説明

潜像パターン付きPTP包材

【課題】本発明は、真贋判定が容易で安価な偽造防止機能を備えた潜像パターン付きPTP包材を提供することを目的とするものである。
【解決手段】少なくとも、アルミニウム箔(1b)からなる蓋材(1)上に微細なエンボス加工により形成される線部(7a)と非線部(7b)の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線(7)を平行に配置した万線パターン(3)が形成され、該万線パターン(3)領域内に該万線パターン(3)に対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターン(3a)を備えていることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に錠剤の包装形態として知られるPTP(Press Through Pack)包装材料(以下、包材と記す)のアルミニウム蓋材(例:印刷/アルミニウム箔/ラッカー)に偽造防止機能を備えた潜像パターン付きPTP包材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、証券類などの印刷物、或いは板紙やプラスチックフィルムを主体とする印刷された包材に偽造防止機能を付与することが強く求められている。このような印刷物の場合は、偽造防止対策の一つとして、例えば、透明フィルムに微細な多数の平行線状の万線パターンを備えた万線シートを使用することにより画像を観察できる方法がある。
【0003】
この印刷物は、万線シートを印刷物上に重ね合わせると、潜像パターンが浮かび上がるという「万線モアレ」を応用した印刷物である。しかしながら、該印刷物は、比較的単純なパターンであるため、偽造防止対策などとしての効果は低いものであった。そこでこのような問題点を改良した方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2001−213042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの方法も基本的には、オフセット印刷やグラビア印刷などを用いた公知の印刷方式であるので偽造防止対策としては、完全なものではなかった。また、従来のPTP(Press Through Pack)包材のアルミニウムをベースとした蓋材(例:印刷/アルミニウム箔/ラッカー)には、偽造防止機能として利用できる隠された画像、文字などの潜像パターンを形成することや読み取るような機能は存在しなかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、真贋判定が容易で安価な偽造防止機能を備えた潜像パターン付きPTP包材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、アルミニウム箔(1b)からなる蓋材(1)上に微細なエンボス加工により形成される線部(7a)と非線部(7b)の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線(7)を平行に配置した万線パターン(3)が形成され、該万線パターン(3)領域内に該万線パターン(3)に対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターン(3a)を備えていることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0008】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)上に該万線パターン(3)と同じ万線比率と同じ万線ピッチの顕像化用万線パターン(5)が透明基材(6)上に形成された顕像化万線シート(B)を平行に重ね合せた際に、該万線パターン(3)領域内に形成された潜像万線パターン(3a)が顕像化されることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)領域が、蓋材(1)上の略全領域に亘って又は1乃至数箇所に区分されて形成されていることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0010】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記潜像万線パターン(3a)が、前記万線パターン(3)領域内の異なる箇所に複数形成されていることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0011】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)の形状が直線状、波線状、曲線状、又はこれらの組合せによる線条であることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0012】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)の形状が角ドット状、丸ドット状、網ドット状、格子ドット状、又はこれらの組合せによるドット状であることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0013】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)及び潜像万線パターン(3a)が、PTP包装機内の蓋材(1)を底材(2)に圧着させる圧ロール(8)で形成されることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【0014】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材において、前記万線パターン(3)及び潜像万線パターン(3a)が、PTP包装機内の蓋材(1)を底材(2)に圧着させる平板(10)で形成されることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る潜像パターン付きPTP包材は、少なくとも、アルミニウム箔からなる蓋材上に微細なエンボス加工により形成される線部と非線部の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線を平行に配置した万線パターンが形成され、該万線パターン領域内に該万線パターンに対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターンを備えていることにより、真贋判定が容易で安価な偽造防止機能を備えた潜像パターン付きPTP包材を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)の1実施例を示す平面図であり、図3は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)における万線パターン(3)による潜像画像のK部分拡大平面図であり、図4は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)上に重ね合わせて顕像化するための顕像化万線シート(B)の平面図であり、図5は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)における万線パターン(3)のL部分拡大平面図であり、図6は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)上に顕像化万線シート(B)を重ね合わせて顕像化した顕像画像(C)の平面図であり、図7は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)の製造方法の1実施例を示す側断面図であり、図8は本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)の製造方法のその他の実施例
を示す側断面図である。
【0018】
本発明に係る1実施例を示す潜像パターン付きPTP包材(A)は、図1に示すように、少なくとも、アルミニウム箔(1b)からなる蓋材(1)上に微細なエンボス加工により形成される線部(7a)と非線部(7b)の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線(7)を平行に配置した万線パターン(3)が形成され、該万線パターン(3)領域内に該万線パターン(3)に対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターン(3a)を備えている構成である。
【0019】
図2に示す万線パターン(3)には、潜像万線パターン(3a)(例えば、図示するように六角形パターン部分)を備え、この万線パターン(3)における潜像万線パターン(3a)は、図3のK部分拡大図に示すように、潜像万線パターン(3a)の内側領域と外側領域のそれぞれ平行直線(万線)のピッチ位相を両領域の境界相当部分(潜像万線パターン(3a)の輪郭線)に沿って半ピッチ分ずらすことにより形成されており、図中、潜像万線パターン(3a)である六角形の図形の輪郭に沿って、万線位相ずれ部(3b)が形成されている。
【0020】
すなわち、アルミニウム箔(1b)からなる蓋材(1)上に微細なエンボス加工により形成される線部(7a)と非線部(7b)の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線(7)を平行に配置した万線パターン(3)が形成され、該万線パターン(3)領域内に該万線パターン(3)に対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターン(3a)を備えている構成である。
【0021】
前記万線パターン(3)を構成する平行直線(万線)(7)は、微細なエンボス加工により形成される非常に細い微細な線幅となっている。また、この万線パターン(3)の内側領域に形成されている潜像万線パターン(3a)の万線(7)は、その外側領域の万線(7)に対してピッチ位相がずれているだけであり、しかも万線(7)は微細であるので、潜像万線パターン(3a)は、視覚的には(見かけ上は)、画像としては何も目視観察されず、蓋材(1)上に両端に文字や絵柄などの画像が印刷された通常印刷画像(1a)と万線パターン(3)だけが観察される。尚、万線パターン(3)の万線幅は非常に微細な線幅などで構成されているので通常印刷画像(1a)の印刷デザインには支障を及ぼさないので万線パターン(3)内に通常印刷画像(1a)を下絵として用いても構わない。
【0022】
次に、図4に示すように、前記万線パターン(3)と同じ万線比率と同じ万線ピッチの顕像化用万線パターン(5)を透明基材(6)に形成した顕像化万線シート(B)を作製する。該顕像化万線シート(B)は、図5のL部分拡大図に示すように、透明基材(6)上にオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷などの公知の印刷方式、或いは箔押し、コーティング、インクジェット方式などにより形成される線部(7a)と非線部(7b)の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線(7)を平行に配置した構成からなっている。
【0023】
前記透明基材(6)は、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリスチレン樹脂(PS)などの熱可塑性樹脂からなる透明なプラスチックフィルムまたはシート、さらにガラスなどが用いられる。
【0024】
このようにして得られた顕像化万線シート(B)を前記蓋材(1)上の万線パターン(3)上に平行に重ね合せると、該万線パターン(3)領域内に形成された潜像万線パターン(3a)の内側領域と外側領域のそれぞれ万線は半ピッチ分ずれているために、顕像化用万線パターン(5)の万線と、該蓋材(1)上に形成されている万線パターン(3)の
潜像万線パターン(3a)の内側領域と外側領域の半ピッチ分ずれているそれぞれの万線とに、互いに重なり合う(万線パターン(3)の万線が隠れる)部分と、重なり合わない(万線パターン(3)の万線が隠れない)部分が発生する。
【0025】
その結果、例えば、顕像化用万線パターン(5)の万線と重なり合わない万線パターン(3)の万線が、潜像万線パターン(3a)(例えば、図示するように六角形パターン部)領域内の万線パターン(3)を構成する万線であれば、その万線が顕像化用万線パターン(5)の各万線[不透明な線部(7a)]の間の透明部分[透明な非線部(7b)]を透して目視にて観察されて潜像万線パターン(3a)が顕像化して、ポジティブ画像の顕像画像(C)として観察される。
【0026】
他方、例えば、顕像化用万線パターン(5)の万線と重なり合わない万線パターン(3)の万線が、潜像万線パターン(3a)(例えば、図示するように六角形パターン部)領域外の万線パターン(3)を構成する万線であれば、その万線が顕像化用万線パターン(5)の各万線[不透明な線部(7a)]の間の透明部分[透明な非線部(7b)]を透して目視にて観察されて潜像万線パターン(3a)が顕像化して、ネガティブ画像の顕像画像(C)として観察される。
【0027】
本発明において、図2および図6に図示した万線パターン(3)領域の全体形状は、横長方向に配置した直線条の形状領域としたが、本発明においては、これに限定されず、縦長方向に配置した直線条の形状領域でもよく、また、例えば、直線状、波線状、曲線状、又はこれらの組合せによる線条の形状領域、又は角ドット状、丸ドット状、網ドット状、格子ドット状、又はこれらの組合せによるドット形状など、それぞれ細かく分割された形状領域であってもよい。
【0028】
また、該万線パターン(3)領域が、蓋材(1)上の略全領域に亘って又は1乃至数箇所に区分されて形成されていても構わない。さらに前記潜像万線パターン(3a)が、前記万線パターン(3)領域内の異なる箇所に複数形成されていてもよい。
【0029】
前記万線パターン(3)の万線(7)と、顕像化万線シート(B)の顕像化用万線パターン(5)の万線(7)のそれぞれ万線ピッチは、20〜2000μm、好ましくは、20〜1000μmの範囲の内のいずれかに設定することが好ましく、万線ピッチが20μm未満であると、ピッチに対して1/2の線部(7a)と非線部(7b)のそれぞれ線幅が、10μm未満の極めて細い線幅となるため、潜像万線パターン(3a)のデザインも細かすぎて、顕像化万線シート(B)を重ね合わせて観察しても、再現性が悪く顕像化が弱くなる。
【0030】
他方、万線(7)のピッチが2000μmより大きいと、線部(7a)と非線部(7b)の線幅が、それぞれ1000μmより大きい極めて太い線幅となるため、潜像万線パターン(3a)のデザインも粗くなって、顕像化万線シート(B)を重ね合わせて顕像化した際に見ずらく、したがって視認が不可能となる場合があり、また、顕像化万線シート(B)を介在させなくても潜像万線パターン(3a)が判別できてしまったりする。
【0031】
したがって、前記それぞれ万線(7)の線部(7a)および非線部(7b)の線幅(1/2)は、10〜1000μmの範囲のいずれか、好ましくは10〜500μmの範囲のいずれかに設定することが望ましい。
【0032】
本発明において、万線パターン(3)および潜像万線パターン(3a)の万線(7)、及び顕像化万線シート(B)の万線(7)の万線ピッチを20〜1000μmの範囲内、万線(7)の線部(7a)および非線部(7b)の線幅(1/2)を10〜500μmの
範囲内において設定することにより、顕像化万線シート(B)を重ね合わせ整合した際には、明確な顕像画像(C)が表出する良好な潜像万線パターン(3a)を備えた潜像パターン付きPTP包材(A)が得られた。
【0033】
本発明に係る潜像パターン付きPTP包材(A)は、図1に示すように、蓋材(1)は、例えば、厚さ25μmのアルミニウム箔(1b)上に通常印刷画像(1a)層、および万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成し、該アルミニウム箔(1b)の下面にヒートシール性のラッカー層(1c)を形成した層構成になっている。また、底材(2)は、主に厚さ350μmのポリプロピレンフィルムなどからなるプラスチック基材を用いて真空・圧空成形法などの熱成形法で成形し、錠剤(4)を充填し、蓋材(1)を被せて圧着し密封して作製する。
【0034】
本発明においては、前記万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成する方法としては、圧ロール(8)を用いる場合と、平板(10)を用いる場合の2通りの方法がある。
【0035】
その1実施例は、図7に示すように、PTP包装機内の蓋材(1)を底材(2)に圧着させる圧ロール(8)で形成する方法である。
【0036】
先ず、万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成するための圧ロール(8)を作製する。いわゆるこの万線エンボスパターンを形成するためのエンボスロール金型は、一般的には、鉄芯に銅メッキを施し、該銅メッキ層に剥離層を設け、さらにその表面に銅メッキを行い、表面を鏡面状に研磨した後、ダイヤモンドバイトによる切削加工によって作製する。或いは鏡面状の該銅メッキ層面に前記万線エンボスパターンのポジを焼付けたカーボンティシュを転写後、温水で現像し塩化第二鉄液などで腐蝕して作製する。尚、プレス成形時の耐久性を向上させるためにパターンを形成した後、クロムやニッケルなどのメッキを行なう。或いはニッケルメッキ層を設け、さらにその表面に、イオンプレーティング法によりTiN層を形成する方法などが用いられる。
【0037】
図7に示す、PTP包装機(例えば、CKD株式会社製エコブリスタBP−600E)に前記蓋材(1)と前記底材(2)を重ね合わせながらエンボスロール金型からなる圧ロール(8)と受けロール(9)の間を連続駆動で通過させ圧着させて該蓋材(1)を該底材(2)に密封すると同時に該万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成し、潜像パターン付きPTP包材(A)が得られる。尚、前記エンボスロール金型からなる圧ロール(8)が加熱されていても構わない。
【0038】
以上のように、圧ロール(8)を用いて潜像パターン付きPTP包材(A)を作製する方法は、エンドレスパターンで入れるため潜像が入る位置が、固定しないが生産スピードが速く、大ロット、小品種向きである。
【0039】
次に、その他の実施例は、図8に示すように、PTP包装機内の蓋材(1)を底材(2)に圧着させる平板(10)で形成する方法である。
【0040】
先ず、万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成するための平板(10)を作製する。いわゆるこの万線エンボスパターンを形成するためのエンボス平版金型は、一般的には、鉄板に銅メッキを施し、該銅メッキ層に剥離層を設け、さらにその表面に銅メッキを行い、表面を鏡面状に研磨した後、ダイヤモンドバイトによる切削加工によって作製する。或いは鏡面状の該銅メッキ層面に前記万線エンボスパターンのポジを焼付けたカーボンティシュを転写後、温水で現像し塩化
第二鉄液などで腐蝕して作製する。尚、プレス成形時の耐久性を向上させるためにパターンを形成した後、クロムやニッケルなどのメッキを行なう。或いはニッケルメッキ層を設け、さらにその表面に、イオンプレーティング法によりTiN層を形成する方法などが用いられる。
【0041】
図8に示す、PTP包装機(例えば、CKD株式会社製ブリスターパックFBP−400UC型)に前記蓋材(1)と前記底材(2)を重ね合わせながらエンボス平版金型からなる平板(10)と受け型(11)の間を間歇駆動で通過させ圧着させて該蓋材(1)を該底材(2)に密封すると同時に該万線パターン(3)と該万線パターン(3)領域内に設けられた潜像万線パターン(3a)を形成し、潜像パターン付きPTP包材(A)が得られる。尚、前記エンボス平版金型からなる平板(10)が加熱されていても構わない。
【0042】
以上のように、平板(10)を用いて潜像パターン付きPTP包材(A)を作製する方法は、間歇駆動で入れるため潜像が入る位置が固定することができる。また、エンボス平版金型は、エンボスロール金型に比較して、版を作り易く、短納期で安価に作製できるので、小ロット、多品種向きである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材の1実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材の1実施例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材における万線パターンによる潜像画像のK部分拡大平面図である。
【図4】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材上に重ね合わせて顕像化するための顕像化万線シートの平面図である。
【図5】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材における万線パターンのL部分拡大平面図である。
【図6】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材上に顕像化万線シートを重ね合わせて顕像化した顕像画像の平面図である。
【図7】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材の製造方法の1実施例を示す側断面図である。
【図8】本発明に係る潜像パターン付きPTP包材の製造方法のその他の実施例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0044】
A・・・潜像パターン付きPTP包材
B・・・顕像化万線シート
C・・・顕像画像
1・・・蓋材 1a・・・通常印刷画像 1b・・・アルミニウム箔
1c・・・ラッカー層
2・・・底材
3・・・万線パターン 3a・・・潜像万線パターン 3b・・・万線位相ずれ部
4・・・錠剤
5・・・顕像化用万線パターン
6・・・透明基材
7・・・万線 7a・・・線部 7b・・・非線部
8・・・圧ロール
9・・・受けロール
10・・・平板
11・・・受け型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、アルミニウム箔からなる蓋材上に微細なエンボス加工により形成される線部と非線部の万線(平行直線)比率が1:1の同一万線ピッチによる万線を平行に配置した万線パターンが形成され、該万線パターン領域内に該万線パターンに対して万線位相を半ピッチ分だけずらして形成した潜像万線パターンを備えていることを特徴とする潜像パターン付きPTP包材。
【請求項2】
前記万線パターン上に該万線パターンと同じ万線比率と同じ万線ピッチの顕像化用万線パターンが透明基材上に形成された顕像化万線シートを平行に重ね合せた際に、該万線パターン領域内に形成された潜像万線パターンが顕像化されることを特徴とする請求項1記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項3】
前記万線パターン領域が、蓋材上の略全領域に亘って又は1乃至数箇所に区分されて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項4】
前記潜像万線パターンが、前記万線パターン領域内の異なる箇所に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項5】
前記万線パターンの形状が直線状、波線状、曲線状、又はこれらの組合せによる線条であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項6】
前記万線パターンの形状が角ドット状、丸ドット状、網ドット状、格子ドット状、又はこれらの組合せによるドット状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項7】
前記万線パターン及び潜像万線パターンが、PTP包装機内の蓋材を底材に圧着させる圧ロールで形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材。
【請求項8】
前記万線パターン及び潜像万線パターンが、PTP包装機内の蓋材を底材に圧着させる平板で形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の潜像パターン付きPTP包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−145428(P2007−145428A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199159(P2006−199159)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】