説明

濃淡燃焼式バーナ

【課題】 濃炎孔及び淡炎孔を多重に組み合わせたとしても、燃焼性の悪化を招くことなく確実に火炎の燃焼安定性を図ることで、低NOx化を確実に図り得る濃淡燃焼式バーナを提供する。
【解決手段】 中央に濃炎孔列33、両側に淡炎孔列34,34、さらに両外側に濃炎孔列35,35を順に配列する。淡炎孔列34,34に淡混合気を供給する供給通路37に狭窄部371を形成し、その直近の下流側位置に漏らし孔42,63を形成する。外側濃炎孔35や中央濃炎孔33に供給される濃混合気の一部を漏らし孔42,63から淡混合気側に漏らし、濃混合気が混入された淡混合気を淡炎孔34の外側位置に供給する。逆に、淡混合気を中央濃炎孔33の側に漏らすようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火炎の燃焼安定性を図りつつ低NOx化を確実に図り得る濃淡燃焼式バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低NOx化を図るために空気比が1よりも大の淡混合気を淡炎孔にて燃焼させる一方、燃焼火炎の安定化を図るために空気比が1よりも小の濃混合気を燃焼させる濃炎孔を淡炎孔に隣接させるようにするという濃淡燃焼式バーナが種々提案されている。(例えば特許文献1,2,3参照)。特に特許文献3では淡炎孔を挟んで両側に濃炎孔を配置すると共に、淡炎孔と濃炎孔との間に淡混合気と濃混合気との中間濃度の混合気が供給される炎孔を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−42917号公報
【特許文献2】特開2002−48314号公報
【特許文献3】特開2003−269705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、濃炎孔と淡炎孔とに対し濃混合気と淡混合気とに分けて供給する方式として、特許文献1では濃混合気用供給口と、淡混合気用供給口とを個別に設け、濃混合気用供給口から濃炎孔に直接に供給させる一方、淡混合気用供給口から淡炎孔に直接に供給させるようにしており、又、特許文献2では燃料ガス用供給口と、空気用供給口とを個別に設け、濃炎孔及び淡炎孔までのそれぞれに至る供給通路に分岐や長短を設けて混合気の濃淡を調整するようにしている。
【0005】
しかしながら、一列の淡炎孔の両側に濃炎孔をそれぞれ配置して淡炎孔を単に両側から挟んだだけの濃淡燃焼式バーナであれば、前記の各特許文献で提案されている供給方式で濃混合気と淡混合気を供給し得るものの、さらに淡炎孔の中心線上に延びるように一列の濃炎孔を追加することで短手方向(幅方向)において例えば濃−淡−濃−淡−濃というような配列で濃炎孔と淡炎孔とが交互に並ぶ構成にすると、特に両側が淡炎孔により挟まれた中央の濃炎孔に形成される濃火炎の燃焼性が、最も外側の濃炎孔に形成される濃火炎に比して悪化する場合がある。又、濃淡燃焼式バーナにおいては、淡火炎の保炎性を向上させることが、燃焼装置としての性能を向上させる上で重要な課題である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、濃炎孔及び淡炎孔を多重に組み合わせたとしても、燃焼性の悪化を招くことなく確実に火炎の燃焼安定性を図ることで、低NOx化を確実に図り得る濃淡燃焼式バーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明では、中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔を配列し、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔を配列してなる濃淡燃焼式バーナを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記外側濃炎孔に濃混合気を供給する外側濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第1の漏らし孔を貫通形成し、前記外側濃混合気供給通路から濃混合気の一部が前記第1の漏らし孔を通して前記淡混合気供給通路に流入可能な構成とすることとした(請求項1)。
【0008】
又、第2の発明では、中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔を配列し、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔を配列してなる濃淡燃焼式バーナを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記中央濃炎孔に濃混合気を供給する中央濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第2の漏らし孔を貫通形成し、前記中央濃混合気供給通路から濃混合気の一部が前記第2の漏らし孔を通して淡混合気供給通路に流入可能な構成とすることとした(請求項2)。
【0009】
以上の発明の場合、外側濃混合気供給通路から第1の漏らし孔を通して、又は、中央濃混合気供給通路から第2の漏らし孔を通して 濃混合気の一部が淡混合気供給通路に流入可能となっているため、区画壁に隣接した部位を流れる淡混合気は、漏らし孔から流入した濃混合気が混入されて、本来の淡混合気よりも空気比が小さくなって淡混合気と濃混合気との中間濃度の状態で淡炎孔の外側位置に供給されることになる。このため、淡炎孔に形成される淡火炎の保炎性を高め得ることになり、確実にバーナ全体の火炎の燃焼安定性を図り得ることになる。
【0010】
以上の濃淡燃焼式バーナにおける各淡炎孔として、複数の薄板が所定のスリット間隔を隔てて層状に組み付けられて少なくとも3層のスリットを有する炎孔形成部材により形成した場合、前記漏らし孔を前記炎孔形成部材の外側面と相対向する位置に形成する一方、前記炎孔形成部材を構成する最外側位置の薄板として、前記漏らし孔から流入する濃混合気を最外側位置のスリット内に流入させるよう少なくとも開口を備える構成とすることができる(請求項3)。このようにした場合、漏らし孔から流入した濃混合気は前記開口を通して最外側位置のスリット内に入り、このスリット内に流れる淡混合気に混入される結果、濃混合気の混入により中間濃度となった混合気が炎孔形成部材により形成された淡炎孔の確実に最外側位置に供給されることになる。これにより、淡炎孔に形成される淡火炎の保炎性を確実に高め得ることになる。
【0011】
又、第3の発明として、中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔を配列し、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔を配列しなる濃淡燃焼式バーナを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記中央濃炎孔に濃混合気を供給する中央濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第2の漏らし孔を貫通形成し、前記淡混合気供給通路から淡混合気の一部が前記第2の漏らし孔を通して前記中央濃混合気供給通路に流入可能な構成とした(請求項4)。
【0012】
この発明の場合、中央濃炎孔に対し、淡混合気が流入した分だけ濃混合気よりも空気比の大きい混合気が供給されることになる。このため、外側濃炎孔に形成される濃火炎は二次空気と十分に接触し得るのに比べ、中央濃炎孔に形成される濃火炎は両側が淡火炎に挟まれて燃焼用の空気との接触が十分ではないため、燃焼空気不足に陥るおそれが考えられるところ、中央濃炎孔に供給される直前に漏らし孔を通して淡混合気を混入させることで、燃焼空気不足に陥るおそれを回避して、中央濃炎孔に形成される濃火炎を燃焼安定性よく完全に燃焼させることが可能となる。
【0013】
以上の各発明において、前記漏らし孔を通して流入させる方向を設定する流入方向設定手段を備えることもできる。この場合、前記流入方向設定手段として、前記漏らし孔の形成位置の上流側又は下流側の位置に形成した流路抵抗要素により構成することができる(請求項4)。あるいは、前記流入方向設定手段として、流入させる側の混合気の流れが衝突するよう前記区画壁に形成した衝突壁により構成し、この衝突壁に前記漏らし孔を貫通形成するようすることができる(請求項5)。このような流入方向設定手段を追加することで、各発明における漏らし孔を通して流入させる方向を確実に所期のものに設定することが可能となり、各発明による作用を確実に得られることとなる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、請求項1〜請求項3のいずれかの濃淡燃焼式バーナによれば、濃炎孔と淡炎孔とが濃−淡−濃−淡−濃の配列順とされた濃淡燃焼式バーナにおいて、外側濃混合気供給通路から第1の漏らし孔を通して、又は、中央濃混合気供給通路から第2の漏らし孔を通して、濃混合気の一部を淡混合気供給通路に流入可能としているため、区画壁に隣接した部位を流れる淡混合気に対し漏らし孔から流入した濃混合気を混入させて、本来の淡混合気よりも空気比が小さくなって淡混合気と濃混合気との中間濃度の状態の混合気を淡炎孔の外側位置に供給させることができるようになる。このため、淡炎孔に形成される淡火炎の保炎性を高めることができ、確実にバーナ全体の火炎の燃焼安定性を図ることができることになる。この結果、低NOx化を確実に図り得る濃淡燃焼式バーナを提供することができるようになる。
【0015】
特に、請求項3によれば、漏らし孔から流入した濃混合気を、開口を通して最外側位置のスリット内に入れることができ、このスリット内に流れる淡混合気に混入される結果、濃混合気の混入により中間濃度となった混合気を、炎孔形成部材により形成された淡炎孔の確実に最外側位置に供給させることができるようになる。これにより、淡炎孔に形成される淡火炎の保炎性をより確実に高めることができるようになる。
【0016】
又、請求項4の濃淡燃焼式バーナによれば、中央濃炎孔に対し、淡混合気が流入した分だけ濃混合気よりも空気比の大きい混合気を供給することができるようになる。このため、外側濃炎孔に形成される濃火炎が二次空気と十分に接触し得るのに比べ、中央濃炎孔に形成される濃火炎は両側が淡火炎に挟まれて燃焼用の空気との接触が十分ではなくて、燃焼空気不足に陥るおそれが考えられるところ、中央濃炎孔に供給される直前に漏らし孔を通して淡混合気を混入させることで、燃焼空気不足に陥るおそれを回避することができる。これにより、中央濃炎孔に形成される濃火炎を燃焼安定性よく完全に燃焼させることができるようになる。この結果、濃炎孔と淡炎孔とを濃−淡−濃−淡−濃の配列順として濃炎孔及び淡炎孔を多重に組み合わせたとしても、燃焼性の悪化を招くことなく確実に火炎の燃焼安定性を図ることができ、低NOx化を確実に図り得る濃淡燃焼式バーナを提供することができるようになる。
【0017】
さらに、請求項4又は請求項5によれば、流路抵抗要素又は衝突壁により構成した流入方向設定手段を追加することで、漏らし孔を通して流入させる方向を確実に所期のものに設定することができ、各発明による効果を確実に得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の濃淡燃焼式バーナを組み込んだ燃焼装置の例を示し、図1(a)は斜視図状態で示す説明図であり、図1(b)は断面図状態で示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態の濃淡燃焼式バーナの斜視図である。
【図3】図2のバーナの正面図である。
【図4】図4(a)は図2のバーナの平面図であり、図4(b)は図4(a)のF−F部拡大図であり、図4(c)は図2のバーナの左側面図である。
【図5】第3バーナを構成する一対の第3プレート部材、この第3バーナの両側に配設される淡炎孔列を構成する炎孔部材、第2プレート部材、及び、第1プレート部材を分解した状態で示す斜視図である。
【図6】第3バーナと、この第3バーナの片側に対し配設される炎孔部材及び第2プレート部材とを分解した状態で示す斜視図である。
【図7】図3のA−A線で切断した状態で示す斜視図である。
【図8】図8(a)は図3のB−B線で切断した状態で示す斜視図であり、図8(b)は図3のC−C線で切断した状態で示す斜視図である。
【図9】図3のA−A線における断面で切断した状態の断面説明図である。
【図10】図10(a)は他の形態を示す図9対応図であり、図10(b)はさらに別の形態を示す図9対応図である。
【図11】図11(a)は漏らし方向を設定する第1の手段を示す簡略断面説明図であり、図11(b)は漏らし方向を設定する第2の手段を示す簡略断面説明図であり、図11(c)漏らし方向を設定する第2の手段を示す簡略断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る濃淡燃焼式バーナ(以下、単に「バーナ」という)を適用した燃焼装置2を示す。この燃焼装置2は、缶体21内において、所定数のバーナ3,3,…を横に隣接させて並べた状態のバーナセットが固定されたものである。缶体21の上部空間は燃焼空間22とされ、下部空間23に送風ファン24からの燃焼用空気が供給される一方、各バーナ3の一側にガスマニホールド25(図1(b)にのみ示す)が配設され、このガスマニホールド25から1つのバーナ3に対し2つのガスノズル26,27が突出されている。一方(下段)のガスノズル26はバーナ3の第1供給口31に向けて、他方(上段)のガスノズル27はバーナ3の第2供給口32に向けて、それぞれ燃料ガスを噴出させ得るようになっている。そして、下部空間23からの空気を各ガスノズル26,27の周囲から送風ファン24の吐出圧により押し込んで、燃料ガス及び空気の双方を第1及び第2供給口31,32に供給し得るようになっている。この際、第1供給口31はかなり大径に設定されて、より多くの空気を押し込むようにされる一方、第2供給口32は比較的小径に設定されて、押し込む空気の量が絞られるようにされている。このようにして、第1供給口31からは供給される燃料ガスに加え1.0よりも大きい所定の空気比となる量の空気が内部に供給される一方、第2供給口32からは同様に供給される燃料ガスに加え1.0よりも小さい所定の空気比となる量の空気が内部に供給されるようになっている。なお、下部空間23とバーナ3,3,…とを仕切るように配設された整流板28(図1(b)参照)には多数の小孔が開けられ、この小孔を通して相隣接するバーナ3,3間に二次空気が供給されるようになっている。
【0021】
バーナ3は、図2に示すように、金属板素材を用いてプレス加工及び折り曲げ加工を経て所定形状に加工された3種類の各一対のプレート部材4,4、5,5、6,6と、一対の炎孔形成部材7,7とを用い、3種類の各一対のプレート部材4,4、5,5、6,6を後述の如く相対向させて順に接合することで形成されたものである。このようなバーナ3は、全体として扁平状に形成されている。図3の左右方向を長手方向(長さ方向)、図3の紙面に直交する方向を短手方向(幅方向)というとすれば、長手方向一側(図3の左側)において下側位置に第1供給口31が開口し、上側位置に第1供給口31よりも小径の第2供給口32が開口され(図4(c)も併せて参照)、上端面に燃焼火炎が形成される炎孔列が長手方向に延びるように形成されている。炎孔列としては、図2又は図4(a),(b)に示すように、短手方向中央位置において狭幅の濃炎孔列33が長手方向全長に延び、この濃炎孔列33の短手方向両側位置のそれぞれにおいて比較的広幅の淡炎孔列34が長手方向全長に延び、両側の淡炎孔列34,34のさらに外側位置においてそれぞれ狭幅の濃炎孔列35が長手方向全長に延びている。そして、淡炎孔列34,34の各淡炎孔341には第1供給口31から供給されて混合された淡混合気が導かれ、この淡混合気により淡火炎が形成され、短手方向中央の位置の濃炎孔列33の各濃炎孔331と、両外側位置の2列の濃炎孔列35,35の各濃炎孔351とには第2供給口32から供給されて混合された濃混合気が導かれ、この濃混合気により濃火炎が形成されるようになっている。さらに二列の各淡炎孔列34に形成される淡火炎の短手方向両側位置には、後述の如く、淡混合気よりも空気比が僅かに小さく濃混合気と淡混合気との中間濃度の混合気が供給されるようになっている。
【0022】
このようなバーナ3は、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、図5に示すように、3種類の各一対のプレート部材4,4、5,5、6,6と、一対の炎孔形成部材7,7とを用いて構成する。一対の第3プレート部材6,6(図5参照)を相対向させてその両側や下の各縁部を互いに接合させることで、内面間に濃混合気の供給通路(中央濃混合気供給通路;図7の符号62参照))が形成されて上端面の濃炎孔列33(図4(a),(b)参照)に濃火炎を形成する中央濃バーナ部3aが形成される。次に、この中央濃バーナ3aを間に挟み込んだ状態で短手方向両側から一対の第1プレート部材4,4を相対向させてその両側や下の各縁部を互いに接合させる。この際、中央濃バーナ3aの長手方向の両端部(前後端部)を、一対の第1プレート部材4,4の長手方向の両端部(前後端部)で挟持させることで、中央濃バーナ3aをバーナ3内に確実に固定することができるようになる。加えて、両側の第1プレート部材4と中央濃バーナ3aとの間の2つの上端開口内にそれぞれ炎孔形成部材7を介装させる。
【0023】
この炎孔形成部材7は複数の帯状の薄板71,72,…(図4(b)参照)を所定間隔に層状に並べて隣接する両薄板71,72、72,72間に極薄幅のスリットが形成されるようにし、かつ、長手方向に所定間隔位置毎に全ての薄板を束ねて固定することで長手方向に複数の炎孔が区画されるようにしている。このような長手方向に複数の炎孔が並んだもので淡炎孔列34が構成されている。図例の炎孔形成部材7は、3枚の薄板72,72,72の両外側にさらに薄板71,71を配置して合計5枚の薄板で構成されたものである。そして、両外側の薄板71,71の下縁位置には長手方向に所定間隔毎に切り欠き状の開口73(図6参照)が形成されている。以上で、中央濃バーナ3aを短手方向両側から囲んで上端面の2列の淡炎孔列34,34に淡火炎を形成する淡バーナ3bが形成される。この淡バーナ3bにおいては、第1供給口31からの淡混合気が第1プレート部材4の内面と中央濃バーナ3aの第3プレート部材6の外面との間に形成される淡混合気供給通路(図7,図8(a)の符号37,37参照)を通して淡炎孔列34,34の各淡炎孔341に供給されることになる。
【0024】
そして、淡バーナ3bの各第1プレート部材4の外側に第2プレート部材5を被せて両側や下の各縁部を各第1プレート部材4の縁部に接合させることで、各第2プレート部材5の内面と相対向する第1プレート部材4の外面との間に形成される外側濃混合気供給通路(図7,図8(a)の符号51,52参照)を通して濃混合気が供給されて外側の濃炎孔列35,35の各濃炎孔351に濃火炎を形成する外側濃バーナ3cが形成される。以上の中央濃バーナ3a,淡バーナ3b,外側濃バーナ3cについては図2,図4(a)・(b)を併せて参照されたい。なお、本実施形態では、互いに別々のプレート部材である各一対のプレート部材4,4、5,5、6,6を用意し、これらを各一対毎に縁部同士を接合することでバーナ3を形成した場合を例にしてその構造を説明したが、これに限らず、例えば一枚物のプレート部材を折り曲げることでバーナ3を形成するようにしてもよい。又、例えば、第2プレート部材5と第3プレート部材6というように互いに異なる形状・種類のプレート部材の端部同士を互いに連続させて一体物とし、これを折り曲げることによりバーナ3を形成するようにしてもよい。このように、バーナ3の形成方法は本実施形態に記載したものに限定されるものではない。
【0025】
次に、各種の混合気の供給(流れ)について説明する。前記の淡バーナ3bの形成により、一側に開口する第1供給口31からの淡混合気が筒部36(図7,図8(b)の点線の矢印を参照)を通して他側に送られ、他側から上側に向きを変え、一対の第1プレート部材4,4間の空間が第3プレート部材6,6によって区画形成(分割)された2つの内部空間37,37(図8(a)及び図9参照)を通して、上端の淡炎孔列34,34まで供給されるようになっている。前記の筒部36と内部空間37,37とにより淡混合気を2列の淡炎孔列34,34に供給する淡混合気供給通路が構成される他、筒部36は第1供給口31から供給される燃料ガスと空気との混合室及び導入通路(淡混合気導入通路)の役割をも果たすようになっている。前記の第3プレート部材6,6が後述の第1供給通路を区画形成するための形成部材を構成し、この第3プレート部材6,6によって、前記の淡混合気導入通路の下流側が二分(2つに分断)されて2つの淡混合気供給通路(内部空間37,37)が区画形成されるようになっている。
【0026】
又、第2供給口32からの濃混合気は、筒部38(図7,図8(a),(b)参照)を通して奥方の閉塞端まで導かれた後、この筒部38の閉塞端位置から中央濃バーナ3a及び外側濃バーナ3cの双方に供給されるようになっている。すなわち、筒部38の閉塞端位置には、中央濃バーナ3aの下端部60(図8(a)及び図9参照)が上から差し込まれて筒部38内に突出され、この下端部60により筒部38内が短手方向に略二分されるようになっている。そして、この下端部60を構成する一対の第3プレート部材6,6のそれぞれに連通孔61,61が形成され、この各連通孔61により筒部38内と中央濃バーナ3aの内部空間62とが連通されており、筒部38内の濃混合気が各連通孔61及び内部空間62を通して濃炎孔列33に供給されるようになっている。一方、筒部38を構成する一対の第1プレート部材4,4の双方に連通孔41,41,…が形成されており、一側(図9の右側)の第1プレート部材の各連通孔41により筒部38内が一側の第1プレート部材4と同じ側の第2プレート部材5との間の内部空間51と連通され、他側(図9の左側)の第1プレート部材4の各連通孔41により筒部38内が他側の第1プレート部材4と同じ側の第2プレート部材5との間の内部空間52と連通されている。これにより、筒部38内の濃混合気が一側の各連通孔41及び内部空間51を通して一側の濃炎孔列35に供給される一方、筒部38内の濃混合気が他側の各連通孔41及び内部空間52を通して他側の濃炎孔列35に供給されるようになっている。なお、前記の内部空間51,52は筒部38と共に外側濃混合気供給通路を構成する他、前記の筒部38は第2供給口32から供給される燃料ガスと空気との混合室及び導入通路(濃混合気導入通路)の役割をも果たすようになっている。又、内部空間62が中央濃混合気供給通路を構成する。なお、前記の下端部60は筒部38内に臨むように突出していればよく、必ずしも筒部38内を下まで延びて筒部38内を二分する必要はない。また、前記の連通孔61,61と連通孔41,41,…とは短手方向において相対向する位置で開口するように形成してもよいし、本実施形態の如く長手方向に対し互いにずれた位置で開口するように形成してもよい。つまり、連通孔61,61が濃混合気導入通路を構成する筒部38の閉塞端位置において開口し、この連通孔61,61が開口されている前記筒部38の閉塞端位置と対応して同じ領域である前記筒部38の閉塞端位置において連通孔41,41,…も開口するように形成されていればよい。
【0027】
さらに、前記の内部空間51に連通する一側の濃炎孔列35、内部空間52に連通する他側の濃炎孔列35、及び、内部空間62に連通する中央の濃炎孔列33のそれぞれに供給される濃混合気の流量と圧力としては、いずれも同じになるように設定すればよい。例えば、一側の濃炎孔列35、他側の濃炎孔列35、及び、濃炎孔列33のそれぞれの開口面積を互いに同じになるように形成する一方、筒部38にそれぞれ連通する一側の連通孔41,41,…、他側の41,41,…、及び、連通孔61,61,…のそれぞれの合計開口面積を互いに同じになるように形成すればよい。実施形態では、各連通孔41及び各連通孔61の開口面積を互いに同じに設定するとともに、形成数を互いに同じ数に設定している。つまり、内部空間62に連通する連通孔61の数を短手方向両側で合計4個とする一方、内部空間51に連通する連通孔41の数を4個とし、内部空間52に連通する連通孔41の数を4個にしている。以上により、2列の淡炎孔列34,34をそれぞれ両側から囲むように配設された3列の濃炎孔列35,33,35に対し、互いに同じ流量,流速と圧力の濃混合気を供給することができるようになる。
【0028】
加えて、内部空間51,52に供給された濃混合気や、内部空間62に供給されて濃混合気が、漏らし孔42,42,…、63,63,…(図7及び図9参照)を通して内部空間37,37の側に漏れて淡炎孔列34,34の所定領域の淡混合気と混合され、空気比が淡混合気よりも少し小さい中間濃度の混合気が淡炎孔列34,34の短手方向両側位置に供給されるようになっている。すなわち、外側濃バーナ3cの濃炎孔列35,35に濃混合気を供給する内部空間51,52と、内部空間51又は52と、これに対し第2プレート4を隔てて隣接する淡バーナ3bの内部空間37とを濃炎孔列35側(上部側)の位置において互いに連通させる第1の漏らし孔42,42,…が第2プレート4,4に貫通形成されている。又、中央濃バーナ3aの濃炎孔列33に濃混合気を供給する内部空間62と、短手方向両側の前記内部空間37,37とを前記第1の各漏らし孔42と同様の濃炎孔列33側(上部側)の位置において互いに連通させる第2の漏らし孔63,63,…が第3プレート6,6に貫通形成されている。
【0029】
第1の漏らし孔42,42,…や第2の漏らし孔63,63,…は、炎孔形成部材7の各炎孔形成位置に対応して各炎孔毎に形成されている。そして、少なくとも第1の漏らし孔42,42,…は炎孔形成部材7の外側の薄板71の下縁の開口73と短手方向に相対向し(図6も併せて参照)、例えば内部空間51又は52からの濃混合気が第1の漏らし孔42,42,…及び開口73,73,…を通過して外側の薄板71と、隣接する内側の薄板72との間のスリットに流れ込むようになっている。つまり、炎孔形成部材7の短手方向に対し最も外側位置のスリット、要するに淡炎孔列34の短手方向の外側位置に漏れた濃混合気が供給されるようになっている。これにより、バーナ3の淡炎孔列34,34に形成される淡火炎Fp,Fp(図9参照)の短手方向両外側位置に対し、漏れた濃混合気が淡混合気に混入してその分だけ淡混合気よりも空気比が小さくなって短手方向両側の濃火炎Fr,Frよりも空気比が大きくて淡混合気と濃混合気との中間濃度の混合気が供給されることになる(図9のFm参照)。このため、かかる中間濃度の混合気を供給しない場合に比して、淡炎孔列34,34に形成される淡火炎の保炎性を高めることができ、淡炎孔34の短手方向幅を広めにしたとしても、燃焼安定性を確保することができるようになる。
【0030】
このような内部空間51,52,62側から濃混合気が内部空間37,37側の淡混合気に対し漏らし孔42,63を通して確実に流入し得るようにするための流入方向を設定する流入方向設定手段について、以下説明する。流入方向設定手段は、漏らし孔42,63位置において内部空間37と、内部空間51,52,62との間で内圧(静圧)差を生じさせることで実現させることができる。内圧差に従って、漏らし孔42,63を通して一方空間から他方空間に濃混合気を漏らすことができる。このような内圧差は、淡混合気と濃混合気との元々の供給圧を変更させることで実現させることもできる他、元々の供給圧は同じでも流路抵抗を異なるように構成することでも実現させることができる。本実施形態では、各漏らし孔42,63の上流側位置に、好ましくは上流側の直近位置に形成した流路抵抗要素によって流入方向設定手段を構成している。
【0031】
具体的には、第1の各漏らし孔42の上流側の直近位置の第2プレート4に、内部空間37側に膨出する第1の膨出部(又は凸部)43を形成する。実施形態では長手方向に対し部分的に膨出させたものを図示しているが、これに限らず、長手方向に対し連続的にあるいは全長に亘り膨出部を形成するようにしてもよい。加えて、第2の漏らし孔63の上流側の直近位置の第3プレート6に、内部空間37側に膨出する第2の膨出部(又は凸部)64を形成する。この第2の膨出部についても、実施形態では長手方向に対し部分的に膨出させたものを図示しているが、これに限らず、長手方向に対し連続的にあるいは全長に亘り膨出部を形成するようにしてもよい。そして、第1の膨出部43と、第2の膨出部64とが短手方向で相対向するように配置する。これにより、内部空間37内を流れる淡混合気の流れに対し第1の膨出部43と第2の膨出部64とが直交するように短手方向両側から膨出して、淡混合気の流路断面積を急減させる狭窄部371が形成されることになる。各漏らし孔42,63の開口位置では、内部空間37側の流路が狭窄部371により急減された後に急拡された直後となるため、内部空間51,52,62よりも内部空間37側の方の内圧(静圧)が低くなり、各漏らし孔42,63を通して内部空間51,52,62からの濃混合気を内部空間37の側に確実に流入させることができるようになる。
【0032】
又、本実施形態の場合、2列の淡炎孔列34,34のそれぞれを濃炎孔列35,33、又は濃炎孔列33,35によって両側から挟み込んでいるため、両淡炎孔列34,34に形成される各淡火炎を両側から濃火炎により囲むことができるようになる。つまり、短手方向における火炎の構成を、濃火炎Fr−淡火炎Fp−濃火炎Fr−淡火炎Fp−濃火炎Frの配列順にすることができる。これにより、淡炎孔列34を2列にして淡炎孔列の面積を増大させるようにしても、燃焼のより安定化を図ることができるようになる。又、1つの淡炎孔列を両側から濃炎孔列により挟み込んで1つのバーナを構成した場合と比べ、同じ淡炎孔面積を実現する上で効率よくバーナの軽量化を図ることができるようになる。さらに、1つの燃料ガス及び空気の供給口(第2供給口32)から導入されて混合された濃混合気を、筒部38の閉塞端位置で中央濃バーナ3aの下端部60で筒部38内を左右両側に二分(二等分に分割)し、分割された筒部38内の空間毎に、外側に向けて内部空間51又は52に分流させる一方、内側に向けて内部空間62に分流させることができ、中央及び両外側に3つの濃炎孔列35,33,35を形成する場合であっても、濃混合気を簡単な構造でスムースかつ確実に分流させてそれぞれの濃炎孔列35,33,35に供給させることができる。しかも、その連通孔41,61や各濃炎孔列35,33の開口面積の設定により、互いに同じ流量,流速や圧力の濃混合気であって、同一空気比の濃混合気を供給させることができる。
【0033】
加えて、前述の如く、各漏らし孔42,63から内部空間37の淡混合気側に流入した濃混合気が混入することで中間濃度の混合気が淡炎孔列34,34に形成される淡火炎Fp,Fpの短手方向両外側位置に供給されるため、淡炎孔列34,34に形成される淡火炎の保炎性を高めることができ、前述の如く淡炎孔列34を2列にして淡炎孔列の面積を増大させる上に、淡炎孔34の短手方向幅をより広く形成したとしても、燃焼安定性を確保することができるようになる。この結果、さらなる低NOx化を図ることができるようになる。
【0034】
<第2実施形態>
図10(a)は第2実施形態のバーナ3の図9対応図である。この第2実施形態は、流入方向設定手段の構成のみが第1実施形態と異なり、他の構成は第1実施形態と同様であり、特に言及しなければ第1実施形態で説明した構成を第2実施形態もそのまま備えている。第1実施形態の流入方向設定手段が各漏らし孔42,63の位置の上流側の直近位置に形成した流路抵抗要素によって構成されているのに対し、第2実施形態の流入方向設定手段は、各漏らし孔42,63の位置の下流側の直近位置に形成した流路抵抗要素によって構成したものである。
【0035】
すなわち、各漏らし孔42の下流側の直近位置に第1プレート部材4を部分的に第2プレート5の側、つまり内部空間51又は52の流路を急減させる側に膨出した膨出部44を形成する一方、各漏らし孔63の下流側の直近位置における第3プレート部材6,6を部分的に相対向する側に膨出させることで内部空間62の流路を急減させる膨出部65,65を形成する。この場合、内部空間51,52,62を流れる濃混合気が膨出部44や65の存在により抵抗を受け、各膨出部44,65の上流側位置にある漏らし孔42,63の形成位置においては、内部空間37の淡混合気の側よりも内圧が高くなる。このため、第1実施形態と同様に、内部空間51,52,62の濃混合気を、各漏らし孔42,63を通して内部空間37側の淡混合気に対し確実に流入させることができるようになる。これにより、第1実施形態と同様の作用・効果を第2実施形態によっても得ることができるようになる。
【0036】
<第3実施形態>
図10(b)は第3実施形態のバーナ3の図9対応図である。この第3実施形態は、漏らし孔を通して内部空間37から淡混合気を内部空間62の濃混合気に流入させる点で、第1又は第2実施形態とは異なる一方、その他の構成は第1又は第2実施形態と同じである。
【0037】
すなわち、内部空間62を区画形成する第3プレート部材6,6に長手方向に対し部分的に形成した流入方向設定手段としての膨出部65,65の直近の下流側位置に、内部空間37と互いに連通する漏らし孔63,63を貫通形成する。これにより、漏らし孔63,63位置においては内部空間37の側よりも内部空間62の側の内圧が低くなり、内部空間から淡混合気を、各漏らし孔63を通して内部空間62内の濃混合気に対し流入させることができるようになる。
【0038】
この第3実施形態の場合、外側濃炎孔35,35に形成される濃火炎は二次空気と十分に接触し得るのに比べ、中央濃炎孔33に形成される濃火炎は両側が淡火炎に挟まれて燃焼用の空気との接触が十分ではないため、燃焼空気不足に陥るおそれが考えられるところ、中央濃炎孔33に供給される直前に漏らし孔63を通して淡混合気を混入させることで、燃焼空気不足に陥るおそれを回避することができ、外側濃炎孔35,35の濃混合気よりも空気比を大きくすることができるようになる。これにより、中央濃炎孔33に形成される濃火炎Fr′を燃焼安定性よく完全に燃焼させることができるようになる。
【0039】
<第4実施形態>
図11は第1〜第3実施形態において採用した流入方向設定手段に代わる、他の流入方向設定手段を示し、図11(a)〜図11(c)に示すいずれかの流入方向設定手段を第1〜第3実施形態のいずれかの流入設定手段に変えて適用して、第1〜第3実施形態を構成することができる。この第4実施形態として示す流入方向設定手段の原理は、流入させる混合気が流れる一方の空間8と、流入させたい側の混合気が流れる他方の空間9とが、区画壁10に貫通形成した漏らし孔11により連通されている場合に、漏らし孔11の位置において一方の空間8と他方の空間9とが互いに同じ内圧(静圧)であったとしても、動圧により流入させ得るようにしたものである。すなわち、流入させる混合気が衝突する衝突壁12を区画壁10に形成し、この衝突壁12に漏らし孔11を形成するようにしたものである。
【0040】
図11(a)は一方の空間8に下から上に流れる混合気の流れ方向と交差して混合気の流れが衝突するように傾斜した衝突壁12aを区画壁10に形成し、この衝突壁12aに漏らし孔11を貫通形成したものである。図11(b)は混合気の流れ方向と必ずしも交差しなくてもよい例を示すものである。一方の空間8の混合気の流路断面が拡がるように他方の空間9の側に突出する凸状の衝突壁12bを区画壁10に形成し、この衝突壁12bに漏らし孔11を形成したものである。図11(c)は一方の空間8内の混合気の流れ方向と直交するような衝突壁12cを区画壁10に形成し、この衝突壁12cに漏らし孔11を貫通形成したものである。
【0041】
<他の実施形態>
第1,第2実施形態では第1の漏らし孔42と、第2の漏らし孔63との双方を形成した例を示したが、これに限らず、いずれか一方の漏らし孔のみを形成するようにしてもよい。この場合でも第1,第2実施形態に基づく本発明の作用効果を得ることができる。又、第3実施形態では両側の内部空間37,37と連通するように1箇所につき一対の漏らし孔63,63を形成した例を示したが、これに限らず、一側の内部空間37とのみ連通する漏らし孔を形成するようにしてもよい。さらに、第1実施形態にて示した炎孔形成部材7の開口73,73,…は、間欠的に形成する必要はなく、長手方向に連続する欠損部、あるいは、外側の薄板71として他の薄板72よりも開口73の高さだけ短いものを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
3 バーナ(濃淡燃焼式バーナ)
4 第1プレート部材(区画壁)
6 第3プレート部材(区画壁)
11 漏らし孔
12,12a,12b,12c 衝突壁(流入方向設定手段)
33 中央の濃炎孔列(中央濃炎孔)
34 淡炎孔列(淡炎孔)
35 外側の濃炎孔列(外側濃炎孔)
37 内部空間(淡混合気供給通路)
42 第1の漏らし孔
43,44 膨出部(流入方向設定手段)
51 内部空間(外側濃混合気供給通路)
52 内部空間(外側濃混合気供給通路)
62 内部空間(中央濃混合気供給通路)
63 第2の漏らし孔
64,65 膨出部(流入方向設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔が配列され、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔が配列されてなる濃淡燃焼式バーナであって、
前記外側濃炎孔に濃混合気を供給する外側濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第1の漏らし孔が貫通形成され、
前記外側濃混合気供給通路から濃混合気の一部が前記第1の漏らし孔を通して前記淡混合気供給通路に流入可能に構成されている
ことを特徴とする濃淡燃焼式バーナ。
【請求項2】
中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔が配列され、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔が配列されてなる濃淡燃焼式バーナであって、
前記中央濃炎孔に濃混合気を供給する中央濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第2の漏らし孔が貫通形成され、
前記中央濃混合気供給通路から濃混合気の一部が前記第2の漏らし孔を通して淡混合気供給通路に流入可能に構成されている
ことを特徴とする濃淡燃焼式バーナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の濃淡燃焼式バーナであって、
前記各淡炎孔は、複数の薄板が所定のスリット間隔を隔てて層状に組み付けられて少なくとも3層のスリットを有する炎孔形成部材により形成され、
前記漏らし孔は、前記炎孔形成部材の外側面と相対向する位置に形成される一方、前記炎孔形成部材を構成する最外側位置の薄板は、前記漏らし孔から流入する濃混合気を最外側位置のスリット内に流入させるよう少なくとも開口を備えている、濃淡燃焼式バーナ。
【請求項4】
中央位置において長手方向に延びるように配列された中央濃炎孔を両側から挟むように2列の淡炎孔が配列され、かつ、両側の淡炎孔をさらに外側から挟むように2列の外側濃炎孔が配列されてなる濃淡燃焼式バーナであって、
前記中央濃炎孔に濃混合気を供給する中央濃混合気供給通路と、前記淡炎孔に淡混合気を供給する淡混合気供給通路とを互いに隔てる区画壁に対し第2の漏らし孔が貫通形成され、
前記淡混合気供給通路から淡混合気の一部が前記第2の漏らし孔を通して前記中央濃混合気供給通路に流入可能に構成されている
ことを特徴とする濃淡燃焼式バーナ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の濃淡燃焼式バーナであって、
前記漏らし孔を通して流入させる方向を設定する流入方向設定手段を備えており、
前記流入方向設定手段は、前記漏らし孔の形成位置の上流側又は下流側の位置に形成した流路抵抗要素により構成されている、濃淡燃焼式バーナ。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の濃淡燃焼式バーナであって、
前記漏らし孔を通して流入させる方向を設定する流入方向設定手段を備えており、
前記流入方向設定手段は、流入させる側の混合気の流れが衝突するよう前記区画壁に形成した衝突壁により構成され、この衝突壁に前記漏らし孔が貫通形成されている、濃淡燃焼式バーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−137219(P2012−137219A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288934(P2010−288934)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】