説明

溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法および装置

【課題】 大掛かりな構造物を必要とせず、効率良く高精度に外面溶接ビードを切削除去する。
【解決手段】 溶接鋼管1の端部の外面溶接ビード1aを切削する装置である。ビード検出センサー4によって検出された外面溶接ビード1aが周方向の所定位置にくるように、ターニングローラ2で溶接鋼管1を回転させる。胴部に外面溶接ビード1aとの接触を防止するための凹部6aを有する回転自在な先導ロール6と、この先導ロール6と所定の相対関係位置に配置されたミーリングカッター7を、前記外面溶接ビード1aに対して接離移動させる油圧シリンダ12を備える。先導ロール6およびミーリングカッター7を一体として溶接鋼管1の軸方向に移動させる軸方向駆動装置10を備える。
【効果】 溶接鋼管のゆがみや外面溶接ビード位置にずれがあっても、大掛かりな構造物を必要とせずに、高精度にかつ適切に外面溶接ビードを切削除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接鋼管端部の外面溶接ビードを切削する方法および装置に関するもので、特に溶接鋼管同士を軸方向に溶接接続する場合に、管端部の外面溶接ビードを切削する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近は、二本の溶接鋼管の管端部を接続して軸方向に延長する場合には、コスト削減及び敷設能率向上のため自動の溶接装置を使用することが多くなっている。この際、鋼管端部の外面ビードがそのままの状態では、自動溶接装置が使用できない。また、溶接後の検査も従来X線主体から、自動の超音波探傷検査に変ってきており、この場合も外面ビードがそのままの状態では前述同様検査装置が使用できない。したがって、あらかじめ溶接接続する前に、鋼管端部の外面の溶接ビードを切削等して除去する必要がある。
【0003】
この外面溶接ビードを除去するものとして以下のようなものが提案されている。
たとえば特許文献1〜特許文献3では、バイト状の刃物を外面溶接ビードに食い込ませて切削する形削り方式が提案されている。
【特許文献1】特開昭59−209711号公報
【特許文献2】特開平5−131316号公報
【特許文献3】実開平5−5321号公報
【0004】
また、特許文献4では、無端ベルトによって外面溶接ビードを研削する方式が提案されている。
【特許文献4】特開昭60−191757号公報
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたものでは、バイト状の刃物で外面溶接ビードを切削するので切削反力が発生し、鋼管とバイト状の刃物を完全に固定するために、頑丈で大掛かりな構造物が必要となる。また、バイト状の刃物と外面溶接ビードとの相対位置関係が少しでも不適当であると、バイト状の刃物の欠損や食い込み等の問題が発生するため、前記相対位置関係を適正に保つためにも、その構造にはさらに強度が要求される。
【0006】
上記の問題は、特許文献4に記載された無端ベルトによって外面溶接ビードを研削する方式の場合も、基本的には同じである。加えて、特許文献4に記載された無端ベルトによって外面溶接ビードを研削する方式の場合は、効率が悪く、寿命もバイトやミーリングカッターよりも短いため、非効率的である。
【0007】
そこで、特許文献5では、バイト状の刃物のように大きな切削反力が発生としないミーリングカッターによって外面溶接ビードを切削するフライス削り方式が提案されている。
【特許文献5】特開昭54−53660号公報
【0008】
また、特許文献6では、小径鋼管の内面と外面の両方で鋼管を固定し、バイトによって鋼管の下方から外面溶接ビードを切削する方式が提案されている。
【特許文献6】実開昭62−161922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献5に記載されたミーリングカッターによって外面溶接ビードを切削するフライス削り方式の場合でも、ミーリングカッターと外面溶接ビードとの相対位置関係を適正に保つために、頑丈で大掛かりな構造物が必要となることに変わりはない。
【0010】
また、特許文献6に記載された鋼管の下方から外面溶接ビードを切削する方式であっても、バイトの押付け力によって鋼管が浮き上がらないように鋼管の内面を押さえる構造が必要となる。
【0011】
本発明が解決しようとする問題点は、上記の従来技術では、鋼管の上方或いは下方の何れの方向から外面溶接ビードを除去するものであっても、外面溶接ビードの除去を精度良く行うには、外面溶接ビードとの相対位置関係を適正に保つために、大掛かりな構造物が必要になるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法は、
大掛かりな構造物を必要とすることなく、切削工具と外面溶接ビードとの相対位置関係を適正に保ちつつ、外面溶接ビードを効率良く、高精度に切削除去できるようにするために、
まず、所定場所に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードが所定の周方向位置となるように溶接鋼管を位置決めした後、
胴部に前記外面溶接ビードとの接触を防止するための凹部を有する先導ロールを、この凹部が外面溶接ビードを覆うように前記溶接鋼管の端部に当接させ、
次に、この先導ロールと所定の相対位置関係に調整されたミーリングカッターを、前記先導ロールに追従して溶接鋼管の軸方向に移動させることで、溶接鋼管端部の外面溶接ビードを切削除去することを最も主要な特徴としている。
【0013】
また、前記本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法を実施する、本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置は、
所定場所に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードを検出するビード検出センサーと、
前記溶接鋼管の外周に下方から当接すべく配置され、前記ビード検出センサーによって検出された外面溶接ビードが周方向の所定位置に位置するよう、溶接鋼管を、軸を中心として回転させるターニングローラおよびこのターニングローラの回転駆動機構と、
前記所定場所に位置させた溶接鋼管の端部近傍に配置され、胴部に前記外面溶接ビードとの接触を防止するための凹部を有する回転自在な先導ロールと、
この先導ロールと所定の相対関係位置に配置されたミーリングカッターおよびこのミーリングカッターの回転駆動装置と、
前記先導ロールおよびミーリングカッターを前記所定位置に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードに対して接離移動させる接離移動機構と、
前記先導ロールおよびミーリングカッターを一体として前記溶接鋼管の軸方向に移動させる軸方向駆動装置を備えたことを最も主要な特徴としている。
【0014】
これらの本発明において、先導ロールとミーリングカッターとの所定の相対関係位置とは、先導ロールに追従して溶接鋼管の軸方向に移動するミーリングカッターによって外面溶接ビードの切削除去が可能なような、溶接鋼管の周方向および半径方向の相対位置関係を言う。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、外面溶接ビードの切削除去にバイトではなくミーリングカッターを使用し、かつ、ミーリングカッターの移動を、胴部に外面溶接ビードとの接触を防止するための凹部を有する回転自在な先導ロールに追従させて行うので、溶接鋼管のゆがみや外面溶接ビード位置にずれがあっても、ミーリングカッターを正確に追従させることができ、外面溶接ビードの切削除去を、大掛かりな構造物を必要とすることなく、高精度に、かつ、適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図8を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法を実施する本発明装置の全体概略構成の一例を側面から見た図、図2〜図6は図1に示した本発明装置の外面溶接ビード切削時における状態を順を追って説明する図、図7は先導ロールの一例を示す図、図8は先導ロールとミーリングカッターの溶接鋼管半径方向の位置関係を微調整する構造の一例を示す図である。
【0017】
図1〜図8において、1は所定の場所に軸を中心とする回転自在に位置させた溶接鋼管である。この溶接鋼管1は、たとえばその外周下方に前記軸を挟んで等間隔位置に、溶接鋼管1の外周と当接すべく配置された2個で対をなすターニングローラ2を、回転駆動機構であるモータ3によって同調して回転させることで、管軸方向には移動することなく、軸を中心として回転するようになされている。
【0018】
4は溶接鋼管1の外面溶接ビード1aを検出するビード検出センサーであり、後述の先導ロール6と、できるだけ近い位置に設置することが望ましい。このビード検出センサー4の種類は、接触式、非接触式を問わないが、光学式等の非接触式センサーのように、画像処理等によってできるだけ精密にビード位置を検出できるものが望ましい。
【0019】
本発明では、外面溶接ビード1aの検出開始と同時に、制御装置5より前記モータ3に信号を送ってターニングローラ2を駆動し、溶接鋼管1を周方向に回転させる。そして、ビード検出センサー4により外面溶接ビード1aが検出されると、その信号は制御装置5に送られ、ターニングローラ2にて外面溶接ビード1aが正確に所定の周方向位置にくるように制御される。なお、所定の周方向位置とは、特に限定されるものではないが、後述するように、装置を小型化するにあたっては、溶接鋼管1の真下とすることが望ましい。
【0020】
6は前記所定場所に位置させた溶接鋼管1の端部近傍に回転が自在なように配置された先導ロールであり、図7に示すように、その胴部外周側の例えば軸方向中心部に凹部6aを有している。この凹部6aは、前記外面溶接ビード1aとの接触が防止できるものであれば、図7に示すような形状に限らず、鼓状に形成したものでも良い。
【0021】
7は前記先導ロール6と所定の相対関係位置、たとえば鋼管の軸方向の一直線上に近接配置されたミーリングカッターである。このミーリングカッター7は、外面溶接ビード1aの切削を可能とするため、図8に示したように、先導ロール6の外周面に対して溶接鋼管1の半径方向に一定距離だけ突出するように設置されている。
【0022】
このミーリングカッター7と先導ロール6の、溶接鋼管1の半径方向における位置関係は、図8に示すように、たとえば先導ロール6の本体台9への取付け部のうちの、溶接鋼管1の軸方向他方に取付けるボルト16による固定位置を高さ方向に変更して、一方端側を支点17として起立揺動させることで、溶接鋼管1のサイズやミーリングカッター7の刃先摩耗量に対応して微調整可能なようにしておけば、切り込み量を調整できるので望ましい。
【0023】
図8に示す例では、先導ロール6とミーリングカッター7は共に本体台9上に配置されているが、前記の位置関係が保持できれば、必ずしも同じ本体台9上に配置せず、別々の駆動系にて動作させるようにしても良い。
【0024】
このミーリングカッター7は、前記制御装置5から回転駆動装置8に信号が送られることで、回転および停止、ならびに切削に適正な回転数に制御される。なお、このミーリングカッター7は、切削しようとする外面溶接ビード1aの高さ、幅により、適正な刃、径を選択する。また、このミーリングカッター7は適正な切削送り角となるように設定される。
【0025】
図1〜図6に示した例では、前記先導ロール6とミーリングカッター7は、同じ本体台9上に配置し、軸方向駆動装置10によって前記溶接鋼管1の軸方向に配置された軸方向移動ガイド11上を一体として移動するようになされている。
【0026】
また、図1〜図6に示した例では、前記軸方向移動ガイド11ごと、油圧シリンダ12によって、前記溶接鋼管1の外面溶接ビード1aに対して接離移動するように構成されている。なお、この油圧シリンダ12は、後述する外周位置検出センサー14からの信号を受けた制御装置5からの信号によって駆動される油圧装置15から圧油を送られて、そのロッドの出退が行われるようになっている。
【0027】
13はたとえば前記本体台9上における先導ロール6とミーリングカッター7の間に設けられた管端検出センサーであり、前記所定の場所に位置された溶接鋼管1の管端を検出するものである。この管端検出センサー13は溶接鋼管1の管端と先導ロール6までの距離を測定することが目的であるため、できるだけ先導ロール6と近い位置に配置することが望ましい。
【0028】
なお、この管端検出センサー13は、接触式、非接触式を問わないが、図1〜図6に示したように、先導ロール6とミーリングカッター7の間に配置する場合には、非接触式のものを採用することが望ましい。また、図1〜図6に示した例では、管端検出センサー13を本体台9上に設置したものを示しているが、管端と先導ロール6までの距離を正確に測定できるものであれば、軸方向移動ガイド11上や別の装置上に設置しても良いことは言うまでもない。
【0029】
14はたとえば前記本体台9上における先導ロール6の反ミーリングカッター7側に設けられた外周位置検出センサーである。この外周位置検出センサー14により溶接鋼管1の外周との距離を計測しつつ、その検出信号を受けた制御装置5が油圧装置15に制御信号を送ることで、前記油圧シリンダ12のロッドを出退動させて先導ロール6が溶接鋼管1の外周に当接するまで上昇させる。
【0030】
この油圧シリンダ12の油圧系統は高速と低速の2系統備えさせ、溶接鋼管1の外周位置検出センサー14にて、先導ロール6が溶接鋼管1に当接する直前に低速とすることが好ましい。このようにすることで、先導ロール6が溶接鋼管1に当接する際の衝撃を和らげることができ、溶接鋼管1と先導ロール6の保護が可能となる。
【0031】
ところで、前記外周位置検出センサー14は溶接鋼管1の外周と先導ロール6までの距離を測定することが目的であるため、できるだけ先導ロール6と近い位置に設置することが望ましい。ちなみに、図1〜図6に示した例では、外周位置検出センサー14を本体台9上に設置したものを示しているが、溶接鋼管1の外周と先導ロール6までの距離を正確に測定できるものであれば、軸方向移動ガイド11上に設置しても、また、別の装置上に設置しても良い。
【0032】
また、図1〜図6に示した例では、本体台9と軸方向移動ガイド11の両者を一体として油圧シリンダ12で上昇させる構成のものを示しているが、本体台9と軸方向移動ガイド11の間に油圧シリンダ12を配置したものでも良い。
【0033】
本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置は上記したような構成であり、以下にこの本発明装置を用いて、本発明方法により溶接鋼管端部の外面溶接ビードを切削する方法を図2〜図6を用いて説明する。
【0034】
所定場所に位置させた溶接鋼管1の外面溶接ビード1aの周方向位置が決定されるまで、図2に示すように、先導ロール6などを配置した本体台9は待機位置に停止している。
そして、ビード検出センサー4による外面溶接ビード1aの検出信号に基づいてターニングローラ2を回転制御し、外面溶接ビード1aが正確に所定の周方向位置、たとえば溶接鋼管1の真下に位置したところで回転を停止する。
【0035】
このように外面溶接ビード1aがたとえば溶接鋼管1の真下となる位置で溶接鋼管1を位置決めした後は、まず、図3に示すように、先導ロール6のみが前記溶接鋼管1の管端下方に位置し、ミーリングカッター7は管端の下方から外れる位置となるように、本体台9を移動する。
【0036】
この本体台9の移動は、管端の検出開始と同時に、制御装置5より軸方向駆動装置10に信号を送って本体台9を軸方向移動ガイド11に沿って移動させ、管端検出センサー13により管端が検出されると、その信号は制御装置5に送られ、軸方向駆動装置10を停止させることで行われる。
【0037】
次に、図4に示すように、外周位置検出センサー14により溶接鋼管1の外周との距離を計測しつつ、その検出信号に基づき制御装置5が油圧装置15に制御信号を送って油圧シリンダ12を駆動させ、先導ロール6の凹部6aが外面溶接ビード1aを覆うように溶接鋼管1の外周に当接させる。
【0038】
このように先導ロール6を溶接鋼管1の外周に当接させた後は、図5に示すように、先導ロール6とミーリングカッター7は、軸方向駆動装置10によって溶接鋼管1の軸方向に、切削に適切な速度で移動させる。
【0039】
このとき、先導ロール6とミーリングカッター7は溶接鋼管の軸と平行方向に一直線上に配置されており、ミーリングカッター7は軸方向移動ガイド11によって、先導ロール6に追従するように移動されるので、外面溶接ビード1aは正確に切削される。
【0040】
なお、油圧シリンダ12はリリーフ回路を有し、常に一定の押付け力で先導ロール6を外面溶接ビード1aに当接するように設定しておくことが好ましい。先導ロール6とミーリングカッター7は溶接鋼管1の半径方向に一定の位置関係となっているため、このように設定することで、溶接鋼管1に曲がりがあっても一定の押付け力でミーリングカッター7を外面溶接ビード1aに当接することができるからである。
【0041】
ところで、外面溶接ビード1aの切削は自動溶接機の作動範囲のみ必要とされているため、所要の長さだけを切削すればよい。よって、所要の切削長さに到達した時点で切削を終了することになるが、外面溶接ビード1aに段差があると、自動溶接の妨げとなる。
【0042】
そこで、図6に示すように、切削終了時に、ミーリングカッター7の回転および切削送り速度を保持したまま、油圧シリンダ12のロッドを退入させてミーリングカッター7を低速で下降させる。これにより、外面溶接ビード1aに段差を生じさせることなく、切削を終了することができる。なお、前記下降させるタイミングは、制御装置5で制御しても良いし、エンコーダ等で所定の長さを切削したことを測定して制御してもよい。
外面溶接ビード1aの切削完了後は、本体台9は待機位置に戻される。
【0043】
本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置においては、ビード検出センサー4と先導ロール6とミーリングカッター7、管端検出センサー13、外周位置検出センサー14は溶接鋼管1の周方向のどの位置に配置しても良いが、溶接鋼管1の下側に配置することが特に望ましい。これによって、溶接鋼管1への先導ロール6の押付け反力は溶接鋼管1自身の自重で受けることになり、大径管であれば溶接鋼管1を上や内面から押さえる必要がなくなって、大掛かりな架台は不要となり、コンパクトな設備とすることができるからである。また、切削屑も溶接鋼管1上に飛散することがなく、清掃も効率的である。
【0044】
また、本例では各装置の駆動に油圧装置を用いたものを示したが、スクリュー等によって駆動しても良いことは言うまでもない。
【0045】
このように、本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇内であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、溶接鋼管端部の外面溶接ビードの切削除去だけでなく、溶接鋼管全域の外面溶接ビードの除去にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法を実施する本発明装置の全体概略構成の一例を側面から見た図である。
【図2】図1の装置において、外面溶接ビードを切削する前の待機位置を説明する図である。
【図3】図1の装置において、管端検出時の位置を説明する図である。
【図4】図1の装置において、先導ロールが鋼管に当接した時の位置を説明する図である。
【図5】図1の装置において、外面溶接ビード切削時の位置を説明する図である。
【図6】図1の装置において、外面溶接ビード切削終了時の位置を説明する図である。
【図7】先導ロールの形状の一例を示す図である。
【図8】先導ロールとミーリングカッターの溶接鋼管半径方向の位置関係を微調整する構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 溶接鋼管
1a 外面溶接ビード
2 ターニングローラ
3 モータ
4 ビード検出センサー
5 制御装置
6 先導ロール
6a 凹部
7 ミーリングカッター
8 回転駆動装置
9 本体台
10 軸方向駆動装置
11 軸方向移動ガイド
12 油圧シリンダ
13 管端検出センサー
14 外周位置検出センサー
15 油圧装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接鋼管端部の外面溶接ビードを切削除去する方法であって、
まず、所定場所に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードが所定の周方向位置となるように溶接鋼管を位置決めした後、
胴部に前記外面溶接ビードとの接触を防止するための凹部を有する先導ロールを、この凹部が外面溶接ビードを覆うように前記溶接鋼管の端部に当接させ、
次に、この先導ロールと所定の相対位置関係に調整されたミーリングカッターを、前記先導ロールに追従して溶接鋼管の軸方向に移動させることで、溶接鋼管端部の外面溶接ビードを切削除去することを特徴とする溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法。
【請求項2】
前記先導ロールの溶接鋼管端部への当接位置の決定を、溶接鋼管の管端検出信号に基づいて行い、また、溶接鋼管外周への当接を、溶接鋼管の外周位置の検出信号に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法。
【請求項3】
前記外面溶接ビードが溶接鋼管の下方となるように、溶接鋼管の周方向位置の位置決めを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削方法を実施する装置であって、
所定場所に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードを検出するビード検出センサーと、
前記溶接鋼管の外周に下方から当接すべく配置され、前記ビード検出センサーによって検出された外面溶接ビードが周方向の所定位置に位置するよう、溶接鋼管を、軸を中心として回転させるターニングローラおよびこのターニングローラの回転駆動機構と、
前記所定場所に位置させた溶接鋼管の端部近傍に配置され、胴部に前記外面溶接ビードとの接触を防止するための凹部を有する回転自在な先導ロールと、
この先導ロールと所定の相対関係位置に配置されたミーリングカッターおよびこのミーリングカッターの回転駆動装置と、
前記先導ロールおよびミーリングカッターを前記所定位置に位置させた溶接鋼管の外面溶接ビードに対して接離移動させる接離移動機構と、
前記先導ロールおよびミーリングカッターを一体として前記溶接鋼管の軸方向に移動させる軸方向駆動装置を備えたことを特徴とする溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置。
【請求項5】
前記の先導ロールとミーリングカッターとの相対関係位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項4に記載の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置。
【請求項6】
前記溶接鋼管の管端を検出する管端検出センサーと、
前記溶接鋼管の外周位置を検出する外周位置検出センサーを備え、
前記先導ロールの溶接鋼管端部への当接位置の決定および当接を、これらセンサーによる管端検出信号と外周位置の検出信号に基づいて行うように構成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の溶接鋼管端部の外面溶接ビード切削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−150369(P2006−150369A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340711(P2004−340711)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】