説明

火災感知器および組立て方法

【課題】 電磁波による誤動作を起こしにくい光電式煙感知器および複合型感知器等の火災感知器を提供する。
【解決手段】本体ベース(11)と該本体ベースの上側全体を覆う本体ケース(12)とからなる筐体の内部に、側面にレンズ部(18b)を有し下部にリード端子(18c)を有する受光素子(18)が内部に配設される暗箱(14,16)と、受光素子が接続される回路基板(13)とが収納されてなる火災感知器において、受光素子は、導電体からなるシールドケース(19)に収納された状態で暗箱内に配設され、シールドケースは、少なくとも下端が開口され受光素子の本体部を収納可能な筒状のケース本体部(19b)を備え、ケース本体部には、上端から下方へ向かってレンズ部が通過可能な切り込み部が形成されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災感知器、特に受光素子を使用した光電式煙感知器、煙および熱あるいはガスを検出する複合型火災感知器および組立て方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災感知器として、発光素子が発した光の散乱光を受光素子で受光することによって煙を感知する光電式煙感知器や、サーミスタのような感熱素子あるいはCOなどの有害ガスを検知するガスセンサをさらに備え煙および熱あるいはガスを検出する複合型火災感知器が知られている。
【0003】
煙感知器または熱煙複合型感知器においては、周囲に外部光が入らないようにするラビリンス構造を有する暗箱内に、発光素子と受光素子を、互いの光軸をずらした状態で収納し、火災発生時に暗箱内に煙が流入すると、発光素子から照射された光が煙によって散乱され、その散乱光を受光素子が感知すると火災発生と判断して警報を発生するように構成される。
ところで、受光素子は電子部品であるため、携帯電話機などから送信される電波が受光素子に飛び込んで検出回路が誤動作するおそれがある。そこで、受光素子をシールドケースに収納した状態でプリント基板上に実装するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−303697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図5に、従来の煙感知器または熱煙複合型感知器における暗箱の内部構造を示す。図5に示すように、暗箱の基台14上に発光素子を保持する収納部41と受光素子18を保持する収納部42が設けられ、受光素子18はこれを収納部42に収納した後に、金属板で形成された電磁波遮断用のシールドケース19を受光素子18の上から被せ、シールドケース19の脚部19bを暗箱基台14の所定位置に形成されている係合穴に挿通して組み付けるようしていた。なお、受光素子18のレンズ部18bと対向するシールドケース19の壁面には、光が入射する開口19fが形成されている
【0006】
ところで、図5に示されている煙感知器の暗箱においては、受光素子18の側面の受光部に、前方へ膨出したレンズ部18bが設けられている。そのため、暗箱基台14に実装されている受光素子18に後からシールドケース19を被せる際に、該ケースの周壁がレンズ部18bに当ってしまわないようにするため、シールドケース19は、ケース内壁面と受光素子19の前面との間にレンズの厚み分の隙間が生じる大きさを有するように設計されていた。
【0007】
本発明者らは、シールドケースの有効性を確認するため、上記のような構造の光電式煙感知器に電磁波を照射する検査を行った。その結果、上記煙感知器を強力な電磁波が存在する環境下におくと検出回路が誤動作することを見出した。そして、その原因を解析する過程で、シールドケース19が上記のような構成であると、シールドケース19に設けた開口19fと受光素子18の外面との隙間から内部の受光素子18のリード端子部へ電磁波が飛び込み易く、それによって検出回路の誤動作が引き起こされるおそれが高くなっていることが明らかになった。
【0008】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、電磁波による誤動作を起こしにくい光電式煙感知器および複合型感知器等の火災感知器を提供することにある。
本発明の他の目的は、暗箱内に受光素子がシールドケースに収納された状態で実装される光電式煙感知器および複合型感知器等の火災感知器の組立て作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、側面にレンズ部を有し下部にリード端子を有する受光素子が内部に配設される暗箱と、前記受光素子が接続される回路基板と、が収納されてなる火災感知器において、
前記受光素子は、導電体からなるシールドケースに収納された状態で前記暗箱内に配設され、
前記シールドケースは、少なくとも下端が開口され前記受光素子の本体部を収納可能な筒状のケース本体部を備え、
前記シールドケースの前記ケース本体部の受光面側の側壁には、上端から下方へ向かって前記レンズ部が通過可能な切り込み部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、「受光素子」は、一般的には本体部が直方体状であるが、円柱状であってもよい。「ケース本体部の受光面側の側壁」とは、受光素子のレンズ部が配される側の側壁を意味する。
請求項1に記載の発明によれば、シールドケースのケース本体部の側壁に、上端から下方へ向かって受光素子のレンズ部が通過可能な切り込み部が形成されているため、シールドケースのケース本体部の形状が受光素子の本体部の形状とほぼ同一であったとしても、受光素子のレンズ部をシールドケースの切り込み部に挿通させるようにして、シールドケース内に受光素子を収納させることができる。これにより、受光素子を収納した状態では、受光素子のレンズ部のみがシールドケースの切り込み部から突出し、シールドケースの本体部は受光素子の外面にほぼ密着した状態となる。
これにより、受光素子の外面とシールドケースとの間にほとんど隙間が生じなくなり、外部から電磁波がシールドケースのレンズ用の開口と受光素子の外面との隙間からシールドケース内に飛び込んで、検出回路が誤動作するのを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の火災感知器において、
前記シールドケースの前記ケース本体部の側壁上端縁の一部には、内側へ折曲されることにより該ケース本体部の上部開口を閉塞可能な折曲片が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、シールドケースのケース本体部の側壁上端縁に該ケース本体部の開口を閉塞可能な折曲片が設けられているので、組立て時には折曲片を折り曲げる前に上方から受光素子を挿入することができるため組立てが容易であるとともに、受光素子を挿入した後にケース本体部の側壁上端縁に設けられた折曲片を折り曲げることにより、ケース本体部の開口を閉塞することができるため、受光素子の上方からの電磁波を折曲片で遮断し電磁シールド効果を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の火災感知器において、
前記シールドケースの前記ケース本体部の側壁上端縁に設けられた前記折曲片の基部には、小孔もしくは薄肉部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ケース本体部の上端縁に設けられた折曲片の基部に小孔もしくは薄肉部が形成されているので、折曲片の基部に沿って折曲片を折り曲げることが容易となり、受光素子とシールドケースの暗箱内への組み付け作業性を向上させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の火災感知器において、
前記シールドケースの側壁下端には、該側壁と平行をなし側壁の幅よりも広い間隔を有する一対の脚部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、シールドケースの側壁下端に、該側壁と平行をなし側壁の幅よりも広い間隔を有する一対の脚部を設けるようにしているので、回路基板における受光素子のリード端子とシールドケースの脚部を挿入するための挿通孔の間隔が広くなり、従来のシールドケースと同様な絶縁性能を得るために必要な端子間距離を設けることができると共に、挿通孔の形成が容易となる。また、シールドケースの姿勢の安定性も高くなる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の火災感知器において、
前記暗箱は、前記受光素子のリード端子を挿通する挿通孔を有する暗箱基台と、内側に煙検知部を形成するラビリンス構造体を有し該ラビリンス構造体の端面が前記暗箱基台の底面と接合することで前記暗箱を形成する暗箱ケースと、により構成され、前記暗箱基台は前記回路基板の表面に接合されることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、受光素子が配設される暗箱を構成する暗箱基台は回路基板の表面に接合される構成であるので、受光素子を実装する際に、受光素子のリード端子を暗箱基台と回路基板とに一気に挿通させることができ、受光素子の回路基板上への実装作業を効率よく行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、側面にレンズ部を有し下部にリード端子を有する受光素子が内部に配設される暗箱と、前記受光素子が接続される回路基板と、が収納され、
前記受光素子は、導電体からなるシールドケースに収納された状態で前記暗箱内に配設され、
前記シールドケースは、上端および下端が開口され前記受光素子の本体部を収納可能な筒状のケース本体部を備え、
前記ケース本体部の受光面側の側壁には、上端から下方へ向かって前記レンズ部が通過可能な切り込み部が形成され、
前記ケース本体部の側壁上端縁の一部には折曲されることにより該ケース本体部の上部開口を閉塞可能な折曲片が設けられ、
前記ケース本体部の側壁上端縁に設けられた前記折曲片の基部には小孔もしくは薄肉部が形成され、
前記暗箱は、前記受光素子のリード端子を挿通する挿通孔を有する暗箱基台と、内側に煙検知部を形成するラビリンス構造体を有し該ラビリンス構造体の端面が前記暗箱基台の底面と接合することで前記暗箱を形成する暗箱ケースとにより構成され、前記暗箱基台は前記回路基板の表面に接合されている火災感知器の組立て方法であって、
前記回路基板の表面に前記暗箱基台が接合されている状態で、前記シールドケースを前記暗箱基台に係止した後、前記シールドケースの前記ケース本体部の上部開口より内部に前記受光素子を挿入し、前記リード端子の先端を前記暗箱基台と前記回路基板に挿通させてから、前記ケース本体部の上部開口を覆うように前記折曲片を該折曲片の基部に沿って折り曲げるようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、回路基板の表面に暗箱基台が接合されている状態で、シールドケースを暗箱基台と回路基板に係止した後、シールドケースのケース本体部の上部開口より内部に受光素子を挿入し、リード端子の先端を暗箱基台と回路基板に挿通させてから、ケース本体部の開口部を覆うように折曲片を該折曲片の基部に沿って折り曲げるようにしたので、シールドケースに受光素子を収納した状態でシールドケースが受光素子にほぼ密着した状態になるような大きさである場合にも、シールドケース内に受光素子を容易に挿入することができるとともに、シールドケースと受光素子をそれぞれ容易に暗箱基台と回路基板に組み付けることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電磁波による誤動作を起こしにくい光電式煙感知器および複合型感知器等の火災感知器を実現することができる。また、暗箱内に受光素子がシールドケースに収納された状態で実装される光電式煙感知器および複合型感知器等の火災感知器の組立て作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る火災感知器の一例としての光電式煙感知器の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す光電式煙感知器を構成する暗箱ケースを逆さにして内部構造の詳細を示す平面図である。
【図3】図1に示す光電式煙感知器を構成する暗箱基台の詳細を示す拡大斜視図である。
【図4】(A)は実施形態の光電式煙感知器を構成する受光素子およびシールドケースの組立て前の状態を示す拡大斜視図、(B)は同じく受光素子およびシールドケースの組立て後の状態を示す拡大斜視図である。
【図5】(A)は従来の光電式煙感知器を構成する受光素子およびシールドケースと暗箱基台の組立て前の状態を示す拡大斜視図、(B)はその組立て後の状態を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を適用した光電式煙感知器の一実施形態について説明する。 本実施形態の光電式煙感知器(以下、単に感知器と記す)10は、火災に伴い発生した煙を感知可能な火災感知器であり、建造物の天井面などに設置されて使用されるように構成されている。なお、以下の説明では、感知器10を建造物の天井面に設置した状態で上になる側を下側、下になる側を上側とする。
【0022】
本実施形態の煙感知器10は、図1に示すように、建造物の天井面に取り付けるための円板状の本体ベース11と、外形が略ドーム状をなし本体ベース11の上側全体を覆う本体ケース12とを備え、本体ベース11と本体ケース12とにより内部に収納空間を有する筐体が形成される。
また、感知器10は、前記本体ベース11上に固定される回路基板13と、該回路基板13に搭載される高さの低い有底円筒状の暗箱基台14と、該暗箱基台14の内壁と係合する同じく円筒状の防虫網15と、該防虫網15を挟んで前記暗箱基台14と係合し暗箱を形成する有底円筒状の暗箱ケース16とを備え、これらの構成部材が、上記筐体内に収納され本体ベース11と本体ケース12とが結合されることで感知器が構成される。防虫網15は、小さな網目を有する円筒状に形成されている。
【0023】
本体ベース11は感知器10の下側筐体壁を構成するもので、本体ベース11の下面には、予め天井面に設置された取付基台(図示省略)と連結し、当該感知器10を天井面に固定するための係止片(図示省略)が設けられている。また、本体ベース11の周縁部には、図1に示すように、本体ベース11に対して本体ケース12を位置決めするための凹部11aが所定個数(図1では1個)設けられている。
一方、本体ケース12の周縁部には、本体ベース11に設けられた凹部11aに対応する位置に、該凹部11aと嵌合可能な位置決め部12aが所定個数設けられ、凹部11aと位置決め部12aとを嵌合状態にさせることで、本体ケース12が本体ベース11に対して結合されるようになっている。
【0024】
さらに、本体ケース12には、その頭頂部中央に、暗箱の上部が突出可能な円形状の開口部が形成されるとともに、該開口部より突出した暗箱ケース16の円板状の蓋部61に接合され縁部に係合されるヘッドカバー21が設けられ、該ヘッドカバー21と本体ケース12の上壁内縁部との間に円周方向に沿って開口が形成され、該開口が外部の煙をケース内部に流入可能にする煙流入口22として機能するように構成されている。また、本体ケース12の中央の上記開口部の縁には、リング状に形成された透明部材からなる光放出部23が設けられている。なお、この光放出部23には、下方へ向かって垂下するように形成された棒状の光ガイド部材が結合されており、該光ガイド部材の先端(下端)の光入射部(端面)が、回路基板13上に実装される発光ダイオード(LED)と対向するように構成されている。
【0025】
回路基板13は、上面および下面に検出回路を構成する抵抗や容量、IC(半導体集積回路)、警報音停止用のスイッチなどの電子部品(図示省略)が実装されるプリント基板により構成され、例えば図示しないボディプレートを介して本体ベース11の底上面に設けられているボス部11bに挿通されるネジによって本体ベース11に間接的に固定されるようになっている。
なお、図示しないが、回路基板13上には、感知器が作動中であることを報知するための発光ダイオード(LED)が面実装されており、該LEDが点灯されると出射された光は上述した光ガイド部材によって誘導され、光放出部23がリング状に光るように構成されている。また、ボディプレートには、回路基板13の載置部の他に、火災検出時に警報音を発するスピーカを固定するスピーカ載置部や電池を保持する電池収納部等が設けられている。
【0026】
回路基板13には、暗箱基台14の周壁近傍に下方へ向かって突出するように形成された係止部材としてのフック14aが係合可能な係合穴13a(2箇所)が形成されており、暗箱基台14のフック14aを係合穴13aに挿通させることで、回路基板13上に暗箱基台14が搭載され固定されるようになっている。
暗箱基台14は、図3に拡大して示すように、円形を成す周壁の内側に、基台表面に形成された起立壁により構成されLED(発光ダイオード)のような発光素子17を保持する収納部41と、同じく起立壁により構成されフォトダイオードのような受光素子18および電磁波を遮断するシールドケース19を保持する収納部42とが設けられている。
【0027】
暗箱基台14の収納部42の内側部位には、シールドケース19(図4参照)の脚部19bを挿通する挿通孔14bと受光素子18のリード端子18cを挿通する挿通孔14cが形成されている。また、図示しないが、暗箱基台14の収納部41の内側部位には発光素子17のリード端子を挿通する挿通孔が形成されており、これらの挿通孔に挿入され下方へ突出した脚部19bおよびリード端子18cがプリント基板の所定位置に半田付けされることにより、シールドケース19、発光素子17および受光素子18が回路基板13に電気的に接続されるように構成されている。
【0028】
また、暗箱基台14上の収納部41と収納部42は、それらに収納される発光素子17と受光素子18の光軸が一致しないように向きが設定されている。つまり、発光素子17から出射された光が直接受光素子18に入射しないように、各素子の光軸の角度が設定されている。
さらに、発光素子17の収納部41のすきまから漏れた光が受光素子18に入射しないように、収納部41と収納部42との間には、遮光壁43が形成されている。収納部41および収納部42を構成する起立壁のうち最も外側の起立壁と、暗箱基台14の外周壁との間に、若干の隙間が生じるように収納部41および収納部42を構成する起立壁が形成され、該起立壁と暗箱基台14の外周壁との隙間に上記防虫網15が挿入可能に構成されている。
【0029】
暗箱ケース16は、図2に示すように、ベースとなる円板状の蓋部61と、中央に煙検知空間を形成するように円周方向に沿って設けられた円環状のラビリンス構造体62とにより構成されている。ラビリンス構造体62は、断面形状がZ字形、Y字形、L字形等を有し蓋部61と一体に形成されタービンのフィンの配置に類似した形態で配置された複数の起立壁からなる遮光壁62aによって構成されている。また、ラビリンス構造体62には、前記発光素子17と受光素子18の収納部41および42と嵌合し、収納部41、42の外側を囲繞可能に形成された遮光壁を兼ねた収納壁63a,63bが設けられている。
【0030】
複数の遮光壁62aは、互いに端部が隙間をおいて重なるように配置、形成されることで、外部からの煙を通過させる整流フィンとして機能し、光は内部へ入らないように構成されている。また、外部からの光が遮光壁62aで反射を繰り返しながら内部に到達するのを抑制するため、表面が黒色でかつ反射率が低くなるような面にされている。かかるラビリンス構造体62を有する暗箱ケース16が、ラビリンス構造体62の端面すなわち遮光壁62aの上端が暗箱基台14の底面に接合するように、上方より係合されることで煙検知空間を有する暗箱が構成される。
そして、防虫網15がラビリンス構造体62の周囲を覆うように配置されるため、暗箱内に虫や埃が入り込むのを防止できるようになっている。なお、ラビリンス構造体62は、外部からの煙を効率よく暗箱ケース16内に流入させる等の観点から、略円環状としたが、これに限定されることはなく、例えば略角筒形状であっても良い。防虫網15も同様である。
【0031】
次に、本願発明の要旨である前記受光素子18とシールドケース19の構造と、組み付け方法について、図4を用いて説明する。
受光素子18は、図4(A)に示すように、フォトダイオードを樹脂でモールドした直方体状の素子本体部18aと、該素子本体部18aの前面に設けられたレンズ部18bと、素子本体部18aの下面より下方へ突出する一対の導電性のリード端子18cとを備える。図示しないが、リード端子18cは素子本体部18a内にモールドされているフォトダイオードのアノード端子とカソード端子にそれぞれ電気的に接続されている。
【0032】
シールドケース19は、底壁および上壁が開口され受光素子18の素子本体部18aよりも若干大きな角筒状をなし、黄銅などの導電体からなり電磁シールド機能を有する金属板を折り曲げることで形成されている。また、シールドケース19の下端両側には箱状のケース本体部19aの幅よりも広い間隔を有するように折曲された一対の脚部19bが設けられているとともに、ケース本体部19aの前壁には上端より下方へ向かってU字状の切り込み19cが形成されている。
【0033】
このU字状の切り込み19cは、その幅が受光素子18のレンズ部18bの径に対応して設定されており、シールドケース19のケース本体部19a内へ、上方より受光素子18を挿入した際にレンズ部18bが切り込み19cに係合することで、受光素子18の素子本体部18aがケース本体部19a内にほぼ密着した状態で収納されるように構成されている。
また、シールドケース19の下端の一対の脚部19bは、図1の暗箱基台14および回路基板(プリント基板)13の所定位置に形成されたスリット状の挿通孔14b等に挿入されることで、シールドケース19を基板に装着させる。
【0034】
さらに、シールドケース19の上端縁の一部には、ケース本体部19aの上端よりも上方へ突出するように形成された折曲片19dが設けられているとともに、折曲片19dの基部すなわちU字状の切り込み19cの上端と同一高さの位置には、折曲加工を容易にするため小孔19eが形成されている。折曲片19dは、シールドケース19のケース本体部19a内へ上方より受光素子18を挿入した後に、小孔19eのある基部に沿って90度内側へ折り曲げることで、図4(B)に示すように、シールドケース19の上部開口を塞ぐ蓋片として機能するようになっている。
【0035】
なお、折曲片19dは、U字状の切り込み19cの右側でなく左側に設けてもよいし、U字状の切り込み19cのある前壁と対向する後壁の上端に設けるようにしてもよい。また、小孔19eは2箇所以上設けてもよいし、小孔19eの代わりに上端に沿った溝を形成することで折曲し易い薄肉構造にしてもよい。
次に、上記のように構造を有する受光素子18とシールドケース19の暗箱基台14さらには回路基板13への実装方法およびその作用効果について説明する。
【0036】
本実施形態における受光素子18とシールドケース19の実装は、先ず、回路基板(プリント基板)13の所定位置に暗箱基台14を接合した状態にする。そして、上端が開口された状態のシールドケース19を暗箱基台14の上方に移動し、その脚部19bを暗箱基台14の所定位置(収納部42の内側)に形成されているスリット状の挿通孔14bおよびその下の回路基板13に形成されている挿通孔に挿入させることで、シールドケース19を暗箱基台14に装着させる。この際、収納部42を構成する起立壁がガイドの働きをして、シールドケース19を暗箱基台14に設けられている挿通孔14bに比較的容易に挿通させることができる。
【0037】
次に、暗箱基台14に装着されたシールドケース19の上方より、ケース本体部19a内へ受光素子18を、リード端子18cを下にしかつレンズ部18bを切り込み19cの側に合わせた姿勢で挿入し、リード端子18cの先端を暗箱基台14に設けられている挿通孔14cおよび回路基板13に設けられている挿通孔に挿通させる。そして、レンズ部18bの下端が切り込み19cの下縁に当接するまで、受光素子18を押し込む。
本実施形態においては、上記挿入作業の際に、ケース本体部19aが受光素子18の素子本体部18aとほぼ同一の大きさの角筒状に形成されているため、ケース本体部19aがガイドの働きをして、リード端子18cの先端を回路基板13に設けられている挿通孔に比較的容易に挿通させることができる。
【0038】
その後、シールドケース19のケース本体部19a上端の折曲片19dを内側へ90度折り曲げて、ケース本体部19a上端の開口を塞ぐ。それから、回路基板13の裏面に突出した受光素子18のリード端子18cを半田付けにより回路基板13上のプリント配線に電気的に接続して基板への実装が終了する。
図5に示すように予め上部が閉塞されたシールドケースを使用する従来の感知器においては、先に受光素子を回路基板に装着した後、シールドケースを受光素子に被せるようにして回路基板に装着する必要があった。そのため、シールドケースは、受光素子のレンズ部の先端が通過できるように、かなり大きな容積を有する箱状に形成せざるを得ず、それによってシールドケースと受光素子との間の隙間が大きくなり、シールド効果が弱くなって電磁波による検出回路の誤動作を引き起こす要因となっていた。
【0039】
これに対し、上記実施形態のシールドケースは、受光素子18の直方体状の本体部18aとほぼ密着し隙間の少ない形状にされ、かつ受光素子18の上面も装着後にシールドケース19の折曲片19dで覆われるので、図5に示すものに比べて電磁シールド効果が高くなり、電磁波による検出回路の誤動作を防止することができる。
しかも、上記のような組み付け方法によれば、作業工程も複雑にすることなく受光素子18およびシールドケース19を回路基板(プリント基板)13に組み付けることができる。さらに、シールドケース19の上端の折曲片の基部には小孔が形成されているため、簡単に折り曲げることができ、作業効率を高めることができる。
【0040】
また、上記実施形態のシールドケース19のように上蓋(折曲片19d)を設ける場合、予め箱状のケース本体内に受光素子18の本体部を収納し上蓋で箱状のケース本体の上部開口を塞いだ状態にした後に、受光素子18とシールドケース19を同時に回路基板13に組み付ける方法も考えられるが、そのような方法の場合には、受光素子18のリード端子18cとシールドケース19の脚部19bを同時に回路基板13に設けられている係合穴に挿通させる必要があり、挿通作業が困難になり作業効率が低下してしまう。
これに対し、上記実施形態のような組み付け方法によれば、受光素子18のリード端子18cとシールドケース19の脚部19bを別々に回路基板13に挿通させることになるため、作業効率が低下することがないという利点がある。
【0041】
なお、図示および詳細な説明は省略するが、暗箱基台14に設けられた収納部41の内側にも、発光素子17のリード端子を挿通する挿通孔が形成されており、この収納部41内に発光素子17を収納する際に、リード端子を挿通孔に挿通し、さらに回路基板13を貫通させて裏面に突出したリード端子を半田付けにより回路基板13上のプリント配線に電気的に接続するようにされている。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の火災感知器によれば、本体ベース11と該本体ベースの上側全体を覆う本体ケース12とからなる筐体の内部に、側面にレンズ部18bを有し下部にリード端子18cを有する受光素子18が内部に配設される暗箱(暗箱基台14および暗箱ケース16)と、前記受光素子が接続される回路基板13とが収納され、前記受光素子は、導電体からなるシールドケース19に収納された状態で前記暗箱内に配設され、前記シールドケース19は、上端および下端が開口され前記受光素子18の本体部18aを収納可能な筒状のケース本体部19aを備え、前記ケース本体部の受光面側の側壁には、上端から下方へ向かって前記レンズ部18bが通過可能な切り込み部19cが形成され、前記ケース本体部の側壁上端縁の一部には折曲されることにより該ケース本体部の開口を閉塞可能な折曲片19dが設けられ、前記ケース本体部の側壁上端縁に設けられた前記折曲片の基部には小孔19eもしくは薄肉部が形成され、前記暗箱は、前記受光素子のリード端子18cを挿通する挿通孔を有する暗箱基台14と、内側に煙検知部を形成するラビリンス構造体を有し該ラビリンス構造体の端面が前記暗箱基台の底面と接合することで前記暗箱を形成する暗箱ケース16とにより構成され、前記暗箱基台14は前記回路基板13の表面に接合されているので、受光素子18のレンズ部18bをシールドケース19の切り込み部19cに挿通させるようにして、シールドケース19内に受光素子18を収納させることができ、収納した状態ではシールドケース19が受光素子18にほぼ密着した状態となる。
【0043】
これにより、受光素子18を収納した状態では、受光素子18のレンズ部18bのみがシールドケース19の切り込み部19cから突出し、シールドケース19のケース本体部19aは受光素子18の素子本体部18aの外面にほぼ密着した状態となり、外部から電磁波が受光素子18のレンズ部18bとシールドケース19の切り込み部19cとの隙間からシールドケース内に飛び込んで検出回路が誤動作するのを防止することができる。
また、本実施形態の火災感知器によれば、シールドケース19のケース本体部19aの側壁上端縁に該ケース本体部の開口を閉塞可能な折曲片19dが設けられているので、組立て時には折曲片19dを折り曲げる前に上方から受光素子18を挿入することができるため組立てが容易であるとともに、受光素子18を挿入した後にケース本体部19aの側壁上端縁に設けられた折曲片19dを内側へ折り曲げることにより、ケース本体部19aの上部開口を閉塞することができるため、受光素子18の上方からの電磁波を折曲片19dで遮断し電磁シールド効果を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態の火災感知器によれば、ケース本体部19aの側壁上端縁に設けられた折曲片19dの基部に小孔19eが形成されているので、折曲片19dの基部に沿って折曲片19dを折り曲げることが容易となり、受光素子18とシールドケース19を暗箱内へ組み付ける際の作業性を向上させることができる。
さらに、本実施形態の火災感知器によれば、受光素子18が配設される暗箱を構成する暗箱基台14は回路基板13の表面に接合される構成であるので、受光素子18を実装する際に、受光素子18のリード端子18cを暗箱基台14と回路基板13とに一気に挿通させることができ、受光素子の回路基板上への実装作業を効率よく行うことができる。
【0045】
また、上記実施形態の火災感知器においては、シールドケース19の側壁下端に、該側壁と平行をなし側壁の幅よりも広い間隔を有する一対の脚部19bが設けられている。
シールドケース19の側壁下端に取付け用の一対の脚部19bを設ける場合、シールドケースの側壁の一部をそのまままっすぐ下方へ突出させて脚部を形成することも可能であるが、そのようにすると脚部の間隔が狭いため、受光素子のリード端子とシールドケースの脚部を挿通する孔の間隔も狭くなり、挿通孔の形成が困難になるばかりでなく、回路基板における受光素子のリード端子とシールドケースの脚部間の絶縁性能も低下する。
これに対し、上記実施形態の火災感知器によれば、シールドケース19の側壁下端に、該側壁と平行をなし側壁の幅よりも広い間隔を有する一対の脚部19bを設けるようにしているので、受光素子18のリード端子18cとシールドケース19の脚部19bを挿入するための挿通孔14bと14cとの間隔が広くなり、挿通孔の形成が容易となるばかりでなく、回路基板における受光素子のリード端子とシールドケースの脚部間の絶縁低下も防止できる。また、シールドケース19の取付け後の姿勢の安定性も高くなる。
【0046】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施形態では、シールドケース19の上側開口を閉塞する折曲片を1つだけ設けているが、左右両側から内側へ折曲されることでシールドケース19の上側開口を閉塞する一対の折曲片を設けるように構成しても良い。
また、シールドケース19の上端に折曲片を設ける代わりに、シールドケース19の上端は開口とし、その開口を覆う金属製のキャップを、暗箱ケース16の収納部63b内に予め挿入しておいて、暗箱基台14に暗箱ケース16を被せると上記キャップによってシールドケース19の上端開口が閉塞されるように構成してもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態では、シールドケース19のケース本体部19aの下端に一旦外側に折曲され、さらに下方へ折曲された取付け用の脚部19bを設けたものを示したが、絶縁性能が十分であるならば脚部19bはシールドケース19の両側壁をそれぞれ下方へそのまま突出させるように構成しても良い。さらに、脚部19bは、2本に限らず、3本あるいは4本設けても良い。
また、ケース本体部19aの下端に取付け用の脚部19bを設ける代わりに複数の係止用の孔を形成する一方、暗箱基台14の底壁上面には上方へ向かって突出し、先端に上記係止用の孔と係合可能なフックを有する複数の係止片を設けて、該係止片によってシールドケース19のケース本体部19aの下端部を係止するように構成してもよい。ただし、この構成の場合は、シールドケースと回路基板との間の電気的導通を別途確保する必要がある。
【0048】
また、上記実施形態では、シールドケース19を角筒状に形成したものを示したが、これは受光素子18の素子本体部が直方体状であるためそれに合わせたものであり、受光素子18の素子本体部が円柱状であれば、シールドケース19は円筒状に形成すれば良い。要するに、シールドケース19は受光素子18の素子本体部との間に隙間が生じないような形状であればよい。
さらに、上記実施形態では、回路基板13とその上に設置される暗箱基台14にそれぞれシールドケース19の脚部19bの先端が挿通される挿通孔が形成されていると説明したが、脚部19bの先端が挿通される挿通孔は回路基板13にのみ形成し、暗箱基台14にはシールドケース19の下部全体を挿通可能な形状の挿通孔を設け、シールドケース19の脚部19bは回路基板13に係止するように構成してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、暗箱基台14が下側で暗箱ケース16を上側に配置したものを示したが、暗箱基台14と暗箱ケース16との関係は上下逆でもよく、暗箱ケース16を下側に配置し暗箱基台14を上側に配置するように構成しても良い。ただし、その場合には、暗箱ケース16に受光素子18のリード端子とシールドケース19の脚部19bの先端が挿通される挿通孔を形成しておく。
さらに、回路基板13の上記受光素子18の下方位置にシールド層を設けておくようにしてもよい。なお、プリント基板においては、接地電位が印加されるグランド層(導伝層)が基板の広範囲に亘って形成されることがある。その場合、このグランド層が上記受光素子18の下方位置にも延設されるようにしても良い。これによって、上記実施形態のように、暗箱基台14を回路基板13の上に直接接合載置する構成にした場合に、受光素子18の下方からの電磁波に対するシールド効果を高めることができる。
【0050】
また、上記した実施形態では、発光素子17を暗箱基台14上に設けたものを示したが、発光素子17を設ける位置は暗箱内に限定されず、例えば発光素子17は回路基板13上に実装して該発光素子17より出射された光を光ガイド部材を設け、該光ガイド部材の出射部を暗箱内に位置させて発光素子17からの光を暗箱に誘導する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、発光素子17と受光素子18の光軸を暗箱基台14の上面と平行な方向に設定したものを示したが、発光素子17を斜め上方向に光を出射するように構成するとともに、受光素子18が斜め上方向からの散乱光を受光するように構成しても良い。
【0051】
さらに、上記実施形態では、本発明を、発光素子17と受光素子18を有する煙感知器に適用したものを説明したが、本発明はそれに限定されず、煙検知用の発光素子17と受光素子18の他にサーミスタのような感熱素子あるいはCOなどの有害ガスを検知するガスセンサをさらに備え煙および熱あるいはガスを検出可能に構成された複合型火災感知器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 感知器(煙感知器)
11 本体ベース
12 本体ケース
13 回路基板
14 暗箱基台
16 暗箱ケース
17 発光素子
18 受光素子
18b レンズ部18b
18c リード端子
19 シールドケース
19a ケース本体部
19b 脚部
19c 切り込み
19d 折曲片
19e 小孔
21 ヘッドカバー
22 煙流入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、側面にレンズ部を有し下部にリード端子を有する受光素子が内部に配設される暗箱と、前記受光素子が接続される回路基板と、が収納されてなる火災感知器において、
前記受光素子は、導電体からなるシールドケースに収納された状態で前記暗箱内に配設され、
前記シールドケースは、少なくとも下端が開口され前記受光素子の本体部を収納可能な筒状のケース本体部を備え、
前記シールドケースの前記ケース本体部の受光面側の側壁には、上端から下方へ向かって前記レンズ部が通過可能な切り込み部が形成されていることを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記シールドケースの前記ケース本体部の側壁上端縁の一部には、内側へ折曲されることにより該ケース本体部の上部開口を閉塞可能な折曲片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。
【請求項3】
前記シールドケースの前記ケース本体部の側壁上端縁に設けられた前記折曲片の基部には、小孔もしくは薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の火災感知器。
【請求項4】
前記シールドケースの側壁下端には、該側壁と平行をなし側壁の幅よりも広い間隔を有する一対の脚部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の火災感知器。
【請求項5】
前記暗箱は、前記受光素子のリード端子を挿通する挿通孔を有する暗箱基台と、内側に煙検知部を形成するラビリンス構造体を有し該ラビリンス構造体の端面が前記暗箱基台の底面と接合することで前記暗箱を形成する暗箱ケースと、により構成され、前記暗箱基台は前記回路基板の表面に接合されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の火災感知器。
【請求項6】
本体ベースと該本体ベースの上側全体を覆う本体ケースとからなる筐体の内部に、側面にレンズ部を有し下部にリード端子を有する受光素子が内部に配設される暗箱と、前記受光素子が接続される回路基板と、が収納され、
前記受光素子は、導電体からなるシールドケースに収納された状態で前記暗箱内に配設され、
前記シールドケースは、上端および下端が開口され前記受光素子の本体部を収納可能な筒状のケース本体部を備え、
前記ケース本体部の受光面側の側壁には、上端から下方へ向かって前記レンズ部が通過可能な切り込み部が形成され、
前記ケース本体部の側壁上端縁の一部には折曲されることにより該ケース本体部の上部開口を閉塞可能な折曲片が設けられ、
前記ケース本体部の側壁上端縁に設けられた前記折曲片の基部には小孔もしくは薄肉部が形成され、
前記暗箱は、前記受光素子のリード端子を挿通する挿通孔を有する暗箱基台と、内側に煙検知部を形成するラビリンス構造体を有し該ラビリンス構造体の端面が前記暗箱基台の底面と接合することで前記暗箱を形成する暗箱ケースとにより構成され、前記暗箱基台は前記回路基板の表面に接合されている火災感知器の組立て方法であって、
前記回路基板の表面に前記暗箱基台が接合されている状態で、前記シールドケースを前記暗箱基台に係止した後、前記シールドケースの前記ケース本体部の上部開口より内部に前記受光素子を挿入し、前記リード端子の先端を前記暗箱基台と前記回路基板に挿通させてから、前記ケース本体部の上部開口を覆うように前記折曲片を該折曲片の基部に沿って折り曲げるようにしたことを特徴とする火災感知器の組立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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