説明

減圧ブリッジングおよび/または滲出物収集装置

滲出する創傷の治癒を促進する装置は、創傷を覆って位置決めされるカバー層を含み、創傷を覆うレザバーを規定する。繊維コアを有する滲出物導管は、複数の繊維を含み、流体を創傷から毛管作用で搬送するレザバーに連絡する。繊維のうちの少なくともいくつかは、滲出物導管の創傷端部に少なくとも部分的に隣接して接している。滲出物導管は、繊維コアを少なくとも部分的に収容する外側スリーブを含み、繊維のうちの少なくともいくつかは、外側スリーブを越えて延在する。繊維のうちの少なくとも1つは、疎水性材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、一般的に創傷療法に関し、より具体的には、陰圧創傷療法中の創傷滲出物を管理する減圧ブリッジングおよび/または滲出物収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
創傷の治癒を促進するさまざまな技術は、吸引を創傷に提供することに関する。例えば、減圧供給源は、創傷滲出物を創傷から搬送する役目をし得る。そうでない場合、創傷は、身体の自然治癒処理を阻止する細菌の住みか(harbor)となり得る。自然治癒処理を促進する1つの技術は、陰圧創傷療法(NPWT)として説明され得る。この技術は、減少された圧力(例えば、大気の常態値以下の圧力)の創傷を覆う限局性レザバーに対する印加に関する。大気の常態値以下の圧力は、血流を範囲に促進する(これは、肉芽組織の形成および健康な組織の創傷を覆う転移を刺激する)ことによって、創傷を閉じる助けをすることが分かっている。この技術は、慢性創傷または非治癒性創傷に対して効果的であることが判明しているが、術後創傷ケアのような他の目的のためにも用いられてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
そのため、本開示は創傷療法におけるさらなる発展に関する。一実施形態に従って、滲出する創傷の治癒を促進する装置は、創傷を覆うレザバーを規定するために創傷を覆って位置付けられるカバー層を含む。繊維コアを有する滲出部導管は、創傷から流体を毛管作用によって搬送するレザバーと連絡している複数の繊維を含む。滲出物導管は、カバー層の直近に位置付けられるように適合されている創傷端部と、減圧供給源と流体接続するように適合されている減圧端部とを含み得る。減圧供給源は、滲出物導管の減圧端部と流体連絡し得、減少された圧力をレザバー内に確立するように動作可能であり得る。収集キャニスターは、滲出物導管の減圧端部と流体接続するように適合され得、それによって、減圧供給源は、減圧を収集キャニスターを通して得る。
【0004】
一実施形態において、滲出物導管内の繊維のうちの少なくともいくつかは、滲出物導管の創傷端部に少なくとも部分的に隣接して接し得る。滲出物導管は、外側スリーブを越えて延在する繊維のうちのいくつかを有する繊維コアを少なくとも部分的に収容する外側スリーブを含み得る。繊維のうちの少なくとも1つは、疎水性材料を含み得る。
【0005】
繊維コアは、繊維の内側バンドルおよび繊維の外側バンドルを含み得る。内側バンドルは、流体吸収を抑制する疎水性繊維を含み得、外側バンドルは、流体吸収を促進する親水性繊維を含み得る。代案において、繊維の外側バンドルは、繊維の内側バンドルの周りに編成、製織またはより合わせられる。繊維コアは、少なくとも1つの添加剤を含み得る。添加剤は、抗菌物質、防腐剤および表面活性剤のうちの1つであり得る。繊維コアは、減圧端部に隣接している添加剤の濃度より大きい創傷端部に隣接している添加剤の濃度を含み得る。
【0006】
外側スリーブは、半透性材料を含み得る。一実施形態において、外側スリーブは、第二の断面寸法より大きい第一の断面寸法を規定し、それによって、外側スリーブのプロファイルを減少させる。
【0007】
創傷の治癒を容易にする方法も開示される。方法は、
創傷被覆材を創傷を覆って適用する工程と、
繊維コアを有する滲出物導管を創傷被覆材に流体接続する工程と、
滲出物導管を、減圧ポートを組み込む第二のレザバーの中へ延在させる工程と、
第二のレザバーを減圧供給源に減圧ポートを介して接続する工程であって、それによって、減圧供給源を第一のレザバーに滲出物導管を介して接続する、工程と
を含む。
【0008】
開示の別の局面に従って、複合創傷被覆材装置は、創傷を覆うレザバーを規定するカバー層を含む。レザバーにおいて、実質的に流体密な密閉を創傷の周りに形成することによって、陰圧が維持され得る。カバー層は、カバー層の中にアパーチャを含み、アパーチャを通して、流体はレザバーから抽出され得る。細長いウィックは、第一の端部および第二の端部を有し、第一の端部は、レザバーにカバー層におけるアパーチャを通して流体連絡しており、第二の端部は、カバー層におけるアパーチャに対して離れて配置されている。細長いウィックは、細長いウィックを通した流体の長手方向の輸送のために適合されている。可撓性ウィックカバーは、細長いウィックを覆って延在しており、第一の端部および第二の端部を有する。ウィックカバーの第一の端部は、実質的に流体密な密閉をカバー層におけるアパーチャを覆って形成するように構成されており、第二の端部は、第二の端部の中にアパーチャを含み、アパーチャを通して、流体は、細長いウィックから抽出され得る。流体ポートは、ウィックカバーに連結されており、細長いウィックの第二の端部とウィックカバーにおけるアパーチャを通して流体連絡している。流体ポートは、流体導管を創傷に対して離れた場所において受け取るように構成されている。
【0009】
装置は、細長いウィックの少なくとも一部の下に位置決めされた皮膚カバーを含み得ることによって創傷に隣接する皮膚表面との流体の接触を実質的に最小化する。皮膚カバーは、細長いウィックの一部を収容する取り囲みを規定するように適合され得る。
【0010】
ウィックカバーは、ウィックカバー上に流体ポートからの距離を示す印を含み得る。印は、ウィックカバーの中央に設けられた罫線を含み得る。流体ポートは、ウィックカバーの下側に連結されたフランジを含み得る。
【0011】
細長いウィックは、細長いロープとして配列された連続合成繊維から構築され得る。細長いウィックは、ポリヘキサメチレンビグアニドのような抗菌性薬剤によって処理され得る。
【0012】
開示の別の局面に従って、複合ブリッジング被覆材および送達装置は、下部表面および上部表面を有するウィックカバーを含む。ウィックカバーが流体密な密閉を患者の皮膚と形成し得るように、下部表面は、圧力センシティブな接着剤によって少なくとも部分的にコーティングされている。細長いウィックは、ウィックカバーの下部表面に付着され、細長いウィックは、細長いウィックを通した流体の長手方向の輸送のために適合されている。細長いウィックがウィックカバーと裏張り層との間に挿入されるように裏張り層は、ウィックカバーの下部表面に解除可能な態様で付着される。
【0013】
ウィックカバーは、ウィックカバーの中にアパーチャを含み得、アパーチャを通して、創傷流体は抜かれ得る。流体ポートは、ウィックカバーに連結され得、流体ポートは、流体連絡を減圧供給源と細長いウィックとの間にウィックカバーを通して提供するように構成されている。解除可能送達層は、ウィックカバーの上部表面に付着され得る。ウィックカバーのうちの少なくとも1つにおいて、裏張り層および送達層は、それらの上にアパーチャに沿った長さを示す印を含む。識別子が装置の層が分離されるべき順番を示す視覚的待ち行列を提供するために含まれ得る。装置は、9インチを超える長さを有し得る。
【0014】
開示の別の局面に従って、陰圧創傷療法装置は、創傷を覆うレザバーを規定するカバー層を含み、レザバーにおいて、実質的に流体密な密閉を創傷の周りに形成することによって陰圧が維持され得る。カバー層は、カバー層の中にアパーチャを含み、アパーチャを通して、流体は、レザバーから抽出され得る。細長いウィックは、第一の端部および第二の端部を有し、第一の端部は、カバー層におけるアパーチャを通してレザバーと流体連絡しており、第二の端部は、カバー層におけるアパーチャに対して離れて配置されている。細長いウィックは、細長いウィックを通した流体の長手方向の輸送のために適合されている。可撓性ウィックカバーは、細長いウィックを覆って延在し、第一の端部および第二の端部を有する。ウィックカバーの第一の端部は、実質的に流体密な密閉をカバー層におけるアパーチャを覆って形成するように構成されており、ウィックカバーの第二の端部は、それらの中にアパーチャを含み、アパーチャを通して流体が細長いウィックから抽出され得る。減圧供給源は、レザバーに流体連絡しており、減圧供給源は、陰圧をレザバーの中に生成するために適切である。
【0015】
この明細書に組み込まれ、その一部をなす添付の図面は、本開示の実施形態を下に与えられる実施形態の詳細な説明と共に例示し、開示の原理を説明する役目をする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示に従ったNPWT装置の断面図である。
【図2】図2は、本開示の別の実施形態に従ったNPWT装置の断面図である。
【図3】図3は、繊維コアを含む滲出物導管の透視図であり、繊維コアは、創傷と図1の減圧供給源との間に接続を形成する。
【図4A】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図4B】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図4C】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図4D】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図4E】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図4F】図4A〜図4Fは、本開示の滲出物導管の個々の繊維のさまざまな断面を描写する概略図である。
【図5A】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5B】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5C】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5D】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5E】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5F】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図5G】図5A〜図5Gは、本開示の滲出物導管の個々の繊維に対するさまざまな同時押出配列を描写する概略図である。
【図6A】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6B】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6C】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6D】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6E】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6F】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6G】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6H】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6I】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図6J】図6A〜6Jは、本開示の滲出物導管の繊維コアのさまざまな構成を描写する部分的直交図である。
【図7】図7は、パーツを分離させた、本開示に従った滲出物導管および創傷被覆材の透視図である。
【図8A】図8Aは、流体ポートを創傷を治療する減圧レザバーの近辺に含むNPWT治療装置の断面図である。
【図8B】図8Bは、代替の構成において取り付けられた図8Aの流体ポートの部分的断面図である。
【図8C】図8Cは、さらなる代替の構成において取り付けられた図8Aの流体ポートの部分的断面図である。
【図9】図9は、本開示の別の実施形態に従ったNPWT装置の区分図である。
【図10A】図10Aは、創傷に適用される本開示に従った、離れた場所において流体ポートを有する複合創傷被覆材およびブリッジング被覆材の断面図である。
【図10B】図10Bは、流体ポートなしで適用されるブリッジング被覆材の代替の構成の部分的断面図である。
【図11】図11は、本開示に従った複合ブリッジング被覆材および送達システムの分解組み立て透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態の詳細な説明)
本開示のNPWTシステムは、減圧供給源への接続に対して適切なフィッティングを有する可撓性ロープロファイル滲出物導管を組み込む。滲出物導管のスリーブは、減圧下で創傷から流体を毛管作用で搬送するためにスリーブの中に配置された繊維の集まりを含む。創傷流体は減圧供給源の方へ引かれ、それによって流体収集容器の働きをするので、スリーブは、また、創傷流体を保持し得る。
【0018】
1つのNPWTプロトコルは、例えば、創傷を覆って減圧レザバー(減少された圧力が個別の減圧排気処理または周期的減圧排気処理によって印加され得る)を確立するために、創傷をポリマーフィルムのような可撓性カバー層によって覆うことに関する。減少された圧力を創傷に送達する2つの方法は、管がガーゼまたは気泡体のような適切な充填材料によって囲まれるように管構造をカバー層を通して創傷床の中に設置し、創傷を粘着性コーティング薄フィルムによって覆うことで創傷範囲を密閉することか、または創傷を適切な充填材料によって詰め込み、密閉し、創傷を粘着性コーティング薄フィルムによって覆うことで創傷を密閉し、減圧接続をカバー層の外側フィルム表面に据え付けることかのどちらかによる。フィルム被覆材に据え付けられる減圧接続は、硬質または半硬質であり得る形成ポリマー材料であり得る。しかし、しばしば、創傷の場所、管または硬質減圧接続を用いることは望ましくしない。なぜならば、接続からの結果の圧力点は、創傷範囲へのさらなる損傷の原因と潜在的になり得るか、または創傷治癒を遅らせ得るからである。この状況において、ブリッジング(同じ材料または類似の材料が、創傷を充填し、密閉することによって、創傷部位から減圧供給源への接続のある範囲まで延びるロープロファイルチャネルを形成する)として公知の技術が患者にとってより問題が少なくあり得、創傷に与える損傷が潜在的により少なくあり得る。従来の技術は、構造を注文組み立てするためにかなりの臨床医の時間量を要求する。従来の技術は、また、より多くの被覆材材料または時には異なる被覆材材料の消費によって、治療コストの増加を要求する。
【0019】
まず、図1を参照すると、本開示に従ったNPWT装置が健康な皮膚「s」によって囲まれた創傷「w」における使用のために、全体が10として描写される。NPWT装置10は、創傷「w」に対して位置決めされた創傷被覆材12を含むことによってレザバー14を規定する。レザバー14において、治癒を刺激するのに適切な陰圧が維持され得る。
【0020】
創傷被覆材12は、創傷「w」の床に直接接触して位置決めされた接触層18を含み得、穿孔フィルム材料から形成され得る。適切に穿孔をあけられた材料は、レザバーに印加された陰圧が創傷「w」の中へ貫通することを可能にし、滲出物が接触層18を通して引かれることも可能にする。非粘着性材料は、接触層18が取り除かれたときに創傷「w」または周囲の組織に粘着することがないように選択され得る。接触層18として用いられ得る例示的材料は、商標XEROFORM(登録商標)、CURITY(登録商標)およびVENTEX(登録商標)の下、Tyco Healthcare Group LP(Covidienの名称で事業経営中)によって販売される。
【0021】
創傷充填物20は、創傷「w」において随意接触層18を覆って位置決めされ、創傷被覆材12が創傷滲出物を吸収および捕捉することを可能にすることが意図される。創傷充填物20は、任意の創傷「w」の形状をとり得、健康な皮膚「s」の高さまで詰め込まれ得るように順応可能である。創傷充填物20として用いられ得る例示的材料は、商標KERLIX(登録商標)、EXCILON(登録商標)およびWEBRIL(登録商標)の下、全てTyco Healthcare Group LP(Covidienの名称で事業経営中)によって販売される。
【0022】
創傷被覆材12は、また、可撓性膜の形態であるカバー層24を含む。カバー層24は、カバー層24の外周26における生体親和性接着剤が実質的に流体密な密閉を皮膚「s」の周囲と形成するように、創傷「w」を覆って位置決めされ得る。したがって、カバー層24は、汚染物質が創傷「w」に入るのを妨げる微生物バリアおよび減圧レザバー14の一体性を維持する流体バリアの両方として作用し得る。カバー層24は、創傷「w」と大気との間の酸素および水分の交換を促進する水蒸気透過性膜から形成され得る。十分な水蒸気透過率(MVTR)を提供する膜は、商品名POLYSKIN(登録商標)IIの下、Tyco Healthcare Group LP(Covidienの名称で事業経営中)によって販売される透明膜である。透明膜は、創傷状態の評価がカバー層24の取り除きを要求せずになされることを可能にする。あるいは、カバー層24は、不透過性膜24を含み得る。カバー層24は、実質的に硬質膜であり得る。
【0023】
滲出物導管30は、装置10を通り抜ける流体流路を提供する。滲出物導管30は、レザバー14内またはレザバー14の直近にカバー層24を通して位置決めされ得る。カバー層24は、滲出物導管30を解除可能および流体密な態様で受け取るように適合される。滲出物導管30は、レザバー14から延在しており、レザバー14と減圧供給源50との間に流体連絡を提供する。滲出物導管30は、ロープロファイルおよび可撓性であり得ることによって創傷被覆材12を減圧供給源50に接続するユーザによる簡易な適合を可能にする。ロープロファイルは、患者の皮膚上の圧力点を減少させ、それによって、皮膚表面の圧力刺激または創傷自体における圧力刺激のリスクを減少させる。
【0024】
実施形態において、収集キャニスター52は、図2において例示されるレザバー14と減圧供給源50との間に延在し得る。流体導管54は、減圧供給源50との流体連絡を提供する収集キャニスター52から延在する。任意の適切な導管が、エラストマー材料またはポリマー材料から製造された導管を含む流体導管54として用いられ得る。流体導管54は、減圧供給源50、収集キャニスター52または他の装置構成要素に摩擦ばめ、バヨネット連結または有刺コネクターのような従来の気密な手段によって接続し得る。導管接続は、耐久的になされ得るか、あるいはクイックディスコネクトまたは他の解除可能手段がいく分かの調節柔軟性を装置10に提供するために用いられ得る。
【0025】
随意収集キャニスター52は、創傷流体を含むために適切な任意の入れ物を含み得る。例えば、硬質ボトルが示されるように用いられ得るか、または可撓性ポリマーポーチが適切であり得る。収集キャニスター52は、創傷ドレナージまたはごみを硬化または含む吸収性材料を含み得る。例えば、高吸水性高分子(SAP)、シリカゲル、ポリアクリル酸ナトリウム、カリウムポリアクリルアミドまたは関連化合物がキャニスター52内に提供され得る。少なくともキャニスター52の一部は、透明であり得ることによって創傷滲出物の色、質または量を評価することを助ける。したがって、透明キャニスターは、キャニスターの残りの容量を決定するか、またはいつキャニスターを取り替えるべきかを決定することを助け得る。
【0026】
減圧供給源50は、陰圧をNPWT装置10において生成またはそうでない場合、提供する。減圧供給源50は、生体親和性である蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプまたは他の機構を含み得、流体(例えば、大気および創傷滲出物)を創傷「w」の治癒を刺激するために適切なレザバー14から引く。減圧供給源50は、レザバー14において大気の常態値以下の圧力(約20mmHgと約500mmHgとの間の範囲であり、実施形態において、約75mmHgから約125mmHgまでであり、他の実施形態において、約50mmHgから約80mmHgまでである)を発生させるように適合され得る。減圧供給源50は、流体(例えば、大気および創傷滲出物)を創傷「w」の治癒を刺激するのに適切なレザバー14から引く蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプまたは他の機構であり得る。1つの適切な蠕動ポンプは、Tyco Healthcare Group LP(Covidienの名称で事業経営中)によって製造されるKangaroo PET Enteral Feeding Pumpである。
【0027】
ここで図3を参照すると、滲出物導管30が管腔33を規定するスリーブ32の外側部材を含む。滲出物導管30は、第一または近位端部34、第二または遠位端部36および外側スリーブ32の管腔33内に配置された繊維コア38を有する。外側スリーブ32は、可撓性ポリマー材料および/またはエラストマー材料、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレンのようなポリオレフィン、テレフタル酸ポリエチレンのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドおよびポリウレタンから製造され得る。外側スリーブ32は、刺激しない、生体親和性である材料から構築され得る。実施形態において、外側スリーブ32は、蒸気透過および蒸発を可能にし、したがって、滲出物導管30の流体保有容量を増やす高い水蒸気透過率を有する材料のような通気性材料から製造され得る。
【0028】
外側スリーブ32の壁31は、厚さが約0.002”から約0.020”までの範囲であり得る。外側スリーブ32の直径は、約0.1”から約3”までであり得、用途に依る。さらに、外側スリーブ32は、色が透き通っているか、または半透明であり得ることによって創傷流体の視覚化を可能にする。滲出物導管30は、不透明でもあり得、創傷流体を視覚化するための透明窓を規定し得る。実施形態において、窓は、外側スリーブ32の外周の約15%から約25%までであり得る。外側スリーブ32は、スリーブ32の長手方向軸「k」に関して減少されたプロファイルを規定し得る。例えば、外側スリーブ32は、第一の横寸法「b」を規定する。第一の横寸法「b」は、長手方向軸「k」に対する第二の横寸法「m」よりも実質的に大きい。これらの寸法は、全体的に平坦にされた平面プロファイルまたは楕円形プロファイルを滲出物導管32に提供する。減少されたプロファイルは、論じられるブリッジング技術を助け得る。
【0029】
滲出物導管30は、接続部材またはフィッティング40を減圧供給源50に接続する第二または遠位端部36において含む。接続部材またはフィッティング40は、流体密および気密な接続を滲出物導管30と減圧供給源50との間に形成する任意の従来のフィッティングであり得る。実施形態において、接続部材40は、逆止め弁(概略的に参照数字40v)および/または減圧供給源50の流体汚染を妨げるフィルタを含み得る。逆止め弁は、減圧供給源50への接続中に開いた位置において保持され、減圧圧力がない際に閉じた位置をとり、それによって創傷流体漏出を妨げるダックビルスタイル弁を含む。接続部材40は、導管の流体容量がいっぱいであることを合図する電子水分感知能力を含み得、それによってアラームを起動させるか、および/または導管が取り替えられるまで減圧供給源をオフにする。
【0030】
滲出物導管30は、その中に繊維42を含む。複数の繊維44は、形状を維持するか、および/または可撓性導管30が凹むのを妨げるために滲出物導管30内に配置される。繊維42はまた、創傷流体の動きを容易にする。繊維42は、約0.002マイクロデニールからより大きな約0.1デニールまでの任意のサイズであり得る。実施形態において、繊維42は、滲出物導管30の第一または近位端部34からレザバー14または創傷床「w」の中へ延在し得る。
【0031】
ここで図4A〜図4Fを参照すると、繊維が滲出物導管30の毛管作用の搬送能力または他の流体処理特性を向上させるさまざまな断面を示し得る。実施形態において、繊維は減圧または重力の助けなしに流体の動きを促進させるために構築され得る。図4Aおよび図4Bにおいて描写される固形平坦42a断面または円形42b断面は、それぞれ、改変された断面と比較して、相対的に低コストであることに起因して、ほとんどの繊維にとって標準であり得る。繊維42cは、図4Cにおいて描写され、断面において空間41を有する。空間41は、繊維42cの全長に延びており、繊維42cの減少された密度および硬質を生み出し、空気が中にためられることを可能にする。そのような断面は、クリンプ処理、絡み処理および/またはロフト処理を容易にし得、それらは繊維の流体処理特徴をさらに向上させ得る。多葉断面も図4Dに描写されるように用いられ得る。三葉繊維42dは、中央領域から突出する3つのアーム43を示し、硬質および弾性をファイバー42dに提供する。
【0032】
図4Eにおいて描写されるような高度に改変された断面繊維42eは、商品名4DGTMの下、Fiber Innovation Technology,Inc.によって販売される。さまざまなサイズおよび構成の深いチャネル45は、繊維42eの長手方向軸に沿って提供されることによって毛管作用の搬送を促進させることを相対的により大きな表面範囲によって助ける。例えば、4DGTM断面を有する繊維42eは、繊維1グラム当たり毎時2リットルまでの水を輸送する能力を明示している。図4Fにおいて描写される蝶ネクタイ断面を有する繊維42fは、自己クリンプ繊維における使用によく適し得る。
【0033】
ここで図5A〜図5Gを参照すると、2つ以上の別個のポリマーが同時押出しされ得ることによって複雑なプロファイルおよび専門化された特性を有する繊維を生成する。同時押出しされた繊維は、とりわけ上に説明される断面のうちのいずれかを有し得る。同心シースコア配列を示す繊維42gは、図5Aにおいて描写される。コアポリマー47gは、シースポリマー49gによって囲まれる。シースポリマーは、シースポリマーが融解され得ることによって個々の繊維に接合剤を提供するようにコアポリマーよりも低い融解温度を示し得る。シースコア配列に対する他の用途は、創傷流体の毛管作用の搬送を促進することを助けるか、または下で論じられる有益なポリマー添加剤のうちのいずれかを容認するのに適切な表面特徴を有する高強度構造のコアポリマー47gおよびシースポリマー49gを提供することを含み得る。偏心シースコア配列を示す繊維42hは、図5Bにおいて描写され、中心外れのコアポリマー47hおよび対応するシースポリマー49hを含む。この配列は、コアポリマーおよびシースポリマーが温度変化にさらされたときに異なる縮小特性を提供された場合、自己クリンプ繊維を提供するために用いられ得る。加熱された場合、繊維は、螺旋状に縮まり得、この螺旋状態は、フィラメントが冷却されたときに保たれ、したがって、そうでない平坦な繊維においてクリンプまたは厚みを進展させる。そのような自己クリンプ処理は、図5Cにおいて描写される、並んでいる配列を用いることによってさらに容易にされ得る。繊維42iは、繊維42hに類似するが、コアポリマー47iおよびシースポリマー49iの各々は、繊維42iの外面の一部を占めるという点で異なる。きちんとしたポリマー選択によって、繊維42iの並んでいる配列は、繊維42hの偏心シースコア配列よりも高い潜在的クリンプのレベルを生み出し得る。図5Dにおいて示されるように、パイウェッジ配列を有する繊維42jは、ポリマー47jおよび49jを含む交互のウェッジを含み得る。空洞な中心コアを含む空洞パイウェッジ配列を示す繊維42kは、図5Eにおいて描写される。
【0034】
図5Fを参照すると、繊維42mは、海における島配列を示し、1つ以上の「島」ポリマー47mは、可溶性「海」ポリマー49mによって囲まれる。この配列は、製造機器によって効果的に処理される非常に細い島ポリマー47mの撚りを提供し得る。島ポリマー47mが適所に入ると、可溶性海ポリマーは溶解され取られる。したがって、例えば、約0.04デニール(概略で直径2ミクロン)を有する約37以上もの島ポリマー47mは、単一の繊維42mとして効果的に処理され得る。繊維42hは、図5Gにおいて描写されるように「3つの島」配列を示す。この配列は、海ポリマー49nによって囲まれた3つの島ポリマー47nを含む。繊維42nは、海における島配列を示す繊維42mに類似する態様で用いられ得るが、シースコア配列を示す、上で説明した繊維42g、42hおよび42iに類似する態様でより共通して用いられ得る。繊維42nは、3つのコアポリマー47nを含むとして説明され得る。3つのコアポリマー47nは、増やされた表面を選択的に有し、潜在的に両立しないシースポリマー49nから葉裂を抑制する。
【0035】
いずれかの市販繊維または縫合材料が有利に滲出物導管30において採用され得るので、さまざまな供給業者が上で説明される繊維を製造し得る。完全に網羅はしていないが、材料の一覧は、ポリマーと、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびアタクチックとイソタクチックとシンジオタクチックとを含むポリプロピレン、そのブレンド、ポリイソブチレン、エチレンアルファオレフィンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ化ポリオレフィン)、ポリエステル(例えば、テレフタル酸ポリエチレンおよびポリブチレンテレフタレート)、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、モドアクリル繊維、ハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、塩化ポリビニル)、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル)、ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、互いおよびオレフィンとのビニルモノマーのコポリマー(例えば、エチレンメチルメタクリル酸塩コポリマー、アクリロニトリルスチレンコポリマー、ABS樹脂およびエチレン酢酸ビニルコポリマー)、ポリアミド(例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6.6、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12およびポリカプロラクタム)、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、アラミド、ポリウレタン、レーヨン、レーヨントリアセタートおよびスパンテックスから成るグループから選択されたポリマーブレンドとを含むが、それらに限定されない。
【0036】
繊維30は、複数の繊維44へ束にされ得ることによって繊維コア38を形成する。繊維46の外側バンドルは、さまざまな繊維の組み合わせおよびサイズの内側コアまたはバンドル48の周りに選択的に配列され得ることによって、流体処理を最適化し、創傷流体が凝固する傾向を減少させる。バンドルを含む繊維は、最適流体処理を容易にするために変わり得ることが予測される。例えば、内側バンドル繊維48は、流体吸収を抑制する疎水性ポリマーであり得るが、外側バンドル繊維46は、いく分かの吸収を促進する親水性であり得る。
【0037】
一般的な繊維バンドル44配列が図6A〜図6Eにおいて例示される。ここで図6Aを参照すると、繊維42は、その長さに沿って全体的に交差しないように配列され得る。必ずしも平行ではないが、繊維42は、その長さの実質的部分にわたり全体的に絡んでいないか、または織り交ざっていない場合がある。繊維46aの外側バンドルが、内側バンドル48を形成する繊維42の分離を妨げるのを助けるために含まれ得る。単一の外側バンドル46aは、内側バンドル48の周りに包まれたか、または結ばれた別個の連続的な繊維から形成され得ることによって、バンドル48を限局性範囲において圧迫する。あるいは、外側バンドル46bは、図6Bにおいて示されるように断続的に内側バンドル48に沿って設置され得、繊維42を複数の場所に固定するのを助けるか、または別個の連続的な繊維は、図6Cにおけるように内側バンドル48の周りに螺旋状に包まれ得、外側バンドル46cを形成する。
【0038】
繊維42は、また、図6Dにおいて例示される編成か、製織か、またはより合わせられた外側バンドル46dにおいて取り囲まれ得る。編成か、製織か、またはより合わせられた外側バンドル46dは、より大きなまたはより小さな直径および減圧下の導管開存性あるいは滲出物導管のよじれを提供するように調節され得る。繊維は、また、ロープにおけるようにねじられ得、図6Eにおいて例示される外側バンドル46eを提供する。
【0039】
あるいは、繊維42が図6F〜図6Jにおいて示されるように配列または構築され得ることによって内側バンドル48が個々の繊維42の分離に耐えることを助ける。繊維42は、自己密閉、不織メッシュまたは図6Fにおいて示される結束形体51aを形成する他の多孔性シートによって取り囲まれ得る。自己密閉結束形体51aは、個々の繊維42がバンドの開いた端部を通して挿入され得、圧迫下で束縛されるように弾性バンドまたはわずかに小さいバンドであり得る。あるいは、結束形体は、平坦なストリップが繊維の周りに包まれ得、平坦なストリップが平坦なストリップ自体または個々の繊維42を粘着性構成要素によって付着することで取り付けられ得るように粘着性構成要素を含み得る。図6Gにおいて描写されるように、結束形体51bは、不織メッシュまたは多孔性シートの実質的長さに形成され得ることによって、繊維の実質的長さを取り囲む。結束形体51aおよび51bは、多孔性であり得、創傷流体および滲出物の吸収を促進する。
【0040】
内側バンドル48を形成する繊維42は、結束形体51c(図6H)を形成するさまざまな処理によって絡ませられ得る。スチーム、空気または水の噴射がバンドル48における限局性領域に方向付けられ得ることによって繊維42を絡ませ、結束形体51cを提供する。絡み処理は、繊維42を絡ませるか、または結束させる限局性範囲における熱の適用に関し得る。絡み処理の別の例は、繊維42を絡ませるニードルパンチに類似している態様で用いられるニードルに関する。結束形体51d(図6I)は、単に接着剤によって繊維42を結束するか、または繊維42より低い融解温度を有する結束材料を組み込むことによって提供され得る。バンドルを加熱することによって、結束材料は、繊維42を冷却する際に一緒に融解および結束し得る。結束材料が上で説明されたコアシース配列のような同時押出の1つ以上の個々の繊維と共に提供され得る。図6Jにおいて描写されるように、結束形体51eは、また、個々の繊維をクリンプすることによって提供され得、いく分程度の絡みを提供し、それによって上でより詳細に説明されたように、さらなる表面区域を提供する。個々の繊維の配列は、図6A〜図6Jにおいて示される形体のうちの2つ以上を含み得る。
【0041】
さまざまなポリマー添加剤が個々の繊維42、内側バンドル48、外側バンドル46または全複数の繊維44またはその中の繊維の選択的サブセットに適用され得る。さらに、添加剤は、シースコア繊維構造体のシース構築のような各繊維のセクションに付与され得る。添加剤は、いずれかの物質かまたは臨床使用を有する物質の混合物であり得る。そのため、添加物は、それ自体で薬学的機能を有する場合または有さない場合がある(例えば、染料)。あるいは、添加剤は、治療効果または予防効果を提供するいずれかの薬剤、組織成長、細胞成長、細胞分化に影響を与えるか、または関与する化合物、免疫反応のような生物学的作用を引き出すことができ得る化合物であり得るか、あるいは1つ以上の生物学的処理においていずれか他の役割を担い得る。添加剤は、いずれか適切な物体形態(例えば、フィルム、粉末、液体、ゲルなど)の繊維42に適用され得ることが予測される。添加剤は、また、創傷流体および滲出物のような水分との接触したときのみ作動するように形成され得る。
【0042】
本開示に従って使用され得る添加剤の分類の例は、粘着防止剤、抗菌物質、抗菌薬、抗生物質、抗ウィルス剤、抗真菌薬、防腐剤、抗炎症薬および麻酔薬を含む。さらに、臭気制御技術も繊維42の中へ添加剤として組み込まれ得る。添加剤の組み合わせが用いられ得ることも意図される。例えば、繊維と周囲の組織との間で粘着が形成されるのを妨げる粘着防止剤がポリヘキサメチレンビグアニドのような創傷床における生物汚染度を減少させる抗菌物質と共に使用され得る。
【0043】
シリコーンのような界面活性剤またはPTFEのようなフロロポリマーといった他の添加剤が繊維42により滑らかな表面を提供するために加えられ得る。より滑らかな表面または表面活性剤によって処理された表面は、最適な流体処理特徴を容易にし得る。例えば、表面活性剤または表面活性剤の組み合わせは、高い疎水性の表面を繊維および/またはバンドル上に作り得ることによって創傷被覆材からの指向性の毛管作用の搬送および流体の動きを促す。滲出物導管30の近位端部34内か、または隣接して設けられた部分が、創傷からのより速い流体の動きを促進する材料の組み合わせか、または材料の凝集によって処理され得るように、表面活性剤処理は、繊維42の長さに沿って選択的であり得る。創傷において、滲出物導管30の遠位端部36においてか、またはその方へ設けられた繊維42の一部は、より遅い動きを可能にし、したがって、創傷流体を保持および含む容量を増やす。
【0044】
実施形態において、滲出物導管30は、スリーブ32および/または繊維バンドル44の内面における水分センシティブな材料(水分が存在する場合、色を変化させ得、したがって、充満した導管を示す)によって処理され得る。色センシティブな材料は、連続的であり得、導管の残りの流体容量の視覚示度を提供する。スリーブ32の遠位端部36は、導管の容量の早期示度を提供するために処理され得る。そのため、滲出物導管30は、流体レザバーとして作用し得、したがって、減圧供給源50におけるか、または近くの収集キャニスター52に対する必要性をなくす。滲出物導管30は、より多くの量の創傷流体を収容するために長さが変わり得る。
【0045】
ここで図7を参照すると、滲出物導管30の繊維42が少なくとも部分的にカバー層24におけるアパーチャまたはアクセスホール25を通して挿入され、それによって、繊維を創傷「w」の直近に位置決めする。アクセスホール25は、カバー層24の組み立て式形体として提供され得るか、あるいはアクセスホール25は、臨床医によってカバー層24がインストールされるときに適宜切断され得る。次いで、スリーブ32の近位端部34がアクセスホール25の中へか、または隣接して挿入され得る。スリーブ32は、気密および流体密な接続をカバー層24と形成するために、滲出物導管30をカバー層24に固定する接着剤を提供される。あるいは、粘着性コーティング薄フィルム、薄フィルム被覆材または他の準備が滲出物導管30とカバー層24のアクセスホール25との間の接続を密閉するために作られ得る。次いで、スリーブ32の遠位端部は、上で論じられたように減圧供給源または収集キャニスターへ経路付けられ得る。
【0046】
創傷「w」のサイズ、形状および/または場所は、滲出物導管30が創傷被覆材12および減圧供給源50に対して経路付けられる態様に影響し得る。例えば、いくつかの創傷「w」は、図8Aにおいて描写される減圧レザバーの近辺における流体ポートまたは減圧ポートを収容し得る。
【0047】
図8Aは、健康な皮膚「s」によって囲まれた創傷「w」における使用のためのNPWT装置60を全体的に描写する。NPWT装置60は、創傷「w」に対して位置決めされた創傷被覆材62を含むことによって治癒を刺激するのに適切な陰圧が維持され得るレザバー14を規定する。
【0048】
創傷被覆材62は、創傷「w」の床に直接接触して位置決めされた接触層18を含む。接触層18は、図1を参照して上で説明された穿孔フィルム材料から形成され得る。また、滲出物が創傷床の中へ流れ戻らないように、接触層18を通る創傷流体の通過は、好ましくは一方向的である。一方向的流れは、接触層18において形成された円錐形アパーチャまたは指向性アパーチャによって促され得るか、または接触層18の吸収特徴とは異なる吸収特徴を有する材料のラミネート加工によって促され得る。創傷被覆材62は、また、図1を参照して上で説明された創傷充填物20およびカバー層24を含む。カバー層24は、その中にアクセスホール25を含み、アクセスホール25を通して創傷流体および大気が被覆材62から取り除かれ得る。
【0049】
フランジ68を有する流体ポート66は、また、創傷被覆材62に含まれ得、創傷被覆材62の流体導管54への接続を容易にする。流体ポート66は、硬質または可撓性ロープロファイル構成要素として構成され得、流体導管54を解除可能および流体密な態様で受け取るように適合され得る。フランジ68の下側における接着剤は、流体ポート66を被覆材62へ取り付ける機構を提供し得るか、あるいはフランジ68の上側における接着剤が流体ポート66を取り付けるように、フランジ68がレザバー14(図8B)内に位置決めされ得る。図8Cにおいて描写されるように、流体ポートをカバー層24へ取り付ける、さらなる代替物は、フランジ68をカバー層24へスカート24aによって固定することに関する。スカート24aは、カバー層24に類似した粘着するようにコーティングされたポリマーフィルムから構築され得る。しかし、スカート24aは被覆材62へ取り付けられ、流体ポート66の空洞な内部は、流体導管54とレザバー14との間に流体連絡を提供する。
【0050】
流体導管54は、流体ポート66から延在することによってレザバー14と収集キャニスター52との間に流体連絡を提供する。図3を参照して上で説明された滲出物導管30を含むいずれか適切な導管が用いられ得る。減圧供給源50との流体連絡を提供する流体導管54の別のセクションは、収集キャニスター54から通じている。
【0051】
いくつかの用途において、流体ポートまたは滲出物導管を創傷「w」に対して離れた場所に提供することは有益であり得る。例えば、足または肘のような曲線状身体部分あるいは流体ポートまたは滲出物導管が患者の動きまたは快適さを抑制する身体の他の部分において形成された創傷は、滲出物導管30を経路付ける異なる方法および時には間接的な方法を要求し得る。次いで、滲出物導管30は、創傷部位から減圧供給源への接続が患者にとってより問題が少なく、創傷への損傷がより少ない第二の部位へ経路付けられ得る。
【0052】
図9において例示されるように、創傷被覆材12は、創傷「w」に対して位置決めされることによって、レザバー14を規定し、レザバー14において、治癒を刺激するために適切な陰圧が図1および図2を参照して上で説明されたように維持され得る。滲出物導管30は、患者または創傷治癒に抵触しないいずれかの態様および位置にカバー層24を通して位置決めされ得る。例示されるように、スリーブ32の近位端部34は、導管30を皮膚「s」とカバー層24との間に流体密および気密な態様で密閉することによってレザバー14内に位置決めされる。次いで、滲出物導管30は、患者の健康な皮膚「s」に沿って延びるように経路付けられ得、滲出物導管30をよじる傾向があり得るいずれの不必要な屈曲または湾曲を妨げるか、または最小化する。実施形態において、上で論じた減少されたプロファイルの外側スリーブ32を有する滲出物導管30は、身体の皮膚「s」に沿った滲出物導管の曲線を最大化する皮膚「s」に実質的に接触している第一の横軸寸法「b」を有する「平坦化」された側面によって位置決めされ得る。したがって、滲出物導管30は、例えば、脚の上へ、上腕の下へ、または胸を横切って、患者の動きまたは快適さに抵触しない減圧供給源50への接続のために比較的平坦な健康な皮膚「h」の一部のような第二の部位の方へ、などというような患者の皮膚「s」に沿って設置され得る。
【0053】
第二の部位は、減圧ポート70が減圧供給源50への接続のために設置され得るいずれかの範囲であり得る。例示されるように、第二のカバー層24’は、皮膚「h」を覆って設置され得ることによって、第二のレザバー14’を形成する。滲出物導管30の遠位端部36は、レザバー14’内で、カバー層24を用いた近位端部34と類似または異なった態様でカバー層24’によって密閉され得る。フランジ73を有する減圧ポート70は、流体導管54を介した減圧供給源50へのレザバー14’の接続を容易にするために提供され得る。減圧ポート70は、カバー層24’に取り付けられ、減圧ポート70の空洞な内部は、流体導管54とレザバー14’との間に流体連絡を提供する。次いで、流体導管54は、上で詳細に説明されたキャニスターまたは減圧供給源へ経路付けられ得る。
【0054】
ここで図10Aを参照すると、代替の実施形態は、合成創傷被覆材100を含む。複合被覆材100は、流体ポート66が創傷「w」に対して離れて設置されることを可能にする。合成創傷被覆材100は、接触層18と、創傷充填物20と、創傷「w」に、論じられた創傷被覆材12と類似する態様で適用されるカバー層24とを含む。しかし、流体ポート66は、カバー層24にアクセスホール25において取り付けられるよりも、むしろ合成創傷被覆材100に創傷「w」から離れた場所「r」において取り付けられる。
【0055】
アクセスホール25と、離れた場所「r」との間に流体連絡または「ブリッジング」を提供するために、ブリッジング被覆材102は、部分的にカバー層24を覆い、部分的に健康な皮膚「s」を覆って位置決めされる。離れた場所「r」は、流体ポート66が創傷「w」を刺激しないか、または患者にとって不快さの原因にならない健康な皮膚「s」の範囲であり得る。創傷「w」が患者の背中に配置された場合、離れた場所「r」は、例えば、患者の胸または肩であり得る。これは、患者が過度な圧力を流体ポート66にかけずに、快適に横になることを可能にする。この機能性を提供するために、ブリッジング被覆材102は、約2インチから約12インチまたはそれ以上の範囲の長さを示す。
【0056】
ブリッジング被覆材102は、皮膚ライニングまたはフィルム103、細長いウィック104、ウィックカバー106および流体ポート66を含む。フィルムまたはライニング103は、皮膚、一般的には健康な皮膚に接触して、「ブリッジング」の一部に沿って設置される。ライニングまたはフィルム103は、患者接触に適合されたいずれかの適切なフィルムであり得、皮膚への固定のために粘着性裏張りを有し得るか、または有さない場合がある。フィルムまたはライニング103は、カバー24の周辺部分を重複させ得る。フィルムまたはライニング103は、粘着するようにコーティングされ得るか、またはされない場合があり、いくつかの実施形態において、ポリウレタン、エラストマーポリエステルまたはポリエチレンのような薄く、透明なポリマー膜である。細長いウィック104は、長手方向を細長いウィック104に沿ってカバー層24におけるアクセスホール25の近くに位置決めされた第一の端部110と、離れた場所「r」の近くの第二の端部112との間に規定する。細長いウィック104は、細長いウィック104を通した流体の長手方向の輸送のために適合されている。細長いウィック104は、長手方向の毛管での搬送を促進し得ることによって、流体の長手方向の輸送を提供する。個々の繊維の断面または繊維の配列は、流体を長手方向に輸送する役割をし得る。細長いウィック104は、創傷充填物20および/または滲出物導管30としての使用に適切な材料から構築され得る。細長いウィック104は、例えば、連続合成繊維のような疎水性繊維から構築され得、細長いロープまたはコードとして配列され得る。繊維は、クリンプされ得るか、まとめられ得るか、またはロフトされ得、細長いウィック104の吸収特性、毛管特性または快適さ特性に影響する。2008年8月8日に出願された米国仮出願第61/188,370号(その全内容は、これによって参照することによって援用される)は、繊維に対するさまざまなそのような処理および配列を説明しており、それらは、細長いウィック104または充填物20を構築するために採用され得る。
【0057】
あるいは、細長いウィック104は、ステープルファイバーから構築され得、織物または編物(kitted fabrics)として配列され得る。繊維は、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)のような抗菌性薬剤によって処理され得ることによって、感染の発生数を減らすか、または創傷「w」の治癒を促進させる他の薬物によって処理され得る。繊維は、また、特定の流体輸送、快適さまたは他の特定の要件にウィックを合わせる材料または化学薬品の組み合わせを含み得る。
【0058】
ウィックカバー106は、カバー層24におけるアクセスホール25の近くに、細長いウィック104の第一の端部110を越えて位置決めされた第一の端部114を有する。ウィックカバー106の第二の端部116は、離れた場所「r」の近くに位置決めされる。ウィックカバー106の第一の端部114は、実質的に流体密な密閉をカバー層24と形成し、ウィックカバー106の第二の端部116は、実質的に流体密な密閉をライニング103またはライニング103がない場合は、皮膚と形成する。ウィックカバー106の第二の端部114は、ライニング103に接触し得るか、または固定され得、それによって、被験体に対するライニングの固定を助け、ウィックカバー106と滲出物が皮膚に接触することを妨げる細長いウィック103の一部を実質的に取り囲むライニング103との間に取り囲み105を随意で形成する。
【0059】
ウィックカバー106は、カバー層24を製造するために用いられる材料のうちのいずれかから構築され得る。例えば、ウィックカバー106は、ポリウレタン、エラストマーポリエステルまたはポリエチレンのような粘着するようにコーティングされた、薄く、透明なポリマー膜から構築され得る。ウィックカバー106の厚さは、例えば、約0.8ミルから約1.2ミルの範囲にあり得る。この範囲の厚さは、ウィックカバー106が細長いウィック104を囲む患者の皮膚の輪郭に不自由なく適合し、NPWT処理に関連する排出サイクルを収容することを可能にし得る。粘着性コーティングは、レザバー14がNPWT処理の排出サイクルにさらされた場合、漏出路が容易に形成されないように、皮膚「s」および/またはカバー層24への堅い連続的な付着を提供すべきである。接着剤は、また、ウィックカバーのMVTRに過度に抵触すべきでなく、ウィックカバー106がもはや要求されない場合、容易に皮膚「s」から剥がれるべきである。
【0060】
ウィックカバー106におけるアパーチャ118は、流体ポート66と細長いウィック104との間の流体連絡を容易にする。流体ポート66は、実質的に流体密な密閉をアパーチャ118の近くのウィックカバー106と形成し、流体導管54を受け取る。流体導管54は、図2を参照して上で説明された減圧供給源50に連結され得る。
【0061】
このようにして、創傷滲出物および大気のような流体は、レザバー14からカバー層24におけるアクセスホール25を通して細長いウィック104の第一の端部110の中へ抜かれ得る。流体は、長手方向に、減少された圧力およびウィック104の流体輸送特徴の影響下にあるウィック104を通して離れた場所「r」の近くのウィック104の第二の端部112へ輸送される。次いで、流体は、ブリッジング被覆材102から流体ポート66を通して取り除かれ得る。ウィック104およびウィックカバー106は、流体ポート66よりも全体的に患者の身体の輪郭および患者の動きに対しても可撓性であり適合可能であるので、ブリッジング被覆材102のこれらの構成要素は、一般的に創傷「w」に隣接してより不自由なく位置決めされる。
【0062】
ここで図10Bを参照すると、開示の代替の実施形態は、流体導管54と、離れた場所「r」の近くのウィック104の第二の端部112との間の流体連絡が流体ポートの使用なしに確立されることを可能にする。ウィックカバー106aは、流体ポートの据え付けのためのアパーチャがない第二の端部116aを含む。その代わり、ウィックカバー106aは、実質的に流体密な密閉を流体導管54および離れた場所「r」を囲むライニング103と形成する。この構成は、流体導管54が不自由なく、創傷「w」の近くよりはむしろ離れた場所「r」において設置されることを可能にする。流体導管54は、一般的に、ウィック104またはウィックカバー106aよりも快適さが低くあり得るか、または硬質であり得るので、創傷「w」から離れた流体同感54の設置は、創傷「w」に隣接しているよりも快適であり得る。
【0063】
ここで図11を参照すると、ブリッジング被覆材102が送達システムを据え付けられて、提供され、描写される。合成被覆材および伝達システム120が任意の所望のサイズまたは形状に製造され得るが、処理される創傷「w」の特定の場所は、各個々のブリッジング被覆材102のカスタマイズを促し得る。提供されるように、合成被覆材および伝達システム120は、一般的に示されるように約6インチの長さ、および約4インチの幅を有する長方形であり得る。合成被覆材および伝達システム120は、ブリッジング被覆材102が用途の時間における長さに切断されることを可能にすることが必要であると予期されるよりも長い長さを提供され得る。
【0064】
裏張り層124は、ウィックカバー106の粘着するようにコーティングされた下部表面126に対する堅いが解除可能な親和性を有する。裏張り層124は、ウィックカバー106上の粘着性コーティングを覆い、ウィック104をウィックカバー106の下部表面126に対する位置において維持する。裏張り層124は、ウィックカバー106の少なくとも1つの縁を実質的に越えて延在する周辺領域128を含む。したがって、周辺領域128は、ウィックカバー106からの裏張り層124の分離を容易にする把持表面を提供する。周辺領域128は、周囲領域128にプリントされたか、そうでなければ適用された第一の数字表示器132のような表示器を含む。第一の数字表示器132は、合成被覆材および送達システム120の層が分離されるべき順番を示す人目に付きやすい視覚的待ち行列を提供する。
【0065】
送達層136は、ウィックカバー106の上部表面138に解除可能な態様で付着される。送達層136は、ウィックカバー106に対して実質的に硬質であることによって、ウィックカバー106を比較的滑らかなしわのない構成に維持し、ウィック層106は、皮膚「s」および/またはカバー層24(図10A)を覆うために位置決めされたライニング103に対して適用される。しかし、送達層136は、ウィックカバー106が皮膚「s」上および/またはカバー層24上に加圧され得ることによって実質的に流体密な密閉を皮膚「s」および/またはカバー層24と形成するように、皮膚「s」の不規則な輪郭に適合するために十分可撓性である。その後、送達層136は、ウィックカバー106から分離され得る。
【0066】
好ましくは、送達層136と上部表面138との両方は、非粘着性であり、熱ラミネート加工接触または類似の手段によって付着され得る。あるいは、送達層は、適切な粘着を、適用中にカバー層へ提供する接着剤を含み得る。送達層136の周辺領域140は、ウィックカバー106の上に重なるが、ウィックカバー106に付着されない。したがって、周辺領域140は、被覆材層102からの送達層106の分離を容易にする把持表面を提供する。第二の数字表示器142のような表示器は、周辺領域140に位置決めされることによって複合被覆材および送達システム120の層が分離されるべき順番を示す。送達層136は、また、流体ポート66を収容する中央開口部146を含む。流体ポート66は、上部表面138、下部表面126に付着され得るか、全て一緒に取り外され得る。
【0067】
使用において、ブリッジング被覆材102は、創傷「w」(図10A)へのカバー層24の適用に続いて適用され得る。ブリッジング被覆材102の所望の長さが決定されると、複合被覆材および送達システム120は、長さに切断され得る。罫線148のような印がプリントされ得るか、そうでない場合は、ウィックカバー106に適用され得ることによってブリッジング被覆材102の長さのカスタマイズを容易にする。あるいは、印は、裏張り層124または送達層136に適用され得、特にこれらの層が実質的に透明な場合、適用され得る。
【0068】
開示が例示され、説明されたが、さまざまな改変および代用が本開示の精神から逸脱することなしになされ得るので、示された詳細に限定されることは意図されない。例えば、図1の実施形態において、減圧供給源50は、随意であり得、それによって、創傷滲出物は、滲出物管を通り重力、毛管作用での搬送などによって運搬される。図2の実施形態において、キャニスター52は、随意であり得、それによって、滲出物は、滲出物管内に含まれる。この実施形態において、フィルタまたは逆止め弁が減圧供給源の中への流体連絡を妨げるために使用され得る。逆止め弁は、滲出物導管の創傷端部に隣接して位置決めされ得ることによって創傷範囲の中への流体逆行を妨げることがさらに予測される。そのため、開示のさらなる改変および相当物が当業者に想到され得、全てのそのような改変および相当物は、以下の請求項によって規定される開示の精神および範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滲出する創傷の治癒を促進させる装置であって、
該装置は、
創傷を覆うレザバーを規定するように該創傷上に位置決めされるカバー層と、
滲出物導管であって、該滲出物導管は、繊維コアを含み、該繊維コアは、複数の繊維を有し、該複数の繊維は、該創傷から流体を毛管作用で搬送するために該レザバーに連絡しており、該繊維コアは、繊維の内側バンドルおよび繊維の外側バンドルを含む、滲出物導管と
を含み、
該内側バンドルは、流体吸収を抑制する疎水性繊維を含み、該外側バンドルは、流体吸収を促進する親水性繊維を含む、装置。
【請求項2】
前記繊維のうちの少なくともいくつかは、前記滲出物導管の創傷端部に少なくとも部分的に隣接して接している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記滲出物導管は、前記繊維コアを少なくとも部分的に収容する外側スリーブを含み、前記繊維のうちの少なくともいくつかは、該外側スリーブを越えて延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記繊維のうちの少なくとも1つは、疎水性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記繊維の外側バンドルは、前記繊維の内側バンドルの周りに編成、製織またはより合わせられている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記繊維コアは、少なくとも1つの添加剤を含み、該添加剤は、抗菌物質、防腐剤および界面活性剤のうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記繊維コアは、前記創傷端部に隣接している前記添加剤の凝集を含み、該凝集は、前記減圧端部に隣接している該添加剤の凝集よりも大きい、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記外側スリーブは、半透性材料を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
創傷をブリッジングする方法であって、
該方法は、
創傷被覆材を創傷を覆って適用する工程と、
滲出物導管を該創傷被覆材へ流体接続する工程であって、該滲出物導管は、繊維コアを有する、工程と、
該滲出物導管を第二のレザバーの中へ延在させる工程であって、該第二のレザバーは、減圧ポートを組み込む、工程と、
該第二のレザバーを減圧供給源へ該減圧ポートを介して接続する工程であって、それによって、該減圧供給源を該第一のレザバーへ該滲出物導管を介して接続する、工程と
を含む、方法。
【請求項10】
複合創傷被覆材装置であって、
該装置は、
カバー層であって、該カバー層は、創傷を覆うレザバーを規定し、該創傷において、陰圧が該創傷の周りに実質的に流体密な密閉を形成することによって維持され得、該カバー層は、該カバー層の中にアパーチャを含み、該アパーチャを通して流体が該レザバーから抽出され得る、カバー層と、
細長いウィックであって、該細長いウィックは、第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部は、該レザバーと該カバー層における該アパーチャを通して流体連絡しており、該第二の端部は、該カバー層における該アパーチャに対して離れて配置されており、該細長いウィックは、該細長いウィックを通した流体の長手方向輸送のために適合されている、細長いウィックと、
可撓性ウィックカバーであって、該可撓性ウィックカバーは、該細長いウィックを覆って延在しており、第一の端部および第二の端部を有し、該第一の端部は、実質的に流体密な密閉を該カバー層における該アパーチャを覆って形成するために構成されており、該第二の端部は、該第二の端部の中にアパーチャを含み、該アパーチャを通して流体は該細長いウィックから抽出され得る、可撓性ウィックカバーと、
流体ポートであって、該流体ポートは、該ウィックカバーに連結し、該細長いウィックの該第二の端部と該ウィックカバーにおける該アパーチャを通して流体連絡しており、該流体ポートは、流体導管を受け取るように構成されている、流体ポートと
を含む、複合創傷被覆材装置。
【請求項11】
前記ウィックカバーは、該ウィックカバー上に印を含み、該印は、前記流体ポートからの距離を示す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記印は、罫線を含み、該罫線は、前記ウィックカバー上の中央に設けられている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記流体ポートは、フランジを含み、該フランジは、前記ウィックカバーの下側に連結されている、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記細長いウィックは、抗菌剤によって処理され、該抗菌剤は、ポリヘキサメチレンビグアニドである、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
複合ブリッジング被覆材および送達装置であって、
該複合ブリッジング被覆材および送達装置は、
ウィックカバーであって、該ウィックカバーは、下部表面および上部表面を有し、該ウィックカバーが流体密な密閉を患者の皮膚と形成し得るように該下部表面は、圧力センシティブな接着剤によって少なくとも部分的にコーティングされている、ウィックカバーと、
細長いウィックであって、該細長いウィックは、該ウィックカバーの該下部表面に付着され、該細長いウィックは、該細長いウィックを通した流体の長手方向の輸送のために構成されている、細長いウィックと、
裏張り層であって、該細長いウィックが該ウィックカバーと該裏張り層との間に挿入されるように該裏張り層は、該ウィックカバーの該下部表面に解除可能な態様で付着されている、裏張り層と
を含む、複合ブリッジング被覆材および送達装置。
【請求項16】
前記ウィックカバーは、該ウィックカバーの中にアパーチャを含み、該アパーチャを通して創傷流体は抜かれ得る、請求項15に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図5G】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図6F】
image rotate

【図6G】
image rotate

【図6H】
image rotate

【図6I】
image rotate

【図6J】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2012−530539(P2012−530539A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516041(P2012−516041)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/047877
【国際公開番号】WO2010/147592
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】