減らされた数のバルブおよびラインを有する擬似移動床分離のための方法および装置
本発明は、制限された数のバルブを含む擬似移動床に吸着分離するための装置に関する。本発明によると、装置は、カラムを含み、該カラムは、複数のセクションSkを有し、該複数のセクションSkは、独自の分配ネットワークを有する2つの重ね合わされたプレートPiを有し、各セクションSkは、主要外側バイパスダクトLkを含み、該主要外側バイパスダクトLkは、プレートバルブViによってSkの各Piに接続される。各ダクトLkは、流れ制限手段を含み、単一のバルブを介して流体ネットワークのそれぞれに接続される。さらに、カラム上のラインLkのタッピングは、ラインLkの容積を制限するために、Skの内側最大で20°オフセットされ、カラムを機械的に弱体化させないために2つの隣接するセクションSkおよびSk+1の間に70〜110°の平均角によってオフセットされる。トレイは、好ましくは、方向が一つのプレートから他方に変動するまたは2つのプレートの群によって平行セクターを有するDMEi,jプレートを含む。本発明はまた、この装置を用いる分離方法、特に、パラキシレンまたはメタキシレンを芳香族C8留分から分離する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留によっては分離することが困難である天然産物または化学産物の分離の分野に関する。「クロマトグラフィー」または「擬似移動床(simulated moving bed)」または「擬似向流」または「擬似並流」法または分離装置として知られている一群の方法および関連の装置が用いられる(以降において本発明者らは「SMB(simulated moving bed)」と称する)。
【0002】
関連する分野の非排他的リストは、
・ 分枝状パラフィン、ナフテンおよび芳香族化合物からの直鎖状パラフィンの分離;
・ オレフィン/パラフィンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのパラキシレンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのメタキシレンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのエチルベンゼンの分離
製油所および石油化学プラントを超えて、グルコース/フルクトースの分離、クレゾールの位置異性体、光学異性体の分離等を含めて、多くの他の適用がある。
【背景技術】
【0003】
SMBクロマトグラフィー分離は、当該技術において周知である。擬似移動床は、一般的には少なくとも3つ、有利には4または5つのクロマトグラフィーゾーンを含み、前記ゾーンのそれぞれは、少なくとも1つの床またはカラムの一部によって構成され、2つの連続する供給または抜き出し点の間に含まれる。典型的には、分画されるべき少なくとも1つの供給材料Fおよび脱着剤D(溶離剤と称される場合もある)が供給され、少なくとも1つのラフィネートRおよび抽出液Eが抜き出される。供給および抜き出し点は、時間と共に変更され、典型的には、同時の方法で床の底部の方にシフトされる。
【0004】
複数の有利なバリエーションは、同期的に置換させることによって当該タイプの装置の機能を向上させ得る。簡単に言えば、このような同期置換は、特許文献1に示されるように再流通ポンプ(単数または複数)の死んでいる容積(単数または複数)を補償するように、特許文献2に示されるようにぎくしゃくした流量および圧力を除去するために再流通ポンプにより一定の再循環速度で働くように、または、最終的に、少なくとも2つのクロマトグラフィーゾーンであって、そのそれぞれの1つは非整数の数の吸着剤床と等価である、ゾーンで操作するように作用する。この後者のバリエーションは、特許文献3〜6に示されるように、Varicol(登録商標)として知られている。当然、これらの3つのバリエーションは組み合わされ得る。
【0005】
入来および送出流体を、単数または複数の吸着カラム内に配置された床と連通した状態に置く多方向回転バルブが、同期型置換を唯一可能にすることが留意されるべきである。同期置換のために、複数の開閉バルブが不可欠である。この技術的な局面は以下に説明される。
【0006】
従来技術は、擬似移動床において供給材料の分離を行い得る種々の装置および方法を詳細に記載する。挙げられ得る特定の特許は、特許文献7〜14である。これらの特許も、SMBの機能の詳細を提供する。
【0007】
SMB装置は、典型的には、少なくとも1つ(頻繁には2つ)のカラムと、カラム内に配置された吸着剤床Aiと、流体の順次的な分配および抽出制御手段とを含み、吸着剤床Aiは、プレートPiによって分離されており、このプレートPiは、流体の種々の吸着剤床への分配および/またはそこからの抽出のための室(単数または複数)Ciを有する。
【0008】
各プレートPiは、典型的には、ラインまたは「分配/抽出多岐管(manifold)」を介して供給される複数の分配器−混合器−抽出器(distributor-mixer-extractor)パネル、すなわち「DME」を含む。プレートは、あらゆるタイプおよびあらゆる表面形状(geometry)のものであってよく、特には、カラムセクションの隣接セグメントを形成するパネルを有するものであるが、例えば、特許文献15の図8に示される、対称的に供給される(多岐管)もの等の角セグメント(angular segment)を有するパネル、または、公開された特許出願(特許文献16)に示されるような、二対称性に供給される円周内の切り抜き(cutout)等の平行セグメントである。好ましくは、分離カラムは、平行セグメントタイプのDMEプレートおよび二対称性供給を含む(本発明によると、用語「パネル」または「セグメント」は、等しく用いられることになる)。再度好ましくは、吸着剤は、高密度充填型である。これは、所与のカラムにおいてより多量の吸着剤が用いられ得ることを意味し、所望の産物の純度および/またはSMB流量を大きくする。
【0009】
各床にわたる分配は、収集されるべき先の床からの流束(主に、カラムの主軸に沿って移動する流体)を必要とし、場合によっては、そこに補助流体または二次流体を注入しつつ、その2つの流体を最良の可能な程度に混合すか、または、場合によっては、収集された流体の一部を除去し、それを抽出し、装置外に送り、さらには、流体を次の床の上に再分布させる。
【0010】
この目的のため、プレートPi内に、混合室と別個または共通であり得る分配(注入/抽出)のための室Ci,kを用いることが可能である。1以上の室を有するプレートPiが知られており、異なる流体によって所与の時間において別個に供給される(または排出される)か、または、同時に並行して同一の流体によって所与の時間に供給される(または排出される)かのいずれかである。第1の場合、プレートは、複数の分配ネットワークを有するように仕向けられ、第2の場合には、それは、単一の分配ネットワークを有している。本発明は、専ら、単一の分配ネットワークを有するプレートを含む装置に関連する。
【0011】
一般的に、流体の全部または主流束のいずれかは、特許文献7において記載された方法でカラム中を通過させられか、または、当該流束の大部分または全部は、特許文献13において開示された方法に記載されるように排出される。
【0012】
全てのSMB装置による一般的な問題は、SMBの操作中の供給および抜き出し点への改変の間に流体のプレートへの供給およびプレートからの抜き出し回路の種々のゾーンおよび容積において出くわされる液体によって生じた汚染を最少にすることである。操作配列中、プレートPiのライン、室または供給ゾーンが、プロセス流体によってもはや洗い流されない場合、それは、液体が淀み、別のプロセス流体がその中を移動する時にのみ再度移動するデッドゾーンになる。SMBの性質は、これが異なるプロセス流体であることを必要とするので、デッドゾーン中の液体は、必然的に、実質的に異なる組成を有する液体によって置き換えられる。実質的に異なる組成を有する流体の短い時間間隔にわたる混合または流通は、それ故に、理想的な操作からの逸脱を導入し、これは、組成の不連続性を禁止する。
【0013】
さらなる問題は、同一プレートの異なるゾーン間のあらゆる再流通に存在し得、これも、それ故に、理想的な操作からの逸脱を誘導する。
【0014】
再流通およびデッドゾーンと関係があるこれらの問題を克服するために、種々の技術が従来技術においてすでに知られている:
a)脱着剤または比較的高純度の所望生成物によるラインおよびデッドゾーンの洗い流し(flush)が既に提案された。当該技術は、所望生成物のその抽出の間の汚染を効果的に防ぐ。しかしながら、洗い流しの液体は、典型的には、それが置き換える液体とは大きく異なる組成を有するので、これは、組成中に不連続性を導入し、これは、理想的な操作に不利益である。この第1の洗い流しのバリエーションは、典型的には、「高い濃度勾配において短い継続期間の洗い流し」を行う。これらの洗い流しは、簡単に、組成の不連続性の効果を制限する。
【0015】
b)特許文献17に記載されるように、別の解決策は、カラムの内部の方に主流束の大部分を、隣接するプレート間の外側のバイパスラインを介して外部の方に当該流れの少量、典型的には流束の2〜20%を通過させることからなる。この洗い流しは、典型的には、時間のほとんどまたは連続して行われ、その結果、ラインおよびゾーンは、もはや「デッド(dead)」ではなく、洗い流される。バイパスラインを介する洗い流しを伴うこのようなシステムは、特許文献17の図1に示され、本出願の図1における単純化されたバージョンにおいて繰り返される。バイパスラインは、低流量用に設計されるので、それらは、結果として、径において小さくあり得、小さい径のバルブを含み得、これは、システムのコストを低減させる。
【0016】
このようなシステムの第1の利点は、二次流体のための注入および抜き出しの回路が、置換された液体に非常に近い組成を有する液体により洗い流されることである。これは、第1にバイパスが隣接しているプレートに由来し、第2に洗い流しが、不連続というよりむしろ実質的に連続的であるからである。さらに、バイパス中の流量は、好ましくは、各バイパス中の通過速度が、SMBの主流束中の濃度勾配の前進の速度と実質的に同じであるように決定される。それ故に、種々のラインおよび容量は、そこで見出される液体の組成と実質的に等しい組成を有する流体により洗い流され、バイパス中を流通する液体は、主流束の組成が実質的に等しい点において再導入される。この第2のバリエーションは、それ故に、「小さいまたはゼロの濃度勾配を有する長期間の洗い流し」を行い得る。
【0017】
この長継続期間の洗い流しシステム(注入または抜き出し期間は別として)の第2の利点は、小さい圧力降下差に起因した同一プレートのゾーンの間の可能性のある再流通の作用を取り除き得ることである。
【0018】
SMBの機能に関して、SMBの制御された流体分配および抽出手段は、典型的には、2つの下記の主要タイプの技術の一方である:
・各プレートについて、流体の供給または抜き出し用の複数の開閉制御バルブ;前記バルブは、典型的には、対応するプレートの直ぐ隣りに位置し、特に、各プレートPiについて、少なくとも4つの二方向開閉制御バルブを含み、それぞれ、流体FおよびDを供給し、流体EおよびRを抜き出す;または
・集合(assembly)全体にわたって流体を供給または抜き出すための多方向回転バルブ。
【0019】
第1の技術は、量産型であり得る二方向バルブを用い、これは、結果として、信頼性の向上および装置コストの相対的な低下につながる。第2の技術は、単一のバルブのみを用いるが、当該単一のバルブは、多方向バルブであり、必然的に、特別な構造のものであり、大寸法のものであり、極めて複雑である。さらに、この第2の技術は、Varicol(登録商標)装置におけるように、非同期的置換の可能性を除外する。
【0020】
本発明は、従来の二方向バルブを用いる、すなわち、上記2つの技術のうちの第1の技術を用いるSMBに関する。特に、本発明は、複数の、しかし、従来技術に対して減らされた数の二方向開閉バルブを含む擬似移動床分離のための改善された装置に関する。本発明は、同期的置換のSMBおよび非同期置換のSMB、例えばVaricol(登録商標)の両方のために用いられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第5578215号明細書
【特許文献2】米国特許第5762806号明細書
【特許文献3】米国特許第6136198号明細書
【特許文献4】米国特許第6375839号明細書
【特許文献5】米国特許第6712973号明細書
【特許文献6】米国特許第6413419号明細書
【特許文献7】米国特許第2985589号明細書
【特許文献8】米国特許第3214247号明細書
【特許文献9】米国特許第3268605号明細書
【特許文献10】米国特許第3592612号明細書
【特許文献11】米国特許第4614204号明細書
【特許文献12】米国特許第4378292号明細書
【特許文献13】米国特許第5200075号明細書
【特許文献14】米国特許第5316821号明細書
【特許文献15】米国特許第6537451号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2003/0127394号明細書
【特許文献17】米国特許第5972224号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
(発明の簡単な説明)
本発明は、複数の二方向開閉制御バルブ、典型的には、要求される高い基準(密封性/信頼性)に対して低コストの量産型の標準的なバルブを用いる主要な擬似移動床技術に属する擬似移動床分離のための改善された装置に関する。
【0023】
本発明の必須の目的の一つは、このタイプのSMBの相対的な不利益点(これは、多数の二方向制御バルブを要求することである)を低減させることである。本発明は、これらのバルブの数を低減させつつ、「小さいまたはゼロの濃度勾配における長い継続期間」型のデッドゾーンの効果的な洗い流しを提供することができるという利点を保持することができる。
【0024】
本発明のさらなる目的は、低減した数の二方向バルブを必要とするが、これらのバルブの開/閉頻度が従来技術に対して増加させられることがない装置を提供することである:これは、低減した数のバルブに伴って、機能不良の統計的危険性を制限し、それ故に、システムの信頼性を高める。
【0025】
最後に、装置の好ましいバリエーションにおいて、SMBの主要流体の額面流量での流通を可能にする大径のバルブの数は、さらに低減させられ得る。
【0026】
本発明の装置は、新しい設備において用いられ得るが、制限された改変を行うことによって、それが設置され得る種々の既存設備とも合わせられる。それは、種々のタイプおよび表面形状のプレートPi、例えば扇形(angular sector)パネルを有するプレートまたは平行セグメントを有するプレートとも合わせられるが、ただし、前記プレート(またはその大部分)は、単一の分配ネットワークタイプのものである。
【0027】
それ故に、SMB方法の流体のための入口/出口に対応する、主要な制御バルブの数を大幅に低減させることができる手段が発見された:従来技術では、各プレートについて、F、D、R、Eの供給/抜き出しのための少なくとも1セットの4つの供給/抽出用主ネットワークバルブがある。4を超えるプロセス流体があれば、例えば、2つのラフィネートR1、R2があれば、あるいは、所望の産物を豊富に含む還流REが用いられれば、この数はさらに増加させられる。従来技術では、バイパスライン(小さい径を有する)は、補助的ラインに過ぎず、流体F、D、R、E(E1)(E2)(RE)によってそれらの額面上の供給または抜き出し流量においては用いられない。
【0028】
本発明によると、カラムまたは当該カラムの主部分は、重ね合わされたセクターSkにグループ化され、各セクターSkは、2つの吸着剤床および2つのプレートを含み、かつ、バイパスラインLkを含む。従来技術とは対照的に、SMBの流体は、ラインLkをそれらの額面上の流量で用い、カラムのセクター当たり単一セットの主ネットワークバルブ(供給または抜き出し)が用いられ(従来技術におけるようにプレート当たりではない)、前記バルブは、バイパスラインLkに接続されて、Lkを介したこれらの流体の流通が可能にされる。本発明によると、「プレートバルブ」およびバイパス流体の流量を制限する手段も提供されるが、バルブの総数は、以下に説明されるように、大幅に低減させられたままである。
【0029】
最後に、本発明の装置の特徴的な配置によると、カラム上のラインLkの接続は、ラインLkの長さおよび容積を制限するために、Skの範囲内で高くとも20°オフセットされ、カラムが機械的に弱くならにように2つの隣接するセクターSkおよびSk+1の間の平均角70〜110°の範囲でオフセットされる。プレートは、好ましくは、平行セグメントを有するパネルDMEi,jを含み、その方向は、プレートとプレートの間でまたは2つのプレートの群当たりで変動する。
【0030】
本発明はまた、上記に記載された装置を用いるSMB分離の方法、特に、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料からのパラキシレンまたはメタキシレンの分離のための方法に関する。
【0031】
本発明はまた、同一数の炭素原子を含有する芳香族化合物留分から芳香族化合物を分離するための上記に記載された装置の使用に関する。
【0032】
(発明の詳細な説明)
本発明は、図1(従来技術)および図2〜6b(本発明の装置または装置の一部)を参照してなされた以下の記載からより良く理解されることになる。
【0033】
前述の目的の一つに到達するために、本発明は、それ故に、少なくとも1種の所望の化合物を、当該化合物を含む混合物から擬似移動床吸着によって分離するための装置であって、該装置は、擬似移動床吸着によって、少なくとも1種の所望の化合物を、当該化合物を含む混合物から分離するための装置であって、
少なくとも1つのカラムであって、該カラムは、複数の吸着剤床Aiに分割され、該吸着剤床Aiは、分配器/抽出器プレートPiによって分離されて、少なくとも2種の供給流体:供給材料Fおよび脱着剤Dおよび少なくとも2種の抜き出し流体:ラフィネートRおよび抽出液Eを順次的に供給・抽出するようにされ、Piは、床Aiと直下の床Ai+1の間に配置される、カラムを含み;
該装置は、少なくとも1つの供給材料ネットワークF-Net、脱着剤ネットワークD-Net、ラフィネートネットワークR-Netおよび抽出液ネットワークE-Netをさらに含み、これらのネットワークのそれぞれは、複数の中間ラインを介してカラムに接続され、該中間ラインは、流体F、D、RおよびEを順次的に供給または抜き出すために、ネットワークバルブと称される二方向分離制御バルブを含み;
ここで、該カラムは、その高さの少なくとも主要部にわたり、複数の重ね合わされた隣接セクターSkに分割され、各セクターSkは、カラムセクターによって構成され、該カラムセクターは、一群の2つの連続的な吸着剤の床および2つの分配器/抽出器のプレートPiを本質的に含み、該プレートPiは、前記連続的な吸着剤の床の直下に配置され(Skは、正確に2つの床および2つのプレートを含み、明らかに、対応するカラムのシェル(shell)のセクターも含む);
セクターSkのそれぞれの分配器/抽出器プレートPiのそれぞれは、流体F、D、R、Eの順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークを用い;
各セクターSkのプレートPiは、外側バイパスラインLkを介して一緒に接続され、該外側バイパスラインLkは、コネクタを介してSkの各プレートPiに接続され、該コネクタは、プレートPiに属する、プレートバルブViと称される単一の二方向分離制御バルブを含み、流体F、D、R、EをPiに順次的に供給またはPiから抜き出すようにし;
前記バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための少なくとも1つの制御手段(例えば、制御バルブ+流量計+バルブ制御システム)を含み、該手段は、ラインLk上またはSkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスのいずれかに設置され;
ここで、セクターSkのそれぞれバイパスラインLkは、F-Net、D-Net、R-NetおよびE-Netのネットワークのそれぞれに、単一のラインを介して接続され、該単一のラインは、単一のネットワークバルブ、それぞれ、VFk、VDk、VRk、VEkを、F、D、R、Eに対応する流体の順次的な考慮中のセクターSkへの供給または同セクターSkからの抜き出しのために含み;
この装置は、少なくとも2つの隣接の重ね合わされたセクターSkおよびSk+1を含み、Skは、外側のバイパスLkによって接続されたプレートPi-1およびPiを含み、該外側のバイパスラインLkは、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートのバルブVi-1およびViを含み、Sk+1は、外側バイパスLk+1によって接続されたプレートPi+1およびPi+2を含み、該外側バイパスLk+1は、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi+1およびVi+2を含み;
ここで、カラム上のSkの2つのコネクタは、それらの間に、0または20°以下であるカラムの軸に対して角オフセットを有し、カラム上のSk+1の2つのコネクタは、それらの間に、0または20°以下であるカラムの軸に対して角オフセットを有し、Skのコネクタは、Sk+1のコネクタに対して70〜110°の範囲の平均の角オフセットを有する;
装置を提案する。
【0034】
従来技術の装置とは対照的に、本発明の装置は、バイパスラインLkが、従来技術におけるようにプレートPi当たり一組のネットワークバルブではなく、セクターSkにおいて、対応する単一の一連のネットワークバルブを介してSMBに供給されかつSMBから抜き出される流体F、D、R、Eを流通させるために用いられることを可能にする。これは、補助的なバルブ、すなわちプレートバルブViの付与が考慮に入れられる時であってさえ、制御バルブの全体的な数を大幅に低減させる。
【0035】
上記に挙げられた制御バルブ:ネットワークバルブおよびプレートバルブViは、典型的には、SMBの順次的な操作を行う高品質(信頼性、密封性、耐用期間)のバルブである。
【0036】
より一般的には、SMBの順次的な機能を確実に行う制御バルブの全部:ネットワークバルブ、プレートバルブVi、さらにはLk中を流通する流れを制限するための制御手段のバルブは、本発明によると、SMBの「主要」バルブとして考慮されなければならならず、カラムに接続され、SMBの順次的機能を制御するためのシステム(コンピュータ、プログラム可能な手段または他の等価なシステム)を介して制御される。
【0037】
SMBの順次的操作のための所定の主要バルブは、本発明に独特であるとして上記に言及された:各プレートPiについてのVi;各セクターSkについての単一のセットのネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEk。しかしながら、本発明の範囲は、他のバルブ、例えば、予備の二次的な分離バルブ(典型的にははるかに低品質のもの)であって、制御されてもされなくてもよいが、擬似移動床の順次的操作に参加せず、例えば、あらゆる設備:順次的操作のために用いられたポンプまたは主要バルブ等を取り除く目的のために存在するもののさらなる使用を包含する。
【0038】
典型的には、本発明の装置において流体F、D、R、Eの全部をそれらの額面上の流量で送るために用いられるバイパスラインLkは、もはや、従来技術におけるような小さい補助的ラインではなく、流体F、D、R、Eが容量を制限することなしに流通することを可能にするために、一般的に、Lkに接続されたネットワークバルブの開口の最長径に少なくとも等しい内径を有する。
【0039】
多量の流れを輸送し得るバイパスラインLkが用いられるため、制御された流量リミッタ手段が、有利には、バイパスとして少量の流れを流通させるために用いられる(カラム中を移動する流れの典型的には2〜20%)。本明細書において用いられる場合の用語「バイパス流通」は、カラム中を移動する流れの(小)部分がプレートから抜き出され、同じセクターSkの別のプレートに再導入されることを意味する。用語「制御手段」は、典型的には、制御バルブ、典型的には、リンク(link)によってプログラム化され、流量計によって提供された情報から始めるものに適用する。この目的のため、ラインLk上に直接的に設置される流量調節バルブが用いられ得る。このバルブは、それ故に、典型的には、クリーパ(creeper)バルブであり、開閉制御バルブではない(これは、2つのみの可能な位置:完全に開および閉を有する)。
【0040】
しかしながら、本発明の好ましいバリエーションにおいて、バイパスラインLkの少なくとも1つまたは好ましくはそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための制御手段を含むが、それは、Lk上に直接的には設置されず、SkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスとして、小さい二次バイパスlk上に設置される。この手段は、一般的に、Viのものより小さい径の開口を有する、例えば、Viの径の多くとも60%または50%の径、例えばViの径の10〜50%の範囲の径を有する制御バルブviである。Lk周りのバイパスとして内部の洗い流しが行われることになり、この内部のバイパスの流れが制限されることになる(SkのあるプレートからSkの別のプレートに流通する)場合、プレートバルブViは閉じられ、Vi周りでバイパスする小バルブviは開かれる。それ故に、プレートバルブViの一方(典型的には、Skの下部プレートPiのバルブVi)の周りの小さい二次的バイパスlkの使用は、流量リミッタ手段が主要バイパスラインLk上に配置されたバルブである場合より小さい開口径のバルブが用いられることを可能にし、これは、Lkは流体F、D、R、Eのそれらの額面上の流量での流通を可能にしなければならないため相対的により大きい径を有する。
【0041】
本発明によると、Viを含むコネクタは、Vi周りの小さい二次的バイパスlkもlk上に配置される小さいバルブviも含まないとして解釈されなければならない。このコネクタは、それ故に、主要流体F、D、R、Eの流通を可能にする単一のバルブViを含む。
【0042】
カラム底部の場合におけるセクターSkが規定されなければならない。典型的には、カラム底部に配置された吸着剤床Anの下にプレートPnはない。直下の床に流体を分配する必要性がないからである。さらに、本発明によると、この場合、欠落プレートPnは、カラムからの下部出口ラインによって置き換えられることが仮定され、この下部出口ラインは、典型的には再流通ポンプを介して同一カラムへの入口にまたは第二の分離カラムの頭部のいずれかに接続される。
【0043】
好ましくは、カラム全体(用語「セクター」からの規定によって除かれる頭部プレートの例外を有する)は、重ね合わされた隣接セクターSkによって構成される。
【0044】
それは、2床および2プレートを有するセクターおよび3床および3床を有する1以上のセクターとの組合せによって実質的に構成されてもよい。最後に、好ましくないバリエーションにおいて、本発明の2床および2プレートを有するセクターSkおよび特に図1に示されるような従来技術により供給される1以上の個別のプレートPiを用いることも可能である。
【0045】
流体F、D、R、Eの4つのネットワークの場合における上記に記載された本発明はまた、例えば、2つのラフィネートR1、R2および/または所望の生成物を豊富に含む生成物の還流REを用いることにより4ではなく5または6の流体ネットワークがある場合に同様の方法で用いられ得る。それ故に、セクターSkおよびラインLk当たり5または6のネットワークバルブがある。
【0046】
本発明の装置はまた、外側のバイパスラインLkおよびLk+1の長さを制限し得る。これらのラインのそれぞれの接続しているコネクタ(またはコック(tap)、コネクタは、カラム上へのコックでもある)は重ね合わされるか、または、小さい角オフセット(高くとも20°)を有するからである。これは、供給/抽出流体が変更される時に洗い流されなければならないラインの内部容積を制限することに関して好都合である。しかしながら、2つの隣接する重ね合わされたセクターSkおよびSk+1のコネクタ間の70〜110°の範囲の大きい平均の角オフセットに起因して、カラムの同一母線の上に相当重ね合わされたコックの蓄積によるカラムの機械的な弱体化は回避される。
【0047】
本発明によると、コネクタまたはコックの用語「配向(orientation)」は、カラムの軸上のプレートの中心から始まり、このコネクタの方向(カラムとの接続のその点)に向けられた配向された直線に適用する。本質的に、2つのコネクタの(2つの異なるプレートについての)配向の間の角オフセットは、これらの2つのプレートのコネクタの配向によって形成された最少角であり、水平な基準平面上に突き出される。それ故に、それは、常に[0°−180°]の範囲である角度である。<180°の角度アルファの角オフセットを有する(2つの異なるプレートの集まり(assembly)についての)2つのコネクタの平均配向は、本質的に、考慮中のコネクタの2つの配向に対してアルファ/2の角オフセットに対応する中央値配向である。2つのセクターSkおよびSk+1のコネクタ間の平均の角オフセットは、これらの2つのセクターのコネクタの平均配向の角オフセットである。
【0048】
典型的には、頭部プレートを含むカラムの頭部および場合による下部床および/または下部プレートを含むカラム底部を除くカラム全体は、複数の重ね合わされた2プレートセクターによって構成され、該2プレートセクター中に、同一セクターSkの2つのコネクタが、カラムの軸に対して0または20°以下の角オフセットを有し、任意の2つの重ね合わされた隣接のセクターは、それらの間に、70〜110°の範囲のそれらのコネクタの平均の角オフセットを有する。
【0049】
下部プレートはまた、カラム出口ラインへの(もはやカラムへのではない)下部点においてLkの接続を有するセクターSkに属し得、それ故に、好ましくは、その2つのコックの間に同一の角オフセットの特徴(0または20°以下)、並びに、直上のセクターSk-1のものに対するこれらのコックの平均の角オフセット(典型的には70〜110°)を有する。
【0050】
好ましくは、任意のセクターSkのコネクタは、それらの間に、実質的に0の角オフセットを有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、実質的に90°のそれらのコネクタの平均の角オフセットを有する。この場合、バイパスラインLkは、典型的には、カラム、それ故に、最少長さの1つの母線に平行である。
【0051】
本発明の好ましい特徴によると、コックの角オフセットは、典型的にはプレートを構成する平行セグメントパネルDMEi,jの配向を変えるために用いられる。平行セグメントパネルのこの向き(またはパネル配向)の変更は、プレートの表面形状およびそれらの供給/抽出システムに起因して流体流通の局所的な不均質を制限し得る:パネルの均質な配向を回避することによって、および対照的に、それらの配向を(好ましくは、90°に近い角度まで)変更することによって、カラムに沿う流通不均一性の累積効果が回避される。例えば、プレートの局所的なゾーンにおけるより少ない流通は、部分的または全体的に、カラムの同一部分に位置する下部プレートの流通の増加したゾーンによって補償されることになる。これは、カラムのセクション上の生成物の吸着フロントを均一にする傾向にある。
【0052】
本発明によると、用語「平行セグメントの方向」は、どちらか一方の方向に配向されず、考慮中のセクターに平行な水平な基準面に位置し、カラム軸を通る直線に適用する。明らかに、(2つの異なるプレートの)平行セグメントパネルの2つの方向(または配向)の間の角オフセットは、これらの2つのプレートの平行セグメントの方向によって形成され、同一の水平基準面上に計画された最少の角度である。それは、それ故に、常に間隔[0°−90°]に含まれる角度である。
【0053】
2つの異なるプレートの平行セグメントの平均の方向(または配向)であって、方向の一方は、他方に対して<90°の角度アルファによってオフセットされる、方向は、明らかに、考慮中の2つの方向に対してアルファ/2のオフセット角に対応する中間値(median)方向である。
【0054】
それ故に、装置のプレートの第一の設計バリエーションによると、セクターSkの各プレートPiは、流体を供給しかつ抽出流体を抜き出すために、単一のコネクタ(EMi)に接続される方向に平行なセクターを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、セクターSkの各プレートについて、単一のセクターSkのプレートの平行セグメントパネルの方向は、0または20°以下の角オフセットを有し、セクターSkの平行セグメントパネルを有するパネルの平均の方向は、隣接セクターSk+1またはSk-1のパネルのものに対して70〜90°の範囲(限界値を含む)の角オフセットを有する。
【0055】
このプレートの平行セグメントの方向は、好ましくは、このプレートに接続されたコネクタとの一定の角オフセットを有し、この一定のオフセットは、典型的には、実質的に0であるか実質的に90°であるかのいずれかである。
【0056】
このバリエーションによると、単一セクターSkのプレートの平行セグメントを有するパネルDMEi,jの方向は、それ故に、実質的に類似するかまたは同一である(高くとも20°のオフセットを有する)。対照的に、プレートの平行セグメントパネルの平均の方向は、1つのセクターSkから隣接するセクターへ通過する場合に70〜90°の範囲の角度で変わる。それ故に、2つのプレートごとに、パネルの方向(セクター間)に大きな変化(90°近く)がある。
【0057】
プレートおよび装置の設計における第2のバリエーションでは、セクターSkの各プレートPiは、一方向に平行な複数のセグメントにさらに分割され、供給流体を供給し抜き出された流体を抽出するために単一のコネクタに接続され、同一のセクターSkまたは2つの重ね合わされたセクターに属する2つの重ね合わされた隣接プレートの各集合について、2つのパネルの一方の平行セグメントパネルの方向は、他のプレートの平行セグメントの方向と70〜90°の範囲(限界値を含む)の角オフセットを有する。
【0058】
このバリエーションでは、単一のセクターSkの2つのプレートの平行セグメントの方向は、実質的に90°オフセットされ、この同一のオフセットは、Sk下方のプレートから下部セクターSk+1に属する隣接する下部プレートに通過する場合に存在する。平行セグメントの方向の変化は、それ故に、この場合において、各プレートにおいて起こり、もはや、2つのプレートの各群(各セクター)には起こらず、これは、セクターの方向の変化を増加させる。対照的に、2つのコネクタは、同一のセクター内に0または小さい角オフセットを有するので、この方向変化は、次いで、2つの異なるプレート設計を必要とし、図面が記載される時に説明されるようにセグメントの配向は90°オフセットされる。
【0059】
典型的には、バイパスラインLkは、Lkに接続されるネットワークバルブの最も大きい開口径に少なくとも等しい内径を有する。それ故に、Lkの径は、Lkに直接的に接続されたネットワークバルブの開口径と比較して流れへの制限を構成しない。
【0060】
既に言及されたように、SMBは、抽出液を含みまたは典型的には脱着剤を除くために抽出液を蒸留することによって得られた所望の生成物を豊富に含む(50%超、さらには90%、さらには99%の所望の生成物を含む)還流REにより機能し得る。好ましくは、本発明の装置は、そこで、還流REの順次的供給ネットワークRE-Netを含み、このネットワークは、単一の大径のラインを介してセクターSkのそれぞれに接続される。それ故に、還流ネットワークは、他のプロセス流体F、D、R、Eの方法と同一の方法で接続される。
【0061】
類似した方法では、SMBはまた、第2のラフィネートR2の順次的抜き出しにより機能し得、この場合、本発明の装置は、好ましくは、ネットワークR2-Netを含み、このネットワークR2-Netは、単一の大径ラインを介してセクターSkのそれぞれに接続され、この単一の大径ラインは、単一のネットワークバルブを含み、この単一のネットワークバルブも大径のものである。それ故に、第2のラフィネートネットワークは、他のプロセス流体F、D、R、E、(RE)の方法と同じ方法で接続される。
【0062】
本発明はまた、上記に記載された装置を用いる分離方法であって、1サイクルの間に、各ラインLkが、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で、直列でプレートバルブPiおよびネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkの一つを介してSkのプレートPiのそれぞれにまたはそれらから流通させるために順次的に用いられ、Lkは、1サイクルの間その長さの全体にわたって流体F、D、R、Eのそれぞれによって用いられる、方法に関する。
【0063】
一般に、バイパスラインLkのそれぞれの少なくとも一部の内部洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブのいずれも開でない時に行われ、Lkの全ての内部洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブが開である時に停止させられる。
【0064】
好ましくは、Lkの内部洗い流しは、Skにおける上位に位置するプレートPiからSkにおける下位に位置するプレートPi+1またはPi+2に向かって、Skが流体ネットワークの一つに接続されない時に全時間の期間にわたり行われ、これは、Skに接続されたネットワークバルブの一つが流体の一つをプレートPiに供給またはプレートPiから抜き出すために開である時の期間の直前である。この内部洗い流しは、結果としてプレートPiのための供給または抜き出し期間に先行する期間においてViの開をもたらし(これは、Viの開も必要とする)、これらの連続的な期間の間にViを開または閉にすることを回避する。バルブの移動の数の低減は、これらのバルブの摩耗を低減させ、装置および関連する方法の信頼性を増加させる。
【0065】
一般的には少なくとも2つ、通常は全部のバイパスラインLkの内部洗い流しが行われる。典型的には、内部洗い流しは、少なくとも20%、通常は少なくとも40%、さらには少なくとも50%の時間にわたって行われる。
【0066】
本発明は、全種類のクロマトグラフィー分離、特に、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料から生成物としてパラキシレンを分離する方法、または、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料から生成物としてメタキシレンを分離する方法を行い得る。
【0067】
一般的に、本発明は、上記に記載された装置が、同一数の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料からあらゆる芳香族炭化水素を分離するために用いられることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、従来技術のSMB装置の一部の図示であり、対応するネットワークバルブを有している。
【図2】図2は、本発明のSMB装置の一部を図示しており、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkを含み、対応するネットワークバルブ、プレートバルブおよびバイパス流量制限バルブを有している。
【図3】図3aおよび3bは、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkの場合の本発明の装置の中間セクターおよび底部カラムセクターを図示する。
【図4】図4は、Lkの流れ制限手段がLk上に配置された調節バルブである場合の2つの床および2つのプレートを有する中間セクターSkを図示する。
【図5】図5a、5b、5cおよび5dは、平行セグメントを有する4つのプレートのバリエーションPiをそれらの供給/抽出ネットワークと共に示す。
【図6】図6aおよび6bは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの連続的な隣接プレートの配列における2つのバリエーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
(図面および示される装置の操作の説明)
本発明は、添付図面および説明から容易に理解されることになる。
【0070】
本発明者らは、ここで、従来技術のSMBのクロマトグラフィーカラムの一部を表している図1を参照する。吸着剤の床Ai-1、Ai、Ai+1、Ai+2、Ai+3、Ai+4のそれぞれは、プレートPi-1、Pi、Pi+1、Pi+2、Pi+3、Pi+4の上方に配置されており、前記プレートのそれぞれは、ライン3、4、5、6、7、8をそれぞれ介して、4つの流体ネットワークF、D、R、Eのそれぞれにバルブ(参照符号なし)を介して接続されている。それ故に、プレート当たり4つの主要バルブがある。さらに、プレートは、二つ一組で、バイパスライン1a、1b、1cを介して接続され、バイパスライン1a、1b、1cは、それぞれ、小径バルブ2a、2b、2cを含み、制限されたバイパス流:カラム中を流通する流れの2〜20%の通過が可能にされる。全部で、その時、各プレートPiについて4つの主要バルブと、平均0.5の小径バルブ(2つのプレートについて1つ)とがあり、プレート当たり平均4.5のバルブを与える。
【0071】
このようなカラムを用いるSMBの機能は、当業者に周知である。典型的には、バイパスラインのバルブ2a、2bまたは2cが開であるのは、流体F、D、R、Eのいずれもが、バイパスラインを介して接続された2つのプレートの1つに供給されることもそこから抜き出されもされない時である(バイパスは一時的に使用される)。対照的に、バイパスラインのバルブ2a、または2b、または2cが閉になるのは、流体F、D、R、Eの1つがバイパスラインを介して接続された2つのプレートの1つに供給またはそこから抜き出される時である(バイパスは一時的に使用外である)。
【0072】
図2は、本発明の装置のカラムの一部を示しており、3つのセクターSk、Sk+1、Sk+2を含み、それぞれは、2つの吸着剤の床および直下に位置する2つのプレートを含んでいる。各セクターの2つのプレートは、それぞれ、バイパスラインLk、Lk+1、Lk+2を介して接続され、このバイパスラインLk、Lk+1、Lk+2は、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で流通させるに適している。各バイパスラインは、流体の供給および抜き出しのための一式の4つのネットワークバルブに接続される。従来技術とは対照的に、この一式の4つのバルブは1ではなく2のプレートに供給する。
【0073】
それ故に、第1のセクターSkについて、Pi-1およびPiの両方に供給する4つのネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkがある。
【0074】
各プレートはまた、対応するバイパスラインLkまたはLk+1またはLk+2に、コネクタ(図中のラインの水平部に対応する)を介して接続され、このコネクタは、プレートに属する単一の二方向分離制御バルブ(プレートバルブと称する):Vi-1、Vi、Vi+1、Vi+2、Vi+3、Vi+4を含む。セクターのそれぞれの下部プレートバルブVi、Vi+2、Vi+4はさらに、小さい第2バイパスラインlk、lk+1、lk+2を有し、この第2バイパスラインlk、lk+1、lk+2は、典型的には小径のものであるバルブvi、vi+2、vi+4を備えている。
【0075】
全体で、2つのプレートの各セクターについて、4つのネットワークバルブ、2つのプレートバルブおよび第2バイパスにおける一つの小径バルブ、すなわち7つのバルブがあり、プレート当たり平均3.5のバルブを与える。
【0076】
装置は以下のようにして作動する:
例えばセクターSkについて、所与の期間において、流体F、D、R、Eの1つがプレートPi-1に供給されるべきまたはそこから抜き出されるべき時に、対応するネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEk並びにプレートバルブVi-1が開にされる。セクターSkの他のネットワークバルブ並びにViおよび小さい第2バイパスバルブviはそれ故に閉にされる。
【0077】
別の期間において、流体F、D、R、Eの1つが、プレートPiに供給されるべきまたはそこから抜き出されるべき時に、対応するネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkおよびプレートバルブViが開にされる。セクターSkの他のネットワークバルブ並びにVi-1は、それ故に、閉にされる。小さい第2バイパスバルブviは閉のままにされ得る。
【0078】
第3の期間において、流体F、D、R、EがプレートPi-1およびPiに供給されるべきでなくそれらから抜き出されるべきでもない時に、ネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkは閉にされる。制限されたバイパス流が、その時、Vi-1を開にし、Viを閉にし、小さい第2バイパスバルブviを開にすることによって、ラインLk中に流通させられる(Pi-1から抜き出され、およびPiに注入される)。それ故に、小さいバイパス流がlkを介して保証される。viは、典型的には、流量計(図示せず)からの流量を調節することによって操縦される調節(漸進的に開く)バルブである。
【0079】
他のセクターSk+1、Sk+2は、類似の方法で機能する。
【0080】
図3aおよび3bは、2つの床および2つのプレートを有するセクターを図示する。図3bは、カラム底部におけるそのようなセクターを示す。本発明によると、Pi+1で表示されるラインは、明らかに、床Ai+1の下に位置するプレートと置き換わることが仮定され、このプレートは、カラム底部に存在しない。
【0081】
図4は、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkであって、バイパス流量制限手段が、バルブviを有する第2バイパスを含まないが、大径のバルブ9が、ラインSk自体の上に配置されるものを示す(関連する流量測定手段(図示せず)を有する)。
【0082】
図5a、5b、5cおよび5dは、平行セグメントパネルDMEi,jを有するプレートPiおよびそれらの供給/抽出ネットワークの種々の実施形態の平面図を示す。本発明は、このネットワークの分枝の表面形状と関係していない。
【0083】
図5a、5bおよび5cに対応するプレートのそれぞれについて、供給/抽出プロセス流体ネットワークに接続された単一のコネクタEMiは、カラムに入り、半径方向ラインを介して半径方向にカラムの中心に接続し、この中心において、2への第1の分割が行われる。一連の連続的なさらなる分割は、パネルDMEi,jの全てを個々に提供し得、プレートのセクション全体にわたって整然とした方法でSMB流体が供給され、これが抜き出される。
【0084】
図5dのプレートについて、半径方向のラインは、より上流でさらに分割され、カラムの中心を介して通過しておらず、これは、プレートおよびプレート上に位置する吸着剤床を支持するために中心支柱が設置され得ることを意味する。
【0085】
図5aおよび5bのプレートについて、パネルDMEi,jは、コネクタEMiに対して垂直に、非配向(non oriented)の直線(10)によって示される1つの同一の方向に平行に延びている。平行セグメントのこの方向は、コネクタEMiに対して90°の角オフセットを有する。
【0086】
対照的に、図5cおよび5dのプレートについて、パネルDMEi,jは、コネクタEMiおよび非配向直線(11)によって示された方向に平行に延びている。それ故に、平行セグメントのこの方向は、コネクタEMiに対して0の角オフセットを有する。
【0087】
プロセス流体の順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークの分枝は、種々の方法で行われ得る。図5aおよび5cのプレートのネットワークは、2への両方の分割、例えば、パネルへの接続のための末端(12)の上流の分割、さらには傾斜した(raked)さらなる分割を含む。
【0088】
図5bおよび5dのプレートのネットワークは、専ら、2への連続的な分割を含む。US-5 938 333において開示されるもの等の分割を用いることも可能である。
【0089】
一般に、ラインの寸法は、分枝により減少するが、同一径のラインを有するネットワークの部分と、下流の1または2の分枝上の径が低減した2への分割等を有することも可能である。本発明の範囲は、丁度1つというよりもむしろ2つの末端(12)を介してそれぞれのパネルDMEi,jに供給することも包含する。
【0090】
図6aは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの隣接する重ね合わされたプレートの配置における第1のバリエーションを示す。このバリエーションでは、全てのプレートは、図5bの設計を有し、1つのプレートの平行セグメントパネルDMEi,jの全ては、このプレートに対応する単一のコネクタEMiに垂直であり、それ故に、このコネクタと90°の角オフセットを有している。
【0091】
同一のセクターSkに属するプレートPi-1およびPiのコネクタは重ね合わせられ、それ故に、0の角オフセットを有する。この理由のために、点線として示されるラインLkは、典型的には、最少長さのものであり、カラムに絡みつく必要がないので設置することが容易である。
【0092】
同一の直下のセクターSk+1に属するプレートPi+1およびPi+2のコネクタも重ね合わされ、それ故に、これも0の角オフセットを有する。この理由のため、点線で示されるラインLk+1も、典型的には、最少長さのものであり、カラムに絡みつく必要がないので容易に設置される。
【0093】
Sk+1のコネクタは、対照的に、Skのコネクタに対して90°オフセットされる。これはまたSkのプレートの平行セグメントパネルの方向に対して90°オフセットされるSk+1のプレートの平行セグメントパネルの方向についての場合である。それ故に、2つのプレート毎に、すなわち、セクター間に平行セグメントの90°の角オフセットがある。この配置は、供給/抽出システムの不完全な均一性のために、カラムセクションにおける流体流通不均一性の蓄積を回避または制限することができる。それは、直接的に重ね合わされ、結果としてそれぞれの新しいプレートに起因して不均一性の蓄積をもたらすプレートの全部を有する配置と比較してカラムセクションの種々の点における吸着フロントを規則化する傾向がある。
【0094】
図6aの4つの隣接の重ね合わされた(隣接)プレートの配置におけるバリエーションは、それ故に、設置することが容易であるバイパスラインLk、Lk+1についての両方の典型的に最少の長さを生じさせ得るが、カラム内の流通不均一性の蓄積を回避または制限することもできる。最後に、それは、カラムの1つの母線上のコックの集積を回避することができ、コネクタは、それぞれの新しいセクターにおいて90°オフセットされる。これは、カラムの機械挙動に有利であり、弱体化させられない。
【0095】
図6bは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの連続する隣接プレートの配置における別のバリエーションを示す。このバリエーションでは、プレートの平行セグメントパネルの方向において1つのまたは隣接するプレート(最も近いプレート(単数または複数))の平行セグメントパネルの方向に対して(すなわちプレート間であってセクター間でない)90°の角オフセットがある。これは、カラム中の流通不均一性の蓄積における制限をさらに増加させる。
【0096】
1つのセクターSkまたはSk+1の2つのコネクタ(コック)は、典型的には最少長さを有して設置し易いバイパスラインの利点を維持するために重ね合わされたままである。これは、異なる分配ネットワークを有する2タイプのプレートの交互使用によって達成される:図5aの設計に従う一方のタイプ(Pi-1およびPi+2)および図5cの設計に従う一方のタイプ(PiおよびPi+1)。
【0097】
それ故に、このバリエーションは、2つの異なるタイプのプレートを用いるのとは対照的に、平行セグメントの配向の変化に伴うプレートのより頻繁な変更を可能にする。それは、典型的には最少長さのものであり設置が容易であるバイパスラインの利点を維持する。
【0098】
(最良の実施形態)
本発明の最良の実施形態は、SMBであって、単数または複数のカラムがセクターSkによって本質的に構成され、該セクターSkは、頭部プレートを含むカラム頭部を明らかに除いて2つの床および2つのプレートを有する、SMBである。セクターSkは、小径バルブviを備える小さい二次的バイパスラインlkを含む。このような装置では、例えば24個の床および24個のプレート(例えばそれぞれ12個の床および12個のプレートのループの2つのカラム)で、カラム当たり6つのセクターSk、すなわち、全部で12個がある。それ故に、SMBを制御するために、24個に過ぎないプレートバルブ、4×12=48個のネットワークバルブ(必要とされる12個のセクターSkのそれぞれについて4つ)、すなわち、12個の小さい調節バルブviが加えられなければならない72個の主要バルブ(二次的バイパス)、すなわち、全部で84個のバルブが必要とされ、これは、プレート当たりバルブ平均3.5個を表す。
【0099】
図1に対応する従来技術では、等価のSMBは、4×24=96個の主要バルブ(プレート当たり4つのバルブ)および12個の縮小された径のバルブ、すなわち、合計108個のバルブを必要とし、プレート当たりバルブ4.5個である。
【0100】
装置の好ましい実施形態のプレートおよびそれらの平行セグメントは、図6aに示されるように、二つ一組で90°オフセットされるか(セクター毎;プレートの表面形状の変化を伴わない)、または、図6bに示されるように一つずつ、90°オフセットされ(プレート毎;プレート表面形状の変化を伴う)、これは、カラム中の流体の流れを規則化し、主要外部バイパスラインLkの容積を低減させ、これは、カラム周りに巻き付く必要がなく、重ね合わされたコック(コネクタ)の蓄積によるカラムの弱体化を伴わない。
【0101】
上記の本発明の装置は、クロマトグラフィー分離のための任意の方法のために用いられ得るが、特には、芳香族炭化水素を、8個の炭素原子を本質的に含有しかつ当該芳香族炭化水素を含む芳香族炭化水素の供給材料から分離するために用いられる。
【0102】
特に、それは、例えばFR-2 789 914において記載されるように、脱着剤としてのトルエンまたはパラジエチルベンゼンおよび吸着剤としてのゼオライトを用いて、本質的にC8炭化水素からなる芳香族留分からパラキシレンを分離するために用いられ得る。それはまた、脱着剤としてのとしてトルエンまたはテトラリンおよび吸着剤、例えば、US-5 900 523および特許出願FR-05/52.485およびFR-05/52.486に記載されたものを用いて、芳香族C8留分からメタキシレンを分離するために用いられ得る。
【0103】
それはまた、例えば脱着剤としての直鎖ブタンまたは直鎖ペンタン(場合によっては不活性な希釈剤としてのイソオクタン)および吸着剤としての5Aゼオライトを用いて、炭化水素、特には、パラフィン性またはパラフィン性かつナフテン性の混合物から(炭化水素の残余から分離された)1種以上の直鎖パラフィンを分離するために用いられ得る。
【0104】
最後に、それは、当該技術において既知の条件下、例えば、カルシウムで交換されたXゼオライトを用いて、少なくとも1種のオレフィンを、当該炭化水素を含む炭化水素留分から分離するために用いられ得る。
【0105】
本発明は、上記記載に制限されず、それを行うために、当業者は、自由に、当該技術において既知である任意の他の特徴的技術を採用する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留によっては分離することが困難である天然産物または化学産物の分離の分野に関する。「クロマトグラフィー」または「擬似移動床(simulated moving bed)」または「擬似向流」または「擬似並流」法または分離装置として知られている一群の方法および関連の装置が用いられる(以降において本発明者らは「SMB(simulated moving bed)」と称する)。
【0002】
関連する分野の非排他的リストは、
・ 分枝状パラフィン、ナフテンおよび芳香族化合物からの直鎖状パラフィンの分離;
・ オレフィン/パラフィンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのパラキシレンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのメタキシレンの分離;
・ C8芳香族化合物の他の異性体からのエチルベンゼンの分離
製油所および石油化学プラントを超えて、グルコース/フルクトースの分離、クレゾールの位置異性体、光学異性体の分離等を含めて、多くの他の適用がある。
【背景技術】
【0003】
SMBクロマトグラフィー分離は、当該技術において周知である。擬似移動床は、一般的には少なくとも3つ、有利には4または5つのクロマトグラフィーゾーンを含み、前記ゾーンのそれぞれは、少なくとも1つの床またはカラムの一部によって構成され、2つの連続する供給または抜き出し点の間に含まれる。典型的には、分画されるべき少なくとも1つの供給材料Fおよび脱着剤D(溶離剤と称される場合もある)が供給され、少なくとも1つのラフィネートRおよび抽出液Eが抜き出される。供給および抜き出し点は、時間と共に変更され、典型的には、同時の方法で床の底部の方にシフトされる。
【0004】
複数の有利なバリエーションは、同期的に置換させることによって当該タイプの装置の機能を向上させ得る。簡単に言えば、このような同期置換は、特許文献1に示されるように再流通ポンプ(単数または複数)の死んでいる容積(単数または複数)を補償するように、特許文献2に示されるようにぎくしゃくした流量および圧力を除去するために再流通ポンプにより一定の再循環速度で働くように、または、最終的に、少なくとも2つのクロマトグラフィーゾーンであって、そのそれぞれの1つは非整数の数の吸着剤床と等価である、ゾーンで操作するように作用する。この後者のバリエーションは、特許文献3〜6に示されるように、Varicol(登録商標)として知られている。当然、これらの3つのバリエーションは組み合わされ得る。
【0005】
入来および送出流体を、単数または複数の吸着カラム内に配置された床と連通した状態に置く多方向回転バルブが、同期型置換を唯一可能にすることが留意されるべきである。同期置換のために、複数の開閉バルブが不可欠である。この技術的な局面は以下に説明される。
【0006】
従来技術は、擬似移動床において供給材料の分離を行い得る種々の装置および方法を詳細に記載する。挙げられ得る特定の特許は、特許文献7〜14である。これらの特許も、SMBの機能の詳細を提供する。
【0007】
SMB装置は、典型的には、少なくとも1つ(頻繁には2つ)のカラムと、カラム内に配置された吸着剤床Aiと、流体の順次的な分配および抽出制御手段とを含み、吸着剤床Aiは、プレートPiによって分離されており、このプレートPiは、流体の種々の吸着剤床への分配および/またはそこからの抽出のための室(単数または複数)Ciを有する。
【0008】
各プレートPiは、典型的には、ラインまたは「分配/抽出多岐管(manifold)」を介して供給される複数の分配器−混合器−抽出器(distributor-mixer-extractor)パネル、すなわち「DME」を含む。プレートは、あらゆるタイプおよびあらゆる表面形状(geometry)のものであってよく、特には、カラムセクションの隣接セグメントを形成するパネルを有するものであるが、例えば、特許文献15の図8に示される、対称的に供給される(多岐管)もの等の角セグメント(angular segment)を有するパネル、または、公開された特許出願(特許文献16)に示されるような、二対称性に供給される円周内の切り抜き(cutout)等の平行セグメントである。好ましくは、分離カラムは、平行セグメントタイプのDMEプレートおよび二対称性供給を含む(本発明によると、用語「パネル」または「セグメント」は、等しく用いられることになる)。再度好ましくは、吸着剤は、高密度充填型である。これは、所与のカラムにおいてより多量の吸着剤が用いられ得ることを意味し、所望の産物の純度および/またはSMB流量を大きくする。
【0009】
各床にわたる分配は、収集されるべき先の床からの流束(主に、カラムの主軸に沿って移動する流体)を必要とし、場合によっては、そこに補助流体または二次流体を注入しつつ、その2つの流体を最良の可能な程度に混合すか、または、場合によっては、収集された流体の一部を除去し、それを抽出し、装置外に送り、さらには、流体を次の床の上に再分布させる。
【0010】
この目的のため、プレートPi内に、混合室と別個または共通であり得る分配(注入/抽出)のための室Ci,kを用いることが可能である。1以上の室を有するプレートPiが知られており、異なる流体によって所与の時間において別個に供給される(または排出される)か、または、同時に並行して同一の流体によって所与の時間に供給される(または排出される)かのいずれかである。第1の場合、プレートは、複数の分配ネットワークを有するように仕向けられ、第2の場合には、それは、単一の分配ネットワークを有している。本発明は、専ら、単一の分配ネットワークを有するプレートを含む装置に関連する。
【0011】
一般的に、流体の全部または主流束のいずれかは、特許文献7において記載された方法でカラム中を通過させられか、または、当該流束の大部分または全部は、特許文献13において開示された方法に記載されるように排出される。
【0012】
全てのSMB装置による一般的な問題は、SMBの操作中の供給および抜き出し点への改変の間に流体のプレートへの供給およびプレートからの抜き出し回路の種々のゾーンおよび容積において出くわされる液体によって生じた汚染を最少にすることである。操作配列中、プレートPiのライン、室または供給ゾーンが、プロセス流体によってもはや洗い流されない場合、それは、液体が淀み、別のプロセス流体がその中を移動する時にのみ再度移動するデッドゾーンになる。SMBの性質は、これが異なるプロセス流体であることを必要とするので、デッドゾーン中の液体は、必然的に、実質的に異なる組成を有する液体によって置き換えられる。実質的に異なる組成を有する流体の短い時間間隔にわたる混合または流通は、それ故に、理想的な操作からの逸脱を導入し、これは、組成の不連続性を禁止する。
【0013】
さらなる問題は、同一プレートの異なるゾーン間のあらゆる再流通に存在し得、これも、それ故に、理想的な操作からの逸脱を誘導する。
【0014】
再流通およびデッドゾーンと関係があるこれらの問題を克服するために、種々の技術が従来技術においてすでに知られている:
a)脱着剤または比較的高純度の所望生成物によるラインおよびデッドゾーンの洗い流し(flush)が既に提案された。当該技術は、所望生成物のその抽出の間の汚染を効果的に防ぐ。しかしながら、洗い流しの液体は、典型的には、それが置き換える液体とは大きく異なる組成を有するので、これは、組成中に不連続性を導入し、これは、理想的な操作に不利益である。この第1の洗い流しのバリエーションは、典型的には、「高い濃度勾配において短い継続期間の洗い流し」を行う。これらの洗い流しは、簡単に、組成の不連続性の効果を制限する。
【0015】
b)特許文献17に記載されるように、別の解決策は、カラムの内部の方に主流束の大部分を、隣接するプレート間の外側のバイパスラインを介して外部の方に当該流れの少量、典型的には流束の2〜20%を通過させることからなる。この洗い流しは、典型的には、時間のほとんどまたは連続して行われ、その結果、ラインおよびゾーンは、もはや「デッド(dead)」ではなく、洗い流される。バイパスラインを介する洗い流しを伴うこのようなシステムは、特許文献17の図1に示され、本出願の図1における単純化されたバージョンにおいて繰り返される。バイパスラインは、低流量用に設計されるので、それらは、結果として、径において小さくあり得、小さい径のバルブを含み得、これは、システムのコストを低減させる。
【0016】
このようなシステムの第1の利点は、二次流体のための注入および抜き出しの回路が、置換された液体に非常に近い組成を有する液体により洗い流されることである。これは、第1にバイパスが隣接しているプレートに由来し、第2に洗い流しが、不連続というよりむしろ実質的に連続的であるからである。さらに、バイパス中の流量は、好ましくは、各バイパス中の通過速度が、SMBの主流束中の濃度勾配の前進の速度と実質的に同じであるように決定される。それ故に、種々のラインおよび容量は、そこで見出される液体の組成と実質的に等しい組成を有する流体により洗い流され、バイパス中を流通する液体は、主流束の組成が実質的に等しい点において再導入される。この第2のバリエーションは、それ故に、「小さいまたはゼロの濃度勾配を有する長期間の洗い流し」を行い得る。
【0017】
この長継続期間の洗い流しシステム(注入または抜き出し期間は別として)の第2の利点は、小さい圧力降下差に起因した同一プレートのゾーンの間の可能性のある再流通の作用を取り除き得ることである。
【0018】
SMBの機能に関して、SMBの制御された流体分配および抽出手段は、典型的には、2つの下記の主要タイプの技術の一方である:
・各プレートについて、流体の供給または抜き出し用の複数の開閉制御バルブ;前記バルブは、典型的には、対応するプレートの直ぐ隣りに位置し、特に、各プレートPiについて、少なくとも4つの二方向開閉制御バルブを含み、それぞれ、流体FおよびDを供給し、流体EおよびRを抜き出す;または
・集合(assembly)全体にわたって流体を供給または抜き出すための多方向回転バルブ。
【0019】
第1の技術は、量産型であり得る二方向バルブを用い、これは、結果として、信頼性の向上および装置コストの相対的な低下につながる。第2の技術は、単一のバルブのみを用いるが、当該単一のバルブは、多方向バルブであり、必然的に、特別な構造のものであり、大寸法のものであり、極めて複雑である。さらに、この第2の技術は、Varicol(登録商標)装置におけるように、非同期的置換の可能性を除外する。
【0020】
本発明は、従来の二方向バルブを用いる、すなわち、上記2つの技術のうちの第1の技術を用いるSMBに関する。特に、本発明は、複数の、しかし、従来技術に対して減らされた数の二方向開閉バルブを含む擬似移動床分離のための改善された装置に関する。本発明は、同期的置換のSMBおよび非同期置換のSMB、例えばVaricol(登録商標)の両方のために用いられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第5578215号明細書
【特許文献2】米国特許第5762806号明細書
【特許文献3】米国特許第6136198号明細書
【特許文献4】米国特許第6375839号明細書
【特許文献5】米国特許第6712973号明細書
【特許文献6】米国特許第6413419号明細書
【特許文献7】米国特許第2985589号明細書
【特許文献8】米国特許第3214247号明細書
【特許文献9】米国特許第3268605号明細書
【特許文献10】米国特許第3592612号明細書
【特許文献11】米国特許第4614204号明細書
【特許文献12】米国特許第4378292号明細書
【特許文献13】米国特許第5200075号明細書
【特許文献14】米国特許第5316821号明細書
【特許文献15】米国特許第6537451号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2003/0127394号明細書
【特許文献17】米国特許第5972224号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
(発明の簡単な説明)
本発明は、複数の二方向開閉制御バルブ、典型的には、要求される高い基準(密封性/信頼性)に対して低コストの量産型の標準的なバルブを用いる主要な擬似移動床技術に属する擬似移動床分離のための改善された装置に関する。
【0023】
本発明の必須の目的の一つは、このタイプのSMBの相対的な不利益点(これは、多数の二方向制御バルブを要求することである)を低減させることである。本発明は、これらのバルブの数を低減させつつ、「小さいまたはゼロの濃度勾配における長い継続期間」型のデッドゾーンの効果的な洗い流しを提供することができるという利点を保持することができる。
【0024】
本発明のさらなる目的は、低減した数の二方向バルブを必要とするが、これらのバルブの開/閉頻度が従来技術に対して増加させられることがない装置を提供することである:これは、低減した数のバルブに伴って、機能不良の統計的危険性を制限し、それ故に、システムの信頼性を高める。
【0025】
最後に、装置の好ましいバリエーションにおいて、SMBの主要流体の額面流量での流通を可能にする大径のバルブの数は、さらに低減させられ得る。
【0026】
本発明の装置は、新しい設備において用いられ得るが、制限された改変を行うことによって、それが設置され得る種々の既存設備とも合わせられる。それは、種々のタイプおよび表面形状のプレートPi、例えば扇形(angular sector)パネルを有するプレートまたは平行セグメントを有するプレートとも合わせられるが、ただし、前記プレート(またはその大部分)は、単一の分配ネットワークタイプのものである。
【0027】
それ故に、SMB方法の流体のための入口/出口に対応する、主要な制御バルブの数を大幅に低減させることができる手段が発見された:従来技術では、各プレートについて、F、D、R、Eの供給/抜き出しのための少なくとも1セットの4つの供給/抽出用主ネットワークバルブがある。4を超えるプロセス流体があれば、例えば、2つのラフィネートR1、R2があれば、あるいは、所望の産物を豊富に含む還流REが用いられれば、この数はさらに増加させられる。従来技術では、バイパスライン(小さい径を有する)は、補助的ラインに過ぎず、流体F、D、R、E(E1)(E2)(RE)によってそれらの額面上の供給または抜き出し流量においては用いられない。
【0028】
本発明によると、カラムまたは当該カラムの主部分は、重ね合わされたセクターSkにグループ化され、各セクターSkは、2つの吸着剤床および2つのプレートを含み、かつ、バイパスラインLkを含む。従来技術とは対照的に、SMBの流体は、ラインLkをそれらの額面上の流量で用い、カラムのセクター当たり単一セットの主ネットワークバルブ(供給または抜き出し)が用いられ(従来技術におけるようにプレート当たりではない)、前記バルブは、バイパスラインLkに接続されて、Lkを介したこれらの流体の流通が可能にされる。本発明によると、「プレートバルブ」およびバイパス流体の流量を制限する手段も提供されるが、バルブの総数は、以下に説明されるように、大幅に低減させられたままである。
【0029】
最後に、本発明の装置の特徴的な配置によると、カラム上のラインLkの接続は、ラインLkの長さおよび容積を制限するために、Skの範囲内で高くとも20°オフセットされ、カラムが機械的に弱くならにように2つの隣接するセクターSkおよびSk+1の間の平均角70〜110°の範囲でオフセットされる。プレートは、好ましくは、平行セグメントを有するパネルDMEi,jを含み、その方向は、プレートとプレートの間でまたは2つのプレートの群当たりで変動する。
【0030】
本発明はまた、上記に記載された装置を用いるSMB分離の方法、特に、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料からのパラキシレンまたはメタキシレンの分離のための方法に関する。
【0031】
本発明はまた、同一数の炭素原子を含有する芳香族化合物留分から芳香族化合物を分離するための上記に記載された装置の使用に関する。
【0032】
(発明の詳細な説明)
本発明は、図1(従来技術)および図2〜6b(本発明の装置または装置の一部)を参照してなされた以下の記載からより良く理解されることになる。
【0033】
前述の目的の一つに到達するために、本発明は、それ故に、少なくとも1種の所望の化合物を、当該化合物を含む混合物から擬似移動床吸着によって分離するための装置であって、該装置は、擬似移動床吸着によって、少なくとも1種の所望の化合物を、当該化合物を含む混合物から分離するための装置であって、
少なくとも1つのカラムであって、該カラムは、複数の吸着剤床Aiに分割され、該吸着剤床Aiは、分配器/抽出器プレートPiによって分離されて、少なくとも2種の供給流体:供給材料Fおよび脱着剤Dおよび少なくとも2種の抜き出し流体:ラフィネートRおよび抽出液Eを順次的に供給・抽出するようにされ、Piは、床Aiと直下の床Ai+1の間に配置される、カラムを含み;
該装置は、少なくとも1つの供給材料ネットワークF-Net、脱着剤ネットワークD-Net、ラフィネートネットワークR-Netおよび抽出液ネットワークE-Netをさらに含み、これらのネットワークのそれぞれは、複数の中間ラインを介してカラムに接続され、該中間ラインは、流体F、D、RおよびEを順次的に供給または抜き出すために、ネットワークバルブと称される二方向分離制御バルブを含み;
ここで、該カラムは、その高さの少なくとも主要部にわたり、複数の重ね合わされた隣接セクターSkに分割され、各セクターSkは、カラムセクターによって構成され、該カラムセクターは、一群の2つの連続的な吸着剤の床および2つの分配器/抽出器のプレートPiを本質的に含み、該プレートPiは、前記連続的な吸着剤の床の直下に配置され(Skは、正確に2つの床および2つのプレートを含み、明らかに、対応するカラムのシェル(shell)のセクターも含む);
セクターSkのそれぞれの分配器/抽出器プレートPiのそれぞれは、流体F、D、R、Eの順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークを用い;
各セクターSkのプレートPiは、外側バイパスラインLkを介して一緒に接続され、該外側バイパスラインLkは、コネクタを介してSkの各プレートPiに接続され、該コネクタは、プレートPiに属する、プレートバルブViと称される単一の二方向分離制御バルブを含み、流体F、D、R、EをPiに順次的に供給またはPiから抜き出すようにし;
前記バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための少なくとも1つの制御手段(例えば、制御バルブ+流量計+バルブ制御システム)を含み、該手段は、ラインLk上またはSkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスのいずれかに設置され;
ここで、セクターSkのそれぞれバイパスラインLkは、F-Net、D-Net、R-NetおよびE-Netのネットワークのそれぞれに、単一のラインを介して接続され、該単一のラインは、単一のネットワークバルブ、それぞれ、VFk、VDk、VRk、VEkを、F、D、R、Eに対応する流体の順次的な考慮中のセクターSkへの供給または同セクターSkからの抜き出しのために含み;
この装置は、少なくとも2つの隣接の重ね合わされたセクターSkおよびSk+1を含み、Skは、外側のバイパスLkによって接続されたプレートPi-1およびPiを含み、該外側のバイパスラインLkは、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートのバルブVi-1およびViを含み、Sk+1は、外側バイパスLk+1によって接続されたプレートPi+1およびPi+2を含み、該外側バイパスLk+1は、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi+1およびVi+2を含み;
ここで、カラム上のSkの2つのコネクタは、それらの間に、0または20°以下であるカラムの軸に対して角オフセットを有し、カラム上のSk+1の2つのコネクタは、それらの間に、0または20°以下であるカラムの軸に対して角オフセットを有し、Skのコネクタは、Sk+1のコネクタに対して70〜110°の範囲の平均の角オフセットを有する;
装置を提案する。
【0034】
従来技術の装置とは対照的に、本発明の装置は、バイパスラインLkが、従来技術におけるようにプレートPi当たり一組のネットワークバルブではなく、セクターSkにおいて、対応する単一の一連のネットワークバルブを介してSMBに供給されかつSMBから抜き出される流体F、D、R、Eを流通させるために用いられることを可能にする。これは、補助的なバルブ、すなわちプレートバルブViの付与が考慮に入れられる時であってさえ、制御バルブの全体的な数を大幅に低減させる。
【0035】
上記に挙げられた制御バルブ:ネットワークバルブおよびプレートバルブViは、典型的には、SMBの順次的な操作を行う高品質(信頼性、密封性、耐用期間)のバルブである。
【0036】
より一般的には、SMBの順次的な機能を確実に行う制御バルブの全部:ネットワークバルブ、プレートバルブVi、さらにはLk中を流通する流れを制限するための制御手段のバルブは、本発明によると、SMBの「主要」バルブとして考慮されなければならならず、カラムに接続され、SMBの順次的機能を制御するためのシステム(コンピュータ、プログラム可能な手段または他の等価なシステム)を介して制御される。
【0037】
SMBの順次的操作のための所定の主要バルブは、本発明に独特であるとして上記に言及された:各プレートPiについてのVi;各セクターSkについての単一のセットのネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEk。しかしながら、本発明の範囲は、他のバルブ、例えば、予備の二次的な分離バルブ(典型的にははるかに低品質のもの)であって、制御されてもされなくてもよいが、擬似移動床の順次的操作に参加せず、例えば、あらゆる設備:順次的操作のために用いられたポンプまたは主要バルブ等を取り除く目的のために存在するもののさらなる使用を包含する。
【0038】
典型的には、本発明の装置において流体F、D、R、Eの全部をそれらの額面上の流量で送るために用いられるバイパスラインLkは、もはや、従来技術におけるような小さい補助的ラインではなく、流体F、D、R、Eが容量を制限することなしに流通することを可能にするために、一般的に、Lkに接続されたネットワークバルブの開口の最長径に少なくとも等しい内径を有する。
【0039】
多量の流れを輸送し得るバイパスラインLkが用いられるため、制御された流量リミッタ手段が、有利には、バイパスとして少量の流れを流通させるために用いられる(カラム中を移動する流れの典型的には2〜20%)。本明細書において用いられる場合の用語「バイパス流通」は、カラム中を移動する流れの(小)部分がプレートから抜き出され、同じセクターSkの別のプレートに再導入されることを意味する。用語「制御手段」は、典型的には、制御バルブ、典型的には、リンク(link)によってプログラム化され、流量計によって提供された情報から始めるものに適用する。この目的のため、ラインLk上に直接的に設置される流量調節バルブが用いられ得る。このバルブは、それ故に、典型的には、クリーパ(creeper)バルブであり、開閉制御バルブではない(これは、2つのみの可能な位置:完全に開および閉を有する)。
【0040】
しかしながら、本発明の好ましいバリエーションにおいて、バイパスラインLkの少なくとも1つまたは好ましくはそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための制御手段を含むが、それは、Lk上に直接的には設置されず、SkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスとして、小さい二次バイパスlk上に設置される。この手段は、一般的に、Viのものより小さい径の開口を有する、例えば、Viの径の多くとも60%または50%の径、例えばViの径の10〜50%の範囲の径を有する制御バルブviである。Lk周りのバイパスとして内部の洗い流しが行われることになり、この内部のバイパスの流れが制限されることになる(SkのあるプレートからSkの別のプレートに流通する)場合、プレートバルブViは閉じられ、Vi周りでバイパスする小バルブviは開かれる。それ故に、プレートバルブViの一方(典型的には、Skの下部プレートPiのバルブVi)の周りの小さい二次的バイパスlkの使用は、流量リミッタ手段が主要バイパスラインLk上に配置されたバルブである場合より小さい開口径のバルブが用いられることを可能にし、これは、Lkは流体F、D、R、Eのそれらの額面上の流量での流通を可能にしなければならないため相対的により大きい径を有する。
【0041】
本発明によると、Viを含むコネクタは、Vi周りの小さい二次的バイパスlkもlk上に配置される小さいバルブviも含まないとして解釈されなければならない。このコネクタは、それ故に、主要流体F、D、R、Eの流通を可能にする単一のバルブViを含む。
【0042】
カラム底部の場合におけるセクターSkが規定されなければならない。典型的には、カラム底部に配置された吸着剤床Anの下にプレートPnはない。直下の床に流体を分配する必要性がないからである。さらに、本発明によると、この場合、欠落プレートPnは、カラムからの下部出口ラインによって置き換えられることが仮定され、この下部出口ラインは、典型的には再流通ポンプを介して同一カラムへの入口にまたは第二の分離カラムの頭部のいずれかに接続される。
【0043】
好ましくは、カラム全体(用語「セクター」からの規定によって除かれる頭部プレートの例外を有する)は、重ね合わされた隣接セクターSkによって構成される。
【0044】
それは、2床および2プレートを有するセクターおよび3床および3床を有する1以上のセクターとの組合せによって実質的に構成されてもよい。最後に、好ましくないバリエーションにおいて、本発明の2床および2プレートを有するセクターSkおよび特に図1に示されるような従来技術により供給される1以上の個別のプレートPiを用いることも可能である。
【0045】
流体F、D、R、Eの4つのネットワークの場合における上記に記載された本発明はまた、例えば、2つのラフィネートR1、R2および/または所望の生成物を豊富に含む生成物の還流REを用いることにより4ではなく5または6の流体ネットワークがある場合に同様の方法で用いられ得る。それ故に、セクターSkおよびラインLk当たり5または6のネットワークバルブがある。
【0046】
本発明の装置はまた、外側のバイパスラインLkおよびLk+1の長さを制限し得る。これらのラインのそれぞれの接続しているコネクタ(またはコック(tap)、コネクタは、カラム上へのコックでもある)は重ね合わされるか、または、小さい角オフセット(高くとも20°)を有するからである。これは、供給/抽出流体が変更される時に洗い流されなければならないラインの内部容積を制限することに関して好都合である。しかしながら、2つの隣接する重ね合わされたセクターSkおよびSk+1のコネクタ間の70〜110°の範囲の大きい平均の角オフセットに起因して、カラムの同一母線の上に相当重ね合わされたコックの蓄積によるカラムの機械的な弱体化は回避される。
【0047】
本発明によると、コネクタまたはコックの用語「配向(orientation)」は、カラムの軸上のプレートの中心から始まり、このコネクタの方向(カラムとの接続のその点)に向けられた配向された直線に適用する。本質的に、2つのコネクタの(2つの異なるプレートについての)配向の間の角オフセットは、これらの2つのプレートのコネクタの配向によって形成された最少角であり、水平な基準平面上に突き出される。それ故に、それは、常に[0°−180°]の範囲である角度である。<180°の角度アルファの角オフセットを有する(2つの異なるプレートの集まり(assembly)についての)2つのコネクタの平均配向は、本質的に、考慮中のコネクタの2つの配向に対してアルファ/2の角オフセットに対応する中央値配向である。2つのセクターSkおよびSk+1のコネクタ間の平均の角オフセットは、これらの2つのセクターのコネクタの平均配向の角オフセットである。
【0048】
典型的には、頭部プレートを含むカラムの頭部および場合による下部床および/または下部プレートを含むカラム底部を除くカラム全体は、複数の重ね合わされた2プレートセクターによって構成され、該2プレートセクター中に、同一セクターSkの2つのコネクタが、カラムの軸に対して0または20°以下の角オフセットを有し、任意の2つの重ね合わされた隣接のセクターは、それらの間に、70〜110°の範囲のそれらのコネクタの平均の角オフセットを有する。
【0049】
下部プレートはまた、カラム出口ラインへの(もはやカラムへのではない)下部点においてLkの接続を有するセクターSkに属し得、それ故に、好ましくは、その2つのコックの間に同一の角オフセットの特徴(0または20°以下)、並びに、直上のセクターSk-1のものに対するこれらのコックの平均の角オフセット(典型的には70〜110°)を有する。
【0050】
好ましくは、任意のセクターSkのコネクタは、それらの間に、実質的に0の角オフセットを有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、実質的に90°のそれらのコネクタの平均の角オフセットを有する。この場合、バイパスラインLkは、典型的には、カラム、それ故に、最少長さの1つの母線に平行である。
【0051】
本発明の好ましい特徴によると、コックの角オフセットは、典型的にはプレートを構成する平行セグメントパネルDMEi,jの配向を変えるために用いられる。平行セグメントパネルのこの向き(またはパネル配向)の変更は、プレートの表面形状およびそれらの供給/抽出システムに起因して流体流通の局所的な不均質を制限し得る:パネルの均質な配向を回避することによって、および対照的に、それらの配向を(好ましくは、90°に近い角度まで)変更することによって、カラムに沿う流通不均一性の累積効果が回避される。例えば、プレートの局所的なゾーンにおけるより少ない流通は、部分的または全体的に、カラムの同一部分に位置する下部プレートの流通の増加したゾーンによって補償されることになる。これは、カラムのセクション上の生成物の吸着フロントを均一にする傾向にある。
【0052】
本発明によると、用語「平行セグメントの方向」は、どちらか一方の方向に配向されず、考慮中のセクターに平行な水平な基準面に位置し、カラム軸を通る直線に適用する。明らかに、(2つの異なるプレートの)平行セグメントパネルの2つの方向(または配向)の間の角オフセットは、これらの2つのプレートの平行セグメントの方向によって形成され、同一の水平基準面上に計画された最少の角度である。それは、それ故に、常に間隔[0°−90°]に含まれる角度である。
【0053】
2つの異なるプレートの平行セグメントの平均の方向(または配向)であって、方向の一方は、他方に対して<90°の角度アルファによってオフセットされる、方向は、明らかに、考慮中の2つの方向に対してアルファ/2のオフセット角に対応する中間値(median)方向である。
【0054】
それ故に、装置のプレートの第一の設計バリエーションによると、セクターSkの各プレートPiは、流体を供給しかつ抽出流体を抜き出すために、単一のコネクタ(EMi)に接続される方向に平行なセクターを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、セクターSkの各プレートについて、単一のセクターSkのプレートの平行セグメントパネルの方向は、0または20°以下の角オフセットを有し、セクターSkの平行セグメントパネルを有するパネルの平均の方向は、隣接セクターSk+1またはSk-1のパネルのものに対して70〜90°の範囲(限界値を含む)の角オフセットを有する。
【0055】
このプレートの平行セグメントの方向は、好ましくは、このプレートに接続されたコネクタとの一定の角オフセットを有し、この一定のオフセットは、典型的には、実質的に0であるか実質的に90°であるかのいずれかである。
【0056】
このバリエーションによると、単一セクターSkのプレートの平行セグメントを有するパネルDMEi,jの方向は、それ故に、実質的に類似するかまたは同一である(高くとも20°のオフセットを有する)。対照的に、プレートの平行セグメントパネルの平均の方向は、1つのセクターSkから隣接するセクターへ通過する場合に70〜90°の範囲の角度で変わる。それ故に、2つのプレートごとに、パネルの方向(セクター間)に大きな変化(90°近く)がある。
【0057】
プレートおよび装置の設計における第2のバリエーションでは、セクターSkの各プレートPiは、一方向に平行な複数のセグメントにさらに分割され、供給流体を供給し抜き出された流体を抽出するために単一のコネクタに接続され、同一のセクターSkまたは2つの重ね合わされたセクターに属する2つの重ね合わされた隣接プレートの各集合について、2つのパネルの一方の平行セグメントパネルの方向は、他のプレートの平行セグメントの方向と70〜90°の範囲(限界値を含む)の角オフセットを有する。
【0058】
このバリエーションでは、単一のセクターSkの2つのプレートの平行セグメントの方向は、実質的に90°オフセットされ、この同一のオフセットは、Sk下方のプレートから下部セクターSk+1に属する隣接する下部プレートに通過する場合に存在する。平行セグメントの方向の変化は、それ故に、この場合において、各プレートにおいて起こり、もはや、2つのプレートの各群(各セクター)には起こらず、これは、セクターの方向の変化を増加させる。対照的に、2つのコネクタは、同一のセクター内に0または小さい角オフセットを有するので、この方向変化は、次いで、2つの異なるプレート設計を必要とし、図面が記載される時に説明されるようにセグメントの配向は90°オフセットされる。
【0059】
典型的には、バイパスラインLkは、Lkに接続されるネットワークバルブの最も大きい開口径に少なくとも等しい内径を有する。それ故に、Lkの径は、Lkに直接的に接続されたネットワークバルブの開口径と比較して流れへの制限を構成しない。
【0060】
既に言及されたように、SMBは、抽出液を含みまたは典型的には脱着剤を除くために抽出液を蒸留することによって得られた所望の生成物を豊富に含む(50%超、さらには90%、さらには99%の所望の生成物を含む)還流REにより機能し得る。好ましくは、本発明の装置は、そこで、還流REの順次的供給ネットワークRE-Netを含み、このネットワークは、単一の大径のラインを介してセクターSkのそれぞれに接続される。それ故に、還流ネットワークは、他のプロセス流体F、D、R、Eの方法と同一の方法で接続される。
【0061】
類似した方法では、SMBはまた、第2のラフィネートR2の順次的抜き出しにより機能し得、この場合、本発明の装置は、好ましくは、ネットワークR2-Netを含み、このネットワークR2-Netは、単一の大径ラインを介してセクターSkのそれぞれに接続され、この単一の大径ラインは、単一のネットワークバルブを含み、この単一のネットワークバルブも大径のものである。それ故に、第2のラフィネートネットワークは、他のプロセス流体F、D、R、E、(RE)の方法と同じ方法で接続される。
【0062】
本発明はまた、上記に記載された装置を用いる分離方法であって、1サイクルの間に、各ラインLkが、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で、直列でプレートバルブPiおよびネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkの一つを介してSkのプレートPiのそれぞれにまたはそれらから流通させるために順次的に用いられ、Lkは、1サイクルの間その長さの全体にわたって流体F、D、R、Eのそれぞれによって用いられる、方法に関する。
【0063】
一般に、バイパスラインLkのそれぞれの少なくとも一部の内部洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブのいずれも開でない時に行われ、Lkの全ての内部洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブが開である時に停止させられる。
【0064】
好ましくは、Lkの内部洗い流しは、Skにおける上位に位置するプレートPiからSkにおける下位に位置するプレートPi+1またはPi+2に向かって、Skが流体ネットワークの一つに接続されない時に全時間の期間にわたり行われ、これは、Skに接続されたネットワークバルブの一つが流体の一つをプレートPiに供給またはプレートPiから抜き出すために開である時の期間の直前である。この内部洗い流しは、結果としてプレートPiのための供給または抜き出し期間に先行する期間においてViの開をもたらし(これは、Viの開も必要とする)、これらの連続的な期間の間にViを開または閉にすることを回避する。バルブの移動の数の低減は、これらのバルブの摩耗を低減させ、装置および関連する方法の信頼性を増加させる。
【0065】
一般的には少なくとも2つ、通常は全部のバイパスラインLkの内部洗い流しが行われる。典型的には、内部洗い流しは、少なくとも20%、通常は少なくとも40%、さらには少なくとも50%の時間にわたって行われる。
【0066】
本発明は、全種類のクロマトグラフィー分離、特に、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料から生成物としてパラキシレンを分離する方法、または、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料から生成物としてメタキシレンを分離する方法を行い得る。
【0067】
一般的に、本発明は、上記に記載された装置が、同一数の炭素原子を含有する芳香族炭化水素の供給材料からあらゆる芳香族炭化水素を分離するために用いられることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、従来技術のSMB装置の一部の図示であり、対応するネットワークバルブを有している。
【図2】図2は、本発明のSMB装置の一部を図示しており、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkを含み、対応するネットワークバルブ、プレートバルブおよびバイパス流量制限バルブを有している。
【図3】図3aおよび3bは、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkの場合の本発明の装置の中間セクターおよび底部カラムセクターを図示する。
【図4】図4は、Lkの流れ制限手段がLk上に配置された調節バルブである場合の2つの床および2つのプレートを有する中間セクターSkを図示する。
【図5】図5a、5b、5cおよび5dは、平行セグメントを有する4つのプレートのバリエーションPiをそれらの供給/抽出ネットワークと共に示す。
【図6】図6aおよび6bは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの連続的な隣接プレートの配列における2つのバリエーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
(図面および示される装置の操作の説明)
本発明は、添付図面および説明から容易に理解されることになる。
【0070】
本発明者らは、ここで、従来技術のSMBのクロマトグラフィーカラムの一部を表している図1を参照する。吸着剤の床Ai-1、Ai、Ai+1、Ai+2、Ai+3、Ai+4のそれぞれは、プレートPi-1、Pi、Pi+1、Pi+2、Pi+3、Pi+4の上方に配置されており、前記プレートのそれぞれは、ライン3、4、5、6、7、8をそれぞれ介して、4つの流体ネットワークF、D、R、Eのそれぞれにバルブ(参照符号なし)を介して接続されている。それ故に、プレート当たり4つの主要バルブがある。さらに、プレートは、二つ一組で、バイパスライン1a、1b、1cを介して接続され、バイパスライン1a、1b、1cは、それぞれ、小径バルブ2a、2b、2cを含み、制限されたバイパス流:カラム中を流通する流れの2〜20%の通過が可能にされる。全部で、その時、各プレートPiについて4つの主要バルブと、平均0.5の小径バルブ(2つのプレートについて1つ)とがあり、プレート当たり平均4.5のバルブを与える。
【0071】
このようなカラムを用いるSMBの機能は、当業者に周知である。典型的には、バイパスラインのバルブ2a、2bまたは2cが開であるのは、流体F、D、R、Eのいずれもが、バイパスラインを介して接続された2つのプレートの1つに供給されることもそこから抜き出されもされない時である(バイパスは一時的に使用される)。対照的に、バイパスラインのバルブ2a、または2b、または2cが閉になるのは、流体F、D、R、Eの1つがバイパスラインを介して接続された2つのプレートの1つに供給またはそこから抜き出される時である(バイパスは一時的に使用外である)。
【0072】
図2は、本発明の装置のカラムの一部を示しており、3つのセクターSk、Sk+1、Sk+2を含み、それぞれは、2つの吸着剤の床および直下に位置する2つのプレートを含んでいる。各セクターの2つのプレートは、それぞれ、バイパスラインLk、Lk+1、Lk+2を介して接続され、このバイパスラインLk、Lk+1、Lk+2は、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で流通させるに適している。各バイパスラインは、流体の供給および抜き出しのための一式の4つのネットワークバルブに接続される。従来技術とは対照的に、この一式の4つのバルブは1ではなく2のプレートに供給する。
【0073】
それ故に、第1のセクターSkについて、Pi-1およびPiの両方に供給する4つのネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkがある。
【0074】
各プレートはまた、対応するバイパスラインLkまたはLk+1またはLk+2に、コネクタ(図中のラインの水平部に対応する)を介して接続され、このコネクタは、プレートに属する単一の二方向分離制御バルブ(プレートバルブと称する):Vi-1、Vi、Vi+1、Vi+2、Vi+3、Vi+4を含む。セクターのそれぞれの下部プレートバルブVi、Vi+2、Vi+4はさらに、小さい第2バイパスラインlk、lk+1、lk+2を有し、この第2バイパスラインlk、lk+1、lk+2は、典型的には小径のものであるバルブvi、vi+2、vi+4を備えている。
【0075】
全体で、2つのプレートの各セクターについて、4つのネットワークバルブ、2つのプレートバルブおよび第2バイパスにおける一つの小径バルブ、すなわち7つのバルブがあり、プレート当たり平均3.5のバルブを与える。
【0076】
装置は以下のようにして作動する:
例えばセクターSkについて、所与の期間において、流体F、D、R、Eの1つがプレートPi-1に供給されるべきまたはそこから抜き出されるべき時に、対応するネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEk並びにプレートバルブVi-1が開にされる。セクターSkの他のネットワークバルブ並びにViおよび小さい第2バイパスバルブviはそれ故に閉にされる。
【0077】
別の期間において、流体F、D、R、Eの1つが、プレートPiに供給されるべきまたはそこから抜き出されるべき時に、対応するネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkおよびプレートバルブViが開にされる。セクターSkの他のネットワークバルブ並びにVi-1は、それ故に、閉にされる。小さい第2バイパスバルブviは閉のままにされ得る。
【0078】
第3の期間において、流体F、D、R、EがプレートPi-1およびPiに供給されるべきでなくそれらから抜き出されるべきでもない時に、ネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkは閉にされる。制限されたバイパス流が、その時、Vi-1を開にし、Viを閉にし、小さい第2バイパスバルブviを開にすることによって、ラインLk中に流通させられる(Pi-1から抜き出され、およびPiに注入される)。それ故に、小さいバイパス流がlkを介して保証される。viは、典型的には、流量計(図示せず)からの流量を調節することによって操縦される調節(漸進的に開く)バルブである。
【0079】
他のセクターSk+1、Sk+2は、類似の方法で機能する。
【0080】
図3aおよび3bは、2つの床および2つのプレートを有するセクターを図示する。図3bは、カラム底部におけるそのようなセクターを示す。本発明によると、Pi+1で表示されるラインは、明らかに、床Ai+1の下に位置するプレートと置き換わることが仮定され、このプレートは、カラム底部に存在しない。
【0081】
図4は、2つの床および2つのプレートを有するセクターSkであって、バイパス流量制限手段が、バルブviを有する第2バイパスを含まないが、大径のバルブ9が、ラインSk自体の上に配置されるものを示す(関連する流量測定手段(図示せず)を有する)。
【0082】
図5a、5b、5cおよび5dは、平行セグメントパネルDMEi,jを有するプレートPiおよびそれらの供給/抽出ネットワークの種々の実施形態の平面図を示す。本発明は、このネットワークの分枝の表面形状と関係していない。
【0083】
図5a、5bおよび5cに対応するプレートのそれぞれについて、供給/抽出プロセス流体ネットワークに接続された単一のコネクタEMiは、カラムに入り、半径方向ラインを介して半径方向にカラムの中心に接続し、この中心において、2への第1の分割が行われる。一連の連続的なさらなる分割は、パネルDMEi,jの全てを個々に提供し得、プレートのセクション全体にわたって整然とした方法でSMB流体が供給され、これが抜き出される。
【0084】
図5dのプレートについて、半径方向のラインは、より上流でさらに分割され、カラムの中心を介して通過しておらず、これは、プレートおよびプレート上に位置する吸着剤床を支持するために中心支柱が設置され得ることを意味する。
【0085】
図5aおよび5bのプレートについて、パネルDMEi,jは、コネクタEMiに対して垂直に、非配向(non oriented)の直線(10)によって示される1つの同一の方向に平行に延びている。平行セグメントのこの方向は、コネクタEMiに対して90°の角オフセットを有する。
【0086】
対照的に、図5cおよび5dのプレートについて、パネルDMEi,jは、コネクタEMiおよび非配向直線(11)によって示された方向に平行に延びている。それ故に、平行セグメントのこの方向は、コネクタEMiに対して0の角オフセットを有する。
【0087】
プロセス流体の順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークの分枝は、種々の方法で行われ得る。図5aおよび5cのプレートのネットワークは、2への両方の分割、例えば、パネルへの接続のための末端(12)の上流の分割、さらには傾斜した(raked)さらなる分割を含む。
【0088】
図5bおよび5dのプレートのネットワークは、専ら、2への連続的な分割を含む。US-5 938 333において開示されるもの等の分割を用いることも可能である。
【0089】
一般に、ラインの寸法は、分枝により減少するが、同一径のラインを有するネットワークの部分と、下流の1または2の分枝上の径が低減した2への分割等を有することも可能である。本発明の範囲は、丁度1つというよりもむしろ2つの末端(12)を介してそれぞれのパネルDMEi,jに供給することも包含する。
【0090】
図6aは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの隣接する重ね合わされたプレートの配置における第1のバリエーションを示す。このバリエーションでは、全てのプレートは、図5bの設計を有し、1つのプレートの平行セグメントパネルDMEi,jの全ては、このプレートに対応する単一のコネクタEMiに垂直であり、それ故に、このコネクタと90°の角オフセットを有している。
【0091】
同一のセクターSkに属するプレートPi-1およびPiのコネクタは重ね合わせられ、それ故に、0の角オフセットを有する。この理由のために、点線として示されるラインLkは、典型的には、最少長さのものであり、カラムに絡みつく必要がないので設置することが容易である。
【0092】
同一の直下のセクターSk+1に属するプレートPi+1およびPi+2のコネクタも重ね合わされ、それ故に、これも0の角オフセットを有する。この理由のため、点線で示されるラインLk+1も、典型的には、最少長さのものであり、カラムに絡みつく必要がないので容易に設置される。
【0093】
Sk+1のコネクタは、対照的に、Skのコネクタに対して90°オフセットされる。これはまたSkのプレートの平行セグメントパネルの方向に対して90°オフセットされるSk+1のプレートの平行セグメントパネルの方向についての場合である。それ故に、2つのプレート毎に、すなわち、セクター間に平行セグメントの90°の角オフセットがある。この配置は、供給/抽出システムの不完全な均一性のために、カラムセクションにおける流体流通不均一性の蓄積を回避または制限することができる。それは、直接的に重ね合わされ、結果としてそれぞれの新しいプレートに起因して不均一性の蓄積をもたらすプレートの全部を有する配置と比較してカラムセクションの種々の点における吸着フロントを規則化する傾向がある。
【0094】
図6aの4つの隣接の重ね合わされた(隣接)プレートの配置におけるバリエーションは、それ故に、設置することが容易であるバイパスラインLk、Lk+1についての両方の典型的に最少の長さを生じさせ得るが、カラム内の流通不均一性の蓄積を回避または制限することもできる。最後に、それは、カラムの1つの母線上のコックの集積を回避することができ、コネクタは、それぞれの新しいセクターにおいて90°オフセットされる。これは、カラムの機械挙動に有利であり、弱体化させられない。
【0095】
図6bは、2つのセクターSkおよびSk+1に対応する4つの連続する隣接プレートの配置における別のバリエーションを示す。このバリエーションでは、プレートの平行セグメントパネルの方向において1つのまたは隣接するプレート(最も近いプレート(単数または複数))の平行セグメントパネルの方向に対して(すなわちプレート間であってセクター間でない)90°の角オフセットがある。これは、カラム中の流通不均一性の蓄積における制限をさらに増加させる。
【0096】
1つのセクターSkまたはSk+1の2つのコネクタ(コック)は、典型的には最少長さを有して設置し易いバイパスラインの利点を維持するために重ね合わされたままである。これは、異なる分配ネットワークを有する2タイプのプレートの交互使用によって達成される:図5aの設計に従う一方のタイプ(Pi-1およびPi+2)および図5cの設計に従う一方のタイプ(PiおよびPi+1)。
【0097】
それ故に、このバリエーションは、2つの異なるタイプのプレートを用いるのとは対照的に、平行セグメントの配向の変化に伴うプレートのより頻繁な変更を可能にする。それは、典型的には最少長さのものであり設置が容易であるバイパスラインの利点を維持する。
【0098】
(最良の実施形態)
本発明の最良の実施形態は、SMBであって、単数または複数のカラムがセクターSkによって本質的に構成され、該セクターSkは、頭部プレートを含むカラム頭部を明らかに除いて2つの床および2つのプレートを有する、SMBである。セクターSkは、小径バルブviを備える小さい二次的バイパスラインlkを含む。このような装置では、例えば24個の床および24個のプレート(例えばそれぞれ12個の床および12個のプレートのループの2つのカラム)で、カラム当たり6つのセクターSk、すなわち、全部で12個がある。それ故に、SMBを制御するために、24個に過ぎないプレートバルブ、4×12=48個のネットワークバルブ(必要とされる12個のセクターSkのそれぞれについて4つ)、すなわち、12個の小さい調節バルブviが加えられなければならない72個の主要バルブ(二次的バイパス)、すなわち、全部で84個のバルブが必要とされ、これは、プレート当たりバルブ平均3.5個を表す。
【0099】
図1に対応する従来技術では、等価のSMBは、4×24=96個の主要バルブ(プレート当たり4つのバルブ)および12個の縮小された径のバルブ、すなわち、合計108個のバルブを必要とし、プレート当たりバルブ4.5個である。
【0100】
装置の好ましい実施形態のプレートおよびそれらの平行セグメントは、図6aに示されるように、二つ一組で90°オフセットされるか(セクター毎;プレートの表面形状の変化を伴わない)、または、図6bに示されるように一つずつ、90°オフセットされ(プレート毎;プレート表面形状の変化を伴う)、これは、カラム中の流体の流れを規則化し、主要外部バイパスラインLkの容積を低減させ、これは、カラム周りに巻き付く必要がなく、重ね合わされたコック(コネクタ)の蓄積によるカラムの弱体化を伴わない。
【0101】
上記の本発明の装置は、クロマトグラフィー分離のための任意の方法のために用いられ得るが、特には、芳香族炭化水素を、8個の炭素原子を本質的に含有しかつ当該芳香族炭化水素を含む芳香族炭化水素の供給材料から分離するために用いられる。
【0102】
特に、それは、例えばFR-2 789 914において記載されるように、脱着剤としてのトルエンまたはパラジエチルベンゼンおよび吸着剤としてのゼオライトを用いて、本質的にC8炭化水素からなる芳香族留分からパラキシレンを分離するために用いられ得る。それはまた、脱着剤としてのとしてトルエンまたはテトラリンおよび吸着剤、例えば、US-5 900 523および特許出願FR-05/52.485およびFR-05/52.486に記載されたものを用いて、芳香族C8留分からメタキシレンを分離するために用いられ得る。
【0103】
それはまた、例えば脱着剤としての直鎖ブタンまたは直鎖ペンタン(場合によっては不活性な希釈剤としてのイソオクタン)および吸着剤としての5Aゼオライトを用いて、炭化水素、特には、パラフィン性またはパラフィン性かつナフテン性の混合物から(炭化水素の残余から分離された)1種以上の直鎖パラフィンを分離するために用いられ得る。
【0104】
最後に、それは、当該技術において既知の条件下、例えば、カルシウムで交換されたXゼオライトを用いて、少なくとも1種のオレフィンを、当該炭化水素を含む炭化水素留分から分離するために用いられ得る。
【0105】
本発明は、上記記載に制限されず、それを行うために、当業者は、自由に、当該技術において既知である任意の他の特徴的技術を採用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬似移動床吸着によって、少なくとも1種の所望の化合物を、該化合物を含む混合物から分離するための装置であって、
少なくとも1つのカラムであって、複数の吸着剤床Aiに分割され、該複数の吸着剤床Aiは、少なくとも2種の供給流体:供給材料Fおよび脱着剤Dおよび少なくとも2種の抜き出し流体:ラフィネートRおよび抽出液Eの順次的供給および抽出のための分配器/抽出器プレートPiによって分離され、Piは、床Aiとその直下の床Ai+1の間に配置される、カラムを含み、
該装置は、さらに、流体のネットワーク、すなわち、供給材料ネットワークF-Net、脱着剤ネットワークD-Net、ラフィネートネットワークR-Netおよび抽出液ネットワークE-Netを少なくとも含み、該ネットワークのそれぞれは、複数のラインを介してカラムに接続され、該ラインは、該流体の順次的供給または抜き出しのために、ネットワークバルブと称される二方向制御分離バルブを含み;
該カラムは、その高さの少なくとも主要部分にわたって、複数の重ね合わされた隣接したセクターSkに分割され、各セクターSkは、カラムセクターによって本質的に構成され、該カラムセクターは、2つの連続する吸着剤の床と、該連続的吸着剤の床の直下に配置された2つの分配器/抽出器プレートPiとを本質的に含み;
セクターSkのそれぞれの分配器/抽出器プレートPiのそれぞれは、流体F、D、R、Eの順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークであり;
各セクターSkのプレートPiは、外側のバイパスラインLkを介して一緒に接続され、該バイパスラインLkは、コネクタ(EMi)を介してSkの各プレートPiに接続され、該コネクタ(EMi)は、流体F、D、R、EのPiへの順次的供給またはPiからの抜き出しのために、プレートバルブViと称される、プレートPiに属する単一の二方向制御分離バルブを含み;
該バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流量を制限するための少なくとも1つの制御手段を含み、これは、ラインLk上またはプレートバルブViまたはSkのプレートPiの周りのバイパス中のいずれかに設置され;
セクターSkのそれぞれのバイパスラインLkは、単一のラインを介してネットワークF-Net、D-Net、R-NetおよびE-Netのそれぞれに接続され、該単一のラインは、対応する流体F、D、R、Eを順次的に考慮中のセクターSkに供給しまたはそのセクターSkから抜き出すために単一のネットワークバルブ、それぞれ、VF、VD、VR、VEを含み;
該装置は、少なくとも2つの重ね合わされた隣接するセクターSkおよびSk+1を含み、Skは、プレートPi-1およびPiを含み、該プレートPi-1およびPiは、外側バイパスラインLkを介して接続され、該外側バイパスラインLkは、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi-1およびViを含み、Sk+1は、プレートPi+1およびPi+2を含み、該プレートPi+1およびPi+2は、外側バイパスラインLk+1を介して接続され、該外側バイパスラインLk+1は、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi+1およびVi+2を含み、カラム上の該Skの2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、カラム上のSk+1の2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、Skのコネクタは、コネクタSk+1と、平均角オフセット70〜110°を有する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、頭部プレートを含むカラム頭部および場合によっては下部床および/または下部プレートを含むカラム底部を除いてカラム全体は、2つのプレートの複数の重ね合わされたセクターによって構成され、単一のセクターSkの2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、それらのコネクタの平均角オフセット70〜110°を有する、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、任意のセクターSkのコネクタは、それらの間に、実質的に0の角オフセットを有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、実質的に90°のそれらのコネクタの平均角オフセットを有する、装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置であって、セクターSkの各プレートPiは、一方向に平行なセグメントを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、該パネルDMEi,jは、供給流体を供給し、抜き出し流体を抽出するために単一のコネクタ(EMi)に接続され、セクターSkの各プレートについて、単一のセクターSkのプレートの平行セグメントパネルの方向は、それらの間に、角オフセット0または20°以下を有し、セクターSkのプレートの平行セグメントパネルの平均の方向は、隣接セクターSk+1またはSk-1のパネルの方向に対して角オフセット70〜90°(限界値を含む)を有する、装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置であって、セクターSkの各プレートPiは、一つの方向に平行なセグメントを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、供給流体の供給および抜き出し流体の抽出のために単一のコネクタ(EMi)に接続され、単一のセクターSkまたは2つの重ね合わされたセクターに属する2つの重ね合わされた隣接するプレートの各集合について、プレートの1つの平行セグメントの該方向は、他方のプレートの平行セグメントの方向と角オフセット70〜90°(限界値を含む)を有する、装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置であって、バイパスラインLkは、Lkに接続されたネットワークバルブの最も大きい開口径に少なくとも等しい内径を有する、装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置であって、場合により頭部プレートを含むカラム頭部を除くカラム全体は、前記隣接する重ね合わされたセクターSkによって構成され、該カラムは、吸着剤の下部床Anに対応するプレートPnに取り込まれる下部出口ラインを含む、装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置であって、前記バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための少なくとも1つの制御手段を含み、これは、SkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスとして設置される、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記プレートバルブViの周りのバイパスとして設置されるLk中を流通する流れを制限するための前記手段は、Viの径より小さい径の開口を有する制御バルブを含む、装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の装置を用いる擬似移動床吸着によって生成物を分離するための方法であって、1サイクルの間、ラインLkのそれぞれは、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で、直列のプレートバルブPiおよびネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkの1つを介してSkのプレートPiのそれぞれにまたはそこから流通させるために順次的に用いられ、Lkは、1サイクルの間、流体F、D、R、Eのそれぞれによって、その長さの全体にわたって用いられる、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、バイパスラインLkのそれぞれの少なくとも一部の内部の洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブのいずれも開でない場合に行われ、Lkの全ての内部の洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブが開である場合に停止させられる、方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の方法であって、Lkの内部の洗い流しは、Skの上部に位置するプレートPiからSkの下部に位置するプレートPi+1またはPi+2の方に向けて、Skが前記流体ネットワークの1つに接続されておらず、Skに接続されたネットワークバルブの1つが前記流体の1つをプレートPiに供給またはプレートPiから抜き出すために開である期間の直前である任意の期間において行われる、方法。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1つに記載の方法であって、少なくとも2つのバイパスラインLkが洗い流される、方法。
【請求項14】
芳香族炭化水素を、8個の炭素原子を本質的に含有し、前記炭化水素を含む芳香族炭化水素の供給材料から分離するための請求項10〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
8個の炭素原子を本質的に含有する芳香族炭化水素の供給材料からパラキシレンを分離するための請求項14に記載の方法。
【請求項16】
8個の炭素原子を本質的に含有する芳香族炭化水素の供給材料からメタキシレンを分離するための請求項14に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1種の直鎖パラフィン炭化水素を、該炭化水素を含む炭化水素供給材料から分離するための請求項10〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項1】
擬似移動床吸着によって、少なくとも1種の所望の化合物を、該化合物を含む混合物から分離するための装置であって、
少なくとも1つのカラムであって、複数の吸着剤床Aiに分割され、該複数の吸着剤床Aiは、少なくとも2種の供給流体:供給材料Fおよび脱着剤Dおよび少なくとも2種の抜き出し流体:ラフィネートRおよび抽出液Eの順次的供給および抽出のための分配器/抽出器プレートPiによって分離され、Piは、床Aiとその直下の床Ai+1の間に配置される、カラムを含み、
該装置は、さらに、流体のネットワーク、すなわち、供給材料ネットワークF-Net、脱着剤ネットワークD-Net、ラフィネートネットワークR-Netおよび抽出液ネットワークE-Netを少なくとも含み、該ネットワークのそれぞれは、複数のラインを介してカラムに接続され、該ラインは、該流体の順次的供給または抜き出しのために、ネットワークバルブと称される二方向制御分離バルブを含み;
該カラムは、その高さの少なくとも主要部分にわたって、複数の重ね合わされた隣接したセクターSkに分割され、各セクターSkは、カラムセクターによって本質的に構成され、該カラムセクターは、2つの連続する吸着剤の床と、該連続的吸着剤の床の直下に配置された2つの分配器/抽出器プレートPiとを本質的に含み;
セクターSkのそれぞれの分配器/抽出器プレートPiのそれぞれは、流体F、D、R、Eの順次的供給および抜き出しのための単一の共通ネットワークであり;
各セクターSkのプレートPiは、外側のバイパスラインLkを介して一緒に接続され、該バイパスラインLkは、コネクタ(EMi)を介してSkの各プレートPiに接続され、該コネクタ(EMi)は、流体F、D、R、EのPiへの順次的供給またはPiからの抜き出しのために、プレートバルブViと称される、プレートPiに属する単一の二方向制御分離バルブを含み;
該バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流量を制限するための少なくとも1つの制御手段を含み、これは、ラインLk上またはプレートバルブViまたはSkのプレートPiの周りのバイパス中のいずれかに設置され;
セクターSkのそれぞれのバイパスラインLkは、単一のラインを介してネットワークF-Net、D-Net、R-NetおよびE-Netのそれぞれに接続され、該単一のラインは、対応する流体F、D、R、Eを順次的に考慮中のセクターSkに供給しまたはそのセクターSkから抜き出すために単一のネットワークバルブ、それぞれ、VF、VD、VR、VEを含み;
該装置は、少なくとも2つの重ね合わされた隣接するセクターSkおよびSk+1を含み、Skは、プレートPi-1およびPiを含み、該プレートPi-1およびPiは、外側バイパスラインLkを介して接続され、該外側バイパスラインLkは、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi-1およびViを含み、Sk+1は、プレートPi+1およびPi+2を含み、該プレートPi+1およびPi+2は、外側バイパスラインLk+1を介して接続され、該外側バイパスラインLk+1は、2つのコネクタを介してカラムに接続され、該2つのコネクタは、それぞれ、プレートバルブVi+1およびVi+2を含み、カラム上の該Skの2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、カラム上のSk+1の2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、Skのコネクタは、コネクタSk+1と、平均角オフセット70〜110°を有する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、頭部プレートを含むカラム頭部および場合によっては下部床および/または下部プレートを含むカラム底部を除いてカラム全体は、2つのプレートの複数の重ね合わされたセクターによって構成され、単一のセクターSkの2つのコネクタは、それらの間に、カラムの軸に対して角オフセット0または20°以下を有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、それらのコネクタの平均角オフセット70〜110°を有する、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、任意のセクターSkのコネクタは、それらの間に、実質的に0の角オフセットを有し、任意の2つの隣接する重ね合わされたセクターは、それらの間に、実質的に90°のそれらのコネクタの平均角オフセットを有する、装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置であって、セクターSkの各プレートPiは、一方向に平行なセグメントを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、該パネルDMEi,jは、供給流体を供給し、抜き出し流体を抽出するために単一のコネクタ(EMi)に接続され、セクターSkの各プレートについて、単一のセクターSkのプレートの平行セグメントパネルの方向は、それらの間に、角オフセット0または20°以下を有し、セクターSkのプレートの平行セグメントパネルの平均の方向は、隣接セクターSk+1またはSk-1のパネルの方向に対して角オフセット70〜90°(限界値を含む)を有する、装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置であって、セクターSkの各プレートPiは、一つの方向に平行なセグメントを有する複数のパネルDMEi,jにさらに分割され、供給流体の供給および抜き出し流体の抽出のために単一のコネクタ(EMi)に接続され、単一のセクターSkまたは2つの重ね合わされたセクターに属する2つの重ね合わされた隣接するプレートの各集合について、プレートの1つの平行セグメントの該方向は、他方のプレートの平行セグメントの方向と角オフセット70〜90°(限界値を含む)を有する、装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置であって、バイパスラインLkは、Lkに接続されたネットワークバルブの最も大きい開口径に少なくとも等しい内径を有する、装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置であって、場合により頭部プレートを含むカラム頭部を除くカラム全体は、前記隣接する重ね合わされたセクターSkによって構成され、該カラムは、吸着剤の下部床Anに対応するプレートPnに取り込まれる下部出口ラインを含む、装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置であって、前記バイパスラインLkのそれぞれは、Lk中を流通する流れを制限するための少なくとも1つの制御手段を含み、これは、SkのプレートPiのプレートバルブVi周りのバイパスとして設置される、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記プレートバルブViの周りのバイパスとして設置されるLk中を流通する流れを制限するための前記手段は、Viの径より小さい径の開口を有する制御バルブを含む、装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の装置を用いる擬似移動床吸着によって生成物を分離するための方法であって、1サイクルの間、ラインLkのそれぞれは、流体F、D、R、Eをそれらの額面上の流量で、直列のプレートバルブPiおよびネットワークバルブVFk、VDk、VRk、VEkの1つを介してSkのプレートPiのそれぞれにまたはそこから流通させるために順次的に用いられ、Lkは、1サイクルの間、流体F、D、R、Eのそれぞれによって、その長さの全体にわたって用いられる、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、バイパスラインLkのそれぞれの少なくとも一部の内部の洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブのいずれも開でない場合に行われ、Lkの全ての内部の洗い流しは、Lkに接続されたネットワークバルブが開である場合に停止させられる、方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の方法であって、Lkの内部の洗い流しは、Skの上部に位置するプレートPiからSkの下部に位置するプレートPi+1またはPi+2の方に向けて、Skが前記流体ネットワークの1つに接続されておらず、Skに接続されたネットワークバルブの1つが前記流体の1つをプレートPiに供給またはプレートPiから抜き出すために開である期間の直前である任意の期間において行われる、方法。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1つに記載の方法であって、少なくとも2つのバイパスラインLkが洗い流される、方法。
【請求項14】
芳香族炭化水素を、8個の炭素原子を本質的に含有し、前記炭化水素を含む芳香族炭化水素の供給材料から分離するための請求項10〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
8個の炭素原子を本質的に含有する芳香族炭化水素の供給材料からパラキシレンを分離するための請求項14に記載の方法。
【請求項16】
8個の炭素原子を本質的に含有する芳香族炭化水素の供給材料からメタキシレンを分離するための請求項14に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1種の直鎖パラフィン炭化水素を、該炭化水素を含む炭化水素供給材料から分離するための請求項10〜13のいずれか1つに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【公表番号】特表2010−520809(P2010−520809A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553174(P2009−553174)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000204
【国際公開番号】WO2008/125751
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509119887)イエフペ (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000204
【国際公開番号】WO2008/125751
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509119887)イエフペ (21)
【Fターム(参考)】
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