説明

温度応動弁

【課題】確実に弁座部材並びに弁軸に付着した異物を取り除くことのできる温度応動弁を提供する。
【解決手段】本体1と蓋2で入口5と弁室4と出口7を形成する。弁室4の下部を出口7側に連通する弁口10を有する弁座部材3を設ける。弁口10を開閉する弁軸13を弁室4内に配置する。弁軸13の外周に感温部材12を取り付ける。弁室4の底部に紫外光ランプ着脱座14を設けて、紫外光ランプ15を着脱自在に取り付ける。弁座部材3と弁軸13の表面は、光触媒をコーティングする。弁口10にゴミ等の異物が詰まった場合は、紫外光ランプ15を取り付けることによって、弁軸13や弁座部材3の先端部分や弁口10の異物を確実に分解洗浄することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被制御流体で加熱冷却され、その温度に応じて変形する感温部材により弁口を開閉する温度応動弁に関する。本発明の温度応動弁は所定温度以下の流体を系外に排出する場合に用いられ、特に所定温度以下の復水を自動的に排出する温調トラップとして用いる場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の温度応動弁は、例えば特許文献1に開示されている。ここに開示された温度応動弁は、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁室と出口を連通する弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒をその先端を弁ケーシングから突出させて弁ケーシングに進退調節可能にねじ結合し、一端側に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部材の変形作用により弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を開閉し、調節棒を外部から弁ケーシングに対してねじ進退させることにより排出すべき流体の温度を変更するものにおいて、調節棒の弁ケーシングに対するねじ進退に伴って回転するように弁軸を調節棒に連結したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4046956号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の温度応動弁は、調節棒を外部から弁ケーシングに対してねじ進退させて弁軸を回転させることにより、弁口付近に付着した異物を掃除できるものであるが、弁軸の回転だけでは異物を確実に除去することができない問題点があった。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、弁口を設けた弁座部材、並びに、弁体を設けた弁軸に付着した異物を、確実に取り除くことのできる温度応動弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明は、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室の下部に弁室を出口側と連通する弁口を有する弁座部材を設け、弁口を開閉する弁軸を配置して、当該弁軸の周囲に感温部材を取り付けたものにおいて、弁座部材又は/及び弁軸の表面に酸化チタンからなる光触媒をコーティングすると共に、弁室内に紫外光ランプを着脱することのできる紫外光ランプ着脱座をケーシングに形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、弁座部材並びに弁軸の表面に光触媒をコーティングすると共に、弁室内に紫外光ランプを着脱することのできる紫外光ランプ着脱座をケーシングに形成したことにより、着脱座に紫外光ランプを取り付けることによって、弁座部材並びに弁軸の表面を確実に分解洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係わる温度応動弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。本体1に蓋2を図示しないボルトで締結して内部に弁室4を有するケーシングを形成する。本体1は入口5と出口7を有する。入口5は弁室4の下部に連通すると共に、入口5と出口7は同一軸上に形成する。弁室4の下部に弁口10を開けた弁座部材3を配置する。
【0010】
弁室4内に、下端部を弁体とする弁軸13を上下動自在に配置する。弁軸13の周囲にバイメタル等で構成される感温部材12を取り付ける。弁軸13の上部は、弁軸13の上下方向の位置を調節することのできる調節ネジ9の穴部11に配置する。本体1の下部側方に紫外光ランプ着脱座14を形成する。本実施の形態では、着脱座14に紫外光ランプ15を取り付けた例を示す。紫外光ランプ15の下端には電源コード8を接続する。紫外光ランプ15を取り外して、着脱座14の孔を図示しないプラグで閉止することで、通常の温調トラップとしての機能を果たすものである。
【0011】
弁座部材3の弁口10の内周壁面と弁室4内に位置する部分に光触媒をコーティングする。また、弁軸13の下端部の外表面にも光触媒をコーティングする。弁座部材3の右側方に通路6を設けて出口7と連通する。
【0012】
弁軸13の下端部外表面や弁孔10や弁座部材3の先端部分にゴミや鉄錆やスケール等の異物が付着した場合は、図1に示すように、紫外光ランプ15を取り付けることによって、それぞれの箇所の異物を確実に分解洗浄することができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明の上記の温度応動弁は、温調トラップに限らず他の温度応動弁にも利用することができる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体
2 蓋
3 弁座部材
4 弁室
5 入口
7 出口
8 電源コード
10 弁口
12 感温部材
13 弁軸
14 紫外光ランプ着脱座
15 紫外光ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室の下部に弁室を出口側と連通する弁口を有する弁座部材を設け、弁口を開閉する弁軸を配置して、当該弁軸の周囲に感温部材を取り付けたものにおいて、弁座部材又は/及び弁軸の表面に酸化チタンからなる光触媒をコーティングすると共に、弁室内に紫外光ランプを着脱することのできる紫外光ランプ着脱座をケーシングに形成したことを特徴とする温度応動弁。

【図1】
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【公開番号】特開2012−107652(P2012−107652A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255129(P2010−255129)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】