説明

潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム

【課題】従来の配管をそのまま利用できるものでありながら、循環ポンプ内をも良好に洗浄できるドレン排水システムを提供する。
【解決手段】制御手段が、ドレン排出処理の後に実行する配管洗浄処理において、循環ポンプを連続的又は断続的に作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、浴槽の湯水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由して循環させて、前記浴槽の湯水を加熱する循環路と、給水圧により湯水供給部から湯水を供給して前記循環ポンプを経由して前記循環路に湯水を循環させる湯水供給状態と、前記循環路に湯水を供給しない湯水供給停止状態とに切換え自在な湯水供給切換手段とが設けられ、制御手段が、前記循環ポンプを作動させて、前記循環路を通して前記浴槽の湯水を前記加熱部との間で循環させる浴槽循環状態と、前記ドレンタンクと前記循環路とを接続し、前記循環ポンプを作動させて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記循環路を通して前記循環ポンプを経由してドレン排出箇所に排出するドレン排出状態と、前記湯水供給切換手段を前記湯水供給状態に切換えて、前記給水圧により前記湯水供給部から前記循環路に湯水を供給し、前記循環ポンプを経由して前記循環路から前記ドレン排出箇所に供給した湯水を排出する配管洗浄状態とに、システムの作動状態を切換え可能に構成され、前記制御手段が、前記ドレン排出状態でドレン排出処理を実行した後、前記配管洗浄状態で配管洗浄処理を実行するように構成された潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
潜熱回収熱交換器を備えた加熱部を有する加熱装置は、バーナから発生する燃焼排ガスが有する潜熱をも回収して湯水を加熱するものであり、熱回収効率が優れたものであるが、潜熱回収熱交換器においては燃焼排ガスの潜熱が回収されるに伴って強酸性の凝縮水であるドレンが発生する。発生したドレンは、中和槽にて中和剤(例えば炭酸カルシウム等)にて中和された後、ドレンタンクに貯留するように構成されている。そして、ドレンタンクへのドレン貯留量が所定量を超過したときには、これを排水箇所に排出する必要があり、このためにドレンタンクからドレン排出箇所までにドレン排出のための排水管を要することとなる。ところで、潜熱回収熱交換器を備えていない加熱装置では、上述のようなドレンは発生しないのでドレン排出のための排水管は必要が無いのであるが、潜熱回収熱交換器を備えていない加熱装置から潜熱回収熱交換器を備えた加熱装置に交換した場合等には、既存の配管に加えて、新たに上述したようにドレン排出のための排水管を設置する工事が必要となり、設置作業が大掛かりとなる。
【0003】
このような問題を解消するため、浴槽の湯を循環させて加熱する追焚用の循環路(以下循環路と称する)を備えた加熱装置においては、従来、循環ポンプによってドレンをドレンタンクから吸引し、循環路を介してドレンを浴槽の外部に備えるドレン排出箇所に排出するように構成していた。ところで、このようにドレンをドレン排出箇所から排出しようとする場合、循環路に備えられる機器へのドレンの影響を低減するため、ドレンを循環路を介してドレン排出箇所に排出した後に、循環路及び循環ポンプ内を洗浄する必要がある。このため、従来、循環路における循環ポンプ上流側に接続された注湯回路より循環路に湯水を供給して、循環ポンプを経由して通水し、浴槽に至る手前のドレン排出箇所に排出することにより、循環路及び循環ポンプ内を洗浄するように構成されたドレン排水システムが採用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−270798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように構成されたドレン排水システムにおいては、注湯回路より湯水を循環路に供給する間循環ポンプは停止される。従って、この構成では、循環路に残留したドレンは注湯回路を通じて供給される湯水にて洗浄されるものの、内部にインペラ等を備えてその内部形状が複雑となっている循環ポンプ内においては、内部の洗浄が不十分となり、酸性のドレンが残留している場合があることが判明した。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の配管をそのまま利用できるものでありながら、循環ポンプ内をも良好に洗浄でき、内部にドレンが残留することがないドレン排水システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムは、潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、浴槽の湯水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由するように循環させて、前記浴槽の湯水を加熱する循環路と、給水圧により湯水供給部から湯水を供給して前記循環ポンプを経由して前記循環路に湯水を循環させる湯水供給状態と、前記循環路に湯水を供給しない湯水供給停止状態とに切換え自在な湯水供給切換手段とが設けられ、制御手段が、前記循環ポンプを作動させて、前記循環路を通して前記浴槽の湯水を前記加熱部との間で循環させる浴槽循環状態と、前記ドレンタンクと前記循環路とを接続し、前記循環ポンプを作動させて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記循環路を通して前記循環ポンプを経由してドレン排出箇所に排出するドレン排出状態と、前記湯水供給切換手段を前記湯水供給状態に切換えて、前記給水圧により前記湯水供給部から前記循環路に湯水を供給し、前記循環ポンプを経由して前記循環路から前記ドレン排出箇所に供給した湯水を排出する配管洗浄状態とに、システムの作動状態を切換え可能に構成され、前記制御手段が、前記ドレン排出状態でドレン排出処理を実行した後、前記配管洗浄状態で配管洗浄処理を実行するように構成されたものであって、
その第1特徴構成は、前記制御手段が、前記ドレン排出処理の後に実行する前記配管洗浄処理において、前記循環ポンプを連続的又は断続的に作動させる点にある。
【0008】
すなわち、ドレンタンクと循環路とを接続し、循環ポンプを作動させて、ドレンタンクに貯留されたドレンを、循環路を通して循環ポンプを経由してドレン排出箇所に排出するドレン排出状態にてドレン排出処理を実行した後に、湯水供給切換手段を湯水供給状態に切換えて、給水圧により湯水供給部から循環路に湯水を供給し、循環ポンプを経由して循環路からドレン排出箇所に供給した湯水を排出する配管洗浄状態にて配管洗浄処理を実行するように構成され、その配管洗浄処理において、湯水供給部から循環路に湯水を供給しながら循環ポンプを連続的又は断続的に作動させるものであるから、循環ポンプを停止させた状態で配管洗浄処理を実行した場合に較べて、インペラ等を備えてその内部の形状が複雑な循環ポンプ内部までも良好に洗浄できるものとなる。
【0009】
説明を加えると、循環ポンプを停止させた状態で、単に給水圧により湯水供給部から供給される湯水を循環ポンプ内部に通過させて配管洗浄処理を実行するのみでは、例えばインペラの存在などにより複雑な内部形状となっている循環ポンプ内部において、湯水の流れは例えば通流抵抗の低い部分を短絡(或いは、通流抵抗の高い部分をすり抜け)して通流するように形成され、循環ポンプ内部を通過する湯水がその内部を万遍なく洗浄する状態にならない場合がある。つまり、循環ポンプ内部において湯水の動きの少ない部分では、ドレンの洗浄が不十分となる虞がある。
そこで、配管洗浄処理において、湯水供給部から循環路に湯水を供給している間に循環ポンプを連続的又は断続的に作動させて、供給される湯水を循環ポンプ内部において攪拌するようにすれば、上述のような湯水の流れの短絡(又はすり抜け)を低減して、循環ポンプ内が良好に洗浄されるものとなる。
従って、従来の配管をそのまま利用できるものでありながら、循環ポンプ内をも良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0010】
本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、少なくとも、前記循環路における前記湯水供給部から前記循環ポンプ出口までの湯水量を、前記循環ポンプを連続的に作動させて供給する点にある。
【0011】
すなわち、配管洗浄処理において、少なくとも循環路における湯水供給部から循環ポンプ出口までの湯水量を供給し、その間において循環ポンプを連続的に作動させるものであるから、循環ポンプ内の湯水を攪拌しつつ、少なくとも循環ポンプの容量以上の湯水をその循環ポンプ内に通過させることができるものとなり、少なくとも循環ポンプ内部の湯水を入れ換える状態となる。
従って、循環ポンプ内部を良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0012】
本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、少なくとも、前記循環路を循環する全湯水量を、前記循環ポンプを連続的に作動させて供給する点にある。
【0013】
すなわち、配管洗浄処理において、少なくとも循環路を循環する全湯水量を、循環ポンプを連続的に作動させて供給するものであるから、循環ポンプ内の湯水を攪拌しつつ循環ポンプ内に湯水を通過させて循環ポンプ内部を洗浄し、さらに循環ポンプ内の湯水の攪拌を開始した直後に循環ポンプ内に存在した湯水は確実にドレン排出箇所に排出することができるものとなる。
説明を加えると、循環ポンプ内の湯水の攪拌を開始した直後には、循環ポンプ内にて攪拌された湯水に循環ポンプ内に残留していたドレンが拡散して高濃度に含まれると考えられるのであるが、少なくとも循環路を循環する全湯水量を、循環ポンプを連続的に作動させて供給するものであるから、上記ドレンが高濃度に含まれると考えられる湯水を確実にドレン排出箇所に排出することができるものとなり、循環ポンプ内部及び循環路内部共に、ドレンが残留しない状態で洗浄することができるものとなる。
従って、循環ポンプ内部及び循環路内を良好に洗浄することができるドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0014】
本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムの第4特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、前記循環ポンプを停止させて、前記湯水供給切換手段を前記湯水供給状態に切換えて、給水圧により前記湯水供給部から前記循環路に湯水を供給する湯水供給処理を実行した後、前記湯水供給切換手段を前記湯水供給停止状態に切換えて前記循環ポンプを作動する循環ポンプ作動処理を実行する点にある。
【0015】
すなわち、配管洗浄処理において、循環ポンプを停止させて、湯水供給切換手段を湯水供給状態に切換えて、給水圧により湯水供給部から循環路に湯水を供給する湯水供給処理を実行した後、湯水供給切換手段を湯水供給停止状態に切換えて循環ポンプを作動する循環ポンプ作動処理を実行するものであるから、湯水の流れの影響のない状態で循環ポンプ内の湯水を攪拌し、循環ポンプ内部を良好に洗浄することができる。
説明を加えると、上述のように循環ポンプを作動させて(例えば羽根車式ポンプであれば、インペラを回転させて)循環ポンプ内の湯水を攪拌することによって、湯水の流れの短絡(又はすり抜け)を低減して循環ポンプ内部を良好に洗浄することができるのであるが、湯水供給処理の実行中に循環ポンプを作動させると、湯水供給部からの湯水を過度にその下流側に押し出してしまい、循環ポンプ内の上流側隅角部等において湯水の攪拌による効果を十分に得られない虞がある。そこで、湯水供給処理を実行した後、湯水供給切換手段を湯水供給停止状態に切換えて湯水の供給を停止し、その状態において循環ポンプを作動する循環ポンプ作動処理を実行することによって、循環ポンプ内に供給された湯水を満遍なく攪拌できるものとなる。
従って、循環ポンプ内部に滞留あるいは付着しているドレンを循環ポンプ内の湯水にて希釈する状態とし、循環ポンプ内部をさらに良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0016】
本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムの第5特徴構成は、上記第4特徴構成に加えて、前記湯水供給処理と後続の前記循環ポンプ作動処理とを繰り返し、少なくとも、前記循環路における前記湯水供給部から前記循環ポンプ出口までの湯水量を、前記湯水供給処理で供給する点にある。
【0017】
すなわち、湯水供給処理と後続の循環ポンプ作動処理とを繰り返し、少なくとも、循環路における湯水供給部から循環ポンプ出口までの湯水量を、湯水供給処理で供給するものであるから、湯水の流れの影響を少なくしながら循環ポンプ内の湯水を攪拌することができ、しかも、少なくとも循環ポンプの容量以上の湯水を供給することによって、循環ポンプ内の湯水を新たな湯水に入れ換えることができるものとなる。そして、循環ポンプ内部に滞留あるいは付着しているドレンを循環ポンプ内の湯水にて希釈した後、少なくともその循環ポンプ内部の湯水を新たな湯水に入れ換え、さらにその循環ポンプ内に供給された新たな湯水にて攪拌を行う、といった動作を複数回繰り返すことによって、循環ポンプ内に滞留あるいは付着しているドレンを洗浄することとなる。
従って、循環ポンプ内部をより良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0018】
本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムの第6特徴構成は、上記第4又は第5特徴構成に加えて、前記湯水供給処理と後続の前記循環ポンプ作動処理とを繰り返し、少なくとも、前記循環路を循環する全湯水量を、前記湯水供給処理で供給する点にある。
【0019】
すなわち、湯水供給処理と後続の循環ポンプ作動処理とを繰り返し、少なくとも循環路を循環する全湯水量を、湯水供給処理で供給するものであるから、循環ポンプ作動処理にて湯水の流れの影響を小さくしながら循環ポンプ内の湯水を攪拌した後、後続の湯水供給処理で供給される、少なくとも循環路を循環する全湯水量の湯水によって、循環ポンプ内にて攪拌された湯水を含む湯水をドレン排出箇所に排出することができる。
そして、湯水供給処理にて少なくとも循環路を循環する全湯水量を供給された時点では、循環ポンプ内には未だ攪拌されていない(すなわち、循環ポンプ内に滞留あるいは付着しているドレンを攪拌によって希釈拡散していない)新たな湯水が満たされていることとなるので、再度循環ポンプを作動状態として、循環ポンプ内の湯水を攪拌する。そして、このような動作を複数回繰り返すことによって、循環ポンプ内を洗浄した湯水を確実にドレン排出箇所に排出しつつ、循環ポンプ内部及び循環路内を洗浄できることとなる。
従って、循環ポンプ内部及び循環路内をより良好に洗浄することができるドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムを備えた風呂加熱設備の構成を示す図
【図2】ドレン排出処理の流れを示すフローチャート
【図3】第1実施形態の配管洗浄処理の流れを示すフローチャート
【図4】第2実施形態の配管洗浄処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムを備えた風呂加熱設備の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、本風呂加熱設備は、浴室Yの外部に設置される加熱装置D、この加熱装置Dにおける加熱部としての追焚用動作部Bと浴室Yに設置された浴槽5とを接続する追焚湯水循環用の循環路4、及び運転リモコンとしてのリモコン装置(図示なし)とを備えている。
【0022】
加熱装置Dは、湯水を、給湯用配管を通して浴槽5に供給する給湯部として、一般家庭用の水道管に接続された給水路1からの水を燃焼用バーナとしてのガス燃焼式のバーナg1によって加熱して、加熱後の湯水を、先端に給湯栓2を備えた給湯路3に供給する加熱部としての給湯用動作部Aと、浴槽5内の湯水を燃焼用バーナとしてのガス燃焼式のバーナg2によって加熱して追焚きする加熱部としての追焚用動作部Bとを備えている。
【0023】
そして、これら給湯用動作部A及び追焚用動作部Bは、いずれも主熱交換器N1及び潜熱回収熱交換器N2を上下2段に配置して備えており、潜熱回収熱交換器N2にて熱交換された後の燃焼排ガスは排気路7を通して外部に排出されるように構成されている。
【0024】
前記潜熱回収熱交換器N2からは、強酸性の凝縮水であるドレンが生成するが、このドレンは漏斗状のドレンパン8によって集められて中和槽9に導入され、中和槽9内にて中和された後にドレンタンクDTに貯留される構成となっている。中和槽9には、詳述はしないが、強酸性のドレンに対して中和作用する中和剤(例えば、炭酸カルシウム)が装填されている。
【0025】
ドレンタンクDTには、その内部に貯留されるドレンが所定の高水位にあることを検知する高水位電極48と、所定の低水位にあることを検知する低水位電極49とが設けられ、それら高水位電極48と低水位電極49とは、図示しない通信線にて、後述する制御手段としての運転制御部H1に接続されている。
【0026】
前記給湯用動作部A及び追焚用動作部Bには、各バーナg1、g2に一般家庭用の燃料ガスを供給するガス供給路Gが接続され、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁10、燃料ガスの供給断続する断続弁11が設けられている。前記バーナg1、g2には、該バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用ファン12が設けられ、バーナg1の近くには、バーナg1に対する点火動作を実行する点火用のイグナイタと着火されたか否かを検出するフレームロッド等が設けられている。
【0027】
前記給湯用動作部Aには、給水路1と、主熱交換器N1および潜熱回収熱交換器N2を通過して加熱された湯水を出湯する給湯路3とが接続され、給水路1を通して供給される被加熱流体としての水が熱交換されて所望の温度の湯水が給湯路3を通して供給されるように構成されている。
【0028】
前記給水路1には、給水温度を検出する給水サ−ミスタ13と給水量を検出する水量センサ14とが設けられ、その給水サ−ミスタ13及び水量センサ14よりも下流側の給水路1と、給湯路3とが、熱交換器N1、N2を迂回するように給水バイパス路15を介して接続されている。
【0029】
さらに、給湯路3には、上流側から順に、給湯用動作部Aからの湯水の温度を検出する給湯サ−ミスタ16と、給湯用動作部Aからの湯量と給水バイパス路15からの水量との混合比を調整するミキシング弁17と、ミキシング弁17により混合された後の湯水の温度を検出する出湯サ−ミスタ18と、湯水の量を調整する水比例弁19と、一般給湯の割込みを検出する割込み水量センサ20とが設けられている。給湯路3における水比例弁19と割込み水量センサ20との間の部分には、給湯路3からの湯水を浴槽5に供給するための風呂用の湯張り路22が分岐接続されている。
【0030】
前記追焚用動作部Bには、浴槽5からの浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24とが接続され、この浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24とが循環路4を構成している。
浴槽用戻り路23には、上流側から順に、圧力を検出することによって浴槽5内の水位を検出する水位検出手段としての水位センサ27、浴槽5内の湯水の温度を検出する浴槽温検出手段としての戻りサ−ミスタ28、浴槽用戻り路23を開閉する電磁式の風呂二方弁29、浴槽用戻り路23の上流側及び下流側を接続する状態と後述のタンク接続管46及び浴槽用戻り路23の下流側を接続する状態とを切換えるタンク接続三方弁21、湯水循環用の循環ポンプ26、及び、水流スイッチ30が設けられ、浴槽用往き路24には、浴槽用の往きサ−ミスタ31が設けられている。
【0031】
前記風呂用の湯張り路22は、浴槽用戻り路23における風呂二方弁29とタンク接続三方弁21との間の箇所(湯水供給部33)に接続されている。湯張り路22には、この湯張り路22を開閉する湯張り電磁弁32が設けられている。
【0032】
図示はしないが、浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24とは、束ね合わせられて合成樹脂製の保護管(CD管)に収納され、浴室Yの洗い場に向かうように風呂加熱設備と浴室Yとの間の壁面内部に設置されている。そして、浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24は浴室Yの壁面に設けられた接続口から浴室Yの内部に導入され、浴槽5の風呂アダプタ25と接続されている。
【0033】
浴槽用往き路24における浴室Yの壁面に設けられた接続口と風呂アダプタ25との間で且つ浴室Yの内側の箇所には、排水用の浴槽側電磁弁44を介してドレン排水管6が設けられている。ドレン排水管6は、排出側の端部が浴槽5や洗い場Y1からの排水を浴室外に排水する排水口付近に位置するように配設されている。
【0034】
浴槽側三方弁44は、浴槽用往き路24における浴槽側三方弁44よりも上流側(加熱装置D側)とドレン排水管6とを連通させ且つ浴槽側三方弁44よりも上流側と下流側(風呂アダプタ25側)とを遮断する位置(ドレン排出位置)と、浴槽用往き路24における浴槽側三方弁44よりも上流側とドレン排水管6とを遮断し且つ浴槽用往き路24における浴槽側三方弁44よりも上流側と下流側とを連通させる位置(ドレン非排出位置)とに切換え自在な三方電磁弁で構成されている。また、この浴槽側三方弁44は、通信線58によって、後述する運転制御部H1に接続されている。なお、浴槽側三方弁44は、デフォルトではドレン非排出位置となるように付勢されている。
【0035】
前記ドレンタンクDTは、タンク接続管46により前記タンク接続三方弁21に接続されている。なお、タンク接続管46には逆流防止弁45が設けられ、浴槽用戻り路23からの湯水がドレンタンクDTに流入しないようになっている。
【0036】
タンク接続三方弁21は、ドレンタンクDTと循環路4(浴槽用戻り路23)におけるタンク接続三方弁21よりも下流側とを連通させ且つ浴槽用戻り路23におけるタンク接続三方弁21より上流側と下流側とを遮断する位置(ドレン排出位置)と、浴槽用戻り路23におけるタンク接続三方弁21より上流側と下流側とを連通させ且つドレンタンクDTと循環路4(浴槽用戻り路23)とを遮断する位置(ドレン非排出位置)とに切換え自在な三方電磁弁で構成されている。また、この浴槽側三方弁44は、通信線59によって、後述する運転制御部H1に接続されている。なお、タンク接続三方弁21は、デフォルトではドレン非排出位置となるように付勢されている。
【0037】
(制御手段の構成)
この加熱装置Dの運転状態を制御する制御手段としての運転制御部H1は、加熱装置Dに装備され、マイクロコンピュ−タを備えたプログラム制御方式のコントローラで構成されている。運転制御部H1は、浴槽5に近接する箇所としての浴室Y内の壁面等に設置されたリモコン装置(図示なし)との間で通信可能に構成されている。
【0038】
また、運転制御部H1にはドレンタンクDTにおける高水位電極48と低水位電極49とが接続されて、ドレンタンクDTが高水位状態(すなわち満杯状態)であるか低水位状態(空の状態)であるかを検出可能に構成されている。なお、具体的な水位検出方式は従来公知の方式を用いるものであるので、説明は省略する。
【0039】
さらに、運転制御部H1には、水位センサ27にて計測される浴槽5の水位、給水サ−ミスタ13、給湯サ−ミスタ16、出湯サ−ミスタ18、戻りサ−ミスタ28、及び、往きサ−ミスタ31によって計測される各部での湯水の温度、並びに、給水側の水量センサ14、及び、割込み水量センサ20によって計測される水量が入力されるようになっている。
【0040】
そして、運転制御部H1は、上述の通信線58を介して浴槽側三方弁44に指令して、浴槽側三方弁44をドレン排出位置とドレン非排出位置とに切換可能に構成され、また、上述の通信線59を介してタンク接続三方弁21に指令して、タンク接続三方弁21をドレン排出位置とドレン非排出位置とに切換可能に構成されている。
さらに、図示は省略するが、運転制御部H1は、ガス供給路Gに設けられるガス比例弁10及び断続弁11、給湯路3に設けられるミキシング弁17及び水比例弁19、湯張り路22に設けられる湯張り電磁弁32、浴槽用戻り路23に設けられる風呂二方弁29とも接続され、それらの開閉状態を制御するようになっている。
【0041】
(本発明の風呂加熱設備の使用態様)
この風呂加熱設備においては、運転制御部H1からの指令によって、システムの作動状態を浴槽循環状態、ドレン排出状態、及び配管洗浄状態に切換えることができるように構成されている。
【0042】
浴槽循環状態は、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側と浴槽用往き路24の下流側(風呂アダプタ25側)とが連通するドレン非排出位置に切換え、且つ、タンク接続三方弁21を浴槽用戻り路23の上流側と浴槽用戻り路23の下流側とが連通するドレン非排出位置に切換えて、循環ポンプ26を作動させ、循環路4を通して浴槽5の湯水を加熱部としての追焚用動作部Bとの間で循環させる状態である。この風呂加熱設備は、浴槽循環状態において循環路4を循環する浴槽5の湯水を追焚用動作部Bにて加熱することによって、追焚き運転を実行する。
【0043】
ドレン排出状態は、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側とドレン排水管6とが連通するドレン排出位置に切換え、且つ、タンク接続三方弁21をタンク接続管46と浴槽用戻り路23の下流側とが連通するドレン排出位置に切換えてド、レンタンクDTと循環路4とを接続し、循環ポンプ26を作動させて、ドレンタンクDTに貯留されたドレンを、循環路4を通して循環ポンプ26を経由させてドレン排出箇所に排出する状態である。
【0044】
配管洗浄状態は、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側とドレン排水管6とが連通するドレン排出位置に切換え、且つ、タンク接続三方弁21を浴槽用戻り路23の上流側と浴槽用戻り路23の下流側とが連通するドレン非排出位置に切換え、風呂二方弁29を閉止し、湯水供給切換手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を開として湯水供給状態に切換え、給水圧により湯水供給部33から循環路4に湯水を供給し、循環ポンプ26を経由して循環路4からドレン排出箇所に供給した湯水を排出する状態である。
【0045】
(第1実施形態の制御構成)
次に、第1実施形態における制御構成を、図2のフローチャートに従って説明する。
運転制御部H1は、高水位電極48によってドレンタンクDT内のドレンが所定の高水位(満杯状態)にあることを検出すると、図2のフローチャートに示すドレン排出処理として、まず浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側とドレン排水管6とが連通するドレン排出位置に切換えると共に、タンク接続三方弁21を、タンク接続管46と浴槽用戻り路23のタンク接続三方弁21より下流側の部分とが連通するドレン排出位置に切換え(S101)、さらに、風呂二方弁29を閉とする(S102)。
次に、運転制御部H1は循環ポンプ26を作動させる(S103)。これにより、ドレンタンクDT内のドレンは循環ポンプ26によって循環路4に吸引されて、循環路4における浴槽用戻り路23を通流して循環路4における追焚用動作部B設置部分に至った後、浴槽用往き路24を通流して浴槽側三方弁44に至り、排水管6からドレン排出箇所に排水される状態(ドレン排出状態)となる。
上記のドレン排出状態は、運転制御部H1が低水位電極49によってドレンタンクDT内のドレンが所定の低水位(空の状態)になったことを検出するまでの間継続される(S104)。
そして、電極49によってドレンタンクDT内のドレンが所定の低水位になったことを検出すると、循環ポンプ26を停止させて(S105)、引き続き実行される配管洗浄処理に移行する。
【0046】
ドレン排出処理が終了すると、運転制御部H1は図3のフローチャートに示す配管洗浄処理を実行する。
運転制御部H1は、配管洗浄処理として、まず浴槽側三方弁44をドレン排出位置に切換えると共に、タンク接続三方弁21をドレン非排出位置に切換える(S201)。
次に、湯水供給切替手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を開として、湯水供給部33から湯水を供給する湯水供給状態とする(S202)とし、次に、循環ポンプ26を作動させる(S203)。従って、湯水供給部33から供給される湯水は、タンク接続三方弁21、循環ポンプ26を経由し、さらに浴槽用戻り路23を通流して循環路4における追焚用動作部B設置部分に至った後、浴槽用往き路24を通流して浴槽側三方弁44に至り、排水管6からドレン排出箇所に排水される状態(配管洗浄状態)となる。
上記の配管洗浄状態は、水量センサ14によって所定流量の湯水(例えば湯水供給部33から循環ポンプ出口までの湯水量)の供給が計測されるまでの間継続される(S204)。
水量センサ14によって所定流量の湯水の供給が計測されると、運転制御部H1は、循環ポンプ26を停止し(S205)、次に、湯水供給切替手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を閉として、湯水供給部33からの湯水の供給を停止する湯水供給停止状態とする(S206)。そして、浴槽側三方弁44をドレン非排出位置に切換え(S207)、風呂二方弁29を開(S208)として、配管洗浄処理を終了する。
なお、S201において、浴槽側三方弁44のドレン排出位置への切換をS101に引き続き再度実行しているが、これは浴槽側三方弁44がドレン非排出位置に付勢されているため確認的に実行するものであって、ドレン排出処理と配管洗浄処理との間で浴槽側三方弁44のドレン排出位置への切換状態を維持している場合には不要となる。
【0047】
上述の制御によって、ドレン排出処理を実行した後に実行する配管洗浄処理において、少なくとも、循環路4における湯水供給部33から循環ポンプ26出口までの湯水量を、循環ポンプ26を連続的に作動させて供給することとなる。したがって、少なくとも循環ポンプの容量以上の湯水を、循環ポンプ内の湯水を攪拌しつつ循環ポンプ内に通過させることができるものとなり、循環ポンプ内部を良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなる。
【0048】
なお、上記配管洗浄処理において、少なくとも、循環路4を循環する全湯水量を、循環ポンプ26を連続的に作動させて供給するように構成すれば、循環ポンプ26内の湯水の攪拌を開始した直後に循環ポンプ26内に存在した、ドレンが最も高濃度に含まれると考えられる湯水を確実にドレン排出箇所に排出することができるものとなり、循環ポンプ26内部及び循環路4内部共に、ドレンが残留しない状態で良好に洗浄することができるものとなる。
【0049】
(本発明との関係)
上記構成において、ミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32が本発明における湯水供給切換手段となる。
そして、上述のように、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側とドレン排水管6とが連通する状態に切換え、タンク接続三方弁21をタンク接続管46と浴槽用戻り路23の下流側とが連通する状態に切換えて循環ポンプ26を作動させることによって、ドレン排出状態が実現される。
また、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側と浴槽用往き路24の下流側(風呂アダプタ25側)とが連通する状態に切換え、タンク接続三方弁21を浴槽用戻り路23の上流側と浴槽用戻り路23の下流側とが連通する状態に切換えて循環ポンプ26を作動させることによって、浴槽循環状態が実現される。
さらに、浴槽側三方弁44を浴槽用往き路24の上流側とドレン排水管6とが連通する状態に切換え、タンク接続三方弁21を浴槽用戻り路23の上流側と浴槽用戻り路23の下流側とが連通する状態に切換え、風呂二方弁29を閉止し、且つ湯水供給切換手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を開とすることによって、配管洗浄状態が実現される。
【0050】
従って、上述した構成によって、潜熱回収熱交換器N2を備えた加熱部(給湯用動作部A及び追焚用動作部B)において発生したドレンを貯留するドレンタンクDTと、
浴槽5の湯水を、循環ポンプ26にて前記加熱部を経由するように循環させて、前記浴槽5の湯水を加熱する循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)と、
給水圧により湯水供給部33から湯水を供給して前記循環ポンプ26を経由して前記循環路4に湯水を循環させる湯水供給状態と、前記循環路に湯水を供給しない湯水供給停止状態とに切換え自在な湯水供給切換手段(ミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32)とが設けられ、
制御手段(運転制御部H1)が、前記循環ポンプ26を作動させて、前記循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)を通して前記浴槽5の湯水を前記加熱部(給湯用動作部A及び追焚用動作部B)との間で循環させる浴槽循環状態と、前記ドレンタンクDTと前記循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)とを接続し、前記循環ポンプ26を作動させて、前記ドレンタンクDTに貯留されたドレンを、前記循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)を通して前記循環ポンプ26を経由してドレン排出箇所に排出するドレン排出状態と、前記湯水供給切換手段(ミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32)を前記湯水供給状態に切換えて、前記給水圧により前記湯水供給部33から前記循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)に湯水を供給し、前記循環ポンプ26を経由して前記循環路4(浴槽用戻り路23及び浴槽用往き路24)から前記ドレン排出箇所に供給した湯水を排出する配管洗浄状態とに、システムの作動状態を切換え可能に構成され、
前記制御手段(運転制御部H1)が、前記ドレン排出状態でドレン排出処理を実行した後、前記配管洗浄状態で配管洗浄処理を実行するように構成された潜熱回収式加熱装置N2のドレン排水システムであって、
前記制御手段(運転制御部H1)が、前記ドレン排出処理の後に実行する前記配管洗浄処理において、前記循環ポンプ26を連続的又は断続的に作動させる潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムが実現されるものとなる。
【0051】
従って、上記のような構成を備えることにより、従来の配管をそのまま利用できるものでありながら、循環ポンプ26内をも良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなった。
【0052】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、この第2実施形態は、機器の構成については第1実施形態と同一であり、運転制御部H1が実行する制御について、ドレン排出処理(図2)に続いて実行される配管洗浄処理のみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態と同一である機器構成及びドレン排出処理については図1及び図2をそのまま用い、またそれに関する説明も省略する。
第2実施形態の配管洗浄処理において、運転制御部H1は、図4のフローチャートに示すように、まず浴槽側三方弁44をドレン排出位置に切換えると共に、タンク接続三方弁21を、浴槽用戻り路23のタンク接続三方弁21より上流側と下流側とが連通するドレン非排出位置となるように切換える(S301)。
次に、湯水供給切換手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を開として、湯水供給部33から湯水を供給する湯水供給状態とし(S302)、水量センサ14によって所定流量の湯水(例えば湯水供給部33から循環ポンプ出口までの湯水量)の供給が計測されるまでの間、湯水供給部33から湯水を供給する(S303)。そして、運転制御部H1が水量センサ14によって所定流量の湯水が供給されたことを検知すると、湯水供給切換手段としてのミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32を閉として、湯水供給部33からの湯水の供給を停止する湯水供給停止状態とする(S304)。
続いて、循環ポンプ26を作動させ(S305)、運転制御部H1に設けられる図示しないタイマによって設定時間(例えば5秒)が経過すると循環ポンプ26を停止させる(S306、S307)。
従って、循環ポンプ26は、湯水供給部33から循環路への湯水の供給が停止された状態で設定時間の間作動されて、循環ポンプ26内部に存在する湯水が攪拌されるものとなる。
【0053】
運転制御部H1は、それに備えるカウンタ(図示なし)にて、上記S302〜S307の一連の動作を1セットとしてカウンタをインクリメントするようになっており、このセットの回数が設定回数(例えば4回)となるまで上記S302〜S307の一連の動作を繰り返すように制御を実行する(S308)。
上記S302〜S307の一連の動作の回数が設定回数に達すると、運転制御部H1は、浴槽側三方弁44をドレン非排出位置に切換え(S309)、風呂二方弁29を開(S310)として、配管洗浄処理を終了する。
なお、S301において、浴槽側三方弁44のドレン排出位置への切換をS101に引き続き再度実行しているが、これも上記第1実施形態と同様に、浴槽側三方弁44がドレン非排出位置に付勢されているため確認的に実行するものであって、ドレン排出処理と配管洗浄処理との間で浴槽側三方弁44のドレン排出位置への切換状態を維持している場合には不要となる。
【0054】
上述の制御によって、ドレン排出処理を実行した後に実行する配管洗浄処理において、循環ポンプ26を停止させて、湯水供給切換手段(ミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32)を湯水供給状態に切換えて、給水圧により湯水供給部33から循環路4に湯水を供給する湯水供給処理を実行した後、湯水供給切換手段(ミキシング弁17、水比例弁19、及び湯張り電磁弁32)を湯水供給停止状態に切換えて循環ポンプ26を作動する循環ポンプ作動処理を実行するものとなる。従って、循環ポンプ内に供給された湯水を満遍なく攪拌して循環ポンプ内部に滞留あるいは付着しているドレンを循環ポンプ内の湯水にて希釈する状態とし、循環ポンプ内部を良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなる。
【0055】
また、湯水供給処理と後続の循環ポンプ作動処理とを繰り返し、少なくとも、循環路4における湯水供給部33から循環ポンプ26出口までの湯水量を、湯水供給処理で供給するものとなるので、循環ポンプ内部に滞留あるいは付着しているドレンを循環ポンプ内の湯水にて希釈した後、その循環ポンプ内の湯水を循環ポンプからその下流側に押し出し、さらに循環ポンプ内に供給された新たな湯水にて攪拌を行う、といった動作を複数回繰り返して、循環ポンプ内部をより良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなる。
【0056】
なお、上述の湯水供給処理と後続の循環ポンプ作動処理とを繰り返しにおいて、少なくとも、循環路4を循環する全湯水量を、湯水供給処理で供給するように構成すれば、循環ポンプ26内に滞留あるいは付着しているドレンを循環ポンプ26内に供給された湯水にて希釈した後、その循環ポンプ26内にて攪拌された湯水をドレン排出箇所に排出することができるものとなり、より確実に循環ポンプ26内部をより良好に洗浄することが可能なドレン排水システムを提供することができるものとなる。
【0057】
〔別実施形態〕
次に、本発明の別実施形態について説明する。
(イ)上記第1及び第2実施形態においては、図1に示すように給湯用動作部Aと追焚用動作部Bとが夫々独立した燃焼空間を有するように構成されているが、これらを単一の燃焼空間として構成することも可能である。また、上記第1及び第2実施形態においては、給湯用動作部A及び追焚用動作部Bの夫々に燃焼用ファン12が設けられる状態に構成しているが、燃焼用ファン12を1つのみ設けて、流量調節弁によって給湯用動作部A及び追焚用動作部Bに供給する燃焼用空気の流量を調節するように構成してもよい。
【0058】
(ロ)上記第1及び第2実施形態においては、給湯用動作部Aと追焚用動作部Bとが備えられた給湯追焚兼用型の風呂加熱設備について本発明のドレン排水システムを適用したが、そのような構成に限定されるものではない。例えば、給湯用動作部Aを備えない追焚専用の風呂加熱設備に本発明のドレン排水システムを適用することもできる。この場合には、上記構成における湯張り路22に代えて、湯水供給源となる給水栓等から水道水を循環路4の循環ポンプ26より上流側に供給する供給路を接続し(この接続箇所が湯水供給部となる)、この湯水供給部から湯水(水道水)を供給するように構成することができる。また、追焚用動作部Bを備えずに、給湯用動作部Aにて加熱した湯水と循環路4を通流する湯水とを熱交換させる液−液熱交換器を備える構成のものに本発明のドレン排水システムを適用してもよい。この場合にも、循環路4の循環ポンプ26より上流側の湯水供給部に水道水または湯を供給できるように構成する。そして、いずれの場合にも、循環路4における湯水供給部と循環ポンプ26との間の箇所に、循環路4の上流側と下流側が連通する状態、又は、ドレンタンクDTに接続されるタンク接続管46と循環路4の下流側が連通する状態に切換え可能なタンク接続三方弁21を設け、ドレン排出処理を実行した後に、湯水供給部から循環路4に湯水を供給して配管洗浄処理を実行するように構成する。
【0059】
(ハ)上記第1実施形態では、配管洗浄処理において、湯水供給部33からの湯水を循環路4に供給する間、循環ポンプ26を連続的に作動させるように構成したが、循環路4に湯水を供給している間の何れかのタイミング(連続的、断続的を含む)において、循環ポンプ26が停止するように構成してもよい。
【0060】
(ニ)上記第1及び第2実施形態においては、配管洗浄処理において湯水供給部33から循環路4に供給する湯水を、少なくとも循環路4における湯水供給部33から循環ポンプ26出口までの湯水量とするように構成したが、それ以下の湯水量を、合計して少なくとも湯水供給部33から循環ポンプ26出口までの湯水量になる回数に分けて供給するように構成することも可能である。
【0061】
(ホ)上記第2実施形態において、湯水供給処理の間には、供給される湯水によって循環ポンプ26のインペラ等が自由回転しないように、循環ポンプ26をロックする構成としてもよい。
【0062】
(ヘ)上記第2実施形態においては、湯水供給処理と後続の循環ポンプ作動処理との繰り返し回数を例えば4回とし、循環ポンプ作動処理における循環ポンプの作動時間を例えば5秒としたが、これらの数値は、循環ポンプ26内部を良好に洗浄できる範囲内で任意に変更することが可能である。
【0063】
(ト)上記第1及び第2実施形態においては、湯張りを行うに当たって、湯水供給部33から浴槽用戻り路23に供給される湯水を、循環ポンプ26を通過して浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24の双方を通して浴槽5に供給するように構成したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、湯水供給部33から浴槽用戻り路23に供給される湯水の一部を循環ポンプ26を通過して浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24の双方を通して浴槽5に供給し、その残部は、浴槽用戻り路23における循環ポンプ26を通過しない側の経路を通して浴槽5に供給される状態になるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、従来の配管をそのまま利用できるものでありながら、循環ポンプ内をも良好に洗浄できるドレン排水システムを提供することが可能となるものである。
【符号の説明】
【0065】
A 給湯用動作部(加熱部)
B 追焚用動作部(加熱部)
N2 潜熱回収熱交換器
H1 運転制御部(制御手段)
DT ドレンタンク
4 循環路
5 浴槽
6 ドレン排水管
17 ミキシング弁(湯水供給切換手段)
19 水比例弁(湯水供給切換手段)
21 タンク接続三方弁
22 湯張り路
23 浴槽用戻り路(循環路)
24 浴槽用往き路(循環路)
26 循環ポンプ
29 風呂二方弁
32 湯張り電磁弁(湯水供給切換手段)
33 湯水供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜熱回収熱交換器を備えた加熱部において発生したドレンを貯留するドレンタンクと、
浴槽の湯水を、循環ポンプにて前記加熱部を経由するように循環させて、前記浴槽の湯水を加熱する循環路と、
給水圧により湯水供給部から湯水を供給して前記循環ポンプを経由して前記循環路に湯水を循環させる湯水供給状態と、前記循環路に湯水を供給しない湯水供給停止状態とに切換え自在な湯水供給切換手段とが設けられ、
制御手段が、
前記循環ポンプを作動させて、前記循環路を通して前記浴槽の湯水を前記加熱部との間で循環させる浴槽循環状態と、
前記ドレンタンクと前記循環路とを接続し、前記循環ポンプを作動させて、前記ドレンタンクに貯留されたドレンを、前記循環路を通して前記循環ポンプを経由してドレン排出箇所に排出するドレン排出状態と、
前記湯水供給切換手段を前記湯水供給状態に切換えて、前記給水圧により前記湯水供給部から前記循環路に湯水を供給し、前記循環ポンプを経由して前記循環路から前記ドレン排出箇所に供給した湯水を排出する配管洗浄状態とに、システムの作動状態を切換え可能に構成され、
前記制御手段が、前記ドレン排出状態でドレン排出処理を実行した後、前記配管洗浄状態で配管洗浄処理を実行するように構成された潜熱回収式加熱装置のドレン排水システムであって、
前記制御手段が、前記ドレン排出処理の後に実行する前記配管洗浄処理において、前記循環ポンプを連続的又は断続的に作動させる潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。
【請求項2】
前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、少なくとも、前記循環路における前記湯水供給部から前記循環ポンプ出口までの湯水量を、前記循環ポンプを連続的に作動させて供給する請求項1記載の潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。
【請求項3】
前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、少なくとも、前記循環路を循環する全湯水量を、前記循環ポンプを連続的に作動させて供給する請求項1又は2記載の潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。
【請求項4】
前記ドレン排出処理を実行した後に実行する前記配管洗浄処理において、
前記循環ポンプを停止させて、前記湯水供給切換手段を前記湯水供給状態に切換えて、給水圧により前記湯水供給部から前記循環路に湯水を供給する湯水供給処理を実行した後、
前記湯水供給切換手段を前記湯水供給停止状態に切換えて前記循環ポンプを作動する循環ポンプ作動処理を実行する請求項1記載の潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。
【請求項5】
前記湯水供給処理と後続の前記循環ポンプ作動処理とを繰り返し、
少なくとも、前記循環路における前記湯水供給部から前記循環ポンプ出口までの湯水量を、前記湯水供給処理で供給する請求項4記載の潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。
【請求項6】
前記湯水供給処理と後続の前記循環ポンプ作動処理とを繰り返し、
少なくとも、前記循環路を循環する全湯水量を、前記湯水供給処理で供給する請求項4又は5記載の潜熱回収式加熱装置のドレン排水システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−191001(P2011−191001A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58172(P2010−58172)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】