説明

滑り留め具を有するソールの製造方法

本発明に係る製造方法は、複数の滑り留め具を有するソールを射出モールド成形金型から離型しやすくするために、a)滑り留め具を製造するステップと、b)滑り留め具を保持部品内に挿入するステップと、保持部品は、クリート本体部の一部、および延長部と合同で、これらを収容する収容スペースを有し、c)射出モールド成形金型の間に形成されるキャビティ内に滑り留め具の一部が突出するように、保持部品とともに滑り留め具を2パーツ射出モールド成形金型の凹部内に配置するステップと、d)射出モールド成形金型の間のキャビティ内にプラスティック溶融物を射出モールド成形して、滑り留め具の一部をプラスティック溶融物で形成することにより、ソールの一部を射出モールド成形するステップと、e)射出モールド成形されたソールならびに保持部品および滑り留め具を離型するステップと、f)保持部品から滑り留め具を取り外すステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの滑り留め具を有するソールの製造方法に関し、滑り留め具がソールの底面に取り付けられている。
【背景技術】
【0002】
滑り留め具を有するソールは当業者に広く知られている。滑り留め具は、一般的な用途において用いられるような回転対称的なものだけでなく、靴底の底面に固定されるような非対称的な形態を有する場合もある。
【0003】
国際特許出願公開第00/15068号は、靴底の底面に固定された滑り留め具を開示し、その滑り留め具は垂直方向の形状が実質的に三角形であり、その他にも仏国特許出願公開第2818876号は細長い形状の滑り留め具を開示する。
【0004】
ここでは滑り留め具は、長手方向軸、すなわちソール表面に対して鉛直な垂直方向に延びている。
【0005】
独国特許出願公開第3032268号は、(ソールの側方領域において)傾斜して配置された滑り留め具、すなわち側方に向いた滑り留め具を開示している。同様の解決手段が独国特許出願公開第2828561号に記載されている。
【0006】
いくつかの用途において、滑り留め具付き靴の基本的な効果を維持しつつ、地面に対して足が側方に滑らないように、特定の方向における抗力を発生させることが好ましい。典型的な具体例は、地面に対して特別なグリップ(把持力)を与える必要のあるゴルフ靴である。
【0007】
滑り留め具の非対称性がある程度を越えると、靴および滑り留め具付きソールの製造時において問題が生じる場合がある。ソールの多くは、射出モールド成形により製造されるため、滑り留め具は、予備成形部品として射出モールド金型内に挿入されて、インサート成形される。このため、滑り留め具が射出モールド金型の開閉方向に対してアンダーカット部分を有するとき、射出モールド成形されたソールを滑り留め具とともに離型することが困難となるという問題がある。
【0008】
実際、この問題は、複雑な金型技術(射出モールド金型内のダイ押圧デバイス)を用いることにより解決することができるが、必要な費用は極めて高額となる。
【0009】
また、複数の滑り留め具をソール上で異なる方向に向くように配置したとき、すべての滑り留め具においてアンダーカット部分のない離型方向が存在せずこの方法はまったく機能しない。すなわち、滑り留め具付きソールが複数の滑り留め具を有し、これらがソール上で非対称的に配置されることが好ましい場合、上記問題はいっそう深刻である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際特許出願公開第00/15068号パンフレット
【特許文献2】仏国特許出願公開第2818876号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3032268号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第2828561号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の目的は、すべての方向に成形された滑り留め具を有する、すなわち滑り留め具の向きを任意に選択できる滑り留め具付きソールを簡便な手法で製造可能な上述のような方法を提供することである。適当ならば、著しい製造上の問題を生じることなく、各滑り留め具の配向方向を簡便な手法で変更することができるものである。さらに本発明に係る製造方法は、安価に実現可能であることにより特徴付けられるものである。特定の運動力学を考慮すべきである場合に、地面に対する把持力が改善されたことを特徴とする靴、特にゴルフ用靴を製造することができる。地面に対してゴルフプレーヤの足を最適に固定するために、このとき生じる力を必要な方向に選択的に伝達する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を解決するための本発明に係る解決手段は、この製造方法は、a)少なくとも1つの滑り留め具を製造するステップと、滑り留め具は、ソールに連結できるクリート本体部を有し、クリート本体部には、使用時においては地面に向かって延びる少なくとも1つの延長部が設けられ、地面に面する延長部の端部の垂直突起領域が、少なくとも部分的に、好適には完全にクリート本体部の垂直突起領域の外側に配置され、b)滑り留め具を保持部品内に挿入するステップと、保持部品は、クリート本体部の少なくとも一部、および延長部と合同で、これらを収容する収容スペースを有し、c)射出モールド成形金型の間に形成されるキャビティ内に滑り留め具の一部が突出するように、保持部品とともに滑り留め具を少なくとも2パーツ射出モールド成形金型の凹部内に配置するステップと、d)射出モールド成形金型の間のキャビティ内にプラスティック溶融物を射出モールド成形して、滑り留め具の一部をプラスティック溶融物で形成することにより、ソールの少なくとも一部、好適にはソールの全体を、射出モールド成形するステップと、e)射出モールド成形されたソールならびに保持部品および滑り留め具を離型するステップと、f)保持部品から滑り留め具を取り外すステップとを有することを特徴とするものである。
【0013】
この製造方法により、より詳しく後述するが、射出モールド成形で製造する必要があるソールに、射出モールド成形金型を開く方向にアンダーカット部分を有する滑り留め具をより安価に形成することができる。ソールの材料で成形された滑り留め具を含むソールを問題なく離型することができる。
【0014】
保持部品は、射出モールド成形金型の凹部の所定位置に挿入する際、射出モールド成形金型の開閉方向においてアンダーカット部分を有さないように設計されることが好ましい。特に、保持部品は、円筒形状を有し、保持部品は、その円筒形状の軸が射出モールド成形金型の開閉方向に配向されるように、射出モールド成形金型の凹部内に挿入される。
【0015】
上記ステップd)においてソールを射出モールド成形するステップを行う前に、射出モールド成形金型のキャビティ内に薄膜状の強化部品を挿入してもよい。このとき、強化部品は、ガラスファイバまたはカーボンファイバである。
【0016】
とりわけ好適には、少なくとも2つの滑り留め具がソールに取り付けられ、2つの滑り留め具の少なくとも2つの延長部が異なる方向に向いている。
【0017】
上記ステップd)においてソールを射出モールド成形するステップを行う際に、クリート本体部に取り付けられた複数の固定部品は、ソールの材料を用いて形成してもよい。
【0018】
射出モールド成形後、保持部品を容易に離型するために、保持部品をポリアミド(商品名:ナイロン)により成形してもよい。
【0019】
滑り留め具自体は、2部品構成のプラスティック部品であってもよい。滑り留め具は、少なくとも部分的にポリウレタン系熱可塑性エラストマ材料(TPU)から形成されるものであってもよい。
【0020】
換言すると、地面に向かって延びる少なくとも1つの延長部がクリート本体部に設けられ、延長部は、地面に面する端部を有するクリート本体部の垂直突起領域から離れて延びる。すなわち、この滑り留め具は、延長部がクリート本体部を越えて所定の方向に配置され、クリート本体部の垂直突起領域を離れるように延びることにより、地面に対する滑り留め具の特に横方向の良好な保持力を実現できるという点において特徴を有する。
【0021】
好適には、延長部は長手方向軸に沿って細長い形状を有する。延長部の長手方向軸は、垂直方向との間に20°〜60°の角度αをなし、とりわけ30°〜50°の角度αをなす。
【0022】
延長部は、少なくとも長手方向軸に垂直な断面において、実質的に矩形形状を有するものであってもよい。
【0023】
クリート本体部および少なくとも1つの延長部は、好適には、射出モールド成形部品として一体成形される。クリート本体部および少なくとも1つの延長部は、熱可塑性ポリウレタンエラストマ材料(TPU)から形成される。
【0024】
クリート本体部の形態は実質的に半球形状であってもよい。滑り留め具をソールにしっかりと固定するために、本発明の実施形態は、クリート本体部がソールに固定するための固定部品を有することを提案する。固定部品は、垂直方向に延びる円筒部材であり、ソールの構成材料を用いて形成されるものであってもよい。好適には、複数の円筒部材が、ソールに面した端面において、クリート本体部の周縁部の周りに配置される。好適には、固定部品はディスクに配置され、ディスクはクリート本体部に連結される。
【0025】
靴のソールは、上述の種類の少なくとも1つの滑り留め具を有する。このとき好適には、少なくとも2つの滑り留め具がソールに取り付けられ、少なくとも2つの滑り留め具の延長部は少なくとも2つの異なる方向に向いている。
【0026】
本発明は、特にゴルフ用靴において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ソールに固定された滑り留め具の側面図である。
【図2】図1の滑り留め具の斜視図である。
【図3】図1のA−B線から見た断面図である。
【図4】複数の滑り留め具が固定されたゴルフ用靴のソールの底面の平面図である。
【図5】製造した後のソールに連結される前の滑り留め具を示す。
【図6】保持部品により保持されたときの滑り留め具を示す。
【図7】射出モールド成形されたソールを含む2パーツの射出モールド成形金型を示す。
【図8】保持部品から離型した完成ソールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
各図面において本発明の実施形態が図示されている。
図1および図2に示す滑り留め具(クリート)1は、靴のソール3の底面2に固定されている。滑り留め具1は、実質的な半球形状を有するクリート本体部4を有する。クリート本体部4は、図1で明らかなように突起領域Aを有し、垂直方向Vから見ると、この実施形態では円形形状を有するものである。
【0029】
複数の固定部品12を用いて、滑り留め具1をソール3に安全に固定することができる。固定部品は、垂直方向Vに延びる実質的に円筒形状のピンとして構成され、以下詳述するように、靴およびソールの製造時における射出モールド成形により形成される。固定部品12を保持し、後にクリート本体部4に接続されるディスク19を用いて、滑り留め具1がソール3に確実に支持される。クリート本体部4、ディスク19、および固定部品12は、一体成形部品として形成される。
【0030】
重要なことに、少なくとも1つの延長部5がクリート本体部4から地面に向かって延びている。そのため、図1から最もよく分かるように、地面に面した端部を有する延長部5は、クリート本体部4の垂直突起領域Aから離れるように延びている。すなわち延長部5の地面に面した端部(この実施形態では矩形形状を有する)の垂直突起領域Aは、少なくともその一部、(この実施形態で図示するように)好適にはその全部がクリート本体部4の垂直突起領域Aの外側に配置される。
【0031】
延長部5は、長手方向軸Lを有し、これに沿って延びるようにロッド状に形成される。この長手方向軸Lは垂直方向との間に角度αをなし、この実施形態では約40度である。
【0032】
図3から明らかなように、延長部は実質的に矩形形状の断面を有する(図1のA−B線から見た断面図を参照されたい。)。
【0033】
ここで提案されたデザインによれば、クリート本体部4による滑り留め具の既知の機能に加えて、延長部5により、滑り留め具1の地面に対する特定の側方保持機能を実現することができる。
【0034】
これに関連して、ゴルフ用靴の実現可能な実施形態を図4に示す。これはゴルフ用靴のソール3を底面から見たものであり、複数の滑り留め具1がソールに固定されている。
【0035】
滑り留め具1のそれぞれが図1に示す延長部5を有する。図4から明らかなように、地面に対する突起部は延長部5に沿って形成される。図示されているように、延長部5は異なる手法で配列され、すなわちさまざまな側面に向いている。したがって、地面上の延長部5の突起部と靴の長手方向軸Rとの間に角度βを規定することができる。図4の中央ソール領域において、3つの滑り留め具1が形成されている。
【0036】
図4に示す実施形態において、ソール内側面14からソール外側面15までのソール3の幅にわたって延びる仮想帯域13に沿って、一足の靴のうちの少なくとも一方に複数の滑り留め具1が配設されている。
【0037】
外側ソール領域16にある延長部5は、靴の長手方向軸Rから外側面に向かって60°〜135°の角度βをなす。また中央ソール領域17にある延長部5は、靴の長手方向軸Rから後方に向かって135°〜225°の角度βをなす。さらに、内側ソール領域12にある延長部5は、靴の長手方向軸Rから内側面に向かって90°〜180°の角度βをなす。
【0038】
このとき仮想帯域13は、ソール外側面15からソール内側面14に延び、靴の長手方向軸Rからソール内側面8に向かって30°〜90°、好適には40°〜50°の角度γをなす。さらに仮想帯域13は、ソール外側面15から、ソール3の前端部および後端部の間のほぼ中央において形成される。図から分かるように、4〜6個の滑り留め具1が仮想帯域13に沿って並んで配置される。
【0039】
上述のように滑り留め具1を調節することにより、ゴルフボールを打つときの運動力学に起因する力は、靴を通じて地面に伝達する必要があるが、最適な方法で伝達することができるという利点が得られる。こうして、特にゴルフをプレーする際、地面に対する靴の保持力を改善することができる。
【0040】
上述のように滑り留め具1を調節するとき、ヒットプロセスに従いゴルフクラブでボールを打つ際、力をゴルフクラブからプレーヤおよびその足を介して地面にさまざまな手法で伝達させなければならない点に留意する。この点において、特に仮想帯域13内に延長部5を有する滑り留め具1を配列したとき、最適な結果が得られる。
【0041】
上記実施形態の各実施例では、クリート本体部4には、ただ1つ(単一の)の延長部5を設けた。しかし2つまたは3つの延長部5を設けてもよく、滑り留め具1の一方の側面に対して星形形状に延びるようにしてもよい。
【0042】
一足の靴の2つのソールにおいて、複数の滑り留め具を鏡像のように(対称的に)配置する必要はない。2つの靴において、複数の滑り留め具を異なる手法で配置することも同様に合理的である。
【0043】
製造に際して好適に作製するために、本発明は、さらに図5〜図8に例示的に図示する方法を提供する。
【0044】
最初に、図5に示すように、滑り留め具1は、2部品構成の射出モールド成形部品として事前に作製される。上述のように、円筒状ピンの形態を有する固定部品12が滑り留め具に固定されている。
【0045】
次の製造ステップにおいて、図6に示すように、滑り留め具1は保持部品6内に保持される。保持部品6は、滑り留め具1の表面と合同形状(合致する形状)に設計された収容スペース7を有する。すなわち滑り留め具1は、収容スペース7に正確に適合する。
【0046】
次の製造ステップにおいて、図7に示すように、滑り留め具1および保持部品6は、2パーツ(2個で1組)の射出モールド成形金型9,10のうちの片方部分10に機械加工された凹部8内に挿入される。2つの部分金型9,10は、協働して既知の手法でキャビティ(空孔)11を形成し、そのキャビティ内に溶融物を充填して、ここではソールである所望する射出モールド成形部品を作製する。
【0047】
図7に示すように、滑り留め具1の端部領域、すなわち固定部品12を含む領域は、金型9,10のキャビティ11内に突出し、キャビティ内に溶融物を射出モールド成形する際に形成される。
【0048】
このとき凹部8は円筒形状を有し、保持部品6の円筒形状に対応するものである。これは、射出モールド成形金型9,10を図7の双方向矢印に開閉する際に、保持部品6のアンダーカット部分のない離型を実現することができる。
【0049】
射出モールド成形金型9,10の2つの片方部分が開いて、射出モールド成形部品が取り出され、図8に示す破線で示す保持部品6とともに構成部品が構成される。保持部品6がアンダーカット部分の有さないように設計されているので、保持部品6を問題なく離型することができる。保持部品6とともにソール3を離型した後、水平方向にピボット回転させることにより、保持部品6を取り外すことができ(図8の矢印を参照されたい。)、滑り留め具1を露出させる。
【0050】
こうして完成したソール3は、さらに使用できる状態となる。
【0051】
提案された製造方法の利点によれば、射出モールド成形時に金型を離型する際、製造時の障害を回避して、アンダーカット部分を有する滑り留め具1をソールに問題なく固定することができる。保持金型6は、金型内にダイ押圧デバイスを設けることなく、簡便な製造方法を実現する可能性をもたらすものである。
【0052】
さらに離型上の問題なく、効率的に、滑り留め具1のそれぞれを他の滑り留め具に対し相対的に位置合わせして配置することができる。特に、必要な場合には、滑り留め具のそれぞれに対する配置位置を容易に変更することができる。配置変更するために、コストの嵩む金型の変更を必要としない。別の保持部品を用いることにより、滑り留め具の形状を簡便な手法で変更することができる。
【0053】
保持部品6は、好適には、容易に軟化するポリアミド(ナイロン)のような材料からなる。したがって保持部品6は、複数回使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1:滑り留め具
2:底面
3:ソール
4:クリート本体部
5:延長部
6:保持部品
7:合同収容スペース
8:凹部
9:射出モールド成形金型部分
10:射出モールド成形金型部分
11:キャビティ
12:固定部品
13:仮想帯域
14:ソール内側面
15:ソール外側面
16:外側ソール領域
17:中央ソール領域
18:内側ソール領域
19:ディスク
:クリート本体部の垂直突起領域
:延長部の端部の垂直突起領域
L:延長部の長手方向軸
α:角度
V:垂直方向
R:靴の長手方向軸
β:角度
β:角度
β:角度
γ:角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの滑り留め具(1)を有するソール(3)を製造する方法であって、滑り留め具(1)がソール(3)の底面に取り付けられ、この製造方法は、
a)少なくとも1つの滑り留め具(1)を製造するステップと、
滑り留め具(1)は、ソール(3)に連結できるクリート本体部(4)を有し、
クリート本体部(4)には、使用時においては地面に向かって延びる少なくとも1つの延長部(5)が設けられ、
地面に面する延長部(5)の端部の垂直突起領域(A)が、少なくとも部分的に、好適には完全にクリート本体部(4)の垂直突起領域(A)の外側に配置され、
b)滑り留め具(1)を保持部品(1)内に挿入するステップと、
保持部品(6)は、クリート本体部(4)の少なくとも一部、および延長部(5)と合同で、これらを収容する収容スペース(7)を有し、
c)射出モールド成形金型(9,10)の間に形成されるキャビティ(11)内に滑り留め具(1)の一部が突出するように、保持部品(6)とともに滑り留め具(1)を少なくとも2パーツ射出モールド成形金型(9,10)の凹部(8)内に配置するステップと、
d)射出モールド成形金型(9,10)の間のキャビティ(11)内にプラスティック溶融物を射出モールド成形して、滑り留め具(1)の一部をプラスティック溶融物で形成することにより、ソール(3)の少なくとも一部、好適にはソールの全体を、射出モールド成形するステップと、
e)射出モールド成形されたソール(3)ならびに保持部品(6)および滑り留め具(1)を離型するステップと、
f)保持部品(6)から滑り留め具(1)を取り外すステップとを有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、
保持部品(6)は、射出モールド成形金型(9,10)の凹部(8)の所定位置に挿入する際、射出モールド成形金型(9,10)の開閉方向においてアンダーカット部分を有さないように設計されることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の製造方法であって、
保持部品(6)は、円筒形状を有し、
保持部品(6)は、その円筒形状の軸が射出モールド成形金型(9,10)の開閉方向に配向されるように、射出モールド成形金型(9,10)の凹部(8)内に挿入されることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の製造方法であって、
上記ステップd)においてソール(3)を射出モールド成形するステップを行う前に、射出モールド成形金型(9,10)のキャビティ(11)内に薄膜状の強化部品が挿入されることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の製造方法であって、
強化部品は、ガラスファイバまたはカーボンファイバであることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の製造方法であって、
少なくとも2つの滑り留め具(1)がソール(3)に取り付けられ、
2つの滑り留め具(1)の少なくとも2つの延長部(5)が異なる方向に向いていることを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1に記載の製造方法であって、
上記ステップd)においてソール(3)を射出モールド成形するステップを行う際に、クリート本体部(4)に取り付けられた複数の固定部品(12)は、ソール(3)の材料を用いて形成されることを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の製造方法であって、
保持部品(6)はポリアミドにより成形されることを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1に記載の製造方法であって、
滑り留め具(1)は、2部品構成のプラスティック部品であることを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1に記載の製造方法であって、
滑り留め具(1)は、少なくとも部分的にポリウレタン系熱可塑性エラストマ材料(TPU)から形成されることを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−524604(P2010−524604A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504513(P2010−504513)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003111
【国際公開番号】WO2008/128712
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(398049829)プーマ アクチエンゲゼルシャフト ルードルフ ダスレル シュポルト (18)
【氏名又は名称原語表記】Puma Aktiengesellschaft Rudolf Dassler Sport
【住所又は居所原語表記】Wuerzburger Strasse 13, D−91074 Herzogenaurach, Germany
【Fターム(参考)】