説明

温度センサ

温度センサは、ハウジングと、少なくとも部分的にハウジング内に配置された温度感知素子とを含む。異なるサイズにつくられた粒子を混合したものを含むことがある粒状媒体はハウジング内に配置され、少なくとも部分的に温度感知素子を取り囲む。粒状媒体は、前記ハウジング内の還元性雰囲気を回避するために酸素を取り込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年3月28日出願の米国仮出願第60/743856号の優先権を主張する。上記出願の教示を、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は一般に温度センサに関し、より詳細には、それだけには限らないが、排気ガス温度を検出する温度センサを含む。
【背景技術】
【0003】
薄膜抵抗温度検出器は、それだけには限らないが、エンジンからの排出物または排気を含む多くの適用例で温度を検出するために使用される温度センサの一種である。例えば、このような検出器を使用して、内燃エンジンの排気ガス温度を検出することができる。排気ガス温度センサは、エンジン管理システムの一部とすることができる。部分的に測定された排気ガス温度に基づいて、燃料供給など様々な動作パラメータは、調整されうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
白金金属膜抵抗温度検出器は、排出物温度を検出するために使用される温度センサの1つの特定の種類である。このような温度検出器に使用される白金金属抵抗素子は環境条件の影響を受けやすい。例えば、還元性雰囲気では、周囲の雰囲気中の酸素がある閾濃度未満になった場合に、抵抗素子の白金膜のマイグレーションがその基板から生じることがある。白金の分解またはマイグレーションにより抵抗温度検出器から白金が著しく失われると、温度検出器の性能および寿命に悪影響が及ぶ可能性がある。
【0005】
密閉された、すなわちカプセル化された温度センサの内面は、閉じ込められた酸素と密閉環境内で反応し、それによって酸素濃度が低減し、その結果生じる還元性環境により白金抵抗素子が損傷を受けやすい状態になることがある。内部容積があまりに大きいと抵抗温度検出器素子がセンサの外部から断熱され、そのため熱応答時間が大幅に増加し、センサの性能が低下する可能性があるので、密閉された温度センサ内部に含まれてもよい空気の量が限定されることもある。筐体の内部容積の制限のために、たとえセンサの最終組立前に筐体の内面があらかじめ酸化されていても、内面および/または汚染物質のさらなる酸化により酸素濃度がなお低減して、白金抵抗素子が損傷を受けやすい状態になることがある。
【0006】
密閉環境を設けない開放形温度プローブは、還元性雰囲気の存在下での金属膜の損失またはマイグレーションを防止するために、外部雰囲気に対し開放して温度検出器の白金膜との酸素交換を可能にしている。開放設計により外部雰囲気との連絡が可能になりうるとはいえ、外部雰囲気では、薄膜抵抗素子の損失、すなわちその損傷を防止するのに十分なだけの酸素濃度を必ずしも確保することができない。加えて、開放設計では、すす、ほこり、燃焼副産物などの汚染物質が入ることを可能にすることもある。このような汚染物質は、温度検出器の基板、白金膜などと反応し、それを攻撃、阻害し、熱応答時間などを妨げ、あるいはそれらとは別にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の特徴および利点を、本発明と整合する実施形態を説明することで示す。この説
明は、添付の図面と併せ読まれたい。
【0008】
本発明は、一般に温度センサを対象とする。特定の実施形態により、1つの温度センサを説明するが、この温度センサを適切に使用して、温度の測定が必要な内燃エンジン、タービン(ジェット推進)、燃料電池、または他の応用例の排気ガス温度など、排気ガス温度を検出することができる。しかし、本発明と整合する温度センサは、車両と関係しても関係しなくても、種々の他の応用例に関連して使用することができる。
【0009】
図1を参照すると、車両10の一実施形態が概略的に示されている。車両10は、排気システム14を有する内燃エンジン12を含むことができ、この排気システムは、エンジン12から排気ガスの流れを搬送することができる。排気システム14によって搬送される排気ガスの温度を測定するために、温度センサ16を排気システム14に結合することができる。温度センサ16は、排気ガスの温度に対応する、または排気ガスの温度を示す出力を生成することができる。エンジン制御モジュールなどの車両制御システム18は、温度センサ16からの出力を受け取ることができる。エンジン制御システム18は、温度センサ16の出力に応答して、燃料供給、燃料/空気比など1つまたは複数の動作パラメータを変えることができる。
【0010】
図2および図3を参照すると、本発明と整合する温度センサ16の一実施形態の一部分が、側面断面図および正面断面図で示されている。温度センサ16は一般に、縦方向本体20を含むことができ、本体20の一端にハウジング22が配置される。少なくとも部分的にハウジング22内に温度感知素子24を配置することができる。温度感知素子24から本体20にかけて、温度センサ16の電気接続部26、28が延びることができる。図示されていないが、温度センサは、フランジおよび取付ナット、圧縮フェルールなど種々の取付機構を含むこともでき、これらの取付機構は、概ね封止された排気システムの状態を維持しながら、少なくとも部分的には排気システム内に延びる温度センサを取り付けることができる。同様に、温度センサは、温度センサの電気接続部に電気的に結合された電気コネクタまたは接点を含むこともできる。適切なコネクタは、一体型機構ならびにピグテールコネクタを含むことができる。
【0011】
温度感知素子24は、素子の電気抵抗が温度の関数として変化できる抵抗温度感知素子とすることができる。特定の一実施形態では、温度感知素子24は、基板27の上に配置された膜、例えば白金膜である少なくとも1つの金属膜25を含む薄膜抵抗温度検出器とすることができる。本発明に関して、熱電対など種々の温度感知素子も同様に使用することができる。
【0012】
図示のように、ハウジング22は、内部容積21を画定することができる。温度感知素子24は、ハウジング22によって画定された内部容積内に少なくとも部分的に配置することができる。そのように、温度感知素子24は、ハウジング22によって少なくとも部分的にカプセル化することができる。ハウジング22は、温度センサ16の本体20とハウジング22の開端30で結合することができる。一実施形態において、ハウジング22は、概ね気密の封止を実現するように本体20と結合させ、それによって、概ね密閉された環境内に温度感知素子24を配置することができる。概ね密閉された環境により、温度感知素子24が外部環境の汚染物質などにさらされることを低減またはなくすることができる。
【0013】
ハウジング22によって得られる密閉雰囲気により、温度感知素子24が汚染物質にさらされることを防止または低減することができる。それに応じて、ハウジング22によって得られる概ね密閉された環境により、温度感知素子24のすぐ周辺の環境を少なくとも部分的には維持または制御することができる。白金金属膜抵抗温度検出器、または同様に影響を受けやすい素子では、ハウジング22によって得られる内部容積により、十分な量の酸素が温度センサ16の内部雰囲気中に存在することが可能になって、温度感知素子24の劣化または劣化速度を低減することができる。
【0014】
粒状媒体32をハウジング22内に配置することができ、それが温度感知素子24を少なくとも部分的に取り囲むことができる。粒状媒体32は、薄片、顆粒、粉末など制限のない形態で提供されてよい。本開示に関して、さまざまな材料を粒状媒体32として適切に使用することができる。一実施形態では、粒状媒体32は、温度センサ16の所望の動作温度によって悪影響を受けない材料とすることができる。また、粒状媒体は、温度感知素子24の寿命または性能に悪影響を及ぼすこともない。例示的な一実施形態によれば、粒状媒体32は、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マンガン、もしくは酸化ホウ素、またはこれらの組合せ、あるいは形態で重要な隙間を有する任意の材料または諸材料の組合せとして、それらの間で浸透性気体(1つまたは複数)の捕捉を可能にすることができる。別の実施形態において、粒状媒体は、セラミック材料、金属材料など他の材料を含むことができる。
【0015】
温度感知素子24を少なくとも部分的に取り囲む粒状媒体32は、温度感知素子24をハウジング22内で少なくとも部分的に支持する。温度感知素子24を少なくとも部分的に取り囲む粒状媒体32は、温度感知素子24の移動を制限することができる。粒状媒体32で温度感知素子24を支持することにより、例えば振動、衝撃などのために温度感知素子24にかかる機械的負荷および物理的応力を制限することができる。したがって、温度感知素子24は、粒状媒体32によってある程度物理的に保護される。
【0016】
一態様によれば、粒状媒体32は、空気または気体媒体よりも大きい熱伝導性を有することができる。粒状媒体32は、ハウジング22と温度感知素子24の間を分離するどんな断熱効果も少なくともある程度抑えることができる。粒状媒体32は、ハウジング22と温度感知素子24の間に熱経路を形成することができ、したがって、温度センサ16の熱応答を向上させることができる。例示的な1つの特定の媒体32に関して、酸化マグネシウムまたは他の選択された構成要素は、炭素鋼と概して同じ程度になりうる熱伝導率を有することができる。選択された媒体は、それが封入された環境では反応性が低くなり、あるいは予測可能で定量化可能なように反応することができる広範囲の熱伝導率を有する種々の材料を適切に使用することができるので、熱伝導率の特定の値または範囲、あるいは熱伝導率の比較の値または範囲が限度として解釈されるべきではない。複数の粒径、および前記粒子の種類について検討されてよい。
【0017】
ハウジング22と温度感知素子24の間に熱経路を形成することに加えて、媒体32の粒子形状により、ある隙間容積、すなわち個別の粒子間の容積を形成することができる。粒状媒体32の隙間容積は、ある量の酸素が粒状媒体32内に取り込まれることを可能にすることができる。粒状媒体32の隙間容積に取り込まれたその量の酸素は、純粋な酸素ガスとして存在することもあり、あるいは他の成分と混合された状態で得られることもある。例えば、ある酸素体積分率を有する空気を粒状媒体32の隙間容積に取り込むことができる。粒状媒体32内に取り込まれた酸素が、例えばハウジングなどの酸化にある量の酸素を失うことを可能にすることができる一方で、ハウジング22の内部容積内に十分な量の酸素を依然として保持して、還元性雰囲気中での温度感知素子(あるいは、前述した還元性雰囲気または状態によってマイナスの影響を受けるあらゆる素子)の劣化を防ぎ、または遅らせることができる。本明細書では、還元性雰囲気とは、ハウジング内の酸素が閾値未満になった場合に発生し、それによって、感知素子構造部、例えば金属膜の一部分であるマイグレーションが結合された基板から生じる。
【0018】
粒状媒体32は、酸素とは比較的低い反応性を示す材料から生成することができる。酸素との反応性が低いと、ハウジング22内に含まれている酸素が消費されにくく、したがって酸素が残って、温度感知素子24の劣化が防止または低減されうる。上述の粒状媒体と整合性のある、酸化マグネシウムまたは他の選択された構成要素は、酸素との非常に低い反応性を高温でさえも適切に示すことがある。セラミック材料および耐熱性材料などを含む他の種々の材料もまた、酸素との比較的低い反応性を示すことがある。
【0019】
粒状媒体32の上記の態様のいずれとも整合性を有し、粒状媒体32のサイズおよびサイズ分布(すなわち粒径の範囲)を変えて、所望の特性を得ることができる。例えば、粒径がより大きく、粒径分布が比較的狭いと、粒状媒体32の隙間容積が大きくなり、それに応じて、粒状媒体32内に取り込むことができる酸素の量が増加しうる。しかし、粒径がより大きく、粒径分布が比較的狭いと、ハウジング22の内部と粒状媒体32の間、および粒状媒体32と温度感知素子24との間で、また媒体32の隣接粒子間でさえも接触表面積が減少する可能性がある。接触表面積が比較的小さいと、ハウジング22と温度感知素子24の間の熱経路としての粒状媒体32の効果が低減する可能性がある。
【0020】
一実施形態では、粒状媒体32は、諸粒径を混合したものを含めて酸素含有率、および温度センサ16の熱応答を制御することができる。より小さい粒子がより大きい粒子の隙間に少なくとも部分的にあり、それによって熱経路の効果を増大させる一方で、酸素の取込みのための開いた隙間容積をなお確保することができる。一実施形態で使用される特定の粒子の粒径(1つまたは複数)は、センサ、ハウジングおよび感知素子24の寸法および構成によって決まりうる。一実施形態では、小さい方の粒子は大きい方の粒子のメッシュサイズの約71%以下とすることができる。別の実施形態では、小さい方の粒子は大きい方の粒子のメッシュサイズの約50%以下とすることができる。例えば、+100メッシュおよび+200メッシュの粒(例えば酸化マグネシウム粒)を含む諸粒径を混合したものを使用することができる。別の例では、+100メッシュ、+140メッシュ、+200メッシュおよび−200メッシュの粒を含む諸粒径を混合したものを使用することができる。
【0021】
本発明と整合する温度センサ16は、劣化を防止または低減するために酸素濃度をある閾濃度より高く維持する能力など、様々な特性を高めるように製造することができる。例えば、ハウジング22の内面を不動態化してハウジング22の反応性を低減することができる。ハウジング22の反応性が低減されると、ハウジング22の酸化による酸素損失が低減しうる。
【0022】
このような一実施形態では、ハウジング22の内面をあらかじめ酸化することができる。あらかじめ酸化することは、例えば酸素にさらすこと、化学酸化剤を用いて処理することなどを含む既知の任意の方法によって実現できる。センサ素子を中に有するハウジングが外部雰囲気に対してひとたび密閉されれば、あらかじめ酸化することにより湿気汚染およびさらなる酸化を防止することができる。
【0023】
別の態様では、温度センサ16のハウジング22を振動充填して、粒状媒体32の沈降を可能にすることができる。例えば、ハウジング22内に少なくとも部分的に挿入された温度感知素子24とともにハウジング22を、粒状媒体32がハウジング22内に導入されるときに振動させることができる。別の実施形態では、ハウジング22に粒状媒体32を少なくとも部分的に充填することができる。温度感知素子24がハウジング22内に少なくとも部分的に挿入されるときに、ハウジング22を粒状媒体32とともに振動させることができる。ハウジング22および粒状媒体32を振動させると、粒状媒体32が少なくとも部分的に流動化し、それによって温度感知素子24の挿入、ならびに温度感知素子24の周囲の粒状媒体32の沈降が容易になりうる。振動充填技法を用いると、粒状媒体32の適正な沈降を可能にし、温度感知素子24の物理的保護を向上させ、粒状媒体32によって得られる熱伝導性を高めることができる。もちろん、ハウジング内の温度感知素子の周囲に少なくとも部分的に配置される粒状媒体を供給するのに他の操作を用いることもできる。
【0024】
一態様によれば、本開示と整合する温度センサは、密閉ハウジング内の温度感知素子を取り囲むことができる酸化マグネシウムまたは他の選択された構成要素などの粒状媒体内に取り込まれた酸素を供給することができる。ハウジングの密閉環境は、温度感知素子を保護し、ハウジングの内部容積内に設けられた環境内に温度感知素子を保持することができる。加えて、ハウジングによって設けられた密閉環境は、汚染物質の浸透を防止することができる。粒状媒体の隙間容積内に取り込まれた酸素は、例えば還元性環境による温度感知素子の劣化を低減させるのに十分なだけの量の酸素を供給することができる。粒状媒体はまた、ハウジングと温度感知素子の間に、温度センサの十分な熱応答をもたらすことができる熱経路を形成することもできる。粒状媒体は、一般に性質が非反応性のものとし、ハウジングの内面と、一部の実施形態では粒状媒体自体とをあらかじめ酸化して、媒体またはハウジングの酸化が継続する結果としての、ハウジングの密閉環境内の酸素の消耗を低減することができる。
【0025】
別の態様によれば、ハウジングと、ハウジング内に配置された温度感知素子と、ハウジング内および少なくとも部分的に温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体とを含む温度センサが提供される。粒状媒体は、第1の粒子と第2の粒子を混合したものを含み、第2の粒子が第1の粒子よりも小さいサイズを有し、それにより第1の粒子および第2の粒子の間に隙間容積が、ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定される。
【0026】
別の態様によれば、ハウジングと、ハウジング内に配置された温度感知素子であって、少なくとも1つの基板上に配置された金属膜を含む抵抗温度検出器を含む温度感知素子と、ハウジング内および少なくとも部分的に温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体と、本体部分とを含む温度センサが提供され、ハウジングが本体部分に結合されて、その中に温度感知素子および粒状媒体が密封される。粒状媒体は、第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、第2の粒子が、第1の粒子のサイズの約71%以下のサイズを有する。粒状媒体は、第1の粒子と第2の粒子の間に隙間容積を、ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定する。
【0027】
別の態様によれば、ハウジングと、ハウジング内に配置された温度感知素子と、少なくとも1つの基板上に配置された金属膜を含む抵抗温度検出器を含む温度感知素子と、ハウジング内および少なくとも部分的に温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体とを含む温度センサが提供される。粒状媒体は、第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、第2の粒子が、第1の粒子のサイズの約71%以下のサイズを有する。粒状媒体は、第1の粒子と第2の粒子の間に隙間容積を、酸素を取り込むために規定する。
【0028】
別の態様によれば、ハウジングの内面をあらかじめ酸化すること、ハウジング内に温度感知素子を配置すること、ならびにハウジング内および少なくとも部分的に温度感知素子の周囲に粒状媒体を供給することを含む、温度センサの劣化を低減させる方法が提供され、粒状媒体が隙間容積を形成し、この隙間容積内に酸素を取り込む。
【0029】
別の態様によれば、エンジンと、エンジンから排気ガスを搬送するように構成された排気システムと、排気ガスの温度を検出するために排気システムに結合された温度センサと、温度センサの出力に応答してエンジンの少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成された車両制御システムとを含むシステムが提供される。温度センサは、ハウジングと、ハウジング内に配置された温度感知素子と、ハウジング内および少なくとも部分的に温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体とを含む。粒状媒体は、第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、第2の粒子が第1の粒子よりも小さいサイズを有し、それにより第1の粒子と第2の粒子の間に隙間容積が、ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定される。
【0030】
本明細書に開示された特定の実施形態に関して説明した特徴および態様には、本明細書に記載の他の様々な実施形態での組合せおよび/または応用の余地がありうる。こうした他の実施形態に対する、そのような説明した特徴および態様のそのような組合せおよび/または応用は、本明細書で企図されている。加えて、本明細書に開示された実施形態には、開示された主題の趣旨から実質的に逸脱することなく、多数の変形および改変の余地がある。したがって、本明細書の発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明と整合する温度センサを含む車両の概略図である。
【図2】本発明と整合する温度センサの一実施形態の側面断面図である。
【図3】図2に示された温度センサの正面断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 車両、12 内燃エンジン、14 排気システム、16 温度センサ、18 車両制御システム,エンジン制御システム、20 本体、21 内部容積、22 ハウジング、24 温度感知素子、25 金属膜、26,28 電気接続部、27 基板、30 開端、32 粒状媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された温度感知素子と、
前記ハウジング内および少なくとも部分的に前記温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体と、を含む温度センサであって、
前記粒状媒体が第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、前記第2の粒子が第1の粒子よりも小さいサイズを有し、
それにより前記粒子媒体内に隙間容積が、前記ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定される、温度センサ。
【請求項2】
前記温度感知素子が、少なくとも1つの基板上に配置された金属膜を含む抵抗温度検出器を含む、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項3】
前記第1および第2の粒子の少なくとも一方が、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ホウ素からなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項4】
前記第1および第2の粒子の少なくとも一方がセラミック材料を含む、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項5】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約71%のサイズを有する、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項6】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約50%以下のサイズを有する、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項7】
前記センサがさらに本体部分を含み、前記ハウジングが前記本体部分に結合されて、その中に前記温度感知素子および前記粒状媒体が密封される、請求項1に記載の温度センサ。
【請求項8】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された温度感知素子であって、少なくとも1つの基板上に配置された金属膜を有する抵抗温度検出器を含む温度感知素子と、
前記ハウジング内および少なくとも部分的に前記温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体であって、第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約71%以下のサイズを有し、それにより前記粒状媒体内に隙間容積が、前記ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定される、粒状媒体と、
本体部分と、を含む温度センサであって、
前記ハウジングが前記本体部分に結合されて、その中に前記温度感知素子および前記粒状媒体が密封される、温度センサ。
【請求項9】
前記第1および第2の粒子の少なくとも一方が、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ホウ素からなる群から選択された材料を含む、請求項8に記載の温度センサ。
【請求項10】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約50%以下のサイズを有する、請求項8に記載の温度センサ。
【請求項11】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された温度感知素子であって、少なくとも1つの基板上に配置された金属膜を含む抵抗温度検出器を含む温度感知素子と、
前記ハウジング内および少なくとも部分的に前記温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体と、を含む温度センサであって、
前記粒状媒体が第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約71%以下のサイズを有し、それにより前記粒状媒体内に隙間容積が、酸素を取り込むために規定される、温度センサ。
【請求項12】
温度センサの劣化を低減する方法であって、
ハウジングの内面をあらかじめ酸化するステップと、
ハウジング内に前記温度感知素子を配置するステップと、
前記ハウジング内および少なくとも部分的に前記温度感知素子の周囲に粒状媒体を供給するステップと、を含み、
前記粒状媒体が隙間容積を形成し、前記隙間容積内に酸素を取り込む、方法。
【請求項13】
前記粒状媒体が第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、
前記第2の粒子が第1の粒子よりも小さいサイズを有し、
前記隙間容積が、前記ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むのに十分である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約71%のサイズを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約50%以下のサイズを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記方法がさらに、前記温度感知素子および前記粒状媒体の周囲に密閉環境を得るために前記ハウジングを密封するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記方法がさらに、前記流動媒体のある詰込み密度を達成するために、前記ハウジングまたは前記温度感知素子の少なくとも一方を振動させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
エンジンと、
前記エンジンから排気ガスを搬送するように構成された排気システムと、
前記排気ガスの温度を検出するために前記排気システムに結合された温度センサと、を含むシステムであって、
前記温度センサが、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された温度感知素子と、
前記ハウジング内および少なくとも部分的に前記温度感知素子の周囲に配置された粒状媒体であって、第1の粒子および第2の粒子を混合したものを含み、前記第2の粒子が第1の粒子よりも小さいサイズを有し、それにより前記粒状媒体内に隙間容積が、前記ハウジング内の還元性雰囲気を回避するのに十分なだけの量の酸素を取り込むために規定される、粒状媒体と、を含み、
前記システムがさらに、
前記温度センサの出力に応答して前記エンジンの少なくとも1つの動作パラメータを制御するように構成された車両制御システムを含む、システム。
【請求項19】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約71%のサイズを有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の粒子が、前記第1の粒子のサイズの約50%以下のサイズを有する、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−531717(P2009−531717A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503237(P2009−503237)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/065338
【国際公開番号】WO2007/112434
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508289615)ストーンリッジ・インコーポレッド (4)
【Fターム(参考)】