説明

温度感知製品の指示装置

本発明は、キレート剤のような群の材料から選ばれた第1の反応物を保つ上部層、及び引き金を引いて第1の反応物と反応するのに適合した第2の反応物を保つ下部層を含む、時間温度の依存関係を示すことができる装置を提供する。バリア層は、上部層及び下部層の間に提供される。装置は、環境条件に影響を受けにくく、室温で保管することが可能であるのと同時に、視覚的な特徴は、引き金を引いた後に時間及び温度に依存して変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的な比色定量の指示装置に関する。より詳細には、本発明は、たとえば高温時には変化がより速く及び低温時には変化がより遅い、時間とともに色が変化する時間温度指示装置「TTI(s)」に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの製品は、それらが温度の影響を受けやすいので、冷却された状態で、末端消費者のもとへ、輸送及び販売される。さらに、製造からの時間も、製品の品質に影響を与える。たとえば医療品と同様に乳製品もしくは肉や鶏肉は、それらが冷却された温度にあったとしても時間経過に伴い悪くなり、一方、冷却されない状態の時は非常に速く悪くなる。乳製品及び肉製品の賞味期限を表示することは、よくあることである。賞味期限は、一定の温度及び時間における履歴の推定であり、末端消費者に届くまでの製品が曝露される実際の時間及び温度の表示ではない。この推定は、悪くなった製品の販売もしくは良い製品の早まった廃棄処分のいずれかを引き起こす。
【0003】
時間温度指示装置(文章中ではTTIとして引用される)は、技術的に知られている。これらの装置は、温度感知製品の製造時に、累積的に曝露されている時間/温度を監視するために、取り付けられている。TTIは、食糧及び医薬品を含む幅広い品において曝露されている時間及び温度を監視するのに用いられ、製品の賞味期限の表示とは異なり、消費者に知られていない実際の輸送及び保存状態に依存する推奨期日であって、TTIは、製品が曝露される温度に直接応答しその製品における実際の温度の履歴を反映する。
【0004】
食糧及び医薬品の商品配給者は、一般に配送箱にTTIを付ける。その最も求められる使用法は、製品を購入し使用する顧客までのコールドチェーンの完全さを保証することである。
【0005】
本装置は、特に腐敗しやすい製品もしくは他の特別な使用に適合することができる。そのような装置の使用が有効である可能性がある、腐敗しやすい製品の例は、包装された生鮮食品と冷凍食品、乳製品、肉、医薬品、写真フィルム、缶詰、香辛料、ビタミン、種子及び植物を含む。TTIが有効である可能性のある、ゆっくり時間をかけて劣化する他の製品は、たとえば絵の具、コーティング、接着剤、コーク(caulk)などを含む。TTIは、さらに殺菌指示装置もしくは料理指示装置としても、製品が殺菌もしくは調理が完成した時を示すのに、有効である可能性がある。
【0006】
温度指示装置は、基本的に2つの群へ分類される;1つの群は、一定の臨界温度に達したもしくは超過した後のみ変化を示し(しきい値)、2つの群は、全温度領域にわたって統一して、いかなる段階の状態も示す(TTI)。
【0007】
包装に取り付けられて、包装の温度が過剰の場合もしくは適した保存寿命の終了に達した場合を示すように設計された装置に関して、多くの試みがなされ、様々な特許が発行された。化学反応による色変化は、多くの変化が記載され、いくつかの例は以下に示される:色が変化するアセチレン化合物を用いた、活性のある指示要素は、米国特許第4,737,463号;米国特許第4,788,151号;米国特許第4,789,637号、に開示されている。pH依存性の指示品は、中性種から酸性種への化学的変化で生じる化学線の照射により通常活性化され、時間に依存して色が変化する。例は、米国特許第5,085,802号に記載される。米国特許第4,812,053号は、酸素に反応しTTI様式で消費され、その下における色の再現を生じる、酸素を感知する脱色剤を教示する。米国特許3,966,414番は、過酸化物によるTTI様式において、ラジカル生成による色変化について記載する。欧州特許第1026221号及び欧州特許第735368号において、活性の核となるのは、酸化還元反応である。さらに、物理的な変化機構における使用を教示する特許がある。例は、国際公開第WO99/44021号もしくは米国特許第5,954,010号である。それらの特許は、温度の変化で縮み、指示スプリングの長さが異なる材料の使用を教示する。
【0008】
ほとんどの既存のTTI及びここで記載されたTTIの不利益のひとつは、それらが製品へ取り付ける前に、低温で保管もしくは化学線から保護されなければいけないことである。これらの要求は、TTIの費用を大幅に増加させて、生産ライン手順を複雑にし、指示器の信頼度に関して不確実な要素を招く。したがって、それを適用する場所で、もしくは消費者自身によってさえも活性化させることが可能なTTIラベルの必要がある。
【0009】
引き金の機構を導入することは、望ましかった。熱溶解可能な材料における変化は、通常活性化の引き金として働き、色変化を備えたその組み合わせは、国際公開第WO01/073388号及び国際公開第WO03/014681号に開示される。米国特許第4,212,153号及び米国特許第5,053,339号は、少なくとも2つの層を備えた薄板状の指示装置であって、内層から外層へ物質の分子の移動により知覚可能な色を生じることを記載する。反応物は、酸を用いた色素、酸化還元反応の色素、及びpH色素である。国際公開第WO03/014681号は、2つの反応物について記載する;第1の反応物は、凍結して及びカプセルに入れて消費する液体に溶けている。製品が凍結し、カプセルが割れ(活性化の引き金)、温度が上昇する時に、第1の反応物は、色が生じるように覆いの中で提供される第2の反応物と反応する。国際公開第WO87/03367号は、UV放射線によって予備的に照射された時間温度指示装置に関して、ロイコ塩基の適用についての情報である。
【0010】
引き金の機構は、製品の温度履歴を正確に示すことが可能な求められる機構であるが、上述の指示装置は、製品の過去を正確に示していない。これは、用いられる特定の化学物質及び反応の使用による。それらの化学薬品は、外界の影響を受けやすく、したがって、製品の状態を正確に示すのに有効でない。
【0011】
本発明によるTTIは、単純な引き金によって活性化され、活性化が必要になるまで室温に保存することができる。そのTTIは、pH、光、放射線、もしくは湿度といった環境条件に影響を受けにくい。そのような装置の価格は、比較的低く、その使用は、今日存在するもしくは特許文献に記載された装置よりもはるかに効率的である。
【0012】
本発明の中で用いられるTTIは、腐敗しやすい製品に望ましくは取り付けられて、時間及び温度に対する累積的な曝露に応答する;このように、製品が曝露されていた温度の履歴における真実のフローに関する視覚的な証拠は、製造場所からそれが販売されて消費者に使用されるまで、提供することができる。
【特許文献1】米国特許第4,737,463号
【特許文献2】米国特許第4,788,151号
【特許文献3】米国特許第4,789,637号
【特許文献4】米国特許第5,085,802号
【特許文献5】米国特許第4,812,053号
【特許文献6】米国特許第3,966,414号
【特許文献7】欧州特許第1026221号
【特許文献8】欧州特許第735368号
【特許文献9】国際公開第WO99/44021号
【特許文献10】米国特許第5,954,010号
【特許文献11】国際公開第WO01/073388号
【特許文献12】国際公開第WO03/014681号
【特許文献13】米国特許第4,212,153号
【特許文献14】米国特許第5,053,339号
【特許文献15】国際公開第WO03/014681号
【特許文献16】国際公開第WO87/03367号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、時間及び温度の曝露を視覚的に検出することを可能にする、化学的な比色定量の指示装置を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、製品状態の正確な表示がいつでも示される、温度及び時間に影響を受けやすい製品に関わることを意図する、化学的な比色定量の指示装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、化学反応が所定の瞬間に開始することを可能にする、引き金の機構を備えている、化学的な比色定量の指示装置を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、本装置の精度に影響する可能性がある環境条件によっても影響を受けにくい、化学的な比色定量の指示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
時間温度依存関係を示すことができる装置である本発明の好適な実施形態は、以下のように提供される:
キレート剤のような群の材料から選ばれた、少なくとも1つの第1の反応物と、
上記少なくとも1つの第1の反応物との反応が引き金となって、引き金が引かれた後に、時間及び温度に依存して変化するという視覚的な特徴を備えた、所定の化学反応によって反応するのに適した群からなる、少なくとも1つの第2の反応物と、
上記少なくとも1つの第1の反応物を保つのに適した上部層と、
上記少なくとも1つの第2の反応物を保つのに適した下部層と、
上記上部層及び上記下部層の間で提供されるバリア層と、
それらより、上記少なくとも1つの第1の反応物と同時に少なくとも1つの第2の反応物は、色の変化が観察者に容易に検出できることを備える、環境条件に影響を受けず及び室温で保管することができる装置において、上記化学反応に従って反応していく。
【0018】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記上部層と上記バリア及び下部層は、反応の活性化を開始するために、製造者が上記第1のラベル及び上記第2のラベルを一緒にする一方で、最初から別々に提供される。
【0019】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記上部層及び上記バリア層は、いかなる求められる時に末端消費者によって取り除くことができる不浸透性の除去可能なフィルムによって分離される。
【0020】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記バリアは、上記少なくと1つの第2の反応物が上記バリアを通って拡散することが妨げられることを備えた、上記少なくとも1つの第1の反応物が温度に応じて上記バリアを通して拡散することを可能にするのに適した、重合体のマトリックスである。
【0021】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記バリア層は、実質範囲の厚さで5−200ミクロンである。
【0022】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記少なくとも1つの第1の反応物は、粘性の不揮発性の溶液で実質0.01−5%の濃度である。
【0023】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、上記少なくとも1つの第2の反応物は、水溶液で実質0.1−5%の濃度である。
【0024】
さらに、本発明の他の好適な実施形態のように、装置は、製品への装置の付着を可能にするのに適した粘着層をさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、製品の時間及び温度への曝露を指示する反応物間による視覚的に検出する不可逆の化学反応ができる、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置を提供する。化学的な比色定量反応の発端は、装置の引き金の活性化による。本発明の指示装置は、指示装置の色もしくは指示装置の一部が、引き金を引いた後に時間及び温度に依存して変化する視覚的な特徴を備える、反応の引き金となることに適した少なくとも2つの反応物を含む。さらに、指示装置は、化学反応がマトリックスの中で行なわれることを備える、反応物を保つのに適したマトリックスを含む。装置は、室温に保管することができ、色の変化は、観察者に検出できるシグナルとなる。
【0026】
本発明の指示装置における引き金の機構は、ここで後に説明される製造者もしくは末端消費者による生産中に開始できる、直接の物理的接触による活性化である。活性化状態に一旦なると、指示化合物は、バリアを通って移動するような、第2の時間に依存したの工程を通じて、様々な時間/温度条件へのTTIの曝露を監視する役目をする。
【0027】
活性化の前のTTIは、先行技術指示器で行われるように、冷却され及び光保護される環境である必要が無い、通常の条件下で保管され配送られる。
【0028】
本発明の好適な実施形態によると、反応物として作用するために好適な化合物は、即時の色変化の工程に加わるものである。これらは、キレート剤のような既知の反応物による工程である。これらの反応は、直接の接触によって色の形成/変形を行い、それゆえに、移動もしくは浸透のような、温度制御の工程によって操作されなければならない、高速工程である。
【0029】
上述された特許に記載された他の反応物と比較した本反応物の中で最も重要な利点の1つは、それらが単独の組み合わせで反応することである;それゆえに、TTI指示器によって示される必要のある製品が一般に維持され保管される通常の状態において、PH、光もしくは湿度のような環境条件に影響を受けにくい。これは、先行技術製品が誤った表示を生じる理由である。後にここで述べられる本発明の指示装置に用いられる反応物が、環境条件に影響を受けにくい事実は、安定性と精度を保証する。
【0030】
ここで参考として、製造者バージョンの好適な実施形態による、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置を、図1aにおいて図示する。指示装置は、各々の1つが反応物のうちの1つを提供されることを備えた、2つのラベルを含む。第1のラベル11は、望ましくは0.01−5%の濃度の不揮発性ビスコース液体である指示薬溶液14で満たされ、内側を透明なフィルムで覆われて作られた上部層12を含む。第1の反応物溶液及びその組に関する説明は、後にここに提供される。ラベル12は、ラベル11のような複数のラベルが付着させられる、裏打ち層13に付着させられる。
【0031】
第2のラベル15は、望まれる実質5−200ミクロン厚さを持つ、望ましくは透明な拡散した重合体のマトリックスで作られるバリア層16と、望ましくは第2の反応物の溶液を満たす紙もしくはポリマーで作られる下部層18を含む。第2の反応物は、視覚的に検出できる反応を確立するために、上部層12で提供される第1の反応物溶液と共に反応するのに適している。
【0032】
裏打ち層20は、製品自体へ装置を取り付けるための接着剤を含んでいる、下部層18へ取り付けられる。その層は、複数の指示装置を支持する紙もしくは高分子材料である−自己接着剤紙である、支持層22で支持される。ここで示されるように、両方のラベルは、各々の型のラベルが別々のロールにより提供されると同時に、支持層もしくは裏打ち層に付着させられる。
【0033】
製造者は、装置を活性化するために、2つの反応物が互いに面している間に、11及び15の2つのラベルを共に接着させなければならない
【0034】
ここで参考として、活性化後における好適な実施形態による、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置を、図2において図示する。本発明の指示装置10は、多重層の装置であって、望ましくは0.01−5%の濃度の不揮発性ビスコース液体である指示薬溶液14で満たされ、内側を透明なフィルムで覆われて作られた上部層12と、活性化する前に取り除かれる必要のある保護された遮蔽板によって望ましくは守られた接着層を含む。指示溶液及びその組に関する説明は、後にここに提供される。上部層10に隣接した、バリア層16は、望ましくは拡散したマトリックスで作られ提供される。バリア層16は、望ましくは実質5−200ミクロンの厚さを持つ。バリア層16は、単に第1の反応物溶液がバリアを通過して及び反応物と反応できるのに適していて、色変化の検出を可能にするために透明である。
【0035】
下部層18は、望ましくは第2の反応物の溶液を満たす紙もしくはポリマーで作られていて、上部層12の内部表面で提供される第1の反応物溶液14の方向に作られているコーティングを備える。第2の反応物は、視覚的に検出できる反応を確立するために、上部層10で提供される指示溶液と反応するのに適している。
【0036】
裏打ち層20は、下部層18と接着していて、製品自体への装置を取り付けるための接着剤を含む。その層は、複数の指示装置を支持する紙もしくは高分子材料である−自己接着剤紙である、支持層22で支持される。複数の指示装置10は、支持層22に接着させられ、時間及び温度を監視する製品に付着している(その製品は、図で示されない)。
【0037】
ここで上述のように、上部層12及び下部層16の両方の層は、時間及び温度に依存して明確に検出できる色変化を確立するための反応の反応物を提供される。
【0038】
他のバージョンにおいて、末端消費者は、未活性化状態の製品に既に取り付けられている指示装置を活性化する。
【0039】
ここで参考として、末端消費者バージョンの好適な実施形態による、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置を、図1bにて図示する。このバージョンでは、層は、最終配置において既に組み立てられている;但し、化学工程の開始を防ぐために、2つの反応物間において分離のためのフィルムがある。
【0040】
基本的に、同じ層が、図2で示されるように提供されるが、不浸透性の除去可能な分離のためのフィルム17は、工程の開始を防ぐようにバリア層16と第1の反応物層14の間で提供される。末端消費者は、活性化後の最終指示装置の構造が図2に示されるように、希望する時に、分離のためのフィルム17を剥いて、活性化を開始するために2つの部分の指示装置を連結できる。
【実施例1】
【0041】
本発明の1つの形態によると、用いられる反応物は、キレート剤、2,2‘‐Dipyridilである。2,2’‐ Dipyridilは、鉄イオン要求性の反応物であり、以下の反応にしたがって作用することが知られている:

これより、指示装置は、上部層で提供された第1の反応物溶液が2,2‘‐Dipyridilであり、下部層18で提供された第2の反応物が塩化鉄(II)(水溶液、5mg/ml)であるように、本発明によって作られた。バリア層16は、厚さ実質50ミクロンのポリアクリレートが選択された。
【0042】
開始反応のための引き金は、層12及び16がともに連結されることが可能になる時である。初期の状態は無色であり、それは反応工程の最後に赤色に変わる。
【0043】
ここに記載された装置は、50C、30C、及び5Cに置かれ、色変化の検査のためサーモスタットから定期的に取り出された。実験の結果は、表1に示される。
【表1】

【0044】
この表は、色による時間/温度依存関係から、その製品は、50Cで0.5時間以上、30Cで2時間以上、5Cで40時間以上は保存できないことを明確に示す。本発明の好適な実施形態が、いかなる腐敗しやすい製品の賞味期限の終了を望ましく示すことができるように、指示装置の色変化によるシグナルは、ここで作られ例証された。
【0045】
ここに示された反応は、指示装置を作るために用いることができる一定の反応の例であって、本発明の範囲を決して限定しない。同様の特徴を持つ他のいかなる反応は、装置を確立するために利用することができる。
【0046】
ここに示された反応は、環境条件に影響を受けないことが強調されるべきである;それゆえに、本発明の指示装置に利用されることは大変適切である。これは、ここに参照として部分的に示された先行技術文献に記載された反応と異なる。
【0047】
時間及び温度の両方に応答する統一されたTTIに対する、もしくはTTIそのものに対する望ましい温度範囲は、最初の温度に応答し、それらの使用目的に依存する。標準の商品範囲のTTIは、0Cからそれ以上におよぶ。冷凍状態を検知するTTIでは、0もしくはそれ以下の範囲であるべきことを備える。異なる温度範囲における反応の操作は、技術的に既知の指示化合物及び添加物の選択を通じて行うことができる。
【0048】
指示装置の指示応答の広い最大限の範囲を得るために、装置は、異なる指示化合物の混合物を含むことができ、その各々は、温度履歴の推移の間に一連の色変化を受ける。或いは、装置は、異なる活性を持つ異なるアセチレン組成を含む隣接片から構成されることができる。
【0049】
これ以上の詳述をすることなく、上述の記載を用いて、当業者は、その完全な範囲で本発明を利用することができると考えられる。それゆえに、上述の好適な特定の実施形態は、単なる実例と解釈され、いかなる方法も、明細書情報から考えられるものに限定的でなく解釈される。
【0050】
ここで引用された全ての特許出願、特許、及び出版物における全開示情報は、参考文献によって本契約書に組み込まれる。先の記載から、当業者は、容易に本発明の本質的特徴を確認することができ、その本質及び範囲から外れることの無く、様々な使用法及び状態に適応させるために、本発明に様々な変化及び改良を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明をより良好に理解しその実際の適用を認識するために、下記の図面が添付されここに参照される。類似構成要素は、類似参照符号によって示される。
図面は、例及び好適な実施形態としてのみ与えられるものであり、添付の明細書及び特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を限定することは全くないことに注意しなければならない。
【0052】
【図1】(a)は、製造者バージョンの好適な実施形態による、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置の図である。(b)は、末端消費者バージョンの好適な実施形態のによる、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置の図である。
【図2】活性化後における好適な実施形態による、時間‐温度依存関係を示すことができる指示装置の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不可逆的な時間温度依存関係を示すことができる装置であって、
キレート剤のような群の材料から選ばれた、少なくとも1つの第1の反応物と、
前記少なくとも1つの第1の反応物との反応が引き金となって、引き金が引かれた後に、時間及び温度に依存して変化するという視覚的な特徴を備えた、所定の化学反応によって反応するのに適した、少なくとも1つの第2の反応物と、
前記少なくとも1つの第1の反応物を保つのに適した上部層と、
前記少なくとも1つの第2の反応物を保つのに適した下部層と、
前記上部層及び前記下部層の間で提供されるバリア層と、
を具備し、
前記少なくとも1つの第1の反応物と同時に少なくとも1つの第2の反応物は、前記バリア層を通って拡散により、もっぱら前記化学反応に従って反応する、環境条件に影響を受けず及び室温で保管することができ、色の変化が観察者に容易に検出できることを備える装置。
【請求項2】
前記上部層、前記バリア層及び下部層は、最初に別々の2つのラベルとして提供され、反応の活性化を開始するために、製造者が前記別々の2つのラベルを一緒にする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記上部層及び前記バリア層は、いかなる求められる時に末端消費者によって取り除くことができる不浸透性の除去可能なフィルムによって分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記バリアは、前記少なくとも1つの第1の反応物が温度に応じて前記バリアを通して拡散することを可能にするのに適した透明な重合体のマトリックスであって、前記少なくと1つの第2の反応物が前記バリアを通って拡散することが妨げられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記バリア層は、透明な重合体の材料で作られていて、実質10−200ミクロンの厚さである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の反応物は、溶液で実質0.01−5%の濃度である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2の反応物は、水溶液で実質0.1−5%の濃度である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
製品への装置の付着を可能にするのに適した粘着層をさらに具備する装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
腐敗しやすい製品の時間温度依存関係を指示する方法であって、
第1のラベルの提供であって、キレート剤のような群の材料から選ばれた、少なくとも1つの第1の反応物を保つのに適した上部層を具備し、前記第1のラベルが支持フィルム上で接着させられるステップと、
第2のラベルの提供であって、前記少なくとも1つの第1の反応物と所定の化学反応に従って反応するのに適した、少なくとも1つの第2の反応物を保つバリア層及び隣接した下部層を具備し、前記第2のラベルが支持フィルム上で接着させられるステップと、
前記第1のラベルを前記第2のラベルに接着することであって、前記少なくとも1つの第2の反応物が、腐敗しやすい製品の製造において前記バリア層に面するステップと、
ラベルを腐敗しやすい製品に取り付けるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
腐敗しやすい製品の時間‐温度、時間‐温度依存関係を指示する方法であって、
活性化されていない指示装置を提供するステップであって、キレート剤のような群の材料から選ばれた少なくとも1つの第1の反応物を保つのに適した上部層と、隣接するバリア層と、前記少なくとも1つの第1の反応物と所定の化学反応に従って反応するのに適した少なくとも1つの第2の反応物を保つ下部層と、前記上部層とバリア層の間を提供する分離フィルムと、支持接着フィルムと、を含むステップと、
前記指示装置を腐敗しやすい製品に取り付けるステップと、
時間‐温度表示が監視されることが求められる時に、前記分離フィルムの除去によって前記指示装置を活性化するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
本記載、添付の請求項及び図面に述べられた、実質上、時間温度依存関係を示すことができる装置。
【請求項12】
本記載、添付の請求項及び図面に述べられた、実質上、腐敗しやすい製品における時間‐温度、時間‐温度依存関係を指示する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−510987(P2008−510987A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529132(P2007−529132)
【出願日】平成17年8月21日(2005.8.21)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000907
【国際公開番号】WO2006/021953
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507059657)スカイラド エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】