説明

湿式画像形成装置

【課題】 予備現像液容器に現像液を補充する際に、残留した現像液を除去する必要がなく、作業者及び湿式画像形成装置が汚染されることのない予備現像液容器を備えた湿式画像形成装置の提供を目的とする。
【解決手段】 現像液容器と、現像液容器に補充するための現像液を格納する予備現像液容器とを備えた湿式画像形成装置において、湿式画像形成装置は、予備現像液容器が装着される装着部を備え、予備現像液容器は、装着部に対し着脱自在に結合される結合部と、結合部に形成された現像液流路と、現像液流路を閉塞する閉塞機構と、予備現像液容器内の現像液を攪拌する攪拌手段と、を備え、装着部は、予備現像液容器の結合部が装着された時、閉塞機構による現像液流路の閉塞を阻止して、現像液流路を開放する開放手段と、を有する予備現像液容器を備えた湿式画像形成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像液容器に現像液を補給する予備現像液容器を備えた湿式画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を利用した画像形成装置として、湿式画像形成装置が知られている。湿式画像形成装置は、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を現像ローラ表面に担持させ、この現像液を感光ドラムに供給して現像を行うよう構成されている。湿式画像形成装置で用いられるトナーは、乾式画像形成装置で用いられる粉状のトナーよりも微細である為、一般に湿式画像形成装置は乾式画像形成装置よりも高画質な画像を形成できる。
【0003】
現像液は現像液容器に格納され、画像形成に伴って現像装置へと供給される。湿式画像形成装置においては、印刷される画像の濃淡は、現像液中のトナーの濃度によって変化する。現像液容器中の現像液量は、画像形成の進行に伴って減少するため、予備現像液容器から現像液容器に、現像液が適量供給される。このような現像液を現像液容器に供給する予備現像液容器を備えた湿式画像形成装置の一例が、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−278294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、現像液容器と、現像液を現像液容器に供給する予備現像液容器と、キャリア液を現像液容器に供給する予備キャリア液容器とを備えた湿式画像形成装置が開示されている。
【0005】
湿式画像形成装置に予備現像液容器を設け、長時間放置したままにすると、予備現像液容器内の現像液は分離する。この分離を避けるためには現像液の攪拌が必要であり、攪拌のための撹拌装置が予備現像液容器に備え付けられており、この撹拌装置を設置するために、従来固定された予備現像液容器が使用されていた。この固定された予備現像液容器内に現像液を補充する際には、作業者及び湿式画像形成装置が汚染されるという問題があった。
【0006】
また、現像液の種類を変える際には、予備現像液容器の場合、残留した現像液を完全に除去する必要がある。しかしながら、残留した現像液を完全に除去することは困難であった。
【0007】
以上の事情に鑑み、本発明は、予備現像液容器に現像液を補充する際に、残留した現像液を除去する必要がなく、作業者及び湿式画像形成装置が汚染されることのない予備現像液容器を備えた湿式画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための、請求項1に記載の湿式画像形成装置は、現像液容器と、前記現像液容器に補充するための現像液を格納する予備現像液容器とを備えた湿式画像形成装置であって、前記湿式画像形成装置は、前記予備現像液容器が装着される装着部を備え、前記予備現像液容器は、前記装着部に対し着脱自在に結合される結合部と、前記結合部に形成された現像液流路と、前記現像液流路を閉塞する閉塞機構と、前記予備現像液容器内の現像液を攪拌する攪拌手段と、を備え、前記装着部は、前記予備現像液容器の結合部が装着された時、前記閉塞機構による前記現像液流路の閉塞を阻止して、前記現像液流路を開放する開放手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の湿式画像形成装置において、前記閉塞機構は、前記現像液流路を閉塞可能な可動シール手段と、前記現像液流路を塞ぐように前記可動シール手段を付勢する付勢手段とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の湿式画像形成装置において、前記開放手段は、前記現像液流路を開放するよう、前記可動シール手段を付勢手段の付勢力に抗して移動させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の湿式画像形成装置において、前記攪拌手段は、現像液を撹拌するパドルと、前記パドルが配設された回転軸とを備え、前記パドルは、前記回転軸の回転方向に応じて開閉することを特徴とする。
請求項5に記載の湿式画像形成装置において、前記パドルが閉じられたときの、前記回転軸の軸線と垂直な平面における前記攪拌手段の外径は、前記結合部の内径よりも小さいこと、を特徴とする。
請求項6に記載の湿式画像形成装置において、前記攪拌手段は、現像液を撹拌するパドルと、前記パドルが配設された回転軸とを備え、前記装着部は、前記湿式画像形成装置内で発生した動力を前記回転軸に伝達する動力伝達機構を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の湿式画像形成装置において、前記回転軸は、前記パドルが配設された第一の軸と、前記第一の軸と軸線方向に摺動可能に係合し、前記結合部の開口部において一端が露出した第二の軸と、前記第二の軸を前記開口部側に付勢する付勢手段と、を備え、前記動力伝達機構は、前記予備現像液容器装着時に、前記第二の軸を付勢手段の付勢力に抗して軸線方向に押しつつ前記第二の軸と係合し、前記動力を前記回転軸に伝達することを特徴とする。
請求項8に記載の湿式画像形成装置において、前記第二の軸は、前記付勢手段により付勢され前記現像液流路を閉塞するシール部材を備え、前記動力伝達機構が前記第二の軸と係合すると、前記第二の軸が前記現像液流路を開放することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予備現像液容器を湿式画像形成装置に対し着脱自在な構成とすることができ、予備現像液容器に現像液を補充する際に、残留した現像液を除去する必要がなく、作業者及び湿式画像形成装置が汚染されることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態である湿式プリンタについて説明する。図1は、湿式プリンタ100の概略構成を示す側断面図である。湿式プリンタ100は、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を用いて、電子写真法により、記録紙P1上に画像を形成する装置である。図2は、図1の紙面裏側から湿式プリンタ100を見た場合の部分側断面図で、現像液容器3周辺を示す図である。
【0013】
湿式プリンタ100は、文字・画像情報に応じて変調されたレーザ光を出力するレーザスキャニングユニット(Laser Scanning unit、以下、LSUと略記)30と、コンピュータなどの外部装置から入力される文字・画像情報に応じて感光ドラムに形成された静電潜像を電子写真法によって現像して、トナー像を生成する現像ユニット50と、記録紙P1を搬送する搬送ユニット90と、現像ユニット50で現像されたトナー像を転写位置において記録紙P1上に転写する転写ユニット70と、記録紙P1上に転写されたトナー像を定着させる定着ユニット80と、を有する。
【0014】
現像ユニット50は、保持ローラ51、現像液を計量するための計量ローラ52、計量ローラ52の表面の現像液を均一厚さにする計量ローラブレード52a、計量ローラ52から供給された現像液を担持する現像ローラ53、現像ローラ53表面から現像液を掻き取り除去する現像ローラクリーニングブレード53a、現像ローラ53を帯電させる現像ローラ用帯電コロナ54、LSU30からのレーザ光によって静電潜像が形成される感光ドラム55、感光ドラム55表面を一様に帯電させる感光ドラム用帯電コロナ57、感光ドラム55からキャリア液を回収するスクイーズドローラ58、現像ユニット50で発生した残留現像液を湿式プリンタ100内に配置された現像液容器3(図2参照)に戻すスクリュー59を有する。
【0015】
現像液は、現像液が収納された現像液容器3(図2)から現像液パイプ49(図1、図2参照)を経由して、保持ローラ51と計量ローラ52との転接部上方に供給される。現像液は、計量ローラ52で計量され、現像ローラ53に塗布される。一方、感光ドラム用帯電コロナ57により一様な電位に帯電された感光ドラム55の表面に、文字・画像情報に応じて変調されたレーザ光が照射される。感光ドラム55表面のレーザ光が照射された部分の電位が下がり、静電潜像が形成される。現像ローラ53に塗布された現像液のトナーは帯電しており、感光ドラム55と現像ローラ53が対向する位置において、トナーが感光ドラム55の静電潜像の部分に吸着される。こうして静電潜像は現像され、トナー像が形成される。
【0016】
転写ユニット70は、中間転写ローラ71と二次転写ローラ73とを有する。中間転写ローラ71にはトナーと逆極性の電圧が印加されており、感光ドラム55表面のトナー像は、感光ドラム55と中間転写ローラ71との転接部において、中間転写ローラ71表面に一次転写される。二次転写ローラ73は、記録紙P1の搬送路を挟んで中間転写ローラ71と対向する位置に設置され、中間転写ローラ71よりも高電圧の逆極性の電圧が印加されている。そのため中間転写ローラ71表面に転写されたトナー像は、二次転写ローラ73との転接部において、記録紙P1を挟んで二次転写ローラ73の方向に吸引され、記録紙P1に転写される。
【0017】
定着ユニット80は、記録紙P1を加熱するヒートローラ81と、搬送路を挟んでヒートローラ81と対向した位置に設置され、自身とヒートローラ81とによって記録紙P1を挟んで加圧するプレスローラ82とから構成されている。この定着ユニット80によって、記録紙P1上のトナー像は加熱及び加圧され、記録紙P1に定着される。
【0018】
搬送ユニット90は、ロール状の記録紙P1が設置されるロール軸91、記録紙P1を搬送する給紙駆動ローラ93、給紙駆動ローラ93と転接する給紙従動ローラ94、給紙駆動ローラ93を駆動する駆動モータ95を有する。
【0019】
次に、現像液が収納される現像液容器3の配置について説明する。湿式プリンタ100は、現像ユニット50に現像液を供給する現像液容器3、現像液容器3に現像液を補給する予備現像液容器5、現像液容器3にキャリア液を補給する予備キャリア液容器7、予備現像液容器5から現像液を現像液容器3に搬送するのに使用される現像液補給ポンプ9、現像液容器3から現像液を現像ユニット50に搬送する現像液循環ポンプ11を有する。
【0020】
湿式プリンタ100の動作中には、現像液容器3内の現像液は、現像液循環ポンプ11によって現像ユニット50に搬送される。現像液循環ポンプ11の吐出口は現像液パイプ49に繋がっている。画像形成の進行に伴い、現像液容器3内の現像液の量は減少していく。現像液容器3内の現像液が少なくなりすぎると、現像ユニット50に適量の現像液を供給することができなくなる。このため、本実施形態においては、現像液容器3内の現像液の量が所定の下限量に達すると、予備現像液容器5から予備の現像液が現像液容器3に補給される。また、画像形成の進行に伴い、現像液容器3内の現像液のトナー濃度が徐々に増加する。このため、図示しない濃度検出装置により現像液容器3中の現像液のトナー濃度をモニタし、必要に応じて予備キャリア液容器7からキャリア液を補給する。
【0021】
印刷される画像は、トナーの比率が高いと濃くなり、低いと淡くなる。本実施形態の湿式プリンタ100においては、現像液容器3内の現像液のトナー濃度が一定になるよう常時調整されており、印刷される画像の品質が一定に保たれている。具体的には、例えば、現像液容器3及び予備現像液容器5内の現像液は、重量比で約30%がトナー、残りの約70%がキャリア液で構成されている。
【0022】
現像液容器3は、攪拌装置4、側部開口部6を有する。現像液は長時間放置したままにすると分離するため、攪拌装置4によって攪拌される。前述のスクリュー59(図1参照)の軸の延長線上には開口部が形成されており、その開口部はパイプを通じて側部開口部6に繋がっている。スクリュー59により搬送された現像液は、側部開口部6から現像液容器3に戻される。
【0023】
以下、本実施形態の予備現像液容器について説明する。予備現像液容器5と、湿式プリンタ100に結合された容器受部8とは、ネジ結合されており、予備現像液容器5は容器受部8に着脱自在となっている(図2参照)。図3は、湿式プリンタ100に結合されていない状態の予備現像液容器5を模式的に示す図である。予備現像液容器5は、回転軸13と、回転軸13に結合されたパドル19と、予備現像液容器5内から現像液補給ポンプ9によって現像液が吸引されるときに外部から予備現像液容器5内に空気を吸引するための空気穴21と、容器側ゴム栓23と、を有する。予備現像液容器5は、容器受部8と結合部16において結合する。回転軸13は、湿式プリンタ100本体側からの駆動力を伝達する駆動力伝達軸14と、駆動力伝達軸14と係合する中空軸15と、中空軸15の内部に配置された駆動力伝達軸14を下方に付勢するバネ17とを有する。予備現像液容器5の結合部16の外周部には、外ネジ25が形成されている。また、結合部16は予備現像液容器5内部に通じる開口部を有し、その開口部には現像液の流出口が形成される。
【0024】
図4は、回転軸13を外周方向から観察した図である。駆動力伝達軸14は、中空軸15内部に一部が摺動自在に挿入され、バネ17の一端によって下方に付勢されている。またバネ17のもう一端は、中空軸15を上方に付勢している。駆動力伝達軸14は、バネ17による下方への付勢時には容器側ゴム栓23に当接する回転軸側ゴム栓27と、容器受部8に係合する係合ピン101と、駆動力伝達ピン103と、を有する。容器側ゴム栓23は、結合部16の内周部に嵌まり込むように、円柱状の外径を有し、円柱の中央には貫通穴が形成されており、また現像液に接する面には貫通穴の中心軸を中心とした円錐状の凹部が形成されている(図3参照)。回転軸側ゴム栓27は、駆動力伝達軸14に挿入されており、駆動力伝達軸14の中心軸を中心とした円錐からその頂点部分を除去した形状即ち円錐台の形状を有し、その側面27aは容器側ゴム栓23に密着する。回転軸側ゴム栓27と容器側ゴム栓23とは密着しているため、現像液は、予備現像液容器5の流出部24より漏れることはない。中空軸15は長穴105を有し、長穴105に駆動力伝達ピン103が挿入されている。駆動力伝達ピン103はスプリングピン形状を有し、駆動力伝達軸14が中空軸15に挿入された後に駆動力伝達軸14に結合される。駆動力伝達軸14が回転すると駆動力伝達ピン103が長穴105の内側に当接することによって、駆動力が駆動力伝達軸14から中空軸15に伝達される。駆動力伝達ピン103は、長穴105の軸線方向には移動可能である。
【0025】
図5は、湿式プリンタ100に設置された容器受部8を示す図である。容器受部8は、予備現像液容器5と容器受部8とが結合したとき、駆動力伝達軸14と結合する駆動軸107と、例えば湿式プリンタ100の現像ユニット50(図1)の図示しない駆動モータに結合されているギア109と、ギア109と同じ軸に結合されているヤマバ歯車110aとヤマバ歯車110aに噛合うヤマバ歯車110b、ヤマバ歯車110bが結合されている駆動軸111を有し、駆動軸111にはギア112が結合されている。容器受部8は、予備現像液容器5の外ネジ25とネジ結合する内ネジ28を有する。駆動軸107の下部にはギア114が設置されており、駆動軸111のギア112と駆動軸107のギア114とが歯合することにより、駆動軸111から駆動軸107に駆動力が伝達される。また駆動軸107の先端部は、駆動力伝達軸14の先端部と結合するように、略円錐状の穴108が設けられている。
【0026】
図6(a)は、駆動力伝達軸14の先端部の斜視図である。図6(b)は、駆動軸107の先端部の斜視図である。4本の係合ピン101は、駆動力伝達軸14の先端部近傍において、駆動力伝達軸14の中心軸に対して垂直となる同一平面上に配置されており、駆動力伝達軸14の先端部近傍に90度間隔で配置されている。駆動軸107の先端部には4本の係合ピン101が嵌め込まれる凹部102が4個設けられている。そして4本の係合ピン101が凹部102に嵌まり込むことによって、駆動力伝達軸14と駆動軸107とは係合し、駆動軸107の駆動力が駆動力伝達軸14に確実に伝達される。また、係合ピン101は、スプリングピン1本を貫通して駆動力伝達軸14に結合し、駆動軸107の凹部102を2個としても良い。
【0027】
図7は、容器受部8に予備現像液容器5が結合された状態を示す図である。駆動力伝達軸14は、例えば手による押圧等による外力により予備現像液容器5が下方に押されると、回転軸側ゴム栓27は、容器側ゴム栓23から離れる。また容器側ゴム栓23の貫通穴の直径は、駆動軸107の先端部の直径よりも大きく、容器側ゴム栓23と駆動軸107との間には隙間が形成されており、現像液はその隙間を通過し容器側ゴム栓23の下部に到達する。また容器受部8には、容器側ゴム栓23の下部に流出した現像液を外部に排出する通路113が形成されている。以上説明した回転軸側ゴム栓27と容器側ゴム栓23との隙間と、容器側ゴム栓23と駆動軸107との隙間と、通路113とによって形成された流路Aを通過して現像液は、予備現像液容器5から現像液容器3に補給される。
【0028】
予備現像液容器5が容器受部8に設置されるときには、駆動力伝達軸14の先端部が穴108に当接する。予備現像液容器5の外ネジ25と容器受部8の内ネジ28との軸方向の長さは、外ネジ25と内ネジ28とを締めるに従って容器側ゴム栓23と回転軸側ゴム栓27とが離間するような、十分な長さを有する。そして予備現像液容器5の外ネジ25と容器受部8の内ネジ28とを締めるに従って、駆動力伝達軸14の先端部は、駆動軸107によって中空軸15方向に押され予備現像液容器5の流出口から相対的に離れる方向にバネ17の付勢力に逆らって移動する。そのため回転軸側ゴム栓27と容器側ゴム栓23との間に隙間が形成され、現像液を予備現像液容器5外部に提供することが可能となる。
【0029】
図8(a)は、パドル19が折畳まれている状態を図7の予備現像液容器5上方から観察した図である。パドル19は折畳まれている時に回転初期に現像液から圧力を受ける受圧部19c、パドル開放直後から現像液から圧力を受ける受圧部19aと、蝶番20とを有する。パドル19は、予備現像液容器5の結合部16の内径の範囲内に入るように折畳まれている。即ちパドル19が閉じられたときには、回転軸13の軸線と垂直な平面における複数のパドル19が位置する領域の外径は、結合部16の内径よりも小さくなる。パドル19の先端部にはテーパ形状の受圧部19cが設けられており、受圧部19cが現像液から抵抗を受けると、パドル19は開きはじめる。回転軸13がさらに反時計周りに回転すると、次に受圧部19aがさらに現像液の抵抗を受け、パドル19は蝶番20を中心にして、回転軸13の反時計周りの回転に伴い、受圧部19aが時計周り方向の現像液の圧力を受けて、パドル19は蝶番20を中心にして開く。
【0030】
図8(b)は、パドル19が開いた状態を図7の予備現像液容器5上方から観察した図である。図8(b)では、回転軸13が反時計周りに回転し、受圧部19aが現像液の圧力を受け、パドル19は蝶番20を中心にして開いている。予備現像液容器5では、トナーが分離して沈殿しないように、現像液を撹拌する必要があり、そのためには、なるべく広い範囲を撹拌することが望ましい。予備現像液容器5は開口部が窄まった形状であるが、攪拌のためのパドルは大径が好ましい。パドルを実施例のような構成にすれば、予備現像液容器5内部に容易に取り付けられ、かつ、動作時にはパドルが大径となって攪拌動作を行うことが可能となる。
【0031】
上述のように、内部にパドル19及び容器受部8の駆動軸107に連結する回転軸13を有し、駆動力伝達軸14が駆動軸107により重力方向上方向に押し上げられることによって現像液の流路が形成される予備現像液容器5を提供することにより、予備現像液容器5内の現像液が減少したときには、予備現像液容器5を交換するだけで、現像液の補給ができる。また、予備現像液容器5に現像液を補給するときの作業者及び湿式プリンタ100の汚染を防止できる。また予備現像液容器5の撹拌のための動力は、湿式プリンタ100の駆動ローラから伝達されるので、専用の駆動源を必要とせず、装置を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、湿式プリンタの構成を示す側断面図である。
【図2】図2は、図1の背面方向から湿式プリンタを観察した側断面図である。
【図3】図3は、湿式プリンタに結合されていない状態の予備現像液容器を模式的に示す図である。
【図4】図4は、回転軸を外周方向から観察した図である。
【図5】図5は、湿式プリンタに設置された容器受部を示す図である。
【図6】図6(a)は、駆動力伝達軸の先端部の斜視図である。図6(b)は、駆動軸の先端部の斜視図である。
【図7】図7は、容器受部に予備現像液容器が結合された状態を示す図である。
【図8】図8(a)は、パドルが折畳まれている状態を図7の予備現像液容器上方から観察した図である。図8(b)は、パドルが開いた状態を図7の予備現像液容器上方から観察した図である。
【符号の説明】
【0033】
3 現像液容器
4 攪拌装置
5 予備現像液容器
6 側部開口部
7 予備キャリア液容器
8 容器受部
9 現像液補給ポンプ
11 現像液循環ポンプ
13 回転軸
14 駆動力伝達軸
15 中空軸
16 結合部
17 バネ
19 パドル
19a 受圧部
19c 受圧部
20 パドル軸
21 空気穴
23 容器側ゴム栓
24 流出部
25 外ネジ
27 回転軸側ゴム栓27
28 内ネジ
30 レーザスキャニングユニット
49 現像液パイプ
50 現像ユニット
51 保持ローラ
52 計量ローラ
52a 計量ローラブレード
53 現像ローラ
53a 現像ローラクリーニングブレード
55 感光ドラム
57 感光ドラム用帯電コロナ
58 スクイーズドローラ
59 スクリュー
70 転写ユニット
71 中間転写ローラ
73 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 ヒートローラ
82 プレスローラ
90 搬送ユニット
91 ロール軸
93 給紙駆動ローラ
94 給紙従動ローラ
95 駆動モータ
100 湿式プリンタ
101 係合ピン
102 凹部
103 駆動力伝達ピン
105 108 穴
107 駆動軸
109 ギア
110 ハスバ歯車
111 駆動軸
113 通路
112 114 ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像液容器と、前記現像液容器に補充するための現像液を格納する予備現像液容器とを備えた湿式画像形成装置において、
前記湿式画像形成装置は、前記予備現像液容器が装着される装着部を備え、
前記予備現像液容器は、前記装着部に対し着脱自在に結合される結合部と、前記結合部に形成された現像液流路と、前記現像液流路を閉塞する閉塞機構と、前記予備現像液容器内の現像液を攪拌する攪拌手段と、を備え、
前記装着部は、前記予備現像液容器の結合部が装着された時、前記閉塞機構による前記現像液流路の閉塞を阻止して、前記現像液流路を開放する開放手段と、を備えること、
を特徴とする湿式画像形成装置。
【請求項2】
前記閉塞機構は、前記現像液流路を閉塞可能な可動シール手段と、前記現像液流路を塞ぐように前記可動シール手段を付勢する付勢手段と、を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
【請求項3】
前記開放手段は、前記現像液流路を開放するよう、前記可動シール手段を付勢手段の付勢力に抗して移動させること、
を特徴とする請求項1または2に記載の湿式画像形成装置。
【請求項4】
前記攪拌手段は、現像液を撹拌するパドルと、前記パドルが配設された回転軸と、を備え、
前記パドルは、前記回転軸の回転方向に応じて開閉すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の湿式画像形成装置。
【請求項5】
前記パドルが閉じられたときの、前記回転軸の軸線と垂直な平面における前記攪拌手段の外径は、前記結合部の内径よりも小さいこと、
を特徴とする請求項4に記載の湿式画像形成装置。
【請求項6】
前記攪拌手段は、現像液を撹拌するパドルと、前記パドルが配設された回転軸と、を備え、
前記装着部は、前記湿式画像形成装置内で発生した動力を前記回転軸に伝達する動力伝達機構を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
【請求項7】
前記回転軸は、前記パドルが配設された第一の軸と、前記第一の軸と軸線方向に摺動可能に係合し、前記結合部の開口部において一端が露出した第二の軸と、前記第二の軸を前記開口部側に付勢する付勢手段と、を備え、
前記動力伝達機構は、前記予備現像液容器装着時に、前記第二の軸を付勢手段の付勢力に抗して軸線方向に押しつつ前記第二の軸と係合し、前記動力を前記回転軸に伝達すること、
を特徴とする請求項6に記載の湿式画像形成装置。
【請求項8】
前記第二の軸は、前記付勢手段により付勢され前記現像液流路を閉塞するシール部材を備え、
前記動力伝達機構が前記第二の軸と係合すると、前記第二の軸が前記現像液流路を開放すること、
を特徴とする請求項7に記載の湿式画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−317646(P2006−317646A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139300(P2005−139300)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】