説明

演奏装置および電子楽器

【課題】単一の加速度センサにより、所望のタイミングで楽音を発生させるとともに、音色などの楽音構成要素を、演奏者が所望のように変化させる。
【解決手段】演奏装置本体11のCPU21は、3軸の加速度センサ23の加速度センサ値に基づいて楽音を発生すべきタイミングを決定する。また、所定のタイミング、たとえば、演奏装置本体11の振り始めにおける加速度センサ23の加速度センサ値に基づいて、演奏装置本体11の長手方向の軸まわりの回転により生じたロール角が算出される。CPU21は、算出されたロール角に基づいて、発音すべき楽音の音色を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏者が手で保持して、振ることにより楽音を発生させる演奏装置および電子楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スティック状の部材にセンサを設け、演奏者が部材を手で保持して振ることで、センサが、当該部材の動きを検出し、楽音を発音するように構成された電子楽器が提案されている。特に、この電子楽器では、スティック状の部材は、ドラムのスティックや太鼓の撥のような形状を備え、演奏者があたかもドラムや太鼓をたたくような動作に応じて、打楽器音が発声されるようになっている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、スティック状の部材に加速度センサを設け、加速度センサからの出力(加速度センサ値)が、所定の閾値に達した後、所定時間が経過すると、楽音を発音するように構成された演奏装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2663503号
【特許文献2】特願2007−256736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された演奏装置では、スティック状の部材の加速度センサ値に基づいて楽音の発音が制御されるだけであり、演奏者の所望のような楽音の変化を実現するのが容易ではないという問題点があった。
【0006】
特許文献2には、複数の音色を発音可能として、加速度センサに加えて地磁気センサを備え、地磁気センサのセンサ値によって、スティック状の部材が向けられる方向を検知し、検知された方向にしたがって、複数の音色のうち、何れかを発音する装置が提案されている。
【0007】
本発明は、単一のセンサにより、所望のタイミングで楽音を発生させるとともに、楽音構成要素を演奏者が所望のように変化させることができる演奏装置および電子楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、演奏者が手で保持するための長手方向に延びる保持部材と、
前記保持部材内に配置された3軸方向の加速度センサ値を取得可能な加速度センサと、
所定の楽音を発音する楽音発生手段に対して発音の指示を与える制御手段と、を備え、
前記制御手段が、前記加速度センサ値に基づき取得した発音タイミングにて前記楽音発生手段に対して発音の指示を与える発音指示手段と、
所定のタイミングでの前記加速度センサ値に基づいて、保持部材における、前記加速度センサの3軸のうち所定の軸まわりの回転により生じた角度を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段により算出された角度に基づき、前記発音すべき楽音における楽音構成要素を決定する楽音構成要素決定手段と、を備えたことを特徴とする演奏装置により達成される。
【0009】
好ましい実施態様においては、前記角度算出手段が、前記加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、前記保持部材の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける角度を算出する。
【0010】
別の好ましい実施態様においては、前記角度算出手段が、前記加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、前記保持部材の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける角度を算出する。
【0011】
さらに別の好ましい実施態様においては、前記角度算出手段が、前記加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、前記保持部材の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける第1の角度を算出し、かつ、前記加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、前記保持部材の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける第2の角度を算出し、前記第1の角度と第2の角度の変位を算出し、
前記楽音構成要素決定手段が、前記角度の変位に基づき、前記楽音構成要素を決定する。
【0012】
好ましい実施態様においては、前記角度が、前記保持部材の長手方向の軸まわりの回転により生じるロール角である。
【0013】
別の好ましい実施態様においては、前記角度が、前記長手方向の軸と直交する左右軸まわりの回転により生じるピッチ角である。
【0014】
また、好ましい実施態様においては、前記楽音構成要素決定手段が、前記角度に基づき、発生すべき楽音の音色を決定する。
【0015】
より好ましい実施態様においては、前記楽音構成要素決定手段が、記憶手段に格納された前記角度についての値の範囲と、発音すべき楽音の音色とを対応付けた音色テーブルを参照して、前記発生すべき楽音の音色を決定する。
【0016】
また、本発明の目的は、上記演奏装置と、
前記楽音発生手段を備えた楽器部と、を備え、
前記演奏装置と、前記楽器部とが、それぞれ、通信手段を備えたことを特徴とする電子楽器により達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、単一のセンサにより、所望のタイミングで楽音を発生させるとともに、楽音構成要素を演奏者が所望のように変化させることができる演奏装置および電子楽器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子楽器の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】図3は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の外観を示す図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかる演奏装置本体において実行される処理の例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかる楽器部において実行される処理の例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、演奏装置本体の加速度センサにより検出された加速度センサ値の合成値である合成センサ値の例を模式的に示したグラフである。
【図9】図9(a)は、ロール角と音色との対応付けを概略的に示す図、図9(b)は、ロール角の範囲と音色とを対応付けた音色テーブルの例を示す図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第3の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3の実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、第4の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第4の実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子楽器の構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、本実施の形態にかかる電子楽器10は、演奏者が手に持って振るための、長手方向に延びるスティック状の演奏装置本体11を有している。また、電子楽器10は、楽音を発生するための楽器部19を備え、楽器部19は、CPU12、インタフェース(I/F)13、ROM14、RAM15、表示部16、入力部17およびサウンドシステム18を有する。演奏装置本体11は、後述するように、演奏者が保持する根元側と反対側である先端側の付近に加速度センサ23を有する。
【0020】
楽器部19のI/F13は、演奏装置本体11からのデータ(たとえばノートオンイベント)を受け入れて、RAM15に格納するとともに、CPU12にデータの受け入れを通知する。本実施の形態においては、たとえば、演奏装置本体11の根元側端部に赤外線通信装置24が設けられ、I/F13にも赤外線通信装置33が設けられている。したがって、楽器部19は、演奏装置本体11の赤外線通信装置24が発した赤外線を、I/F13の赤外線通信装置33が受信することで、演奏装置本体11からのデータを受信することができる。
【0021】
CPU12は、電子楽器10全体の制御、特に、電子楽器の楽器部19の制御、入力部17を構成するキースイッチ(図示せず)の操作の検出、I/F13を介して受信したノートオンイベントに基づく楽音の発生など、種々の処理を実行する。
【0022】
ROM14は、電子楽器10全体の制御、特に、電子楽器の楽器部19の制御、入力部17を構成するキースイッチ(図示せず)の操作の検出、I/F13を介して受信したノートオンイベントに基づく楽音の発生など、種々の処理プログラムを格納する。また、ROM14は、種々の音色の波形データ、たとえば、フルート、サックス、トランペットなどの管楽器、ピアノなどの鍵盤楽器、ギターなどの弦楽器、バスドラム、ハイハット、スネア、シンバル、タムなど打楽器の波形データを格納する波形データエリアを含む。
【0023】
RAM15は、ROM14から読み出されたプログラムや、処理の過程で生じたデータやパラメータを記憶する。処理の過程で生じたデータには、入力部17のスイッチの操作状態、I/F13を介して受信したセンサ値等、楽音の発音状態(発音フラグ)などが含まれる。
【0024】
表示部16は、たとえば、液晶表示装置(図示せず)を有し、選択された音色や後述する角度範囲と楽音の音色とを対応付けた音色テーブルの内容などを表示することができる。また、入力部17は、スイッチ(図示せず)を有する。
【0025】
サウンドシステム18は、音源部31、オーディオ回路32およびスピーカ35を備える。音源部31は、CPU12からの指示にしたがって、ROM15の波形データエリアから波形データを読み出して、楽音データを生成して出力する。オーディオ回路32は、音源部31から出力された楽音データをアナログ信号に変換し、変換されたアナログ信号を増幅してスピーカ35に出力する。これによりスピーカ35から楽音が出力される。
【0026】
図2は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の構成を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、演奏装置本体11は、演奏者が保持する根元側と反対側である先端側に、加速度センサ23を有する。加速度センサ23は、たとえば、静電容量型或いはピエゾ抵抗素子型の3軸センサであり、後述するX、Y、Zの3つの軸方向のそれぞれに生じた加速度を示す加速度センサ値を出力することができる。
【0027】
演奏者が実際にドラムを演奏するときには、スティックの一端(根元側)を手に持って、スティックに手首などを中心とした回転運動を生じさせる。図3は、本実施の形態にかかる演奏装置本体の外観を示す図である。図3において、Y軸は、演奏装置本体11の長手方向の軸と一致する軸である。X軸は、加速度センサ22が配置された基板(図示せず)と平行で、かつ、Y軸と直交する軸である。また、Z軸は、X軸およびY軸と直交する軸である。本実施の形態にかかる加速度センサ11は、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの成分の加速度センサ値を取得することができる。また、CPU21は、X軸、Y軸、Z軸の成分の加速度センサ値を合成したセンサ合成値を算出することができる。また、演奏装置本体11が静止しているときには、X軸、Y軸、Z軸の成分の加速度センサ値を合成したセンサ合成値は、重力加速度1Gに相当する値となる。その一方、演奏者が、演奏装置本体11を手に持って振ることにより、センサ合成値は、重力加速度1Gに相当する値より大きくなる。
【0028】
図3において、Y軸方向の回転角(符号301参照)は、演奏者が演奏装置本体11を持ったとき、演奏者からみた前後軸の回転角であるため、ロール角と称する。ロール角は、X−Y平面が、どの程度X軸に対して傾けられたかを示す角度(符号302参照)に対応する。このロール角は、演奏者が、演奏装置本体11のたとえば根元側(符号300参照)を手に持って、手首を軸にして左右に回転させることにより生じ得る。
【0029】
また、図3において、X軸方向の回転角(符号311参照)は、演奏者が演奏装置本体11を持ったときに、演奏者からみた左右軸の回転角であるため、ピッチ角と称する。ピッチ角は、X−Y平面が、どの程度Y軸に対して傾けられたかを示す角度(符号312参照)に対応する。ピッチ角は、演奏者が、演奏装置本体11のたとえば根元側(符号300参照)を手に持って、上下方向に振ることにより生じ得る。
【0030】
また、図2に示すように、演奏装置本体11は、CPU21、赤外線通信装置24、ROM25、RAM26、インタフェース(I/F)27および入力部28を有する。CPU21は、演奏装置本体11における加速度センサ値の取得、加速度センサ値にしたがった楽音の発音タイミングの検出、加速度センサ値にしたがった音色の決定、ノートオンイベントの生成、I/F27および赤外線通信装置24を介したノートオンイベントの送信制御などの処理を実行する。
【0031】
ROM25には、演奏装置本体11における加速度センサ値の取得、加速度センサ値にしたがった楽音の発音タイミングの検出、加速度センサ値にしたがった音色の決定、ノートオンイベントの生成、I/F27および赤外線通信装置24を介したノートオンイベントの送信制御などの処理プログラムが格納される。RAM26には、加速度センサ値等、処理において取得され或いは生成された値や後述するテーブルが格納される。I/F27は、CPU21からの指示にしたがって赤外線通信装置24にデータを出力する。また、入力部28は、スイッチ(図示せず)を有する。
【0032】
図4は、本実施の形態にかかる演奏装置本体において実行される処理の例を示すフローチャートである。図4に示すように、演奏装置本体11のCPU21は、RAM26のデータや加速度フラグのクリアなどを含むイニシャライズ処理を実行する(ステップ401)。
【0033】
イニシャライズ処理(ステップ401)が終了すると、CPU21は、加速度センサ23のセンサ値(加速度センサ値)を取得して、RAM26に格納する(ステップ402)。上述したように、本実施の形態においては、加速度センサ23は、3軸センサであり、X軸、Y軸、Z軸の成分の加速度センサ値が取得され、RAM26に格納される。
【0034】
次いで、CPU21は、発音タイミング検出処理を実行する(ステップ403)。図5は、本実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。図5に示すように、CPU21は、RAM26に格納された加速度センサ値を読み出す(ステップ501)。CPU21は、読み出されたX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの成分の加速度センサ値に基づき、センサ合成値を算出する(ステップ502)。センサ合成値は、たとえば、それぞれの加速度センサ値の二乗の総和の平方根を算出することにより得られる。
【0035】
CPU21は、RAM26に格納された加速度フラグが「0」であるかを判断する(ステップ503)。ステップ503でYesと判断された場合には、CPU21は、センサ合成値が(1+a)Gに相当する値より大きいかを判断する(ステップ504)。ここで、aは、微小な正の数である。たとえば、aを「0.05」とすれば、センサ合成値が、1.05Gに相当する値より大きいかを判断することになる。ステップ503でYesであることは、演奏者により、演奏装置本体11が振られて、センサ合成値が重力加速度1Gより大きくなったことを示している。この値aは、上記数値に限定されることはない。また、a=0として、ステップ504において、センサ合成値が1Gに相当する値より大きいかを判断しても良い。
【0036】
ステップ504でYesと判断された場合には、CPU21は、加速度センサ値に基づくロール角を算出する(ステップ505)。算出されたロール角は、RAM26に格納される。ロール角の算出時における、X軸、Y軸、Z軸の成分の加速度センサ値(x、y、z)は、実質的に(0,0,1G)と考えることができる。ロール角およびピッチ角は、上記加速度センサ値を用いた周知の行列演算により算出することができる。
【0037】
その後、CPU21は、RAM26中の加速度フラグを「1」にセットする(ステップ506)。ステップ504でNoと判断された場合には、発音タイミング検出処理を終了する。
【0038】
ステップ503でYesと判断された場合、つまり、発音フラグが「1」である場合には、CPU21は、センサ合成値が(1+a)Gに相当する値より小さいかを判断する(ステップ507)。ステップ507でNoと判断された場合には、CPU21は、ステップ502で算出されたセンサ合成値が、RAM26に格納されているセンサ合成値の最大値より大きいかを判断する(ステップ508)。ステップ508でYesと判断された場合には、CPU21は、算出されたセンサ合成値を、新たな最大値として、RAM26に格納する(ステップ509)。ステップ508でNoと判断された場合には、発音タイミング検出処理を終了する。
【0039】
ステップ507でYesと判断された場合には、CPU21は、ノートオンイベント生成処理を実行する(ステップ510)。
【0040】
図6は、本実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。図6に示すノートオンイベント生成処理により、ノートオンイベントが楽器部19に送信され、その後、楽器部19において発音処理(図7参照)が実行されることにより、楽音データが生成され、スピーカ35から楽音が発音される。
【0041】
ノートオンイベント生成処理に先立って、本実施の形態にかかる電子楽器10における発音タイミングについて説明する。図8は、演奏装置本体の加速度センサにより検出された加速度センサ値の合成値である合成センサ値の例を模式的に示したグラフである。図8のグラフ800に示すように、演奏者が演奏装置本体11を静止させた状態では、合成センサ値は1Gに相当する値である。演奏者が演奏装置本体11を振ることにより、合成センサ値は上昇し、演奏者が演奏装置本体11を振り終わって再度静止させることにより、合成センサ値は再度1Gに相当する値となる。
【0042】
本実施の形態では、合成センサ値が(1+a)G(aは微小な正の値)に相当する値より大きくなったタイミングtで、加速度センサ値に基づくロール角が算出される(図5のステップ505参照)。すなわち、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後の、演奏者の手首の回転により生じた角が得られる。また、合成センサセンサ値が(1+a)G(aは微小な正の値)に相当する値より大きくなったタイミングtで、以下に述べるノートオンイベント処理が実行され、楽音が発音されることになる。図6に示すように、ノートオンイベント生成処理においては、CPU21は、RAM26に格納されたセンサ合成値の最大値を参照して、当該最大値に基づく楽音の音量レベル(ベロシティ)を決定する(ステップ601)。
【0043】
センサ合成値の最大値をAmax、音量レベル(ベロシティ)の最大値をVmaxとすると、音量レベルVelは、たとえば、以下のように求めることができる。
Vel=a・Amax
(ただし、a・Amax>Vmaxであれば、Vel=Vmax、また、aは所定の正の係数)
【0044】
次いで、CPU21は、ロール角に基づき、発音すべき楽音の音色を決定する(ステップ602)。図9(a)は、ロール角と音色との対応付けを概略的に示す図、図9(b)は、ロール角の範囲と音色とを対応付けた音色テーブルの例を示す図である。図9(a)に示すように、本実施の形態においては、ロール角φの範囲によって、4つの音色の何れかを選択できるようになっている。図9(a)において、ロール角φは、X−Y平面がY軸中心に傾けられたときの、X軸とY軸とによる基準面からの角度の変位として示されている。
【0045】
本実施の形態においては、図9(b)に示すようにロール角φの範囲と音色とを対応付けた音色テーブル(符号900参照)をRAM26に格納している。CPU21は、音色テーブル900を参照して、得られたロール角の属する範囲に対応付けられた音色を取得すれば良い。
【0046】
その後、CPU21は、音量レベル(ベロシティ)、音色および所定の音高を示す情報を含むノートオンイベントを生成する(ステップ603)。音高については、所定の固定値を用いれば良い。CPU21は、生成されたノートオンイベントをI/F27に出力する(ステップ604)。I/F27は、赤外線通信装置24にノートオンイベントを赤外線信号として送信させる。赤外線通信装置24からの赤外線信号は楽器部19の赤外線通信装置33に受信される。その後、CPU21は、RAM26中の加速度フラグを「0」にリセットする(ステップ605)。
【0047】
発音タイミング検出処理(ステップ403)が終了すると、CPU21は、パラメータ通信処理を実行する(ステップ404)。パラメータ通信処理(ステップ404)については、後述する楽器部19におけるパラメータ通信処理(図7のステップ705)とともに説明する。
【0048】
次に、本実施の形態にかかる楽器部において実行される処理について説明する。図7は、本実施の形態にかかる楽器部において実行される処理の例を示すフローチャートである。楽器部19のCPU12は、RAM15のデータのクリア、表示部16の画面に表示された画像のクリア、音源部31のクリアなどを含むイニシャライズ処理を実行する(ステップ701)。次いで、CPU12は、スイッチ処理を実行する(ステップ702)。スイッチ処理においては、たとえば、入力部17のスイッチ操作にしたがって、RAM15中の、それぞれがロール角φの範囲と音色とを対応付けた複数の音色テーブルから所望の音色テーブルを特定する。
【0049】
さらに、本実施の形態においては、上記ロール角φの範囲と音色とを対応付けた音色テーブルを編集できるように構成しても良い。たとえば、CPU12は、テーブルの内容を表示部16の画面上に、音色テーブルの内容を表示し、演奏者が、スイッチやテンキーを操作して、ロール角φの範囲および音色を変更する。値が変更された音色テーブルは、RAM15に格納される。
【0050】
次いで、CPU12は、I/F13が、ノートオンイベントを新たに受信しているかを判断する(ステップ703)。ステップ703でYesと判断された場合には、CPU12は発音処理を実行する(ステップ704)。発音処理においては、CPU12は、受信したノートオンイベントを音源部31に出力する。音源部31は、ノートオンイベントに示される音色にしたがってROMの波形データを読み出す。波形データ読み出しの際の速度はノートオンイベントに含まれる音高に従う。また、音源部31は、読み出された波形データに、ノートオンイベントに含まれる音量データ(ベロシティ)にしたがった係数を乗算して、所定の音量レベルの楽音データを生成する。生成された楽音データはオーディオ回路32に出力され、最終的に、所定の楽音がスピーカ35から発生される。
【0051】
発音処理(ステップ704)の後、CPU12は、パラメータ通信処理を実行する(ステップ705)。パラメータ通信処理においては、CPU12の指示によって、たとえば、スイッチ処理(ステップ702)で選択された音色テーブルのデータが、I/F13を介して赤外線通信装置33から、演奏装置本体11に送信される。また、演奏装置本体11において、赤外線通信装置24が、データを受信すると、CPU21は、I/F27を介してデータを受け入れ、RAM26に格納する(図4のステップ404)。
【0052】
パラメータ通信処理(ステップ705)が終了すると、CPU12は、その他の処理、たとえば、表示部16の画面上に表示される画像の更新などを実行する(ステップ706)。
【0053】
本実施の形態においては、加速度センサ22の加速度センサ値に基づいて楽音を発生すべきタイミングが決定される。また、所定のタイミングでの前記加速度センサ値に基づいて、演奏装置本体11における、加速度センサの3軸のうち所定の軸(たとえば、長手方向の軸)まわりの回転により生じた角度が算出される。CPU21は、算出された角度に基づいて、発音すべき楽音における楽音構成要素(たとえば音色)を決定する。したがって、加速度センサのみを使用して、演奏者の所望の発音タイミングで、所望の楽音構成要素での楽音を発生することが可能となる。
【0054】
また、本実施の形態においては、加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、演奏装置本体11の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける角度が算出される。すなわち、演奏者による演奏装置本体11の振り始めでの角度により楽音構成要素を決定することができる。
【0055】
本実施の形態においては、加速度センサ値に基づいて、演奏装置本体11の長手方向の軸まわりの回転により生じるロール角が算出される。これにより、演奏者の手首を軸にした回転により、音色などの楽音構成要素を変更することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態においては、楽音構成要素として音色が、算出された角度(ロール角)に基づき決定される。したがって、単一のセンサ(加速度センサ)から得られた値に基づいて発音タイミングおよび音色を決定することが可能となる。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、RAM26に、角度の値の範囲と、発音すべき楽音の音色とを対応付けた音色テーブルを格納している。CPU21は、複雑な演算をすることなく、音色テーブルを参照して、算出された角度が属する値の範囲と対応付けられた音色を取得することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後の、演奏者の手首の回転により生じた回転によるロール角φを取得しているが、第2の実施の形態においては、演奏装置本体11が振り終わった時点での、演奏者の手首の回転により生じた回転によるロール角φを取得している。図10は、第2の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。図10において、ステップ1001〜1004は、それぞれ、図5のステップ501〜504と同様である。第2の実施の形態においては、ステップ1004でYesと判断された場合には、CPU21は、RAM26中の加速度フラグを「1」にセットして(ステップ1005)、発音タイミング検出処理を終了する。
【0059】
また、ステップ1003でNoのときに実行されるステップ1006、ステップ1006でNoのときに実行されるステップ1007およびステップ1008は、それぞれ、図5のステップ507、508、509と同様である。ステップ1006においてYesと判断された場合、つまり、センサ合成値が(1+a)Gに相当する値より小さい場合には、CPU21は、加速度センサ値に基づくロール角を算出する(ステップ1009)。算出されたロール角はRAM26に格納される。ステップ1009は、図5のステップ505と同様である。その後、CPU21は、ノートオンイベント生成処理を実行する(ステップ1010)。
【0060】
ノートオンイベント生成処理は、第1の実施の形態と同様(図6参照)である。第2の実施の形態においては、ステップ602において、ステップ1009で算出されたロール角、つまり、演奏装置本体11が振り終わったときのロール角に基づいて音色が決定される。
【0061】
第2の実施の形態においては、加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、演奏装置本体11の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける角度が算出される。すなわち、演奏者による演奏装置本体11の振り終わりでの角度により楽音構成要素を決定することができる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後のロール角(第1のロール角)と、演奏装置本体11が振り終わった時点でのロール角(第2のロール角)の変位(差分値)に基づいて、音色が決定される。
【0063】
図11は、第3の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。図11においてステップ1101〜ステップ1104は、それぞれ、図5のステップ501〜504と同様である。ステップ1104でYesと判断された場合、CPU21は、加速度センサ値に基づく第1のロール角を算出する(ステップ1105)。算出された第1のロール角はRAM26に格納される。その後、CPU21は、RAM26中の加速度フラグを「1」にセットする(ステップ1106)。
【0064】
ステップ1103でNoと判断された場合に実行されるステップ1107、ステップ1107でNoと判断された場合に実行されるステップ1108、1109は、それぞれ、図5のステップ507〜509と同様である。ステップ1107でYesと判断された場合、つまり、センサ合成値が(1+a)Gに相当する値より小さい場合には、CPU21は、加速度センサ値に基づく第2のロール角を算出する(ステップ1110)。算出された第2のロール角はRAM26に格納される。その後、CPU21は、ノートオンイベント生成処理を実行する(ステップ1111)。
【0065】
図12は、第3の実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。図12のステップ1201は、図6のステップ601と同様である。CPU21は、第1のロール角と第2のロール角との変位(差分値)Δφを算出する(ステップ1202)。たとえば、Δφ=第2のロール角−第1のロール角として算出すれば良い。 次いで、CPU21は、変位(差分値)Δφに基づき、発音すべき楽音の音色を決定する(ステップ1203)。第1の実施の形態と同様に、RAM26は、変位(差分値)Δφの範囲と、音色とを対応付けた音色テーブルを格納し、CPU21は、音色テーブルを参照することにより、音色を決定すれば良い。
【0066】
また、図12において、ステップ1204〜ステップ1206は、それぞれ、図6のステップ603〜605と同様である。
【0067】
第3の実施の形態においては、加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、演奏装置本体11の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける第1の角度が算出され、かつ、加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、演奏装置本体11の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける第2の角度が算出され、第1の角度と第2の角度の変位が算出される。この算出された角度の変位に基づき、楽音構成要素が決定される。したがって、第3の実施の形態によれば、演奏者による演奏装置本体11の振り始めから振り終わりまでの、演奏装置本体11の捻りや上下の移動により楽音構成要素を決定することができる。
【0068】
次に、本実施の形態の第4の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、第1の実施の形態では、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後の、演奏者の手首の回転により生じた回転によるロール角φを取得しているが、第4の実施の形態においては、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後の、演奏者の手首の上下運動により生じたピッチ角σを取得している。
【0069】
図13は、第4の実施の形態にかかる発音タイミング検出処理の例を示すフローチャートである。図13において、ステップ1301〜1304、および、ステップ1306〜1309は、それぞれ、図5のステップ501〜504、および、ステップ506〜509と同様である。ステップ1304でYesと判断された場合には、CPU21は、加速度センサ値に基づくピッチ角を算出する(ステップ1305)。算出されたピッチ角は、RAM26に格納される。また、ステップ1307でYesと判断された場合には、CPU21は、ノートオンイベント生成処理を実行する(ステップ1310)。
【0070】
図14は、第4の実施の形態にかかるノートオンイベント生成処理の例を示すフローチャートである。図14において、ステップ1401、1403〜1405は、それぞれ、図6のステップ601、603〜605と同様である。ステップ1402において、CPU21は、ピッチ角に基づき、発音すべき楽音の音色を決定する。第1の実施の形態と同様に、第3の実施の形態においても、ピッチ角σの範囲と音色とを対応付けた音色テーブルをRAM26に格納している。CPU21は、音色テーブルを参照して、ピッチ角σの属する範囲に対応付けられた音色を取得すれば良い。
【0071】
第4の実施の形態においては、加速度センサ値に基づいて、演奏装置本体11の長手方向の軸と直交する左右軸まわりの回転により生じるピッチが算出される。これにより、演奏者の手首の上下により、音色などの楽音構成要素を変更することが可能となる。
【0072】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0073】
たとえば、前記実施の形態においては、ロール角、ピッチ角、或いは、角度の変位(差分値)に基づき、発音すべき楽音の音色、特に、自然楽器の楽器の名称を変更させていた。しかしながら、これに限定されず、ロール角、ピッチ角、或いは、角度の変位(差分値)に基づき、他の楽音構成要素を変更しても良い。たとえば、音色の他の態様として、同種の自然楽器(たとえばピアノ)の楽音において、異なる複数の残響時間、ビブラートの時間や深さなど、異なる複数の音響効果を設定しておき、ロール角、ピッチ角、或いは、角度の変位(差分値)に基づき何れかの音響効果を選択するように構成しても良い。
【0074】
また、前記実施の形態においては、演奏装置本体11のCPU21は、演奏者が演奏装置本体11を振ることによる加速度センサ値を検出して、加速度センサ値に基づき発音タイミングを検出する。さらに、演奏装置本体11のCPU21は、所定のタイミング(たとえば、演奏装置本体11が振られた直後)でのロール角或いはピッチ角を検出し、検出されたロール角或いはピッチ角に基づいて発音すべき楽音の音色を決定している。その後、演奏装置本体11のCPU21は、上記発音タイミングで、音量レベル、および音色などを含むノートオンイベントを生成して、I/F27および赤外線通信装置24を介して楽器部19に送信している。その一方、楽器部19においては、ノートオンイベントを受信すると、CPU12が、受信したノートオンイベントを音源部31に出力して楽音を発生させている。上記構成は、楽器部19が、MIDIボードなどが取り付けられたパーソナルコンピュータやゲーム機など、楽音生成の専用機ではないときに好適である。
【0075】
しかしながら、演奏装置本体11における処理、および、楽器部19における処理の分担は、上記実施の形態のものに限定されない。たとえば、演奏装置本体11においては、加速度センサ値、ロール角、ピッチ角を取得して、楽器部19に送信するように構成しても良い。この場合には、発音タイミング検出処理(たとえば図5)やノートオンイベント生成処理(たとえば図6)は、楽器部19において実行される。上述した構成は、楽器部19が、楽音生成の専用機である電子楽器について好適である。
【0076】
また、前記実施の形態においては、演奏装置本体11と楽器部19との間は、赤外線通信装置24、33を用いて赤外線信号にてデータが通信されているが、これに限定されるものではない。たとえば、打楽器本体11と楽器部19とは他の無線通信でデータ通信してもよいし、ワイヤケーブルによって有線でデータ通信するように構成しても良い。
【0077】
また、前記実施の形態においては、音量レベルが、加速度センサのセンサ合成値の最大値に基づき決定されているが、これに限定されるものではない。たとえば、音量レベルは固定値としても良い。
【0078】
さらに、第4の実施の形態においては、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後の、演奏者の手首の上下運動により生じたピッチ角σを取得している。しかしながら、これに限定されるものではなく、以下のタイミングにおけるピッチ角、或いは、ピッチ角の変位を用いても良い。
【0079】
たとえば、第4の実施の形態に対する変形例の関係は、第1の実施の形態に対する第2の実施の形態の関係と同様である。すなわち、この変形例では、演奏装置本体11が振り終わった時点での、演奏者の手首の上下運動により生じたピッチ角σを取得し、このピッチ角σにより音色が決定されている。この変形例における発音タイミング検出処理では、図10のステップ1009において、CPU21は、ロール角の代わりにピッチ角を算出すれば良い。
【0080】
また、第4の実施の形態に対する他の変形例の関係は、第1の実施の形態に対する第3の実施の形態の関係と同様である。すなわち、他の変形例では、演奏者により演奏装置本体11が振り始められた直後のピッチ角(第1のピッチ角)と、演奏装置本体11が振り終わった時点でのピッチ角(第2のピッチ角)の変位(差分値)に基づいて、音色が決定される。他の変形例における発音タイミング検出処理では、図11のステップ1105において、CPU21は、加速度センサ値に基づき第1のピッチ角を算出する。また、図11のステップ1110において、CPU21は、加速度センサ値に基づき第2のピッチ角を算出する。また、他の変形例にけるノートオンイベント生成処理では、図11のステップ1202において、CPU21は第1のピッチ角と第2のピッチ角との差分値Δσを算出し、ステップ1203において、CPU21は差分値Δσに基づき音色を決定する。
【符号の説明】
【0081】
10 電子楽器
11 演奏装置本体
12 CPU
13 I/F
14 ROM
15 RAM
16 表示部
17 入力部
18 サウンドシステム
19 楽器部
21 CPU
23 加速度センサ
24 赤外線通信装置
25 ROM
26 RAM
27 I/F
31 音源部
32 オーディオ回路
33 赤外線通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏者が手で保持するための長手方向に延びる保持部材と、
前記保持部材内に配置された3軸方向の加速度センサ値を取得可能な加速度センサと、
所定の楽音を発音する楽音発生手段に対して発音の指示を与える制御手段と、を備え、
前記制御手段が、前記加速度センサ値に基づき取得した発音タイミングにて前記楽音発生手段に対して発音の指示を与える発音指示手段と、
所定のタイミングでの前記加速度センサ値に基づいて、保持部材における、前記加速度センサの3軸のうち所定の軸まわりの回転により生じた角度を算出する角度算出手段と、
前記角度算出手段により算出された角度に基づき、前記発音すべき楽音における楽音構成要素を決定する楽音構成要素決定手段と、を備えたことを特徴とする演奏装置。
【請求項2】
前記角度算出手段が、前記加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、前記保持部材の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
【請求項3】
前記角度算出手段が、前記加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、前記保持部材の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける角度を算出することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
【請求項4】
前記角度算出手段が、前記加速度センサ値が増大して所定値より大きくなったときに、前記保持部材の動作が開始されたと判断して、そのタイミングにおける第1の角度を算出し、かつ、前記加速度センサ値がいったん増大した後に減少して所定値より小さくなったときに、前記保持部材の動作が停止したと判断して、そのタイミングにおける第2の角度を算出し、前記第1の角度と第2の角度の変位を算出し、
前記楽音構成要素決定手段が、前記角度の変位に基づき、前記楽音構成要素を決定することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
【請求項5】
前記角度が、前記保持部材の長手方向の軸まわりの回転により生じるロール角であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の演奏装置。
【請求項6】
前記角度が、前記長手方向の軸と直交する左右軸まわりの回転により生じるピッチ角であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の演奏装置。
【請求項7】
前記楽音構成要素決定手段が、前記角度に基づき、発生すべき楽音の音色を決定することを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の演奏装置。
【請求項8】
前記楽音構成要素決定手段が、記憶手段に格納された前記角度についての値の範囲と、発音すべき楽音の音色とを対応付けた音色テーブルを参照して、前記発生すべき楽音の音色を決定することを特徴とする請求項7に記載の演奏装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の演奏装置と、
前記楽音発生手段を備えた楽器部と、を備え、
前記演奏装置と、前記楽器部とが、それぞれ、通信手段を備えたことを特徴とする電子楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−2919(P2012−2919A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136063(P2010−136063)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】