説明

溶融ブレンド分散体

本発明は、低い水溶性を有する有益薬剤の溶解および生物学的利用能を高めるための組成物および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低い水溶性を有する有益薬剤(beneficial agent)の溶解および生物学的利用能(bioavailibilty)を高めるための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低い水溶性を有する有益薬剤の溶解および生物学的利用能を高めることは、当該技術分野において非常に興味深い。そのような化合物には、生物医薬品分類システム(BCS)を概説する一連の指針を公表している米国食品医薬品局(FDA)によりクラス2として分類されることができる全てのものが包含される。BCSは、薬剤物質をそれらの水溶性および腸透過性に基づいて分類するための科学的枠組みである。薬剤製品の溶解と組み合わせる場合に、BCSは、IR固形経口投与形態物からの薬剤吸収の速度および程度を決定する3つの主要薬剤:溶解、溶解性および腸透過性を考慮に入れる。BCSによれば、薬剤物質は以下のように分類される:クラス1:高い溶解性−高い透過性;クラス2:低い溶解性−高い透過性;クラス3:高い溶解性−低い透過性;およびクラス4:低い溶解性−高い透過性。クラス2薬剤で、胃腸管における溶解/可溶化および溶解した分子の管腔輸送は吸収の律速段階であり、従って、溶解速度を上げることは重要な目標である。
【0003】
溶解速度は、有益薬剤の粒径を数ミクロン以下の次数まで減らして表面積を増加することを包含する、多数の方法により上げることができる。
【0004】
これまで、ボールミル粉砕、エアジェットミル粉砕および高圧均質化のような機械的方法が、粒径を減少するために使用されている。しかしながら、これらの方法は、有益薬剤の結晶構造が不変である点において、限定される。さらに、これらの方法は時間がかかり、そして比較的低い収率に多大な労力を必要とする。
【0005】
対照的に、本発明は、有益薬剤粒子が固体マトリックス担体の全体にわたって均質に分配される固体分散体に関する組成物および方法を含んでなる。固体分散体は、有益薬剤の粒径をほぼ分子レベルまで減少し、有益薬剤の融点を下げ、そして有益薬剤の結晶化度を減らし、それにより低い水溶性を有する有益薬剤の溶解および生物学的利用能を高める能力を提供する。
【発明の開示】
【0006】
[発明の要約]
本発明は、有益薬剤をポリマー担体とともに溶融すること、得られる混合物を均質化すること、および混合物を冷却することを含んでなる、低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体を製造する方法を記述する。
【0007】
患者に低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体を製造する方法が記述され、該方法は、有益薬剤をポリマー担体とともに溶融すること、得られる混合物を均質化すること、混合物を冷却すること、および分散した有益薬剤を患者に投与することを含んでなる。
【0008】
[詳細な記述]
本発明は、有益薬剤をポリマー担体とともに溶融すること、得られる混合物を均質化すること、および混合物を冷却することを含んでなる、低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体を製造する方法を記述する。
【0009】
有益薬剤をポリマー担体とともに溶融することは、ポリマー担体の融点より高いが、有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低い温度に混合物を加熱することにより行われる。大部分の担体は、約−40℃〜約60℃の範囲内で溶融する。温度が有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低いならば、有益薬剤および担体混合物をより高い温度に加熱することによって不都合は生じない。また、有益薬剤は、溶融した担体において依然として可溶化するので、溶融される必要もない。好ましくは、混合物は約60℃〜約150℃の範囲内に、より好ましくは約135℃に加熱される。
【0010】
均質化することは、常法を用いて行われる。
【0011】
冷却することは、常法を用いて行われる。好ましくは、混合物は急冷される。
【0012】
本発明において使用する有益薬剤には、低い水溶性も有するヒトもしくは動物への効果を有することが既知である全ての化合物が包含される。そのような化合物には、米国食品医薬品局(FDA)により設定される生物医薬品分類システム(BCS)の下でクラス2として分類されることができる全てのものが包含される。薬剤がどのBCSクラスに属するか(bellow)を決定することは、当業者に周知である、日常的な実験の事項である。
【0013】
本発明の浸透圧システムにより送達することができる典型的な有益薬剤には、エジシル酸プロクロルペラジン、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、塩酸メカミラミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、硫酸イソプロテレノール(isoproternol)、塩酸メタンフェタミン、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化メタスコポラミン(methascopolamine)、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンフォルミン、塩酸メチルフェニデート、塩酸オクスプレノロール、酒石酸メトロプロロール、塩酸シメチジン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンドン(anisindone)、ジフェナジオン、四硝酸エリトリチル、ジゴキシン、イソフロフェート(isofurophate)、レセルピン、アセタゾラミド、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキセート、アセチルスルフィソキサゾール、エリスロマイシン、プロゲスチン、エストロゲン性プロゲステロン(estrogenic progrestational)、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、トリアムシノロン、メチルテステロン、17β−エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3−メチルエーテル、プレドニソロン、酢酸17−ヒドロキシプロゲステロン、19−ノル−プロゲステロン、ノルゲストレル、オレチンドン(orethindone)、ノルエチデロン、プロゲステロン、ノルゲストロン、ノルエチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、ジクロフェナク、インドプロフェン、ニトログリセリン、プロプラノロール、メトロプロロール、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、パクリタキセルのようなタキサン、9−アミノカンプトテシンのようなカンプトテシン、オクスプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロロプロマジン(chloropropmazine)、レスペリン(resperine)、メチルドパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、塩酸α−メチルドパのピバロイルオキシエチルエステル、テオフィリン、グルコン酸カルシウム、乳酸第一鉄、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、ハロペリドール、ゾメピラク、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンザミン、ニフェジピン、ジルチアゼン、ベラパミル、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシモプリル(fosimopril)、ベナゼプリル、リベンザプリル(libenzapril)、シラザプリル、シラザプリラト、ペリンドプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、インダラプリル(indalapril)、クマプリル(qumapril)などが包含される。他の有益薬剤は、Mack Publishing Co.,Easton,Paにより出版された、Pharmaceutical Sciences,by Remington,14th Ed.,1979;Saunder Company,Philadelphia,Paにより出版された、Falconer et al.による、The Beneficial agent,The Nurse,The Patient,Including Current Beneficial agent Handbook,1976;Wiley−Interscience,New Yorkにより出版された、Burgerによる、Medical Chemistry,3rd Ed.,Vol.1および2;ならびにMedical Economics Co.,New Jerseyにより出版された、Physician’s Desk Reference,55nd Ed.,1998に記述されているように調剤技術分野に既知である。有益薬剤は、非荷電分子、分子錯体、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、サリチル酸塩などのような薬理学的に許容しうる塩のような様々な形態であることができる。酸性の有益薬剤では、金属、アミンもしくは有機陽イオン、例えば第四級アンモニウムの塩を用いることができる。塩基、エステル、エーテルおよびアミドのような、有益薬剤の誘導体を用いることができる。
【0014】
低い水溶性(例えば50マイクログラム/ml未満)を有する有益薬剤は、本発明で有用である。有益薬剤には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、ベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、メシル酸ネルフィナビル、ラミブジンとジドブジンの組み合わせ、メシル酸サキナビル、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、塩酸フルオキセチン(fluoexetine)、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン、塩酸ブプロピオン、塩酸ネファゾドン、ミルタザピン(mirtazpine)、オーロリクス(auroix)、塩酸ミアンセリン、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、フマル酸ケチアピン(quetiapine fumurate)、塩酸ブスピロン、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン(leotan)、クロラゼプ酸二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、塩酸メチルフェニデートおよびペモリンが包含される。
【0015】
好ましくは、有益薬剤には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトインおよびベラパミルが包含される。より好ましくは、そのような化合物には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメートおよびナプロキセンが包含される。最も好ましくは、有益薬剤はプロゲステロンである。
【0016】
方法の1つの態様として、有益薬剤は組成物の約0.0001重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で存在する。好ましくは、有益薬剤は組成物の約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲で存在する。
【0017】
方法の1つの態様として、担体:有益薬剤の比率は約10:約1である。
【0018】
方法の1つの態様として、担体:有益薬剤の比率は約10:約5である。
【0019】
担体は、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から得られるブロックコポリマー、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレンオキシドである。
【0020】
方法の1つの態様として、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーは、式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものである。好ましくは、xは約2〜約150の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約2〜約150の範囲である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーは、BASF Corporation,New Jersey,USAから商標名プルロニック(PLURONIC)で入手可能である。プルロニックブロックコポリマーは、米国および英国薬局方に記載される製薬学的賦形剤である。
【0021】
比較的低い方の有益薬剤濃度が所望される場合、すなわち、担体:有益薬剤の比率が約10:約1である場合、好ましくは、xは約20〜約150の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約20〜約150の範囲である。
【0022】
比較的高い方の有益薬剤濃度が所望される場合、すなわち、担体:有益薬剤の比率が約10:約5である場合、好ましくは、xは約2〜約80の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約2〜約80の範囲である。
【0023】
方法の1つの態様として、xは約41であり、yは約16であり、そしてx’は約41である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF38で入手可能である。
【0024】
方法の1つの態様として、xは約79であり、yは約28であり、そしてx’は約79である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF68で入手可能である。
【0025】
方法の1つの態様として、xは約64であり、yは約37であり、そしてx’は約64である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF87で入手可能である。
【0026】
方法の1つの態様として、xは約26であり、yは約39であり、そしてx’は約26である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックP85で入手可能である。
【0027】
方法の1つの態様として、xは約141であり、yは約44であり、そしてx’は約141である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF108で入手可能である。
【0028】
方法の1つの態様として、xは約101であり、yは約56であり、そしてx’は約101である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF127で入手可能である。
【0029】
エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から得られるブロックコポリマーは、BASF Corporation,New Jersey,USAから商標名テトロニック(TETRONIC)で入手可能である。分子の疎水性および親水性部分は、特定の担体必要条件を与えるために広範囲の機能特性を与えるように選択的に変えることができ、そして所望の特性の選択は、いったん本開示を備えれば、当業者の技量の十分に範囲内である。
【0030】
方法の1つの態様として、担体は組成物の約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で存在する。好ましくは、担体は組成物の約20重量パーセント〜約60重量パーセントの範囲で存在する。
【0031】
方法の1つの態様として、混合物は賦形剤をさらに含んでなる。好ましくは、賦形剤はステアリン酸、カプリン酸、もしくはトリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、水素化ココグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、もしくはパルミチン酸セチルの少なくとも1つである。好ましくは、賦形剤はステアリン酸である。好ましくは、賦形剤は組成物の約1重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲で存在する。より好ましくは、賦形剤は組成物の約1重量パーセント〜約30重量パーセントの範囲で存在する。
【0032】
本発明の別の態様として、有益薬剤をポリマー担体とともに溶融すること;得られる混合物を均質化すること;混合物を冷却すること;および分散した有益薬剤を患者に投与することを含んでなる、患者に低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体を製造する方法が記述される。
【0033】
一般に、有益薬剤は約0.01〜約1.0mmole/kg体重(ならびに投薬量範囲内の全ての組み合わせおよびサブコンビネーション(subcombination)ならびにその中の特定の投薬量)の投薬量で任意の既知の方法により患者に投与することができる。投与する有用な投薬量および特定の投与形態は、当業者に容易に明らかであるように、年齢、体重、および処置する問題、ならびに使用する特定の有益薬剤のような要因により異なる。典型的には、投薬量はより低いレベルで投与され、そして望ましい診断効果が得られるまで増加される。
【0034】
本発明の方法は、有益薬剤製剤を含有する市販されているゼラチンカプセル剤に一般に適用することができる。本発明は、通常製造されそして販売される即時放出ゼラチンカプセル封入液状有益薬剤製剤に特定の用途を有するが、本発明に従って制御放出投与形態物に転化することができる。
【0035】
有益薬剤をポリマー担体とともに溶融することは、ポリマー担体の融点より高いが、有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低い温度に混合物を加熱することにより行われる。大部分の担体は、約−40℃〜約60℃の範囲で溶融する。温度が有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低いならば、有益薬剤および担体混合物をより高い温度に加熱することによって不都合は生じない。また、有益薬剤は、溶融した担体において依然として可溶化するので、溶融される必要もない。好ましくは、混合物は約60℃〜約150℃の範囲で、より好ましくは、約135℃に加熱される。
【0036】
均質化することは、常法を用いて行われる。
【0037】
冷却することは、常法を用いて行われる。好ましくは、混合物は急冷される。
【0038】
本発明において使用する有益薬剤には、低い水溶性も有するヒトもしくは動物への効果を有することが既知である全ての化合物が包含される。そのような化合物には、米国食品医薬品局(FDA)により設定される生物医薬品分類システム(BCS)の下でクラス2として分類されることができる全てのものが包含される。薬剤がどのBCSクラスに属するかを決定することは、当業者に周知である、日常的な実験の事項である。
【0039】
本発明の浸透圧システムにより送達することができる典型的な有益薬剤には、エジシル酸プロクロルペラジン、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、塩酸メカミラミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、硫酸イソプロテレノール(isoproternol)、塩酸メタンフェタミン、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化メタスコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンフォルミン、塩酸メチルフェニデート、塩酸オクスプレノロール、酒石酸メトロプロロール、塩酸シメチジン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンドン(anisindone)、ジフェナジオン、四硝酸(teranitrate)エリトリチル、ジゴキシン、イソフロフェート(isofurophate)、レセルピン、アセタゾラミド、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキセート、アセチルスルフィソキサゾール、エリスロマイシン、プロゲスチン、エストロゲン性プロゲステロン(estrogenic progrestational)、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチコステロン、酢酸コルチゾン、トリアムシノロン、メチルテステロン、17β−エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3−メチルエーテル、プレドニソロン、酢酸17−ヒドロキシプロゲステロン、19−ノル−プロゲステロン、ノルゲストレル、オレチンドン(orethindone)、ノルエチデロン、プロゲステロン、ノルゲストロン、ノルエチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、ジクロフェナク、インドプロフェン、ニトログリセリン、プロプラノロール、メトロプロロール、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、パクリタキセルのようなタキサン、9−アミノカンプトテシンのようなカンプトテシン、オクスプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロロプロマジン(chloropropmazine)、レスペリン、メチルドパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、塩酸α−メチルドパのピバロイルオキシエチルエステル、テオフィリン、グルコン酸カルシウム、乳酸第一鉄、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、ハロペリドール、ゾメピラク、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンザミン、ニフェジピン、ジルチアゼン、ベラパミル、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシモプリル(fosimopril)、ベナゼプリル、リベンザプリル、シラザプリル、シラザプリラト、ペリンドプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、インダラプリル、クマプリルなどが包含される。他の有益薬剤は、Mack Publishing Co.,Easton,Paにより出版された、Pharmaceutical Sciences,by Remington,14th Ed.,1979;Saunder Company,Philadelphia,Paにより出版された、Falconer et al.による、The Beneficial agent,The Nurse,The Patient,Including Current Beneficial agent Handbook,1976;Wiley−Interscience,New Yorkにより出版された、Burgerによる、Medical Chemistry,3rd Ed.,Vol.1および2;ならびにMedical Economics Co.,New Jerseyにより出版された、Physician’s Desk Reference,55nd Ed.,1998に記述されているように調剤技術分野に既知である。有益薬剤は、非荷電分子、分子錯体、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、サリチル酸塩などのような薬理学的に許容しうる塩のような様々な形態であることができる。酸性の有益薬剤では、金属、アミンもしくは有機陽イオン、例えば第四級アンモニウムの塩を用いることができる。塩基、エステル、エーテルおよびアミドのような、有益薬剤の誘導体を用いることができる。
【0040】
低い水溶性(例えば50マイクログラム/ml未満)を有する有益薬剤は、本発明で有用である。有益薬剤には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトイン、ベラパミル、硫酸インジナビル、ラミブジン、スタブジン、メシル酸ネルフィナビル、ラミブジンとジドブジンの組み合わせ、メシル酸サキナビル、リトナビル、ジドブジン、ジダノシン、ネビラピン、ガンシクロビル、ザルシタビン、塩酸フルオキセチン(fluoexetine)、塩酸セルトラリン、塩酸パロキセチン、塩酸ブプロピオン、塩酸ネファゾドン、ミルタザピン(mirtazpine)、オーロリクス(auroix)、塩酸ミアンセリン、ザナミビル、オランザピン、リスペリドン、フマル酸ケチアピン(quetiapine fumurate)、塩酸ブスピロン、アルプラゾラム、ロラゼパム、レオタン、クロラゼプ酸二カリウム、クロザピン、スルピリド、アミスルプリド、塩酸メチルフェニデートおよびペモリンが包含される。
【0041】
好ましくは、有益薬剤には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトインおよびベラパミルが包含される。より好ましくは、そのような化合物には、プロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメートおよびナプロキセンが包含される。最も好ましくは、有益薬剤はプロゲステロンである。
【0042】
方法の1つの態様として、有益薬剤は組成物の約0.0001重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で存在する。好ましくは、有益薬剤は組成物の約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲で存在する。
【0043】
方法の1つの態様として、担体:有益薬剤の比率は約10:約1である。
【0044】
方法の1つの態様として、担体:有益薬剤の比率は約10:約5である。
【0045】
担体は、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から得られるブロックコポリマー、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレンオキシドである。
【0046】
方法の1つの態様として、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーは、式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものである。好ましくは、xは約2〜約150の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約2〜約150の範囲である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーは、BASF Corporation,New Jersey,USAから商標名プルロニックで入手可能である。プルロニックブロックコポリマーは、米国および英国薬局方に記載される製薬学的賦形剤である。
【0047】
比較的低い方の有益薬剤濃度が所望される場合、すなわち、担体:有益薬剤の比率が約10:約1である場合、好ましくは、xは約20〜約150の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約20〜約150の範囲である。
【0048】
比較的高い方の有益薬剤濃度が所望される場合、すなわち、担体:有益薬剤の比率が約10:約5である場合、好ましくは、xは約2〜約80の範囲であり、yは約20〜約70の範囲であり、そしてx’は約2〜約80の範囲である。
【0049】
方法の1つの態様として、xは約41であり、yは約16であり、そしてx’は約41である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF38で入手可能である。
【0050】
方法の1つの態様として、xは約79であり、yは約28であり、そしてx’は約79である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF68で入手可能である。
【0051】
方法の1つの態様として、xは約64であり、yは約37であり、そしてx’は約64である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF87で入手可能である。
【0052】
方法の1つの態様として、xは約26であり、yは約39であり、そしてx’は約26である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックP85で入手可能である。
【0053】
方法の1つの態様として、xは約141であり、yは約44であり、そしてx’は約141である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF108で入手可能である。
【0054】
方法の1つの態様として、xは約101であり、yは約56であり、そしてx’は約101である。プロピレンオキシドとエチレンオキシドのそのようなブロックコポリマーは、商標名プルロニックF127で入手可能である。
【0055】
エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から得られるブロックコポリマーは、BASF Corporation,New Jersey,USAから商標名テトロニックで入手可能である。分子の疎水性および親水性部分は、特定の担体必要条件を与えるために広範囲の機能特性を与えるように選択的に変えることができ、そして所望の特性の選択は、いったん本開示を備えれば、当業者の技量の十分に範囲内である。
【0056】
方法の1つの態様として、担体は組成物の約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で存在する。好ましくは、担体は組成物の約20重量パーセント〜約60重量パーセントの範囲で存在する。
【0057】
方法の1つの態様として、混合物は賦形剤をさらに含んでなる。好ましくは、賦形剤はステアリン酸、カプリン酸、もしくはトリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、水素化ココグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、もしくはパルミチン酸セチルの少なくとも1つである。好ましくは、賦形剤はステアリン酸である。好ましくは、賦形剤は組成物の約1重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲で存在する。より好ましくは、賦形剤は組成物の約1重量パーセント〜約30重量パーセントの範囲で存在する。
【0058】
有益薬剤送達システムに関して、有益薬剤が患者の胃腸膜を通ってそして血流中に一層容易に吸収されることを可能にする液状有益薬剤製剤で優れた結果が得られている。例えば、米国特許第6,596,314号、第6,419,952号および第6,174,547号に記述されているように、L−OROSTMHARDCAPTM有益薬剤送達システムにおいて、有益薬剤層および浸透圧エンジン(osmotic engine)は、速度制御半透性膜によって囲まれる硬カプセルに入れられる。前述の文献の各々の開示は
、それらの全部が本明細書に引用することにより本明細書に組み込まれる。要約すると、不活性物質からなるバリアー層は、浸透圧エンジンから有益薬剤層を分離し、有益薬剤が浸透圧エンジンと反応するのを防ぐ。浸透圧エンジンと反対の末端で膜にレーザードリルで開けられた送達オリフィスは、有益薬剤の出口を提供する。
【0059】
従って、本発明のさらに別の態様として、オリフィスを有しそして浸透圧エンジン層、バリアー層および有益薬剤層(ここで、有益薬剤層は、溶融した担体と有益薬剤を混合することによりポリマー担体に分散された有益薬剤を含んでなる)を取り囲むカプセルを含んでなる有益薬剤送達システムが記述される。
【0060】
本発明は、以下の実施例においてさらに記述される。
実施例
【実施例1】
【0061】
プロゲステロンは、低い水溶性(人工腸液(「AIF」)において37℃で12μg/ml)を有する天然に存在するステロイドである。プロゲステロンは、一般に避妊のために使用され(PROGESTASERTもしくはTHERAPIXのような製剤において)、そしてまた自然流産もしくは早産を防ぐためにも処方される。その化学名は、プレグン−4−エン−3,20−ジオンである。それはC2130の実験式および314.5の分子量を有する。プロゲステロンの融点は、127〜131℃である。
【0062】
プルロニックコポリマーとプロゲステロンの所望の比率、例えば10:1もしくは10:5をポリマーミキサー(30ccもしくは10cc)のボウルに加えた。オイルヒーター(30ccポリマーミキサー)もしくは電気ヒーター(10ccポリマーミキサー)を用いて混合物の温度を135℃まで上げた。混合物は溶融し、そして108rpm(30ccポリマーミキサー)もしくは56rpm(10ccポリマーミキサー)で15分間攪拌した。得られる均質なホットメルト溶液をオイル(30ccポリマーミキサー)もしくは冷却水(10ccポリマーミキサー)で急冷して固体分散体を得た。
【実施例2】
【0063】
プルロニックコポリマー、プロゲステロンおよび賦形剤の所望の比率をポリマーミキサー(30ccもしくは10cc)のボウルに加えた。オイルヒーター(30ccポリマーミキサー)もしくは電気ヒーター(10ccポリマーミキサー)を用いて混合物の温度を135℃まで上げた。混合物は溶融し、そして108rpm(30ccポリマーミキサー)もしくは56rpm(10ccポリマーミキサー)で15分間攪拌した。得られる均質なホットメルト溶液をオイル(30ccポリマーミキサー)もしくは冷却水(10ccポリマーミキサー)で急冷して固体分散体を得た。
【実施例3】
【0064】
〜4mgのプロゲステロンを含有する以下に示すようなサンプルを15mlのAIFに加え、そして次に37℃で水浴において振盪した。プロゲステロン沈殿物の粒径をHoriba LA−910レーザー散乱粒径分析器で測定した。
【0065】
図1に示されるように、純粋なプロゲステロンの平均粒径は72.4μmであった。図2は、実施例1の方法に従って製造した溶融ブレンド製剤プルロニックF108コポリマー/プロゲステロン(10:5)から沈殿したプロゲステロンの粒径を示す。有益薬剤の粒径は、その純粋形態における72.4μmから実施例1の方法に従って製造した混合物における1.5μmに減少した。
【実施例4】
【0066】
以下に示すようなサンプルをAIFと混合し、そして37℃で水浴において6時間振盪した。混合物を真空フィルターで0.45μmの硝酸セルロース膜を通して濾過した。粒子を脱イオン水で数回洗浄してプルロニックを除いた。サンプルをオーブンにおいて30℃で一晩乾燥させた。示差走査熱量測定をTA Instruments 2920を用いて実施した。乾燥グレード5窒素をパージガスとして用いた。サンプルをアルミニウムの密封サンプルパンに封入した。温度プログラムを20℃で平衡化した全てのサンプルに適用した。サンプルを150℃まで毎分10℃上げた。
【0067】
図3に示されるように、示唆走査熱量測定(DSC)結果は、a)純粋なプロゲステロン、b)実施例1の方法に従って製造したプルロニックコポリマーF108/プロゲステロン(10:1)、c)実施例2の方法に従って製造したプルロニックコポリマーF108/プロゲステロン/ステアリン酸(10:1:2.5)、d)実施例1の方法に従って製造したプルロニックコポリマーF108/プロゲステロン/x=2、y=30およびx’=2を有するL61液体プルロニックコポリマー(10:1:2.5)、およびe)自己乳化製剤(SEF)CREMOPHOR ELブランドポリエトキシル化ヒマシ油/カプリン酸(「CA」)/プロゲステロン(5:5:1)を含むサンプルについて示される。サンプルa、b、dおよびeは、プロゲステロンの融点に対応する〜130℃で鋭い吸熱ピークを有し、プルロニックコポリマーおよびSEFがプロゲステロンの結晶化度を変えないことを示唆した。
【0068】
対照的に、サンプルcは56.4℃で1つのピークのみを示した。結晶プロゲステロンピークのこの完全な欠如は、プロゲステロンの融点および結晶化度がステアリン酸の存在で減少されることを示唆する。
【実施例5】
【0069】
USP IIシステムを用いて溶解研究を行った。30mgのプロゲステロンと同等である以下に示すようなサンプルを900mlのAIF(pH=6.8)に加えた。溶解媒質の温度を37℃で維持した。プロゲステロンの濃度を249nmでオンラインUVで測定した。
【0070】
図4は、a)実施例1の方法に従って製造したプルロニックコポリマーF108/プロゲステロン(10:1);b)自己乳化製剤(SEF)EL/CA/プロゲステロン(5:5:1);c)プルロニックコポリマーF108/プロゲステロン(20:1)の乾式(すなわち、溶融されない)混合物;およびd)純粋なプロゲステロンの溶解プロフィールを示す。サンプルaが最良の溶解を有した。
【実施例6】
【0071】
サンプルを実施例1および2に従って製造した。図5は、使用したプルロニックコポリマーの粘度に対する様々な溶融ブレンド製剤から沈殿したプロゲステロンの粒径を示す。10:1および10:5の有益薬剤ローディングシステムの両方で、粒径を最小化するために最適な粘度が存在する。
【0072】
より低い粘度は、高温でポリマーにおける有益薬剤の分散を容易にし、それはポリマーマトリックスにおける有益薬剤の粒径を減少するのに役立つことができる。しかしながら、結晶の成長速度は、冷却プロセス中により低い粘度システムでより高い可能性がある。低い有益薬剤ローディングシステムの最適な担体は、プルロニックコポリマーF68である。プルロニックコポリマー分子と比較してプロゲステロンのはるかに小さい分子のために、有益薬剤ローディングを増加することは、溶融混合物の粘度を減少する可能性があり、そしてより高い有益薬剤ローディングシステムの最良な製剤は、より高い粘度を有するプルロニックコポリマーにシフトする。より高い有益薬剤ローディングシステムの最適な
担体は、プルロニックコポリマーF108である。
【実施例7】
【0073】
サンプルを実施例1および2に従って製造した。
【0074】
米国特許第6,596,314号、第6,419,952号および第6,174,547号に記述されているような、L−OROSTMHARDCAPTM有益薬剤送達システムを長期にわたって制御された方法でプロゲステロンを投薬するために製造した。
【0075】
63.67重量%のPOLYOX303ポリエチレンオキシド、30重量%のNaCl、5重量%のHPMC E5ヒドロキシプロピルメチルセルロース、1重量%の赤色酸化第二鉄、0.25重量%のステアリン酸マグネシウムおよび0.08重量%のブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)を含んでなる浸透圧エンジン層(350mg)、ならびに100mgのKOLLIDON SR、微量のラウリル硫酸ナトリウムおよびコロイド状シリカを有するポリ酢酸ビニルおよびポリビニルピロリドンブレンド、BASF Corporationから入手可能な持続放出賦形剤を含んでなるバリアー層を有する二層錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)「0」サイズカプセル(9.5mgのSURELEASE水性エチルセルロース分散体でサブコーティングした)にバリアー側を最初にして入れた。
【0076】
次に、カプセルアセンブリを90重量%の酢酸セルロース398−10および10重量%のプルロニックコポリマーF68を含んでなる100mgの半透性膜でコーティングした。0.0625インチの直径を有するオリフィスをモジュールにドリルで開けた。
【0077】
プルロニックコポリマーおよびプロゲステロン(重量で10:5)をポリマーミキサー(10cc)のボウルに加えた。電気ヒーターを用いて混合物の温度を135℃に上げた。混合物は溶融し、そして56rpmで15分間攪拌した。得られる均質なホットメルト溶液を1mlのシリンジでオリフィスを通してモジュールに迅速に詰めた。このホットメルト製剤を冷却し、そしてそれは周囲温度で凝固した。182mgのプロゲステロンを含有する、平均546mgの溶融ブレンド製剤がモジュールに詰められた。
【0078】
プロゲステロンのインビトロ放出速度をAIF(pH=6.8)において37℃で測定した。サンプルを245nmでUV分光法により分析した。図6は、〜20時間のプロゲステロンのゼロ次放出プロフィールを示す。
【0079】
本書類に引用されるかもしくは記述される各特許、特許出願および公開の開示は、それらの全部が本明細書に引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0080】
各々の列挙する範囲には、範囲の全ての組み合わせおよびサブコンビネーション、ならびにその中に含まれる特定の数字が包含される。
【0081】
本明細書に記述されるものに加えて、本発明の様々な改変が、前の記述から当業者に明らかである。そのような改変もまた、添付の請求項の範囲内に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】純粋なプロゲステロンの粒径に対する頻度パーセンテージのグラフである。
【図2】本発明の組成物の粒径に対する頻度パーセンテージのグラフである。
【図3】純粋なプロゲステロン、本発明の組成物および自己乳化製剤のDSC曲線のグラフである。
【図4】純粋なプロゲステロン、本発明の組成物および自己乳化製剤の溶解プロフィールを示すグラフである。
【図5】ポリマー担体の粘度に対する本発明の組成物から沈殿したプロゲステロンの粒径のグラフである。
【図6】本発明の組成物の時間とともに放出される薬剤のパーセンテージのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有益薬剤(beneficial agent)をポリマー担体とともに溶融すること;
得られる混合物を均質化すること;および
混合物を冷却すること
を含んでなる低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体の製造方法。
【請求項2】
混合物をポリマー担体の融点より高く且つ有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低い温度に加熱する請求項1の方法。
【請求項3】
混合物を約60℃〜約150℃の範囲内に加熱する請求項1の方法。
【請求項4】
混合物を急冷する請求項1の方法。
【請求項5】
有益薬剤がクラスII医薬品の少なくとも1つから選択される請求項1の方法。
【請求項6】
有益薬剤がプロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトインおよびベラパミルの少なくとも1つから選択される請求項1の方法。
【請求項7】
有益薬剤がプロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメートおよびナプロキセンの少なくとも1つから選択される請求項1の方法。
【請求項8】
有益薬剤がプロゲステロンである請求項1の方法。
【請求項9】
有益薬剤が組成物の約0.0001重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲内で存在する請求項1の方法。
【請求項10】
有益薬剤が組成物の約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲内で存在する請求項1の方法。
【請求項11】
担体:有益薬剤の比率が約10:約1である請求項1の方法。
【請求項12】
担体:有益薬剤の比率が約10:約5である請求項1の方法。
【請求項13】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から誘導されるブロックコポリマー、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレンオキシドである請求項1の方法。
【請求項14】
コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものである請求項13の方法。
【請求項15】
xが約2〜約150の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約2〜約150の範囲内にある請求項14の方法。
【請求項16】
xが約20〜約150の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約20〜約150の範囲内にある請求項14の方法。
【請求項17】
xが約2〜約80の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約2〜約80の範囲内にある請求項14の方法。
【請求項18】
xが約41であり、yが約16であり、そしてx’が約41である請求項14の方法。
【請求項19】
xが約79であり、yが約28であり、そしてx’が約79である請求項14の方法。
【請求項20】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーであり、コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものであり、そしてxが約79であり、yが約28であり、そしてx’が約79である請求項11の方法。
【請求項21】
xが約64であり、yが約37であり、そしてx’が約64である請求項14の方法。
【請求項22】
xが約26であり、yが約39であり、そしてx’が約26である請求項14の方法。
【請求項23】
xが約141であり、yが約44であり、そしてx’が約141である請求項14の方法。
【請求項24】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーであり、コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものであり、そしてxが約141であり、yが約44であり、そしてx’が約141である請求項12の方法。
【請求項25】
xが約101であり、yが約56であり、そしてx’が約101である請求項14の方法。
【請求項26】
担体が組成物の約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で存在する請求項1の方法。
【請求項27】
担体が組成物の約20重量パーセント〜約60重量パーセントの範囲内で存在する請求項1の方法。
【請求項28】
混合物が賦形剤をさらに含んでなる請求項1の方法。
【請求項29】
賦形剤がステアリン酸、カプリン酸、もしくはトリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、水素化ココグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、もしくはパルミチン酸セチルの少なくとも1つである請求項28の方法。
【請求項30】
賦形剤がステアリン酸である請求項28の方法。
【請求項31】
賦形剤が組成物の約1重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲内で存在する請求項28の方法。
【請求項32】
賦形剤が組成物の約1重量パーセント〜約30重量パーセントの範囲内で存在する請求項28の方法。
【請求項33】
有益薬剤をポリマー担体とともに溶融すること;
得られる混合物を均質化すること;
混合物を冷却すること;および
分散した有益薬剤を患者に投与すること
を含んでなる患者に低い水溶性を有する有益薬剤を送達するための固体分散体の製造方法。
【請求項34】
混合物をポリマー担体の融点より高く且つ有益薬剤もしくはポリマー担体が分解する温度より低い温度に加熱する請求項33の方法。
【請求項35】
混合物を約60℃〜約150℃の範囲内に加熱する請求項33の方法。
【請求項36】
混合物を急冷する請求項33の方法。
【請求項37】
有益薬剤がクラスII医薬品の少なくとも1つから選択される請求項33の方法。
【請求項38】
有益薬剤がプロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメート、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、デシプラミン、ジクロフェナク、イトラコナゾール、ピロキシカム、カルバマゼピン、フェニトインおよびベラパミルの少なくとも1つから選択される請求項33の方法。
【請求項39】
有益薬剤がプロゲステロン、酢酸メゲストロール、トピラメートおよびナプロキセンの少なくとも1つから選択される請求項33の方法。
【請求項40】
有益薬剤がプロゲステロンである請求項33の方法。
【請求項41】
有益薬剤が組成物の約0.0001重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲内で存在する請求項33の方法。
【請求項42】
有益薬剤が組成物の約1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲内で存在する請求項33の方法。
【請求項43】
担体:有益薬剤の比率が約10:約1である請求項33の方法。
【請求項44】
担体:有益薬剤の比率が約10:約5である請求項33の方法。
【請求項45】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、エチレンジアミンへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加から誘導されるブロックコポリマー、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレンオキシドである請求項33の方法。
【請求項46】
コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものである請求項45の方法。
【請求項47】
xが約2〜約150の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約2〜約150の範囲内にある請求項46の方法。
【請求項48】
xが約20〜約150の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約20〜約150の範囲内にある請求項46の方法。
【請求項49】
xが約2〜約80の範囲内にあり、yが約20〜約70の範囲内にあり、そしてx’が約2〜約80の範囲内にある請求項46の方法。
【請求項50】
xが約41であり、yが約16であり、そしてx’が約41である請求項46の方法。
【請求項51】
xが約79であり、yが約28であり、そしてx’が約79である請求項46の方法。
【請求項52】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーであり、コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものであり、そしてxが約79であり、yが約28であり、そしてx’が約79である請求項43の方法。
【請求項53】
xが約64であり、yが約37であり、そしてx’が約64である請求項46の方法。
【請求項54】
xが約26であり、yが約39であり、そしてx’が約26である請求項46の方法。
【請求項55】
xが約141であり、yが約44であり、そしてx’が約141である請求項46の方法。
【請求項56】
担体がプロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマーであり、コポリマーが式HO−(エチレンオキシド)−(プロピレンオキシド)−(エチレンオキシド)x’−Hのものであり、そしてxが約141であり、yが約44であり、そしてx’が約141である請求項44の方法。
【請求項57】
xが約101であり、yが約56であり、そしてx’が約101である請求項46の方法。
【請求項58】
担体が組成物の約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲内で存在する請求項33の方法。
【請求項59】
担体が組成物の約20重量パーセント〜約60重量パーセントの範囲内で存在する請求項33の方法。
【請求項60】
混合物が賦形剤をさらに含んでなる請求項33の方法。
【請求項61】
賦形剤がステアリン酸、カプリン酸、もしくはトリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、水素化ココグリセリド、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、もしくはパルミチン酸セチルの少なくとも1つである請求項60の方法。
【請求項62】
賦形剤がステアリン酸である請求項60の方法。
【請求項63】
賦形剤が組成物の約1重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲内で存在する請求項60の方法。
【請求項64】
賦形剤が組成物の約1重量パーセント〜約30重量パーセントの範囲内で存在する請求項60の方法。
【請求項65】
オリフィスを有しそして浸透圧エンジン層(osmotic engine layer)、バリアー層および有益薬剤層を取り囲み、ここで、有益薬剤層が、溶融した担体と有益薬剤を混合することによりポリマー担体に分散された有益薬剤を含んでなるカプセル
を含んでなる有益薬剤送達システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−511518(P2007−511518A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539846(P2006−539846)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037615
【国際公開番号】WO2005/048990
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】