濾過エレメント内蔵オイルパン
【課題】 オイルパンへの振動入力の影響を受け難く、或いはオイルポンプの位置変更に対する設計自由度が高く、また、従来に比して軽量な濾過エレメント内蔵オイルパンを提供する。
【解決手段】 オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、オイルポンプに向かうオイルを濾過するフィルタF2を有する濾過エレメント内蔵オイルパンP2であって、オイルポンプ側に接続されるオイル管Kを上面部に有する中空のカバー体C2が、オイルパンの底壁W2の所定部位に配置され、フィルタはカバー体のオイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記フィルタよりも上流側にオイルをカバー体の中空内部に流入させる開口部11hが形成され、カバー体の下面部17が、オイルパンの底壁の所定部位に固定されている、ことを特徴とする
【解決手段】 オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、オイルポンプに向かうオイルを濾過するフィルタF2を有する濾過エレメント内蔵オイルパンP2であって、オイルポンプ側に接続されるオイル管Kを上面部に有する中空のカバー体C2が、オイルパンの底壁W2の所定部位に配置され、フィルタはカバー体のオイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記フィルタよりも上流側にオイルをカバー体の中空内部に流入させる開口部11hが形成され、カバー体の下面部17が、オイルパンの底壁の所定部位に固定されている、ことを特徴とする
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパン、特に濾過エレメントを内蔵したオイルパンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械装置や動力装置などのオイル循環システムにおいて、オイル使用装置の下部に循環オイルを貯えるオイルパンが付設されたものが知られている。例えば自動車等の車両のエンジンやトランスミッションには、その下部にオイルパンが付設されており、このオイルパン内のオイルをオイルポンプで吸い上げてエンジン或いはトランスミッションに送給し、当該エンジン或いはトランスミッションで使用されたオイルをオイルパンに回収して循環させている。
【0003】
かかるオイル循環システムでは、通常、オイルポンプよりも上流側に、循環オイルを濾過するオイルフィルタ(以下、適宜、単に「フィルタ」という)等の濾過エレメントが配設される。例えば特許文献1には、かかるフィルタをオイルパンの内部に配設した構成が開示されている。この従来の構成では、オイルパン内に配設されるバッフルプレートを合成樹脂製のメインプレートとサブプレートとで構成し、両プレート間に通路状のストレーナ室を形成し、このストレーナ室に両プレート間に挟持されたメッシュプレートが配設されている。このように、フィルタをオイルパンに内蔵させることにより、オイル循環系の簡素化を図ることができる。
【特許文献1】特開2002−364325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記従来の構成では、フィルタは、オイルパンの上部に取り付けられる大面積のバッフルプレートで保持されているので、特に、オイルパンに振動等が加わった場合には、その振動の影響を受け易く、入力振動が大きければ破損に至る場合もある。また、オイルポンプの位置が変更される場合には、バッフルプレートの(特にメインプレートの)形状等を変更しなければならず、かなり大掛かりな設計変更を要するといった難点があった。更に、オイルパンはエンジンやトランスミッション等のオイル使用装置の下部に付設される部品として、かなり大きい容積を有しているが、従来では金属製であるので重量が嵩むという難点もあった。
【0005】
この発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたもので、オイルパンへの振動入力の影響を受け難く、若しくはオイルポンプの位置変更に対する設計自由度が高く、また、従来に比して軽量なフィルタ内蔵オイルパンを提供することを、基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本願請求項1の発明(第1の発明)に係る濾過エレメント内蔵オイルパンは、オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、前記オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントを有する濾過エレメント内蔵オイルパンであって、前記オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に配置され、前記濾過エレメントは、前記カバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記濾過エレメントよりも上流側に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部が形成され、前記カバー部材の下面部が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に固定されている、ことを特徴としたものである。
【0007】
また、本願請求項2の発明(第2の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンの底壁の所定部位には上方に開口した所定形状の凹所が形成され、前記カバー部材の下面部は、前記凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されており、前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部を構成していることを特徴としたものである。
【0008】
更に、本願請求項3の発明(第3の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、前記濾過エレメント及び前記カバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されていることを特徴としたものである。
【0009】
また更に、本願請求項4の発明(第4の発明)は、前記第1の発明において、前記カバー部材にオイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部が形成され、前記濾過エレメントは、前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられていることを特徴としたものである。
【0010】
また更に、本願請求項5の発明(第5の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンは合成樹脂製であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の第1の発明によれば、濾過エレメントは、オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記カバー部材の下面部がオイルパンの底壁側の所定部位に固定されている。つまり、濾過エレメントを有するカバー部材は、その下面部がオイルパンの底壁側に固定されている。従って、オイルパンに振動入力があった場合でも、濾過エレメントは従来に比して振動の影響を受け難く、大きな入力振動に対しても破損に至るおそれを低減することができる。
また、オイルポンプの位置が変更される場合にも、濾過エレメントを有するカバー部材のオイルパン底壁上での配置を変えれば済み、容易に対応できる。つまり、位置変更に対して高い設計自由度を確保できる。
【0012】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、カバー部材の下面部は、オイルパンの底壁の所定部位に形成された凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されているので、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を濾過エレメントに至る前に前記凹所の底部に沈積させることができ、当該濾過エレメントが目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
また、前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部を構成しているので、かかる開口部をわざわざカバー部材に設ける必要がなく、カバー部材の構造を簡素化し、その製作も容易化することができる。
【0013】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、濾過エレメント及びカバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されている。従って、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を濾過エレメントに至る前に前記筒状部の底部に沈積させることができ、当該濾過エレメントが目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
【0014】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部がカバー部材に形成され、前記濾過エレメントは前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられている。従って、濾過エレメントをカバー部材と別部品として取り扱う必要がなくなり、部品点数を削減でき、カバー部材をオイルパンの底壁側に固定する際の固定作業も容易になる。
【0015】
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には前記第1〜第4の発明の何れか一と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンを合成樹脂製としたことにより、オイル使用装置の下部に付設される部品として大きい容積を占めるオイルパンを軽量化することができ、オイル循環システムを備えた装置全体の軽量化に寄与することができる。また、樹脂成形を適用することで、オイルパンの底壁側に前記凹所や筒状部を設ける場合にも、容易に一体形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、自動車のエンジンに付設されるオイルパンに適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の基本的な概念および構成を表す第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【0017】
この図に示すように、本実施形態では、オイルパンP1の底壁W1の所定部位に、下方に開口した略直方体の箱状の中空カバー体C1が配設され、該カバー体C1の上面部5には、エンジンのオイルポンプ(共に不図示)の上流側配管に接続されるオイル管Kが一体的に立設されている。カバー体C1のオイルパン底壁W1上での位置は、オイル管Kの上端が前記オイルポンプ側への接続に適合した位置となるように設定されている。尚、図1において、符号WsはオイルパンP1の側壁を示し、符号Wfは、各側壁Wsの上端部を連結するようにして設けられ当該オイルパンP1をエンジン(不図示)に取り付ける際に用いる上端フランジを示している。
【0018】
また、前記カバー体C1の側面部6の適所には、オイルパンP1内のオイルをカバー体C1の中空内部に流入させる開口部6hが形成されている。更に、具体的には図示しなかったが、カバー体C1の前記オイル管Kよりも上流側の所定箇所に、オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントとしてのフィルタ(不図示)が配設されている。前記開口部6hは、このフィルタよりも上流側に位置している。そして、前記カバー体C1の下面部は、オイルパンP1の底壁W1の前記所定部位に、例えば振動溶着法により固定されている。この固定方法としては、接着や熱溶着など、他の種々の公知の方法を適用することが可能である。
【0019】
前記オイルパンP1は、より好ましくは、所定の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成形法により製造されている。
このように、オイルパンP1を合成樹脂製としたことにより、エンジン下部に付設される部品として大きい容積を占めるオイルパンP1を、従来の金属製の場合に比して大幅に軽量化することができ、エンジン全体の軽量化、ひいては車両の軽量化に寄与することができる。
【0020】
また、前記カバー体C1も、より好ましくは、所定の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成形法により製造されている。
このように、カバー体C1の製造に樹脂成形を適用することで、カバー体C1の上面部5にオイル管Kを容易に一体形成することができる。また、カバー体C1の内部に配設するフィルタ(不図示)を、例えばインサート成形等により一体成形することで、オイル管Kを備えたカバー体C1とフィルタ(不図示)とを一つのユニットとして取り扱うことができる。つまり、部品点数を削減でき、また、フィルタのカバー体C1内部への組込工程をなくすことができ、生産性の向上に寄与することができる。この場合においても、金属材料を用いる場合に比して、カバー体C1を大幅に軽量化することができる。
【0021】
以上の構成において、オイルパンP1内のオイルは、開口部6hからカバー体C1の中空内部に流入し、フィルタで濾過された上でオイル管Kを通ってオイルポンプ(不図示)内に吸い込まれる。つまり、開口部6hで側方に開口したカバー体C1の中空内部およびオイル管Kが、オイルポンプに連通するオイル流路を構成している。
【0022】
本実施形態では、フィルタ(不図示)は、オイルポンプ側に接続されるオイル管Kを上面部5に有する中空のカバー体C1の前記オイル管Kよりも上流側の所定箇所に配設されており、カバー体C1の下面部がオイルパン底壁W1の所定部位に固定されている。つまり、フィルタ(不図示)を有するカバー体C1は、その下面部7がオイルパンP1の底壁W1側に固定されている。従って、オイルパンP1に振動入力があった場合でも、フィルタは従来に比して振動の影響を受け難く、大きな入力振動に対しても破損に至るおそれを低減することができる。
【0023】
また、オイルポンプ(不図示)の位置が変更される場合にも、カバー体C1のオイルパン底壁W1上での位置を変えれば済み、従来に比して対応が非常に容易である。つまり、オイルポンプの位置変更に対して高い設計自由度を確保できる。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態について、図2〜図6を参照しながら説明する。
尚、以下の説明において、前記第1実施形態における場合と、同様の構成を備え同様の作用をなすものについては同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図2は第2実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図3は図2のY3−Y3線に沿ったオイルパンの断面説明図、図4は図2のY4−Y4線に沿ったオイルパンの断面説明図、図5はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図6は第2実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0025】
この第2実施形態に係るオイルパンP2は、全体として、上方に開口した箱形に形成され、平面視では例えば略長方形状に構成されている。尚、オイルパンP2のかかる全体形状は、第1実施形態のオイルパンP1においても同様である。
オイルパンP2の長手方向における一端側に偏った所定部位には、底壁W2上にカバー体C2が固定されている。図3〜図5から良く分かるように、前記所定部位に対応する底壁W2には、上方に開口した所定形状の凹所10が形成されている。この凹所10は、図5から良く分かるように、平面視で略矩形状に形成され、その各辺の略中央部分に、上方へ向かうに連れて外側へ傾斜する傾斜部11が設けられている。
【0026】
従って、この凹所10の上端部においては、前記各傾斜部11のみがそれぞれ外側に張り出しており、これら傾斜部11を除き、凹所10の各角部を含む部分には平坦部12がそれぞれ形成されている。
前記凹所10は一定の深さを有しており、この凹所10内にオイルが流入してきた場合、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を、凹所10の底部に沈積させることができる。
【0027】
図6に示されるように、本実施形態に係るカバー体C2は、第1実施形態における場合と類似した形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C2の上面部15にはオイル管Kが一体的に立設されている。ただし、カバー体C2の側面部16には、第1実施形態におけるような開口部は設けられていない。
【0028】
このカバー体C2の中空内部には、オイルパンP2内の循環オイルを濾過するための濾過エレメントとして図5に示されるフィルタF2が組み込まれる。該フィルタF2は、平面視で矩形状に形成された網状体S2(スクリーン)と、該スクリーンS2の周縁を一体的に取り囲む枠状体T2(フレーム)とで構成されている。
前記スクリーンS2は、所定メッシュ数(単位面積当たりの開口数)の網状に形成され、一定サイズ以上の塵埃や異物(例えば切粉など)が下流側に通過することを阻止するものである。
【0029】
前記フィルタF2は、より好ましくは、フレームT2及びスクリーンS2の両方が共に合成樹脂製の成形体として構成され、両者T2,S2が一体に成形されている。尚、この代わりに、両者T2,S2を別々に成形し、その後に両者T2,S2を溶着または接着などにより一体化しても良い。或いは、スクリーンS2を金属製の例えば金網または多孔板で形成し、この金属製のスクリーンS2をフレームT2の樹脂成形金型内にセットしておき、所謂インサート成形で両者T2,S2を一体に構成することもできる。
【0030】
図3及び図4に示されるように、カバー体C2をオイルパン底壁W2上に固定する際には、前記フィルタF2をカバー体C2の下端部に組み込んだ上で、カバー体C2の下面部17の4隅が底壁W2の凹所10上端の平坦部12の上面に位置するように、つまり、カバー体C2の下面部17が底壁W2の前記凹所10の上部開口を跨ぐように配置して、カバー体C2の下面部17を前記平坦部12の上面に固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
このとき、凹所10上端の各傾斜部11はそれぞれ外側に張り出しているので、カバー体C2の下端との間に開口部11hが形成され、この開口部11hからオイルがカバー体C2の中空内部に流入できる。つまり、前記凹所10の上部開口の一部が、オイルをカバー体C2の中空内部に流入させる開口部11hを構成している。
【0031】
本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、カバー体C2の下面部17は、オイルパンP2の底壁W2の所定部位に形成された凹所10の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンP2の底壁W2に固定されているので、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物をフィルタF2に至る前に前記凹所10の底部に沈積させることができ、当該フィルタF2のスクリーンS2が目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
また、前記凹所10の上部開口の一部が、オイルをカバー体C2の中空内部に流入させる開口部11hを構成しているので、かかる開口部をわざわざカバー体C2に設ける必要がなく、カバー体C2の構造を簡素化し、その製作も容易化することができる。
【0032】
尚、本実施形態においても、オイルパンP2及びカバー体C2は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンP2を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP2の底壁W2に複雑形状の凹所10を容易に形成することができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態について、図7〜図10を参照しながら説明する。
図7は第3実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図8は図7のY8−Y8線に沿ったオイルパンの断面説明図、図9はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図10は第3実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0034】
この第3実施形態に係るオイルパンP3では、底壁W3の所定部位に、縦壁21で囲まれ上方に開口した略矩形状の上部開口を有する所定高さの筒状部20が、底壁W3と一体的に設けられている。
一方、図10に示されるように、本実施形態に係るカバー体C3は、第2実施形態における場合と類似した形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C3の上面部25にはオイル管Kが一体的に立設されている。このカバー体C3の平面視における外形寸法は、前記筒状部20の平面視における外形寸法と略同一に設定されている。尚、このカバー体C3の側面部26には、第2実施形態における場合と同様に開口部は設けられていない。
【0035】
カバー体C3の中空内部には、図9に示されるように、平面視で矩形状に形成されたスクリーンS3と、該スクリーンS3の周縁を一体的に取り囲むフレームT3とで構成されたフィルタF3が組み込まれる。このフィルタF3は、第2実施形態におけるものと類似した形状を備えている。
また、図9から良く分かるように、前記筒状部20の4つの縦壁21の少なくとも1つには、上方に開口した所定深さの切欠部21hが形成されている。更に、筒状部20の縦壁21の内側部分には、その内縁に沿って、前記フィルタF3を(つまり、フレームT3を)嵌合させる段部22が形成されている。
【0036】
前記カバー体C3をオイルパン底壁W3上に固定する際には、前記フィルタF3を筒状部20の段部22に嵌合させて組み込んだ上で、カバー体C3の下面部27が筒状部20の縦壁21の上面およびフィルタF3のフレームT3の上面に位置するように配置して固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
このとき、縦壁21の前記切欠部21hの上側がカバー体C3の下面部27で閉じられることにより、縦壁21とカバー体C3の側面部26との間に、オイルをカバー体C3の中空内部に流入させる開口部21hが形成される。
尚、フィルタF3の組付方法としては、実施形態2においてフィルタF2がカバー体C2内に組み込まれているように(図3及び図4参照)、フィルタF3をカバー体C3内に組み込むようにしても良い。その場合には、筒状体20の上面に段部22を設ける必要はない。
【0037】
このようにして、前記フィルタF3及びカバー体C3は、オイルパン底壁W3の筒状部20の上部開口を覆うように配設される。
従って、本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができ、しかも、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物をフィルタF3に至る前に前記筒状部20の底部に沈積させることができ、当該フィルタF3のスクリーンS3が目詰まりを起こすことを有効に抑制できるのである。
【0038】
尚、本実施形態においても、オイルパンP3及びカバー体C3は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンP3を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP3の底壁W3に複雑形状の筒状部20を容易に形成することができる。
【0039】
次に、本発明の第4実施形態について、図11〜図14を参照しながら説明する。
図11は第4実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図12は図11のY12−Y12線に沿ったオイルパンの断面説明図、図13はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図14は第4実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0040】
この第4実施形態に係るオイルパンP4では、底壁W4の所定部位に、縦壁31で囲まれ上方に開口した略矩形状の上部開口を有する所定高さの筒状部30が、底壁W4と一体的に設けられている。この筒状部30は、第3実施形態のもの20と外形形状は類似しているが、第3実施形態におけるような切欠部21hや段部22は設けられていない。
【0041】
一方、図14に示されるように、本実施形態に係るカバー体C4は、第3実施形態における場合と類似した外形形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C4の上面部35にはオイル管Kが一体的に立設されている。このカバー体C4の平面視における外形寸法は、前記筒状部30の平面視における外形寸法と略同一に設定されている。尚、このカバー体C4の側面部36には、第3実施形態における場合と同様に開口部は設けられていない。
【0042】
本実施形態では、前記カバー体C4に(具体的には、その上面部35に)、オイルをカバー体C4の中空内部に流入させる開口部35hが形成され、濾過エレメントとしてのスクリーンS4が前記開口部35hを覆うようにカバー体C4と一体的に設けられている。
この場合、より好ましくは、スクリーンS4及びカバー体C4の両方が共に合成樹脂製の成形体として構成され、両者C4,S4が一体に成形されている。尚、この代わりに、両者C4,S4を別々に成形し、その後に両者C4,S4を溶着または接着などにより一体化しても良い。或いは、スクリーンS4を金属製の例えば金網または多孔板で形成し、この金属製のスクリーンS4をカバー体C4の樹脂成形金型内にセットしておき、所謂インサート成形で両者C4,S4を一体に構成することもできる。
【0043】
前記カバー体C4をオイルパン底壁W4上に固定する際には、カバー体C4の下面部37が筒状部30の縦壁31の上面に位置するように配置して固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
この構成では、オイルは、カバー体C4の上面部35に形成した開口部35hからカバー体C4の中空内部に流入し、スクリーンS4で濾過された上でオイル管K側に向かうことになる。
【0044】
本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルをカバー体C4の中空内部に流入させる開口部35hがカバー体C4自体に形成され、スクリーンS4が前記開口部35hを覆うようにカバー体C4と一体的に設けられている。従って、濾過エレメントをカバー体C4と別部品として取り扱う必要がなくなり、部品点数を削減でき、カバー体C4をオイルパンP4の底壁W4に固定する際の固定作業も容易になる。
尚、カバー体C4の上面部35に設けた開口部35h及びスクリーンS4と同様の開口部およびスクリーンを、カバー体C4の上面部35だけでなく側面部36にも設けるようにしても良い。
【0045】
図15は、本発明の第5実施形態に係るオイルパンの内部構造およびカバー体を示す斜視図である。尚、この第4実施形態の一変形例に該当するものである。
この第5実施形態では、オイルパンP5の底壁W5に、第4実施形態におけるような筒状部は設けられておらず、底壁W5は平坦に形成されている。また、カバー体C5には、上面部45ではなく、側面部46に開口部46hがそれぞれ形成されており、第4実施形態における場合と同様の方法で、スクリーンS5が前記開口部46hを覆うようにカバー体C5と一体的に設けられている。
【0046】
前記カバー体C5をオイルパン底壁W5上に固定する際には、第4実施形態における場合のように、カバー体C5の下面部47を筒状部30の縦壁31の上面に位置するように配置する必要はなく、平坦な底壁W5上に安定して配置して容易に固定することができる。
この構成では、オイルは、カバー体C5の側面部46に形成した開口部46hからカバー体C5の中空内部に流入し、スクリーンS5で濾過された上でオイル管K側に向かうことになる。
尚、カバー体C5の側面部46に設けた開口部46h及びスクリーンS5と同様の開口部およびスクリーンを、カバー体C5の側面部46だけでなく、第4実施形態で示したと同様に、上面部45にも設けるようにしても良い。
【0047】
第4,第5実施形態においても、オイルパンP4,P5及びカバー体C4,P5は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、第4実施形態においては、オイルパンP4を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP4の底壁W4に筒状部30を容易に形成することができる。
【0048】
尚、以上の実施形態は、自動車のエンジン(不図示)の下部に付設されるオイルパンP1〜P7についてのものであったが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、例えばトランスミッションの下部に付設されるオイルパンなど、他の種々の機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパンに有効に適用することができる。
【0049】
このように、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパン、特に濾過エレメントを内蔵したオイルパンに関するものであり、オイルパンへの振動入力の影響を受け難く、若しくはオイルポンプの位置変更に対する設計自由度が高く、また、従来に比して軽量なフィルタ内蔵オイルパンを提供することができ、例えば自動車等の車両のエンジンやトランスミッションの下部に付設されるオイルパンとして有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車のエンジンオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図3】図2のY3−Y3線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図4】図2のY4−Y4線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図5】第2実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図6】第2実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図8】図7のY8−Y8線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図9】第3実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図10】第3実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図12】図11のY12−Y12線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図13】第4実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図14】第4実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係るオイルパンの内部構造およびカバー体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
5,15,25,35,45 (カバー体の)上面部
6h,11h,21h,35h,46h 開口部
7,17,27,37,47 (カバー体の)下面部
10 凹所
20,30 筒状部
C1,C2,C3,C4,C5 カバー体
F2,F3 フィルタ
P1,P2,P3,P4,P5 オイルパン
S2,S3,S4,S5 スクリーン
W1,W2,W3,W4,W5 (オイルパンの)底壁
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパン、特に濾過エレメントを内蔵したオイルパンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械装置や動力装置などのオイル循環システムにおいて、オイル使用装置の下部に循環オイルを貯えるオイルパンが付設されたものが知られている。例えば自動車等の車両のエンジンやトランスミッションには、その下部にオイルパンが付設されており、このオイルパン内のオイルをオイルポンプで吸い上げてエンジン或いはトランスミッションに送給し、当該エンジン或いはトランスミッションで使用されたオイルをオイルパンに回収して循環させている。
【0003】
かかるオイル循環システムでは、通常、オイルポンプよりも上流側に、循環オイルを濾過するオイルフィルタ(以下、適宜、単に「フィルタ」という)等の濾過エレメントが配設される。例えば特許文献1には、かかるフィルタをオイルパンの内部に配設した構成が開示されている。この従来の構成では、オイルパン内に配設されるバッフルプレートを合成樹脂製のメインプレートとサブプレートとで構成し、両プレート間に通路状のストレーナ室を形成し、このストレーナ室に両プレート間に挟持されたメッシュプレートが配設されている。このように、フィルタをオイルパンに内蔵させることにより、オイル循環系の簡素化を図ることができる。
【特許文献1】特開2002−364325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記従来の構成では、フィルタは、オイルパンの上部に取り付けられる大面積のバッフルプレートで保持されているので、特に、オイルパンに振動等が加わった場合には、その振動の影響を受け易く、入力振動が大きければ破損に至る場合もある。また、オイルポンプの位置が変更される場合には、バッフルプレートの(特にメインプレートの)形状等を変更しなければならず、かなり大掛かりな設計変更を要するといった難点があった。更に、オイルパンはエンジンやトランスミッション等のオイル使用装置の下部に付設される部品として、かなり大きい容積を有しているが、従来では金属製であるので重量が嵩むという難点もあった。
【0005】
この発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたもので、オイルパンへの振動入力の影響を受け難く、若しくはオイルポンプの位置変更に対する設計自由度が高く、また、従来に比して軽量なフィルタ内蔵オイルパンを提供することを、基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本願請求項1の発明(第1の発明)に係る濾過エレメント内蔵オイルパンは、オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、前記オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントを有する濾過エレメント内蔵オイルパンであって、前記オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に配置され、前記濾過エレメントは、前記カバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記濾過エレメントよりも上流側に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部が形成され、前記カバー部材の下面部が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に固定されている、ことを特徴としたものである。
【0007】
また、本願請求項2の発明(第2の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンの底壁の所定部位には上方に開口した所定形状の凹所が形成され、前記カバー部材の下面部は、前記凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されており、前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部を構成していることを特徴としたものである。
【0008】
更に、本願請求項3の発明(第3の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、前記濾過エレメント及び前記カバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されていることを特徴としたものである。
【0009】
また更に、本願請求項4の発明(第4の発明)は、前記第1の発明において、前記カバー部材にオイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部が形成され、前記濾過エレメントは、前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられていることを特徴としたものである。
【0010】
また更に、本願請求項5の発明(第5の発明)は、前記第1の発明において、前記オイルパンは合成樹脂製であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の第1の発明によれば、濾過エレメントは、オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、前記カバー部材の下面部がオイルパンの底壁側の所定部位に固定されている。つまり、濾過エレメントを有するカバー部材は、その下面部がオイルパンの底壁側に固定されている。従って、オイルパンに振動入力があった場合でも、濾過エレメントは従来に比して振動の影響を受け難く、大きな入力振動に対しても破損に至るおそれを低減することができる。
また、オイルポンプの位置が変更される場合にも、濾過エレメントを有するカバー部材のオイルパン底壁上での配置を変えれば済み、容易に対応できる。つまり、位置変更に対して高い設計自由度を確保できる。
【0012】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、カバー部材の下面部は、オイルパンの底壁の所定部位に形成された凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されているので、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を濾過エレメントに至る前に前記凹所の底部に沈積させることができ、当該濾過エレメントが目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
また、前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部を構成しているので、かかる開口部をわざわざカバー部材に設ける必要がなく、カバー部材の構造を簡素化し、その製作も容易化することができる。
【0013】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、濾過エレメント及びカバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されている。従って、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を濾過エレメントに至る前に前記筒状部の底部に沈積させることができ、当該濾過エレメントが目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
【0014】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部がカバー部材に形成され、前記濾過エレメントは前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられている。従って、濾過エレメントをカバー部材と別部品として取り扱う必要がなくなり、部品点数を削減でき、カバー部材をオイルパンの底壁側に固定する際の固定作業も容易になる。
【0015】
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には前記第1〜第4の発明の何れか一と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンを合成樹脂製としたことにより、オイル使用装置の下部に付設される部品として大きい容積を占めるオイルパンを軽量化することができ、オイル循環システムを備えた装置全体の軽量化に寄与することができる。また、樹脂成形を適用することで、オイルパンの底壁側に前記凹所や筒状部を設ける場合にも、容易に一体形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、自動車のエンジンに付設されるオイルパンに適用した場合を例にとって、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の基本的な概念および構成を表す第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【0017】
この図に示すように、本実施形態では、オイルパンP1の底壁W1の所定部位に、下方に開口した略直方体の箱状の中空カバー体C1が配設され、該カバー体C1の上面部5には、エンジンのオイルポンプ(共に不図示)の上流側配管に接続されるオイル管Kが一体的に立設されている。カバー体C1のオイルパン底壁W1上での位置は、オイル管Kの上端が前記オイルポンプ側への接続に適合した位置となるように設定されている。尚、図1において、符号WsはオイルパンP1の側壁を示し、符号Wfは、各側壁Wsの上端部を連結するようにして設けられ当該オイルパンP1をエンジン(不図示)に取り付ける際に用いる上端フランジを示している。
【0018】
また、前記カバー体C1の側面部6の適所には、オイルパンP1内のオイルをカバー体C1の中空内部に流入させる開口部6hが形成されている。更に、具体的には図示しなかったが、カバー体C1の前記オイル管Kよりも上流側の所定箇所に、オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントとしてのフィルタ(不図示)が配設されている。前記開口部6hは、このフィルタよりも上流側に位置している。そして、前記カバー体C1の下面部は、オイルパンP1の底壁W1の前記所定部位に、例えば振動溶着法により固定されている。この固定方法としては、接着や熱溶着など、他の種々の公知の方法を適用することが可能である。
【0019】
前記オイルパンP1は、より好ましくは、所定の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成形法により製造されている。
このように、オイルパンP1を合成樹脂製としたことにより、エンジン下部に付設される部品として大きい容積を占めるオイルパンP1を、従来の金属製の場合に比して大幅に軽量化することができ、エンジン全体の軽量化、ひいては車両の軽量化に寄与することができる。
【0020】
また、前記カバー体C1も、より好ましくは、所定の合成樹脂材料を用いて、例えば射出成形法により製造されている。
このように、カバー体C1の製造に樹脂成形を適用することで、カバー体C1の上面部5にオイル管Kを容易に一体形成することができる。また、カバー体C1の内部に配設するフィルタ(不図示)を、例えばインサート成形等により一体成形することで、オイル管Kを備えたカバー体C1とフィルタ(不図示)とを一つのユニットとして取り扱うことができる。つまり、部品点数を削減でき、また、フィルタのカバー体C1内部への組込工程をなくすことができ、生産性の向上に寄与することができる。この場合においても、金属材料を用いる場合に比して、カバー体C1を大幅に軽量化することができる。
【0021】
以上の構成において、オイルパンP1内のオイルは、開口部6hからカバー体C1の中空内部に流入し、フィルタで濾過された上でオイル管Kを通ってオイルポンプ(不図示)内に吸い込まれる。つまり、開口部6hで側方に開口したカバー体C1の中空内部およびオイル管Kが、オイルポンプに連通するオイル流路を構成している。
【0022】
本実施形態では、フィルタ(不図示)は、オイルポンプ側に接続されるオイル管Kを上面部5に有する中空のカバー体C1の前記オイル管Kよりも上流側の所定箇所に配設されており、カバー体C1の下面部がオイルパン底壁W1の所定部位に固定されている。つまり、フィルタ(不図示)を有するカバー体C1は、その下面部7がオイルパンP1の底壁W1側に固定されている。従って、オイルパンP1に振動入力があった場合でも、フィルタは従来に比して振動の影響を受け難く、大きな入力振動に対しても破損に至るおそれを低減することができる。
【0023】
また、オイルポンプ(不図示)の位置が変更される場合にも、カバー体C1のオイルパン底壁W1上での位置を変えれば済み、従来に比して対応が非常に容易である。つまり、オイルポンプの位置変更に対して高い設計自由度を確保できる。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態について、図2〜図6を参照しながら説明する。
尚、以下の説明において、前記第1実施形態における場合と、同様の構成を備え同様の作用をなすものについては同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図2は第2実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図3は図2のY3−Y3線に沿ったオイルパンの断面説明図、図4は図2のY4−Y4線に沿ったオイルパンの断面説明図、図5はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図6は第2実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0025】
この第2実施形態に係るオイルパンP2は、全体として、上方に開口した箱形に形成され、平面視では例えば略長方形状に構成されている。尚、オイルパンP2のかかる全体形状は、第1実施形態のオイルパンP1においても同様である。
オイルパンP2の長手方向における一端側に偏った所定部位には、底壁W2上にカバー体C2が固定されている。図3〜図5から良く分かるように、前記所定部位に対応する底壁W2には、上方に開口した所定形状の凹所10が形成されている。この凹所10は、図5から良く分かるように、平面視で略矩形状に形成され、その各辺の略中央部分に、上方へ向かうに連れて外側へ傾斜する傾斜部11が設けられている。
【0026】
従って、この凹所10の上端部においては、前記各傾斜部11のみがそれぞれ外側に張り出しており、これら傾斜部11を除き、凹所10の各角部を含む部分には平坦部12がそれぞれ形成されている。
前記凹所10は一定の深さを有しており、この凹所10内にオイルが流入してきた場合、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物を、凹所10の底部に沈積させることができる。
【0027】
図6に示されるように、本実施形態に係るカバー体C2は、第1実施形態における場合と類似した形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C2の上面部15にはオイル管Kが一体的に立設されている。ただし、カバー体C2の側面部16には、第1実施形態におけるような開口部は設けられていない。
【0028】
このカバー体C2の中空内部には、オイルパンP2内の循環オイルを濾過するための濾過エレメントとして図5に示されるフィルタF2が組み込まれる。該フィルタF2は、平面視で矩形状に形成された網状体S2(スクリーン)と、該スクリーンS2の周縁を一体的に取り囲む枠状体T2(フレーム)とで構成されている。
前記スクリーンS2は、所定メッシュ数(単位面積当たりの開口数)の網状に形成され、一定サイズ以上の塵埃や異物(例えば切粉など)が下流側に通過することを阻止するものである。
【0029】
前記フィルタF2は、より好ましくは、フレームT2及びスクリーンS2の両方が共に合成樹脂製の成形体として構成され、両者T2,S2が一体に成形されている。尚、この代わりに、両者T2,S2を別々に成形し、その後に両者T2,S2を溶着または接着などにより一体化しても良い。或いは、スクリーンS2を金属製の例えば金網または多孔板で形成し、この金属製のスクリーンS2をフレームT2の樹脂成形金型内にセットしておき、所謂インサート成形で両者T2,S2を一体に構成することもできる。
【0030】
図3及び図4に示されるように、カバー体C2をオイルパン底壁W2上に固定する際には、前記フィルタF2をカバー体C2の下端部に組み込んだ上で、カバー体C2の下面部17の4隅が底壁W2の凹所10上端の平坦部12の上面に位置するように、つまり、カバー体C2の下面部17が底壁W2の前記凹所10の上部開口を跨ぐように配置して、カバー体C2の下面部17を前記平坦部12の上面に固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
このとき、凹所10上端の各傾斜部11はそれぞれ外側に張り出しているので、カバー体C2の下端との間に開口部11hが形成され、この開口部11hからオイルがカバー体C2の中空内部に流入できる。つまり、前記凹所10の上部開口の一部が、オイルをカバー体C2の中空内部に流入させる開口部11hを構成している。
【0031】
本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、カバー体C2の下面部17は、オイルパンP2の底壁W2の所定部位に形成された凹所10の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンP2の底壁W2に固定されているので、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物をフィルタF2に至る前に前記凹所10の底部に沈積させることができ、当該フィルタF2のスクリーンS2が目詰まりを起こすことを有効に抑制できる。
また、前記凹所10の上部開口の一部が、オイルをカバー体C2の中空内部に流入させる開口部11hを構成しているので、かかる開口部をわざわざカバー体C2に設ける必要がなく、カバー体C2の構造を簡素化し、その製作も容易化することができる。
【0032】
尚、本実施形態においても、オイルパンP2及びカバー体C2は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンP2を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP2の底壁W2に複雑形状の凹所10を容易に形成することができる。
【0033】
次に、本発明の第3実施形態について、図7〜図10を参照しながら説明する。
図7は第3実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図8は図7のY8−Y8線に沿ったオイルパンの断面説明図、図9はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図10は第3実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0034】
この第3実施形態に係るオイルパンP3では、底壁W3の所定部位に、縦壁21で囲まれ上方に開口した略矩形状の上部開口を有する所定高さの筒状部20が、底壁W3と一体的に設けられている。
一方、図10に示されるように、本実施形態に係るカバー体C3は、第2実施形態における場合と類似した形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C3の上面部25にはオイル管Kが一体的に立設されている。このカバー体C3の平面視における外形寸法は、前記筒状部20の平面視における外形寸法と略同一に設定されている。尚、このカバー体C3の側面部26には、第2実施形態における場合と同様に開口部は設けられていない。
【0035】
カバー体C3の中空内部には、図9に示されるように、平面視で矩形状に形成されたスクリーンS3と、該スクリーンS3の周縁を一体的に取り囲むフレームT3とで構成されたフィルタF3が組み込まれる。このフィルタF3は、第2実施形態におけるものと類似した形状を備えている。
また、図9から良く分かるように、前記筒状部20の4つの縦壁21の少なくとも1つには、上方に開口した所定深さの切欠部21hが形成されている。更に、筒状部20の縦壁21の内側部分には、その内縁に沿って、前記フィルタF3を(つまり、フレームT3を)嵌合させる段部22が形成されている。
【0036】
前記カバー体C3をオイルパン底壁W3上に固定する際には、前記フィルタF3を筒状部20の段部22に嵌合させて組み込んだ上で、カバー体C3の下面部27が筒状部20の縦壁21の上面およびフィルタF3のフレームT3の上面に位置するように配置して固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
このとき、縦壁21の前記切欠部21hの上側がカバー体C3の下面部27で閉じられることにより、縦壁21とカバー体C3の側面部26との間に、オイルをカバー体C3の中空内部に流入させる開口部21hが形成される。
尚、フィルタF3の組付方法としては、実施形態2においてフィルタF2がカバー体C2内に組み込まれているように(図3及び図4参照)、フィルタF3をカバー体C3内に組み込むようにしても良い。その場合には、筒状体20の上面に段部22を設ける必要はない。
【0037】
このようにして、前記フィルタF3及びカバー体C3は、オイルパン底壁W3の筒状部20の上部開口を覆うように配設される。
従って、本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができ、しかも、オイル中に含まれる金属製の塵埃や切粉等の異物をフィルタF3に至る前に前記筒状部20の底部に沈積させることができ、当該フィルタF3のスクリーンS3が目詰まりを起こすことを有効に抑制できるのである。
【0038】
尚、本実施形態においても、オイルパンP3及びカバー体C3は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルパンP3を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP3の底壁W3に複雑形状の筒状部20を容易に形成することができる。
【0039】
次に、本発明の第4実施形態について、図11〜図14を参照しながら説明する。
図11は第4実施形態に係るオイルパンの全体斜視図、図12は図11のY12−Y12線に沿ったオイルパンの断面説明図、図13はオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図、また、図14は第4実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【0040】
この第4実施形態に係るオイルパンP4では、底壁W4の所定部位に、縦壁31で囲まれ上方に開口した略矩形状の上部開口を有する所定高さの筒状部30が、底壁W4と一体的に設けられている。この筒状部30は、第3実施形態のもの20と外形形状は類似しているが、第3実施形態におけるような切欠部21hや段部22は設けられていない。
【0041】
一方、図14に示されるように、本実施形態に係るカバー体C4は、第3実施形態における場合と類似した外形形状を備えており、下方に開口した略直方体の箱状に形成され、該カバー体C4の上面部35にはオイル管Kが一体的に立設されている。このカバー体C4の平面視における外形寸法は、前記筒状部30の平面視における外形寸法と略同一に設定されている。尚、このカバー体C4の側面部36には、第3実施形態における場合と同様に開口部は設けられていない。
【0042】
本実施形態では、前記カバー体C4に(具体的には、その上面部35に)、オイルをカバー体C4の中空内部に流入させる開口部35hが形成され、濾過エレメントとしてのスクリーンS4が前記開口部35hを覆うようにカバー体C4と一体的に設けられている。
この場合、より好ましくは、スクリーンS4及びカバー体C4の両方が共に合成樹脂製の成形体として構成され、両者C4,S4が一体に成形されている。尚、この代わりに、両者C4,S4を別々に成形し、その後に両者C4,S4を溶着または接着などにより一体化しても良い。或いは、スクリーンS4を金属製の例えば金網または多孔板で形成し、この金属製のスクリーンS4をカバー体C4の樹脂成形金型内にセットしておき、所謂インサート成形で両者C4,S4を一体に構成することもできる。
【0043】
前記カバー体C4をオイルパン底壁W4上に固定する際には、カバー体C4の下面部37が筒状部30の縦壁31の上面に位置するように配置して固定する。固定方法としては、第1実施形態と同様の方法が適用可能である。
この構成では、オイルは、カバー体C4の上面部35に形成した開口部35hからカバー体C4の中空内部に流入し、スクリーンS4で濾過された上でオイル管K側に向かうことになる。
【0044】
本実施形態によれば、基本的には前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、オイルをカバー体C4の中空内部に流入させる開口部35hがカバー体C4自体に形成され、スクリーンS4が前記開口部35hを覆うようにカバー体C4と一体的に設けられている。従って、濾過エレメントをカバー体C4と別部品として取り扱う必要がなくなり、部品点数を削減でき、カバー体C4をオイルパンP4の底壁W4に固定する際の固定作業も容易になる。
尚、カバー体C4の上面部35に設けた開口部35h及びスクリーンS4と同様の開口部およびスクリーンを、カバー体C4の上面部35だけでなく側面部36にも設けるようにしても良い。
【0045】
図15は、本発明の第5実施形態に係るオイルパンの内部構造およびカバー体を示す斜視図である。尚、この第4実施形態の一変形例に該当するものである。
この第5実施形態では、オイルパンP5の底壁W5に、第4実施形態におけるような筒状部は設けられておらず、底壁W5は平坦に形成されている。また、カバー体C5には、上面部45ではなく、側面部46に開口部46hがそれぞれ形成されており、第4実施形態における場合と同様の方法で、スクリーンS5が前記開口部46hを覆うようにカバー体C5と一体的に設けられている。
【0046】
前記カバー体C5をオイルパン底壁W5上に固定する際には、第4実施形態における場合のように、カバー体C5の下面部47を筒状部30の縦壁31の上面に位置するように配置する必要はなく、平坦な底壁W5上に安定して配置して容易に固定することができる。
この構成では、オイルは、カバー体C5の側面部46に形成した開口部46hからカバー体C5の中空内部に流入し、スクリーンS5で濾過された上でオイル管K側に向かうことになる。
尚、カバー体C5の側面部46に設けた開口部46h及びスクリーンS5と同様の開口部およびスクリーンを、カバー体C5の側面部46だけでなく、第4実施形態で示したと同様に、上面部45にも設けるようにしても良い。
【0047】
第4,第5実施形態においても、オイルパンP4,P5及びカバー体C4,P5は合成樹脂製である。従って、これらを合成樹脂で製作することについて、前記第1実施形態における場合と同様の作用効果を奏することができる。特に、第4実施形態においては、オイルパンP4を合成樹脂製としたことにより、オイルパンP4の底壁W4に筒状部30を容易に形成することができる。
【0048】
尚、以上の実施形態は、自動車のエンジン(不図示)の下部に付設されるオイルパンP1〜P7についてのものであったが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、例えばトランスミッションの下部に付設されるオイルパンなど、他の種々の機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパンに有効に適用することができる。
【0049】
このように、本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良等が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば機械装置や動力装置などのオイル循環システムに装備されるオイルパン、特に濾過エレメントを内蔵したオイルパンに関するものであり、オイルパンへの振動入力の影響を受け難く、若しくはオイルポンプの位置変更に対する設計自由度が高く、また、従来に比して軽量なフィルタ内蔵オイルパンを提供することができ、例えば自動車等の車両のエンジンやトランスミッションの下部に付設されるオイルパンとして有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車のエンジンオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図3】図2のY3−Y3線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図4】図2のY4−Y4線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図5】第2実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図6】第2実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図8】図7のY8−Y8線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図9】第3実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図10】第3実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るオイルパンの全体斜視図である。
【図12】図11のY12−Y12線に沿った前記オイルパンの断面説明図である。
【図13】第4実施形態に係るオイルパンの内部構造の要部を示す部分斜視図である。
【図14】第4実施形態に係るカバー体の全体斜視図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係るオイルパンの内部構造およびカバー体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
5,15,25,35,45 (カバー体の)上面部
6h,11h,21h,35h,46h 開口部
7,17,27,37,47 (カバー体の)下面部
10 凹所
20,30 筒状部
C1,C2,C3,C4,C5 カバー体
F2,F3 フィルタ
P1,P2,P3,P4,P5 オイルパン
S2,S3,S4,S5 スクリーン
W1,W2,W3,W4,W5 (オイルパンの)底壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、前記オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントを有する濾過エレメント内蔵オイルパンであって、
前記オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に配置され、
前記濾過エレメントは、前記カバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、
前記濾過エレメントよりも上流側に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部が形成され、
前記カバー部材の下面部が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に固定されている、
ことを特徴とする濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項2】
前記オイルパンの底壁の所定部位には、上方に開口した所定形状の凹所が形成され、
前記カバー部材の下面部は、前記凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されており、
前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部を構成している、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項3】
前記オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、
前記濾過エレメント及び前記カバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されている、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項4】
前記カバー部材に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部が形成され、
前記濾過エレメントは、前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項5】
前記オイルパンは合成樹脂製であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項1】
オイルポンプに連通するオイル流路を備えるとともに、前記オイルポンプに向かうオイルを濾過する濾過エレメントを有する濾過エレメント内蔵オイルパンであって、
前記オイルポンプ側に接続されるオイル管を上面部に有する中空のカバー部材が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に配置され、
前記濾過エレメントは、前記カバー部材の前記オイル管よりも上流側の所定箇所に配設されており、
前記濾過エレメントよりも上流側に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる開口部が形成され、
前記カバー部材の下面部が、前記オイルパンの底壁側の所定部位に固定されている、
ことを特徴とする濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項2】
前記オイルパンの底壁の所定部位には、上方に開口した所定形状の凹所が形成され、
前記カバー部材の下面部は、前記凹所の上部開口を跨ぐようにしてオイルパンの底壁に固定されており、
前記凹所の上部開口の一部が、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部を構成している、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項3】
前記オイルパンの底壁の所定部位には、該底壁と一体的に設けられた縦壁で囲まれ上方に開口した所定形状の上部開口を有する筒状部が形成され、
前記濾過エレメント及び前記カバー部材は、前記筒状部の上部開口を覆うように配設されている、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項4】
前記カバー部材に、オイルをカバー部材の中空内部に流入させる前記開口部が形成され、
前記濾過エレメントは、前記開口部を覆うようにカバー部材と一体的に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【請求項5】
前記オイルパンは合成樹脂製であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の濾過エレメント内蔵オイルパン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−283617(P2006−283617A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102386(P2005−102386)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(300084421)ジー・ピー・ダイキョー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(300084421)ジー・ピー・ダイキョー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]