説明

演出装置

【課題】本発明は、既存の遊技島に設置する場合であっても、遊技島の構造を殆ど変更することなく、遊技媒体の出具合を演出できる演出装置を提供することを目的とした。
【解決手段】演出装置1は、各遊技機30に対応する計数機31が設置された遊技場に設けられるものであって、各遊技機の上方の位置に配置されるものである。また、演出装置1は、表示部材5と移動装置6とを有している。表示部材5は、玉の表示が印刷あるいは描かれており、その表示部材5を移動装置6を用いて作動させることで、表示部材5の表示状態を変更できるものである。そして、少なくとも計数機31で計測された数値の情報を受信して、所定の条件が満足されると、表示部材5が移動されて、現在における遊技者が獲得した出玉の情報を表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を介して遊技可能な遊技機が設置された遊技場の演出装置に関するものであり、特に遊技者が獲得した遊技媒体の量に基づいた演出を実行可能な演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として一般的に知られているものに、例えば弾球遊技機(所謂パチンコ機)やスロット機がある。特にパチンコ機は、遊技媒体として鉄球、いわゆるパチンコ玉(以下、単に玉と言う)を使用して遊技するものである。このパチンコ機においては、遊技中に玉が入賞口に入賞し大当たりに当選するなどの所定条件が成立することに基づいて、所定個数の玉がパチンコ機から遊技者に対して払い出される。なお、スロット機においてもパチンコ機同様、大当たりに当選するなどの所定の条件が成立すると所定枚数のメダルが払い出される構成を有しているが、以下の説明では、理解を容易にするためにパチンコ機に注目して説明する。
【0003】
そして、パチンコ機から払い出された玉のうち、少なくともパチンコ機に備えられた貯留皿(上皿及び下皿)から溢れた分が所定の貯留箱に貯留され、その貯留箱は遊技者が遊技を終了するまで遊技場の床等に並べられる。これは、他の遊技者に対して、遊技場における現在の玉の出具合を効果的に知らしめる手段とされており、従来より集客を上げたり、場内の活気を高めるための演出(以下、出玉演出と言う)の1つとなっていた。
そして、遊技者が遊技を終了する際に、床等に並べられた貯留箱は、ホールスタッフにより所定の場所に設置された計数機まで運搬されて、貯留箱の玉が計数機によって計数される。
【0004】
ところで、近年、遊技場においては、遊技人口の減少が目立ってきている。そのため、遊技場では、集客効果を上げて遊技人口の減少を阻止するため、短い周期で次々に新たなパチンコ機(以下、新台と言う)を導入する方策がとられている。これにより、既存の遊技者の遊技離れを阻止すると共に、新たな遊技者の取り込みに成功している。
【0005】
ところが、新台を導入する周期を短くすることで、パチンコ機1台当たりの実質稼働期間が短縮されるため、パチンコ機1台当たりの利益が減縮してしまう不満がある。これにより、前記したように遊技離れ等を阻止できたとしても、遊技場全体の利益に結びつかないという問題があった。
【0006】
そこで、遊技場においては、遊技場全体の利益の減縮を抑制するため、人件費等のコストを削減する対策が講じられている。特に、一部の遊技場においては、コスト削減のために単にホールスタッフの数を減らすのではなく、各パチンコ機に対応した計数機(各台計数機)を設け、遊技者が遊技している場所で玉を計数できる各台計数システムを導入した上で、ホールスタッフの数を減らす方策がとられている。例えば、特許文献1に各台計数システムの技術が開示されている。
【0007】
即ち、遊技場に各台計数システムを導入することで、従来であればホールスタッフが行うべき作業(貯留箱を並べる作業や運搬作業)を省略することができるため、遊技場における正味の作業が減少し、何ら問題なく遊技場における人員を削減できる。これにより、サービス(遊技場における快適性に関するサービス)の低下を招くことなく人件費を削減することができた。
【0008】
しかしながら、各台計数システムの導入により、人件費の削減が達成される反面、従来の出玉演出が影を潜めることとなり、遊技場において現在の出玉具合を知らしめる効果が希薄になってしまっているという不満がある。これにより、たとえ遊技場における玉の出具合が他店あるいは通常に比べて多い場合であっても、従来のように貯留箱を床面等に並べることがないため、遊技場における現在の玉の出具合を知らしめることができず、集客効果が薄れてしまうという問題があった。即ち、遊技場においては、各台計数システムを導入すれば、人件費は削減できるが、演出効果による集客が見込めなくなってしまう場合があるため、結果的に新台導入による利益を相殺あるいは減縮してしまう不具合があった。
【0009】
そこで、特許文献2では、複数のパチンコ機により形成された遊技機群(所謂遊技島)における隣接するパチンコ機同士の間(以下、台間と言う)に配され、各台計数機によって計数された玉数に応じて、玉の出具合を知らしめることが可能な遊技媒体演出装置(演出装置)が開示されている。具体的には、特許文献2は、台間に配置される透視可能なカバー体を有し、そのカバー体の内部に玉を導入して、出玉具合の演出を行う構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−192370号公報
【特許文献2】特開2010−142582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2では、演出装置を台間に配する構成とされているため、遊技島におけるパチンコ機を設置する実質的なスペースが縮小されてしまう問題がある。これにより、遊技場全体から見れば、実質的に稼働し得るパチンコ機が大幅に減少してしまい、利益の減少を招いてしまう。
【0012】
また、特許文献2の演出装置は、実際の玉をカバー体に流し込んで、玉の出具合を演出する構成であるため、既存の遊技島に当該装置を設置する場合、遊技島の内部構造まで変更しなければならないという必要性が生じる。そのため、新たに導入する演出装置の費用の他、遊技島の構造を変更(リフォーム)するための費用までも要することとなり、設備投資費が大幅に増加してしまう問題がある。
【0013】
そこで、本発明では、従来技術の問題に鑑み、既存の遊技島に設置する場合であっても、遊技島の構造を殆ど変更することなく、遊技媒体の出具合を演出できる演出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技媒体を用いて遊技可能な遊技機が複数設置された遊技場において、各遊技機に対応する位置に遊技媒体を計数可能な計数装置が設置され、計数装置によって計測された数値に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の情報を反映可能な演出装置であって、各遊技機の上方に配置され、前記遊技媒体の情報を表示する表示手段と、回転動作を行う移動手段を有し、表示手段は、移動手段の回転動作に連動して動作し表示状態を変更可能なものであって、少なくとも計数装置で遊技媒体が計測されて、所定の条件が満足されると、表示手段が移動されて、現在における遊技者が獲得した遊技媒体の情報を表示することを特徴とする演出装置である。
【0015】
本発明の演出装置は、各遊技機の上方に配置されているため、遊技機の設置スペースを圧迫しない。即ち、従来技術の演出装置であれば、遊技機同士の間に配置されるため、例えば、演出装置を設置しなければ3台の遊技機を並設できるはずのスペースに2台の遊技機しか設置できないという不具合が生じるが、本発明であれば、遊技機同士の間ではなく、各遊技機の上方に演出装置が設置されるため、演出装置を設置しない場合と同じ台数の遊技機を並設することができる。従って、本発明によれば、例えば、既に設置された複数の遊技機によって形成された遊技機群(所謂遊技島)に演出装置を設置する場合であっても、演出装置の設置の前後で遊技機の数が変化することがない。これにより、本発明では、実質的に稼働し得る遊技機の数を減少させることがないため、設置される遊技機が減少することに起因する利益の減縮が発生することはない。
【0016】
また、本発明の演出装置は、各遊技機に対応する計数装置で計測された遊技媒体の数量に基づいて、移動手段を動作させ、その動作に連動させて表示手段を動作させて表示手段の表示状態を変更する構成とされている。即ち、本発明によれば、計数装置で計測された遊技媒体の数量を表示手段の表示状態を変更することで表現することができるため、特許文献2の発明のように、遊技島の内部に演出装置用の遊技媒体の搬送路を設ける必要がない。換言すれば、本発明では、計数装置と演出装置を電気的に接続するだけで成立し得る。従って、本発明の演出装置は、引用文献2にように、遊技島の内外の構造を殆ど変更する必要がないため、演出装置を設置することに伴った余計な費用は発生しない。
【0017】
また、本発明の演出装置は、回転動作を行う移動手段を採用しているため、移動手段には、例えば筒状のローラやプーリ等を採用することができる。そして、表示手段に遊技媒体の情報を、例えば段階的に変化するように予め表現しておき、その表示手段がローラの動作によって巻回するようにしておけば、表示状態を簡単に変更することができる。即ち、本発明によれば、構造を簡単にできるため、製造コストを抑えることができると共に、遊技者が獲得した遊技媒体の情報を変化が生じるごとに分かり易く伝えることができるため、従来と同様の演出効果を期待することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、移動手段は、少なくとも2つの筒体で構成されており、少なくとも1つの筒体は駆動源を備えた駆動用ローラであって、表示手段は、長尺状のシートであり、環状にされた状態で複数の筒体に渡って巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の演出装置である。
【0019】
かかる構成によれば、表示手段であるシートが環状にされた状態で複数の筒体に渡って巻回されているため、駆動用ローラを駆動することで、シート全体が円滑に同方向に移動させることができるため、シートに必要以上の引っ張り力が発生することがない。即ち、表示状態を変更するごとに、シートの劣化が加速度的に早まることはない。
【0020】
請求項3に記載の発明は、移動手段は、2つの筒体で構成されており、双方の筒体は駆動源を備えた駆動用ローラであって、表示手段は、長尺状のシートであり、一方の端部を駆動用ローラに接続し、他方の端部を別の1つの筒体に接続したことを特徴とする請求項1に記載の演出装置である。
【0021】
かかる構成によれば、シートを環状にする場合より長く設定することができるため、表示状態を豊富なバリエーションで表すことができる。即ち、物理的なスペースから考えて、例えば貯留箱を4段ほど積み上げた状態の情報しか表現し得ない場合であっても、本発明によれば、シートの繰り出し長さをさらに延長することで、貯留箱が4段を超える場合の情報を表現することが可能である。具体的には、例えば、シートの色を変化させたり、表現方法を変化させることが考えられる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、照明手段を有し、照明手段は、表示手段における遊技媒体の情報を表示する部分に照射可能であって、計数装置から発信された情報に基づいて、照射状態を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の演出装置である。
【0023】
かかる構成によれば、計数装置からの情報に基づいて、表示手段の表示状態を変更することに加えて、照明手段による照射状態を変更することができるため、演出効果を高めることができる。これにより、遊技待ち等の遊技者に対して、現在の遊技中の遊技者における遊技媒体の情報を知らしめる効果が高まるため、この遊技場における演出効果による集客効果を一層有効なものとすることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、照明手段は、複数の異なる色の光が照射可能なものであって、計数装置から発信された情報に基づいて、異なる色の光りを照射することを特徴とする請求項4に記載の演出装置である。
【0025】
かかる構成によれば、演出のバリエーションが増加するため、表示手段だけでは表現しきれない表現が可能となる。例えば、表示しきれない貯留箱の表現であったり、遊技媒体がパチンコ機用の玉であれば、玉の数量が所定値を超えれば、それに応じた色の光を照射して報知する等の表現が挙げられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の演出装置は、各遊技機に対応する計数機によって計測された数値に基づいて、遊技者によって獲得された遊技媒体の情報を演出できるため、従来のように貯留箱を遊技場の床面等に積み上げることなく、従来と同様の演出効果を期待することができる。また、演出装置を各遊技機の上方に配置する構成としたため、並設して配置される遊技機の数が、演出装置を設置することに起因して減少することがない。また、本発明の演出装置は、現在の遊技場において遊技者によって獲得された遊技媒体がどの程度なのかを表示手段で擬似的に表現できるため、遊技機群の内部構造を殆ど変更する必要がなく、設備投資費を大幅に増加させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る演出装置が設置された遊技場の遊技島を示す正面図である。
【図2】図1の演出装置を示す斜視図である。
【図3】図2の演出装置を示す分解斜視図である。
【図4】図3の筐体を示すA方向矢視図である。
【図5】照明装置の光源を概念的に示す説明図である。
【図6】照明装置の光源のうちの1つの色の光源を独立して発光させた状態を示す概念図である。
【図7】制御基板の構成を示すブロック図である。
【図8】演出装置と遊技島との関係を簡略的に示す断面図である。
【図9】筐体における照明装置の位置を示す説明図である。
【図10】駆動用ローラをローラ収容部に配した状態を示す説明図である。
【図11】演出装置の動作を示す説明図で、(a)、(b)は合計玉数が0個から500個に増加した場合の表示部材と照明装置の動作状況を示す。
【図12】演出装置の動作を示す説明図で、(a)、(b)は合計玉数が500個から1500個に増加した場合の表示部材と照明装置の動作状況を示す。
【図13】演出装置の動作を示す説明図で、(a)、(b)は合計玉数が6000個から6500個に増加した場合の表示部材と照明装置の動作状況を示す。
【図14】演出装置の動作を示す説明図で、(a)、(b)は合計玉数が1500個から500個に減少した場合の表示部材と照明装置の動作状況を示す。
【図15】演出装置の変形例を概念的に示す説明図である。
【図16】図15の演出装置の表示部材の概念図である。
【図17】図15の演出装置の表示部材の概念図で、図16の変形例である。
【図18】演出装置の別の変形例であって、移動装置のみを示す説明図である。
【図19】演出装置のさらに別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本実施形態に係る演出装置1について説明する。
なお、以下の説明においては、特に断りがない限り、上下左右、前後方向の表現に関しては、通常の設置位置(図1)を基準に説明する。
本実施形態の演出装置1は、図1に示すように、パチンコ機40や図示しないスロット機等の遊技機30によって形成された遊技機群(遊技島)50が複数設置された遊技場に設けられるものであって、それぞれの遊技機30に対応するように配置されている。
【0029】
ここで、本実施形態における遊技島50は、複数のパチンコ機40によって形成されており、内部に遊技機30の動作に関連する機器が複数配され、パチンコ機40を基準に、遊技媒体(以下、単に玉と言う)が円滑に循環できる構成とされている。より具体的には、遊技島50には、各パチンコ機40に玉を搬送する玉搬送装置(図示しない)、各パチンコ機40から回収された玉が一時的に貯留される貯留タンク(図示しない)、回収された玉の汚れを除去し磨く玉研磨装置(図示しない)、玉研磨装置を通過した玉を玉搬送装置まで揚送する揚送装置(図示しない)等の機器が配されているが、本発明においては特に関係がないため説明を省略する。
【0030】
また、本実施形態の演出装置1は、特に、各パチンコ機40に対応した計数機(各台計数機)31が設けられ、各パチンコ機40から払い出される玉を、遊技者が遊技している場所で計数可能な公知の各台計数システムが導入された遊技場に適したものである。以下に、各台計数システムについて簡単に説明する。
【0031】
各台計数システムは、図1に示す玉の数を計測する機能を備えた各台計数機31と、玉の貸し出し機能を備えた玉貸し機32とをユニットにして機能させたシステムである。即ち、各台計数システムは、パチンコ機40から払い出されて各台計数機31の固定型貯留箱41に貯留された玉を、遊技者等の所定の操作(例えば計数開始ボタンを押下する)によって、各台計数機31の所定の経路に流し込み、その経路において計数された玉情報を、遊技者等が玉貸し機32で容易に管理できるシステムである。即ち、固定型貯留箱41と連通した前記所定の経路には、図示しない玉計数センサが配されており、経路上に1列に並べられた状態で、正確な玉数がカウントされる。そして、玉計数センサによってカウントされた玉数が、玉貸し機32の図示しない玉数表示部にデジタル表示(例えば、2500個)される。なお、このとき計数された玉は、遊技島の下部に設けられた前記貯留タンクに導入される。
【0032】
そして、玉貸し機32に玉数が表示された状態で、玉貸し機32に設けられた再プレイボタン(図示しない)等を押下すると、計数された玉の一部(例えば125個)が玉貸し機32を通じて払い出される。また、遊技を終了したり、別の遊技機30に移動する場合等には、玉貸し機32に設けられた返却ボタン(図示しない)等を押下することで、玉数や残高等を記憶可能なカード(会員カードを含む)が返却される。
【0033】
従って、各台計数システムによれば、大当たりが当選する等の所定の条件が満足されて多量の玉が払い出された場合等に、一時的に各台計数機31の固定型貯留箱41に玉が貯留されるが、所定の操作により、固定型貯留箱41に貯留された玉をその場で計数して、玉貸し機32及び前記カードで遊技者等が容易に管理できるため、払い出された多量の玉を複数の貯留箱(従来より使用されている玉箱)に貯留する必要がない。換言すれば、このシステムを導入すると、貯留箱を遊技場の床面に並べる必要がなくなる。
【0034】
一方で、遊技場では、従来より、集客の向上や、場内の活気を高めるため、玉が貯留された玉箱を床面に並べて、現在における玉の出具合を主に周囲に知らしめる(以下、出玉演出と言う)方策が執られていた。しかしながら、前記したように、各台計数システムの導入により、そもそも玉箱を床面に並べることがなくなったため、出玉演出による集客効果が希薄化し、遊技場における利益に結びつかないという問題があった。
【0035】
そこで、本実施形態の演出装置1は、各パチンコ機40に対応する位置であって、パチンコ機40の上方の位置(幕板51)に設けられ、遊技場の床面に玉箱を並べることなく各台計数システムにおいて計数された玉の数量に基づいて、出玉の演出を実施可能な構成とされている。
以下に、本実施形態の演出装置1について具体的に説明する。
【0036】
演出装置1は、図2に示すように、筐体2と、筐体2の蓋3と、玉の疑似表示がされた表示部材(表示手段)5と、表示部材5を動作させる移動装置(移動手段)6(図3)と、表示部材5に向けて照射可能な照明装置7と、各台計数システムから発信された玉情報を受信して、その情報に応じて制御する制御基板(制御手段)8と、演出装置1を壁面等に取り付ける際に要する固定部材9とによって構成されている。
【0037】
筐体2は、塩化ビニルやアクリル等の透明な合成樹脂が採用されており、図2、3に示すように、4つの玉箱(単体玉箱14a〜14dと称す)が積み上げられたような形状に形成された玉箱部10と、玉箱部10の上下に一体的に取り付けられたローラ収容部11とによって構成されている。なお、ローラ収容部11においては、内部が視認できない工夫を施すことが好ましい。その工夫として、例えば、外側面に装飾を施したり、黒等の濃い色の合成樹脂を採用する等の手段が挙げられる。
【0038】
玉箱部10は、背面側(図1を基準)の一面が開放(開放部12)された玉箱本体42と、玉箱本体42から外側に張り出した疑似把持部43とを有している。
玉箱本体42は、図4に示すように、内部に後述する表示部材5を収容可能な空間13を有し、空間13は4つの単体玉箱14a〜14dに渡って連通している。また、玉箱本体42は、側壁44a〜44cを有し、側壁44a〜44cが空間13を形成する構成の一部となっている。そして、側壁44a〜44cのうち対向する1対の側壁44a、44cの内側に、後述する照明装置7を保持可能な保持部33が4組設けられている。即ち、本実施形態では、保持部33は、8個設けられている。
【0039】
保持部33は、照明装置7を上下方向にスライド可能な溝であり、当該溝は各側壁44a、44cの平面からほぼ垂直方向に突出した突出壁部45によって形成されている。突出壁部45は、正面視した形状が上方に開放部を向けた「コ」の字状であり、上下方向に延びる対向する1対のスライド壁部45a、45cと、その1対のスライド壁部45a、45cを一体的に接合する接合壁部45bによって形成されている。そして、スライド壁部45a、45cは、スライド方向長さが各単体玉箱14a〜14dの高さのほぼ2分の1程度(玉箱本体42の高さの8分の1程度)に設定されていると共に、各単体玉箱14a〜14dの高さ方向下端から上方に延びるように設けられている。また、スライド壁部45a、45c同士の間隔は、照明装置7が保持できる程度(照明装置7の厚み程度)の大きさに設定されている。なお、スライド壁部45a、45cのスライド方向長さは前記した長さに限らず、適宜変更しても構わない。
【0040】
疑似把持部43は、実際の玉箱の取っ手状に形成された装飾部分であって、単体玉箱14a〜14dのそれぞれを実際の玉箱に似せるためのものである。
また、疑似把持部43には、筐体2の背面側において、筐体2の正面方向に向けて穿設された複数の筐体側孔34が形成されている。
【0041】
ローラ収容部11は、玉箱部10の上下(上側はローラ収容部11a、下側はローラ収容部11bとする)のそれぞれに一体的に接合された箱体で、玉箱部10と同様、背面側が開放されており(前記した開放部12に含む)、幅方向の拡がりが玉箱部10の疑似把持部43を含んだ幅と同程度の大きさとされている。そして、ローラ収容部11は、図4、10に示すように、玉箱部10の空間13と連通した収容空間15と、後述する移動装置6の位置を固定するための保持溝16を有している。なお、上下に位置するローラ収容部11a、11bの双方は一部が異なるだけで、大半は同じ構成を備えたものである。
【0042】
そこで、上側のローラ収容部11aに注目して説明すると、玉箱部10の疑似把持部43に沿った(下側のローラ収容部11bでは玉箱部10の底部に沿った)内部側壁面部(筐体2の内部に形成された壁面部)46を有しており、その内部側壁面部46及びその内部側壁面部46に対向する位置におけるローラ収容部11の外部側壁面部(筐体2の外枠にあたる壁面部)47に対をなした保持溝16が形成されている。即ち、ローラ収容部11aにおいては、上下の対をなした保持溝16が、筐体2の幅方向両端に1組ずつ設けられている。
【0043】
保持溝16は、内部側壁面部46や外部側壁面部47からほぼ垂直方向に立設した直線状の壁部48が、各壁面に沿った方向に所定の間隔を空けて配置されることで形成された溝である。また、内部側壁面部46と外部側壁面部47の保持溝16は、壁部48の突端部が互いに向き合った状態で離反した配置とされている。換言すれば、保持溝16は、後述する移動手段6のローラ取付部材21の上下端部を保持可能な構成とされている。
また、ローラ収容部11aは、保持溝16の一部が欠落した構成とされている。具体的には、電気線等を渡す目的として、筐体2の背面側の壁部48の一部が切り欠かれている。
なお、下側のローラ収容部11bは、壁部48に切り欠きがないという構成以外は、ローラ収容部11aと同様の構成とされているため、説明を省略する。
【0044】
蓋3は、図3に示すように、筐体2の背面側の開放部12を閉塞する金属製の薄板であり、開放部12より大きく形成されている。また、蓋3は、筐体2や幕板51と接続するための蓋側孔35が設けられている。なお、蓋3の蓋側孔35は、筐体2の筐体側孔34とそれぞれ連通するような配置とされている。
【0045】
固定部材9は、図3に示すように、断面形状が「コ」の字型の一般的な溝型鋼であり、蓋3及び遊技島50を構成する幕板51を間に、筐体2と対向する位置に配されて筐体2を遊技島50に取り付けるための部材である。即ち、固定部材9は、部材厚方向に2箇所の貫通孔49が設けられており、その貫通孔49を、筐体2の筐体側孔34及び蓋3の蓋側孔35と、幕板51に設けた図示しない孔に連通するように配置し、その連通孔にボルト等を螺合させることで、筐体2等を遊技島50に固定することが可能となる。なお、本実施形態では、固定部材9を筐体2の高さ方向上部・中間・下部の3箇所に配置する構成としたが、その個数及び取付箇所は遊技島の構成等によって適宜変更しても構わない。
【0046】
表示部材5は、可撓性及び光を透過させることが可能なもので、長尺状且つ薄板状にしたポリプロピレン等の樹脂製のシートである。本実施形態では、図3に示すように、表示部材5の端部同士を接続して環状にしたものが使用されている。また、表示部材5は、一部の領域に、玉箱に貯留された状態の玉が印刷あるいは描かれている。即ち、本実施形態では、筐体2が4段に積み上げられた単体玉箱14a〜14dを備えているため、表示部材5に印刷あるいは描かれた玉は、4段の単体玉箱14a〜14dに渡った領域に表示されている。
【0047】
移動装置6は、駆動用のDCモータが内蔵されたローラ(以下、駆動用ローラと言う)17と、自由に回転する従動ローラ18と、駆動用ローラ17の駆動力を従動ローラ18に伝動する伝動ベルト20と、駆動用ローラ17や従動ローラ18の軸が挿着されるローラ取付部材21とによって構成されている。
【0048】
駆動用ローラ17は、公知のそれと同様であり、筒体52と回転軸53を有し、筒体52に内蔵されたDCモータの駆動力によって筒体52を回転軸53に対して相対的に回転させるものである。
筒体52は、軸線方向端部側に外周に沿って図示しない溝が形成されており、当該溝に後述する伝動ベルト20が懸架される構成とされている。
回転軸53は、筒体52の両端から一部が外部に露出しており、その外部に露出した一部の断面形状が六角形とされている。また、筒体52の一方の端部における回転軸53の内部には、モータと接続された電気線と信号線が配線されており、その回転軸53の端部から外部に延長されている。
【0049】
また、駆動用ローラ17は、内蔵されたモータの磁界の変化を検知するホール素子が備えられている。即ち、駆動用ローラ17は、ホール素子によって、モータの回転情報をパルス信号として認識させることができる。具体的には、本実施形態の駆動用ローラ17は、ホール素子が2個以上配されており、異なる位相のパルス信号によって、回転数と回転方向を検知する構成とされている。
【0050】
従動ローラ18は、筒体54と回転軸55を有し、筒体54が回転軸55に対して相対的に回転可能な構成とされている。なお、従動ローラ18の筒体54及び回転軸55も、駆動用ローラ17と同様の構成とされている。即ち、筒体54には図示しない溝が形成されており、回転軸55における筒体54から外部に露出した一部の断面形状は六角形とされている。
【0051】
伝動ベルト20は、長尺状のベルトが環状に巻かれたものであって、駆動用ローラ17と従動ローラ18に跨って懸架されることで、駆動用ローラ17の駆動力を従動ローラ18に伝動するものである。また、本実施形態では、伝動ベルト20に表示部材5を接着剤等を用いて貼付することで、環状の表示部材5を形成することができる。
ローラ取付部材21は、金属製の板体であって、部材厚方向に貫通した開口形状が六角形の軸挿通孔36が設けられている。具体的には、この軸挿通孔36は、駆動用ローラ17の回転軸53や従動ローラ18の回転軸55とほぼ同じ形状及び大きさに設定されている。換言すると、軸挿通孔36は、駆動用ローラ17や従動ローラ18の回転軸53、55が挿通された際に、その回転軸53、55が軸挿通孔36に対して相対的に回転することを阻止しつつ保持することができる部分である。
【0052】
照明装置7は、図3に示すように、複数のLED光源27と、その複数のLED光源27を1枚の板体に取り付けることを可能とした基板28を備えたものであり、単体玉箱14a〜14dのそれぞれに対応するように配されるものである。
また、本実施形態においては、LED光源27は、図5に示すように、3種類の異なる色を有すると共に、比較的広範囲を照らすことが可能な広角タイプのものが採用されている。そして、図6に示すように、各色を独立して点灯することが可能な構成とされている。なお、本実施形態においては、LED光源27aは白色、LED光源27bは青色、LED光源27cは黄色に設定されている。
【0053】
制御基板8は、駆動用ローラ17に内蔵されており、図7のブロック図に示すように、入力部60、制御部61、記憶部62、演算部63、出力部65を備えたものである。そして、各台計数機31、玉貸し機32、並びに駆動用ローラ17のモータからの情報に基づいて、移動装置6や照明装置7を制御する構成とされている。
【0054】
具体的には、入力部60は、各台計数機31における玉の計数情報と、玉貸し機32における管理情報(獲得玉数等)の変更(再プレイ等による獲得玉数の減算)情報と、駆動用ローラ17のモータの回転数や回転位置等に関するデータが入力される。
制御部61は、記憶部62や演算部63を制御する部分である。
記憶部62は、入力部60に入力される玉数の情報や駆動用ローラ17の各情報、並びに演出装置1の動作条件に関する設定情報等を記憶する部分である。
演算部63は、各台計数機31からの入力情報あるいは玉貸し機32における変更情報と、記憶部62に記憶された情報を比較演算したり、その比較情報と、モータの現在の位置情報等に基づいてモータの回転数等を演算する部分である。
そして、出力部65によって、入力情報や演算結果に基づいて、玉貸し機32、駆動用ローラ17又は照明装置7に対して命令信号が発信される。
【0055】
次に、本実施形態の演出装置1の各部材の位置関係について具体的に説明する。
本実施形態の演出装置1は、図3に示すように、表示部材5、移動装置6、照明装置7を空間13に配して筐体2の開放部12を蓋3で閉塞しており(以下、この複合体を閉塞筐体と言う)、その閉塞筐体を固定部材9を用いて遊技島50の幕板51に固定されている。即ち、演出装置1は、図8に示すように、その幕板51を挟むように、閉塞筐体の蓋3と固定部材9とを対向するように配置して、その蓋3の蓋側孔35と、固定部材9の連通孔49を連通状態にして、ボルト等が螺合されて固定されている。
【0056】
以下に、遊技島50に固定された閉塞筐体に注目して説明する。
即ち、筐体2の内壁面44に設けられた保持部33には、照明装置7が配置されている。具体的には、各単体玉箱14a〜14dごとに1組ずつの保持部33が設けられており、図9に示すように、各単体玉箱14a〜14dごとに1つずつの照明装置7が配置されている。そして、各照明装置7は、筐体2の背面側から正面方向に照射するように、LED光源27が向けられている。
【0057】
また、駆動用ローラ17及び従動ローラ18は、図10に示すように、回転軸53、55にローラ取付部材21が挿着された状態で、そのローラ取付部材21が保持溝16に沿って挿通されている。即ち、駆動用ローラ17及び従動ローラ18は、ローラ収容部11における上下に位置する1組の保持溝16によって、ローラ取付部材21の対向する1対の端部側が保持された配置とされている。そして、このとき、ローラ17、18の筒体52、54は、収容空間15に回転軸53、55の軸線方向と、筐体2の幅方向がほぼ一致した配置とされている。
なお、ローラ17においては、一方の端部側から外部に電気線や信号線が延長されているため、その電気線等が保持溝16を形成する壁部48の切り欠きを介して、筐体2の空間13下方に導かれている。
【0058】
また、駆動用ローラ17と従動ローラ18に跨って懸架された伝動ベルト20には、図示しないが、伝動ベルト20の環状に沿って表示部材5が接着剤等を用いて貼付されている。即ち、表示部材5は、駆動用ローラ17及び従動ローラ18の外側に位置し、駆動用ローラ17が駆動することで、伝動ベルト20と同期的に作動する配置とされている。また、表示部材5は、筐体2の正面側に位置する部分が照明装置7に照射される配置でもある。即ち、表示部材5が形成する環の内側に照明装置7が配置されている。
【0059】
次に、本実施形態の演出装置1の動作について説明する。
演出装置1は、各台計数機31における玉の計数情報等に基づいて、表示部材5の表示状態を変更したり、照明装置7により照明効果を追加してさらに表示状態を変更することができるものである。
【0060】
即ち、パチンコ機40において、例えば大当たり絵柄が揃って、多量の玉が払い出されたとすると、払い出された玉の殆どはパチンコ機40の上皿及び下皿に貯留できなくなるため、遊技者等の操作によって、溢れた玉が固定型貯留箱41に貯留される。そして、この状態で、さらに大当たり絵柄が揃い、多量の玉が払い出されると、固定型貯留箱41にも玉を貯留できなくなるため、少なくとも既に固定型貯留箱41に貯留された玉を排出しなければならなくなる。
【0061】
そのため、このような状況になれば、遊技者によって、計数開始ボタン等が押下され、固定型貯留箱41内に貯留された玉が遊技島50の図示しない貯留タンクに向かって排出される。このとき、貯留タンクに向かって排出された玉の数量が、図示しない玉計数センサによって計数される。そして、玉計数センサによって計数された情報が、各台計数機31から発信される情報として、演出装置1の制御基板8に送信される。なお、この情報は、同時に、遊技場を一括管理するホールコンピュータ等にも送信される。
そして、制御基板8に入力された情報に基づいて機器への命令信号が生成されれば、該当する機器にその命令信号が発信されて、演出装置1の表示状態を変更する。
【0062】
ここで、本実施形態では、表示部材5の表示状態を変更する場合、制御基板8で演算された数値が所定の基準を満足することが条件とされている。即ち、既に遊技者が獲得した玉数と、各台計数機31から新たに入力された玉数との合計(以下、合計玉数と言う)が、制御基板8に予め設定されて記憶された条件を満たしているか否かが確認され、満たしていれば、所定の動作により表示部材5の表示状態を変更することとされてる。
【0063】
より具体的には、本実施形態では、合計玉数が500個を基準数値として増減するごとに、表示部材5を単体玉箱14の高さの3分の1ずつ移動させる。即ち、演出装置1は、例えば合計玉数が0個から500個まで増加すれば、図11の左側に示すように、最下段の単体玉箱14dの下方から上方に向けて疑似玉の表示部が移動し、1つの玉箱に玉が3分の1程度貯留された状況が表示され、さらに合計玉数が500個から1500個まで増加すれば、図12の左側に示すように、表示部材5は単体玉箱14dの高さの3分の1の位置から単体玉箱14dの最上部まで移動し、1つの玉箱が玉で満杯になった状況が表示される。そして、さらに合計玉数が増加する場合であって、最上段の単体玉箱14aが満杯になるまでは、同様の動作が実行される。
【0064】
また、本実施形態では、この表示部材5の動作に加えて、照明装置7による照明効果が追加される。即ち、合計玉数が0個から500個まで増加して、表示部材5が移動すると、図11の右側に示すように、単体玉箱14dに対応する照明装置7における下段の白色LED光源27aが点灯し、合計玉数が500個から1500個まで増加すれば、図12の右側に示すように、単体玉箱14dに対応する照明装置7における全段(上中下段)の白色LED光源27aが点灯する。そして、さらに合計玉数が増加する場合であって、4段目の単体玉箱14aが満杯になるまでは、前記した動作と同様の動作が実行される。即ち、単体玉箱14のいずれの段においても照明装置7は白色のみが点灯される。
【0065】
ここで、大当たりが5回以上連続し、合計玉数が6000個を超える場合、つまり5杯目の玉箱に玉が貯留される場合が考えられる。この場合、疑似玉を5段目に表示することはできないため、本実施形態では、照明装置7の発光色を変更することで単体玉箱14の5段目以降を表すこととした。具体的には、表示部材5の表示状態を変更した上で、単体玉箱14の5段目から8段目を白色LED光源27aに替えて、青色LED光源27bを点灯させ、単体玉箱14の9段目から12段目までを青色LED光源27bに替えて、黄色LED光源27cを点灯させる設定とされている。
【0066】
即ち、単体玉箱14a〜14dの全てに疑似玉が表示され、いずれの段に対応する照明装置7も白色LED光源27aが点灯した状態から、さらに合計玉数が増加した場合においては、まず全ての段に対応する照明装置7の白色LED光源27aが消灯される。そして、表示部材5を、合計玉数から6000個(単体玉箱14の合計玉数に相当)減算した玉数(以下、減算玉数と言う)に対応した位置に移動させる。例えば、合計玉数が6500個に達すれば、減算玉数が500個となり、図13の左側に示すように、単体玉箱14dの高さの3分の2程度貯留された状態が表示される。即ち、この表示部材5の表示状態は、合計玉数が6000個以下の場合と同じである。なお、このときの表示部材5の移動方向は、合計玉数が6000個に至るまでの移動方向と同方向であっても、その移動方向と反対方向であっても構わない。そして、合計玉数が6500個に対応する位置の青色LED光源27bが点灯する。即ち、図13の右側に示すように、単体玉箱14dの1〜2段目までの青色LED光源27bのみが点灯する。
【0067】
一方、再プレイ等によって、合計玉数が減少する場合、例えば1500個から500個まで減少すれば、図14の左側に示すように、最下段の単体玉箱14dの上方から下方に向けて疑似玉の表示部が移動し、1つの玉箱に玉が3分の2程度貯留された状況が表示され、さらに合計玉数が500個を下回れば、表示部材5における疑似玉の表示部は単体玉箱14dから視認できなる。なお、単体玉箱14a〜単体玉箱14cにおいても同様の動作が実行され、同時に照明装置7の点灯状態も合計玉数が増加する場合と同様の条件で変更される。
【0068】
以上により、本実施形態の演出装置1は、床面等に玉箱を並べたり積み上げたりしない各台計数システムを備えた遊技場において、遊技場における現在の出玉具合を周囲に知らしめたり、場内の活気を高めることができるため、出玉演出の希薄化による利益の低減を招くことがない。
また、本実施形態の演出装置1は、遊技島50におけるパチンコ機40の上部に位置する幕板51に取り付ける構成を有しているため、並設されるパチンコ機40同士の間隔が拡がりすぎて、パチンコ機40の実質稼働台数が大幅に減少することがない。即ち、パチンコ機40の稼働台数の減少により、見込み利益が低減することもない。
さらに、本実施形態の演出装置1は、出玉演出を表示部材5に印刷あるいは描かれた疑似玉により行う構成であるため、実際の玉を出玉演出として使用する構成に比べると、遊技島50の構造を殆ど変える必要がない。具体的には、遊技島50の内部に信号線や電気線を配線するなどの簡易的な変更で機能させることができるため、演出装置1を導入することにより設備投資費が大幅に増加する心配もない。
【0069】
上記実施形態では、表示部材5を2つのローラ17、18に跨るように懸架して環状にして利用した構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、図15に示すように、2つのローラのそれぞれに長尺状の表示部材の端部を巻回し環状にしないで利用する構成であっても構わない。
即ち、この構成においては、長手方向の長さを表示部材5の長さより長くした表示部材75、76を利用することができるため、図16に示すように、表示部材75の一方の端部から他方の端部に向かって一定の領域ごとに異なる色で疑似玉を印刷あるいは描いた構成、又は図17に示すように、表示部材76の一方の端部から他方の端部に向かって一定の領域ごとに異なる色と無地が交互に印刷あるいは描いた構成とすれば、照明装置によって表示部材75、76の表示状態を変化させる必要がなくなる。具体的には、照明装置77に配されるLED光源は例えば白色1色のみとしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、表示部材75、76を用いれば、照明装置を用いることなく表示状態のバリエーションを増やすことができるため、製造及びランニングコストの低減を図ることができる。
なお、この構成を採用する場合、構造上2つのローラの双方とも駆動用ローラとする必要がある。
【0070】
上記実施形態では、移動装置6にローラ17、18を採用した構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、図18に示すように、プーリ74等の回転体を採用した構成であっても構わない。この場合、伝動ベルト79にタイミングベルト等の歯付ベルトを用いることが望ましい。
【0071】
上記実施形態では、単体玉箱14を4段に積み上げた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、3段以下であっても5段以上であっても構わない。
また、本発明は、上記した構成に加えて、図19に示すように、筐体2の上部に例えば宝箱形状の演出補助部80を設け、一定の数量(例えば10杯)の単体玉箱が満杯になった際に、その演出補助部80に具備された照明部によって点灯させる構成を備えていても構わない。これにより、例えば10杯以上の玉箱を積み上げた場合の把握を容易にすることが可能となる。なお、この場合、表示部材と照明装置による表示状態の変更のバリエーションを、前記した一定の数量に合わせておくことが好ましい。
【0072】
上記実施形態では、演出装置1を遊技島50の幕板51に取り付けた構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、遊技島50の上部に載置するような構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0073】
1 演出装置
5、75、76 表示部材(表示手段)
6 移動装置(移動手段)
7、77 照明装置
17 駆動用ローラ
30 遊技機
31 各台計数機(計数装置)
32 玉貸し機
40 パチンコ機
50 遊技島
51 幕板
52、54 筒体
74 プーリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を用いて遊技可能な遊技機が複数設置された遊技場において、各遊技機に対応する位置に遊技媒体を計数可能な計数装置が設置され、計数装置によって計測された数値に基づいて遊技者が獲得した遊技媒体の情報を反映可能な演出装置であって、
各遊技機の上方に配置され、
前記遊技媒体の情報を表示する表示手段と、回転動作を行う移動手段を有し、
表示手段は、移動手段の回転動作に連動して動作し表示状態を変更可能なものであって、
少なくとも計数装置で遊技媒体が計測されて、所定の条件が満足されると、表示手段が移動されて、現在における遊技者が獲得した遊技媒体の情報を表示することを特徴とする演出装置。
【請求項2】
移動手段は、少なくとも2つの筒体で構成されており、少なくとも1つの筒体は駆動源を備えた駆動用ローラであって、
表示手段は、長尺状のシートであり、環状にされた状態で複数の筒体に渡って巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
移動手段は、2つの筒体で構成されており、双方の筒体は駆動源を備えた駆動用ローラであって、
表示手段は、長尺状のシートであり、一方の端部を駆動用ローラに接続し、他方の端部を別の1つの筒体に接続したことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項4】
照明手段を有し、
照明手段は、表示手段における遊技媒体の情報を表示する部分に照射可能であって、
計数装置から発信された情報に基づいて、照射状態を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の演出装置。
【請求項5】
照明手段は、複数の異なる色の光が照射可能なものであって、
計数装置から発信された情報に基づいて、異なる色の光りを照射することを特徴とする請求項4に記載の演出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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