説明

測定機器の入出力ユニット

【課題】入出力端子金具と入出力回路を備えた基板とそれらを覆う外装カバーとが確りと固定された測定機器の入出力回路ユニットを提供する。
【解決手段】測定機器の入出力回路ユニットは、測定機器の本体に挿入され、本体側の電気回路と電気的な連結がなされる入出力回路の組み込まれる基板7を備え、外装カバーに覆われた入出力回路ユニットにおいて、該基板7にねじ止めされて機械的な連結がされるとともに、電気的な接続がされる入出力端子金具を有し、該入出力端子金具の外筒3a・3b・3c・3dに、外装カバーと係合する係止リブ2が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器の本体に挿入され、本体側の電気回路と電気的な連結がなされる入出力回路ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種測定機器の本体には、本体に挿入されて、本体側の電気回路と電気的な連結がなされる入力回路を備えた入力回路ユニットが広く用いられている。入力回路ユニットは、着脱可能である。したがって、入力信号の種類に応じた入力回路ユニットの選択ができる。
【0003】
従来の入力回路ユニットは、図4に示すように、フロントパネル5に入力端子挿入口を備えており、入力端子挿入口内に端子金具4を備えている。入力回路ユニット内部において、端子金具4は外筒3に覆われ、先端で基板7と固定されている。複数ある外筒3は、それぞれの一端がフロントパネル5と一体化している。
【0004】
このような構造では、入力端子の抜き差し等で入力端子挿入口をこじった際に、入外筒が不安定なため、端子金具4は上下左右にぶれやすい。そのため、こじった際の応力が固定された端子金具4の先端やネジ17に集中し、ネジや基板が破損する原因となる。
【0005】
【特許文献1】特開平10−51182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、入出力端子金具と入出力回路を備えた基板とそれらを覆う外装カバーとが確りと固定された測定機器の入出力回路ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された測定機器の入出力回路ユニットは、入出力回路の組み込まれる基板を備え、外装カバーに覆われた入出力回路ユニットにおいて、該基板に接続される入出力端子金具を有し、該入出力端子金具の外筒に、外装カバーと係合する係止リブが設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載された測定機器の入出力回路ユニットは、請求項1に記載されたもので、該入出力回路ユニットに該入出力端子金具を複数有し、複数のうちの少なくとも二つの該入出力端子金具の外筒が連結リブにより連結されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載された測定機器の入出力回路ユニットは、請求項1に記載されたもので、該外装カバーが上面カバーと下面カバーとで構成され、該入出力端子金具の外筒に設けられた二つのリブが上面カバーと下面カバーとに夫々係合していることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載された測定機器は、請求項1、2、または3に記載の入出力回路ユニットを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載された測定機器は、請求項4に記載されたもので、該測定機器が測定波形記録装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の入出力回路ユニットは、入出力端子金具を覆う外筒に備えられた2種類のリブによって、入出力端子金具と入出力回路を備えた基板とそれらを覆う外装カバーとが確実に固定されているので、入出力端子の抜き差し等で無理に入出力端子挿入口をこじっても、安定していて、壊れにくい。
【発明を実施するための好ましい形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明を適用する一実施形態の入力回路ユニット内部の斜視図を図1に示してある。入力回路ユニットは、フロントパネル5、基板7、上面カバー15及び下面カバー16(図2参照)を備えている。絶縁性のフロントパネル5は、入力端子挿入口9及びつまみ6を備えている(図3参照)。また、フロントパネル5は、絶縁性の外筒3を一体化して有している。
【0015】
入力端子挿入口9の奥には、入力端子金具4が備えられている(図2参照)。入力回路ユニット内部では、端子金具4がその先端を残して外筒3に覆われている。端子金具4は、その先端で基板7にネジ17で固定されており、基板7上の入力回路(不図示)と接続されている。また、入力回路は、同じく基板7上に備えられたコネクタと接続されている。
【0016】
互いに隣り合った外筒3aと3b、外筒3cと3dとの間にはそれぞれ絶縁性の連結リブ1が架け渡され、固定されている。また、外筒3a・3b・3c・3dの上下には、それぞれ絶縁性の係止リブ2が備えられている。
【0017】
この入力回路ユニットの要部の一部断面図を、図2に示す。入力回路ユニットは、外筒3及び基板7が、上下を絶縁性の上面カバー15及び下面カバー16で覆われている。外筒3の上下に備えられた係止リブ2は、それぞれ上面カバー15及び下面カバー16と係合している。
【0018】
この入力回路ユニットは以下のようにして使用される。図3に示すように、つまみ6をつまんで入力回路ユニット12を測定波形記録装置11の内部に挿入する。フロントパネル5の両端に備えられたネジ10で、入力回路ユニット12を測定波形記録装置11に止める。尚、測定波形記録装置11は、測定データ表示用のモニター13を備え、また記録紙13に測定データを記録できるようになっている。
【0019】
次いで図2の鎖線に示すように、測定対象に接触させるためのプローブ(図示省略)に繋がるリード線20のプラグ18を入力端子挿入口9に挿入し、プラグ18と端子金具4とを接続する(図2参照)。プラグを挿入する際に、端子金具が左右方向にこじられた場合、図1に示すように、外筒3aと3b、外筒3cと3dとの間が連結リブ1で連結されているため、端子金具4はぶらつかない。左右方向の力は、連結リブ1に伝えられる。したがって、基板7に固定された端子金具4の先端に対する応力は軽減される。
【0020】
端子金具が上下方向にこじられた場合、図2に示すように、外筒3の係止リブ2と上面カバー15及び下面カバー16とが係合しているので、端子金具4はぶらつかない。上下方向の力は、係止リブ2を介して上面カバー15又は下面カバー16の面に伝えられる。したがって、基板7に固定された端子金具4の先端に対する応力は軽減される。
【0021】
測定後、入力端子挿入口9からプラグを引き抜く際、入力回路ユニットは端子金具4、基板7、上面カバー15及び下面カバー16が確りと固定されているので、プラグが上下左右方向にこじられた場合であっても、挿入の際と同様に、端子金具4がぶらつかない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明を適用する入力回路ユニットは、フロントパネルと外筒と二種類のリブとが一体のプラスチックとして加工の段階で作られる。そのため、特別な装置等を必要とせず、従来どおりのコストを維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用する測定機器の入力回路ユニットの実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用する測定機器の入力回路ユニットの上記実施例の要部を示す断面図である。
【図3】上記入力回路ユニットを測定機器に装着する状態を示す斜視図である。
【図4】従来の測定機器の入力回路ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1は連結リブ、2は係止リブ、3a・3b・3c・3dは外筒、4は端子金具、5はフロントパネル、6はつまみ、7は基板、8はコネクタ、9は入力端子挿入口、10はネジ、11は測定波形記録装置、12は入力回路ユニット、13はモニター、14は記録紙、15は上面カバー、16は下面カバー、17はネジ、18はプラグ、20はプローブリード線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力回路の組み込まれる基板を備え、外装カバーに覆われた入出力回路ユニットにおいて、該基板に接続される入出力端子金具を有し、該入出力端子金具の外筒に、外装カバーと係合する係止リブが設けられていることを特徴とする測定機器の入出力回路ユニット。
【請求項2】
該入出力回路ユニットに該入出力端子金具を複数有し、複数のうちの少なくとも二つの該入出力端子金具の外筒が連結リブにより連結されていることを特徴とする請求項1に記載の測定機器の入出力回路ユニット。
【請求項3】
該外装カバーが上面カバーと下面カバーとで構成され、該入出力端子金具の外筒に設けられた二つのリブが上面カバーと下面カバーとに夫々係合していることを特徴とする請求項1に記載の測定機器の入出力回路ユニット。
【請求項4】
請求項1、2、または3に記載の入出力回路ユニットを備えたことを特徴とする測定機器。
【請求項5】
該測定機器が測定波形記録装置であることを特徴とする請求項4に記載の測定機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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