説明

溶接トーチアッセンブリおよびその使用方法

【課題】トーチ本体を交換することなく、適宜、MIG溶接用またはTIG溶接用のトーチとして用いることができる溶接トーチアッセンブリを提供する。
【解決手段】シールドガスを噴出するための外筒ノズル1内に溶接トーチ1が収容された溶接トーチアッセンブリA1であって、上記溶接トーチ2は、ワイヤ送給路21aを内部に備えるトーチボディ21と、このトーチボディ21の先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路21aにつながるワイヤ給送穴24aが縦貫するチップボディ24と、このチップボディ24の先端に着脱可能に取り付けられた給電チップ26とを備えており、 上記給電チップ26として、先端にタングステン電極27を有するTIG溶接用給電チップ26Bが取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の溶接トーチを備える溶接トーチアッセンブリおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行なうアーク溶接技術として、MIG(Metal Inert Gas)溶接やTIG(Tungsten Inert Gas)溶接が知られている。MIG溶接は、消耗性の溶接ワイヤを給電チップ内に連続的に送給させ、このワイヤと母材との間に発生したアークが持続されて進行する溶接手法である。MIG溶接は、入熱に対するワイヤの溶着効率がよく溶接速度が大きいという利点を有しており、例えば、一定の溶接強度が要求される厚板の溶接に適する。TIG溶接は、非消耗性のタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して接合する溶接手法である。TIG溶接は、アークによる母材の溶融操作と溶加材の溶融操作が独立して行なえるので溶着量の調整が容易であるという利点を有しており、例えば、薄板の仮付け溶接に適する。
【0003】
一方、TIG溶接用トーチおよびMIG溶接用トーチを備えたハイブリッドタイプの溶接トーチアッセンブリが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された溶接トーチアッセンブリにおいては、TIG溶接用トーチおよびMIG溶接用トーチが絶縁体を挟んで1つの外筒ノズルの内部に配置されており、両トーチに対して溶接電源
が交互に供給されることにより、TIG溶接およびMIG溶接の双方の特性を兼ね備えた溶接を行なうことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、溶接強度の向上のために溶接ビードを太くしたい場合には、対応することが困難である。例えば、ワークに対して行われる一連の溶接作業において、まず薄板に対して仮付けを行い、次いで厚板に対して太い溶接ビードを形成する場合には、薄板の仮付け溶接については、特許文献1に記載の溶接トーチアッセンブリを用いて主としてTIG溶接を行うことにより、対応することができる。しかし、厚板の溶接については、同文献の溶接トーチアッセンブリでは供給されるワイヤの本数は1本であるのでワイヤの供給量が不足し、溶接ビードを太くすることは困難である。このため、例えば2本のMIG溶接用トーチを備えたタンデムMIG溶接装置を別途準備しておき、当該溶接装置に切換えてから溶接作業を行う必要がある。したがって、このような場合には、作業効率が低下し、また、溶接設備が大型化することになる。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−101082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとに考え出されたものであって、トーチ本体を交換することなく、適宜、MIG溶接用またはTIG溶接用のトーチとして用いることができる溶接トーチアッセンブリを提供することを主たる課題とする。本発明はまた、トーチ本体を交換することなく、適宜、タンデムMIG溶接、TIG−MIGハイブリッド溶接またはタンデムTIG溶接用として用いることができる溶接トーチアッセンブリを提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0008】
本発明の第1の側面によって提供される溶接トーチアッセンブリは、シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、上記溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明の第2の側面によって提供される溶接トーチアッセンブリは、シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも1つは、上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第3の側面によって提供される溶接トーチアッセンブリは、シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも1つは、上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられているとともに、上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも他の1つは、上記給電チップとして、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が縦貫するMIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴としている。
【0011】
このような構成の溶接トーチアッセンブリによれば、各溶接トーチにおいて給電チップのみを交換するだけで異なる溶接手法(MIG溶接とTIG溶接)に簡便に切り換えることができる。したがって、ワークに対して行われる一連の溶接作業において、途中で溶接手法を切り換える場合でも、作業効率の低下を抑制することができる。また、溶接手法を切り換える際に、給電チップ以外の構成については兼用することができるので、溶接設備の省スペース化およびコスト削減を図ることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記TIG溶接用給電チップは、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が縦貫するMIG溶接用給電チップの先端側にタングステン電極の外径よりも僅かに小さい内径の穴加工を施し、この穴にタングステン電極を嵌着することにより構成されている。
【0013】
このような構成によれば、MIG溶接用給電チップの先端側において簡便な改造を施すことにより、タングステン電極を有するTIG溶接用給電チップを得ることができる。
【0014】
本発明の第4の側面によって提供される溶接トーチアッセンブリの使用方法は、シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に1または複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリの使用方法であって、各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディとを備え、上記チップボディの先端に取り付けられる給電チップとして、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が縦貫するMIG溶接用給電チップと、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップとの2種類を準備し、必要に応じて、上記各溶接トーチに対して上記MIG溶接用給電チップまたは上記TIG溶接用給電チップのうちのいずれか一方を選択して装着することを特徴としている。
【0015】
このような使用方法は、本発明の第1および第2の側面に係る溶接トーチアッセンブリを用いて異なる溶接手法を効率よく実行するのに適している。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本発明に係る溶接トーチアッセンブリの一例を表す。溶接トーチアッセンブリA1は、溶接用の電源装置、電流電圧制御器、ワイヤ送給装置、シールドガスボンベなどを含んで構成されるタンデムMIG溶接装置の構成部分であり、外筒ノズル1と、2本の溶接トーチ2と、締付け金具3とを備える。
【0018】
外筒ノズル1は、たとえば真鍮などの銅系の金属材料からなり、2本の溶接トーチ2を内挿するように構成されている。外筒ノズル1は、シールドガスとしてのアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスが図外のシールドガスボンベから供給されるように構成されている。外筒ノズル1にシールドガスが供給されると、当該シールドガスは、外筒ノズル1と各溶接トーチ2の隙間を通じて外筒ノズル1の先端から噴出される。
【0019】
各溶接トーチ2は、トーチボディ21と、ジョイント22と、袋ナット23と、チップボディ24と、コイルライナ25と、給電チップ26とを備え、トーチボディ21の上端と締付け金具3とが繋がる状態にて締付け金具3に固定されている。
【0020】
トーチボディ21は、縦貫するワイヤ送給路21aを有している。トーチボディ21の下端には、筒状のジョイント22が外嵌固定されている。ジョイント22の外周には雄ねじ(図示せず)が形成されており、ジョイント22の下端には、軸心方向に沿う複数の切欠き部22aが形成されている。なお、このジョイント22には絶縁性が与えられ、2本の溶接トーチ2間が相互に絶縁されるようにしてある。
【0021】
チップボディ24は、縦貫するワイヤ給送穴24aを有している。チップボディ24の上部には、外方に突出する複数の突出部24bが形成されている。チップボディ24は、突出部24bがジョイント22の切欠き部22aに係合した状態にて袋ナット23をジョイント22の外周の雄ねじに螺着することにより、トーチボディ21に装着されている。この装着状態において、トーチボディ21のワイヤ送給路21aとチップボディ24のワイヤ給送穴24aとは連通している。チップボディ24のワイヤ給送穴24aの下端には、雌ねじ24cが形成されている。
【0022】
コイルライナ25は、溶接トーチ2に送給されるワイヤを給電チップ26までガイドするためのものであり、可撓性を有する筒体とされている。コイルライナ25は、トーチボディ21のワイヤ送給路21aおよびチップボディ24のワイヤ給送穴24aに跨って挿通されており、その先端は給電チップ26の上端近傍まで延びている。すなわち、コイルライナ25内にワイヤが送給されると、当該ワイヤは給電チップ26まで適切に到達する。
【0023】
給電チップ26は、図外の電源装置から独立して電流電圧(溶接電源)が供給される部材であり、その上端には雄ねじ26cが形成されている。給電チップ26は、雄ねじ26cがチップボディ24の雌ねじ24cに螺着されることにより、チップボディ24に着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、給電チップ26として、MIG溶接を行なうためのMIG溶接用給電チップ26AまたはTIG溶接を行なうためのTIG溶接用給電チップ26Bのうちのいずれか一方が選択的に用いられる。
【0024】
図1に表された溶接トーチアッセンブリA1においては、同図中右側の溶接トーチ2には、MIG溶接用給電チップ26Aが装着され、同図中左側の溶接トーチ2には、TIG溶接用給電チップ26Bが装着されている。
【0025】
図2に表されるように、MIG溶接用給電チップ26Aには、一端からから供給されたワイヤを他端に送り出すためのワイヤ送出穴26dが縦貫するように形成されている。
【0026】
TIG溶接用給電チップ26Bは、MIG溶接用給電チップ26Aを改造して作製されたものであり、図3に表されるように、ワイヤ送出穴26dの先端に形成された所定径の座ぐり穴26eと、この座ぐり穴26eに嵌着されたタングステン電極27と、チップの側面から螺合された止めねじ28とを有している。TIG溶接用給電チップ26Bの作製手順としては、例えば、まず、MIG溶接用給電チップ26Aの先端側からタングステン電極27の外径よりも僅かに小さい径のドリルを用いて所定深さまで座ぐり穴加工を施す。次いでチップの側面から座ぐり穴26eまで貫通する雌ねじ26fを形成する。次いで座ぐり穴26eにタングステン電極27を圧入する。次いで雌ねじ26fに止めねじ28を螺入して止めねじ28の先端をタングステン電極27に食い込ませることにより、タングステン電極27がねじ止めされる。このようにタングステン電極27がねじ止めされた構成では、溶接時の熱膨張により座ぐり穴26eが拡径しても、タングステン電極27が座ぐり穴26eから脱落することは回避される。このように、MIG溶接用給電チップ26AとTIG溶接用給電チップ26Bは、いずれも同じ雄ねじ26cを備えるので、溶接トーチ2のチップボディ24に対し、選択して取り付けることができる。
【0027】
次に、上記構成を有する溶接トーチアッセンブリA1の使用方法の一例について図1、図4および図5を参照して説明する。
【0028】
まず、溶接作業の開始に先立ち、溶接トーチ2の数量と同数のMIG溶接用給電チップ26AおよびTIG溶接用給電チップ26Bを準備する。本実施形態では、2つのMIG溶接用給電チップ26Aと、2つのTIG溶接用給電チップ26Bとを準備する。
【0029】
本実施形態では、溶接部に求められる溶接品質に応じて、2種類のチップ26A,26Bのいずれかを各溶接トーチ2に装着し、溶接作業を行う。
【0030】
例えば、まずTIG−MIG溶接を行なう場合には、図1に示すように、2本の溶接トーチ2のうち、一方にTIG溶接用給電チップ26Bを装着し、他方にMIG溶接用給電チップ26Aを装着する。そして、TIG溶接用給電チップ26Bに対しては、定電流特性を有する溶接電源が供給される。MIG溶接用給電チップ26Aに対しては、定電圧特性を有する溶接電源が供給されるとともに、ワイヤが送給される。外筒ノズル1の先端からシールドガスが噴出される。これにより、TIG溶接およびMIG溶接が同時進行するTIG−MIGハイブリッド溶接を適切に実行することができる。
【0031】
次いで、TIG−TIG溶接(タンデムTIG溶接)を行なう場合には、一方の溶接トーチ2に装着されたMIG溶接用給電チップ26Aを取り外し、これに代えて、TIG溶接用給電チップ26Bを溶接トーチ2に装着する(図4参照)。そして、両方のTIG溶接用給電チップ26Bに対して、定電流特性を有する溶接電源が供給される。外筒ノズル1の先端からシールドガスが噴出される。これにより、タンデムTIG溶接を適切に実行することができる。
【0032】
次いで、MIG−MIG溶接(タンデムMIG溶接)を行なう場合には、両方の溶接トーチ2に装着されたTIG溶接用給電チップ26Bを取り外し、これに代えて、MIG溶接用給電チップ26Aを両方の溶接トーチ2に装着する(図5参照)。そして、両方のTIG溶接用給電チップ26Aに対して、定電圧特性を有する溶接電源が供給されるとともに、ワイヤが送給される。外筒ノズル1の先端からシールドガスが噴出される。これにより、タンデムMIG溶接を適切に実行することができる。
【0033】
このようなことから理解できるように、本実施形態の溶接トーチアッセンブリA1によれば、給電チップ26のみを交換することにより、トーチ本体を含む溶接装置は兼用したまま種々なバリエーションの溶接(タンデムMIG溶接、TIG−MIGハイブリッド溶接およびタンデムTIG溶接)を実行することができる。したがって、ワークに対して行われる一連の溶接作業において、途中で溶接手法を簡便に切り換えることができ、作業効率の低下を抑制することができる。加えて、タンデムMIG溶接、TIG−MIGハイブリッド溶接およびタンデムTIG溶接を実行するにあたり、各溶接手法ごとに溶接装置を用意しておく必要がないので、溶接設備の省スペース化およびコスト削減を図ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、MIG溶接用給電チップ26Aの先端側において独自の改造を施すことにより、タングステン電極27を有するTIG溶接用給電チップ26Bが得られる。そして、MIG溶接用給電チップ26AおよびTIG溶接用給電チップ26Bの溶接トーチ2に対する取り付け部分(雄ねじ26c)は共通とされている。したがって、このような構成は、簡便に溶接手法を切り換えるうえで好適である。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る溶接トーチアッセンブリの各部の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0036】
上記実施形態では、2本の溶接トーチを備える構成について説明したが、本発明に係る溶接トーチアッセンブリは、1本のみの溶接トーチを備える構成であってもよいし、また、3本以上の溶接トーチを備える構成であってもよい。この場合、各溶接トーチに装着される給電チップとして、MIG溶接用給電チップまたはTIG溶接用給電チップのいずれか一方を選択的に装着可能に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る溶接トーチアッセンブリの一例を示す縦断面図である。
【図2】MIG溶接用給電チップの縦断面図である。
【図3】TIG溶接用給電チップの縦断面図である。
【図4】本発明に係る溶接トーチアッセンブリの使用方法の一例を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る溶接トーチアッセンブリの使用方法の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0038】
A1 溶接トーチアッセンブリ
1 外筒ノズル
2 溶接トーチ
21 トーチボディ
21a ワイヤ送給路
24 チップボディ
24a ワイヤ給送穴
26 給電チップ
26A MIG溶接用給電チップ
26B TIG溶接用給電チップ
26d ワイヤ送出穴
26e 座ぐり穴
27 タングステン電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、
上記溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、
上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴とする、溶接トーチアッセンブリ。
【請求項2】
シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、
各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、
上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも1つは、上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴とする、溶接トーチアッセンブリ。
【請求項3】
シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリであって、
各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディと、このチップボディの先端に着脱可能に取り付けられた給電チップとを備えており、
上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも1つは、上記給電チップとして、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップが取り付けられているとともに、上記複数の溶接トーチのうちの少なくとも他の1つは、上記給電チップとして、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が縦貫するMIG溶接用給電チップが取り付けられていることを特徴とする、溶接トーチアッセンブリ。
【請求項4】
上記TIG溶接用給電チップは、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が貫通するMIG溶接用給電チップの先端側にタングステン電極の外径よりも僅かに小さい内径の穴加工を施し、この穴にタングステン電極を嵌着することにより構成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接トーチアッセンブリ。
【請求項5】
シールドガスを噴出するための外筒ノズル内に1または複数の溶接トーチが収容された溶接トーチアッセンブリの使用方法であって、
各溶接トーチは、ワイヤ送給路を内部に備えるトーチボディと、このトーチボディの先端に取り付けられ、かつ、上記ワイヤ送給路につながるワイヤ給送穴が縦貫するチップボディとを備え、
上記チップボディの先端に取り付けられる給電チップとして、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が縦貫するMIG溶接用給電チップと、先端にタングステン電極を有するTIG溶接用給電チップとの2種類を準備し、必要に応じて、上記各溶接トーチに対して上記MIG溶接用給電チップまたは上記TIG溶接用給電チップのうちのいずれか一方を選択して装着することを特徴とする、溶接トーチアッセンブリの使用方法。
【請求項6】
上記TIG溶接用給電チップは、上記ワイヤ給送穴につながるワイヤ送出穴が貫通するMIG溶接用給電チップの先端側にタングステン電極の外径よりも僅かに小さい内径の穴加工を施し、この穴にタングステン電極を嵌着することにより構成されたものである、請求項5に記載の溶接トーチアッセンブリの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−237247(P2007−237247A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64025(P2006−64025)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】