説明

温風暖房装置

【課題】温風暖房器の仕様ガス種と、使用されるガスが異なって使用された場合は何らかの不具合が機器に発生するまで使用者は気づかなかった。
【解決手段】 ガスを燃焼するバーナ1と、バーナ1により発生した燃焼ガスと外部から取り込んだ空気とを混合して温風とする燃焼室2と、燃焼室2より温風を送出する送風ファン4と、送風ファンによる温風を吹出す温風吹出し口5で構成された温風暖房器にあって、温風暖房器の運転を制御する制御装置17を有し、制御装置17は温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上になれば運転を停止するように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスを燃料として使用する温風暖房装置の制御構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の温風暖房装置は、運転スイッチを入れれば制御装置に伝達されて暖房燃焼運転を開始し、運転スイッチを停止すれば運転停止信号が制御装置に伝達され、ガス閉止弁への出力を停止し、ガス閉止弁を閉じていた。そして、温風暖房装置は、その仕様ガス種類と同じガス種が使用されることを前提で構成されていた(例えば、特許文献1参照)。図7は従来の温風暖房装置における制御フローチャートの一例を示すものである。
【特許文献1】特開2002−357319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、温風暖房装置の仕様ガス種類と同じガス種が使用されることを前提で温風暖房装置が作られているので、温風暖房装置の仕様ガス種と異なったガス種を使用して温風暖房装置が運転された場合は、バーナが異常燃焼を起こしているにもかかわらず、何らかの不具合が機器に発生するまで使用者は気づかないでいる課題があった。
【0004】
上記従来の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、温風暖房装置の仕様ガス種と異なったガス種が使用された場合には暖房運転を停止するようにして安全性を向上させた温風暖房装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の温風暖房装置は、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、バーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上になれば運転停止するように構成した制御手段を備えたものである。これによって、温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で温風暖房器が運転された場合、運転を自動的に停止し、機器の使用上の安全を図るものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の温風暖房装置は、温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で温風暖房器が運転された場合、制御手段により運転を自動的に停止して機器の使用上の安全を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、ガスを燃焼するバーナと、前記バーナにより発生した燃焼ガスと外部から取り込んだ空気とを混合して温風とする燃焼室と、前記燃焼室より温風を送出する送風ファンと、前記送風ファンによる温風を吹出す温風吹出口で構成された温風暖房器にあって、前記温風暖房器の運転を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、前記バーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上になれば運転を停止するように構成した温風暖房装置である。
【0008】
これにより、制御手段は温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、前記バーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出
力以上になれば運転停止の作用をするので、温風暖房器は自動的に停止され、機器の使用ガスの間違いによる不安全事象を防止することができる。
【0009】
第2の発明は、特に第1の発明の制御手段を、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、異常を報知する報知音発生機能を有した構成にしたもので、温風暖房器が仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、制御手段により運転の異常を、報知音を報知させて機器の使用ガスの間違いによる不安全事象を確実に使用者に知らせることができる。
【0010】
第3の発明は、特に第1の発明の制御手段を、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、異常状態を運転操作部に表示し、更に異常を報知する報知音発生機能を有した構成にしているので、使用されるガスが異なったガス種類で温風暖房器が運転された場合、制御手段はバーナの異常燃焼による火炎出力を検出した際に運転操作部に異常表示し、さらに異常音報知し使用者に異常状態を知らせるので、機器の使用ガスの間違いによる不安全事象を、より確実に使用者に知らせることができる。
【0011】
第4の発明は、特に第1〜第3のいずれか一つの発明の制御手段を、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、このバーナの異常燃焼による火炎出力の検出は所定の検出回数以降は温風暖房器の動作を不能にさせる構成にしたので、使用されるガスが異なったガス種類で何回も温風暖房器が運転開始された場合、制御手段はバーナの異常燃焼による火炎出力の検出が所定の検出回数以降になると温風暖房器の動作を不能にする。
【0012】
なお、制御手段は温風暖房器が動作不能に陥った時には、専門のアフターサービス者により前記動作不能を解除するスイッチの操作、または暗号の入力で検出機能を元に戻すように構成すればよい。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成で同一作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における温風暖房装置の構成図で、図2は同温風暖房装置の制御フローである。バーナ1は供給されたガスの燃焼を行う。燃焼室2は、バーナ1によるガスの燃焼により発生した燃焼ガスの上昇を案内する。そして、燃焼室2の上方付近で外部から取り込まれた空気が混合し温風が形成される。燃焼室2のバーナ1の上部にはバーナ1の燃焼による火炎を検出して電気信号として火炎出力する燃焼検出器3が配置してある。
【0015】
また、バーナ1の下方には上記した温風を温風暖房器の外殻であるケース6の前面下部に開口する温風吹出し口5へ送出するための送風ファン4が設けられている。送風ファン4は、ファンモータ7が側面に取り付けられ、かつ前方には温風吹出し口5が位置している。ケース6の後面には、温風用と燃焼用として使用される対流用空気8を取り入れるための多数の空気吸込み口9とエアーフィルター10が設けてある。
【0016】
室温検出器11は、空気吸込み口9の内側に設けられ、流入する空気の温度で室温を検出する。送風量制御装置12は、ファンモータ7の回転数を制御して送風ファン4によ
る空気吸込み口9からの空気の取り込み量と温風吹出し口5からの温風の送出量を制御する。ガス量制御装置13はバーナ1に供給するガス量を制御し、かつガスの供給・遮断をする。
【0017】
運転操作部14は、ケース6の上部に配置され、暖房の運転を入り切りする運転スイッチ15と室温設定スイッチ16が設けてある。制御手段としての制御装置17は送風量制御装置12等を含み、マイクロコンピュータとその周辺回路からなり、バーナ1、ファンモータ7、燃焼検出器3、室温検出器11、燃焼室2の異常温度を検出する温度検出器18、運転スイッチ15、室温設定スイッチ16、ガス量制御装置13等の部品とは図の破線で示すように電気的に接続され、部屋の温度が温度設定スイッチ16の温度になるように前記部品の制御を行う通常の暖房運転及び停止(以下に記述した動作の制御フロー)を実行するためのプログラムを内蔵している。
【0018】
また、制御装置17は図2に示す制御フローを実行して温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を、燃焼検出器3を介して検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上になれば運転を停止するためのプログラムも内蔵している。
【0019】
なお、運転操作部14には運転スイッチ15と室温設定スイッチ16等の動作、停止を表示する表示ランプ(図示せず)が設けてある。
【0020】
次に温風暖房器が製造時に定められた仕様ガス種類と同じガス種類を使用して通常の暖房運転が行なわれた際の動作について説明する。運転スイッチ15を押すと、制御装置17により送風ファン4が回転するとともに、ガス量制御装置13からガスがバーナ1に供給され、点火によりバーナ1はガスと燃焼用空気の混合ガスを燃焼させる。そして、発生した高温の排気ガスである燃焼ガスと、燃焼室2の上部の風路2a内でエアーフィルター10を介して空気吸込み口9を通過した対流用空気が矢印で示すように混合される。
【0021】
この混合された温風は、送風量制御装置12によるファンモータ7の回転が制御された送風ファン4によって前面下部の温風吹出し口5から送出され暖房を行う。そして、室温設定スイッチ16で設定された温度になるように制御装置17が制御を行い通常の暖房運転が行なわれる。もちろん、運転スイッチ15を再び押すと、制御装置17はガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断し、かつ一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する。
【0022】
次に誤って使用者が自宅のガス種類と異なった仕様ガスの温風暖房器を購入し、自宅のガス栓に接続して使用した際の異常の暖房運転につき、図2に従い動作を説明する。
まず、運転スイッチ15を操作して暖房運転を開始する(S−1)。この暖房運転が開始され、点火によりバーナ1に燃焼ガスが発生するとともに、燃焼検出器3が燃焼ガスに加熱され火炎を検出するとともに、その出力が上昇する(s−2)。
そして、制御装置17は温風暖房器が異なったガスが供給されて運転開始しているためバーナ1の燃焼ガスに加熱された燃焼検出器3からの火炎検出出力が所定の時間に、所定の値以上に到達する、バーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出信号を取り込む(s−3)。その結果、制御装置17は異常と判定し、ガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断し、かつ一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する(s−4)。
【0023】
以上のように本実施の形態によれば温風暖房器の使用ガスの間違いによる不安全事象を防止することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における温風暖房装置の制御フローを示すものである。なお、温風暖房装置の概観の構成は実施の形態1の図1と同じなので、これを利用し、異なる制御装置を中心に説明する。
【0025】
制御装置17は、図3に示す制御フローを実行して温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を、燃焼検出器3を介して検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上、例えば前記火炎出力がxmv/t秒間の出力上昇値になると運転を停止するためのプログラムも内蔵している。
【0026】
次に温風暖房器が製造時に定められた仕様ガス種類と同じガス種類を使用して通常の暖房運転が行なわれた際の動作は、実施の形態1で説明したと同じである。
【0027】
続いて、誤って使用者が自宅のガス種類と異なった仕様ガスの温風暖房器を購入し、自宅のガス栓に接続して使用した際の異常の暖房運転につき、図3に従い動作を説明する。
まず、運転スイッチ15を操作して暖房運転を開始する(S−5)。この暖房運転が開始され、点火によりバーナ1に燃焼ガスが発生するとともに、燃焼検出器3が燃焼ガスに加熱され火炎を検出するとともに、その出力が上昇する(s−6)。
そして、制御装置17は温風暖房器が異なったガスが供給されて運転開始しているためバーナ1の燃焼ガスに加熱された燃焼検出器3からの火炎検出出力がxmv/t秒間の出力上昇値になった、すなわちバーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出信号を取り込む(s−3)。その結果、制御装置17は異常と判定し、ガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断し、かつ一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する(s−8)。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば温風暖房器の使用ガスの間違いによる不安全事象を防止することができる。
【0029】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における温風暖房装置の制御フローを示すものである。なお、温風暖房装置の概観の構成は実施の形態1の図1と同じなので、これを利用し、異なる制御装置を中心に説明する。
【0030】
制御装置17は、図4に示す制御フローを実行して温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を、燃焼検出器3を介して検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上、例えば前記火炎出力がxmv/t秒間の出力上昇値になると運転を停止するとともに、異常の警告音を報知する報知音発生機能のためのプログラムも内蔵している。
【0031】
次に温風暖房器が製造時に定められた仕様ガス種類と同じガス種類を使用して通常の暖房運転が行なわれた際の動作は、実施の形態1で説明したと同じである。
【0032】
続いて、誤って使用者が自宅のガス種類と異なった仕様ガスの温風暖房器を購入し、自宅のガス栓に接続して使用した際の異常の暖房運転につき、図4に従い動作を説明する。
まず、運転スイッチ15を操作して暖房運転を開始する(S−9)。この暖房運転が開始され、点火によりバーナ1に燃焼ガスが発生するとともに、燃焼検出器3が燃焼ガスに加熱され火炎を検出するとともに、その出力が上昇する(s−10)。
そして、制御装置17は温風暖房器が異なったガスが供給されて運転開始しているためバーナ1の燃焼ガスに加熱された燃焼検出器3からの火炎検出出力がxmv/t秒間の出力上昇値になった、すなわちバーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出信号を取り込む(s−11)。その結果、制御装置17は異常と判定し、ガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断するとともに、異常の警告音を発し、かつ一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する(s−12)。
【0033】
以上のように本実施の形態によれば温風暖房器の使用ガスの間違いによる不安全事象を防止することができるとともに、使用者に警告音による異常状態の発生を確実に知らせる事ができる。
【0034】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における温風暖房装置の制御フローを示すものである。なお、温風暖房装置の概観の構成は実施の形態1の図1と同じなので、これを利用し、異なる制御装置を中心に説明する。
【0035】
制御装置17は、図5に示す制御フローを実行して温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を、燃焼検出器3を介して検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上、例えば前記火炎出力がxmv/t秒間の出力上昇値になると運転を停止するとともに、異常の警告音を報知する報知音発生機能と運転操作部14に設けた全ての表示ランプを点滅させるためのプログラムも内蔵している。
【0036】
次に温風暖房器が製造時に定められた仕様ガス種類と同じガス種類を使用して通常の暖房運転が行なわれた際の動作は、実施の形態1で説明したと同じである。
【0037】
続いて、誤って使用者が自宅のガス種類と異なった仕様ガスの温風暖房器を購入し、自宅のガス栓に接続して使用した際の異常の暖房運転につき、図5に従い動作を説明する。
まず、運転スイッチ15を操作して暖房運転を開始する(S−13)。この暖房運転が開始され、点火によりバーナ1に燃焼ガスが発生するとともに、燃焼検出器3が燃焼ガスに加熱され火炎を検出するとともに、その出力が上昇する(s−14)。
そして、制御装置17は温風暖房器が異なったガスが供給されて運転開始しているためバーナ1の燃焼ガスに加熱された燃焼検出器3からの火炎検出出力がxmv/t秒間の出力上昇値になった、すなわちバーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出信号を取り込む(s−15)。その結果、制御装置17は異常と判定し、ガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断するとともに、異常の警告音を発し、かつ運転操作部14に設けてある表示ランプの全てを点滅させ、一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する(s−16)。
【0038】
以上のように本実施の形態によれば温風暖房器の使用ガスの間違いによる不安全事象を防止することができるとともに、使用者に警告音と表示ランプの点滅により異常状態の発生を確実に知らせる事ができる。
【0039】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における温風暖房装置の制御フローを示すものである。なお、温風暖房装置の概観の構成は実施の形態1の図1と同じなので、これを利用し、異なる制御装置を中心に説明する。
【0040】
制御装置17は、図6に示す制御フローを実行して温風暖房器が、該温風暖房器の仕
様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された場合、バーナ1の異常燃焼による火炎出力を、燃焼検出器3を介して検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上、例えば前記火炎出力がxmv/t秒間の出力上昇値になると運転を停止するとともに、異常の警告音を報知する報知音発生機能と運転操作部14に設けた全ての表示ランプを点滅させるためのプログラムも内蔵している。
【0041】
さらに、制御装置17は、上記した温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転された事実、すなわちバーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出が、所定の検出回数以降は温風暖房器の動作を不能にさせ、そして、アフターサービス者により前記動作不能を解除するスイッチの操作、または暗号の入力により、当初の通常の暖房運転及び温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転されたことを検出する機能に回復させるプログラムも内蔵している。
【0042】
次に温風暖房器が製造時に定められた仕様ガス種類と同じガス種類を使用して通常の暖房運転が行なわれた際の動作は、実施の形態1で説明したと同じである。
【0043】
続いて、誤って使用者が自宅のガス種類と異なった仕様ガスの温風暖房器を購入し、自宅のガス栓に接続して使用した際の異常の暖房運転につき、図6に従い動作を説明する。
まず、運転スイッチ15を操作して暖房運転を開始する(S−17)。この暖房運転が開始され、点火によりバーナ1に燃焼ガスが発生するとともに、燃焼検出器3が燃焼ガスに加熱され火炎を検出するとともに、その出力が上昇する(s−18)。
そして、制御装置17は温風暖房器が異なったガスが供給されて運転開始しているためバーナ1の燃焼ガスに加熱された燃焼検出器3からの火炎検出出力がxmv/t秒間の出力上昇値になった、すなわちバーナ1の異常燃焼による火炎出力の検出信号を取り込む(s−19)。その結果、制御装置17は異常と判定し、ガス量制御装置13を閉じてガスのバーナ1への供給を遮断するとともに、異常の警告音を発し、かつ運転操作部14に設けてある表示ランプの全てを点滅させ、一定時間の後に送風ファン4の運転を停止し、暖房運転を停止する(s−20)。
【0044】
特に本実施の形態では、使用者が上記した異常に気づかずに、あるいは無視して再び運転スイッチ15を押して暖房運転の開始操作が、例えば5回までは上記した制御で行われるものの、6回目以降になると制御装置17は温風暖房器の運転開始の操作を不能にするものである。
【0045】
そして、アフターサービス者により前記動作不能を解除するスイッチの操作、または暗号の入力により、当初の通常の暖房運転及び温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類を使用して運転されたことを検出する機能に回復させるとともに、アフターサービス者よりの説明を受け、自宅のガス種類にあった仕様ガスの温風暖房器に交換して使用することにより、安全に器具を使用することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明にかかる温風暖房装置は、温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で温風暖房器が運転された場合、制御手段により運転を自動的に停止して機器の使用上の安全を図るものであり、製造時に仕様ガスの種類が定められるガス器具に広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1における温風暖房装置の概観構成図
【図2】同実施の形態1における温風暖房装置の制御フローチャート
【図3】本発明の実施の形態2における温風暖房装置の制御フローチャート
【図4】本発明の実施の形態3における温風暖房装置の制御フローチャート
【図5】本発明の実施の形態4における温風暖房装置の制御フローチャート
【図6】本発明の実施の形態5における温風暖房装置の制御フローチャート
【図7】従来の温風暖房装置の制御フローチャート
【符号の説明】
【0048】
1 バーナ
2 燃焼室
4 送風ファン
5 温風吹出し口
14 運転操作部
17 制御装置(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを燃焼するバーナと、前記バーナにより発生した燃焼ガスと外部から取り込んだ空気とを混合して温風とする燃焼室と、前記燃焼室より温風を送出する送風ファンと、前記送風ファンによる温風を吹出す温風吹出し口で構成された温風暖房器にあって、前記温風暖房器の運転を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合、前記バーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、前記火炎出力が所定時間に所定出力以上になれば運転を停止するように構成した温風暖房装置。
【請求項2】
制御手段は、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、異常を報知する報知音発生機能を有した請求項1に記載の温風暖房装置。
【請求項3】
制御手段は、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、異常状態を運転操作部に表示し、更に異常を報知する報知音発生機能を有した請求項1に記載の温風暖房装置。
【請求項4】
制御手段は、温風暖房器が、該温風暖房器の仕様ガス種類と異なったガス種類で運転された場合におけるバーナの異常燃焼による火炎出力を検出し、このバーナの異常燃焼による火炎出力の検出は所定の検出回数以降は温風暖房器の動作を不能にさせる請求1〜3のいずれか1項に記載の温風暖房装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−187404(P2007−187404A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7078(P2006−7078)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】