説明

溶液の霧化方法とこの方法に使用する超音波霧化機

【課題】搬送気体量を少なくしながら、複数の超音波振動子で効率よく溶液をミストに霧化する。超音波振動子自体で効率よく溶液をミストに霧化する。
【解決手段】溶液の霧化方法は、超音波振動子で溶液を超音波振動させてミストに霧化する。霧化方法は、上端に噴霧口12を開口している筒体6内に溶液を充填し、この筒体6内の溶液に、噴霧口12に向かって超音波振動を与えて、噴霧口12からミストに霧化して飛散させると共に、噴霧口12から飛散されるミストに搬送気体を供給し、搬送気体中でミストを霧化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種以上の物質を含む混合物から特定の物質の濃度の高い高濃度な溶液を分離し、あるいは溶液に含まれる目的物質を分離する方法と装置に使用される霧化方法と霧化機に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、アルコールから高濃度なアルコールを分離する装置を開発した。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2001−314724号公報
【0003】
この分離装置は、アルコール溶液を閉鎖構造の超音波霧化室に充填し、この超音波霧化室のアルコール溶液を超音波振動子で超音波振動させてミストに霧化し、霧化されたミストを凝集させて回収して高濃度のアルコール溶液を分離する。この分離装置が高濃度のアルコールを分離できるのは、以下の動作による。
【0004】
アルコールは水よりも溶液の表面に移行しやすく、表面の溶液はアルコールの濃度が高くなっている。この状態で超音波振動させると、高濃度なアルコールが超音波振動のエネルギーで空気中にミストとなって微細な粒子で放出される。空気中に放出されたミストはアルコール濃度が高くなっている。アルコール濃度の高い表面の溶液がミストとなりやすいからである。したがって、ミストを凝集して回収すると、高濃度のアルコール溶液が分離される。この方法は、溶液を加熱しないで高濃度のアルコール溶液を分離できる。このため、少ないエネルギー消費で高濃度に目的物質を分離できる。また、加熱しないので目的物質を変質させることなく分離できる特長もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この装置は、超音波振動させて効率よくミストとすることが大切である。また、単位時間にミストにする量を多くするために、図1に示すように、多数の超音波振動子102が使用される。この装置は、全ての超音波振動子102が効率よく溶液をミストに霧化できない。それは、超音波振動が溶液をミストに霧化する効率が、気中のミスト濃度に関係するからである。気中のミスト濃度が高くなると、溶液がミストになる効率は著しく低下する。このため、図1において、下流側の超音波振動子102が溶液をミストにする量は、上流側の超音波振動子102の数分の1以下と著しく少なくなる。下流の気中には高濃度のミストが含まれるからである。このため、多数の超音波振動子を設けても、個数に相当する溶液量をミストに霧化できない欠点がある。この欠点は、多量の空気を供給して、気中のミスト濃度を低くすることで少なくできる。ただ、多量の空気を供給すると、多量の空気から霧化されたミストを凝集する必要があって、回収効率が低くなる。このため、空気量を少なくしながら、溶液を効率よくミストに霧化することが大切である。
【0006】
本発明の第1の目的は、このことを実現すること、すなわち、搬送気体量を少なくしながら、複数の超音波振動子で効率よく溶液をミストに霧化する溶液の霧化方法と超音波霧化機を提供することにある。
【0007】
さらに、本発明の第2の目的は、超音波振動子自体が効率よく溶液をミストに霧化する溶液の霧化方法と超音波霧化機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の溶液の霧化方法は、超音波振動子で溶液を超音波振動させてミストに霧化する。霧化方法は、上端に噴霧口12を開口している筒体6内に溶液を充填し、この筒体6内の溶液に、噴霧口12に向かって超音波振動を与えて、噴霧口12からミストに霧化して飛散させる共に、噴霧口12から飛散されるミストに搬送気体を供給し、搬送気体中でミストを霧化させる。
【0009】
本発明の溶液の霧化方法は、筒体6を円筒形とし、あるいは、噴霧口12に向かって細くなる円錐ホーンを使用し、あるいはまた、エクスポーネンシャルホーンを使用することができる。
【0010】
さらに、本発明の溶液の霧化方法は、噴霧口12の周囲に搬送気体を噴射することができる。噴霧口12から噴射する搬送気体には、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性な搬送気体を使用することができる。
【0011】
本発明の溶液の超音波霧化機は、溶液を超音波振動させてミストに霧化する複数の超音波振動子2と、超音波振動子2に接続されて超音波振動子2に高周波電力を供給して超音波振動させる超音波電源3とを備える。超音波霧化機は、超音波振動子2の上方に、上端に噴霧口12を開口している筒体6を配設しており、この筒体6内に溶液を充填して、超音波振動子2が噴霧口12に向かって溶液に超音波振動を与えて溶液を噴霧口12からミストに霧化して放出する。さらに、筒体6は、噴霧口12から噴霧されるミストに搬送気体を供給する噴気口14を開口して、この噴気口14を搬送気体源に連結しており、搬送気体源から供給される搬送気体を噴気口14からミストに供給して、噴霧口12から噴霧されるミストを搬送気体中に供給する。
【0012】
本発明の溶液の超音波霧化機は、筒体6を円筒形とし、あるいは、噴霧口12に向かって細くなる円錐ホーンとし、あるいはまた、エクスポーネンシャルホーンとすることができる。
【0013】
本発明の溶液の超音波霧化機は、噴霧口12の周囲に噴気口14を開口することができる。さらに、本発明の溶液の超音波霧化機は、搬送気体源が、噴気口14に、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性な搬送気体を供給することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の溶液の霧化方法と超音波霧化機は、搬送気体量を少なくしながら、複数の超音波振動子で効率よく溶液をミストに霧化できる特長がある。それは、本発明が、上端に噴霧口を開口している筒体内に溶液を充填し、この筒体内の溶液に、噴霧口に向かって超音波振動子で超音波振動を与えて、噴霧口からミストに霧化して飛散させると共に、噴霧口から飛散されるミストに搬送気体を供給し、搬送気体中でミストを霧化させるからである。本発明は、筒体内の上端の噴霧口から飛散されるミストに搬送気体を供給してミストを霧化させるので、筒体の噴霧口には、ミスト濃度の低い搬送気体を常に供給する状態として、効率よくミストに霧化できる。このため、複数の超音波振動子を使用するにも関わらず、下流側で搬送気体のミスト濃度が高くなって、ミストに霧化する効率を低下させることなく、また、多量の搬送気体を供給することなく溶液を効率よくミストに霧化できる。さらに、本発明は、筒体内に充填した溶液に超音波振動を与えて、上端の噴霧口からミストに霧化するので、超音波振動子自体が効率よく溶液をミストに霧化できる特長もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための溶液の霧化方法と超音波霧化機を例示するものであって、本発明は霧化方法と霧化機を以下のものに特定しない。
【0016】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
本発明の溶液の超音波霧化機を使用する超音波分離装置は、少なくとも2種の物質を含む溶液から高濃度の特定溶液を分離する。本発明は、溶液の溶媒と溶質を特定するものではないが、溶媒は、主として水であるが、水以外にもアルコール等の有機溶媒も使用できる。溶液は、例えば以下のものである。
(1) 清酒、ビール、ワイン、食酢、みりん、スピリッツ、焼酎、ブランデー、ウイスキー、リキュール
(2) ピネン、リナロール、リモネン、ポリフェノール類などの香料、芳香成分ないし香気成分を含む溶液
(3) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合した物質を含む溶液
(4) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をハロゲンによって置き換えた物質を含む溶液
(5) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基を水酸基によって置き換えた物質を含む溶液
(6) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をアミノ基によって置き換えた物質を含む溶液
(7) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をカルボニル基によって置き換えた物質を含む溶液
(8) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をカルボキシル基によって置き換えた物質を含む溶液
(9) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をニトロ基によって置き換えた物質を含む溶液
(10) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をシアノ基によって置き換えた物質を含む溶液
(11) 飽和炭化水素であるアルカン、シクロアルカン、不飽和炭化水素であるアルケン、シクロアルケン、アルキン、もしくはエーテル、チオエーテルあるいは芳香族炭化水素のうちいずれかに属する有機化合物、もしくはそれらの結合体の少なくとも一つの水素原子もしくは官能基をメルカプト基によって置き換えた物質を含む溶液
(12) 前述の(3)〜(11)の溶液に含まれるいずれか一つ以上の原子を金属イオンによって置換した物質を含む溶液
(13) 先述の(3)〜(11)の溶液に含まれる分子のうち任意の水素原子、炭素原子もしくは官能基を(3)〜(11)の分子のうち任意の分子で置き換えた物質を含む溶液
【0018】
2種以上の物質を含む溶液を超音波振動させて溶液からミストを分離し、分離したミストを凝集して回収すると、ミストから回収された溶液と、ミストにならないで残存する溶液とで、含有物質の濃度が異なる。たとえば、アルコール水溶液を超音波振動でミストに霧化し、霧化されたミストを回収すると、ミストにならないで残存するアルコールよりも高濃度なアルコールとなる。ミストを凝集して回収した溶液のアルコール濃度が高いのは、超音波振動によって、アルコールが水よりもミストに霧化されやすいからである。
【0019】
ミストから回収された溶液と、ミストにならない溶液とで含有物質の濃度が異なるようになるひとつの理由は、溶液に含まれる物質が表面に移行して表面過剰となる割合が異なるからである。表面過剰となる物性の強い溶液は表面濃度が高くなるので、これを超音波振動させて表面の溶液をミストにして霧化させると、ミストは表面過剰となりやすい物質の濃度が高くなる。したがって、このミストを凝集して回収すると、表面過剰の物性が強い物質の濃度を高くできる。すなわち、溶液から高濃度の物質を含むものを分離できる。
【0020】
以下、溶液をアルコールとして、アルコールから高濃度なアルコールを分離する方法と装置を示す。ただし、本発明は溶液をアルコールには特定しない。ミストに霧化して分離できる前述した溶液、あるいはその他の溶液の分離に使用できるからである。
【0021】
図2ないし図4に示す超音波分離装置は、溶液の一部を超音波振動でミストに霧化する超音波霧化機1、301、401と、この超音波霧化機1、301、401で霧化されたミストを凝集させて回収する回収部5、305、405とを備える。超音波霧化機1、301、401は、溶液が供給される閉鎖構造の超音波霧化室4、304、404と、この超音波霧化室4、304、404の溶液を超音波振動させてミストに霧化する複数の超音波振動子2、302、402と、各々の超音波振動子2、302、402の上方に配設している筒体6、306、406と、超音波振動子2、302、402に接続している超音波電源3、303、403を備える。
【0022】
図2の超音波分離装置は、超音波霧化室4と回収部5とを別々に離して、循環ダクト7で連結している。図3の超音波分離装置は、回収部305に超音波霧化室304を内蔵させ、図4の超音波分離装置は、回収部405と超音波霧化室404とでひとつの気密チャンバーを構成して、回収部405と超音波霧化室404とを一体構造としている。
【0023】
これ等の超音波分離装置は、超音波霧化室4、304、404で霧化された溶液のミストを、閉鎖構造の回収部5、305、405に流入させる。回収部5、305、405は、微細なミストを凝集させて高濃度のアルコール溶液として回収する。ミストは、気体ではないので、必ずしも冷却しないで凝集させて回収できる。ただ、ミストを冷却して速やかに回収できる。
【0024】
溶液はポンプ10、310、410で超音波霧化室4、304、404に供給される。超音波霧化室4、304、404は、供給される全ての溶液をミストとして霧化させない。全ての溶液を霧化して回収部5、305、405で回収すると、超音波霧化室4、304、404に供給する溶液と、回収部5、305、405で回収される溶液のアルコール等の目的物質の濃度が同じになるからである。超音波霧化室4、304、404に供給された溶液は、ミストとして霧化して容量が少なくなるにしたがって、目的物質の濃度が低下する。このため、ミストに含まれる目的物質の濃度も次第に低下する。超音波霧化室4、304、404の溶液は、目的物質濃度が低下すると新しいものに入れ換えられる。
【0025】
超音波霧化室4、304、404は、たとえば、目的物質の濃度が10〜50重量%である溶液を霧化して、目的物質の濃度が低下した後、溶液を新しいものに入れ換える。一定の時間経過すると溶液を新しいものに入れ換える方法、すなわちバッチ式に溶液を交換する。ただ、超音波霧化室4、304、404に、ポンプ10、310、410を介して溶液を蓄えている原液槽11、311、411を連結し、原液槽11、311、411から連続的に溶液を供給することもできる。この装置は、超音波霧化室4、304、404の溶液を排出しながら、原液槽11、311、411から溶液を供給して、超音波霧化室4、304、404の溶液のアルコール等の目的物質濃度が低下するのを防止する。また、図2の矢印Aで示すように、超音波霧化室4の溶液を原液槽11に循環することなく外部に排出して、原液槽11に含まれる目的物質の濃度が低下するのを防止することもできる。
【0026】
超音波霧化室4、304、404の溶液は、超音波霧化機1、301、401でミストに霧化される。超音波霧化機1、301、401で霧化されたミストは、溶液よりも目的物質の濃度が高い。したがって、超音波霧化機1、301、401で溶液をミストに霧化し、ミストを凝集して回収することで、高濃度な溶液を効率よく分離できる。
【0027】
超音波霧化室4、304、404には筒体6、306、406を配設している。筒体6、306、406は、各々の超音波振動子2、302、402の上方に配設されて、超音波振動子2、302、402で超音波振動される溶液から効率よくミストを飛散させる。筒体6、306、406は、上端に噴霧口12、312、412を開口している筒状としている。筒体6、306、406は、内部に溶液を充填し、筒体6、306、406内の溶液に、噴霧口12、312、412に向かって超音波振動を与えて、噴霧口12、312、412からミストに霧化して飛散する。図の超音波振動子2、302、402は、上方に超音波を放射する。したがって、超音波振動子2、302、402の上方に、垂直な姿勢で配設している。図の筒体6、306、406は、上端に向かって次第に細くなる円錐ホーンである。ただし、筒体は、内面の形状をエクスポーネンシャルカーブとするエクスポーネンシャルホーンとすることもできる。円錐ホーンやエクスポーネンシャルホーンの筒体6、306、406は、内部に効率よく超音波振動を伝達させて、溶液を能率よくミストに霧化できる特徴がある。ただ、本発明は、筒体を、円筒形状、楕円筒状、多角筒状とするとすることもできる。
【0028】
筒体6、306、406の下端開口部の内形は、超音波振動を効率よく内部に伝達できるように、超音波振動子2、302、402の外形より小さく、あるいは大きくして、超音波振動される液柱Pが内面に沿って上昇するようにする。たとえば、筒体6、306、406の下端の開口部の内径は、超音波振動子2、302、402の外径の50〜150%、好ましくは60〜100%とする。
【0029】
さらに、筒体6、306、406の高さと噴霧口12、312、412の大きさは、筒体6、306、406の内部に沿って、いいかえると筒体6、306、406の内面と液柱Pとの間に気層ができないように、超音波振動による液柱Pが筒体6、306、406の内部に沿って上昇し、噴霧口12、312、412の近傍でミストとなって飛散するように設計される。ただ、液柱Pが噴霧口12、312、412から突出するように、いいかえると筒体6、306、406を液柱Pよりも低くすることもできる。したがって、筒体6、306、406の高さと噴霧口12、312、412の大きさは、超音波振動子2、302、402の大きさ、出力、周波数等によって最適値に設計される。
【0030】
図の筒体6、306、406は、下端を溶液の液面よりも下方に、噴霧口12、312、412を液面よりも上方に配設する。この筒体6、306、406は、液面よりも下方の超音波振動を内部に案内し、液面から上方にある噴霧口12、312、412からミストとして飛散させる。
【0031】
図5の筒体6は、超音波振動子2から上方に離して配設され、図6と図7の筒体606、706は、底部に超音波振動子602、702を配設して、超音波振動子602、702で下端の開口部を液密に閉塞している。下端を超音波振動子602、702で閉塞する筒体602、706は、内部に溶液を供給する流入口613、713を開口している。
【0032】
さらに、図7の筒体706は、複数の分岐筒706A、706Aに分岐している。各々の分岐筒706A、706Aは、上端を細くする円錐ホーンである。各々の分岐筒706A、706Aは、下端を開口して上端に噴霧口712、712を開口している。隣接する分岐筒706A、706Aの境界は、超音波振動の反射を少なくして効率よく分岐筒706A、706Aの内部に伝導するように、下端に向かって次第に幅の狭くなるテーパー状として下端縁を先鋭な形状としている。各々の分岐筒706A、706Aは、溶液を供給するために流入口713を開口している。この筒体706は、流入口713から溶液が供給される。供給された溶液は、超音波振動子702から放射される超音波振動の超音波を、複数の分岐筒706A、706Aに分岐して案内する。各々の分岐筒706A、706Aの内部で溶液は超音波振動されて液柱となり、上部の噴霧口712、712からミストに霧化されて飛散される。
【0033】
さらに、筒体6、606、706は、噴霧口12、612、712から霧化されるミストに搬送気体を供給する噴気口14、614、714を開口して、この噴気口14、614、714を気体供給源に連結している。気体供給源から供給される搬送気体は噴気口14、614、714からミストに供給され、噴霧口12、612、712から噴霧されるミストは搬送気体中に霧化される。この状態で霧化されたミストを含む搬送気体が回収部5、605、705で凝集させて溶液を回収する。
【0034】
図5ないし図7の筒体6、606、706は、壁面を二重構造として平面の内部にダクト15、615、715を設けている。ダクト15、615、715は、筒体6、606、706の上端に開口している噴気口14、614、714に連結している。ダクト15、615、715に供給される搬送気体は、噴気口14、614、714から排出される。噴気口14、614、714は、筒体6、606、706上端の周囲に、スリット状に開口されている。スリット状の噴気口14、614、714は、搬送気体をリング状に排気する。リング状に排気される搬送気体の内側にミストが放出される。この構造の筒体6、606、706は、ミストを新鮮な搬送気体の内側に噴霧する。このため、溶液を効率よくミストに霧化できる。ミストが溶液濃度の低い搬送気体中に霧化されるからである。
【0035】
図5ないし図7の筒体6、606、706は、連結ダクト16、616、716に脱着できるように連結している。連結ダクト16、616、716には、図示しないが、複数の筒体を連結している。図5の筒体6は、下端の外周に雄ネジ17を設け、連結ダクト16には筒体6の雄ネジ17をねじ込む雌ネジ穴18を設けている。筒体6は、雄ネジ17を雌ネジ穴18の雌ネジにねじ込んで、連結ダクト16に連結される。連結ダクト16は、内部に搬送気体の供給ダクト19を設けている。筒体6は、連結ダクト16に連結される状態で、ダクト15の入口を連結ダクト16の供給ダクト19に連結して、連結ダクト16の供給ダクト19から筒体6のダクト15に搬送気体が供給される。図5の筒体6は、雄ネジ17の上方と底面とに、リング溝を設けて、ここにOリング20、21を入れている。Oリング20、21は、筒体6を連結ダクト16に連結する状態で、雌ネジ穴18の内面に密着して、連結ダクト16と筒体6との連結部の気体漏れを阻止する。すなわち、筒体6を気密な状態で連結ダクト16に連結する。
【0036】
図6と図7の筒体606、706は、下端に円柱状の連結部622、722を設け、この連結部622、722を挿入する連結穴623、723を連結ダクト616、716に設けている。連結穴623、723は、連結ダクト616、716を上下に貫通して設けている。連結部622、722と連結穴623、723との気体漏れを阻止するために、連結部622、722の上部に設けたリング溝にOリング620、720を入れて、連結穴623、723の下部に設けたリング溝にOリング621、721を入れている。Oリング620、720、621、721は、連結部622、722と連結穴623、723の隙間を閉塞して、筒体606、706を連結ダクト616、716に気密に気体漏れしないように連結する。筒体606、706を連結ダクト616、716に連結して、筒体606、706のダクト615、715の入口は連結ダクト616、716の供給ダクト619、719に連結され、連結ダクト616、716の供給ダクト619、719から筒体616、716のダクト615、715に搬送気体が供給される。
【0037】
さらに、これ等の図に示す筒体606、706は、脱着連結具624、724を介して超音波振動子602、702を脱着できるように連結している。脱着連結具624、724は、上方を開口する装着室625、725を内部に設けている。この装着室625、725に超音波振動子602、702を固定している。図の脱着連結具624、724は、装着室625、725に超音波振動子602、702を駆動するための電源回路部品626、726も収納している。電源回路部品626、726は、リード線627、727を介して超音波振動子602、702に接続されて、超音波振動子602、702に電気信号の超音波出力を出力する。超音波振動子602、702は、装着室625、725の開口部を気密に閉塞する。したがって、超音波振動子602、702は、その周囲を、パッキン628、728を介して装着室625、725の開口部に密着している。超音波振動子602、702で水密に閉塞される装着室625、725に、電源回路部品626、726を収納している。このため、電源回路部品626、726を水密構造とする必要はない。図の脱着連結具624、724は、装着室625、725に超音波振動子602、702と電源回路部品626、726を内蔵するので、超音波振動子602、702と電源回路部品626、726を簡単に交換できる特徴がある。ただ、脱着連結具は、装着室に超音波振動子のみを収納し、超音波振動子に接続しているリード線を脱着連結具の外側に引き出して、電源回路に接続する構造とすることもできる。この脱着連結具は、超音波振動子を必ずしも水密構造に固定する必要はない。
【0038】
脱着連結具624、724は、筒体606、706の下端に、下方に開口して設けている連結凹部629、729に脱着できるように連結される。脱着凹部629、729は、内面に雌ネジを設けている。脱着連結具624、724は、脱着凹部629、729に挿入できる外形として、脱着凹部629、729の雌ネジにねじ込む雄ネジを外周に設けている。雄ネジを雌ネジにねじ込んで、脱着連結具624、724は脱着凹部629、729に連結される。脱着凹部629、729は筒体606、706の内部に連通しているので、脱着連結具624、724は筒体606、706に液密な構造で連結する必要がある。このため、脱着凹部629、729の内面と脱着連結具624、724の外周との間にOリング630、730を挟着している。Oリング630、730は、Oリング630、730と脱着連結具624、724との間を液密な状態で連結して、筒体606、706の下端の脱着凹部629、729を脱着連結具624、724で液密に閉塞する。
【0039】
以上の超音波霧化機1、301、401、601、701は、超音波振動子2、302、402、602、702を超音波振動させて、溶液をミストとして筒体6、306、406、606、706の噴霧口12、312、412、612、712から飛散させる。溶液は、筒体6、306、406、606、706の内部で超音波振動され、噴霧口12、312、412、612、712からミストとして飛散される。図の超音波霧化機1、301、401、601、701は、超音波振動子2、302、402、602、702を上向きに配設している。超音波振動子2、302、402、602、702は、底から筒体6、306、406、606、706の内部に向かって上向きに超音波を放射して、溶液を超音波振動させ、溶液を筒体6、306、406、606、706の内部で押し上げて、噴霧口12、312、412、612、712からミストとして飛散させる。超音波振動子2、302、402、602、702は、垂直方向に超音波を放射する。
【0040】
図2の超音波霧化機1は、複数の超音波振動子2と、これ等の超音波振動子2を超音波振動させる超音波電源3とを備える。超音波振動子2は、筒体6の下方に固定される。
【0041】
超音波霧化室4で霧化された溶液のミストは、回収部5に流入される。ミストを回収部5に流入させるために、図2の装置は、回収部5を循環ダクト7で超音波霧化室4に連結しており、図3の装置は、超音波霧化室304を回収部305に内蔵しており、図4の装置は、回収部305の上部に超音波霧化室304を配設している。図3と図4の装置は、回収部305、405の容積を、超音波霧化室304、404に比較して充分に大きく、たとえば、超音波霧化室304、404の容積の2〜100倍、好ましくは5〜50倍、さらに好ましくは5〜20倍としている。図4の装置は、超音波霧化室404と回収部405の上部を連通路であるダクト408を介して連結して一体構造としている。超音波霧化室404で霧化したミストは、ゆっくりと降下して回収部405に溶液として回収される。
【0042】
さらに、図2の装置は、筒体6の噴霧口12から飛散するミストを効率よく回収して循環ダクト7に循環させるために、筒体6の噴霧口12の上方に、ミストの吸入部9を設けている。図に示す吸入部9は、円筒状のパイプで、筒体6の上方に垂直の姿勢で配置している。筒状のパイプである吸入部9は、下端を筒体6の上部に配置して、上端を超音波霧化室4の上方に延長している。図に示す吸入部9は、筒体6の上端縁に位置して、円筒状パイプの下端縁を配置している。ただ、吸入部は、下端部を筒体の上部にラップする状態で配置することも、あるいは、下端縁を筒体の上端縁から離して配置することもできる。さらに、吸入部9の下端の開口部は、筒体6の噴霧口12よりも広い開口面積としており、筒体6の上端から飛散されるミストを漏れなく回収できるようにしている。吸入部9の上端は、超音波霧化室4の上部で連結されており、この連結部を循環ダクト7に連結して、吸入部9で回収されたミストを循環ダクト7に循環させるようにしている。ただ、吸入部は、必ずしも設ける必要はない。
【0043】
図2の回収部5は、ミストを冷却して凝集させる冷却用熱交換器33を内蔵している。冷却用熱交換器33は、熱交換パイプ34にフィン(図示せず)を固定している。熱交換パイプ34に冷却用の冷媒や冷却水を循環させて、熱交換器33は冷却される。超音波霧化室4で霧化されたミストは、一部が気化して気体となるが、気体は回収部5の熱交換器33で冷却され、結露して凝集されて回収される。回収部5に流入されるミストは、熱交換器33に衝突し、あるいは互いに衝突して大きく凝集し、または熱交換器33のフィン等に衝突して大きく凝集して溶液として回収される。ミストと気体を熱交換器33で凝集して回収した空気は、循環ダクト7を介して再び超音波霧化室4に循環される。
【0044】
さらに、回収部は、図示しないが、搬送気体に含まれる目的物質であるアルコール等の蒸気を吸着剤に吸着させて回収することもできる。この回収部は、たとえば、加熱された回収気体で吸着剤に吸着されたアルコールを排出し、回収気体を冷却して排出されたアルコールを結露させて回収することができる。この回収部は、たとえば、空隙に吸着剤を設けているローターと、このローターを回転させる回転駆動機構とで構成することができる。ローターは、回転軸の方向に搬送気体を通過できる空隙を有するハニカムローターである。吸着剤には、たとえば、ゼオライト、活性炭、酸化リチウム、シリカゲルのいずれか、もしくはこれらの混合物が使用できる。この回収部は、回転駆動機構でローターを所定の速度で回転させて、蒸気を吸着させる吸着領域と、吸着した蒸気を排出する再生領域とに移動させる。ローターが吸着領域に移動されると、目的物質であるアルコールの蒸気を含む搬送気体が空隙に通過されて、搬送気体に含まれる目的物質のアルコールが吸着剤に吸着される。ローターが回転して再生領域に移動されると、吸着した目的物質のアルコールを排出する。排出された目的物質のアルコールは、回収気体を冷却して回収される。ローターの吸着領域を通過した搬送気体は、再び超音波霧化室に移動される。
【0045】
図3と図4の回収部305、405は閉鎖チャンバーであって、ここに供給されるミストは外部に排出されない。したがって、回収部305、405に供給されたミストは、互いに衝突して大きく凝集し、あるいは、邪魔板等に衝突して大きく凝集して溶液として回収される。回収部305、405において、ミストをより速やかに回収するために、図3と図4の回収部305、405は、溶液を散水するノズル336、436を備える。ノズル336、436は、循環ポンプ335、435を介して回収部305、405の底部に連結される。循環ポンプ335、435は、回収部305、405に回収された溶液を吸入して、ノズル336、436から噴霧させる。
【0046】
図の超音波分離装置は、回収部305、405の上部と側面にノズル336、436を配設している。上部のノズル336、436は、下向きに溶液を噴霧する。側面のノズル336、436は、水平方向に溶液を噴霧する。ノズル336、436から噴霧される溶液は、超音波霧化機301、401で霧化されたミストに比較して充分に大きな水滴であって、回収部305、405の内部を速やかに落下し、落下するときに、回収部305、405の内部に浮遊しているミストに衝突して、ミストを回収しながら落下する。したがって、回収部305、405に浮遊するミストを効率よく速やかに回収できる。
【0047】
図の超音波分離装置は、ノズル336、436を上と側面とに配設しているが、回収部305、405の下部にノズルを配設することもできる。下部のノズルは、上向きに溶液を噴霧する。このノズルは、回収部の天井に溶液を衝突させる速度で、あるいは、天井の近傍まで上昇する速度で溶液を噴霧する。天井の近傍まで上昇するように噴霧される溶液は、天井の近傍で下向きに方向を変えて落下するので、上昇するときと降下するときにミストに接触して、ミストを効率よく回収する。
【0048】
さらに、図8の回収部805は、内部に複数枚の邪魔板837を配設している。邪魔板837は、隣接するものとの間にミストを通過できる隙間を設けて、垂直の姿勢で配設している。垂直の邪魔板837は、ミストを表面に衝突させて付着する溶液を自然に流下させて回収できる。図の邪魔板837は、表面を凹凸面として、ミストをより効率よく接触させて回収できるようにしている。
【0049】
さらに、図8の回収部805は、ミストを強制送風して撹拌するファン838を設けている。ファン838は、回収部805のミストを撹拌する。撹拌されるミストは、互いに衝突して凝集し、あるいは、邪魔板837の表面に衝突して凝集する。凝集するミストは、速やかに落下して回収される。図のファン838は、回収部805のミストを下向きに送風して循環させる。なお、この図において、801は超音波霧化機を、802は超音波振動子を、803は超音波電源を、804は超音波霧化室を、806は筒体をそれぞれ示している。
【0050】
図9の超音波分離装置は、ミストを振動して互いに衝突する確率を高くするミスト振動器939を回収部905に設けている。ミスト振動器939は、回収部905の気体を振動させる電気振動−機械振動変換器と、この電気振動−機械振動変換器を駆動する振動電源とを備える。電気振動−機械振動変換器は、可聴周波数の音を放射するスピーカーや、可聴周波数よりも高い超音波を放射する超音波振動子等である。電気振動−機械振動変換器が、ミストを効率よく振動させるために、電気振動−機械振動変換器から放射される振動を回収部905で共振させる。このことを実現するために、電気振動−機械振動変換器は、回収部905で共振する周波数で振動させる。いいかえると、回収部905を電気振動−機械振動変換器から放射される振動に共振する形状に設計する。なお、この図において、901は超音波霧化機を、902は超音波振動子を、903は超音波電源を、904は超音波霧化室を、906は筒体をそれぞれ示している。
【0051】
超音波は人間の可聴周波数を越える高い周波数であるので、耳には聞こえない。このため、超音波を放射するミスト振動器939は、回収部905の気体を激しく振動させて、いいかえると、電気振動−機械振動変換器の出力を極めて大きくして、人間に音の害を与えることがない。このため、超音波はミストを激しく振動して、効率よく衝突させて、速やかに回収できる特長がある。
【0052】
以上の超音波分離装置は、回収部5、305、405、805、905に、ミストを効率よく凝集させる装置を配設するので、ミストをより速やかに凝集させて高濃度の溶液とすることができる。さらに、図示しないが、超音波分離装置は、回収部に、溶液を噴霧するノズルと、ミストを撹拌するファンと、ミストを振動させる振動器の全てを内蔵させて、最も効率よくミストを凝集できる。また、ミストを凝集させるふたつの装置を内蔵して、ミストを効率よく凝集させることもできる。
【0053】
超音波霧化室4、304、404、804、904と回収部5、305、405、805、905は、好ましくは不活性ガスを充填する。この装置は、不活性ガスによって、超音波霧化室4、304、404、804、904や回収部5、305、405、805、905における溶液の変質が防止される。このため、より高品質な状態で高濃度の溶液を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の溶液の霧化方法と超音波霧化装置は、低濃度のアルコールから高濃度のアルコールを分離するように、2種以上の物質を含む混合物から特定の物質の濃度の高い高濃度な溶液を分離し、あるいは溶液に含まれる目的物質を分離する分離方法や分離装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の超音波分離装置が多数の超音波振動子で溶液をミストに霧化する状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる溶液の超音波霧化機を備える超音波分離装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかる溶液の超音波霧化機を備える超音波分離装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかる溶液の超音波霧化機を備える超音波分離装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図5】図2に示す超音波霧化機の筒体を示す断面正面図である。
【図6】筒体の他の一例を示す断面正面図である。
【図7】筒体の他の一例を示す断面正面図である。
【図8】本発明の他の実施例にかかる溶液の超音波霧化機を備える超音波分離装置の他の一例を示す概略構成図である。
【図9】本発明の他の実施例にかかる溶液の超音波霧化機を備える超音波分離装置の他の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0056】
1、301、401、601、701、801、901…超音波霧化機
2、302、402、602、702、802、902…超音波振動子
3、303、403、803、903…超音波電源
4、304、404、804、904…超音波霧化室
5、305、405、805、905…回収部
6、306、406、606、706、806、906…筒体
706A…分岐筒
7…循環ダクト
408…ダクト
9…吸入部
10、310、410…ポンプ
11、311、411…原液槽
12、312、412、612、712…噴霧口
613、713…流入口
14、614、714…噴気口
15、615、715…ダクト
16、616、716…連結ダクト
17…雄ネジ
18…雌ネジ穴
19、619、719…供給ダクト
20、620、720…Oリング
21、621、721…Oリング
622、722…連結部
623、723…連結穴
624、724…脱着連結具
625、725…装着室
626、726…電源回路部品
627、727…リード線
628、728…パッキン
629、729…連結凹部
630、730…Oリング
33…冷却用熱交換器
34…熱交換パイプ
335、435…循環ポンプ
336、436…ノズル
837…邪魔板
838…ファン
939…ミスト振動器
102…超音波振動子
P…液柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子(2)で溶液を超音波振動させてミストに霧化する霧化方法において、
上端に噴霧口(12)を開口している筒体(6)内に溶液を供給し、溶液を超音波振動させて、筒体(6)の噴霧口(12)から排出してミストに霧化して飛散させると共に、ミストに搬送気体を供給して、搬送気体中でミストに霧化させる溶液の霧化方法。
【請求項2】
筒体(6)が円筒形である請求項1に記載される溶液の霧化方法。
【請求項3】
筒体(6)に噴霧口(12)に向かって細くなる円錐ホーンを使用する請求項1に記載される溶液の霧化方法。
【請求項4】
筒体(6)にエクスポーネンシャルホーンを使用する請求項1に記載される溶液の霧化方法。
【請求項5】
噴霧口(12)の周囲に搬送気体を噴射する請求項1に記載される溶液の霧化方法。
【請求項6】
噴霧口(12)から噴射する搬送気体に、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性な搬送気体を使用する請求項5に記載される溶液の霧化方法。
【請求項7】
溶液を超音波振動させてミストに霧化する複数の超音波振動子(2)と、超音波振動子(2)に接続されて超音波振動子(2)に高周波電力を供給して超音波振動させる超音波電源(3)とを備える超音波霧化機であって、
超音波振動子(2)の上方に、上端に噴霧口(12)を開口している筒体(6)を配設しており、この筒体(6)内に溶液を供給して、超音波振動子(2)が溶液を超音波振動させて溶液を噴霧口(12)から排出してミストに霧化して放出するようにしており、
さらに、筒体(6)は、霧化されるミストに搬送気体を供給する噴気口(14)を開口して、この噴気口(14)を搬送気体源に連結しており、搬送気体源から供給される搬送気体をミストに供給して、ミストを搬送気体中に霧化する溶液の超音波霧化機。
【請求項8】
筒体(6)が円筒形である請求項7に記載される溶液の超音波霧化機。
【請求項9】
筒体(6)が、噴霧口(12)に向かって細くなる円錐ホーンである請求項7に記載される溶液の超音波霧化機。
【請求項10】
筒体(6)が、エクスポーネンシャルホーンである請求項7に記載される溶液の超音波霧化機。
【請求項11】
噴霧口(12)の周囲に噴気口(14)を開口している請求項7に記載される溶液の超音波霧化機。
【請求項12】
搬送気体源が、噴気口(14)に、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性な搬送気体を供給する請求項7に記載される溶液の超音波霧化機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−149316(P2008−149316A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315157(P2007−315157)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【分割の表示】特願2006−520470(P2006−520470)の分割
【原出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(503268143)超音波醸造所有限会社 (20)
【Fターム(参考)】