説明

減衰全反射によって標的粒子を検出するセンサデバイス

本発明は、キャリア(11)の接触面で標的粒子(1)を検出する光センサデバイス(100)に関する。当該光センサデバイス(100)は、前記キャリア(11)へ向かう入射光ビーム(L1)を放出する光源(21,22)を有する。前記光源(21,22)が前記キャリア(11)へ向かう入射光ビーム(L1)を放出することで、前記入射光ビーム(L1)は、前記接触面(12)で標的粒子(1)によって全内部反射及び部分散乱されることで、出力光ビーム(L2)となる。当該光センサデバイス(100)はさらに、光検出器(50)上へ前記出力光ビーム(L2)を導光する光学系(30)を有する。前記光学系(30)内のフィルタ(32)は、全内部反射光の成分(L2d)を抑制する。従って前記光検出器は、基本的に散乱光(L2s)部分を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触表面での減衰内部全反射によって資料中の標的粒子を検出する光センサデバイス及び方法に関する。より詳細には本発明は、当該デバイスの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、光ビームが表面で内部全反射されるセンサが記載されている。この過程中に散乱される光は、内部全反射光の前進ビームの到達範囲外に設けられた検出器によって検出される。この方法の欠点は、要求される検出器の設置が、幾何学配置上の制約−具体的には検出器デバイスの小型化−と衝突する恐れがあることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0096302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景に基づき、本発明は、より高感度での接触表面での標的粒子の光学的検出を行う手段を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1に記載の光センサデバイス、請求項9に記載の方法、及び請求項10に記載の使用によって実現される。好適実施例は従属請求項に開示されている。
【0006】
本発明の第1態様によると、担体表面で標的粒子(たとえば任意で常磁性粒子ビーズによってラベルが付された生体分子、複合体、細胞分画、又は細胞)を検出する光センサデバイスに関する。参照目的のため、前記担体の表面は以降、「接触表面」と呼ばれる。担体は通常、所与の(具体的には可視、UV、及び/又はIR)スペクトルの光の伝播を可能にする透明材料-たとえばガラス又はポリスチレン-で作られる。当該センサデバイスは以下の構成部品を有する。
a) 光ビーム-以降では「入射光ビーム」と呼ぶ-を担体へ向けて放出する光源。当該光源が前記入射光ビームを前記担体へ向けて放出することで、前記光ビームは、前記接触表面で内部全反射し、かつ前記接触表面にて標的粒子(存在する場合)によって一部が散乱される。これらの内部全反射成分及び散乱成分が、前記担体を飛び出す「出力光ビーム」を構成する。前記出力光ビームが、内部全反射又は散乱された光のすべてを含む必要はない。なぜなら前記内部全反射又は散乱された光の一部はたとえば、他の目的に用いられて良いし、又は単純に失われても良いからである。
【0007】
当該光源はたとえば、任意で前記入射光ビームの整形及び導光を行う光学系が備えられたレーザー又は発光ダイオード(LED)であって良い。
【0008】
しかも、内部全反射の発生には、前記担体の屈折率が、前記接触表面に隣接する材料の屈折率よりも大きいことが要求されることに留意しなければならない。このことはたとえば、前記担体がガラス又はプラスチック(n=1.6-2)で作られ、かつ前記の隣接する材料が水(n=1.3)である場合に成立する。さらに、「内部全反射」という語は、反射過程中に入射光の一部が失われる(吸収、散乱等)「減衰内部全反射」と呼ばれる場合も含むことに留意して欲しい。
b) 前記出力光ビームを光検出器へ導光する光学系。当該光学系は、内部全反射に起因する前記出力光ビームの成分を(部分的又は完全に)抑制するフィルタを有する。
【0009】
前記光検出器は、当該センサデバイスから分離した独立の部品であって良いし、又は当該センサデバイスの一部とみなされても良い。前記光検出器は、所与のスペクトルの光を検出することができる任意の適切なセンサ又は複数のセンサ-たとえばフォトダイオード、フォトレジスタ、光電池、CCDチップ、光電子増倍管-を有して良い。
【0010】
当該光センサデバイスは、前記出力光ビームが前記担体を飛び出す一方で、最終的に前記検出器に到達する前記出力光ビームの一部がわずかしか(好適には全く)内部全反射光を有しない位置に前記検出器を設置することを可能にするという利点を有する。よって前記接触表面で散乱された光の相対量-大抵の場合実際に関心のある信号を表している-が増大する。それにより、当該センサデバイスの信号対雑音比が改善される。
【0011】
本発明の好適実施例によると、前記光学系は、前記光源の(実)像を生成するように備えられて良い。前記像は続いて空間フィルタによって抑制される。前記光源が小さい-たとえば理想的な点光源と近似される-場合、前記光源の像もまた小さくなる。よって、前記像が生じる領域で光吸収性である空間フィルタによって前記像を抑制することがすぐに可能となる。
【0012】
本発明の他の実施例では、前記光学系は収束レンズ(この語は一つの収束レンズのように共通に機能する複数のレンズ系を含む)を有して良い。前記収束レンズによって、内部全反射光は、該内部全反射光をすぐに抑制することのできる小さな領域に集中させることができる。
【0013】
上記実施例の発展型では、前記フィルタは前記収束レンズの焦点面に設けられる。よって前記フィルタは、平行光ビームとして前記収束レンズに入射する内部全反射光をすぐに抑制する。その理由はこの光は、前記焦点面の小さな点に集中するからである。よって特定の入射角で前記光学系に入射する光線のみを実質的に除去することが可能である。
【0014】
前記光源は好適には、並行入射光ビームを生成するように備えられて良い。この目的のため、前記光源はたとえばコリメータを有して良い。平行入射光ビームは前記接触表面(平坦面である場合)で内部全反射して平行出力光ビームとなる。このような光ビームは、当該光センサデバイスによるさらなる処理に対して最適化である。
【0015】
当該センサデバイスは好適には、前記の検出された光から前記接触表面での標的粒子の量を定量的に決定する評価ユニットをさらに有して良い。このことはたとえば、エバネッセント光波での光の量-標的粒子によって散乱される-が前記接触表面でのこれらの標的粒子の密度に比例するという事実に基づくことができる。前記接触表面での標的粒子の量は、関連する結合過程の動力学により、隣接する試料流体中でのこれらの成分の密度を示しうる。
【0016】
前記接触表面は、たとえば常磁性ビーズによってラベルが付された標的粒子を選択的に結合することのできる少なくとも1つの捕獲素子によって覆われていることが好ましい。そのような捕獲素子の典型例は、対応する抗原が選択的に結合できる抗体である。ある特定の標的粒子に対して固有な捕獲素子を前記接触表面に供することによって、これらの標的粒子を前記接触表面で選択的に増やすことが可能である。しかも意図しない標的粒子は、たとえば磁性ラベルへの適切な(磁気)反発力(意図した標的粒子と捕獲素子との間の結合を破壊しない)によって前記接触表面から除去されて良い。好適には前記接触表面には、様々な標的粒子に対して固有な複数の種類の捕獲素子が供されて良い。前記接触表面上に複数の調査領域を有するセンサデバイスでは、様々な標的粒子に対して固有となるように様々な捕獲素子を有する調査領域が少なくとも2つ存在する。
【0017】
本発明の他の実施例では、当該光センサデバイスは、たとえば磁性ラベルを介して前記標的粒子に影響を及ぼすことのできる磁場を発生させる磁場発生装置を有する。前記磁場発生装置はたとえば、永久磁石、ワイヤ、又はコイルによって実現されて良い。前記磁場はたとえば、磁化の誘起及び/又は前記標的粒子への力の印可によって前記標的粒子に影響を及ぼして良い。当該センサデバイスは、場を介した標的粒子の多目的操作を可能にする。これはたとえば、前記接触表面での標的粒子の収集の加速及び/又は前記接触表面からの意図しない(未結合、又はストリンジェンシー試験、弱い結合の)成分の除去に用いられて良い。
【0018】
本発明はさらに担体の接触表面での標的粒子を検出する方法に関する。当該方法は以下の手順を有する。
a) 前記担体へ入射光ビームを放出する手順。前記放出により、前記入射光ビームは、前記接触表面で内部全反射し、かつ前記接触表面にて標的粒子(存在する場合)によって一部が散乱されることで出力光ビームとなる。さらに前記入射光ビームの一部はまた前記接触表面で吸収されても良い。
b) 前記出力光ビームにおける内部全反射光成分を抑制する手順。
c) 残りの出力光ビームの光の量を検出する手順。
【0019】
当該方法は一般的な形式としては、上述した型の光センサデバイスで実行可能な手順を有する。従って当該方法の詳細、利点、及び改良型についてのさらなる情報については先の説明を参照して欲しい。
【0020】
本発明はさらに、分子診断、生物学的試料分析、化学的試料分析、食物分析、及び/又は科学捜査分析への上述の光センサデバイスの使用に関する。分子診断はたとえば、標的試料に直接的又は間接的に取り付けられた磁性標的粒子又は蛍光試料の助けを借りて実現されて良い。
【0021】
本発明の上記及び他の態様は、後述する(複数の)実施例を参照することで明らかとなる。これらの実施例は、1枚の添付図面の助けを借りることによって例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による光センサを概略的に図示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施例による光センサデバイス100を有する一般的な設定を図示している。この設定の一の構成部品は、たとえばガラス又はポリスチレンのような透明プラスチックから作ることのできる担体11である。担体11は、カバー13によって覆われている試料チャンバ2の隣に設けられている。試料チャンバ2内では、検出されるべき標的成分(たとえば薬物、抗体、DNA等)を有する試料流体が供されて良い。試料はさらに、磁性粒子−たとえば超常磁性ビーズ又はナノ粒子−を有する。これらの粒子は通常、上述の標的成分へのラベルとして(たとえば抗体によるコーティングを介して)結合する。解明を期すため、図には標的成分と磁性粒子の組み合わせのみが図示される。前記標的成分と磁性粒子の組み合わせは以降では、「標的粒子1」と呼ばれる。磁性粒子の代わりに、他のラベル粒子−たとえば帯電粒子又は蛍光粒子−も同様に用いられて良いことに留意して欲しい。
【0024】
担体11と試料チャンバ2との間の界面は、「接触表面」12と呼ばれる表面によって形成される。この接触表面12は、標的粒子と選択的に結合することのできる捕獲素子(図示されていない)−たとえば抗体−によってコーティングされる。
【0025】
当該センサデバイスは、試料チャンバ2の隣接空間内であって接触表面12にて制御可能なように磁場を発生させる磁場発生装置41と42−たとえばコイル及びコアを有する電磁石−を有する。この磁場の助けを借りることによって、標的粒子1は操作、つまり磁化されて(勾配を有する磁場が用いられる場合には)特別に移動させることができる。よってたとえば、標的粒子1を接触表面12へ引きつけることで、前記表面への標的粒子1の結合を加速されること、又は測定前に前記接触表面から未結合の標的粒子を除去することが可能である。
【0026】
当該センサデバイスはさらに、「入射窓」を介して担体11へ向かうように透過する入射光ビームL1を発生させる光源を有する。光源21−たとえば市販のCD(λ=780nm)、DVD(λ=658nm)、又はBD(λ=405nm)レーザーダイオード又は単純なLEDが用いられて良い。コリメータレンズ22が、入射光ビームL1を平行にするのに用いられる。またたとえば0.5mmのピンホールが、ビーム径を減少させるのに用いられて良い。入射光ビームL1は、内部全反射(TIR)の臨界角θcよりも大きな角度で接触表面12に到達するので、「出力光ビーム」L2において内部全反射される。出力光ビームL2は、他の表面(「射出窓」)を介して担体11を飛び出し、かつ最終的には光検出器50によって検出される(ここでは担体11と光検出器50との間の光学系30は無視する)。光検出器50は、該光検出器50に到達する光の量(スペクトル全体又はスペクトルの一部における前記の到達した光の光強度によって表される)を決定する。測定されたセンサ信号が評価され、任意で観測期間全体にわたって、検出器50と結合する評価及び記録モジュール60によって観測される。
【0027】
当該光センサデバイスは、標的粒子1を検出する光学的手段を用いる。(たとえば唾液、血液等の試料流体の)バックグラウンドの影響を除去又は少なくとも最小限に抑制するため、検出法は表面選択的でなければならない。上述したように、このことは、減衰内部全反射(FTIR)の原理を用いることによって実現される。この原理は、入射光ビームL1が内部全反射されるときにエバネッセント波が(指数関数的に強度を減少させながら)試料2へ入り込むという事実に基づく。このエバネッセント波が他の媒体−たとえば結合標的粒子−と相互作用する場合には、入射光ビームの一部は吸収及び/又は散乱され(これは「減衰内部全反射」と呼ばれる)、かつ反射強度は減少する(他方清浄な表面で相互作用がない場合には反射強度は100%となる)。従って妨害量、つまりTIR表面上又はその非常に近く(約100nm以内)(試料チャンバ2の他の部分ではない)の標的粒子の量に依存して、反射強度は減少する。この強度減少は、結合標的粒子1の量、つまり試料中の標的粒子濃度の直接的な指標である。
【0028】
従って上述した設定(つまり光学系30がない状態)は、開始信号−つまり標的粒子が接触表面12に付着していないときの信号−が高くなる(入射光ビームL1が100%反射する)ように機能する。表面への標的粒子の結合は、この光信号を減少させる。よって信号、x=(接触表面に結合する標的粒子の量)は、(1-x)で測定される。なぜならこれが光信号だからである。このことは不利益になる恐れがある。なぜなら一般的には、光信号(1-x)と比較してかなり小さな信号xが関心対象だからである。このため、信号対雑音比(SNR)、信号のドリフト、及びダイナミックレンジの制限に関する問題を引き起こす恐れがある。
【0029】
これらの問題を解決し、かつFTIRの読み出しにおける高いバックグラウンドを除去するため、光学ドメイン(optical domain)において直接「x信号」を測定する方法を提案する。これは、(i)TIR角でのセンサ領域の2D画像化を行い、かつ(ii)マスクを用いて主TIRビームを阻止する一方で散乱光を阻止しないことで、FTIRセンサで「反転した」像を生成することによって実現される。このようにして、標的粒子が表面に結合しないときには測定された光信号はゼロとなり、かつ標的粒子が接触表面12に結合し始めるときには信号が増大する。よってSNR、ドリフト、及びダイナミックレンジに関する上述の問題は相当程度解決することができる。
【0030】
提案された方法は、担体11の射出窓と検出器50との間の出力光ビームL2の光路中に追加的に配置される光学系30内の空間フィルタリングによる暗視野検出を利用する。FTIR検出法の明らかな利点は、接触表面12を照射して、反射後に検出器50に衝突する十分にコリメートされた平行入射光ビームL1を利用することである。検出部の光学系30内の結像(収束)レンズ31を用いるとき、出力光ビームL2の事実上すべての内部全反射光L2dが、レンズの焦点面を通り抜けて、(レンズのNAと光の波長に依存して)結像レンズの焦点面(フーリエ面)内の非常に小さな領域に集中する。通常、光はさらに結像面へ向かって進行して、検出器50に衝突して、接触表面12の明視野像を生成する。しかし本発明によると、空間フィルタ32(障害マスク)が、集光スポットよりもわずかに大きな寸法で、結像レンズ31のフーリエ面内に設けられる。このことは、内部全反射に起因するすべての光L2dが障害物によって阻止され、かつこの光が検出器50に衝突しない結果、散乱が接触表面12で生じるときには光信号がゼロになる(つまり暗視野像)という利点を有する。
【0031】
しかし標的粒子1の結合が接触表面12で起こるとすぐに、光が散乱することで、その光は、主反射ビームL2dの方向以外のランダムな方向に散乱される。従ってこれらの散乱光L2sは、レンズ31のフーリエ面を、軸から外れた状態で通過して、フィルタ32の軸上の障害物によって阻止されない。その結果、一部の光が検出器50に到達する。散乱光が依然として検出器50上で結像されるので、測定信号は散乱量−これは結合標的粒子の量に比例する−に直接比例する。このようにして、評価モジュール60によって処理可能な光「x信号」が高SNRで得られる。
【0032】
特定の実施例を参照しながら本発明はこれまで説明されてきたが、様々な修正型及び拡張型が可能である。そのような修正型及び拡張型とはたとえば以下のようなものである。
− 分子アッセイに加えて、本発明によるセンサデバイスによって、大きな部分−たとえば細胞、ウイルス、細胞若しくはウイルスの分画、細胞組織の抽出物等−の検出が可能である。
− 前記検出は、接触表面に対する当該センサデバイスの走査の有無にかかわらず行うことができる。
− 測定データは、端点測定として得られても良いし、又は信号を動的又は間断的に記録することによって得られても良い。
− ラベルとして機能する粒子は、検知方法によって直接検出されて良い。同様に粒子は、検出前にさらに処理されても良い。さらなる処理の例は、検出を助けるために、材料を追加すること、又はラベルの(生)化学又は物理特定が改質されることである。
− 当該デバイス及び方法は、複数の種類の生化学アッセイと併用されてよい。複数の種類の生化学アッセイとはたとえば、結合/未結合アッセイ、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、変位アッセイ、酵素アッセイ等である。このような併用は特にDNA検出に適している。その理由は、大規模な多重化が容易に可能であり、かつインクジェットプリント法を介して様々なオリゴを基板上に滴下することが可能だからである。
− 当該デバイス及び方法は、センサ多重化(つまり異なるセンサ及びセンサ表面の並列使用)、ラベル多重化(つまり様々な種類のラベルの並列使用)、及びチャンバ多重化(つまり様々な反応チャンバの並列使用)に適している。
− 当該デバイス及び方法は、迅速で、耐久性に優れ、かつ小さな試料容積のポイントオブケアバイオセンサとして容易に利用できる。反応チャンバは、1つ以上の場を発生させる手段及び1つ以上の検出手段を有する、小型読み取り装置と併用される使い捨ての道具であって良い。また本発明のデバイス、方法、及びシステムは、自動化された高処理能力試験に用いられても良い。この場合では、反応チャンバは、自動化装置に適合するたとえばウエルプレート又はキューベットである。
− ナノ粒子とは、少なくとも1つの寸法が、3nm〜5000nmで、好適には10nm〜3000nmで、より好適には50nm〜1000nmである粒子を意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体表面で標的粒子を検出する光センサデバイスであって:
前記接触表面で内部全反射し、かつ前記接触表面にて標的粒子によって一部が散乱されることで、出力光ビームとなるように、入射光ビームを前記担体へ向けて放出する光源;
内部全反射に起因する前記出力光ビームの成分を抑制するフィルタを有する、前記出力光ビームを光検出器へ導光する光学系;
を有する光センサデバイス。
【請求項2】
前記光学系が、空間フィルタによって抑制される前記光源の像を生成することを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項3】
前記光学系が収束レンズを有することを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項4】
前記フィルタが前記収束レンズの焦点面に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の光センサデバイス。
【請求項5】
前記光源が平行入射光ビームを生成することを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項6】
前記の検出された光から前記接触表面での標的粒子の量を定量的に決定する評価ユニットをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項7】
前記接触表面が、標的粒子を選択的に結合することのできる少なくとも1つの捕獲素子によって覆われていることを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項8】
前記標的粒子に影響を及ぼすことのできる磁場を発生させる磁場発生装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項9】
担体の接触表面での標的粒子を検出する方法であって:
前記担体へ入射光ビームを放出することにより、前記入射光ビームは、前記接触表面で内部全反射し、かつ前記接触表面にて標的粒子によって一部が散乱される、手順;
前記出力光ビームにおける内部全反射光成分を抑制する手順;並びに、
残りの出力光ビームの光の量を検出する手順;
を有する方法。
【請求項10】
分子診断、生物学的試料分析、化学的試料分析、食物分析、及び/又は科学捜査分析への請求項1に記載の光センサデバイスの使用。

【図1】
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【公表番号】特表2012−510628(P2012−510628A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539133(P2011−539133)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055348
【国際公開番号】WO2010/064170
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】