温度制御装置
【課題】温度制御装置の処理面の温度ムラを低減することを目的とする。
【解決手段】冷却管3a,3bによって冷却されて生じる処理面1aにおける高温部分1a2と低温部分1a1の内、前記低温部分1a1の近くの冷却板1内に、ヒータ4を配置し、ヒータ4による加熱を制御して高温部分1a2と低温部分1a1との温度差を抑制するようにしている。
【解決手段】冷却管3a,3bによって冷却されて生じる処理面1aにおける高温部分1a2と低温部分1a1の内、前記低温部分1a1の近くの冷却板1内に、ヒータ4を配置し、ヒータ4による加熱を制御して高温部分1a2と低温部分1a1との温度差を抑制するようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物を少なくとも冷却処理する温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形やプレス成形などでは、金型を加熱または冷却して成形体を製造している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−30432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記射出成形やプレス成形などでは、被処理物としての樹脂を金型によって冷却処理するようにしている。
【0005】
すなわち、金型は、被処理物を冷却処理する冷却板として機能する。
【0006】
かかる金型等の冷却板では、例えば、冷却板の厚み、冷却板に形成された冷却管やネジ等の取付孔の配置などの種々の要因によって、熱容量の大きい部分と小さい部分等が生じ、冷却板の表面である処理面に温度ムラが生じる。
【0007】
例えば、図22の断面図および図23の斜視図に示す冷却板1’では、一端寄りには、該冷却板1’を支持台等に取付けるためのネジ孔2a,2bが形成されているために、冷却用の2本の冷却管3a,3bを、ネジ孔2a,2bを回避するように配置しており、冷却板1’は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面1a’となっている。
【0008】
この冷却板1’では、各冷却管3a,3bに冷却水を給水して冷却すると、処理面1a’において、冷却管3a,3bの直上およびその近傍の部分は、冷却管3a,3bに近いので低温部分1a’1となるのに対して、冷却管3a,3bが配置されていない部分は、高温部分1a’2となって温度ムラを生じる。
【0009】
すなわち、図24に示すように、冷却が開始されると、2本の冷却管3a,3bが形成されている部分の上方の表面は、低温となり、冷却管3a,3bが形成されていない部分の上方の表面は、高温となり、温度ムラが生じる。
【0010】
また、例えば、図25の断面図及び図26の斜視図に示すように、厚さが薄い部分と厚い部分とがあるような冷却板5’’の場合には、例えば、4本の冷却管6a〜6dを等間隔に配置しても、冷却板5’’の冷却管6a〜6dに冷却水を流して冷却板5’’を冷却すると、処理面5a’’において、冷却板5’’の厚みが薄い部分は、熱容量が小さいので低温部分5a1’’となるのに対して、厚みの厚い部分は、高温部分5a2’’となって温度ムラを生じる。
【0011】
更に、例えば、図27の断面図及び図28の斜視図に示すように、冷却板8’が均一な厚みであって、例えば、2本の冷却管9a,9bを等間隔に配置しても、冷却板8’の冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却板8’を冷却すると、処理面8a’において、冷却管9a,9bの直上の部分は、冷却管9a,9bの近傍であるので低温部分8a1となるのに対して、それ以外の部分は、冷却管9a.9bから離れるので、高温部分8a2となって温度ムラを生じる。
【0012】
以上のような冷却板の温度ムラによって、処理後の製品に反りが生じたり、表面の品質の悪化などが生じることになる。
【0013】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、被処理物を少なくとも冷却処理する温度制御装置の温度ムラを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明の温度制御装置は、被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える温度制御装置であって、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分の内、前記低温部分の近くの前記処理体内に、加熱部を配置し、該加熱部による加熱を制御して前記高温部分と前記低温部分との温度差を抑制する。
【0015】
処理体の形状は、特に限定はなく、板状であってもよいし、筒状であってもよく、その厚みが変化するものであってもよい。
【0016】
処理面の形状も特に限定はなく、平坦であってもよいし、段差や凹凸があってもよい。
【0017】
低温部分及び高温部分は、処理面において、最も低温である部分及び最も高温である部分が好ましいが、これに限らず、相対的に温度が低い部分及び温度が高い部分であってもよい。
【0018】
本発明の温度制御装置によると、冷却部の冷却によって生じる低温部分の近くには、加熱部を配置してその加熱を制御するので、処理面における高温部分と低温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0019】
なお、高温部分および低温部分は、次式で定義される冷却密度を用いて冷却密度の高い部分および冷却密度の低い部分ということもできる。
【0020】
冷却密度=冷却面積/熱容量
ここで、冷却面積とは、処理体における冷却部の冷媒との接触表面積をいい、熱容量とは、冷却部表面の各部分で担う処理体の熱容量の合計をいう。
【0021】
なお、この冷却密度、冷却面積及び熱容量については、更に後述する。
【0022】
したがって、本発明の温度制御装置は、被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える冷却処理装置であって、冷却密度の高い処理面の近くに加熱部を配置し、冷却時に加熱部による加熱を行って温度ムラを抑制する、ということもできる。
【0023】
(2)本発明の温度制御装置の一つの実施態様では、前記冷却部が、冷却用流体が流通する冷却流路であり、前記加熱部が、電気的ヒータである。
【0024】
この実施形態によると、電気的ヒータによって、冷却流路の近傍の処理面における低温部分を加熱することによって、高温部分と低温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0025】
(3)本発明の温度制御装置の他の実施形態では、前記低温部分が、前記冷却部の近くの処理面であり、前記低温部分と前記冷却部との間に、前記加熱部を配置する。
【0026】
この実施態様によると、低温部分と冷却部との間に配置された加熱部によって低温部分を加熱して該低温部分と高温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0027】
なお、本発明の他の実施態様として、高温部分の近くにも加熱部を配置し、この高温部分の近くの加熱部と、低温部分の近くの加熱部との加熱の度合いを制御する、具体的には、低温部分の近くの加熱部による加熱を強めるようにして温度ムラを抑制してもよい。
【0028】
(4)本発明の温度制御装置の更に他の実施態様では、前記高温部分の温度を検出する高温部分用温度センサと、前記低温部分の温度を検出する低温部分用温度センサと、前記両温度センサの検出出力に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する制御部とを備えている。
【0029】
この実施態様によると、両温度センサによって検出される高温部分の温度と低温部分の温度との温度差を抑制するように加熱部を制御することができ、これによって、処理面における温度ムラを低減することができる。
【0030】
(5)上記(4)の実施態様では、前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差が生じるように、前記冷却部による冷却の前に、予め加熱してもよい。
【0031】
この実施態様によると、冷却部による冷却によって生じる高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差を、加熱部による加熱によって予め生じさせているので、冷却時には、温度差が相殺されて温度ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図2】図1の冷却板の斜視図である。
【図3】図1の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図4】冷却板の断面構造を示す図である。
【図5】図4の冷却板の熱容量及び冷却面積を示す図である。
【図6】図4の冷却板の冷却密度を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図8】図7の冷却板の斜視図である。
【図9】図7の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図11】図10の冷却板の斜視図である。
【図12】図10の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図14】図13の冷却板の斜視図である。
【図15】図13の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図17】本発明の更に他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図18】本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図19】図18の目標温度差を説明するための処理面の温度変化を示す図である。
【図20】図18の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図21】本発明の他の実施形態を説明するためのシリンダの断面図である。
【図22】従来例の冷却板の断面図である。
【図23】図22の斜視図である。
【図24】図22の処理面の温度変化を示す図である。
【図25】他の従来例の断面図である。
【図26】図25の斜視図である。
【図27】更に他の従来例の断面図である。
【図28】図27の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図であり、図2は、その斜視図である。
【0035】
この実施形態の冷却板1は、矩形板状であって、その一辺寄りの下面側の二箇所には、ネジ孔2a,2bが形成されており、これらネジ孔2a,2bを回避するように、冷却水が流通する2本の冷却管3a,3bが水平方向に配置されている。冷却板1は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面1aとなっている。
【0036】
この冷却板1の冷却管3a,3bに冷却水を流して冷却板1を冷却すると、処理面1aにおいて、冷却管3a,3bの直上およびその近傍の部分は、冷却管3a,3bに近いので低温部分1a1となるのに対して、その他の部分は、高温部分1a2となって温度ムラを生じる。
【0037】
そこで、この実施形態では、この温度ムラを低減するために、2本の冷却管3a,3bが形成されている部分の上方には、フィルム状のヒータ4を設けており、冷却が開始されると、このヒータ4で加熱することによって、冷却管3a,3bが形成されている部分の上方の処理面、すなわち、低温部分1a1が冷え過ぎないようにしている。
【0038】
図3は、処理面の温度変化を示す図である。この図3に示すように、冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、上述の図24の従来例に比べて低減される。
【0039】
この実施形態では、ヒータ4を冷却板1内に配置するために、冷却板1を、上板11と、冷却管3a,3bが形成された下板12とによって構成しており、その間に、フィルム状のヒータ4を配置するようにしている。
【0040】
この実施形態の温度制御装置は、次式で定義される冷却密度を用いると、冷却密度の高い処理面1a1の近くにヒータ4を配置し、冷却時にヒータ4による加熱を行って温度ムラを抑制するものである。
【0041】
冷却密度=冷却面積/熱容量
ここで、冷却面積とは、処理体における冷却部の冷媒との接触表面積をいい、熱容量とは、冷却部表面の各部分で担う処理体の熱容量の合計をいう。
【0042】
これら用語の意義を明確にするために、図4に示すような厚みが階段状に変化する断面構造の冷却板を考える。この冷却板には、3本の冷却管が配置されている。
【0043】
この場合、上述の熱容量は、図5の細線に示されるようになり、上述の冷却面積は、図5の太線で示されるようになる。
【0044】
したがって、上述の冷却密度は、図6に示されるようになる。
【0045】
この実施形態では、冷却密度の高い冷却管3a,3bの直上に両冷却管3a,3bに亘るようにヒータ4を配置してその加熱を制御していることになる。
【0046】
(実施形態2)
図7は、本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板5の断面図であり、図8は、その斜視図である。
【0047】
この実施形態の冷却板5は、厚さが薄い部分と厚さが厚い部分とからなり、階段状に形成されており、4本の冷却管6a〜6cが、左右方向に等間隔に配置されている。冷却板5は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面5aとなっている。
【0048】
この冷却板5の冷却管6a〜6dに冷却水を流して冷却板5を冷却すると、処理面5aにおいて、冷却板5の厚みが薄い部分は、熱容量が小さいので低温部分5a1となるのに対して、厚みの厚い部分は、高温部分5a2となって温度ムラを生じる。
【0049】
この実施形態では、厚さが薄い低温部分5a1と、厚さが厚い高温部分5a2との温度ムラを低減するために、厚さが薄い低温部分の2本の冷却管6a,6bの上方には、フィルム状のヒータ7を設けており、冷却時には、このヒータ7で加熱することによって、厚さが薄い低温部分5a1が冷え過ぎないようしている。
【0050】
図9は、処理面の温度変化を示す図である。冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、上述の図25の従来例に比べて低減される。
【0051】
この実施形態も上述の実施形態と同様に、ヒータ7を冷却板5内に配置するために、冷却板5を、上板と下板とによって構成しており、その間に、フィルム状のヒータ7を配置するようにしている。
【0052】
この実施形態では、冷却板5の処理面5a側に段差があったけれども、本発明の他の実施形態として、図10及び図11に示すように、冷却板5’の裏面側に段差がある場合にも同様に適用することができるものであり、厚さが薄い部分の冷却管6a,6bの上方に、フィルム状のヒータ7を設けて加熱することによって、図12に示すように、冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、低減される。
【0053】
(実施形態3)
図13は、本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板8の断面図であり、図14は、その斜視図である。
【0054】
この実施形態の冷却板8は、均一な厚みであって、2本の冷却管9a,9bを等間隔に配置している。
【0055】
この冷却板8の冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却板8を冷却すると、処理面8aにおいて、冷却管9a,9bの直上の部分は、冷却管9a,9bの近傍であるので低温部分8a1となるのに対して、それ以外の部分は、冷却管9a.9bから離れるので、高温部分8a2となって温度ムラを生じる。
【0056】
この実施形態では、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、その他の高温部分8a2との温度ムラを低減するために、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bをそれぞれ設けており、各ヒータ10a,10bで加熱することによって、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1が冷え過ぎないようし、これによって、冷却板8の処理面8aの温度を均一になるようにし、図15に示すように、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、高温部分8a2との温度ムラを低減するようにしている。
【0057】
なお、この実施形態の構成に加えて、図16に示すように、各ヒータ10a,10bと、各ヒータ10a,10bに電源を供給するヒータ電源11との間のスイッチ12を、水冷開始信号によってONして通電し、水冷停止信号によってOFFして通電を停止するようにしてもよい。
【0058】
(実施形態4)
図17は、本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図であり、上述の図16に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0059】
この実施形態では、上述の図16の実施形態と同様に、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bを設けている。
【0060】
更に、この実施形態では、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くと、冷却管9a,9b孔の間の上方の高温部分8a2の近くとに、それぞれ温度センサ13a,13bをそれぞれ配置し、両温度センサ13a,13bの検出温度の差を、PID制御部14に与え、温度差がなくなるように、各ヒータ10a,10bの操作量を調整して加熱を制御して温度ムラを低減するようにしている。
【0061】
(実施形態5)
図18は、本発明の他の実施形態の温度制御装置の構成図であり、上述の図14に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0062】
この実施形態では、上述の図17の実施形態と同様に、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bを設けると共に、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くと、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2の近くとに、それぞれ温度センサ13a,13bをそれぞれ配置している。
【0063】
更に、この実施形態では、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くの温度センサ13bの検出温度と、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2の近くの温度センサ13aの検出温度との温度差を、目標温度差となるように、PID制御部14によって、各ヒータ10a,10bの操作量を調整して加熱を制御するようにしている。
【0064】
ヒータ10a,10bで加熱することなく、冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却を行った場合には、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2とでは、図19に示す温度ムラ、すなわち、温度差が生じる。
【0065】
この実施形態では、図19の温度差とは、逆の温度差を、目標温度差とし、図20に示すように、予め、冷却の前に、この目標温度差となるように、各ヒータ10a,10bの加熱を制御し、冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却を開始した場合には、冷却によって生じる温度差を相殺して温度ムラを低減するようにしている。
【0066】
この実施形態では、先ず、ヒータ10a,10bによる加熱をしない状態で、冷却時の温度ムラの大きさを、両温度センサ13a,13bによって検出する。
【0067】
この検出された温度差とは、逆の温度差を目標温度差として、冷却前に、ヒータ10a,10bの加熱を制御し、正負逆の温度分布を生じさせ、その後、冷却を開始して温度ムラを相殺する。
【0068】
上述の各実施形態では、各種成形用の金型等に好適な冷却板に適用した説明したけれども、本発明は、板状に限らず、例えば、図21に示すように、射出成形等の筒状のシリンダ15にも適用できるものである。すなわち、シリンダ15の壁には、冷却用の冷却管16が配置されているので、上述の実施形態と同様にヒータ17を配置し、処理面であるシリンダ15の内周面15aの冷却時の温度ムラを抑制してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,5,5’,5’’.8,8’ 冷却板
3a,3b,6a〜6d,9a,9b,16 冷却管
4,7,10a,10b,17 ヒータ
13a,13b 温度センサ
14 PID制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物を少なくとも冷却処理する温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形やプレス成形などでは、金型を加熱または冷却して成形体を製造している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−30432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記射出成形やプレス成形などでは、被処理物としての樹脂を金型によって冷却処理するようにしている。
【0005】
すなわち、金型は、被処理物を冷却処理する冷却板として機能する。
【0006】
かかる金型等の冷却板では、例えば、冷却板の厚み、冷却板に形成された冷却管やネジ等の取付孔の配置などの種々の要因によって、熱容量の大きい部分と小さい部分等が生じ、冷却板の表面である処理面に温度ムラが生じる。
【0007】
例えば、図22の断面図および図23の斜視図に示す冷却板1’では、一端寄りには、該冷却板1’を支持台等に取付けるためのネジ孔2a,2bが形成されているために、冷却用の2本の冷却管3a,3bを、ネジ孔2a,2bを回避するように配置しており、冷却板1’は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面1a’となっている。
【0008】
この冷却板1’では、各冷却管3a,3bに冷却水を給水して冷却すると、処理面1a’において、冷却管3a,3bの直上およびその近傍の部分は、冷却管3a,3bに近いので低温部分1a’1となるのに対して、冷却管3a,3bが配置されていない部分は、高温部分1a’2となって温度ムラを生じる。
【0009】
すなわち、図24に示すように、冷却が開始されると、2本の冷却管3a,3bが形成されている部分の上方の表面は、低温となり、冷却管3a,3bが形成されていない部分の上方の表面は、高温となり、温度ムラが生じる。
【0010】
また、例えば、図25の断面図及び図26の斜視図に示すように、厚さが薄い部分と厚い部分とがあるような冷却板5’’の場合には、例えば、4本の冷却管6a〜6dを等間隔に配置しても、冷却板5’’の冷却管6a〜6dに冷却水を流して冷却板5’’を冷却すると、処理面5a’’において、冷却板5’’の厚みが薄い部分は、熱容量が小さいので低温部分5a1’’となるのに対して、厚みの厚い部分は、高温部分5a2’’となって温度ムラを生じる。
【0011】
更に、例えば、図27の断面図及び図28の斜視図に示すように、冷却板8’が均一な厚みであって、例えば、2本の冷却管9a,9bを等間隔に配置しても、冷却板8’の冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却板8’を冷却すると、処理面8a’において、冷却管9a,9bの直上の部分は、冷却管9a,9bの近傍であるので低温部分8a1となるのに対して、それ以外の部分は、冷却管9a.9bから離れるので、高温部分8a2となって温度ムラを生じる。
【0012】
以上のような冷却板の温度ムラによって、処理後の製品に反りが生じたり、表面の品質の悪化などが生じることになる。
【0013】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、被処理物を少なくとも冷却処理する温度制御装置の温度ムラを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明の温度制御装置は、被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える温度制御装置であって、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分の内、前記低温部分の近くの前記処理体内に、加熱部を配置し、該加熱部による加熱を制御して前記高温部分と前記低温部分との温度差を抑制する。
【0015】
処理体の形状は、特に限定はなく、板状であってもよいし、筒状であってもよく、その厚みが変化するものであってもよい。
【0016】
処理面の形状も特に限定はなく、平坦であってもよいし、段差や凹凸があってもよい。
【0017】
低温部分及び高温部分は、処理面において、最も低温である部分及び最も高温である部分が好ましいが、これに限らず、相対的に温度が低い部分及び温度が高い部分であってもよい。
【0018】
本発明の温度制御装置によると、冷却部の冷却によって生じる低温部分の近くには、加熱部を配置してその加熱を制御するので、処理面における高温部分と低温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0019】
なお、高温部分および低温部分は、次式で定義される冷却密度を用いて冷却密度の高い部分および冷却密度の低い部分ということもできる。
【0020】
冷却密度=冷却面積/熱容量
ここで、冷却面積とは、処理体における冷却部の冷媒との接触表面積をいい、熱容量とは、冷却部表面の各部分で担う処理体の熱容量の合計をいう。
【0021】
なお、この冷却密度、冷却面積及び熱容量については、更に後述する。
【0022】
したがって、本発明の温度制御装置は、被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える冷却処理装置であって、冷却密度の高い処理面の近くに加熱部を配置し、冷却時に加熱部による加熱を行って温度ムラを抑制する、ということもできる。
【0023】
(2)本発明の温度制御装置の一つの実施態様では、前記冷却部が、冷却用流体が流通する冷却流路であり、前記加熱部が、電気的ヒータである。
【0024】
この実施形態によると、電気的ヒータによって、冷却流路の近傍の処理面における低温部分を加熱することによって、高温部分と低温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0025】
(3)本発明の温度制御装置の他の実施形態では、前記低温部分が、前記冷却部の近くの処理面であり、前記低温部分と前記冷却部との間に、前記加熱部を配置する。
【0026】
この実施態様によると、低温部分と冷却部との間に配置された加熱部によって低温部分を加熱して該低温部分と高温部分との温度差を抑制して温度ムラを低減することができる。
【0027】
なお、本発明の他の実施態様として、高温部分の近くにも加熱部を配置し、この高温部分の近くの加熱部と、低温部分の近くの加熱部との加熱の度合いを制御する、具体的には、低温部分の近くの加熱部による加熱を強めるようにして温度ムラを抑制してもよい。
【0028】
(4)本発明の温度制御装置の更に他の実施態様では、前記高温部分の温度を検出する高温部分用温度センサと、前記低温部分の温度を検出する低温部分用温度センサと、前記両温度センサの検出出力に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する制御部とを備えている。
【0029】
この実施態様によると、両温度センサによって検出される高温部分の温度と低温部分の温度との温度差を抑制するように加熱部を制御することができ、これによって、処理面における温度ムラを低減することができる。
【0030】
(5)上記(4)の実施態様では、前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差が生じるように、前記冷却部による冷却の前に、予め加熱してもよい。
【0031】
この実施態様によると、冷却部による冷却によって生じる高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差を、加熱部による加熱によって予め生じさせているので、冷却時には、温度差が相殺されて温度ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図2】図1の冷却板の斜視図である。
【図3】図1の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図4】冷却板の断面構造を示す図である。
【図5】図4の冷却板の熱容量及び冷却面積を示す図である。
【図6】図4の冷却板の冷却密度を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図8】図7の冷却板の斜視図である。
【図9】図7の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図11】図10の冷却板の斜視図である。
【図12】図10の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図である。
【図14】図13の冷却板の斜視図である。
【図15】図13の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図17】本発明の更に他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図18】本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図である。
【図19】図18の目標温度差を説明するための処理面の温度変化を示す図である。
【図20】図18の冷却板の処理面の温度変化を示す図である。
【図21】本発明の他の実施形態を説明するためのシリンダの断面図である。
【図22】従来例の冷却板の断面図である。
【図23】図22の斜視図である。
【図24】図22の処理面の温度変化を示す図である。
【図25】他の従来例の断面図である。
【図26】図25の斜視図である。
【図27】更に他の従来例の断面図である。
【図28】図27の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板の断面図であり、図2は、その斜視図である。
【0035】
この実施形態の冷却板1は、矩形板状であって、その一辺寄りの下面側の二箇所には、ネジ孔2a,2bが形成されており、これらネジ孔2a,2bを回避するように、冷却水が流通する2本の冷却管3a,3bが水平方向に配置されている。冷却板1は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面1aとなっている。
【0036】
この冷却板1の冷却管3a,3bに冷却水を流して冷却板1を冷却すると、処理面1aにおいて、冷却管3a,3bの直上およびその近傍の部分は、冷却管3a,3bに近いので低温部分1a1となるのに対して、その他の部分は、高温部分1a2となって温度ムラを生じる。
【0037】
そこで、この実施形態では、この温度ムラを低減するために、2本の冷却管3a,3bが形成されている部分の上方には、フィルム状のヒータ4を設けており、冷却が開始されると、このヒータ4で加熱することによって、冷却管3a,3bが形成されている部分の上方の処理面、すなわち、低温部分1a1が冷え過ぎないようにしている。
【0038】
図3は、処理面の温度変化を示す図である。この図3に示すように、冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、上述の図24の従来例に比べて低減される。
【0039】
この実施形態では、ヒータ4を冷却板1内に配置するために、冷却板1を、上板11と、冷却管3a,3bが形成された下板12とによって構成しており、その間に、フィルム状のヒータ4を配置するようにしている。
【0040】
この実施形態の温度制御装置は、次式で定義される冷却密度を用いると、冷却密度の高い処理面1a1の近くにヒータ4を配置し、冷却時にヒータ4による加熱を行って温度ムラを抑制するものである。
【0041】
冷却密度=冷却面積/熱容量
ここで、冷却面積とは、処理体における冷却部の冷媒との接触表面積をいい、熱容量とは、冷却部表面の各部分で担う処理体の熱容量の合計をいう。
【0042】
これら用語の意義を明確にするために、図4に示すような厚みが階段状に変化する断面構造の冷却板を考える。この冷却板には、3本の冷却管が配置されている。
【0043】
この場合、上述の熱容量は、図5の細線に示されるようになり、上述の冷却面積は、図5の太線で示されるようになる。
【0044】
したがって、上述の冷却密度は、図6に示されるようになる。
【0045】
この実施形態では、冷却密度の高い冷却管3a,3bの直上に両冷却管3a,3bに亘るようにヒータ4を配置してその加熱を制御していることになる。
【0046】
(実施形態2)
図7は、本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板5の断面図であり、図8は、その斜視図である。
【0047】
この実施形態の冷却板5は、厚さが薄い部分と厚さが厚い部分とからなり、階段状に形成されており、4本の冷却管6a〜6cが、左右方向に等間隔に配置されている。冷却板5は、その上面が、被処理物を冷却処理する処理面5aとなっている。
【0048】
この冷却板5の冷却管6a〜6dに冷却水を流して冷却板5を冷却すると、処理面5aにおいて、冷却板5の厚みが薄い部分は、熱容量が小さいので低温部分5a1となるのに対して、厚みの厚い部分は、高温部分5a2となって温度ムラを生じる。
【0049】
この実施形態では、厚さが薄い低温部分5a1と、厚さが厚い高温部分5a2との温度ムラを低減するために、厚さが薄い低温部分の2本の冷却管6a,6bの上方には、フィルム状のヒータ7を設けており、冷却時には、このヒータ7で加熱することによって、厚さが薄い低温部分5a1が冷え過ぎないようしている。
【0050】
図9は、処理面の温度変化を示す図である。冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、上述の図25の従来例に比べて低減される。
【0051】
この実施形態も上述の実施形態と同様に、ヒータ7を冷却板5内に配置するために、冷却板5を、上板と下板とによって構成しており、その間に、フィルム状のヒータ7を配置するようにしている。
【0052】
この実施形態では、冷却板5の処理面5a側に段差があったけれども、本発明の他の実施形態として、図10及び図11に示すように、冷却板5’の裏面側に段差がある場合にも同様に適用することができるものであり、厚さが薄い部分の冷却管6a,6bの上方に、フィルム状のヒータ7を設けて加熱することによって、図12に示すように、冷却開始後の高温部分と低温部分との温度ムラは、低減される。
【0053】
(実施形態3)
図13は、本発明の他の実施形態に係る温度制御装置の要部である冷却板8の断面図であり、図14は、その斜視図である。
【0054】
この実施形態の冷却板8は、均一な厚みであって、2本の冷却管9a,9bを等間隔に配置している。
【0055】
この冷却板8の冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却板8を冷却すると、処理面8aにおいて、冷却管9a,9bの直上の部分は、冷却管9a,9bの近傍であるので低温部分8a1となるのに対して、それ以外の部分は、冷却管9a.9bから離れるので、高温部分8a2となって温度ムラを生じる。
【0056】
この実施形態では、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、その他の高温部分8a2との温度ムラを低減するために、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bをそれぞれ設けており、各ヒータ10a,10bで加熱することによって、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1が冷え過ぎないようし、これによって、冷却板8の処理面8aの温度を均一になるようにし、図15に示すように、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、高温部分8a2との温度ムラを低減するようにしている。
【0057】
なお、この実施形態の構成に加えて、図16に示すように、各ヒータ10a,10bと、各ヒータ10a,10bに電源を供給するヒータ電源11との間のスイッチ12を、水冷開始信号によってONして通電し、水冷停止信号によってOFFして通電を停止するようにしてもよい。
【0058】
(実施形態4)
図17は、本発明の他の実施形態の温度制御装置の概略構成図であり、上述の図16に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0059】
この実施形態では、上述の図16の実施形態と同様に、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bを設けている。
【0060】
更に、この実施形態では、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くと、冷却管9a,9b孔の間の上方の高温部分8a2の近くとに、それぞれ温度センサ13a,13bをそれぞれ配置し、両温度センサ13a,13bの検出温度の差を、PID制御部14に与え、温度差がなくなるように、各ヒータ10a,10bの操作量を調整して加熱を制御して温度ムラを低減するようにしている。
【0061】
(実施形態5)
図18は、本発明の他の実施形態の温度制御装置の構成図であり、上述の図14に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0062】
この実施形態では、上述の図17の実施形態と同様に、2本の冷却管9a,9bの直上には、フィルム状のヒータ10a,10bを設けると共に、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くと、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2の近くとに、それぞれ温度センサ13a,13bをそれぞれ配置している。
【0063】
更に、この実施形態では、冷却管9bの直上の低温部分8a1の近くの温度センサ13bの検出温度と、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2の近くの温度センサ13aの検出温度との温度差を、目標温度差となるように、PID制御部14によって、各ヒータ10a,10bの操作量を調整して加熱を制御するようにしている。
【0064】
ヒータ10a,10bで加熱することなく、冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却を行った場合には、冷却管9a,9bの直上の低温部分8a1と、冷却管9a,9bの間の上方の高温部分8a2とでは、図19に示す温度ムラ、すなわち、温度差が生じる。
【0065】
この実施形態では、図19の温度差とは、逆の温度差を、目標温度差とし、図20に示すように、予め、冷却の前に、この目標温度差となるように、各ヒータ10a,10bの加熱を制御し、冷却管9a,9bに冷却水を流して冷却を開始した場合には、冷却によって生じる温度差を相殺して温度ムラを低減するようにしている。
【0066】
この実施形態では、先ず、ヒータ10a,10bによる加熱をしない状態で、冷却時の温度ムラの大きさを、両温度センサ13a,13bによって検出する。
【0067】
この検出された温度差とは、逆の温度差を目標温度差として、冷却前に、ヒータ10a,10bの加熱を制御し、正負逆の温度分布を生じさせ、その後、冷却を開始して温度ムラを相殺する。
【0068】
上述の各実施形態では、各種成形用の金型等に好適な冷却板に適用した説明したけれども、本発明は、板状に限らず、例えば、図21に示すように、射出成形等の筒状のシリンダ15にも適用できるものである。すなわち、シリンダ15の壁には、冷却用の冷却管16が配置されているので、上述の実施形態と同様にヒータ17を配置し、処理面であるシリンダ15の内周面15aの冷却時の温度ムラを抑制してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,5,5’,5’’.8,8’ 冷却板
3a,3b,6a〜6d,9a,9b,16 冷却管
4,7,10a,10b,17 ヒータ
13a,13b 温度センサ
14 PID制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える温度制御装置であって、
前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分の内、前記低温部分の近くの前記処理体内に、加熱部を配置し、該加熱部による加熱を制御して前記高温部分と前記低温部分との温度差を抑制することを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
前記冷却部が、冷却用流体が流通する冷却流路であり、
前記加熱部が、電気的ヒータである、
請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記低温部分が、前記冷却部の近くの処理面であり、前記低温部分と前記冷却部との間に、前記加熱部を配置する、
請求項1または2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記高温部分の温度を検出する高温部分用温度センサと、
前記低温部分の温度を検出する低温部分用温度センサと、
前記両温度センサの検出出力に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する制御部と、
を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差が生じるように、前記冷却部による冷却の前に、予め加熱する、
請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項1】
被処理物を冷却処理する処理面を有する処理体と、該処理体内に設けられて前記処理面を冷却する冷却部とを備える温度制御装置であって、
前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分の内、前記低温部分の近くの前記処理体内に、加熱部を配置し、該加熱部による加熱を制御して前記高温部分と前記低温部分との温度差を抑制することを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
前記冷却部が、冷却用流体が流通する冷却流路であり、
前記加熱部が、電気的ヒータである、
請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記低温部分が、前記冷却部の近くの処理面であり、前記低温部分と前記冷却部との間に、前記加熱部を配置する、
請求項1または2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記高温部分の温度を検出する高温部分用温度センサと、
前記低温部分の温度を検出する低温部分用温度センサと、
前記両温度センサの検出出力に基づいて、前記加熱部による加熱を制御する制御部と、
を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記冷却部によって冷却されて生じる前記処理面における高温部分と低温部分との温度差とは逆の温度差が生じるように、前記冷却部による冷却の前に、予め加熱する、
請求項4に記載の温度制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−121222(P2012−121222A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273475(P2010−273475)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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