説明

漏水判断システムおよび漏水判断方法

【課題】既存の上水道の配管設備を利用し、より正確且つ迅速に漏水の事実を確認できると共に、漏水している水道水の供給ラインを予想できるようにした漏水判断システムを提供すること。
【解決手段】水道事業者から建物に供給される水量を計測する第1送水量メータに接続されて、当該第1送水量メータが計測する第1供給水量に基づいて出力される第1水量信号を取得して此れを送信する第1水量信号送信機と、当該第1水量信号送信機から送信された第1水量信号を受信して漏水の有無を判断する漏水判断装置とからなり、当該漏水判断装置はコンピュータを用いて構成されており、受信した第1水量信号を記録する記憶手段と、当該記憶手段に記録した第1水量信号に基づいて第1送水量メータよりも下流側における漏水を判断する漏水判断手段を備える漏水判断システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物に供給された上水道の漏水を監視するための漏水判断システムに関し、特に水道事業者から建物に供給される水量を計測する送水量メータ等から建物に供給する上水道の供給水量を、ネットワークを介して取得し、漏水を監視する漏水判断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物に対して水道水を供給する場合において、戸建住戸に対しては各戸毎に水道メータを設置して供給水量を算出し、一方で複数の住戸を有する集合住宅への水道水の供給は当該集合住宅に対して水道水を供給し、集合住宅内では各戸毎に枝管によって水道水を供給するようになっている。また、集合住宅では、水道事業者から供給される水道水を一旦受水槽に受け、受水槽が受けた水をポンプで直接各住戸に給水したり、屋上などに設けた高架水槽に送りこの高架水槽から各住戸に給水する受水槽方式がとられている。
【0003】
受水槽方式では、受水槽の上流直近に設けた水道メータまでが水道事業者の管理下にあり、この水道メータより下流については、集合住宅や団地の管理下になっている。したがって、水道事業者は集合住宅全体に供給した水量を当該水道メータの計測した水量(すなわち、受水槽に供給された水量)に基づいて算出し、これを集合住宅全体に対して一括請求している。そして集合住宅における各住戸に対しては、各住戸に設けられた下流側の水道メータに基づいて各住戸に供給した水量を算出している。
【0004】
即ち、戸建住戸および集合住宅のいずれにおいても、その建物に対して供給する水量を計測する水道メータよりも下流側は、それぞれの建物管理者側において管理しなければならず、漏水が発生した場合には、当該建物管理者側において対応しなければならない。そして、配水管の何れかの部位で漏水が発生すると恒久的に水道水が無駄に廃棄されたことになる為、水道水の使用量が大幅に増加し、ひいては水道料金の増加を招来することになる。特に現在行われているように、漏水の発見がメーターの検針時に水道使用量の比較検討において発見される場合には、漏水の発見が遅れ資源の無駄を招来してしまう。
【0005】
そこでこの様な水道水供給過程(上水道)における漏水を監視する技術が種々提案されている。
【0006】
例えば、集合住宅における給水配管を監視することについては、先に特許文献1(特開2000−45343号公報)が開示されている。この特許文献では、集合住宅における給水配管を監視し、水漏れを検知すれば自動的に給水配管が閉鎖するシステムを構築することを課題とし、複数階からなるアパートやマンション等の集合住宅における給水主管から分岐した各戸の給水配管のそれぞれに配した水漏れセンサと、この水漏れセンサが水漏れを検知して発する電気信号を受けて水漏れの有無を各戸毎に判別する制御部と、この制御部が水漏れと判断した場合に給水配管を各戸毎に閉鎖する自動バルブとからなる構成となっている。そして、この水漏れセンサについては、水溶性絶縁体で被覆した一対の導体を水漏れセンサや、含水すると通電する材料で2本の導線を個別に被覆した線状体で、給水配管から洩れ出した水に浸ると通電するタツタ電線(株)社製の各種線状センサが示されている。
【0007】
また水道管の漏水を検知する装置も種々提案されている。例えば特許文献2(特開2004−191139公報)では、水道管の漏水を振動音により感知する装置が提案されている。即ち、この文献で開示されている漏水検出装置は、漏水検出のために時間積分式漏水発見理論を採用しており、水道管にセンサを当てて振動音を検出し、この振動音の信号から波高値弁別により、一定の大きさに達しない低レベルの信号は、雑音として除外し、残った高レベルの信号について、一定時間内の信号の占有率(時間積分率)を求めて、この時間積分率が判定基準(判定レベル)を超えた場合に、漏水有りと判定するようにしている。
【0008】
更に、特許文献3(特開平8−263782号公報)では、水道メータと、伝搬信号発生手段と、信号受信中継手段と、検針センタで構成とした水道メータ自動検針システムが提案されている。このような構成において、水道メータが検出した水道使用量を表すとともに、水道管内の水を媒体として伝搬する超音波による管内伝搬信号を発生する伝搬信号発生手段と、水道管内を伝搬してきた超音波の管内伝搬信号を受信して検針センタに中継する信号受信中継手段を備えた構成となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−45343号公報
【特許文献2】特開2004−191139公報
【特許文献3】特開平8−263782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の通り、従前においても上水道における漏水を監視することは提案されている。しかしながら、従来提案されている漏水方法では、超音波を利用した漏水監視装置を使用するものであり、誤作動の問題だけでなく、設置コストが嵩むといった問題を有していた。
【0011】
そこで本発明は、既存の上水道の配管設備を利用し、より正確且つ迅速に漏水の事実を確認できると共に、漏水している水道水の供給ラインを予想できるようにした漏水判断システムを提供することを第一の課題とする。
【0012】
また、従来提供されている漏水監視方法は、殆どが集合住宅を対象にするものであり、戸建てを対象とする漏水監視手段については、未だ十分ではなかった。また、集合住宅における漏水を監視するといっても、各戸に対する水道水の供給方法は、貯水槽の有無や、揚水装置の有無など様々であり、如何なる場面にも対応できる漏水監視方法は提案されていなかった。
【0013】
そこで本発明は、戸建て、集合住宅を問わずに使用でき、更に集合住宅における給水施設の構成を問わずに使用できる漏水判断システムを提供することを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題の少なくとも何れかを解決する為に、水道水の供給量を計測する為に設置されている既存の水道メータから、水道水の供給量を特定する信号を受信し、此れに基づいて漏水の有無を判断するようにした漏水判断システムを提供する。
【0015】
即ち、本発明にかかる漏水判断システムは、水道事業者から建物に供給される水量を計測する第1送水量メータに接続されて、当該第1送水量メータが計測する第1供給水量に基づいて出力される第1水量信号を取得して此れを送信する第1水量信号送信機と、当該第1水量信号送信機から送信された第1水量信号を受信して漏水の有無を判断する漏水判断装置とからなり、当該漏水判断装置はコンピュータを用いて構成されており、受信した第1水量信号を記録する記憶手段と、当該記憶手段に記録した第1水量信号に基づいて第1送水量メータよりも下流側における漏水を判断する漏水判断手段を備えるものとして構成することができる。
【0016】
上記第1送水量メータは、当該メータを通過する水道水の供給量を計測するものであり、これはアナログ方式であっても、デジタル方式であっても良い。ただし、第1水量信号送信機により、供給水量を電気的な信号で送信するためには、接点パルス出力式水道メータであることが望ましい。この接点パルス出力式水道メータは、水道メーター本体と発信装置で構成され、水道メーター本体の指示部に回転磁石が取り付けられており、この回転磁石の上方にはガラスを介して発信器が取り付けられ、所定計測流量毎にパルスを出力する構造となっている。
【0017】
また第1水量信号送信機は、第1送水量メータにおける水道水の供給量(第1供給水量)に基づいて出力される第1水量信号を取得して、此れをコンピュータで構成される漏水判断装置に送信するものであり、第1送水量メータにおける水の通過に起因して出力されるパルス信号を受領し、受領した当該パルス信号を第1水量信号とする他、受領したパルス信号を積算した値を第1水量信号とすることができる。特にパルス信号を積算して、その積算値を第1水量信号として送信する場合には、伝送カウンターとして機能することができる。なお、この第1水量信号送信機は、自己を識別する為の一意のIDを有しており、前記第1水量信号の送信に際しては、この第1水量信号送信機IDも使用されることになる。
【0018】
漏水判断装置はコンピュータを用いて構成されており、漏水の有無を判断するプログラムと、このプログラムが実行される処理手段と、このプログラムで使用するデータを格納する記憶手段を備えて構成される。かかる漏水判断装置は、受信した第1水量信号に基づいて、漏水の有無を判断するものである。
【0019】
即ち、第1水量信号がパルス信号である場合には、第1送水量メータにおける水道水の供給に応じて出力されるパルス信号の間隔から、プログラムの実行により漏水の有無を判断することができる。この場合、当該パルス信号が常に出力されていて、夜間など通常は水道水が使用されない時間帯においてもパルス信号を受信しているとプログラムが判断した場合には、漏水していると判断することができる。
【0020】
また、第1水量信号がパルス信号を積算した値である場合には、漏水判断装置を構成するコンピュータは、第1水量信号送信機との間における、常時、随時又は一定の間隔での通信によって取得したパルス信号の積算値から、第1送水量メータにおける水の通過に起因して出力されるパルス信号が常に出力されているか否かをプログラムの実行によって解析することができ、その結果に基づいて漏水の有無を判断することができる。この場合、当該パルス信号が常に出力されていて、一日中パルス信号が出力されているとプログラムが判断した場合には、漏水していると判断し、警告を発することができる。なお、この第1水量信号送信機におけるパルス信号の積算に際しては、時間の要素を含んで保持することが出来、例えば1分間で積算したパルス信号の数を、1分毎に保持することも出来る。なお、同様のことは、第1水量信号送信機に積算された値を、一定の間隔で漏水判断装置を構成するコンピュータに送信するか、或いは漏水判断装置を構成するコンピュータが読み取ることによっても行うことができる。
【0021】
上記構成にかかる漏水判断システムによれば、既存の水道メータを使用して、簡易に当該水道メータよりも下流側における漏水を判断することができる。
【0022】
また上記の漏水判断手段は、当該第1水量信号送信機から送信された第1水量信号を記憶手段に記録し、プログラムが実行されている処理手段では、この記憶手段に記録した第1水量信号に基づいて第1供給水量が最も低い値である最低第1供給水量を算出すると共に、この最低第1供給水量が一定期間以上出現しない場合に、前記第1送水量メータよりも下流側において漏水が発生していると判断する様に構成することができる。なお、この記憶手段に記録する値は、時間に関連付けて記憶することができ、単位時間ごとに第1送水量メータから取得した第1水量信号(パルス信号数など)として記録することができる。
【0023】
かかる漏水判断システムによれば、簡易な構成で漏水判断装置を構成することができる。即ち、複雑な処理を要しない簡易なプログラムでコンピュータを動作させることができる。
【0024】
また、本発明にかかる漏水判断システムでは、更に、前記第1水道メータの下流側に枝分かれした2以上の枝管の夫々に設けられている第2送水量メータに接続され、当該各第2送水量メータが計測するそれぞれの枝管における第2供給水量に基づいた第2水量信号を取得して此れを送信する、各第2送水量メータ毎にに接続された第2水量信号送信機を含んで構成されており、前記記憶手段は、受信した第1水量信号と第2水量信号を記録し、前記漏水判断手段は、第1水量信号に基づいた第1供給水量と、各第2水量信号に基づいた第2供給水量との夫々を算出して各値を比較し、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する様に構成することもできる。
【0025】
かかる漏水判断システムは、特にフロアー毎、或いは住戸毎に水道水を供給する集合住宅等における給水設備を考慮したものであり、何れの部分の給水管等で漏水が発生しているのかを判断することができる。即ち、全く漏水が無いとすれば、第1送水量メータから取得される第1給水量は、第2送水量メータから取得される第2給水量の総計に等しくなる筈であるが、両者が相違する場合には、第1送水量メータから第2送水量メータに至る経路で漏水が発生している事が考えられる。また、何れかの第2送水量メータが数日間全く停止していない場合には、当該第2送水量メータの下流側で漏水が発生している事が考えられる。よって、このような漏水判断システムにすれば、何れの部位において漏水が発生しているのかを、簡易且つ迅速に判断することが可能になる。
【0026】
また本発明にかかる漏水判断システムでは、更に第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に向かって送水するポンプの動作状況に基づくポンプ動作信号を取得して此れを送信するポンプ動作信号送信機を含み、前記漏水判断手段は、ポンプ動作信号に基づいたポンプの動作状況の夫々を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する様に構成することもできる。ポンプの動作状況を把握することで、何れの部位で漏水が発生しているのかのみならず、ポンプの故障などを迅速に把握することができ、給水設備の安定した運用が可能になる。
【0027】
また本発明にかかる漏水判断システムでは、更に、第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に送水する水を貯留する1又は2以上の各水槽に設けられ、夫々の水槽の水量に基づく水槽水量信号を取得して此れを送信する水槽水量信号送信機を含み、前記漏水判断手段は、各水槽水量信号に基づく各水槽の水量を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する様に構成することもできる。
【0028】
即ち、水道水の供給方式として、水圧が不足する高所に水を供給する場合や一時的に大量に水を使用する場合等では、水道水を一旦水槽(受水槽や高架水槽など)に貯水してから給水する受水槽式給水方式が採用されており、多くの集合住宅においては、この方式が採用されている。そこで、このような受水槽式給水方式の水道設備においても漏水の箇所を的確に把握できるようにするために、水槽における貯水量を把握できるようにしたものである。なお、このように水槽の水量に基づく水槽水量信号を取得することにより、当該水槽における漏水なども早期に発見することができる。
【0029】
そして本発明では、上記課題の少なくともいずれかを解決する為に、水道事業者から建物に供給される水量を計測する第1送水量メータに接続されている第1水量信号送信機が、第1供給水量に基づいて第1送水量メータから出力される第1水量信号を取得して此れを送信する第1水量信号送信ステップと、前記第1水道メータの下流側に枝分かれした2以上の枝管における夫々の第2供給水量を計測する第2送水量メータに接続されている夫々の第2水量信号送信機が、各第2供給水量に基づいて各第2送水量メータから出力される第2水量信号を取得して此れを送信する第2水量信号送信ステップと、コンピュータが前記第1水量信号送信機から送信された第1水量信号と第2水量信号送信機から送信された第2水量信号を取得すると共に、これらを比較して、何れかの部分における漏水の有無を判断する漏水判断ステップとからなる漏水判断方法も提供する。
【0030】
この漏水判断方法では、更に、第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に向かって送水するポンプの動作状況に基づくポンプ動作信号を取得して此れを送信するポンプ動作信号送信ステップを含むことができる。この場合、前記漏水判断手段ステップでは、漏水判断装置を構成するコンピュータが、ポンプ動作信号に基づいたポンプの動作状況の夫々を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する様に構成する様に構成することができる。
【0031】
またこの漏水判断方法では、更に、第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に送水する水を貯留する1又は2以上の各水槽に設けられ、夫々の水槽の水量に基づく水槽水量信号を取得して此れを送信する水槽水量信号送信ステップを含むことができる。この場合、前記漏水判断手段ステップでは、漏水判断装置を構成するコンピュータが、各水槽水量信号に基づく各水槽の水量を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する様に構成する様に構成することができる。
【発明の効果】
【0032】
以上のように構成された本発明にかかる漏水判断システムによれば、既存の水道メータを使用することができることから、その設置コストを大幅に削減することができる。また給水設備における所定の場所における水道水の供給量等を取得できることから、その値に基づいて、より正確且つ迅速に漏水の事実を確認できると共に、漏水している水道水の供給ラインを予想できるようにした漏水判断システムが実現する。更に本発明では、給水パイプなどにおける漏水のみならず、揚水ポンプの動作状況及び故障や、水槽における漏水などを把握することもでき、水道水の供給の安定性を向上させることができる。
【0033】
更に本発明では、建物の種類などによっても異なる様々構成で提供されている給水設備において、戸建て、集合住宅を問わずに使用でき、更に集合住宅における給水施設の構成(貯水槽の有無や、揚水装置の有無など)を問わずに使用でき、如何なる場面にも対応できる漏水判断システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】1つの実施の形態にかかる漏水判断システムの構成を示す略図である。
【図2】他の実施の形態にかかる漏水判断システムの構成を示す略図である。
【図3】漏水判断装置を構成するコンピュータを示すブロック図である。
【図4】1つの実施の形態にかかる漏水判断システムの設置概略図である。
【図5】他の実施の形態にかかる漏水判断システムの設置概略図である。
【図6】更に他の実施の形態にかかる漏水判断システムの設置概略図である。
【図7】更に他の実施の形態にかかる漏水判断システムの設置概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明にかかる漏水判断システムの1つの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
図1は1つの実施の形態にかかる漏水判断システムの構成を示す略図であり、水道の配管に設けられる送水量メータMと、この送水量メータMから出力されるパルス信号を取得しこれをカウントした水量信号を保持し、この水量信号を、ネットワークを通じて漏水判断装置80に送信する水量信号送信機10と、水量信号送信機10から送信された水量信号を取得する、コンピュータからなる漏水判断装置80とで構成されている。
【0037】
この実施の形態において、送水量メータMは供給した水量を表示する表示部21などを伴って構成されているが、かかる表示部の有無は問題ではなく、少なくとも供給した流量に関連付けてパルス信号を出力する送水量メータMが使用される。例えば、1mなど、所定量の水道水を供給した場合に1つのパルス信号を出力するような送水量メータMであれば、水量信号送信機10において当該パルスの受信回数をカウントしておくことができる。水量信号送信機10でカウントしているパルス信号の受信回数は、一定のタイミングで漏水判断装置80に送信するか、或いは漏水判断装置80が読み込むことで、単位時間当たりの供給水量を知ることができる。よって、この水量信号送信機10は、その設置場所が何処か等を漏水判断装置80に知らせる為に、一意に設定されたIDを保持することが望ましい。
【0038】
そして水量信号送信機10が保持する水量信号は、有線または無線方式による通信、或いはインターネットなどを介して漏水判断装置80に送信される。この信号を受信した漏水判断装置80では、何れの水量信号送信機10からの信号なのかをIDに基づいて特定すると共に、各水量信号送信機10毎に、受信した水量信号を記憶手段に記録する。なお、各水量信号送信機10毎の水量信号の記録は、データベース形式やテーブル形式など、その形式を問わずに保持することが出来る。
【0039】
このように構成された漏水判断システムにおいて、漏水判断装置80は、当該送水量メータMにおける供給水量を、水量信号に基づいて特定することができる。よって、通常は水道水が使用されないであろう夜間においても、この水量信号が取得されている場合には、漏水が発生していると仮定して対処することができる。
【0040】
図2は他の実施の形態にかかる漏水判断システムの構成を示す略図であり、特に複数の送水量メータMに設置された複数の水量信号送信機10と、建物に供給する水道水を溜めておく水槽WT(受水槽WT1や高架水槽WT2など)における貯水量に関連付けられた水槽水量信号を送信する水槽水量信号送信機12と、水道水を送水するポンプP(揚水ポンプP)の動作状況に関連付けられたポンプ動作信号を送信するポンプ動作送信機14を伴って構成されている。水槽WT(受水槽WT1や高架水槽WT2など)における貯水量は、水位計16などを用いて測定する事ができる。これらの各信号は、有線又は無線方式でゲートウェイGに集められ、当該ゲートウェイGからインターネットなどのネットワークに送信することができる。当然のことながら、ゲートウェイ機器Gにおいて各接続機器(水量信号送信機10、水槽水量信号送信機12、ポンプ動作送信機14)に対するネットワークアドレスを管理することもでき、当該ネットワークアドレスをIDとして使用し各機器を識別することができる。
【0041】
そしてコンピュータで構成された漏水判断装置80は、水量信号送信機10、水槽水量信号送信機12、およびポンプ動作送信機14から送信された各情報をディスクなどの記憶手段に保持する。この記憶手段に保持された各情報(各メータ供給水量情報、貯水槽水量情報、ポンプ動作情報)はコンピュータにおける演算手段であるCPU(中央演算装置)で実行されているプログラムによって、当該プログラムで指定された演算処理過程において読み出され、当該プログラムは各情報に基づいた漏水の有無、および漏水箇所を演算する。
【0042】
この漏水判断装置80を構成するコンピュータのハードウエア構成を、図3のブロック図を参照しながら説明する。この図3に示すブロック図は、一般的なコンピュータの構成を示すものであるが、その他の攻勢で構成された演算装置であっても良い。
【0043】
この図に示すように、当該漏水判断装置80を構成するコンピュータ800は、CPU801、メモリ802、音声出力装置803、ネットワークインタフェース804、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、マウス809、外部記憶装置810、記録媒体駆動装置811、記録媒体インタフェース812、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス813を含んで構成することができる。ただし、音声出力装置803、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、およびマウス809は、必須の構成要素ではない。
【0044】
この内、CPU801は、コンピュータ800の各構成要素の動作を制御し、オペレーティングシステム(以下、「OS」)の制御下で、各プログラムの実行をコントロールし、本発明に係る漏水判断装置80を構成する各構成要素の動作を制御する。メモリ802は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ800の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、本実施の形態にかかる漏水判断装置80の各機能乃至は処理がCPU801で実行される際に、それを実現するためのプログラムが実行中に使用するデータが格納される。
【0045】
音声出力装置803は、たとえば、スピーカ等のように音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース804は、インターネットやイーサーネットなどの各種のネットワーク820に接続するためのインタフェースである。
【0046】
ディスプレイコントローラ805は、CPU801が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ805で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示装置としてのLCDやCRTで構成されるディスプレイ806に出力される。
【0047】
入力機器インタフェース807は、キーボード808やマウス809等の入力デバイスから入力された信号パターンに応じた指令をCPU801に送信する。キーボード808やマウス809は、CPUに対して所定の指令を与える為に必要となる。
【0048】
外部記憶装置810は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には後述の処理を実行するプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ802のRAMにロードされる。漏水判断装置80における演算に使用される演算式や、処理を行う為のプログラム、および各種のデータなどが格納される記憶手段が、この外部記憶装置810に相当する。
【0049】
記録媒体駆動装置811は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型ディスクタイプの記録媒体830の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体830には、本発明に係る漏水判断装置80における処理を実現するためのプログラムも記録することが可能である。
【0050】
記録媒体インタフェース812は、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティックといった、半導体メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)を備える可搬型メモリタイプの記録媒体840と接続端子等で接続し、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体840には、ディスクタイプの記録媒体830と同様に、本発明に係る漏水判断装置80を実現するためのプログラムを記録することが可能である。
【0051】
次に、図4〜7を参照しながら、様々な給水設備に対応した漏水判断システムの設置概要および漏水の監視方法を具体的に説明する。以下の図4〜7において、鎖線は信号の伝送ライン(通信ライン)を示しており、これは有線方式であっても無線方式であっても良い。また、インターネットなどの遠隔通信であっても良い。
【0052】
先ず、図4は戸建ての住戸などにおいて採用されている直結給水方式に適用した例を示しており、水道供給事業主から供給された水道水は、配水管から蛇口まで受水槽WT1を経由しないで直接給水されている。このような給水方式では、建物に対して水道水を供給する送水量メータM(取引メータとも称される。以下、「第1送水量メータM1」とする)から、当該第1送水量メータM1における給水量に関連する第1水量信号を取得し、この信号に基づいて第1送水量メータM1よりも下流における漏水を判断することができる。第1水量信号の取得はリアルタイムで行う他、一定の間隔で行うこともできる。
【0053】
具体的には、第1送水量メータM1から出力される第1水量信号を漏水判断装置80が取得し、これを記憶手段に記録する。漏水判断装置80で実行されるプログラムは、数日間など、一定の期間における第1水量信号の推移から、第1送水量メータM1が供給する第1供給水量がゼロになった事があるか否かを抽出し、ゼロになったときが無ければ漏水を示す警告を発する。例えば、特定の給水時間が経過しても第1送水量メータM1が停止していない場合には注意警報を発して漏水の危険を知らせ、その後、ある一定時間経過しても給水が停止しないで一定の給水量であれば漏水とみなすことができる。
【0054】
次に図5は、図4に示した直結給水方式と同じように受水槽WT1を有しない供給方式であるが、特に水道事業者から供給された水道水をポンプPによって圧力を増加させて供給するようにした直結増圧給水方式(直圧給水方式とも称される)に適用した例を示している。この様な給水方式では、水道事業者から供給される水道水が通過する第1送水量メータM1よりも下流側にポンプPが設置され、このポンプPよりも下流側が枝管に分岐して、各フロアー乃至各戸に給水するような構成になっている。そしてこの枝管ごとに、各枝管によって供給される水道水の量(第2供給水量)を計測する第2送水量メータM2が設置されている。その結果、漏水判断装置80には、第1送水量メータM1における供給水量、ポンプPの動作状況、および各枝管に設置された夫々の第2送水量メータM2における供給水量を示す信号が送信される。
【0055】
そして、漏水判断装置80では、第1送水量メータM1が供給する水道水の量(第1供給水量)が、全ての第2送水量メータM2が供給する水道水の量(合計第1供給水量)に等しいか否かを判断して、漏水の有無を判断することができる。仮に「(第1供給水量)>(合計第2供給水量)」の場合には、第1送水量メータM1から第2送水量メータM2に至る水道水の配管で漏水していることが考えられる。また第2送水量メータM2では、それよりも下流側における漏水を、前記図4に示したのと同じ方法で監視することができる。よって、この方法によれば、漏水の事実のみならず、漏水箇所を一定の範囲に特定することができる。
【0056】
特に、この実施の形態では、ポンプPの動作状況(運転状況)も監視している。その結果、ポンプが常時運転状態でありながら第1送水量メータM1及び第2送水量メータM2における供給水量がない場合には、ポンプPの不具合を予想することができるし、またポンプPが停止状態でありながら第1送水量メータM1及び第2送水量メータM2において水道水が供給されている場合にもポンプPの不具合を予想することができる。更に、第1送水量メータM1が水道水の供給を示す一方で、ポンプPが停止し第2送水量メータM2が送水を示していない場合には、第1送水量メータM1からポンプPの間における漏水を予想でき、また第1送水量メータM1が水道水の供給を示し、且つポンプPが運転状態を示していながらも、第2送水量メータM2が水道水の供給を示していない場合には、ポンプPから第2送水量メータM2の間における漏水を予想できる。即ち、ポンプの故障や、ポンプを基準とした上流側および下流側における漏水を、いち早く予想することができる。
【0057】
図6は、水道事業者から供給される水道水を一旦受水槽WT1に貯え、この入水層に貯えた水をポンプPで送水する加圧給水方式に適用した例を示しており、この例においては、前記図5に示した実施の形態のように、漏水判断装置80は、第1送水量メータM1における供給水量、ポンプPの動作状況、および各枝管に設置された夫々の第2送水量メータM2における供給水量を示す信号を取得し、更に受水槽WT1における貯水量を特定する信号をも取得する構成になっている。
【0058】
この様な構成においては、受水槽WT1が間にあるため漏水の発生箇所によっては送水量メータMでの発見は困難になる場合がある。そこで、受水層に水位計を取り付けて水位(即ち受水層の貯水量)を監視・計測し、更にポンプPの動作状況や第2送水量メータM2での送水状況を取得して、一定時間の給水が停止しないと判断された場合には漏水と判断し、どの箇所が漏水しているのかを一定の所までは特定することができる。更に、第1送水量メータM1による水道水の供給量は、受水槽WT1における貯水量である。ただし、この受水槽WT1における貯水量は、各戸における使用量に応じて減少することから常に変化することになる。よって、「受水槽WT1における貯水量」は、「第1送水量メータM1による水道水の供給量」から「ポンプPの動作状況から算出されるポンプPの送水量」を減じることにより算出することができる。この算出結果が、受水槽WT1における貯水量と一致しない場合には、第1送水量メータM1からポンプPまでの水道水の搬送経路における漏水が疑われることになる。
【0059】
また、「ポンプPの動作状況から算出されるポンプPの送水量」は、複数の枝管の夫々に設置された「第2送水量メータM2により供給される水道水の総計」として算出することができる。この値が一致していない場合には、ポンプPから第2送水量メータM2に至る水道水の搬送経路における漏水が疑われることになる。また、各第2送水量メータM2よりも下流側における漏水は、各第2送水量メータM2による送水量とポンプPの動作状況から算出されるポンプPの送水量を比較することにより算出することもできる。よって、漏水判断装置80を構成するコンピュータ800は、この様な演算を実行する為のプログラムを読み込み、その指令に従って記憶手段に記録された情報を読み取って演算を行い、漏水の有無を判断することができる。
【0060】
そして図7は、上記図6に示したように、水道事業者から供給される水道水を一旦受水槽WT1に貯え、この入水層に貯えた水をポンプPで送水する方式に関連し、更に高所に水槽WT(高架水槽WT2)を設置すると共に、受水層に貯えた水をポンプPで高架水槽WT2に揚水する方式、所謂、受水槽WT1式給水方式に適用した例を示している。よって、この例においては前記図6に示した構成要素に加え、更に高架水槽WT2を伴って構成されている。
【0061】
かかる構成の漏水判断システムにおいては、「第2送水量メータM2により供給される水道水の総計」は、高架水槽WT2から送水される水量であり、これは高架水槽WT2の貯水量において減少した水量として算出することができる。ただし、「第2送水量メータM2により供給される水道水の総計」がゼロであり、且つポンプPが停止している状況においても高架水槽WT2の貯水量が減じられる場合には、当該高架水槽WT2からの漏洩が疑われる。その他にも「ポンプPによって送水される量」と「第2送水量メータM2により供給される水道水の総計」との差を、「高架水槽WT2における貯水量の変化量」として算出することができ、両者が一致しない場合には、ポンプPから第2送水量メータM2に至る水道水の搬送経路における漏水が疑われることになる。更に、この図に示す漏水判断システムにおいても、前記した図4〜7に示した漏水判断システムと同じようにして、各所における漏水を判断することができる。
【0062】
よって、以上のように構成することにより、簡易な構成でありながら、様々な給水設備に対応して漏水を検知することができるシステム、更には当該給水設備を構成する器具の故障や損壊などを簡易かつ迅速にに見つけ出すことのできる漏水判断システムが実現する。
【0063】
更に、第2送水量メータM2は、通所は住戸毎に設置されることから、上記した漏水の発見の他にも、電気メータや施錠状態・最終退出確認・人の存在の有無などと連携することにより、一定時間のみに限らず、より想起に漏水や建物における以上を検知できるシステムが実現する。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明により、既存の設備を利用しながらも、簡易且つ安価に漏水判断システムを提供することが可能となり、漏水による使用者における水道料金の増加を無くし、更に水資源の無駄を無くすことができる。
【符号の説明】
【0065】
10 水量信号送信機
21 表示部
80 漏水判断装置
800 コンピュータ
806 ディスプレイ
810 外部記憶装置
820 ネットワーク
M 送水量メータ
M1 第1送水量メータ
M2 第2送水量メータ
P ポンプ
WT 水槽
WT1 受水槽
WT2 高架水槽


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道事業者から建物に供給される水量を計測する第1送水量メータに接続されて、当該第1送水量メータが計測する第1供給水量に基づいて出力される第1水量信号を取得して此れを送信する第1水量信号送信機と、
当該第1水量信号送信機から送信された第1水量信号を受信して漏水の有無を判断する漏水判断装置とからなり、
当該漏水判断装置はコンピュータを用いて構成されており、受信した第1水量信号を記録する記憶手段と、当該記憶手段に記録した第1水量信号に基づいて第1送水量メータよりも下流側における漏水を判断する漏水判断手段を備えることを特徴とする、漏水判断システム。
【請求項2】
前記漏水判断手段は、前記記憶手段に記録した第1水量信号に基づいて第1供給水量が最も低い値となっている供給水量(最低第1供給水量)を算出すると共に、当該最低第1供給水量が一定期間以上出現しない場合に、前記第1送水量メータよりも下流側において漏水が発生していると判断する、請求項1に記載の漏水判断システム。
【請求項3】
更に、前記第1水道メータの下流側に枝分かれした2以上の枝管の夫々に設けられている第2送水量メータに接続され、当該各第2送水量メータが計測するそれぞれの枝管における第2供給水量に基づいた第2水量信号を取得して此れを送信する、各第2送水量メータ毎にに接続された第2水量信号送信機を含んで構成されており、
前記記憶手段は、受信した第1水量信号と第2水量信号を記録し、
前記漏水判断手段は、第1水量信号に基づいた第1供給水量と、各第2水量信号に基づいた第2供給水量との夫々を算出して各値を比較し、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する、請求項1に記載の漏水判断システム。
【請求項4】
更に、第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に向かって送水するポンプの動作状況に基づくポンプ動作信号を取得して此れを送信するポンプ動作信号送信機を含み、
前記漏水判断手段は、ポンプ動作信号に基づいたポンプの動作状況の夫々を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する、請求項3に記載の漏水判断システム。
【請求項5】
更に、第1送水量メータと第2送水量メータの間に、第2送水量メータが設置される各枝管に送水する水を貯留する1又は2以上の各水槽に設けられ、夫々の水槽の水量に基づく水槽水量信号を取得して此れを送信する水槽水量信号送信機を含み、
前記漏水判断手段は、各水槽水量信号に基づく各水槽の水量を算出し、算出した値を要件として、第1送水量メータよりも下流側および第2送水量メータよりも下流側における漏水を判断する、請求項3又は4に記載の漏水判断システム。
【請求項6】
水道事業者から建物に供給される水量を計測する第1送水量メータに接続されている第1水量信号送信機が、第1供給水量に基づいて第1送水量メータから出力される第1水量信号を取得して此れを送信する第1水量信号送信ステップと、
前記第1水道メータの下流側に枝分かれした2以上の枝管における夫々の第2供給水量を計測する第2送水量メータに接続されている夫々の第2水量信号送信機が、各第2供給水量に基づいて各第2送水量メータから出力される第2水量信号を取得して此れを送信する第2水量信号送信ステップと、
コンピュータが前記第1水量信号送信機から送信された第1水量信号と第2水量信号送信機から送信された第2水量信号を取得すると共に、これらを比較して、何れかの部分における漏水の有無を判断する漏水判断ステップとからなることを特徴とする、漏水判断方法。




【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−252867(P2011−252867A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128355(P2010−128355)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(510155405)h&mアソシエイトビル株式会社 (1)
【Fターム(参考)】