説明

濾過装置の運転制御装置及び濾過装置の運転制御方法

【課題】濾布の状態を簡単に検出でき、その濾布の状態に応じて適切な運転条件で濾過運転及び逆洗運転を制御可能な濾過装置の運転制御装置及び方法を提供すること。
【解決手段】濾布を介して濾液室と濾過室に区画された濾過槽の濾過室内に導入された原水を濾過して濾液室に集水し、該濾液を濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、濾液室に導入された洗浄液を濾布を通過させて濾過室に集水し、該濾過室から排出する逆洗運転動作とを交互に行う濾過装置の運転制御装置において、濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードを予め設定しておき、逆洗運転終了時の濾過室内の圧力と濾液室内の圧力との差圧に基づいて濾布の回復度合を検出し、複数の運転モードの中から初期設定された運転モードに応じて濾過運転動作及び逆洗運転動作を制御した後、回復度合の検出結果に基づいて運転モードを再設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過装置の運転制御装置及び濾過装置の運転制御方法に関し、詳しくは、濾布の状態を簡単に検出でき、その濾布の状態に応じて適切な運転条件で濾過運転及び逆洗運転を制御することができる濾過装置の運転制御装置及び濾過装置の運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
濾過槽内に配置された濾布によって原水を濾過して濾液を取り出す濾過装置では、原水中に含まれる目詰まり物質によって濾布表面が経時的に汚れて目詰まりを起こす。このため、洗浄水を濾過時とは逆方向に流すことにより濾布表面から目詰まり物質を剥離させて洗浄する逆洗運転を濾過運転と交互に行い、定期的に濾布の機能回復を図る必要がある。
【0003】
例えば、海水をくみ上げて船舶のバラストタンク内に移送する場合、くみ上げられた海水を濾過装置によって濾過すると、濾布表面に粒子が徐々に堆積してやがて目を塞いでしまう。この粒子の多くはSi、Al、Fe等の無機物であり、海底の泥に由来すると思われる。このため、定期的に逆洗を行うことにより、濾布表面に堆積した粒子を剥離させる必要がある。
【0004】
このような濾布の機能回復は、濾布の状態を勘案することにより適切なタイミングで行われることが、効率的な運転制御を行う上で重要である。
【0005】
しかし、従来では濾布の状態に関わらず、予め決められた一定の運転シーケンスに従って濾過運転及び逆洗運転が制御されるにすぎないため、必ずしも効率的な濾過運転が行われるものではなかった。
【0006】
すなわち、原水中の目詰まり物質が少ない場合は、濾布が汚れて目詰まりを起こすまでの時間は長くなるため、頻繁に逆洗を行うことは不必要な逆洗を行うこととなってそれだけ濾過効率を落とす結果となる。また、原水中の目詰まり物質が多い場合は、早期に濾布が汚れて目詰まりしてしまうため早期に逆洗を行うことが望まれるが、所定の逆洗周期が来なければ逆洗が行われないため、濾布が汚れているのに長い間逆洗が行われない事態が発生するおそれがある。濾布が汚れたままでは、濾過のための圧力が増加する問題があるのみならず、濾布の寿命を低下させる問題もある。
【特許文献1】特開平8−39065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、濾布の状態を簡単に検出でき、その濾布の状態に応じて適切な運転条件で濾過運転及び逆洗運転を制御することができる濾過装置の運転制御装置及び濾過装置の運転制御方法を提供することを課題とする。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0010】
(請求項1)
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御装置において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードが予め設定されたモード設定手段と、
前記逆洗運転終了時の前記濾過室内の圧力と前記濾液室内の圧力との差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出する回復度合検出手段と、
前記モード設定手段の複数の運転モードの中から初期設定された運転モードに応じて前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御した後、前記回復度合検出手段の検出結果に基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定する制御手段とを有することを特徴とする濾過装置の運転制御装置。
【0011】
(請求項2)
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御装置において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードが予め設定されたモード設定手段と、
前記濾過室内又は前記濾液室内の前記逆洗運転前後の圧力の差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出する回復度合検出手段と、
前記モード設定手段の複数の運転モードの中から初期設定された運転モードに応じて前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御した後、前記回復度合検出手段の検出結果に基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定する制御手段とを有することを特徴とする濾過装置の運転制御装置。
【0012】
(請求項3)
前記濾過室に導入する原水の濁度を測定する濁度測定手段を有し、
前記制御手段は、前記濁度測定手段の測定結果に基づいて前記モード設定手段のうちのいずれかの運転モードを初期設定することを特徴とする請求項1又は2記載の濾過装置の運転制御装置。
【0013】
(請求項4)
前記制御手段は、前記逆洗運転終了時毎に前記濁度測定手段の測定結果を取得し、該測定結果と前記回復度合検出手段の検出結果とに基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定することを特徴とする請求項3記載の濾過装置の運転制御装置。
【0014】
(請求項5)
前記濾過槽は、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該筒状支持体の外周を被覆する袋状の前記濾布とからなる多数の濾過筒が吊り下げて配設され、前記濾過室内に導入された原水が該濾過室内を上向流しながら前記濾布により濾過されて濾液となって前記濾過筒内を上昇して前記濾液室内に集水される構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の濾過装置の運転制御装置。
【0015】
(請求項6)
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御方法において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定して前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御すると共に、
前記逆洗運転終了時の前記濾過室内の圧力と前記濾液室内の圧力との差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出し、その検出結果に基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする濾過装置の運転制御方法。
【0016】
(請求項7)
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御方法において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定して前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御すると共に、
前記濾過室内又は前記濾液室内の前記逆洗運転前後の圧力の差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出し、その検出結果に基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする濾過装置の運転制御方法。
【0017】
(請求項8)
前記濾過室に導入する原水の濁度を測定し、その測定結果に基づいて前記複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定することを特徴とする請求項6又は7記載の濾過装置の運転制御方法。
【0018】
(請求項9)
逆洗運転終了時毎に前記原水の濁度を測定し、該測定結果と前記逆洗後の前記濾布の回復度合の検出結果とに基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする請求項8記載の濾過装置の運転制御方法。
【0019】
(請求項10)
前記濾過槽は、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該筒状支持体の外周を被覆する袋状の前記濾布とからなる多数の濾過筒が吊り下げて配設され、前記濾過室内に導入された原水が該濾過室内を上向流しながら前記濾布により濾過されて濾液となって前記濾過筒内を上昇して前記濾液室内に集水される構成であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の濾過装置の運転制御方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、濾布の状態を簡単に検出でき、その濾布の状態に応じて適切な運転条件で濾過運転及び逆洗運転を制御することができる濾過装置の運転制御装置及び濾過装置の運転制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の好ましい適用例である船舶バラスト水を濾過するための濾過装置の一例を示す全体構成図であり、図中、1は濾過装置の濾過槽、2は濾過装置の運転を制御するための運転制御装置である。
【0023】
濾過槽1には、取水管3途中に設けられた取水ポンプ4によって原水がくみ上げられて移送される。本実施形態において、原水にはバラスト水(海水又は淡水)が使用され、バラスト水として海水を使用する場合、濾過対象となる目詰まり物質(以下、粒子という場合がある。)としては、動物性プランクトン、植物性プランクトン、微生物、Si、Al、Fe等の無機物、その他、懸濁物質(SS)等がある。取水ポンプ4の駆動は運転制御装置2によって制御される。
【0024】
濾過槽1は、濾過槽本体101と蓋体102からなる円筒竪型に形成され、その内部は、上部近傍に設けられた仕切り板103によって下部の濾過室1Aと上部の濾液室1Bとに区画されている。濾過室1Aには原水導入口104が設けられ、取水管3が接続されている。また、濾液室1Bには濾液排出口105が設けられ、排出管5が接続されている。
【0025】
排出管5には濾液排出口105近傍において、洗浄水導入管6及び空気導入管7が接続され、これらによって濾過槽1の濾液室1B内に洗浄水及び空気を導入可能としている。
【0026】
また、取水管3には原水導入口104近傍において空気導入管8が接続され、この空気導入管8を通して濾過槽1の濾過室1A内に空気を導入可能としている。
【0027】
これら洗浄水導入管6及び空気導入管7、8による洗浄水及び空気の濾過槽1への導入は逆洗時に行われる。
【0028】
濾過室1Aの上部の仕切り板103近傍には、洗浄水排出口106が設けられ、洗浄水排出管9が接続されている。この洗浄水排出管9からの洗浄水の排出は逆洗時に行われる。
【0029】
また、取水管3にはドレン配管10が接続され濾過槽1の濾過室1A内の残水(目詰まり物質を含む。)を排出可能としている。
【0030】
仕切り板103には、複数の濾過筒107が吊り下げ状に配設されている。各濾過筒107は、多孔製の円筒形の支持体107aと、該支持体107aの外周に被覆された濾布107bとによって構成されている。
【0031】
支持体107aは上部開口107cを有する樹脂製円筒形であり、ポリエチレン製のものが好ましい。支持体107aの表面は網目状に形成されることにより多孔製とされてもよいし、多数の開孔を開設することにより多孔製とされてもよい。この支持体107a表面の開孔率は40%〜70%の範囲が好ましく、より好ましくは45%〜65%の範囲であり、更に好ましくは50%〜65%の範囲である。
【0032】
濾布107bは、例えばポリエステル極細繊維で織られており、表面を一定方向に立毛させた緻密層を有し、支持体107a側に位置する下層部は粗い地組織を有する2層構造のものを好ましく用いることができる。濾過時には緻密層で原水中の粒子を捕捉し易く、且つ洗浄時には、捕捉された粒子を容易に離脱させることができるためである。また、ポリエステルは疎水性で、繊維が膨潤しにくいために好ましい。濾布107bの平均目開きは、原水として海水を取り込む場合、20μm程度とすることができる。
【0033】
濾布107bは袋状に形成されて支持体107aの外周に被覆される。濾布107bを袋状に形成するには、通常の縫製法に従えばよい。
【0034】
濾過筒107は、仕切り板103に複数本配設される。図1では2本が示されているが、本数は特に限定されず、適宜設定することができる。
【0035】
各濾過筒107の上部は、支持体107aの上部開口107cが仕切り板103から濾液室1Bに臨んでいる。従って、濾過時、取水管3から濾過室1A内に導入された原水は、該濾過室1A内を上向流しながら濾過筒107の濾布107bを外側から内側に向けて通過することによって濾過され、濾液が多孔製の支持体107a内に流入する。支持体107a内に流入した濾液は、該支持体107a内を上昇し、その上部開口107cを通して濾過筒107の上部から濾液室1B内に集水され、該濾液室1Bから排出管5によって濾過槽1外へ排出される。濾過槽1から排出された濾液(処理水)は、バラストタンク(図示せず)に向けて移送される。
【0036】
一方、逆洗時、洗浄水導入管6から濾液室1B内に洗浄水が導入されると、洗浄水は濾液室1B内に臨む支持体107aの上部開口107cから流入し、多孔製の支持体107a表面を抜けて濾布107bを内側から外側に向けて通過し、濾過室1A内に流入し、この過程で濾布107b表面に付着堆積する粒子を剥離させて除去する。
【0037】
なお、本発明において濾過槽は、濾布を介して濾液室と濾過室とに区画され、濾過室内に導入された原水を濾布によって濾過して濾液室に集水可能であればよく、必ずしも図示する濾過槽1の態様に限定されるものではない。
【0038】
図中、11は取水管3途中に設けられた濁度測定器であり、取水管3中を流れる原水の濁度を測定する。濁度測定器11の測定結果は運転制御装置2に送られる。
【0039】
また、12は濾過槽1の濾過室1A内に配置された圧力センサ、13は濾過槽1の濾液室1B内に配置された圧力センサである。これら各圧力センサ12、13の検出信号は運転制御装置2に送られる。
【0040】
更に、図1中、3aは取水管3に設けられた開閉弁、5aは排出管5に設けられた開閉弁、6aは洗浄水導入管6に設けられた開閉弁、7aは空気導入管7に設けられた開閉弁、8aは空気導入管8に設けられた開閉弁、9aは洗浄水排出管9に設けられた開閉弁、10aはドレン配管10に設けられた開閉弁であり、それぞれ運転制御装置2によって開閉制御される。
【0041】
次に、図2に示すブロック図を用いて運転制御装置2の構成について説明する。
【0042】
図中、201は制御部、202はモード設定部、203は差圧算出部である。
【0043】
制御部201は、取水ポンプ4及び各開閉弁3a、5a、6a、7a、8a、9a、10aを制御して、原水を濾過槽1へ導入して濾液を取り出す濾過運転と、洗浄水及び空気を濾過槽1へ導入して濾布107b表面の粒子を除去する逆洗運転とを交互に行うように制御すると共に、濁度測定器11及び各圧力センサ12、13を制御して、濁度の測定結果及び各圧力値を取り込む。濁度測定器11による原水の濁度の測定は、通常、原水の取り込み開始時に行われ、各圧力センサ12、13による圧力の測定は逆洗終了時に行われる。
【0044】
モード設定部202は、濾過装置の運転条件、すなわち、濾過運転と逆洗運転とを交互に行う際の濾過時間、逆洗時間等の諸条件を異ならせた複数の運転モードを予め記憶している。本発明に係る濾過装置では、濾過槽1による原水の濾過運転と、該濾過運転時とは逆方向に洗浄水を流す逆洗運転とを交互に行うようになっており、制御部201によって、このモード設定部202に記憶された複数の運転モードのうちからいずれかの運転モードが設定され、その運転モードに従って濾過運転及び逆洗運転を交互に行う運転動作が制御されるようになっている。
【0045】
このモード設定部202に記憶される運転モードの例を図3、図4に示す。
【0046】
図3は、濾過時間を一定とし、1回当たりの逆洗時間を異ならせたモード1〜モード6の6つのモードが設定された例を示している。ここではモード1からモード6に行くに従って逆洗時間が次第に長くなり、逆洗を念入りに行うように設定されている。
【0047】
図4は、逆洗時間を一定とし、1回当たりの濾過時間を異ならせたモード1〜モード6の6つのモードが設定された例を示している。ここではモード1からモード6に行くに従って濾過時間が次第に短くなり、頻繁に逆洗を行うように設定されている。
【0048】
また、図示しないが、この他に濾過速度や洗浄速度をパラメータとする運転モードを設定することもできる。従って、モード設定部202では、これら濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードを設定しておけばよい。
【0049】
差圧算出部203は、各圧力センサ12、13から送られた圧力値に基づいて、その差圧を算出するようになっている。差圧算出部203によって算出された濾過室1Aと濾液室1Bとの差圧値は制御部201に送られる。
【0050】
濾過運転の継続に伴い、濾布107bの目詰まりによって濾過室1A内の圧力は増加する一方、濾液室1B内の圧力は減少していくため、両者の差圧ΔP1は次第に増加する。所定時間経過後に逆洗運転が行われると、濾布107bの目詰まりが回復することによって、濾過室1A内の圧力は減少する一方、濾液室1B内の圧力は増加し、差圧ΔP1は小さくなる。すなわち、回復度合が良好であればこの差圧ΔP1は小さく、不十分であれば大きくなる。従って、この差圧ΔP1を検出することによって、逆洗運転終了後の濾布107bの回復度合を検出することができる。
【0051】
制御部201では、逆洗運転終了時、この差圧ΔP1に基づいて濾布107bの回復度合を検出し、その検出結果に基づいて、必要に応じてモード設定部202に記憶された複数の運転モードの中から運転モードを再設定することができるようになっている。
【0052】
なお、図2において、14は例えば液晶モニタ等からなる表示部であり、運転状況の各種情報を表示するようになっている。
【0053】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、かかる濾過装置の運転制御について説明する。
【0054】
原水(バラスト水)の取り込みが開始されると、運転制御装置2の制御部201は取水ポンプ4を駆動して取水管3から原水を取り込み、濾過槽1の濾過室1Aに導入する。このとき開閉弁6a、7a、8a、9a、10aは閉じられている。そして、かかる原水の取り込み開始時、制御部201は濁度測定器11によって原水の濁度を測定し、その測定結果を取得する(S1)。
【0055】
ここで、制御部201は、この濁度測定器11から取得された原水の濁度の測定結果に応じて、モード設定部202に記憶されている複数の運転モードのうちのいずれか1つの運転モードを初期設定する(S2)。
【0056】
図6は、この運転モードを設定する際に用いられる濁度と運転モードとの関係を示すテーブルの一例であり、例えば制御部201内に設けられている。同図に示すように、原水の濁度が小さい(きれいな)場合、運転モードはモード設定部202中のモード1が設定され、例えば図3に示す例では、濾過時間に対して1回当たりの逆洗時間は短く設定されるようになる。一方、原水の濁度が大きくなる(濁ってくる)に従って、運転モードが次第に繰り上がっていき、1回当たりの逆洗時間が長くなるようになっている。従って、濾過開始当初から、原水の濁度に応じて濾過運転と逆洗運転の各時間が最適に設定された状態の運転動作を行うことができるため、本発明において、このように濁度測定器11によって原水の濁度を測定し、それに基づいて運転モードの初期設定を行うことは好ましい態様である。
【0057】
原水が濾過槽1の濾過室1Aに導入されると、原水は濾過室1A内を上向流しながら濾布107bによって濾過され、濾液が濾液室1Bに集水される。濾液室1Bに集水された濾液(処理水)は、排出管5からバラストタンク(図示せず)に移送される。
【0058】
この濾過運転は、上述したように濁度測定器11の測定結果に基づいて初期設定された運転モードに従って所定時間継続された後、制御部201の制御によって逆洗運転に切り替えられる(S3)。
【0059】
この逆洗運転時、制御部201は取水ポンプ4の駆動を停止させ、開閉弁6a、7a、8a、9aを開けて濾過槽1内に洗浄水及び空気を導入する。洗浄水導入管6から濾液室1B内に導入された洗浄水は、支持体107aの上部開口107cに流入して濾布107bを内側から外側に向けて通過し、表面に付着堆積する粒子を剥離させて除去する。このとき、同時に空気導入管7から濾液室1B内に空気が導入されることにより、この空気も濾布107bを内側から外側に向けて通過して粒子の除去を促進するため、洗浄水量の削減を図ることが可能である。
【0060】
更に、同時に空気導入管8から濾過室1A内に空気が導入されることにより、濾布107bの内側から外側に向けて通過して微細気泡となった空気と一緒になって粗大気泡となり、濾布107bの外側表面を上昇するため、濾布107b表面を揺らして洗浄効果をより高めることができる。濾過室1A内を上昇した気泡を含む洗浄水は、洗浄水排出管9から濾過槽1外へ排出される。
【0061】
かかる逆洗運転は、ここでは、上述したように濁度測定器11の測定結果に基づいて初期設定された運転モードに従って所定時間継続される(S4)。
【0062】
運転モードに従って所定時間の逆洗運転が終了すると、続いて、逆洗運転による濾布107bの回復度合を確認する(S5)。すなわち、制御部201は各圧力センサ12、13を制御して、それぞれ濾過室1A内の圧力値及び濾液室1B内の圧力値を取得し、差圧算出部203において各圧力値の差圧ΔP1を算出することにより、濾布107bの回復度合を判別する。
【0063】
例えば、逆洗の結果、濾布107b表面に付着した粒子の除去が良好に行われている場合、差圧ΔP1は比較的小さくなって回復が良好であることがわかる。一方、粒子の除去が不十分な場合、濾布107b表面は依然として汚れているため、差圧ΔP1は比較的大きくなって回復が不十分であることがわかる。回復度合の良し悪しは、例えば濾過室1A内の圧力に対する差圧ΔP1の比率によって判断することができる。
【0064】
ここで、かかる回復度合の検出結果から、制御部201は運転モードを再設定するか否かを判断する(S6)。
【0065】
図7は、この運転モードを再設定する際に用いられる逆洗終了時の濾布107bの回復度合と運転モードの再設定との関係を示すテーブルの一例であり、例えば制御部201内に設けられる。
【0066】
同図に示すように、回復度合が+3%未満となって回復度合が大きい場合、モード設定部202で初期設定された運転モードに対して1段階下げるように再設定する。例えば図3に示す運転モードの場合、現在モードがモード3であった場合はモード2に再設定することにより、逆洗時間を短くする。この結果、濾過時間が相対的に長くなるため、濾液(処理水)量の増大が図られるようになる。
【0067】
また、回復度合が+3%以上+5%未満では標準的な回復度合であるとして初期設定された運転モードを維持する。更に、回復度合が+5%以上+10%未満の場合、回復度合が小さいと判断され、初期設定された運転モードに対して1段階上げるように再設定する。例えば図3に示す運転モードの場合、現在モードがモード3であった場合はモード4に再設定することにより、逆洗時間を長くする。この結果、濾布107bの回復向上が図られるようになる。
【0068】
回復度合が+10%以上となるように極端に回復状態が悪い(汚れている)場合は、例えば図3に示す運転モードの場合、最も逆洗時間が長いモード6に移行させて、入念に逆洗が行われるように再設定される。
【0069】
また、逆洗を繰り返しても回復度合が+10%以上を繰り返す等によって向上しない場合は、濾布107bの交換を促すように表示部14に警告表示を行うようにしてもよい。
【0070】
かかる判断の結果、運転モードを再設定する必要がある場合、制御部201はモード設定部202の運転モードを再設定する(S7)。
【0071】
その後、濾過運転が再開され、上記ステップS7において運転モードが再設定された場合は、その再設定された運転モードに従って濾過運転及び逆洗運転を交互に行う運転動作が制御され、上記ステップS3からの動作を繰り返す。
【0072】
このように、本発明によれば、濾過槽1の圧力値から逆洗運転後の濾布107bの回復度合を検出し、その検出結果に応じて運転モードを再設定するので、濾布107bの状態に応じて常に適切な濾過運転及び逆洗運転を行うことができる。
【0073】
なお、以上説明した態様では、逆洗運転が終了して濾布の回復度合を検出したその都度、モードの再設定を行うか否かを判断するようにしたが、モードの再設定を行うか否かの判断は、逆洗運転が終了する度に行うものに限らない。例えば、逆洗運転が終了して濾布の回復度合を検出した検出結果を制御部201等に毎回記憶しておき、複数回(例えば5回等)の逆洗運転が終了した後に、それまで記憶された各回の回復度合の検出結果の履歴に基づいてモードの再設定を行うか否かを判断するようにしてもよい。
【0074】
濾布の回復度合を検出したその都度モードの再設定を行うか否かを判断する場合では、毎回の回復度合が比較的良好で、例えば図7を例にとると、毎回+3%以上+5%未満となってモードを再設定する必要がないと判断されるような場合でも、それが複数回繰り返されると、毎回僅かずつ濾布が汚れていき、最初の方と最後の方では濾布の汚れ具合が大きく異なっている場合がある。しかし、各回の回復度合の検出結果の履歴に基づいてモードの再設定を行うか否かを判断することにより、毎回僅かずつ濾布が汚れていく様子を判別でき、適切なモード設定を行うことが可能となる。
【0075】
検出結果の履歴に基づいてモードの再設定の可否を判断する例としては、例えば、各回の回復度合の検出結果の和に基づいて、図7と同様のテーブルを用意しておくことにより判断する態様等が挙げられる。
【0076】
図8は、逆洗運転後の濾布107bの回復度合を検出するための他の態様を示し、ここでは濾過槽1のみを示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため詳細な説明は省略する。
【0077】
ここでは、濾過槽1の濾過室1A内のみに該濾過室1A内の圧力を検出するための圧力センサ15が設けられており、制御部201によって制御される。この圧力センサ15による濾過室1A内の圧力の検出は、逆洗前と逆洗後の2回行うようになっており、各圧力値の検出信号は運転制御装置2に送られるようになっている。
【0078】
図9は、かかる運転制御装置2の構成を示すブロック図である。
【0079】
ここに設けられた差圧算出部204は、圧力センサ15から送られた2回の圧力値に基づいて、その差圧ΔP2を算出するようになっている。差圧算出部204によって算出された差圧ΔP2の差圧値は制御部201に送られる。
【0080】
図10に示すように、濾過運転の継続に伴い、濾布107bの目詰まりによって濾過室1A内の圧力は次第に増加する。所定時間経過後に逆洗が行われると、濾布107bの目詰まりが回復することによって濾過室1A内の圧力は回復するが、その回復度合によって逆洗前と逆洗後との間に差圧ΔP2が発生する。すなわち、回復度合が良好であれば差圧ΔP2は小さく、不十分であれば差圧ΔP2は大きくなる。従って、この差圧ΔP2を検出することによって、逆洗後の濾布107bの回復度合を検出することができる。
【0081】
制御部201では、図7と同様のテーブルを用意しておき、この差圧ΔP2に応じて運転モードの再設定を制御すればよい。
【0082】
また、この場合も、上述したように、モードの再設定を行うか否かの判断は、逆洗運転が終了する度に行うものに限らず、逆洗運転が終了して濾布の回復度合を検出した検出結果を制御部201等に毎回記憶しておき、複数回(例えば5回等)の逆洗運転が終了した後に、それまで記憶された各回の回復度合の検出結果の履歴に基づいてモードの再設定を行うか否かを判断するようにしてもよい。
【0083】
なお、以上の態様では、濁度測定器11による原水の濁度の測定は原水の取り込み開始時に行うようにしたが、原水の取水中にも濁度が変化する場合がある。このため、逆洗終了時、制御部201はその都度濁度測定器11によって原水の濁度を測定し、その結果を考慮した上で運転モードの再設定を行うようにすることも好ましい。
【0084】
例えば、逆洗終了時に濾布107bの回復度合を検出して運転モードの再設定の可否を判断した結果と、同じく逆洗終了時に原水の濁度を測定した結果との双方に基づき、回復度合の検出結果が運転モードの再設定の必要がないと判断された場合でも、原水の濁度が上がっていたら運転モードを1段階上げ、濁度が下がっていたら運転モードを1段階下げるように再設定する。
【0085】
また、回復度合の検出結果が運転モードの再設定の必要があると判断された場合、原水の濁度が上がっていたら、回復度合の結果から判断される運転モードから更に1段階上げ、逆に濁度が下がっていたら、回復度合の結果から判断される運転モードから1段階下げるように再設定する。
【0086】
この態様では、逆洗終了時に濾布107bの回復度合の検出結果と原水の濁度の測定結果との双方に基づいて運転モードを再設定するので、取水される原水の経時的な変化に対応して最適な運転条件を設定することができ、より効率的な運転制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】船舶バラスト水を濾過するための濾過装置の一例を示す全体構成図
【図2】運転制御装置の構成を示すブロック図
【図3】モード設定部に記憶される運転モードの一例を示す図
【図4】モード設定部に記憶される運転モードの他の例を示す図
【図5】濾過装置の動作を説明するフローチャート
【図6】濁度と運転モードとの関係を示すテーブル
【図7】逆洗終了時の濾布の回復度合と運転モードの再設定との関係を示すテーブル
【図8】濾布の回復度合を検出するための他の態様を示す濾過槽の構成図
【図9】濾布の回復度合を検出するための他の態様に係る運転制御装置の構成を示すブロック図
【図10】濾過室内の圧力の様子を示すグラフ
【符号の説明】
【0088】
1:濾過槽
1A:濾過室
1B:濾液室
101:濾過槽本体
102:蓋体
103:仕切り板
104:原水導入口
105:排出口
106:洗浄水排出口
107:濾過筒
107a:支持体
107b:濾布
107c:上部開口
2:運転制御装置
201:制御部
202:モード設定部
203、204:差圧算出部
3:取水管
3a:開閉弁
4:取水ポンプ
5:排出管
5a:開閉弁
6:洗浄水導入管
6a:開閉弁
7:空気導入管
7a:開閉弁
8:空気導入管
8a:開閉弁
9:洗浄水排出管
9a:開閉弁
10:ドレン配管
10a:開閉弁
11:濁度測定器
12、13、15:圧力センサ
14:表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御装置において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードが予め設定されたモード設定手段と、
前記逆洗運転終了時の前記濾過室内の圧力と前記濾液室内の圧力との差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出する回復度合検出手段と、
前記モード設定手段の複数の運転モードの中から初期設定された運転モードに応じて前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御した後、前記回復度合検出手段の検出結果に基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定する制御手段とを有することを特徴とする濾過装置の運転制御装置。
【請求項2】
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御装置において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードが予め設定されたモード設定手段と、
前記濾過室内又は前記濾液室内の前記逆洗運転前後の圧力の差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出する回復度合検出手段と、
前記モード設定手段の複数の運転モードの中から初期設定された運転モードに応じて前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御した後、前記回復度合検出手段の検出結果に基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定する制御手段とを有することを特徴とする濾過装置の運転制御装置。
【請求項3】
前記濾過室に導入する原水の濁度を測定する濁度測定手段を有し、
前記制御手段は、前記濁度測定手段の測定結果に基づいて前記モード設定手段のうちのいずれかの運転モードを初期設定することを特徴とする請求項1又は2記載の濾過装置の運転制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記逆洗運転終了時毎に前記濁度測定手段の測定結果を取得し、該測定結果と前記回復度合検出手段の検出結果とに基づいて、前記モード設定手段における運転モードを再設定することを特徴とする請求項3記載の濾過装置の運転制御装置。
【請求項5】
前記濾過槽は、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該筒状支持体の外周を被覆する袋状の前記濾布とからなる多数の濾過筒が吊り下げて配設され、前記濾過室内に導入された原水が該濾過室内を上向流しながら前記濾布により濾過されて濾液となって前記濾過筒内を上昇して前記濾液室内に集水される構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の濾過装置の運転制御装置。
【請求項6】
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御方法において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定して前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御すると共に、
前記逆洗運転終了時の前記濾過室内の圧力と前記濾液室内の圧力との差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出し、その検出結果に基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする濾過装置の運転制御方法。
【請求項7】
濾布を介して濾液室と濾過室とに区画されてなる濾過槽を有し、前記濾過室内に導入された原水を前記濾布によって濾過して前記濾液室に集水し、該濾液を該濾液室から前記濾過槽外へ排出する濾過運転動作と、前記濾液室に導入された洗浄液を前記濾布を通過させて前記濾過室に集水し、該濾過室から前記濾過槽外へ排出する逆洗運転動作とを交互に行うようにした濾過装置の運転制御方法において、
濾過時間、逆洗時間、濾過速度及び洗浄速度のうちのいずれか1種以上の運転条件を異ならせた複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定して前記濾過運転動作及び前記逆洗運転動作を制御すると共に、
前記濾過室内又は前記濾液室内の前記逆洗運転前後の圧力の差圧に基づいて前記濾布の回復度合を検出し、その検出結果に基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする濾過装置の運転制御方法。
【請求項8】
前記濾過室に導入する原水の濁度を測定し、その測定結果に基づいて前記複数の運転モードのうちのいずれかの運転モードを初期設定することを特徴とする請求項6又は7記載の濾過装置の運転制御方法。
【請求項9】
逆洗運転終了時毎に前記原水の濁度を測定し、該測定結果と前記逆洗後の前記濾布の回復度合の検出結果とに基づいて、前記運転モードを再設定することを特徴とする請求項8記載の濾過装置の運転制御方法。
【請求項10】
前記濾過槽は、上部開口を有する多孔製の筒状支持体と該筒状支持体の外周を被覆する袋状の前記濾布とからなる多数の濾過筒が吊り下げて配設され、前記濾過室内に導入された原水が該濾過室内を上向流しながら前記濾布により濾過されて濾液となって前記濾過筒内を上昇して前記濾液室内に集水される構成であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の濾過装置の運転制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−126215(P2008−126215A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317789(P2006−317789)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(000193508)水道機工株式会社 (50)
【Fターム(参考)】