説明

潤滑ベースストックおよび熱可塑性ポリマー用のホスフィット安定剤

構造:(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)によって表される潤滑ベースストックおよび熱可塑性ポリマーに適する置換ホスフィット。当該置換ホスフィットは少なくとも1種の一次酸化防止剤および他の添加剤と組み合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、熱可塑性ポリマーおよび潤滑油用添加剤組成物のための酸化防止剤として有用な新規な液体ホスフィット組成物に関する。本発明は、ホスフィット安定剤組成物、特に潤滑組成物および熱可塑性ポリマーの固体組成物用のホスフィット安定剤を含む添加剤ブレンドに関する。
【0002】
背景情報の考察
潤滑油、熱可塑性プラスチックおよびエラストマー用途のための液体ホスフィット安定剤の継続的な要求が存在する。それらの製造、輸送、貯蔵、または使用の間中に遍在的に存在する熱および酸素(空気)に曝される場合、プラスチック、エラストマーおよび潤滑油は酸化をうける。酸化は、壊滅的な破損の程度まで材料の性質の低下(変色、脆化、軟化)を引き起こし得る。例えば、潤滑油は酸化して、総酸度の増加、ガムの生成、変色、重合、酸敗および/または臭気の一因となる望ましくない酸化副産物を生成する。結果として、油の指定の物理的性質および摩擦学的性質の損失が起こり得る。芳香族第二級アミン系(aminic)酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤を含めた従来の酸化防止剤は、潤滑油の酸化の制御において少なくともある程度は有効であり、広く使用されている。保護すべき潤滑油が高温および汚染に長期にわたり曝されることがなく比較的穏やかな条件下で使用される場合、従来の酸化防止剤の性能は一般的に満足がいくものである。より過激な使用環境、特に鉄などの触媒遷移金属によって汚染される使用環境において、潤滑油の分解速度は、より高い濃度においてさえ、このような従来のアミン系およびフェノール系酸化防止剤が有効に酸化を妨げないほどに劇的に増加し得ることが知られている。
【0003】
産業用タービン、例えば発電のために一般的に使用される産業用タービンは、高品質潤滑油の使用を必要とする。APIグループI/II/III基油および従来の添加剤に基づく初期の錆および酸化(「R&O」)型循環油などの従来の潤滑油は、多くのタービンシステム、例えば、油圧システムにおける用途への応用の長い成功した歴史を有する。しかし、熱および機械的ストレスのより厳しい条件下で作動する新しいタービン装置の発展とともに、最適な酸化安定性および耐摩耗特性のための注意深く均衡の取れた添加剤パッケージおよび適合性のあるベースストックを有する好適なタービン潤滑油を使用することが必要である。
【0004】
鉄により触媒される油の酸化の前述した問題に取り組む1つの有効な方法は、鉄および他の遷移金属からの触媒作用を打ち消し得る金属不活性化剤の使用である。しかし、欧州特許公開第0 316 610 A1号に記載の通り、潤滑油への金属不活性化剤の添加は、潤滑油配合物において一般的に使用される耐摩耗/極圧剤の臨界焼付き防止および耐摩耗特性を低下させる問題を生じた。
【0005】
芳香族第二級アミンおよび置換フェノールを含む潤滑油組成物は当技術分野で広く知られている。同様に、一次酸化防止剤として様々なアルキル化ジフェニルアミンおよびヒンダードフェノールを含むタービン潤滑油、例えば、アルキル化ジフェニルアミンおよび/またはフェニルナフチルアミン、および硫化オレフィンおよび/または硫化脂肪酸および/または無灰ジチオカルバメートおよび/またはテトラアルキルチウラムジスルフィドを含む酸化防止剤を使用する米国特許第6,326,336号が知られている。
【0006】
様々な潤滑物質のための安定剤として、有機ホスフィットなどの二次酸化防止剤の使用も知られている。これらの潤滑油組成物には有機ホスフィットが含まれ、置換フェノールまたは芳香族第二級アミンも知られている。
【0007】
米国特許第3,556,999号は、油圧油組成物、特に大量の潤滑油および少量の(A)ホスフィットまたは二置換ホスフェート、(B)置換フェノールまたは芳香族第二級アミンおよび(C)N−ビニル−2−ピロリドンを含む油溶性分散剤コポリマーの各々を含む自動変速機油組成物を開示している。
【0008】
米国特許第3,652,411号は、置換アミン、脂肪族で置換されたフェノール、および有機ホスフェート、ポリヒドロキシキノン、ベンゾトリアゾール、アミン塩および置換有機ホスフィットを含む混合物を、少量の割合で、安定剤として含むポリグリコールベースの潤滑油を開示している。
【0009】
米国特許第3,923,672号は、蒸気タービンまたはガスタービンにおける使用に特に適すると言われている潤滑油組成物を開示している。タービン油組成物は、大量の鉱油または合成炭化水素ベースの油および有効量の以下の材料の組合せを含む。トリフェニルホスフィットまたはトリアルキル置換フェニルホスフィット;ジフェニルアミンまたはアルキル化ジフェニルアミン;フェニルα−ナフチルアミン、フェニルβ−ナフチルアミン、アルキルまたはアルキルアリール置換フェニルα−ナフチルアミン、またはアルキル若しくはアルカリル置換フェニルβ−ナフチルアミン;ベンゾトリアゾールまたはアルキル置換ベンゾトリアゾール;アルキルまたはアルケニル無水コハク酸の部分エステル。1つの好ましい側面において、タービン油組成物は、有効量のN−ビニル−2−ピロリドンおよびα−オレフィンのコポリマーをさらに含む。
【0010】
米国特許第4,652,385号は、水素処理油(hydrotreated oil)、ポリ−アルファオレフィン油およびパラフィン系ホワイト油、およびそれらの混合物から選択される潤滑油に対して有効な抗酸化品質を提供する低揮発度の三置換ホスフィットおよび低揮発度の立体障害フェノール系安定剤の潤滑油組成物を開示している。
【0011】
米国特許第5,124,057号は、水素処理油、ポリ−アルファオレフィン油およびパラフィン系ホワイト油、およびそれらの混合物から選択される潤滑油に対する抗酸化品質を提供する低揮発度の三置換ホスフィットおよび選択された置換イソシアヌレートフェノール系安定剤の潤滑油組成物を開示している。
【0012】
米国特許第5,232,614号は、置換されたパラ−フェニレンジアミンは、高温での酸素への長期の曝露後の増粘およびスラッジ生成からクランクケース潤滑油を保護し得る有効な抗酸化剤であることが見出されたことを開示している。ジ−およびトリ−アルキル、シクロアルキルおよびアリールホスフィットなどのさらなる耐摩耗添加剤も開示されている。
【0013】
米国特許第5,688,847号は、次式:
【化1】


のフルオロホスフィット化合物を開示している。この化合物は、ポリプロピレン、およびポリビニルクロリドなどのポリマー中で安定剤として優れた性能を示す。同様に開示されたのは、この化合物の製造方法である。
【0014】
米国特許第6,172,014号は、酸化防止剤の相乗混合物の約1%未満を含む潤滑油を圧縮シリンダーに提供することによる圧縮機ガス漏れの低減の改善された方法を開示しており、ここで、この酸化防止剤混合物は少なくとも1種のホスフィット酸化防止剤および少なくとも1種の他の酸化防止剤を含む。
【0015】
米国特許出願公開第2003/0171227号は、(a)少なくとも1種のヒンダードフェノール系酸化防止剤と場合によってブレンドされた少なくとも1種の芳香族アミン系アミン酸化防止剤および(b)少なくとも1種の酸性有機ホスフェートまたはホスフィットと場合によってブレンドされた少なくとも1種の中性有機ホスフェートまたはホスフィットの混合物を含む潤滑油ベースストックおよび潤滑油配合物のための安定化組成物を開示している。
【0016】
米国特許出願公開第2006/0073992号および2006/0069000号は、潤滑油ならびに(a)少なくとも1種の有機ホスフィット化合物および(b)少なくとも1種の芳香族第二級アミンまたは置換フェノールまたはそれらの混合物の混合物を含む安定化された潤滑油組成物を開示している。この組成物は、過酷な使用条件下での酸化に極めて耐性があり、タービン潤滑油として有用であることが見出されている。
【0017】
米国特許出願公開第2006/0223918号は、構造:
【化2】


(式中、R、R、R、R、R、およびRは、RがRと異なることを条件にアルキル基から独立して選択される)の化合物を開示している。上記化合物は熱可塑性樹脂用の安定剤として有用である。
【0018】
国際公開第2007/149143号は、構造:
【化3】


(式中、R、R、およびRは、アルキル化アリール基から独立して選択される)の少なくとも2種の異なるホスフィットのブレンド(ここで、前記ブレンドは周囲条件で液体である)を含む化合物を開示している。この化合物は熱可塑性樹脂およびエラストマーを安定させるために有用である。
【0019】
前述の開示は、参照によりそれらの全体を本明細書に援用する。
【0020】
発明の概要
潤滑ベースストックおよび熱可塑性エラストマー用途のための液体ホスフィット安定剤の継続的な要求が存在する。本発明の第1の側面において、構造:
【化4】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)の化合物を含む物質の組成物が提供される。一態様において、RがHである場合、RはC〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される。場合によって、アルキルおよびアルケニル基は分枝であってよく、且つ/またはシクロアルキルおよびアリール基は置換されていてよい。1つの好ましい態様において、RおよびRは2−エチル−ヘキシル、n−オクチル、およびイソ−オクチルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
【0021】
本発明の第2の側面において、構造:
【化5】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRはC〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRはH、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)を有する化合物を生成する方法が提供され、この方法は、a)リントリハロゲン化合物をベータヒドロキシ酸化合物と反応させてハロゲンホスホニット中間体を生成するステップ、およびb)ステップa)のハロゲンホスホニット中間体をアルコールと反応させて上記化合物を生成するステップを含む。
【0022】
本発明の第3の側面において、第二級ジアリールアミン、置換フェノール、およびそれらのブレンドからなる群から選択される少なくとも1種の一次酸化防止剤、および構造:
【化6】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールから選択され、RおよびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)の置換ホスフィット化合物をブレンドして添加剤ブレンドを生成するステップ、およびこの添加剤ブレンドを潤滑ベースストックに添加するステップを含む潤滑組成物を生成する方法が提供される。
【0023】
本発明の第4の側面において、a)潤滑ベースストック、ならびにb)i)少なくとも1種の一次酸化防止剤およびii)次の一般式:
【化7】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRは、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)によって表される置換ホスフィット化合物を含む添加剤ブレンドを含む潤滑組成物が提供される。一態様において、組成物の総量に対する置換ホスフィット化合物の重量百分率(重量%)は0.01から5重量%、例えば0.1から1.5重量%である。一次酸化防止剤は、組成物の総量に対して0.01から5重量%、例えば0.1から1.5重量%であってよい。場合によって、潤滑組成物は、粘度指数向上剤、腐食抑制剤、分散剤、潤滑油流動性向上剤、洗浄剤/錆止め、流動点降下剤、消泡剤、摩耗防止剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤、および金属不活性化剤などの1種または複数の添加剤を含んでもよい。
【0024】
本発明の第5の側面において、
熱可塑性エラストマーおよび構造:
【化8】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)の置換ホスフィット化合物を含む固体組成物が提供される。一態様において、上記熱可塑性エラストマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレン、またはポリブタジエンを含む。
【0025】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、潤滑ベースストックまたは熱可塑性エラストマーならびに置換ホスフィット化合物および一次酸化防止剤の添加剤ブレンドを含む安定化された組成物に関する。このような置換ホスフィット化合物および添加剤ブレンドは、優れた酸化防止安定性を付与し、高温の鉄によって触媒される環境における使用に特に適している。本発明の置換ホスフィット化合物は、二次酸化防止剤として作用し、ヒドロペルオキシド分解剤としても知られているが、次の一般式:
【化9】


(式中、Rは直鎖または分枝のC〜C22アルキルおよび置換または非置換C〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、RおよびRは、水素、直鎖または分枝のC〜C22アルキル、直鎖または分枝のC〜C22アルケニル、置換または非置換のC〜C22シクロアルキル、および置換または非置換C〜Cアリールからなる群から選択される)によって表される。
【0026】
、RおよびR基の1つまたは複数がシクロアルキルまたはアリール基である場合、そのシクロアルキルおよびアリールは、直鎖または分枝のC〜C12アルキル基で置換されていてよい。
【0027】
一態様において、本発明は、R、RおよびRが同じ数の炭素原子を有する置換ホスフィット化合物を含む。一態様において、Rは好ましくは水素であり、Rは水素ではない。
【0028】
本出願を通して使用されるR、R、Rおよびアルキル基の1種または複数を含む本明細書における使用のためのアルキル基の代表例には、例えば、1から22個の炭素原子を含む直鎖または分枝の炭化水素鎖基、例えば、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、イソブチル、2,2,3,3−テトラメチルブチル、n−ペンチル、1,3−ジメチルペンチル、3−エチル−2−メチルペンチル、3−エチル−3−メチルペンチル、2,3,3−トリメチルペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、2,3,4−トリメチルペンチル、n−ヘキシル、1,4−ジメチルヘキシル、2,3−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、2−エチル−ヘキシル、3−エチル−ヘキシル、n−ヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、1,5−ジメチルヘプチル、n−オクチル、オクチル、イソ−オクチル、ノニル、デシルなど、それらの混合物および異性体などが含まれる。
【0029】
一態様において、Rは直鎖または分枝のC〜C10アルキル基であり、好ましくは直鎖または分枝のCアルキルである。このような好ましいCアルキル基には2−エチル−ヘキシル、n−オクチル、およびイソ−オクチルが含まれる。
【0030】
本出願を通して使用されるR、R、Rおよびシクロアルキル基の1種または複数を含む本明細書における使用のためのシクロアルキル基の代表例には、例えば、4から22個の炭素原子を含む置換または非置換環、例えば、シクロペンチル、n−エチル−シクロペンチル、n−プロピル−シクロペンチル、n−ジ−メチル−n−エチルペンチル、n−トリメチルペンチル、シクロヘキシル、n−メチル−シクロヘキシル、n−ジメチル−シクロヘキシル、n−エチル−シクロヘキシル、シクロヘプチル、n−メチル−シクロヘプチル、シクロオクチル、n−メチル−シクロオクチルなど、それらの混合物および異性体などが含まれる。
【0031】
およびR、R、Rの組み合わされた芳香族環の1種または複数を含む本明細書での使用のためのアリール基、および本出願を通して使用されるアリール基の代表例には、例えば、5から18個の炭素原子を含む置換または非置換芳香族環、例えば、フェニル、n−メチルフェニル、n−ジメチルフェニル、n−エチルフェニル、ベンジル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ビフェニルなど、それらの混合物および異性体などが含まれる。
【0032】
場合によって、本発明のシクロアルキルまたはアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、メルカプト、ニトロ、ニトロソ、スルホキシ、シアノなどからなる群から選択される基の1種または複数で置換されていてもよい。さらに、上記シクロアルキルまたはアリール基は、N、S、またはOなどの1種または複数のヘテロ原子を含んでよい。
【0033】
本出願を通して使用されるR、Rおよびアルケニル基の1種または複数を含む本明細書における使用のためのアルケニル基の代表例には、例えば、2から22個の炭素原子を含む直鎖または分枝の炭化水素鎖基、例えば、プロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、n−ヘプテニル、オクテニル、イソ−オクテニル、ノネニル、デセニルなど、それらの混合物および異性体などが含まれる。
【0034】
上に示したように、RおよびRが結合してCアリール、すなわちフェニルを生成する場合、置換ホスフィット化合物は、構造:
【化10】


(式中、R、RおよびRは上に定義されている)によって表すことができる。
【0035】
本発明の例示的な置換ホスフィットには、構造:
【化11】


(式中、各C17は独立して直鎖または分枝アルキル基であってよい)によって表される4−オキソ−1,3−ジオキサ−2−ホスファナフタレン化合物が含まれる。
【0036】
本発明の別の例示的な置換ホスフィットには、構造:
【化12】


(式中、Rは上に定義されており、Rは水素である)によって表される4−オキソ−1,3−ジオキサ−2−ホスファナフタレン化合物が含まれる。
【0037】
本発明の一態様によれば、ベータヒドロキシ酸(BHA)をリントリハロゲンと反応させ、次いでアルコールを反応させることを含む本発明の置換ホスフィットを製造する方法が提供される。好適なBHAには、構造:
【化13】


(式中、R、R、RおよびRは上に定義されている)によって表されるものが含まれる。例示的なベータヒドロキシ酸には、4−オクチル−サリチル酸などのアルキル化サリチル酸が含まれる。好適なリントリハロゲンには、三塩化リン、三フッ化リン、および三臭化リンが含まれる。好適なアルコールには、それだけには限らないが、2−エチル−ヘキサノール、n−オクタノール、オクタノール、およびイソ−オクタノールを含むC〜C22アルコールが含まれる。
【0038】
BHAおよびリントリハロゲンの反応は、窒素または同様に不活性な雰囲気において通常の大気圧で実施される。さらに、この反応は、トリエチルアミンまたはピリジンなどの第三級アミン、およびトルエン、クメン、ベンゼン、クロロベンゼン、キシレン、ヘプタン、ヘキサンなどの溶媒の存在下で実施され得る。ポット温度は、−15℃から15℃、例えば−10℃から10℃または0℃から5℃の温度に維持される。この反応はハロゲン化中間体を生成する。
【0039】
ハロゲン化中間体を第1のステップと同じ条件下でアルコールとさらに反応させる。この反応生成物を、真空フィルターを用いて濾過して本発明の置換ホスフィットを生成する。
【0040】
一態様において、式I−IVにおいて上述の置換ホスフィットの添加剤ブレンドを含む組成物が提供される。本発明の添加剤ブレンドは少なくとも1種の一次酸化防止剤を含んでもよい。本発明の添加剤ブレンドとの使用に好適なフリーラジカル清掃酸化防止剤としても知られている一次酸化防止剤には、アミン系化合物、フェノール系化合物、およびそれらの混合物が含まれる。
【0041】
一態様において、式I−IVにおいて上述の置換ホスフィットおよび少なくとも1種のアミン系化合物の添加剤ブレンドを含む組成物が提供される。好適なアミン系化合物には、その全体の内容および開示が参照により援用されている米国特許出願第11/128,929号に記載されたものが含まれる。1種のこのような好適なアミン系化合物は次の構造:
−NH−R
によって表すことができる。
【0042】
ここで、RおよびRは、独立して6から100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、例えばアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、またはそれらの組合せである。
【0043】
1つのさらなる態様において、好適なアミン系化合物は、次の一般式:
(R−Ar−NH−Ar−(R
(式中、ArおよびArは、独立して芳香族炭化水素基であり、RおよびRは、独立して水素または6から約100個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキル、またはアリール基であり、aおよびbは、独立して0から3であるが、(a+b)は4を超えない)によって表される第二級ジアリールアミン化合物であり得る。
【0044】
本発明の実施において有用である第二級ジアリールアミン化合物のいくつかの例には、それだけには限らないが、ジフェニルアミン、モノアルキル化ジフェニルアミン、ジアルキル化ジフェニルアミン、トリアルキル化ジフェニルアミン、またはそれらの混合物、3−ヒドロキシジフェニルアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、モノ−および/またはジ−ブチルジフェニルアミン、モノ−および/またはジ−オクチルジフェニルアミン、モノ−および/またはジ−ノニルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、ジヘプチルジフェニルアミン、モノ−および/またはジ−(α−メチルスチリル)ジフェニルアミン、モノ−および/またはジスチリルジフェニルアミン、4−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル−t−オクチルジフェニルアミンの混合物、N−フェニル−1,2−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ(ナフチル−2−)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、およびN−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンが含まれる。以下は定義したばかりの第二級ジアリールアミン化合物に例示的であり、Chemtura Corporation製:Naugalube(商標)438、Naugalube 438L、Naugalube 640、Naugalube 635、Naugalube 680、Naugalube AMS、Naugalube APAN、Naugard PANA、Naugalube 403、Naugalube 410、およびNaugalube 420;Ciba−Geigy製:Irganox(商標)L 06およびIrganox L 57;R.T.Vanderbilt製:Vanlube SL、Vanlube 961、Vanlube 81、Vanlube SS、Vanlube DND;ならびにAlbermarle製:Ethanox 4720、Ethanox 4793、Ethanox 4780が市販されている。
【0045】
一態様において、式I−IVにおいて上述の置換ホスフィットおよび少なくとも1種のフェノール系化合物の添加剤ブレンドを含む組成物が提供される。好適なフェノール系化合物には、その内容および開示を参照により援用する米国特許出願第11/128,929号に記載されたものが含まれる。1種のこのようなフェノール系化合物には、次の一般式:
【化14】


(式中、R10、R11およびR12は、独立して水素またはアルキル、アルケニル、アリール、若しくはシクロアルキルなどの1から100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、但し、オルト位の基の少なくとも1つはアルキル鎖を含む)によって表される置換フェノール化合物が含まれる。好ましくは、上記オルトアルキル鎖は、イソ−またはtert−構造を有する分枝アルキル鎖を含む。
【0046】
ヒドロカルビル基の構成は多様なため、本発明に適する置換フェノール化合物には、アルキル化モノ−フェノール;アルキル化ヒドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデンビスフェノール;アシルアミノフェノール;(β−)3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸の一価または多価アルコールとのエステル;(β−)5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンゼンプロピオン酸の一価または多価アルコールとのエステル;ベータ(3,5ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミドが含まれ得る。本発明の実施のために有用であるフェノール系酸化防止剤のいくつかの例は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ビス(アルファ−メチルベンジル)−4−メチルフェノールおよび2−アルファ−メチルベンジル−4−メチルフェノールなど;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンなど;メタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトールなどでエステル化された3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼン−3−プロピオン酸である。以下はより好ましい置換フェノール化合物に例示的であり、Chemtura Corporation製:Naugard 431、Naugalube 531、Naugalube 38、Naugalube 15、およびNaugalube 18;Ciba−Geigy製:Irganox(商標)L 115、Irganox L 118、Irganox L 135、およびIrgalube F 10A;およびAlbemarle製:Ethanox 4712、Ethanox 4733、Ethanox 4735、Ethanox 4702が市販されている。
【0047】
本発明の添加剤ブレンドに戻って、上記添加剤ブレンドは、一般的に、最大約99重量%、例えば、最大約95重量%、最大約90重量%、最大約85重量%、最大約80重量%、最大約75重量%、最大約70重量%、最大約65重量%、最大約60重量%、最大約55重量%、最大約50重量%、最大約45重量%、最大約40重量%、最大約35重量%、最大約30重量%、最大約25重量%、最大約20重量%、最大約15重量%、または最大約10重量%の添加剤ブレンドの総重量に対する本発明の置換ホスフィットの重量百分率(重量%)を有する。範囲に関して、上記添加剤ブレンドは、添加剤ブレンドの総重量に対して5から99重量百分率(重量%)、例えば、15から80重量%、25から75重量%、20から60重量%または25から50重量%の置換ホスフィットを含み得る。上記添加剤ブレンドは、添加剤ブレンドの総重量に対して5から99重量%、例えば、15から80重量%、25から75重量%、20から60重量%または25から50重量%の量の一次酸化防止剤も含み得る。2種の一次酸化防止剤の混合物が使用される場合、これらの一次酸化防止剤の間の割合は80:20から20:80重量部、例えば60:40から40:60または50:50であってよい。1つのこのような態様において、上記添加剤ブレンドは、添加剤ブレンドの総重量に対して5から50重量%の置換ホスフィット、5から50重量%の第二級ジアリールアミン、および5から50重量%の置換フェノールを含み得る。
【0048】
一態様において、潤滑ベースストックと組み合わせた添加剤ブレンドを含む組成物がある。一般的に、この組成物は、組成物の総重量に対して約35から99.99重量%、例えば85から99.5重量%または90から99重量%の潤滑ベースストックを含み得る。この組成物は、組成物の総重量に対して0.01から約65重量%、例えば0.5から15重量%または1から10重量%の添加剤ブレンドも含み得る。このような態様において、上記置換ホスフィットは、組成物の総重量に対して0.01から5重量%、例えば0.05から2重量%または0.01から1.5重量%の量であってよい。このような態様において、第二級ジアリールアミン化合物は、存在する場合、組成物の総重量に対して0.01から5重量%、例えば0.05から2重量%または0.01から1.5重量%の量であってよい。このような態様において、置換フェノール化合物は、存在する場合、組成物の総重量に対して0.01から5重量%、例えば0.05から2重量%または0.01から1.5重量%の量であってよい。
【0049】
本発明の置換ホスフィット化合物から本質的に構成される1種の酸化防止剤を含む添加剤ブレンドは、185℃における加圧示差走査熱量計(PDSC)試験で測定して20〜300分、例えば30〜150分または35〜100分の酸化安定性を有し得る。アミン系酸化防止剤および本発明の置換ホスフィット化合物から本質的に構成される2種の酸化防止剤を含む添加剤ブレンドは、185℃におけるPDSC試験で測定して250〜400分、例えば260〜350分または270〜325分の酸化安定性を有し得る。フェノール系酸化防止剤および本発明の置換ホスフィット化合物から本質的に構成される2種の酸化防止剤を含む添加剤ブレンドは、185℃におけるPDSC試験で測定して45〜100分、例えば48〜75分または48〜60分の酸化安定性を有し得る。アミン系、フェノール系酸化防止剤および本発明の置換ホスフィット化合物を含む3種の酸化防止剤を含む添加剤ブレンド、185℃におけるPDSC試験で測定して90〜150分、例えば100〜125分または105〜120分の酸化安定性を有し得る。場合によって、3種の酸化防止剤を含む添加剤ブレンドはジラウリルホスフィットを含まない。
【0050】
本発明の添加剤ブレンドは、多くの様々な潤滑油組成物における成分として特に有用である。上記添加剤ブレンドは、天然および合成潤滑油ならびにそれらの混合物を含めた、潤滑粘度を有する様々な油に含まれ得る。上記添加剤ブレンドは、火花点火および圧縮点火内燃機関用のクランクケース潤滑油に含まれ得る。上記組成物は、ガス機関潤滑油、蒸気およびガスタービン潤滑油、自動変速機油、ギア潤滑油、圧縮機潤滑油、金属工作用潤滑油、作動油、ならびに他の潤滑油およびグリース組成物に使用することもできる。
【0051】
一般的に、潤滑油ベースストックは、約2から約200センチストーク(cSt)、例えば約3から約150cSt、または約3から約100cStの100℃における動粘度を有する任意の天然または合成潤滑油ベースストック留分である。潤滑油ベースストックは、天然潤滑油、合成潤滑油、またはそれらの混合物から誘導することができる。好適な潤滑油ベースストックには、合成ワックスおよびワックスの異性化により得られるベースストック、ならびに原油の芳香族および極性成分の水素化分解(溶媒抽出よりむしろ)により生成される水素化分解ベースストックが含まれる。天然潤滑油には、動物油、例えばラード油、獣脂、植物油(例えば、菜種油、ひまし油、ひまわり油)、石油、鉱油、および石炭またはシェールから誘導された油が含まれる。
【0052】
合成油には、炭化水素油およびハロ置換炭化水素油、例えば重合オレフィンおよび相互重合オレフィン(interpolymerized olefin)、フィッシャー・トロプシュ技術により調製されたガス−トゥ−リキッド(gas−to−liquid)、アルキルベンゼン、ポリフェニル、アルキル化ジフェニルエーテル、アルキル化ジフェニルスルフィド、ならびにそれらの誘導体、類似体、同族体などが含まれる。合成潤滑油には、アルキレンオキシドポリマー、インターポリマー(interpolymer)、コポリマー(copolymer)、およびそれらの誘導体も含まれ、ここで、末端ヒドロキシル基はエステル化、エーテル化などにより修飾されている。
【0053】
合成潤滑油の別の好適なクラスは、ジカルボン酸の様々なアルコールとのエステルを含む。合成油として有用なエステルには、CからC18のモノカルボン酸ならびにポリオールおよびポリオールエーテルから作られるものも含まれる。合成油として有用な他のエステルには、α−オレフィンおよび短鎖長または中間鎖長アルコールとエステル化されたジカルボン酸のコポリマーから作られるものが含まれる。
【0054】
ポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−、またはポリアリールオキシ−シロキサン油などのケイ素ベースの油およびシリケート油は、合成潤滑油の別の有用なクラスを含む。他の合成潤滑油には、リン含有酸、ポリマー性テトラヒドロフラン、ポリ−α−オレフィンなどの液体エステルが含まれる。
【0055】
潤滑油は、未精製油、精製油、再精製油、またはそれらの混合物から誘導することができる。未精製油は、さらに精製または処理することなく天然資源または合成資源(例えば、石炭、シェール、またはタールおよびビチュメン)から直接得られる。未精製油の例には、レトルト操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油、またはエステル化プロセスから直接得られるエステル油が含まれ、次いで、これらの各々はさらに処理されることなく使用される。精製油が1度または複数の精製ステップで処理されて1つまたは複数の特性を改善していることを除いて、精製油は未精製油と類似している。好適な精製技術には、蒸留、水素処理法、脱蝋、溶媒抽出、酸または塩基抽出、濾過、浸透などが含まれ、これらの全ては当業者によく知られている。再精製油は、精製油を得るために使用されたものと類似したプロセスにおいて精製油を処理することによって得られる。これらの再精製油は再生油または再処理油としても知られており、しばしば、消費された添加剤および油分解生成物の除去のための技術によってさらに処理される。
【0056】
ワックスの水素化異性化から誘導される潤滑油ベースストックは、単独または前述した天然および/若しくは合成ベースストックと組み合わせて使用することもできる。このようなワックス異性化油は、天然若しくは合成ワックスまたはそれらの混合物の水素化異性化触媒による水素化異性化よって生成される。天然ワックスは、一般的に鉱油の溶媒脱蝋によって回収される粗蝋であり、合成ワックスは、一般的にフィッシャー・トロプシュ法によって生成されるワックスである。特定の粘度範囲を有する様々な分画を回収するために、得られる異性化生成物は一般的に、溶媒脱蝋および分留に付される。異性化ワックスは、一般的に少なくとも130、好ましくは少なくとも135以上のV.I.を有する非常に高い粘度指数および、脱蝋後に、約−20℃以下の流動点を有することによっても特徴づけられる。
【0057】
本発明の実施において使用される潤滑油は、米国石油協会(API)基油互換性ガイドラインに広く記載されているグループI−Vにおける基油のいずれかから選択することができる。5つの基油グループは表1に記載されている。
【表1】

【0058】
上記添加剤ブレンドに戻って、一態様において、上記組成物は、置換ホスフィットおよび少なくとも1種の一次酸化防止剤および粘度指数向上剤、腐食抑制剤、分散剤、潤滑油流動性向上剤、洗浄剤/錆止め、流動点降下剤、消泡剤、摩耗防止剤、シール膨潤剤、および摩擦調整剤からなる群から選択される1種または複数のさらなる添加剤を含む添加剤ブレンドを含む。各添加剤の代表的な重量百分率は、存在する場合、一態様の組成物の総重量に基づき、表2に与えられている。
【表2】

【0059】
これらの添加剤は単独または組み合わせて使用し得る。表2に示されたように、本発明の置換ホスフィットおよび少なくとも1種の一次酸化防止剤の添加剤ブレンドは、潤滑油に一般的に見出される他の添加剤、および他の酸化防止剤とともに使用することができる。様々な態様によって、表2に示された全てを下回る成分を含む添加剤ブレンドを含むことが企図されることを理解されたい。例えば、添加剤ブレンドは、置換ホスフィット、第二級ジアリールアミン、腐食抑制剤、流動点降下剤、および摩擦調整剤を含み得る。さらに、例えば、添加剤ブレンドは、置換ホスフィット、置換フェノール、粘度指数向上剤、分散剤、洗浄剤/錆止め、シール膨潤剤および摩擦調整剤を含み得る。これらの例および他の組合せは、潤滑ベースストックまたは熱可塑性ポリマーと組み合わされる好適な添加剤ブレンドとして本発明の範囲内に含まれる。米国特許第5,498,809号は、有用な潤滑油組成物添加剤を開示しており、この開示はその全体を参照により本明細書に援用する。
【0060】
他の添加剤が上記添加剤ブレンドに使用される場合、必ずではないが、表2からの前記他の添加剤の1種または複数と一緒に本発明の主題の酸化防止剤ブレンドの濃縮液または分散液を含む添加剤ブレンドを調製し、これによって、いくつかの添加剤を基油に同時に添加して潤滑組成物を生成することができることが望ましいことがある。潤滑油中への添加剤濃縮物の溶解は、溶媒および穏やかな加熱を伴う混合によって促進することができるが、これは必須ではない。上記添加剤ブレンドは、添加剤ブレンドが潤滑油ベースストックの所定量と混合される場合、一般的に最終配合物中に所望の濃度を提供するのに適した量の添加剤を含むように配合する。したがって、本発明の添加剤ブレンドは、他の所望の添加剤とともに少量の潤滑油ベースストックまたは他の相溶性の溶媒に添加して、適切な割合の添加剤重量で、一般的に、約2.5から約90重量%、例えば約15から約75重量%、または約25から約60重量%の総量の活性成分を含み、残りはベースストックである添加剤ブレンドを生成することができる。最終配合物は一般的に、約0.5から20重量%の添加剤ブレンドを使用することができ、残りはベースストックである。
【0061】
粘度指数(V.I.)向上剤の例には、オレフィンコポリマー、分散性オレフィンコポリマー、α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン、または1−ペンテンであるエチレン−α−オレフィンコポリマー、またはそれらの水素化物、ポリイソブチレンまたはそれらの水素化物、スチレン−ジエン水素化コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、およびポリアルキルスチレンなどが含まれる。
【0062】
腐食抑制剤の例には、アミン錯体、ベンゾトリアゾール−、トリルトリアゾール−、チジアゾール−、およびイミダゾール−ベースの化合物などが含まれる。以下は例示的な腐食抑制剤であり、King Industries,Inc.製:KCorr(商標)100A2が市販されている。
【0063】
分散剤の例には、ポリイソブチレンスクシミド、ポリイソブチレンコハク酸エステル、マンニッヒ塩基無灰分散剤などが含まれる。
【0064】
潤滑油流動性向上剤の例には、ジアルキルフマレート−ビニルアセテートコポリマーなどが含まれる。
【0065】
洗浄剤の例には、金属および無灰アルキルフェネート、金属および無灰硫化アルキルフェネート、金属および無灰アルキルスルホネート、金属および無灰アルキルサリチレート、金属および無灰サリゲニン誘導体などが含まれる。錆止めの例はポリオキシアルキレンポリオール、ベンゾトリアゾール誘導体などである。
【0066】
流動点降下剤の例は、ポリメタクリレートなどである。
【0067】
消泡剤の例には、ポリシロキサン、ジメチルシリコーンおよびフルオロシリコーンなどのシリコーンなどが含まれる。以下は例示的な消泡剤であり、Munzing/Ultra Additives製:Foam Ban(商標)MS−575が市販されている。
【0068】
本発明の添加剤と一緒に使用し得る摩耗防止添加剤の例には、有機ボレート、有機ホスフィット、有機ホスフェート、有機硫黄含有化合物、硫化オレフィン、硫化脂肪酸誘導体(エステル)、塩素化パラフィン、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、亜鉛ジアリールジチオホスフェート、ジアルキルジチオリン酸エステル、ジアリールジチオリン酸エステル、リン硫化炭化水素などが含まれる。以下はこのような添加剤に例示的であり、The Lubrizol Corporation製:特にLubrizol 677A、Lubrizol 1095、Lubrizol 1097、Lubrizol 1360、Lubrizol 1395、Lubrizol 5139、およびLubrizol 5604、ならびにCiba−Geigy製:Irgalube 353が市販されている。
【0069】
シール膨潤剤の例には、芳香族化合物、硫黄ベースの化合物などが含まれる。
【0070】
摩擦調整剤の例には、脂肪酸エステルおよびアミド、有機モリブデン化合物、モリブデンジアルキルジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオホスフェート、モリブデンジスルフィド、トリ−モリブデンクラスタージアルキルジチオカルバメート、無硫黄モリブデン化合物などが含まれる。以下はモリブデン添加剤に例示的であり、R.T.Vanderbilt Company、Inc.製:特にMolyvan(商標)A、Molyvan L、Molyvan 807、Molyvan 856B、Molyvan 822、Molyvan 855が市販されている。以下もこのような添加剤に例示的であり、Asahi Denka Kogyo K.K.製:特にSAKURA−LUBE(商標)100、SAKURA−LUBE 165、SAKURA−LUBE 300、SAKURA−LUBE 310G、SAKURA−LUBE 321、SAKURA−LUBE 474、SAKURA−LUBE 600、SAKURA−LUBE 700が市販されている。以下もこのような添加剤に例示的であり、Akzo Nobel Chemicals GmbH製:特にKetjen−Ox(商標)77M、Ketjen−Ox 77TSが市販されている。Naugalube Mo1yFMもこのような添加剤に例示的であり、Chemtura Corporationから市販されている。
【0071】
金属不活性化剤の例には、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、ならびにトリアゾールおよびその誘導体が含まれる。以下もこのような添加剤に例示的であり、Ciba−Geigy製:Irgamet(商標)39が市販されている。一態様において、上記添加剤ブレンドは、置換ホスフィット、少なくとも1種の一次酸化防止剤を含み、金属不活性化剤を実質的に含まない、すなわち、組成物の総重量に対して0.05重量%未満、例えば0.02重量%未満または0.001重量%未満の金属不活性化剤を含む。
【0072】
別の態様において、上記置換ホスフィット、または置換ホスフィットを含む添加剤ブレンドは、熱可塑性ポリマーがしばしば加工および/または使用される極端な温度のために、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテルおよびスチレン系ポリマーなどの熱可塑性ポリマーにおいて特に有用である。一態様において、このような組成物は、組成物の総重量に対して約75から99.9重量%、例えば85から99.5重量%または90から99.1重量%の熱可塑性ポリマーを含む。上記組成物は、約0.1から25重量%、例えば0.5から15重量%または0.9から10%の置換ホスフィットも含むことができる。場合によって、上記組成物は、約0.1から25重量%、例えば0.5から15重量%または0.9から10%の置換ホスフィットおよび少なくとも1種の一次酸化防止剤を含む添加剤ブレンドも含むことができる。
【0073】
モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレン、またはポリブタジエン、同様にシクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合によって架橋し得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用することができる。これらのポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンのポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンのポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)および異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)も使用することができる。同様に有用であるのは、モノオレフィンおよびジオレフィンの互いのまたは他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレン、LLDPEおよびLDPEとのその混合物、プロピレン/ブテン−1、エチレン/ヘキセン、エチレン/エチルペンテン、エチレン/ヘプテン、エチレン/オクテン、プロピレン/イソブチレン、エチレン/ブタン−1、プロピレン/ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、エチレン/アルキルアクレート、エチレン/アルキルメタクリレート、エチレン/ビニルアセテート(EVA)またはエチレン/アクリル酸コポリマー(EAA)およびそれらの塩(イオノマー)ならびにエチレンのプロピレンおよびジエンとのターポリマー、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン;同様にこのようなコポリマーの混合物および上述されたポリマーとのそれらの混合物、例えばポリプロピレン/エチレンプロピレン−コポリマー、LDPE/EVA、LDPE/EAA、LLDPE/EVA、およびLLDPE/EAAである。
【0074】
オレフィンポリマーは、例えば、場合によって、例えば、MgCl、クロム塩およびその錯体、シリカ、シリカ−アルミナなどの支持体上のチーグラー・ナッタ触媒の存在下のオレフィンの重合によって生成することができる。オレフィンポリマーは、クロム触媒またはシングルサイト触媒、例えば、メタロセン触媒、例えば、TiおよびZrなどの金属のシクロペンタジエン錯体を利用して生成することもできる。当業者は容易に理解するように、本明細書で使用されるポリエチレンポリマー、例えば、LLDPEは、例えば1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンコモノマーなどの様々なコモノマーを含むことができる。
【0075】
ポリマーは、スチレン系ポリマー、例えばポリスチレン、ポリ−(p−メチルスチレン)、ポリ−(−メチルスチレン)、スチレンまたは−メチルスチレンのジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/マレイミド、スチレン/ブタジエン/エチルアクリレート、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート、スチレンコポリマーおよび別のポリマーからの高衝撃強度の混合物、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーからの高衝撃強度の混合物;およびスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレンスチレンも含むことができる。
【0076】
スチレン系ポリマーは、追加としてまたは別法として、スチレンまたは.−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリル上のスチレン;ポリブタジエンおよびそのコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタアクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート、ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート、エチレンプロピレン−ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ポリアクリレートまたはポリメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ならびに上述のスチレン系コポリマーとのそれらの混合物を含むことができる。
【0077】
ニトリルポリマーも本発明のポリマー組成物において有用である。これらには、アクリロニトリルおよびその類似体の単独重合体およびコポリマー、例えばポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル/−ブタジエンポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートポリマー、アクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンポリマー、およびスチレン系について上に引用された様々なABS組成物が含まれる。
【0078】
アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリル酸およびエタクリル酸およびそれらのエステルなどのアクリル酸に基づくポリマーも使用することができる。このようなポリマーには、ポリメチルメタクリレート、およびABS−タイプのグラフトコポリマー(ここで、アクリロニトリル−タイプのモノマーの全てまたは一部は、アクリル酸エステルまたはアクリル酸アミドで置換されている)が含まれる。アクロレイン、メタアクロレイン、アクリルアミドおよびメタクリルアミドなどの他のアクリル−タイプのモノマーを含むポリマーも使用することができる。
【0079】
ハロゲン含有ポリマーも有用であり得る。これらには、ポリクロロプレン、エピクロロヒドリン単独およびコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブロミド、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンクロリド、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ポリビニリデン、臭素化ポリエチレン、塩化ゴム、ビニルクロリド−ビニルアセテートコポリマー、ビニルクロリド−エチレンコポリマー、ビニルクロリド−プロピレンコポリマー、ビニルクロリド−スチレンコポリマー、ビニルクロリド−イソブチレンコポリマー、ビニルクロリド−ビニリデンコポリマー、ビニルクロリド−スチレン−無水マレイン酸ターポリマー、ビニルクロリド−スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ビニルクロリド−ブタジエンコポリマー、ビニルクロリドイソプレンコポリマー、ビニルクロリド−塩素化プロピレンコポリマー、ビニルクロリド−ビニリデンクロリド−ビニルアセテートターポリマー、ビニルクロリド−アクリル酸エステルコポリマー、ビニルクロリド−マレイン酸エステルコポリマー、ビニルクロリド−メタクリル酸エステルコポリマー、ビニルクロリド−アクリロニトリルコポリマーおよび内部可塑化ポリ塩化ビニルなどの樹脂が含まれる。
【0080】
したがって、本発明のホスフィット組成物によって安定化される熱可塑性樹脂は、場合によって、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン安定剤、紫外線吸収剤、ホスフィット、ホスホニット、脂肪酸のアルカリ金属塩、ヒドロタルサイト、金属酸化物、エポキシ化大豆油、ヒドロキシルアミン、第三級アミン酸化物、ラクトン、第三級アミン酸化物の熱反応生成物、およびチオ相乗剤(thiosynergist)からなる群から選択されるさらなる安定剤または安定剤の混合物を含むことができる。
【0081】
したがって、得られる安定化されたポリマー樹脂組成物は、場合によって以下のものなどの様々な従来の添加剤も含む。
【0082】
酸化防止剤:酸化防止剤は、アルキル化モノ−フェノール、例えば:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−.(−メチルシクロヘキシル)−4,6ジメチルフェノール、2,6−ジ−オクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6,−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノールを含むことができる。アルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,6ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノールも酸化防止剤として使用することができる。
【0083】
使用される酸化防止剤は、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−tertブチル−3−メチルフェノール)、および4,4’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)も含むことができる。
【0084】
アルキリデン−ビスフェノールは、例えば、2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−.(−メチルシクロヘキシル)フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−.(−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−.(,−ジメチルベンジル)−4−ノニル−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4’メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェノール)ブタン、2,6−ジ−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−3−ドデシル−メルカプトブタン、エチレングリコール−ビス−(3,3−ビス−(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−ブチレート)−ジ−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ジシクロペンタジエン、ジ−(2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル)テレフタレート、および他のフェノール系、例えばビスフェノールのモノアクリル酸エステル、例えばエチリジエンビス−2,4−ジ−t−ブチルフェノールモノアクリル酸エステルおよび3−5ジブチルヒドロキシフェニルプロピオン酸のエステルのような酸化防止剤として使用することができる。特に興味深いフェノール系酸化防止剤は、n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジtert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、3,5−ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、カルシウムビス(エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)、エチレンビス[3,3−ジ(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、オクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、およびN,N’−ビス−[2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]−オキサミドからなる群から選択される。
【0085】
使用し得る他の酸化防止剤には、ベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプトアセテート、ビス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオール−テレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4,10ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、モノエチル3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートのカルシウム塩、および1,3,5−トリス−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートが含まれる。
【0086】
アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシ−ステアリン酸アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン、およびオクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメートは、酸化防止剤として使用することができる。
【0087】
(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸の一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、ジエチレングリコール、オクタデカノール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、チオジエチレングリコール、およびジヒドロキシエチルシュウ酸ジアミドとのエステルも酸化防止剤として使用することができる。
【0088】
酸化防止剤は、.−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェノール)−プロピオン酸、例えば、N,N’−ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、およびN,N’−ジ(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジンのアミドも含むことができる。
【0089】

(例1)
4−オキソ−1,3−ジオキサ−2−ホスファナフタレンの合成
温度プローブ、添加漏斗、撹拌機および窒素入り口を取り付けた250mL Aceフラスコに、50mLの無水トルエンに溶解した22.5g(90mmol)の4−オクチル−サリチル酸および18.2g(80mmol)の無水トリエチルアミンを装入した。窒素ブランケット下で、この混合物に、ポット温度を−5℃から0℃に維持しつつ撹拌しながら50mLの無水トルエン中の12.3g(90mmol)のPClの溶液を滴加した。90分後にPClの添加を完了した。撹拌をさらに15分間続けた。主に2−クロロ−4−オキソ−1,3−ジオキサ−2−ホスファナフタレン中間体を含むこの反応混合物に、30mLの無水トルエン中の11.7g(90mmol)のイソ−オクタノールおよび9.09g(90mmol)の無水トリエチルアミンの溶液を1時間かけて滴加した。添加の間中、ポット温度を−5℃から0℃の範囲に維持した。添加が完了した後、冷却を除去し、撹拌しながらポット温度を室温に上げさせた。撹拌をさらに1時間続けた。次いで、トリエチルアミン塩酸塩の沈殿を吸引濾過によって濾別した。この濾液を冷蔵庫中に終夜貯蔵した。翌朝、トルエン溶液中に生成されたさらなる沈殿を濾別した。次いで、得られた濾液を真空中で蒸発乾燥して78.5gの淡黄色の粘稠液を得た。31P−NMR分析によって4−オキソ−1,3−ジオキサ−2−ホスファナフタレン生成物のための125ppmにおける特性信号が得られた。
【0090】
(例2)
Exxon 100 LP 基油を0.05重量%のIrgamet 39、0.03重量%のK−Corr 100 A2、および0.005重量%のMS−575消泡剤と混合することによって潤滑組成物を作る。
【0091】
(例3)
例2の組成物に、1.0重量%の例1からの置換ホスフィットを添加する。
【0092】
(例4)
アミン系/フェノール系のブレンド
例2の組成物に、0.5重量%のNaugalube 438L(モノ−、ジ−、およびトリ−ノニルジフェニルアミンの錯体混合物)および0.5重量%のNaugalube 531(オクチル3−[3,5−ジ(tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル]プロパノエート)を添加する。
【0093】
(例5)
例2の組成物に、0.5重量%のNaugalube 438Lおよび0.5重量%の例1からの置換ホスフィットを添加する。
【0094】
(例6)
例2の組成物に、0.5重量%のNaugalube 531および0.5重量%の例1からの置換ホスフィットを添加する。
【0095】
(例7)
例2の組成物に、0.33重量%のNaugalube 438L、0.33重量%のNaugalube 531および0.33重量%の例1からの置換ホスフィットを添加する。
【0096】
(比較例A−L)
以下の比較例を米国特許出願第11/128,929号から調製した。比較Aは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 438Lおよび0.5重量%のWeston TPP、トリフェニルホスフィットを含む。比較Bは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 438Lおよび0.5重量%のWeston TDP、トリイソデシルホスフィットを含む。比較Cは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 438Lおよび0.5重量%のWeston 600、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィットを含む。比較Dは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 438Lおよび0.5重量%のジラウリルホスフィットを含む。比較Eは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 531および0.5重量%のWeston TPPを含む。比較Fは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 531および0.5重量%のWeston TDPを含む。比較Gは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 531および0.5重量%のWeston 600を含む。比較Hは例2の組成物、0.5重量%のNaugalube 531および0.5重量%のジラウリルホスフィットを含む。比較Iは例2の組成物、0.33重量%のNaugalube 438L、0.33重量%のNaugalube 531および0.33重量%のWeston TPPを含む。比較Jは例2の組成物、0.33重量%のNaugalube 438L、0.33重量%のNaugalube 531および0.33重量%のWeston TDPを含む。比較Kは例2の組成物、0.33重量%のNaugalube 438L、0.33重量%のNaugalube 531および0.33重量%のWeston 600を含む。比較Lは例2の組成物、0.33重量%のNaugalube 438L、0.33重量%のNaugalube 531および0.33重量%のジラウリルホスフィットを含む。
【0097】
PDSC試験および結果
例2−6の組成物の各々および比較例A−Lを、表3に示された加圧示差走査熱量計(PDSC)条件下で試験した。表4におけるPDSCデータは各ブレンドの酸化誘導時間(OIT)の測定値である。使用されたPDSC装置は、Mettler−Toledo,Inc.製のMettler DSC27HPである。PDSC法は各試験を通して一定の酸素圧力下のスチールセルを使用する。この装置は200分のOITについて95%の信頼度で±5.0分の一般的な再現性を有する。全ての試験配合は窒素雰囲気下で15分間ブレンドした。調製された試験ブレンドの各50グラムについて、40μLの油溶性ナフテン酸第二鉄(鉱油中6重量%)を、PDSC試験前に添加して油中の50ppmの鉄を促進した。PDSC試験の始めにおいて、PDSCスチールセルを酸素で加圧し、結果の表に記載された等温温度まで毎分40℃の速度で加熱する。誘導時間は、サンプルがその等温温度に到達してからエンタルピー変化が観測されるまで測定する。酸化誘導時間が長いほど、油の酸化安定性は良い。各データポイントは単一の試験ブレンドの2回の試験の平均である。
【表3】

【0098】
潤滑油酸化防止剤としての使用のための本発明の利点および重要な特徴は、産業用「R&O」タービン油配合に示されている。結果は表4に示されており、ここで、より長い時間はより安定な組成物を示している。指定のない限り表4における値は重量%で示されている。
【表4】

【0099】
表4に示された試験結果によって、既知のアミン系酸化防止剤(1.0重量%のNaugalube 438L=6.3分。@185℃)、フェノール系酸化防止剤(1.0重量%のNaugalube 531=2.8分。@185℃)、またはそれらのブレンド(例4)に比較した場合、1.0重量%の本発明の置換ホスフィットを含む例3は、PDSC試験において優れた酸化安定性を有することが示されている。
【0100】
さらに、表4に示された試験結果によって、本発明の置換ホスフィットの一次酸化防止剤との混合物に由来する酸化防止剤相乗効果が示されている。予想値に比較した場合、相乗効果は例5−7についてPDSC試験において特に強い。例5は他の既知のホスフィット(比較例A−D)に比べてより良い相乗効果を示している。例6は他の既知のホスフィット(比較例E−H)に比べてより良い相乗効果を示している。例7は他の既知のホスフィット(比較例I−L)に匹敵するかより良い相乗効果を示している。さらに、例5−7の各々は、例4に示されたアミン系およびフェノール系酸化防止剤のブレンドに比べてより良い。
【0101】
本発明の基礎をなす原理から逸脱することなくなされ得る多くの変化および改変を考慮して、本発明に与えられる保護の範囲の理解のために添付の特許請求の範囲を参照されたい。
【0102】
本明細書に記載されたあらゆる特許、論文および他の資料の開示は、参照により本明細書中にそれらの全体をこれによって援用する。複数の定義された成分を「含む」と記載された組成物は、定義された複数の定義された成分を混合することによって生成される組成物を含むと解釈されるべきである。本発明の原理、好ましい態様、および操作の方法は前述の明細書に記載されている。開示された態様は制限的であるよりも例示的であるとみなされるので、出願者らが提出するものは、彼らの発明であるが、開示された特定の態様に限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の精神から逸脱することなく当業者によって変化はなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、
およびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、
およびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)の化合物。
【請求項2】
およびRが、2−エチル−ヘキシル、n−オクチル、およびイソ−オクチルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がC〜C10アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
構造:
【化2】


をさらに含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
構造:
【化3】


をさらに含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
下記構造を含む化合物の製造方法
【化4】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、
およびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、
およびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される):
a)リントリハロゲン化合物をベータヒドロキシ酸化合物と反応させてハロゲンホスホニット中間体を生成するステップ、および
b)ステップa)のハロゲンホスホニット中間体をアルコールと反応させて前記化合物を生成するステップ。
【請求項7】
ベータヒドロキシ酸がサリチル酸である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
以下を含む、潤滑組成物を生成する方法:
第二級ジアリールアミン、置換フェノール、およびそれらのブレンドからなる群から選択される少なくとも1種の一次酸化防止剤、ならびに構造:
【化5】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、
およびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、
およびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)の置換ホスフィット化合物をブレンドして、添加剤ブレンドを生成するステップ、ならびに
前記添加剤ブレンドを潤滑ベースストックに添加するステップ。
【請求項9】
少なくとも1種の一次酸化防止剤を添加して添加剤ブレンドを生成するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
以下を含む潤滑組成物:
a)潤滑ベースストック、ならびに
b)i)少なくとも1種の一次酸化防止剤、および
ii)下記一般式で表される置換ホスフィット化合物を含む添加剤ブレンド:
【化6】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、
およびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、
およびRは、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)。
【請求項11】
少なくとも1種の一次酸化防止剤が、下記一般式で表される第二級ジアリールアミン化合物を含む、請求項9に記載の組成物:
(R−Ar−NH−Ar−(R
(式中、ArおよびArは、独立して芳香族炭化水素基であり、RおよびRは、独立して水素または6から約100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、aおよびbは、独立して0から3であるが(a+b)は4を超えない)。
【請求項12】
第二級ジアリールアミン化合物が、一置換、二置換または三置換ジフェニルアミンの群から選択されるジフェニルアミンを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の一次酸化防止剤が、下記一般式で表される置換フェノール化合物を含む、請求項9に記載の組成物:
【化7】


(式中、R10、R11およびR12は、独立して水素または1から100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、但し、オルト位の基の少なくとも1つは分枝アルキル鎖を含む)。
【請求項14】
置換ホスフィット化合物が、
【化8】


の構造をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
【化9】


の構造をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
潤滑ベースストックが、ガス機関潤滑油、蒸気およびガスタービン潤滑油、自動変速機油、ギア潤滑油、圧縮機潤滑油、金属工作用潤滑油、作動油、ならびにポリアルファオレフィンからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
熱可塑性エラストマー、および下記構造の置換ホスフィット化合物を含む固体組成物:
【化10】


(式中、RはC〜C22アルキルおよびC〜C22シクロアルキルからなる群から選択され、
およびRは、C〜C18アリールを生成するように選択され、
およびRは、H、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、C〜C22シクロアルキル、およびC〜Cアリールからなる群から選択される)。
【請求項18】
熱可塑性エラストマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレン、およびポリブタジエンからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
下記一般式で表される置換フェノールをさらに含む、請求項17に記載の組成物:
【化11】


(式中、R10、R11およびR12は、独立して水素または1から100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、但し、オルト位の基の少なくとも1つは分枝アルキル鎖を含む)。
【請求項20】
下記一般式で表される第二級ジアリールアミン化合物をさらに含む、請求項17に記載の組成物:
(R−Ar−NH−Ar−(R
(式中、ArおよびArは、独立して芳香族炭化水素基であり、RおよびRは、独立して水素または6から約100個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、aおよびbは、独立して0から3であるが、(a+b)は4を超えない)。

【公表番号】特表2011−525179(P2011−525179A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514657(P2011−514657)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/044330
【国際公開番号】WO2009/158078
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(508201282)ケムチュア コーポレイション (69)
【Fターム(参考)】