができる店舗システムが実現されればより便利である。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートを提供することにある。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための、本発明の清算装置は、客の購入する無線タグ付きの複数の商品がショッピングカートに搭載された商品収容手段内に入ったままの状態で、前記各商品のタグからタグ情報を読み取って購入商品全体の価格を積算する清算装置であって、前記タグ情報を読み取る無線タグリーダと、前記商品収容手段を回す及び/又は揺らす回揺手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、商品収容手段(例えば、買い物カゴ、レジ袋や客が持参したバッグ)を回転、揺動させながら、リーダによるタグ情報の読み取りを行うことができるため、タグ情報の読み取りを正確に行うことができる。また、多くの商品を一々ショッピングカートから出して読み取っていく必要も無いので、レジの省力化・迅速化を図ることができ、清算後の商品の袋詰めなどの手間、スペースも不要となる。
【0009】
上記本発明の清算装置においては、前記ショッピングカートが、前記商品収容手段を保持し、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成された枠状の保持フレームを備えるものであって、前記回揺手段が、前記ショッピングカートとは別に設けられた、該保持フレームを前記垂直軸周りに回転させるアクチュエータを含むものとすることができる。
【0010】
このような構成では、保持フレームを回転させることにより、該保持フレームに保持された商品収容手段が回転することとなる。保持フレームを回転させるためのアクチュエータがショッピングカート側ではなく清算装置側に設けられているため、各ショッピングカートの構成を簡素化することができる。
【0011】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートが、同カートの前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リングを備え、前記前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた駆動輪が、該カム軌道リングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが回転すると共に、前記カム軌道リングのカム軌道に沿って揺動するものとすることができる。
【0012】
このような構成では、保持フレームに固定されたカム軌道リングのカム軌道に沿って保持フレーム(すなわち商品収容手段)が揺動する。このように、上下にうねったカム軌道リングを利用して揺動させる構成によれば、回転用アクチュエータのみで保持フレームの揺動を実現することができる。すなわち、保持フレームを揺動させるための複雑な機構は不要である。なお、カム軌道リングの形状を適宜変更すれば、商品収容手段の回揺の態様を変更することができる。
【0013】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートの前記保持フレームの下側に、該保持フレームとほぼ同径のガイドリングが該保持フレームと平行に固定されており、前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた偏芯駆動輪が、該ガイドリングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが前記垂直軸回りに回転すると共に、前記偏芯駆動輪の回転に伴って揺動するものとすることもできる。
【0014】
この構成では、アクチュエータ側の駆動輪を偏芯させることにより、保持フレームの揺動が実現される。この場合、上記のようなうねったカム軌道リングを利用する構成と比較して、ガイドリングの形状を簡素化することができる。
【0015】
上記本発明の清算装置は、さらに、前記商品収容手段を回転させながら前記無線タグリーダで前記商品の識別情報を読み取るように構成されており、前記リーダから読み込まれる単位時間当りの前記商品識別情報のデータ量(例えば商品の個数)が所定の設定値を越えたときに、前記商品収容手段の回転を低速にするように構成されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、例えば、レジ袋内に商品が偏って収容されていたとしても、この偏った部分のタグ情報を読み取る際には、レジ袋等をゆっくり回転させながら読み取りを行うことができるため、タグ情報を正確に読み取ることができる。
【0017】
また、前記商品収容手段を正回転させながら前記商品のタグ情報の読み取りを行った後、前記商品収容手段を逆回転させながら前記商品のタグ情報の再読み取りを行い、前記正回転時に読み取ったデータと、前記逆回転時に再読み取りしたデータとの整合を取るように構成されていてもよい。
このように正回転時のデータと逆回転時のデータとの整合を取るようにすることで、タグ情報の読み取りが正常に行われたどうかの判断が可能となる。
【0018】
上記本発明の清算装置においては、また、前記ショッピングカートの保持フレームが円形であり、該円形の保持フレームに対応して半円径の凹部が形成されたレジ台をさらに備え、該レジ台の下面側であって前記凹部の近傍に前記無線タグリーダが配置されていることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、ショッピングカートをレジ台のこの凹部にセットした状態でタグ情報の読み取りを行うことが可能である。すなわち、ショッピングカートを略固定した状態で、保持フレームを回転、揺動させることが可能であるので、保持フレームの回転、揺動を良好に行うことができる。
【0020】
次に、本発明のショッピングカートは、購入する商品が入れられる商品収容手段を保持する枠状の保持フレームを備えたショッピングカートであって、前記保持フレームが、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
このように構成された本発明のショッピングカートによれば、上記本発明の清算装置と組み合わせて好適に使用することができる。換言すれば、上記本発明の清算装置とこのショッピングカートとを組み合わせることで、本発明に係る店舗システムを提供することができる。このショッピングカートは、その保持フレームが垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されたものである。したがって、該保持フレーム(すなわち、それに保持されるレジ袋等)を回転、揺動させながら、リーダによるタグ情報の読み取りを行うことができる。
【0022】
上記本発明のショッピングカートは、具体的には、水平軸周りに揺動可能に設けられた揺動リングを備え、前記保持フレームが、該揺動リングの内側で該揺動リングに対して回転可能に設けられているものとすることができる。
このような構成によれば、揺動リングの揺動と、該揺動リング内に対して回転する保持フレームの回転との組み合わせで、上記商品収容手段(レジ袋等)の回転、揺動を実現することができる。
【0023】
上記本発明のショッピングカートは、保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング、又は、保持フレームに固定された該保持フレームとほぼ同径のガイドリング、をさらに備えていることが好ましい。この場合、このカム軌道リングに、アクチュエータの駆動輪を当接させて同リングを回転させることで、カム軌道リングのカム軌道に沿って保持フレームが揺動することとなる。あるいは、アクチュエータ側の駆動輪を偏芯させ、その作用により保持フレームを揺動させることが可能である。
【0024】
上記本発明のショッピングカートは、さらに、前記保持フレームに付設された、レジ袋を広げた状態で掛けることができる袋掛けラックをさらに備えていることが好ましい。この袋掛けラックは、前記保持フレームの内周から、フレームの内側に向かって水平に延び出した左右一対のアームと、該一対のアームの中央に配置されたフックと、を有するものであり、前記一対のアームには、レジ袋が多数枚重ねられた袋重ね合わせ体の両側部が引っ掛けられると共に、中央の前記フックには該袋重ね合わせ体の上端中央部が引っ掛けられ、前記袋重ね合わせ体の一番手前側の袋を前記アームに沿って引っ張ることにより、該一番手前側の袋が広がるよう構成されたものである。
【0025】
このような構成によれば、レジ袋を広げた状態で袋掛けラックに引っ掛け、その中に、購入する商品を入れたまま商品の清算を行うことができる。清算後、客は、その袋をショッピングカートから外してそのまま持ち帰ることができる。そのため、買い物カゴからレジ袋又は持参したバッグ等への商品の詰め替えが不要となり、スムーズな買い物が実現される。
【0026】
上記本発明のショッピングカートは、また、前記揺動リングを支持する前記水平軸が、ショッピングカートの横方向に延びていてもよい。
このような構成によれば、ショッピングカートの保持フレーム(すなわち、それに保持されたレジ袋等)がショッピングカートの前後方向に揺動することとなる。ショッピングカートの構造や商品の重量等によっては、レジ袋をカートの横方向に揺動させた場合に、ショッピングカード全体が揺れてしまうおそれもある。このような場合、上記本発明のように、レジ袋をショッピングカートの前後方向に揺動させる構成とすれば、カート全体の揺れの発生を抑制することができる。その結果、タグ情報の読み取りをより正確に行うことができるという利点がある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上述したように、スーパーマーケット等の店舗において商品のタグ情報を正確に読み取ることができる清算装置及びショッピングカートを提供することができる。さらには、そのような清算装置及びショッピングカートを有し、スムーズな買い物をできるようにした店舗システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一形態の店舗システムを示す平面図である。
図1に示すように、この店舗システム1は、購入する商品5の清算を行うための清算装置70と、これらの商品5をこの清算装置70まで運ぶためのショッピングカート50とを備えている。なお、図1では、清算装置70とカート50とがそれぞれ1台ずつしか描かれていないが、この店舗システム1は、当然ながら、複数の清算装置70及びカート50を備えるものであってもよい。
【0029】
各商品5には、商品の識別情報を記憶した無線タグ(不図示)が貼り付けられている。この無線タグは、「RFIDタグ」、「無線IDタグ」などとも称されるものであり、図示しないが、コイル状のループアンテナと、それに接続されたLSIチップと、商品の識別情報を記憶するためのメモリとを備えている。
ここで、(商品)識別情報とは、少なくとも、その商品を識別するための識別コードの情報を含むものである。
【0030】
清算装置70は、図1に示すように、商品の価格の積算を行うレジスタ72と、該レジスタ72が載せられるレジ台71とを有している。さらに、レジ台71の下面側に配置されたアクチュエータMや無線タグリーダ75(図2参照、詳細後述)等も、この清算装置70の一部である。
【0031】
レジスタ72は、不図示の記憶手段を内蔵しており、この記憶手段内に各商品の価格のデータを保有することができる。レジスタ72は、無線タグリーダ75を介して読み込まれた各商品のタグ情報に基づいて、それに対応する各商品の価格データをその記憶手段から読み出し、それを積算して支払い金額を算出する。レジスタ72は、不図示のディスプレイを備えており、算出した支払い金額を同ディスプレイに表示する。なお、特に限定されるものではないが、このレジスタ72においては、電子マネーによる清算が行えるようになっていてもよい。また、レジスタ72は、詳細には店舗内のPOSシステムの一部として構成されているが、これについては図9を参照しながら再度説明する。
【0032】
次に、レジ台71について説明する。
レジ台71は、図1に示すように略L字型(く字型)となっており、その片側にレジスタ72が配置されている。レジスタ72の横には、カート50によって運ばれた商品5のタグ情報を読み取るタグ情報読取り部Bが構成されている。この例では、レジスタ72とアクチュエータMとの間のレジ台71上に、客の鞄(不図示)などを置くことができるようになっている。タグ情報読取り部Bでは、レジ台71の外周部に半円状の凹部73が形成されている。この凹部73の形状は、後述するショッピングカートの保持フレーム12の形状に対応している。
【0033】
図2は、この凹部73の周辺構造を一部模式的に示す側面図である。カート50にはバッグ160のみが吊るされている。
同図に示すように、カート50の前方部分を凹部73にセットすると、バッグ160が凹部73(タグ情報読取り部B)内に位置する。バッグ160の側方には、同バッグ内の商品5のタグ情報を読み取る無線タグリーダ(アンテナ)75が配置されている。このタグリーダ75は、複数の商品のタグ情報を一括して読み取る機能を備えている。タグリーダ75はプレート状のものであってもよいし、ドーム状のものであってもよい。タグリーダ75の上方には、バッグ160を回転、揺動させるための(詳細後述)アクチュエータMが固定的に配置されている。
【0034】
次に、図3〜図7を参照して、ショッピングカート50について詳細に説明する。
図3は、ショッピングカートの側面図であり、図3(A)が袋掛けラックRAがカート前方にある状態を示し、図3(B)が保持フレーム12が垂直軸Z周りに半回転し袋掛けラックRAがカート手前側に位置した状態を示している。図4は、図3の同ショッピングカートの前方部分を示す平面図である。
【0035】
本実施形態のショッピングカート50は、図3、図4に示すように、車輪29が取り付けられた枠状の下フレーム28と、該下フレーム28の側部から立ち上がるようにして設けられたポスト部25とを備えている。ポスト部25の上端からは、カート手前側に向かって手押し部20が形成されている。
【0036】
ポスト部25の上端には、図4に示すように、2本のフレームバー10が取り付けられている。各フレームバー10は、ポスト部25の上端における左右両側からショッピングカート前方側に向かって、互いに平行かつ水平に延び出している。各フレームバー10の先端には、水平軸11を介して揺動リング16(詳細下記)が取り付けられている。2本のフレームバー10のそれぞれの水平軸11は、図4に示すように、同一直線上に揃うように配置されている。
【0037】
揺動リング16は、図4に示す通り円環状の部材であり、水平軸11を中心として、ショッピングカート50の前後方向に揺動可能となっている。
【0038】
次に、この揺動リング16の内側に設けられた保持フレーム12について説明する。
保持フレーム12は、揺動リング16よりもやや小径に形成された円環状の部材であり、揺動リング16と同心に配置され、揺動リング16の内側で同リング16に対して回転自在に設けられている。
【0039】
図5に示すように、この保持フレーム12の断面形状は逆L字型、すなわち、環状に形成された周壁部12bの外周上端から、鍔部12aが外側に向かって張り出した形状となっている。一方、保持フレーム12を囲む揺動リング16の断面形状はほぼ矩形である。揺動リング16の上面には、ローラ軸19aによって回転可能に支持された複数のローラ19が設けられている。このローラ19は、図4の平面図に示すように、揺動リング16の周方向に等間隔で8つ設けられている。各ローラ軸19aは、揺動リング16の中心から放射状に水平に延びるように配置されている。
【0040】
図5に示すように、保持フレーム12は揺動リング16の上面側から組み込まれている。すなわち、保持フレーム12の鍔部12aの下面が、8つのローラ19上に支持された状態となっている。鍔部12aの下面において、ローラ19の上面に当接する部位には、環状のローラ受け溝12dが形成されている。
このような構成により、保持フレーム12が、揺動リング16の内側で同リング16に対して回転できるようになっている。
【0041】
図4に示すように、保持フレーム12の内側には、レジ袋101(袋重ね合わせ体A、図15等参照)を掛けるための袋掛けラックRAと、客が持ち込むバッグ160(「マイバッグ160」とも言う)を掛けるためのマイバッグラックRBが設けられている。
袋掛けラックRAは保持フレーム12内のおよそ半分の領域を占めるように設けられ、一方のマイバッグラックRBは保持フレーム12内の残りの領域を占めるように設けられている。
【0042】
袋掛けラックRAは、図6に示すように、保持フレーム12の内側に固定され、水平かつ互いに平行に延び出した一対のアーム38と、この一対のアーム38の間に設けられたフック35とを有している。この袋掛けラックRAは、図13〜図18に示すようなレジ袋101及び袋重ね合わせ体A(詳細後述)に対応したものであり、同レジ袋101を1枚ずつ広げた状態で吊るすことができるようになっている。各アーム38は、一例としてステンレス製の丸棒であり、レジ袋101の抜けを防止するために、その先端は上向きに折り曲げられている。フック35も同様にステンレス製の丸棒であり、上記各アーム38より短く形成され、先端が上向きに折り曲げられている。
【0043】
次に、マイバッグラックRBは、図7に示すように、保持フレーム12の内側に互いに対向するようにして設けられた一対のフック41からなる。各フック41は、コ字型に曲げられた丸棒部材であり、具体的には、保持フレーム12から内側に向かって互いに平行に延び出した2つの延出部41aと、各延出部41aの先端同士を繋ぐ水平部41cとからなる。マイバッグ160の両側の把手を、それぞれのフック41に掛けることで、マイバッグ160が口部を大きく広げた状態で保持される。したがって、客は、このマイバッグ160を買い物カゴ替わりに使用することができる。フック41は、このようにマイバッグ160の把手が掛けられるものであるため、把手が外れ難いように、図7に示す通り、保持フレーム12から延び出した先端側が上向きに折り曲げられていることが好ましい。
【0044】
次に、保持フレーム12を回転、揺動させるための機構について図8を参照して説明する。図8は、ショッピングカート50の保持フレーム12の周辺部を示す一部断面側面図である。図8には、清算装置70側のアクチュエータMも一緒に示されている。
【0045】
図8(A)に示すように、カート50の保持フレーム12の下側には、上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング18が、L字形状の連結部材17を介して固定されている。このカム軌道リング18は、断面円形の棒材を上下にうねるように屈曲させたフレームである。カム軌道リング18の平面形状(上方から見たときの形状)は、揺動リング16とほぼ同径(正確には、やや大径)の円形となっている。
【0046】
連結部材17は、保持フレーム12の下面から下方に延び出し、途中で径方向外側に折れ曲がり、その先端がカム軌道リング18の内周部に固定されている。図示は省略するが、この連結部材17は、保持フレーム12の周方向に複数個(例えば4個)設けられており、これによりカム軌道リング18が保持フレーム12にしっかりと固定されている。
【0047】
図8(A)に示すように、カート50をレジ台71の凹部73(図1参照)にセットすると、カム軌道リング18の上面にアクチュエータMの駆動輪61が当接する。この駆動輪61は、円形の輪郭形状を有するゴム製の部材であり、アクチュエータMの出力軸Maの先端に固定されている。
【0048】
この状態で、アクチュエータMを駆動し駆動輪61を回転させることにより、駆動輪61がカム軌道リング18の上面を転がり、同リング18及びそれに連結された保持フレーム12がZ軸(垂直軸)周りのθ方向に回転する。同時に、カム軌道リング18及び保持フレーム12は、同リング18のカム軌道に沿って上下に(水平軸11周りのγ方向)に揺動する。
なお、図8(A)は、アクチュエータMの駆動輪61がカム軌道リング18の最低位部に当接している状態を示し、図8(B)は、駆動輪61が同リング18の最高位部に当接している状態を示している。
【0049】
次に、本実施形態の清算装置70のブロック図について図9を参照して説明する。
図9に示すように、清算装置70において、タグリーダ75はレジスタ72に接続されており、タグリーダ75から読み取られたデータがレジスタ72に送られるようになっている。レジスタ72は、POSシステム77の一部として設けられており、ネットワーク上のサーバ76に繋がっている。このサーバ76内には、商品の在庫数や価格のデータが収容されている。レジスタ72は、サーバ76内のこの価格データを定期的に呼び出し、それに基づいて自己の記憶手段内の価格データを更新する。
【0050】
このPOSシステム77には、また、上述したアクチュエータMの駆動などを制御するコントローラ91が接続されている。POSシステム77とコントローラ91との間の信号の伝送はパラレル方式又はシリアル方式のいずれであってもよい。コントローラ91は、ドライバ95を介してアクチュエータMに接続され、アクチュエータMの正回転、逆回転、停止、加速及び減速等を制御する。アクチュエータMには回転パルス検出器93が内蔵されており、これによりアクチュエータMの回転数が検出され、その情報がコントローラ91にフィードバックされる。
【0051】
コントローラ91には、ショッピングカート50が所定位置にセットされたかどうかを検出するためのセンサ98が接続されている。このセンサ98は、一例として、タグ情報読取り部B(図2参照)においてレジ台71の下面側に固定された、接触型のセンサ(不図示)である。この場合、ショッピングカート50をレジ台の凹部73にセットした時点で、このセンサ98の接触部(不図示)がショッピングカート50の一部に当接して変位し、この変位が、電気的信号(カートセット完了信号)としてコントローラ91に送られる。コントローラ91は、センサ98によるこの検出結果に基づいてショッピングカートがセットされたか否かを判断し、その後、ドライバ95に所定の駆動信号を与える。
なお、センサ98としては、接触型のものに限らず、例えば光学式などの非接触型のものを利用してもよい。
【0052】
次に、本店舗システム1を利用する際のショッピングカート50及び清算装置70の動作について図10、図11等を参照して説明する。
図10は、本店舗システム1を利用する際の一連の動作を示した図である。図11は、同店舗システム1の一連の動作のフローチャートを示す図である。
【0053】
図10(A)に示す状態(初期状態)では、客が押すショッピングカート50の保持フレーム12にレジ袋101及びマイバッグ160が吊るされている。なお、以下の説明では、一例として、マイバッグ160にのみ購入商品5が入れられ、この購入商品5について清算を行う例について述べる。
【0054】
図10(A)に示すように、客は、ショッピングカート50に吊るされたマイバッグ160内に購入する複数の商品5を入れて、カート50を清算装置70まで運ぶ。そして、図10(B)に示すように、ショッピングカート50の前方(保持フレーム12部分)をレジ台71の凹部73にセットする。この際、レジ台71の下面側に設けられたセンサ98(図9参照)によって、カート50がセットされたことが検出され、検出結果がコントローラ91に送られる(図11のフローチャートにおけるステップS1)。次いで、センサ98の入力状態を確認し回転位置情報を取得(ステップS2)する。そして、回転パルス検出器93の入力状態を確認し、そこから得た情報をコントローラ91内のRAMに保存する。これらセンサ98及び検出器93からの情報はPOSシステム77に送信される(ステップS3)。
【0055】
その後、カート50がセットされたかどうかの判断が行われる(ステップS4)。カート50がセットされていないと判断された場合、アクチュエータMが駆動されることはない(ステップS10)。カート50がセットされたと判断された場合(ステップS4)、続いて、回転許可信号の有無(ステップS5)及び再読み込みの指示の有無(ステップS6)の判断が行われる。
ここで、ステップS5の「回転許可信号」とは、POS側からの、アクチュエータMを回転させてもよいかの判断信号である。ステップS6の「再読込指示」とは、POS側からの、再読み込みするかどうかの判断信号である。
【0056】
ステップS5において回転許可信号が「有り」と判断されると共に、ステップS6において再読込指示が「無し」と判断されたら、アクチュエータMを、予め設定された通常回転数で正回転方向に駆動させる(ステップS7)。このアクチュエータMの駆動により、図8を参照して説明したように、カート50の保持フレーム12及びそれに掛けられたマイバッグ160が、垂直軸Z周りに回転し、水平軸11周りに揺動することとなる(図10(C)参照)。
【0057】
清算装置70のタグリーダ75は、マイバッグ160がこのように回転、揺動している状態で動作する。タグリーダ75による読取りを開始するタイミングは、アクチュエータMの回転の開始と同時であってもよいし、あるいは、アクチュエータMの回転の開始よりも後であってもよい。マイバッグ160内の複数の商品5のタグ情報は、タグリーダ75によって、無線により一括して読み取られ、読み取られた各商品のタグ情報はレジスタ72(図9参照)に送られる。その後、マイバッグ160内の全商品5のタグ情報が読み込まれ(ステップS8)、アクチュエータ原点位置となった時点(ステップS9)で、アクチュエータMの駆動を停止する(ステップS10)。なお、この駆動の停止は、例えばアクチュエータMの回転パルスを基準として、この回転パルス数が所定値に達した時点で駆動を停止するようにしてもよい。
【0058】
レジスタ72は、上記のようにして読み取った各商品5のタグ情報に基づき、価格の積算を行い、積算した価格を不図示のディスプレイに表示する。次いで、客は、ディスプレイに表示されたこの積算価格を確認した上で、電子マネー情報が記憶された媒体(例えばICカードや携帯電話機など)をレジスタ72の所定位置にかざす。これにより、この媒体とレジ装置72との間で非接触の通信が行われ、電子マネーによる清算が行われ、商品の清算が完了する。
【0059】
清算が済んだ後、図10(D)に示すように、客はカート50をレジ台71から離し、店舗内の所定位置に返すと共に、清算済みの商品5が入ったマイバッグ160をカート50から取り外してそのまま持ち帰ることができる。
【0060】
以上説明した本実施形態の店舗システム1、清算装置70、及びカート50によれば、マイバッグ160(及びそれに入れられた購入商品5)を回転、揺動させながら、タグリーダ75で商品のタグ情報を読み取るものであるため、タグ情報の読み取りを正確に行うことができる。また、清算時、多くの商品5を一々バッグ160から出してスキャンする必要も無いので、レジの省力化・迅速化を図ることができる。さらには、清算の済んだ商品5が入ったバッグ160をカート50から取り外してそのまま持ち帰ることができるため、清算後の商品の袋詰めなどの手間、スペースも不要となる。
【0061】
なお、マイバッグ160の例に限らず、保持フレーム12に吊るされたレジ袋101内に複数の商品5を入れ、その商品5を清算する場合であっても、本発明による作用効果は上記同様に得ることができる。もっとも、マイバッグ160やレジ袋101ではなく、一般的な買い物カゴを利用する場合であっても、上記実施形態のようにカゴを回転、揺動させながら商品5のタグ情報を読み取るようにすれば、上記同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
また、各ショッピングカート50にアクチュエータMを設けて保持フレーム12を回転、揺動させる構成とすることも可能であるが、各ショッピングカート50の構成を簡素化する観点からすれば、本実施形態のようにアクチュエータMが清算装置70側に設けられていることが好ましい。
【0063】
次に、上記店舗システム1、清算装置70、及びショッピングカート50のさらに具体的な構成又は変更例について説明する。なお、以下の記載では、上記同様、マイバッグ160内に購入商品5が入っているものとして説明する。
【0064】
まず、清算装置70の動作に関して、局所的に偏った多数の商品のタグ情報を読み取る場合に、アクチュエータMの回転数を落としてバッグ160をゆっくり回すようにしてもよい。
すなわち、バッグ160内に商品5が偏って入っていた場合、すべての商品5のタグ情報を正確に読み取れない可能性がある。そこで、商品が偏った領域に対しては、バッグ160をゆっくり回転させながら、タグ情報の読み取りを行うことが効果的である。これを実現するために、清算装置70は、まず、タグリーダ75を介して、単位時間当りに読み込まれる商品のデータ量(商品の個数)を検出する。そして、このデータ量が所定の設定値を越えているか否かを判断し、超えていた場合には、アクチュエータMの回転数を低減させる。これにより、バッグ160の回転、揺動速度が低速となり、商品5をゆっくり回転、揺動させながらタグ情報を読み込むことができる。このような構成によれば、仮にバッグ160内で商品5が偏っていたとしても、各商品のタグ情報の読み取りを正確に行うことが可能となる。
【0065】
タグ情報の読み取りの信頼性を向上させる方法としては、他にも、マイバッグ160を正回転させながら各商品5のタグ情報の読み取りを行った後、今度は同バッグ160を逆回転させながらタグ情報の再読み取りを行い、その後、正回転時に読み取ったデータと、逆回転時に最読み取りしたデータとの整合を取るようにすることもできる。以下、これについて図12を参照して説明する。
【0066】
図12のフローチャートに示すように、まず、最初のタグ情報読み取り工程(ステップS31)において、マイバッグ160を正回転方向に通常速度で一周させながら、タグリーダ75を介して商品のタグ情報の読み取りを行う。読み取られたタグ情報は、清算装置70のレジスタ72(あるいはPOSシステム77)内の不図示の記憶手段に記憶される。次いで、今度は同バッグ160を逆回転方向に一周させながら(ステップS32)、タグ情報の読み取りを行う。読み取られたタグ情報は、上記同様、レジスタ72(あるいはPOSシステム77)内の不図示の記憶手段に記憶される。
【0067】
その後、このようにして得られた、正回転時に読み取ったデータと、逆回転時に読み取ったデータとの整合をとる。正回転時に読み取ったデータと逆回転時に読み取ったデータとが一致する場合には、タグ情報の読み取りが正常に行われたものと判断し、タグ情報の読み取りを終了し、読み取ったタグ情報に基づいて全商品価格の積算を行う。
【0068】
正回転時に読み取ったデータと逆回転時に読み取ったデータとが一致しない場合には、再度、マイバッグ160を正回転させながら再度の読み取り(ステップS33)を行う。次いで、それにより得られたデータと、先の工程(S31又はS32)におけるデータとの整合を取るようにすればよい。このように正回転時のデータと逆回転時のデータを利用して適宜整合をとることで、各商品5のタグ情報の読み取りの信頼性がさらに向上する。
【0069】
次に、上記実施形態のショッピングカート50の袋掛けラックRAに吊るして好適に使用することができるレジ袋101(およびそれが集合した袋重ね合わせ体A)の一例について図13〜図18を参照して説明する。
なお、この袋重ね合わせ体Aの主たる特徴は、一枚のレジ袋101を引き出して切り離すと、後続するレジ袋101がその口部を大きく広げた状態で自動的にスタンバイされる点にある。
【0070】
図13、図14に示すように、レジ袋101は、ポリエチレンシート材によって形成された所謂ポリ袋で、前壁102と、後壁103と、これら壁102、103の左右両側端部間に介在するまち部104とからなる密閉袋の上端部の一部を、口部105として切り取ったものである。口部105の左右両側には把手106が形成され、各把手106は、袋の前面壁部分106aと後壁側部分106bとが、袋周縁のシール部Sにおいて互いに接合された構成となっている。客は、この把手106に手を入れて袋101を持つことができる。
【0071】
各把手106には、人の耳の形に似た形状に切り込まれた把手支持用の切り込み109が設けられている。また、口部105の底部には、図示上向きに突出する山形のタブ107が形成されている。各タブ107には、キノコの頭の形に似た形状に切り込まれるタブ支持用の切り込み110が設けられている。このタブ支持用の切り込み110の中央部上方にはタブ切り難し用の切り込み121が形成されている。この切り込み121は、タブ107の上端縁と切り込み110との間にそれぞれ約1mm程度残して形成されている。
【0072】
上記のように構成された袋101は、図15に示すように複数枚が重ねられた状態(これを「袋重ね合わせ体A」という)で使用される。重ねられた袋101同士は、袋101の所定箇所に形成された局部圧縮部Kにより互いに圧着されている。
【0073】
局部圧縮部Kの形成について、以下、図16を参照して具体的に説明する。
まず、図16(A)に示すように、所定枚数の袋101を重ね合わせる。この際、各袋101には前壁102及び後壁103のそれぞれの表面に、コロナ放電による表面処理が施される。これにより、袋101同士が互いに引っ付き易くなり、袋同士の重ね合せが良好に行われることとなる。なお、このコロナ放電処理は、周知のコロナ放電装置を使用して実施可能である。このコロナ放電処理は袋101の内面には施されないため、袋101の前壁102と後壁103との内面同士が引っ付くようなことはない。
【0074】
次いで、この袋101の重ね合わせ体Aに対し、図16(B)に示すような型押し手段111を用いて加圧を施す。型押し手段111は、先端部112が厚肉円筒状に形成されたパンチ113と、このパンチ113の下方に配置される基台115とからなる。パンチ113は、不図示の昇降駆動手段(例えば油圧シリンダ)により昇降駆動される。基台115は、例えば鉄板からなる。
【0075】
パンチ113の寸法を例示すると、先端厚肉円筒部112の肉厚は1.7mmであり、その内径(先端凹部112cの内径)は3.5mmである。凹部112cの深さは3.0mmである。また、図16(A)からも明らかなように、厚肉円筒部112にはその先端部に角部ができないように、先端側が面取りされており、その面取り部が符号rで示されている。
【0076】
局部圧縮部Kを形成するにあたっては、図16(B)に示すように、袋重ね合わせ体Aを基台115上に載せ、この袋重ね合わせ体115に向けてパンチ113を下降させる。これにより袋重ね合わせ体Aの一部がパンチ113と基台115とにより加圧挟持され、図16(B)、図16(C)に示すような局部圧縮部Kが形成され、袋101同士が圧着される。
なお、局部圧縮部Kは、熱融着などによって袋同士を接合するものではなく圧着作用により袋同士を固定するものであるため、比較的小さな力で1枚の袋101を重ね合せ体Aから引き剥がすことが可能となっている。
【0077】
再び図13を参照する。本実施形態では局部圧縮部Kは、各把手106の下端側所要部(切り込み109の直下)に1箇所ずつと、山形状タブ107に5箇所との計7箇所に形成されている。このように、局部圧縮部Kを左右各把手106と、タブ107とに形成することにより、各袋101の口部105側がバラバラにならず、袋重ね合わせ体Aの形が安定して、保管や袋掛けラックへの支持が容易となる。
【0078】
次に、こうして形成された袋重ね合わせ体Aの使用方法について図17、図18を参照して説明する。
図17(A)は、図15と同じように、上記した袋掛けラックRA(図3参照)に支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た図あり、一番手前側の袋101は未開き状態となっている。
【0079】
この図17(A)に示す状態から、図17(B)に示すように袋重ね合わせ体Aの一番手前側の袋101のタブ107を手Hで手前側に引っ張る。すると、フック35に掛けられていたタブ107の上端部が切り込み121(図13参照)において引きちぎられる。これと共に、タブ107の各局部圧縮部Kが剥離し、手前側の袋101の前壁102が後壁103から引き離される。また、各把手106の局部圧縮部Kも同様にして剥離し、各把手106の前壁側部分106aと後壁側部分106bとが引き離される。このようにして袋101を手間側に引っ張ることによって、各把手106が袋掛けラックRAのアーム38に沿って手前側にスライドし、一番手前側の袋101が広がった状態(スタンバイ状態)となる。このように、把手106を支持アーム38に引っ掛けた状態で、袋の口部105を大きく開かせることが可能となっているため、客は、この袋101の中に、購入する商品5を入れていくことができる。
【0080】
上記のように一番手前側の袋101の口部105を大きく広げた状態で商品を入れ、その状態で清算装置70(図1参照)を通過することで、前述したような商品の清算が行われる。
【0081】
清算が終了した後、客は、商品が入った一番手前側の袋101を、図18(A)に示すように手前側に引っ張って重ね合せ体Aから引っぱり取ればよい。これについて詳細に説明すると、まず、袋101を引っ張ると、この袋101の奥側のタブ107側の局部圧縮部Kが、後続の袋110のタブ107の局部圧縮部Kから剥離する。この袋101をさらに引っ張ると、この袋101の後壁103が後続の袋101の前壁102から引き離されると共に、袋101の各把手106の後壁側部分106bの局部圧縮部Kが後続の袋101の前壁側部分106aの局部圧縮部Kから剥離され、一番手前側の袋101が後続する袋101から切り離される。後続の袋101は、図18(B)に示すように、口部105を大きく広げてスタンバイした状態となり、このスタンバイ状態の袋101が今度は一番手前側の袋となる。
【0082】
上記のように、袋掛けラックRAに支持させた袋重ね合わせ体Aによれば、一番手前側の袋101を、その口部105を大きく広げた状態でスタンバイさせることができ、このスタンバイ状態で袋101の中に商品を入れていくことが可能である。また、一番手前側の袋101を手前側に引っぱり取った後には、以降同様にして、後続する袋101が自動的に、口部105が広がったスタンバイ状態となる。したがって、次にショッピングカート等を利用する客が、袋101をわざわざ広げる必要もなく、スムーズな買い物が実現される。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、本発明のショッピングカートの他の構成例について図19〜図21を参照して説明する。
図19は、本発明のショッピングカートの他の例を示す側面図である。図20は、図19のショッピングカートに対応して設けられたアクチュエータM側の構成例を示す図であり、図20(A)が側面図であり、図20(B)、(C)が駆動輪形状を説明するための正面図である。図21は、図19のショッピングカートの保持フレームを図20のアクチュエータで回転、揺動させる際の状態を示す側面図である。
【0084】
図19に示すように、このショッピングカート51は、レジ袋101及びマイバッグ160を掛けることができるリング状の保持フレーム12(これについては図4等参照)の下側に固定されたガイドリング18′を備えている。
【0085】
このガイドリング18′は、上記第1の実施形態のカム軌道リング18のように上下にうねったものではなく、うねりのない平坦なリング状部材である。ガイドリング18′は、第1の実施形態同様、L字型の連結部材17を介して保持フレーム12に取り付けられている。ガイドリング18′は、保持フレーム12に対して平行に固定され、水平となっている。ガイドリング18′の外径は、保持フレーム12とほぼ同径(正確には、やや大径)に形成されている。
【0086】
このガイドリング18′に対応して、清算装置70側のアクチュエータMは図20に示すような構成となっている。すなわち、アクチュエータMの出力軸Maには、偏芯した駆動輪61′が固定されている。アクチュエータMは、図21に示すように、出力軸Maが傾斜するような姿勢でレジ台71(図1、図2参照)の下面側に配置されている。これにより、偏芯駆動輪61′が、ガイドリング18′の上面に斜めに当たるようになっている。
【0087】
以上のように構成されたショッピングカート51を利用するにあたっては、まず、上記実施形態同様、ショッピングカート51をレジ台71の凹部73(図1参照)にセットする。この状態では、図21に示すように、ガイドリング18′上面にアクチュエータMの偏芯駆動輪61′が当接する。この状態で、アクチュエータMを駆動し、偏芯駆動輪61′を回転させることにより、偏芯駆動輪61′がガイドリング18′の上面を転がり、ガイドリング18′及び保持フレーム12が垂直軸Z周りに回転する。これ同時に、保持フレーム12は、偏芯駆動輪61のカム曲線に沿って水平軸11周りに上下に揺動する。
【0088】
このようにして、第1の実施形態同様、保持フレーム18に吊るされたレジ袋101及び/又はマイバッグ160が垂直軸Z周りに回転し、水平軸11周りに揺動することとなるため、上記同様、タグリーダ75によるタグ情報の読み取りを正確に行うことができるものとなる。本実施形態の構成によれば、第1の実施形態の構成と比較して、ガイドリング18′が簡単な形状で済むという利点がある。
【0089】
なお、カート51をレジ台71の凹部73にセットする際、図20(C)に示すように、アクチュエータMの偏芯駆動輪61′が上向きの状態で停止していることが好ましい。これにより、偏芯駆動輪61′とガイドリング18との干渉が防止される。また、図21に示したように、アクチュエータMが傾斜して配置され、偏芯駆動輪61′がリング18′上面に斜めに当たるようになっているため、同駆動輪61′がリング上面に良好に押し当ることとなる。
【0090】
なお、第1及び第2の実施形態を通じて、ショッピングカート50、51はいずれも、袋掛けラックRAとマイバッグラックRBとの両方を備えるものであったが、これに限らずいずれか一方だけ備えるものであってもよい。例えば、袋掛けラックRAのみを備えるショッピングカートであったとしても、レジ袋101を買い物カゴ代わりに使用し、清算装置70のタグ情報読取り部B(図1参照)において、レジ袋101内に商品を入れたままの状態で清算を行うことができる。その後、客は、そのレジ袋101をカートから取り外してそのまま持ち帰ることができ、これにより、商品の詰替え作業が不要なスムーズな買い物が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一形態の店舗システムを示す平面図である。
【図2】レジ台の凹部の周辺構造を一部模式的に示す側面図である。
【図3】ショッピングカートの側面図であり、図3(A)は袋掛けラックがカート前方にある状態を示し、図3(B)は保持フレームが垂直軸Z周りに半回転し袋掛けラックがカート手前側に位置した状態を示している。
【図4】図3のショッピングカートの前方部分を示す平面図である。
【図5】図3のショッピングカートの揺動リングと保持フレームの係合部を拡大して示す図であり、図4のX−X線断面図である。
【図6】袋掛けラックを説明するための斜視図である。
【図7】マイバッグラックを説明するための斜視図である。
【図8】ショッピングカートの保持フレームの周辺部を示す一部断面側面図である。
【図9】清算装置のブロック図である。
【図10】店舗システムを利用する際の一連の動作を示した図である。
【図11】店舗システムの一連の動作のフローチャートを示す図である。
【図12】店舗システムの他の動作のフローチャートを示す図である。
【図13】ショッピングカートに引っ掛けて使用することが可能な包装袋の一例を示す平面図である。
【図14】図13の包装袋を斜方向から見た斜視図である。
【図15】図13の包装袋が複数枚集合した袋重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図16】袋重ね合わせ体の断面構成を示すと共に、その製造方法の一例を示す縦断面図である。
【図17】袋重ね合わせ体の使用方法を説明するための図であり、袋掛けラックに支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た斜視図である。
【図18】袋重ね合わせ体の使用方法を説明するための図であり、袋掛けラックに支持された袋重ね合わせ体を正面側から見た斜視図である。
【図19】ショッピングカートの他の例を示す側面図である。
【図20】図19のショッピングカートに対応して設けられたアクチュエータM側の構成例を示す図であり、図20(A)が側面図であり、図20(B)、(C)が駆動輪の正面図である。
【図21】図19のショッピングカートの保持フレームを図20のアクチュエータで回転、揺動させる際の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0092】
1・・・店舗システム、5・・・商品、10・・・フレームバー、11・・・水平軸、12・・・保持フレーム、12a・・・鍔部、12b・・・周壁部、12d・・・ローラ受け溝16・・・揺動リング、17・・・連結部材、18・・・カム軌道リング、18′・・・ガイドリング19・・・受けローラ、19a・・・ローラ軸、20・・・手押し部、25・・・ポスト部、28・・・下フレーム、29・・・車輪、35・・・フック、38・・・アーム、41・・・フック、41a・・・延出部、41c・・・水平部、50・・・ショッピングカート、61、61′・・・駆動輪、70・・・清算装置、71・・・レジ台、72・・・レジスタ、73・・・凹部、75・・・無線タグリーダ、76・・・サーバ、77・・・POSシステム、91・・・コントローラ、93・・・回転パルス検出器、95・・・ドライバ、98・・・センサ、101・・・レジ袋、102・・・前壁、103・・・後壁、104・・・まち部、105・・・口部、106・・・把手、107・・・タブ、109・・・切り込み、111・・・型押し手段、113・・・パンチ、115・・・基台、121・・・切り込み、160・・・マイバッグA・・・袋重ね合わせ体、B・・・タグ情報読取り部、K・・・局部圧縮部、M・・・アクチュエータ、Ma・・・出力軸、RA・・・袋掛けラック、RB・・・マイバッグラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客の購入する無線タグ付きの複数の商品がショッピングカートに搭載された商品収容手段内に入ったままの状態で、前記各商品のタグからタグ情報を読み取って購入商品全体の価格を積算する清算装置であって、
前記タグ情報を読み取る無線タグリーダと、
前記商品収容手段を回す及び/又は揺らす回揺手段と、を備えることを特徴とする清算装置。
【請求項2】
前記ショッピングカートが、
前記商品収容手段を保持し、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成された枠状の保持フレームを備えるものであって、
前記回揺手段が、前記ショッピングカートとは別に設けられた、該保持フレームを前記垂直軸周りに回転させるアクチュエータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の清算装置。
【請求項3】
前記ショッピングカートが、同カートの前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リングを備え、
前記前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた駆動輪が、該カム軌道リングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが、前記垂直軸周りに回転すると共に、前記カム軌道リングのカム軌道に沿って揺動することを特徴とする、請求項2に記載の清算装置。
【請求項4】
前記ショッピングカートの前記保持フレームの下側には、該保持フレームとほぼ同径のガイドリングが該保持フレームと平行に固定されており、
前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた偏芯駆動輪が該ガイドリングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが回転すると共に前記偏芯駆動輪の回転に伴って揺動することを特徴とする、請求項2に記載の清算装置。
【請求項5】
前記商品収容手段を回転させながら前記無線タグリーダで前記商品の識別情報を読み取るように構成されており、
前記リーダから読み込まれる単位時間当りの前記商品識別情報のデータ量が所定の設定値を越えたときに、前記商品収容手段の回転を低速にすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の清算装置。
【請求項6】
前記商品収容手段を正回転させながら前記商品のタグ情報の読み取りを行った後、
前記商品収容手段を逆回転させながら前記商品のタグ情報の再読み取りを行い、
前記正回転時に読み取ったデータと、前記逆回転時に再読み取りしたデータとの整合を取ることを特徴とする、請求項5に記載の清算装置。
【請求項7】
前記ショッピングカートの保持フレームが円形であり、
該円形の保持フレームに対応して半円径の凹部が形成されたレジ台をさらに備え、
該レジ台の下面側であって前記凹部の近傍に前記無線タグリーダが配置されていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の清算装置。
【請求項8】
購入する商品が入れられる商品収容手段を保持する枠状の保持フレームを備えたショッピングカートであって、
前記保持フレームが、
垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とするショッピングカート。
【請求項9】
前記水平軸周りに揺動可能に設けられた揺動リングを備え、
前記保持フレームが、該揺動リングの内側で該揺動リングに対して回転可能に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載のショッピングカート。
【請求項10】
前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング、又は、前記保持フレームに固定された該保持フレームとほぼ同径のガイドリング、をさらに備えることを特徴とする、請求項8又は9に記載のショッピングカート。
【請求項11】
前記保持フレームに付設された、レジ袋を広げた状態で掛けることができる袋掛けラックをさらに有し、
該袋掛けラックは、
前記保持フレームの内周から、フレームの内側に向かって水平に延び出した左右一対の
アームと、該一対のアームの中央に配置されたフックと、を有するものであり、
前記一対のアームには、レジ袋が多数枚重ねられた袋重ね合わせ体の両側部が引っ掛けられると共に、中央の前記フックには該袋重ね合わせ体の上端中央部が引っ掛けられ、
前記袋重ね合わせ体の一番手前側の袋を前記アームに沿って引っ張ることにより、該一番手前側の袋が広がるようになっていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の清算装置と、請求項8〜11のいずれか1項に記載のショッピングカートと、を備えた店舗システム。
【請求項1】
客の購入する無線タグ付きの複数の商品がショッピングカートに搭載された商品収容手段内に入ったままの状態で、前記各商品のタグからタグ情報を読み取って購入商品全体の価格を積算する清算装置であって、
前記タグ情報を読み取る無線タグリーダと、
前記商品収容手段を回す及び/又は揺らす回揺手段と、を備えることを特徴とする清算装置。
【請求項2】
前記ショッピングカートが、
前記商品収容手段を保持し、垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成された枠状の保持フレームを備えるものであって、
前記回揺手段が、前記ショッピングカートとは別に設けられた、該保持フレームを前記垂直軸周りに回転させるアクチュエータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の清算装置。
【請求項3】
前記ショッピングカートが、同カートの前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リングを備え、
前記前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた駆動輪が、該カム軌道リングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが、前記垂直軸周りに回転すると共に、前記カム軌道リングのカム軌道に沿って揺動することを特徴とする、請求項2に記載の清算装置。
【請求項4】
前記ショッピングカートの前記保持フレームの下側には、該保持フレームとほぼ同径のガイドリングが該保持フレームと平行に固定されており、
前記アクチュエータの出力軸に取り付けられた偏芯駆動輪が該ガイドリングに当接しながら回転することで、前記保持フレームが回転すると共に前記偏芯駆動輪の回転に伴って揺動することを特徴とする、請求項2に記載の清算装置。
【請求項5】
前記商品収容手段を回転させながら前記無線タグリーダで前記商品の識別情報を読み取るように構成されており、
前記リーダから読み込まれる単位時間当りの前記商品識別情報のデータ量が所定の設定値を越えたときに、前記商品収容手段の回転を低速にすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の清算装置。
【請求項6】
前記商品収容手段を正回転させながら前記商品のタグ情報の読み取りを行った後、
前記商品収容手段を逆回転させながら前記商品のタグ情報の再読み取りを行い、
前記正回転時に読み取ったデータと、前記逆回転時に再読み取りしたデータとの整合を取ることを特徴とする、請求項5に記載の清算装置。
【請求項7】
前記ショッピングカートの保持フレームが円形であり、
該円形の保持フレームに対応して半円径の凹部が形成されたレジ台をさらに備え、
該レジ台の下面側であって前記凹部の近傍に前記無線タグリーダが配置されていることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の清算装置。
【請求項8】
購入する商品が入れられる商品収容手段を保持する枠状の保持フレームを備えたショッピングカートであって、
前記保持フレームが、
垂直軸周りに回転可能、かつ、水平軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とするショッピングカート。
【請求項9】
前記水平軸周りに揺動可能に設けられた揺動リングを備え、
前記保持フレームが、該揺動リングの内側で該揺動リングに対して回転可能に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載のショッピングカート。
【請求項10】
前記保持フレームに固定された上下にうねるカム軌道を有するカム軌道リング、又は、前記保持フレームに固定された該保持フレームとほぼ同径のガイドリング、をさらに備えることを特徴とする、請求項8又は9に記載のショッピングカート。
【請求項11】
前記保持フレームに付設された、レジ袋を広げた状態で掛けることができる袋掛けラックをさらに有し、
該袋掛けラックは、
前記保持フレームの内周から、フレームの内側に向かって水平に延び出した左右一対の
アームと、該一対のアームの中央に配置されたフックと、を有するものであり、
前記一対のアームには、レジ袋が多数枚重ねられた袋重ね合わせ体の両側部が引っ掛けられると共に、中央の前記フックには該袋重ね合わせ体の上端中央部が引っ掛けられ、
前記袋重ね合わせ体の一番手前側の袋を前記アームに沿って引っ張ることにより、該一番手前側の袋が広がるようになっていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載のショッピングカート。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の清算装置と、請求項8〜11のいずれか1項に記載のショッピングカートと、を備えた店舗システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−27192(P2008−27192A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199112(P2006−199112)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(390008534)株式会社ユニフロー (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(390008534)株式会社ユニフロー (31)
【Fターム(参考)】
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