説明

溶解試験中にスペクトルプローブを自動挿入、気泡除去、清掃および較正するための機器および方法

【課題】液体試料からの正確な分析信号を生成する改良された光ファイバープローブならびに関連する器機および方法を提供する。
【解決手段】溶解試験機器は、光プローブおよび自動化されたアクチュエータを含んでいる。プローブは、試験容器に収容された溶解媒体中で光学的な測定を行い、この測定を、容器から離れて配置された分析器具へと伝達する。光プローブは、アクチュエータにより、容器の内外へ移動可能にされている。溶解試験機器は、光プローブに連絡されており、さまざまな振動力をプローブに伝達するために構成された泡除去器機を含んでいてもよく、この場合、泡がプローブの光路ギャップから除去される。別の溶解試験機器では、泡除去器機は、泡を除去するために、プローブを回転させる。別の溶解試験機器は、可動の清掃機構、可動の較正機構、または両方の機構を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、薬学および医学装置製品試験におけるスペクトル分析を行うための方法および機器に関する。より詳しくは、本発明は、溶解試験を実施しているときにスペクトルプローブを媒体に挿入および媒体から除去するため、溶解媒体中に浸されたときにプローブの観察窓または光路ギャップから気泡を検知および除去するため、ならびに、スペクトル測定の前、後および/またはスペクトル測定とスペクトル測定との間にプローブを清掃および較正するための自動化された機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/936,257号の優先権を主張する。
一般的に、溶解試験は、通常は錠剤、カプセルまたは経皮投薬形態である薬学的な固体の投薬形態のものが、所与の媒体中に経時的に溶解する速度を決定するために使用される。媒体は一般に、人間または動物の胃腸管内の流体の代替物として使用される。投薬形態のものから媒体中に放出された医薬品有効成分(API)の濃度が、経時的に測定される。この放出は、即時放出投薬形態用では速い(例えば10〜15分以内)場合があり、または、制御された/調整された放出調合物ではかなり長い(例えば、数時間、数週間または数か月)場合がある。試験はしばしば、試料を溶解媒体から物理的に除去し、ろ過し、次いでHPLC(高速液体クロマトグラフィー)などの分析器具を使用して分析する。あるいは、溶解媒体中に浸される光ファイバープローブを溶解試験全体に使用することにより、その場(インサイチュ)測定を行うこともできる。このような溶解試験機器に対する要求が、米国薬局方(USP)第711項、溶解(2000)に規定されている。このような試験を実施するための溶解試験および機器の基本的な処理は、当該技術において公知である。例えば、下記特許文献1、2および3ならびに下記非特許文献1はすべて、溶解試験の技術についての一般的な説明を提供している。
【0003】
製薬製品の溶解試験用の従来のように構成された機器は、媒体および試験されるべき薬剤がそれぞれ入れられるいくつかの溶解容器を有する溶解ユニットを含んでいる。試験されるべき薬剤を溶解容器内の媒体中に入れた後、攪拌要素を試験溶液内で、特定の速度で特定の期間、回転(または往復運動)させる。このような従来のように構成された溶解機器の一例が、下記特許文献4に示されている。分析的な測定は、溶解試験全体を通じて特定の時点で、各容器内において実施される。各試料はそれぞれ、溶解試験の開始時に容器内に配置される光ファイバープローブに取り付けられたスペクトル分析器により測定される。試験溶液はそれぞれ、所与の時点の溶解度を示すAPI(医薬品有効成分)の濃度を測定するスペクトル器具を使用して測定/分析される。試験溶液内での、このスペクトル判定を時間の関数として行うために、このような溶解システムは、反射式および透過式の光ファイバープローブの両方を組み込んでいる。多くの製薬APIは芳香族官能基を含んでいるが、添加剤は一般に、この領域においてスペクトル特性を有する官能基を含んでいない。UV測定は、ほぼ即時の測定を行えるため、好適である。
【0004】
当業者が理解しているように、一般的な光ファイバープローブは、スペクトル分析器と光学的に通信する光送信器および受光器(光パイプもしくは光ファイバー)を収容する長尺のシャフトまたは本体と、1つ以上の焦点レンズと、ある場合には、設計または作動原理に依存する1つ以上のミラーまたはプリズムとを含んでいる。光送信器は、(しばしば分析器具により提供される)光源から、プローブが挿入されている試験容器から溶解媒体を受けるプローブの本体中に形成された液体の抽出(サンプリング)領域への、光送信路を提供する。受光器は、液体の抽出領域から分析器具の検知器への光送信路を提供する。液体の抽出領域は、プローブの光路ギャップまたは観察窓を表している。
【0005】
スペクトル溶解試験に使用される既存の原理および機器は周知であるものの、当該技術には取り組むべきいくつかの欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,279,860号明細書
【特許文献2】米国特許第4,335,438号明細書
【特許文献3】米国特許第6,948,389号明細書
【特許文献4】米国特許第5,589,649号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】R. Hanson and V. Gray, Handbook of Dissolution Testing, 3rd Edition, Dissolution Technologies, Inc. (2004)
【非特許文献2】Schatz et al., Thoughts on Fiber Optics in Dissolution Testing, Dissolution Technologies, 8(2): 1-5 (2001)
【非特許文献3】Schatz et al., Shaft Sampling with Fiber Optics, Dissolution Technologies, 7(1): 20-21 (2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明で取り組む特別な問題は、1)継続的に内在するプローブが原因の、試験容器内での層状の流体流の乱れを最小化すること、2)空気または気体の泡をスペクトルプローブ光路ギャップまたは観察領域から効果的に除去すること、3)プローブの自動的な標準化および規格化、4)試験時と試験時との間にスペクトルプローブを効果的に清掃することである。
【0009】
したがって、液体試料からの正確な分析信号を生成する改良された光ファイバープローブならびに関連する器機および方法が引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題の全部もしくは一部、および/または、当業者により観察されてきたであろう他の問題に取り組むため、以下に説明する実施態様中の例により説明するように、本開示は、方法、処理、システム、機器、器具および/または装置を提供する。
一実施態様によれば、溶解試験機器が提供される。溶解試験機器は、光プローブおよび自動化されたアクチュエータを含んでいる。光プローブは、試験容器に収容された溶解媒体中で光学的な測定を行い、この光学的な測定を、試験容器から離れて配置された分析器具へと伝達するように構成されている。光プローブは、本体と、溶解媒体を受けるために本体に形成された光路ギャップとを含んでいる。自動化されたアクチュエータは、光プローブに連結されており、少なくとも1つの次元に沿って移動可能にされていて、光プローブは、自動化されたアクチュエータにより、試験容器の内外へ交互に移動可能にされている。
【0011】
光プローブは、光路ギャップが光送信器および受光器と光学的に連絡するように配置された状態で、本体内に配置された光送信器および受光器を含んでいてもよい。光プローブが自動化されたアクチュエータにより試験容器内に移動されると、光路ギャップは溶解媒体中に沈められる。光プローブが自動化されたアクチュエータにより試験容器外に移動されると、光路ギャップは溶解媒体から取り出される。光プローブは、光学的な測定と光学的な測定との間、溶解媒体から出したままにされていてもよい。
【0012】
別の実施態様によれば、溶解試験機器は、光プローブと接触してさまざまな振動(発振)力をプローブに伝達するために構成された泡除去器機をさらに含み、泡が光路ギャップから除去される。
別の実施態様によれば、溶解試験機器は、プローブに取り付けられ泡除去器機の作動停止後にプローブを設定/登録された位置に戻すように構成されたエラストマー製の連結部材をさらに含んでいる。
【0013】
別の実施態様によれば、泡除去器機は、さまざまな周波数、さまざまな振幅、またはさまざまな周波数およびさまざまな振幅の両方で、発振力をプローブに伝達するように構成されている。
別の実施態様によれば、泡除去器機はさらに、プローブを、プローブの公称軸に対してある角度で回転させるように構成されている。
【0014】
別の実施態様によれば、泡除去器機は、プローブが回転される角度を変化させるように、公称軸に対してプローブが回転される速度を変化させるように、または角度および速度の両方を変化させるように構成されている。
別の実施態様によれば、溶解試験機器は、清掃溶液を収容するための槽を含む自動化された清掃機構をさらに含んでいる。自動化された清掃機構は、光プローブの下方の位置へおよびこの位置から移動可能にされており、光プローブは自動化されたアクチュエータにより槽の内外に移動可能にされている。
【0015】
別の実施態様によれば、溶解試験機器は、較正媒体を収容するための較正槽を含む自動化された較正機構をさらに含んでいる。自動化された較正機構は、光プローブの下方の位置へおよびこの位置から移動可能にされており、光プローブは自動化されたアクチュエータにより槽の内外に移動可能にされている。
別の実施態様によれば、溶解試験機器が提供される。溶解試験機器は、光プローブ、自動化されたアクチュエータおよび自動化された清掃機構を含んでいる。光プローブは、試験容器に収容された溶解媒体中で光学的な測定を行い、この光学的な測定を、容器から離れて配置された分析器具へと伝達するように構成されている。光プローブは、本体と、溶解媒体を受けるために本体に形成された光路ギャップとを含んでいる。自動化されたアクチュエータは、光プローブに連結されており、少なくとも1つの次元に沿って移動可能にされていて、光プローブは、自動化されたアクチュエータにより、試験容器の内外へ移動可能にされている。自動化された清掃機構は、清掃溶液を収容するための槽を含んでいる。自動化された清掃機構は、光プローブの下方の位置へおよびこの位置から移動可能にされており、光プローブは、自動化されたアクチュエータにより清掃槽の内外に移動可能にされている。
【0016】
別の実施態様によれば、溶解試験機器が提供される。溶解試験機器は、光プローブ、自動化されたアクチュエータおよび自動化された較正機構を含んでいる。光プローブは、試験容器に収容された溶解媒体中で光学的な測定を行い、この光学的な測定を、容器から離れて配置された分析器具へと伝達するように構成されている。光プローブは、本体と、溶解媒体を受けるために本体に形成された光路ギャップとを含んでいる。自動化されたアクチュエータは、光プローブに連結されており、少なくとも1つの次元に沿って移動可能にされていて、光プローブは、自動化されたアクチュエータにより、試験容器の内外へ移動可能にされている。自動化された較正機構は、較正媒体を収容するための較正槽を含んでいる。自動化された較正機構は、光プローブの下方の位置へおよびこの位置から移動可能にされており、光プローブは自動化されたアクチュエータにより較正槽の内外に移動可能にされている。
【0017】
別の実施態様によれば、自動化された清掃機構および自動化された較正機構の両方を含む溶解試験機器が提供される。一例では、清掃機構および較正機構は、光プローブに対して移動可能な、単一または一体の機構へと一体化されている。
別の実施態様によれば、溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法が提供される。自動化されたアクチュエータを作動させることにより、光プローブの光路ギャップが試験容器に収容された溶解媒体中に沈むまで、光プローブが、光プローブの公称軸に沿って試験容器へ挿入される。光プローブを公称軸に対して振動(発振)させることにより、光路ギャップ内に存在する泡が除去される。
【0018】
別の実施態様によれば、光プローブに取り付けられたエラストマー製の連結部材を使用することにより、光プローブが、設定/登録された位置に自動的に戻される。
別の実施態様によれば、さまざまな周波数、さまざまな振幅、または、さまざまな周波数およびさまざまな振幅の両方で、光プローブを振動させることにより、泡が除去される。
【0019】
別の実施態様によれば、本方法は、光プローブを、光プローブの公称軸に対して、ある角度で回転させることにより、泡を除去するステップをさらに含んでいる。
別の実施態様によれば、さまざまな角度、光プローブの公称軸に対するさまざまな速度、または、さまざまな角度およびさまざまな速度の両方で、光プローブを、回転させることにより、泡が除去される。
【0020】
別の実施態様によれば、本方法は、清掃機構を光プローブの下方の位置へ移動させ、光プローブを、清掃溶液を収容した清掃機構の清掃槽に挿入することにより、光プローブを清掃するステップをさらに含んでいる。
別の実施態様によれば、本方法は、較正機構を光プローブの下方の位置へ移動させ、光プローブを、較正物質を収容している較正機構の較正槽内へと挿入することにより、光プローブを較正するステップをさらに含んでいる。
【0021】
別の実施態様によれば、本方法は、光路ギャップ内に存在する溶解媒体の光学的な測定を行うために、プローブを作動させるステップと、自動化されたアクチュエータを作動させることにより、光プローブを試験容器から取り除くステップとをさらに含んでいる。
別の実施態様によれば、本方法は、溶解媒体の光学的な測定が行なわれるプローブの所望の試験位置に、光プローブが正確に配置されるように、試験容器に対する光プローブの高さを調節するためにアクチュエータを作動させるステップをさらに含んでいる。
【0022】
別の実施態様によれば、本方法は、光路ギャップ内に泡が存在するおよび/または存在しないことを自動的に検知するステップをさらに含んでいる。一例では、このような検知のためにソフトウェアが使用される。
別の実施態様によれば、溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法が提供される。清掃機構を光プローブの下方の位置へ移動させ、光プローブを、清掃溶液を収容した清掃機構の清掃槽に挿入することにより、光プローブが清掃される。次いで、光プローブは試験容器に挿入される。
【0023】
別の実施態様によれば、溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法が提供される。較正機構を光プローブの下方の位置へ移動させ、光プローブを、較正物質または未使用媒体を収容した較正の較正槽に挿入することにより、光プローブが較正される。次いで、光プローブは試験容器に挿入される。
別の実施態様によれば、溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法が提供される。光プローブの光路ギャップが試験容器に収容された溶解媒体中に沈むまで、光プローブが試験容器へ挿入される。光路ギャップ内に存在する溶解媒体の光学的な測定を行うために、光プローブが作動される。光学的な測定を行った後かつ別の光学的な測定を行う前に、自動化されたアクチュエータを作動させることにより、光プローブが試験容器から取り除かれる。
【0024】
別の実施態様によれば、本方法は、(a)光学的な測定を行う前に、光プローブを振動させることにより、光路ギャップ内に存在する泡を除去するステップ、(b)光プローブが溶解媒体の外にある間に、清掃機構を光プローブの下方の位置へ移動し、光プローブを清掃機構の清掃槽に挿入することにより、光プローブを清掃するステップ、(c)光プローブが溶解媒体の外にある間に、較正機構を光プローブの下方の位置へ移動し、光プローブを較正機構の較正槽に挿入することにより、光プローブを較正するステップ、および(d)上記ステップの2つ以上を組み合わせたものからなる群から選ばれたステップを実施するステップをさらに含んでいる。
【0025】
さまざまな実施態様において、清掃ステップ、較正ステップ、または清掃ステップおよび較正ステップの両方は、溶解試験作業の開始前、溶解試験作業の終了後、および/または、溶解試験作業の経過中に光学的な測定を実行する各繰り返しの合間に行われてもよい。
本発明の他の装置、器機、システム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかとなるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴および利点はすべて、この詳細な説明に含まれ、本発明の請求の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲により保護されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】光プローブと光プローブを振動させるための機構とを含む溶解試験器機の一例の模式的立面図である。
【図2】光プローブと光プローブを清掃、洗浄、較正および/または標準化するための機構とを含む溶解試験器機の一例の模式的立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
上記の図面を参照することにより、本発明をよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも等尺(縮尺率が一定)ではなく、本発明の原理を説明する際に強調が加えられている。図において、類似の参照番号は、異なる図を通じて、対応する部分を示している。
本開示は、先行技術の光ファイバー(スペクトル)溶解試験に伴う課題および問題に取り組んでいる。先行技術において、プローブは溶解試験を通じて試験容器に内在しており、試験容器内で望ましくない流体の乱れを引き起こす。内在するプローブによって生じる混じりあった流体力学の継続的な乱れは、薬剤調合物の溶解プロフィールにかなりの影響を与え得る。例えば、内在する棒状のプローブが使用された場合、手動の抽出方法と比較して、溶解速度が3〜5%増加することが観察されたと報告されている。先行技術のシステムでは、スペクトルプローブは、試験全体の間、試験溶液中に内在したままとされており、それにより、APIの溶解速度が上昇または変化する可能性がある。先行技術のシステムでプローブを内在させる理由は、プローブを媒体から上昇および媒体へ下降させることで泡がスペクトル窓に捉えられ、そのために試料の正確な測定が妨げられるおそれがあるためである。くわえて、物質がスペクトル窓上で乾燥し吸収測定を妨げるのを防ぐために、プローブは内在されたままとなっている。
【0028】
先行技術のシステムでは、プローブを、実験を開始する前にオフラインにして較正する必要があり、一般に溶解作業と溶解作業との間または試料と試料との間で(オフラインにして)再較正する必要がある。くわえて、試料と試料との間で相互汚染が起きないようにするため、ならびに、次の測定に備えてプローブ観察窓および光学系を清掃するために、溶解作業と溶解作業との間または抽出(サンプリング)の後に、プローブをオフラインにして清掃する必要がある。プローブの形状にかかわらず、不溶性の粒状物質がしばしばプローブ窓に堆積して、光路をふさぎ適切な分光測定を妨げることが分かっている。ゆえに、自動化された溶解試験器、自動化されたプローブ挿入および除去、自動化された泡除去、自動化された組み込み(オンライン)式プローブ清掃、ならびに自動化された組み込み式較正を、光ファイバープローブに組み込むことが、先行技術の欠点を解決するために必要となっている。
【0029】
本発明の一例によれば、スペクトルプローブを特定の時点で即座に、試験容器に挿入および試験容器から除去するための自動化された機構を、システムは有しており、これによって容器内の流体力学に対するプローブによるいかなる乱れも低減される。光ファイバープローブを即座に挿入することを、従来のカニューレを使用することと比較すると、容器の流体力学をわずかな時間の間、乱すだけである(上記非特許文献2、上記非特許文献3)。
【0030】
本発明の別の例によれば、気体または空気の泡をスペクトルプローブ光路ギャップまたは観察領域から除去するために、さまざまな振幅および周波数で振動力を、ならびにさまざまな角度および速度で回転運動を加えるように設計された機構を、システムは組み込んでいる。プローブが容器媒体に挿入されたとき、またはプローブが容器媒体内に存在している時間中に、泡が取り込まれる場合がある。さらに、泡除去処理中にプローブ本体が移動および回転できるようにし、泡が除去された後にプローブをその設定/登録された位置に戻す、自己中央合わせを行うエラストマー製のまたは柔軟な機械式連結部材を、本器機は組み込んでいてもよい。泡が存在しているかどうか、および、いつ除去されたかを検査および判断することのできるソフトウェアを、この泡除去器機に結合することができる。先行技術のシステムは、スペクトルプローブ光路から泡を自動で検知および除去する手段を有しておらず、その結果、泡がスペクトルの伝達を妨害するために、しばしば試験結果が不確定または無効となってきた。
【0031】
本発明の別の例によれば、試験時と試験時との間または実験と実験との間にスペクトルプローブを効果的に清掃する自動化された組み込み式手段を、システムは組み込んでいる。この新規なシステムは、プローブごとに1つ以上の固定(静的な)および/または再循環の槽を組み込んでいる。溶解容器または較正原器(スタンダード)に浸されている間にスペクトルプローブ光路ギャップまたは観察領域に堆積する破片、不溶性物質または疎水性物質などを除去するための1つまたは一連の清掃および/または洗浄液を、この槽は収容していてもよい。さらに、この槽は、プローブの外面を清掃するために使用されて、いかなる残留物および相互汚染をも低減または防止する。この清掃処理により、収集された溶解プロフィールに関するデータが、試験された試料を表すことが保証される。
【0032】
本発明の別の例によれば、システムは、光ファイバープローブを公知の参照基準に較正するための自動化された組み込み式手段を組み込んでいる。システムは、プローブごとに1つ以上の固定および/または再循環の槽を組み込んでいる。これらの槽は、プローブおよび関連するスペクトル器具を較正するために使用されるAPIおよび/または未使用(ブランク)媒体を、公知の濃度で収容している。プローブは自動で較正槽に挿入され(必要であれば、上述したように泡除去器機により、泡が除去され)、プローブを較正するためにスペクトルが収集される。この自動化された方法により、各試験の実行と実行との間に組み込んだまま(オンライン)で自動的に較正を行うことができるようにしながら、いくつかの溶解試験を連続して行うことができる。
【0033】
したがって、先行技術に関連した上記欠点を克服する自動化されたスペクトル溶解試験器機が必要とされている。さらに、1)試験測定が必要なときにのみスペクトルプローブを自動で挿入することにより、試験容器内での層状の流体流の乱れを最小化し、2)空気または気体の泡をスペクトルプローブ光路ギャップまたは観察領域から効果的に除去し、3)試験時と試験時との間にスペクトルプローブを自動的に清掃し、4)プローブの標準化および規格化を自動で提供する、自動化された溶解試験器機が必要とされている。
【0034】
本発明によれば、溶解試験器機内での実施のためのいくつかの新規な装置および方法が提供される。本発明のさまざまな実施態様は、1)スペクトルプローブを試験容器および流体へ下降ならびに試験容器および流体から上昇させるための自動化された機構、2)空気もしくは気体の泡をスペクトルプローブ光路ギャップもしくは観察領域から除去するための自動化された手段、3)スペクトルプローブの清掃用の複数の固定もしくは再循環の槽を保持する台(ラック)を含む自動化された機構、ならびに/または、4)スペクトルプローブおよび関連する分析器具の標準化および規格化用の複数の固定もしくは再循環の槽を保持する台を含む自動化された機構を含んでいてもよい。
【0035】
図1は、本明細書に教示する1つ以上の実施態様に係る溶解試験機器100の一例を示している。溶解試験機器100は一般的に、上述したように構成されていてもよいスペクトルプローブ(例えば、光ファイバープローブまたは光プローブ)104を含んでいる。プローブ104は、溶解媒体112を収容する溶解試験容器108へ下降および試験容器108から上昇されてもよい。攪拌装置または他のUSPタイプの装置116が、当業者の理解するやり方で、溶解媒体112中で作動してもよい。試験が行われているときに、自動化されたアクチュエータ120がプローブ104を溶解媒体112の上方かつ外側の位置から溶解媒体112内の試験位置へと(矢印124で示されているように)垂直に移動させることができるように、アクチュエータ120がプローブ104に連結されている。図1は、試験位置にあるプローブ104を詳細に示している。プローブ104は上述したように光路ギャップまたは観察窓124を含んでおり、これは通常、プローブ104の末端近傍に位置している。光路ギャップ124は、プローブ104の試験位置で溶解媒体112に浸されて、光学的な測定を行うことを可能にする。プローブ104が溶解媒体112中にあるのが試験の間だけとなるように、上記のように、測定点が取得された後にプローブ104を溶解媒体112から取り出すよう、アクチュエータ120を作動させてもよい。容器108内のいかなる流体の乱れも除去するため、試験に使用しないときに、プローブ104をこのようにして流体112から取り出してもよい。試験位置において、プローブ104は、公称の縦(すなわち垂直)軸128に沿って配置されている。プローブ104の高さ、および、試験容器108に対するプローブ104の他の位置座標は、上記したUSPなどの基準(ガイドライン)により示されてもよい。このような位置条件への準拠を促進するために、プローブ104の位置(特に高さ)を調整するよう、アクチュエータ120を作動させてもよい。
【0036】
図1にさらに示すように、溶解試験機器100は、アクチュエータ120または溶解試験機器100の他のいずれかの適切な構造体に取り付けられた泡除去器機132を、さらに含んでいてもよい。泡除去器機132は例えば、適切な結合部材140を介してプローブ104に連絡している振動源または振動発生器136を含んでいてもよい。一例として、泡除去器機132の振動機構136は、ソレノイド式の装置であってもよい。一例として、振動源136は、所定の位置に固定されていてもよく、他方で結合部材140は振動源136に対して可動にされている。結合部材140は、プローブ104との接触により、振動エネルギーをプローブ104に伝達する。結合部材140の発振は、図1において矢印144により示されており、結果として生じるプローブ104の発振または振動は、矢印148により示されている。プローブ104との接触は、いずれの適切な手段によって行ってもよい。一例として、結合部材140は、プローブ104を「たたく」ことなどによりプローブ104と断続的に接触していてもよく、それにより、結合部材140からの衝撃に反応してプローブ104が変位する。別の例として、プローブ104が結合部材140からの動きに直接反応して動くように、結合部材140は、全体的に連続してプローブ104に連結されていてもよい。一実施態様では、プローブ104の振動は、プローブ104の回動点152に対する角度による前後へのプローブ104の動きによって特徴付けられる。回動点152は、プローブ104を溶解試験機器100のいずれかの適切な構造体(例えばアクチュエータ120)に連結することにより実現してもよい。一実施態様では、プローブ104は、図1に示すように、自己中央合わせを行う柔軟なまたはエラストマー製の連結部材156に保持されている。この連結部材156により、泡除去装置132の振動機構136による刺激に反応してプローブ104が横方向に移動することが可能になる。泡除去装置132が作動停止されると(すなわち、泡除去処置の完了後に)、連結部材156により、プローブ104が、その公称軸128と同一直線上のその設定/登録された位置に戻される。
【0037】
図1の矢印により示されている横方向の運動などの、1つの次元に沿った周期的な移動に加えて、泡除去器機132の振動機構136は、前後(図の紙面内に入り紙面外に出る、すなわち矢印144に直交)などの別の次元に沿った動きへと、プローブ104を起動するように構成されていてもよい。くわえて、または代わりに、振動機構136は、公称軸128に対しておよびプローブ104の回動点152に対して、ある角度でプローブ104を回転または旋回運動させるように駆動するよう構成されていてもよい。エラストマー製の連結部材156は、プローブ104のこれらの他の種類の動きを許容し、上述したように、振動刺激の停止時にその設定/登録された位置にプローブ104を戻すように構成されていてもよい。1つ以上の次元もしくは軸に沿ったプローブ104の変位、および/または、プローブ104の公称軸128に対するある角度でのプローブ104の回転もしくは旋回は、いずれかの適切な手段により実現されてもよい。一例では、結合部材140は、プローブ104に対してある角度で、すなわち、図1に詳細に示すように結合部材140の水平方向以外のある角度で、配置されていてもよい。別の例では、結合部材140は、泡除去装置132の振動発生部品136との接続を介して、回動および/または回転することができ、この運動は、結合部材140の連結を介してプローブ104(すなわち、ヨーク、リングなど)に伝達される。別の例では、泡除去装置132は、1つ以上の振動発生部品136および関連する結合部材140を含んでいてもよい。例えば、1つの振動発生部品136および関連する結合部材140が図1に示すように配置/方向合わせされていてもよく、別の振動発生部品136および関連する結合部材140が、図示された横方向の運動に前後の運動を追加するために、直交して配置/方向合わせされていてもよい。
【0038】
いくつかの実施態様において、振動機構132は、さまざまな振幅および/または周波数の振動力を加えるように構成されており、それらは、異なるプローブ形状および流体を許容するためにプログラム可能かつ十分に調節可能にされていてもよい。回転運動を与える実施態様において、振動機構132はさらに、公称軸128に対してプローブ104が旋回もしくは回転する角度を変化させるように、および/または、公称軸128を中心にプローブ104が回転もしくは旋回する速度を変化させるように、構成されていてもよい。
【0039】
図2は、本明細書に教示する1つ以上の実施態様に係る溶解試験機器200の別の例を示している。溶解試験機器200は、図1に示されているものと類似した特徴および構成要素を含んでいてもよく、したがって、同様の参照番号は同様の特徴を示している。溶解試験機器200は、プローブ204を清掃または洗浄するための機構260を含んでいる。例えば、図示された機構260は、清掃用または洗浄用の流体を収容する1つ以上の槽268および272を保持する台(ラック)264を含んでいる。上述したように、槽268および272は、固定であっても、または再循環していてもよい(循環を実現する構成要素は図示しない)。矢印276により示すように、機構260は、適切なアクチュエータ(図示せず)により、試験容器208の上方かつプローブ204の下方の位置へと移動することができる。次いで、プローブ204に連結されたアクチュエータ220は、機構260の選択された槽268または272内へとプローブ204を下降させるように作動されてもよい。この構成により、プローブ204は、望ましければ、試験時と試験時との間または試料読み取りと試料読み取りとの間に(すなわち、光学的な測定と光学的な測定との間に)清掃されてもよい。このように、プローブ204は、アクチュエータ220により溶解媒体212中へと下降され、測定を行った後に溶解媒体212から引き上げられてもよい。プローブ204は、清掃機構260のための隙間を提供するために、十分に上方に引き上げられてもよい。その結果、清掃機構260はプローブ204の下方の位置へと移動され、プローブ204は清掃/洗浄のために槽268および272の一方の中へと下降される。次いで、清掃機構260は、プローブ204の垂直方向の移動路の外へ移動され、プローブ204は、次の試験点を取得するために、溶解媒体212内へと下降して戻されてもよい。この処理は、所望の試験手続きに従って、1回以上繰り返されてもよい。清掃ステップもまた、(溶解速度曲線を生成するために一連のデータ点が取得される)溶解作業の開始前および溶解作業の完了後に実施されてもよい。
【0040】
図2はまた、機構260が較正または標準化機構である実施態様を示している。この場合、台264の固定または再循環の槽268および272は、較正物質または未使用媒体を収容している。一例では、一方の槽268が較正媒体を収容していてもよく、他方の槽272が未使用媒体を収容している。清掃/洗浄の場合と同じように、溶解試験機器200の機構260および関連する構成要素は、望ましければ試験時と試験時との間に、プローブ204(およびスペクトル分析器)の較正/標準化を行うように操作されてもよい。清掃ステップもまた、(溶解速度曲線を生成するために一連のデータ点が取得される)溶解作業の開始前および溶解作業の完了後に実施されてもよい。
【0041】
こうした場合すべてにおいて、溶解試験機器200が、清掃、洗浄、較正および類似の処置すべてを、組み込んだ(オンラインの)まま実施することを可能にする一方で、従来の器機および方法ではこのような処置を独立して(オフラインで)実施する必要があることが理解できる。
一実施態様では、溶解試験機器200は、プローブ204を清掃するための機構と、プローブ204を較正するための第2の機構とを含んでいる。別の実施態様では、同一の機構260が、清掃および較正の両方に使用されてもよく、その場合、異なる槽268および272が、清掃用の流体および較正用の流体をそれぞれ収容していてもよい。
【0042】
図2にさらに示すように、溶解試験機器200は、図1に関連して上述した泡除去装置232を含んでいてもよい。ゆえに、望ましければ、各測定を繰り返す前に、泡除去装置232を作動させてもよい。泡除去装置232、清掃および/または較正機構260、アクチュエータ220ならびに関連する構成要素のそれぞれの作動のタイミング、持続時間および順番は、使用者が望む仕方で、決定またはプログラムされてもよい。
【0043】
図1および図2において、溶解試験機器100、200は、単一の試験容器108、208で作動する単一のアセンブリ(例えば、プローブ、アクチュエータ、泡除去装置、清掃/較正機構など)を含むものとして模式的に示されているが、溶解試験機器100、200が通常、一連の試験容器108、208を含んでいることを、当業者はよく理解するであろう。したがって、図1および図2に示す溶解試験機器100、200は、同様の数の試験容器108、208に関連付けられた複数のアセンブリを含んでいてもよいことが、さらに理解されるであろう。さらに、追加の修正例が容易に考案される。例えば、複数容器の溶解試験機器の場合、単一の清掃/較正機構260または単一の対の清掃および較正機構260が、1つのプローブ204から別のプローブへと順次移動してもよい。
【0044】
全体として、「連絡(連結、連通)している」および「〜と連絡(連結、連通)した状態にある」(例えば、第1の構成要素は第2の構成要素と「連絡(連結、連通)している」または「連絡(連結、連通)した状態にある」)などの用語は、本明細書において、2つ以上の構成部材または要素の間の構造的、機能的、機械的、電気的、信号的、光学的、磁気的、電磁気的、イオン的または流体的な関係を示唆するために使用されている。このように、1つの構成要素が第2の構成要素と連絡(連結、連通)しているとされていることは、追加の構成要素が第1の構成要素と第2の構成要素との間に存在する、ならびに/または、第1の構成要素および第2の構成要素と作動面で関連もしくは連携している可能性を排除することを意図していない。
【0045】
本発明のさまざまな局面または詳細が、本発明の請求の範囲を逸脱することなく変更されてもよいことを理解されたい。さらに、上記説明は例示のみを目的としており、限定を目的としておらず、本発明は特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験容器に収容された溶解媒体中で光学的な測定を行い、前記光学的な測定を、前記試験容器から離れて配置された分析器具へと伝達するように構成された光プローブであって、本体および前記本体に形成された光路ギャップを含む光プローブと、
前記光プローブに連結されており、少なくとも1つの次元に沿って移動可能な自動化されたアクチュエータであって、前記光プローブが当該自動化されたアクチュエータによって前記試験容器の内外へ交互に移動可能にされている自動化されたアクチュエータとを備えた、溶解試験機器。
【請求項2】
前記光プローブと連絡しており、さまざまな発振力を前記プローブに伝達するために構成された泡除去器機をさらに備えて、泡が前記光路ギャップから除去される、請求項1に記載の溶解試験機器。
【請求項3】
前記プローブに取り付けられ、前記泡除去器機の作動停止後に、前記プローブを設定された位置に戻すように構成されたエラストマー性の連結部材をさらに備えた、請求項2に記載の溶解試験機器。
【請求項4】
前記自動化されたアクチュエータが前記エラストマー性の連結部材に接続されている、請求項3に記載の溶解試験機器。
【請求項5】
前記泡除去器機が、さまざまな周波数、さまざまな振幅、またはさまざまな周波数およびさまざまな振幅の両方で、発振力を前記プローブに伝達するように構成されている、請求項2に記載の溶解試験機器。
【請求項6】
前記泡除去器機がさらに、前記プローブを、前記プローブの公称軸に対して、ある角度で回転させるように構成されている、請求項2に記載の溶解試験機器。
【請求項7】
前記泡除去器機がさらに、前記プローブが回転される前記角度を変化させるように、前記公称軸に対して前記プローブが回転される前記速度を変化させるように、または前記角度および前記速度の両方を変化させるように構成されている、請求項6に記載の溶解試験機器。
【請求項8】
清掃溶液を収容するための槽を有し、前記光プローブの下方の位置へおよび前記位置から移動可能な自動化された清掃機構をさらに備え、前記光プローブは、前記自動化されたアクチュエータにより前記槽の内外に移動可能にされている、請求項1に記載の溶解試験機器。
【請求項9】
前記槽が循環する槽である、請求項8に記載の溶解試験機器。
【請求項10】
較正媒体を収容するための槽を有し、前記光プローブの下方の位置へおよび前記位置から移動可能な自動化された較正機構をさらに備え、前記光プローブは、前記自動化されたアクチュエータにより前記槽の内および外に移動可能にされている、請求項1に記載の溶解試験機器。
【請求項11】
清掃溶液を収容するための清掃槽を有し、前記光プローブの下方の位置へおよび前記位置から移動可能な自動化された清掃機構と、較正媒体を収容するための較正槽を有する自動化された較正機構とをさらに備え、前記自動化された清掃機構および前記自動化された較正機構は、前記光プローブの下方の位置へおよび前記位置から移動可能にされており、前記光プローブは、前記自動化されたアクチュエータにより前記清掃槽および前記較正槽の内および外に移動可能にされている、請求項1に記載の溶解試験機器。
【請求項12】
溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法であって、
自動化されたアクチュエータを作動させることにより、前記光プローブの光路ギャップが前記試験容器に収容された溶解媒体中に沈むまで、前記光プローブを、前記光プローブの公称軸に沿って前記試験容器へ挿入するステップと、
前記光プローブを前記公称軸に対して振動させることにより、前記光路ギャップ内に存在する泡を除去するステップとを含む、方法。
【請求項13】
前記光プローブを振動させた後に、前記光プローブに取り付けられたエラストマー製の連結部材を使用することにより、前記光プローブを、設定された位置に自動的に戻すステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
泡を除去するステップが、さまざまな周波数、さまざまな振幅、または、さまざまな周波数およびさまざまな振幅の両方で、前記光プローブを振動させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
泡を除去するステップが、前記光プローブを、前記光プローブの公称軸に対して、ある角度で回転させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
泡を除去するステップが、さまざまな角度、前記公称軸に対するさまざまな速度、または、さまざまな角度およびさまざまな速度の両方で、前記光プローブを回転させるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
清掃機構を前記光プローブの下方の位置へ移動させ、前記光プローブを、清掃溶液を収容した前記清掃機構の清掃槽に挿入することにより、前記光プローブを清掃するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
較正機構を前記光プローブの下方の位置へ移動させ、前記光プローブを、較正物質を収容している前記較正機構の較正槽内へと挿入することにより、前記光プローブを較正するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
溶解試験機器の試験容器内で光プローブを作動させるための方法であって、
前記光プローブの光路ギャップが前記試験容器に収容された溶解媒体中に沈むまで、前記光プローブを、前記試験容器へ挿入するステップと、
前記光路ギャップ内に存在する前記溶解媒体の光学的な測定を行うために、前記プローブを作動させるステップと、
前記光学的な測定を行った後、かつ別の光学的な測定を行う前に、自動化されたアクチュエータを作動させることにより、前記光プローブを前記試験容器から取り除くステップとを含む、方法。
【請求項20】
(a)前記光学的な測定を行う前に、前記光プローブを振動させることにより、前記光路ギャップ内に存在する泡を除去するステップ、(b)前記光プローブが前記溶解媒体の外にある間に、清掃機構を前記光プローブの下方の位置へ移動し、前記光プローブを前記清掃機構の清掃槽に挿入することにより、前記光プローブを清掃するステップ、(c)前記光プローブが前記溶解媒体の外にある間に、較正機構を前記光プローブの下方の位置へ移動し、前記光プローブを前記較正機構の較正槽に挿入することにより、前記光プローブを較正するステップ、および(d)前記ステップの2つ以上を組み合わせたものからなる群から選ばれたステップを実施するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−530542(P2010−530542A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513372(P2010−513372)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/067302
【国際公開番号】WO2008/157584
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)
【Fターム(参考)】