説明

火災警報システム

【課題】誤って火災警報が報知される誤報を低減しつつ複数の火災警報器が連動して火災警報を報知するまでの時間を短縮する。
【解決手段】センサ制御部42は火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断すると火災予備信号を出力し、火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断したら火災確定信号を出力する。火災感知部4から火災予備信号を受け取った制御部1は起動メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させ、起動メッセージを受け取った他の火災警報器TRの制御部1は警報部5から警報音を鳴動させずに無線送受信部2を常時受信可能な状態とする。故に、火災発生の確率が高くなった段階で火災警報メッセージを含む無線信号を送信すると他の火災警報器TRが直ちに無線信号を受信することが可能であり、複数の火災警報器TRが連動して火災警報を報知するまでの時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の火災警報器が電波を媒体とする無線信号を送受信するようにした火災警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅への火災警報器の設置義務が法制化されたため、既存住宅への施工性の観点から無線信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが望まれている。かかる火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器がそれぞれに火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能を有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報(火災感知情報)を無線信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる(例えば、特許文献1参照)。このような火災警報器は、火災感知情報を無線信号で伝送するという特性を活かすために電池を電源として駆動され、しかも、通常は室内の天井のようにメンテナンス(電池交換)のし難い場所に設置されることから、例えば数年といった長期間にわたってメンテナンス無しに使用できることが望ましい。そのために特許文献1に記載されている従来例では、各火災警報器が具備する無線信号の受信手段を常時動作させるのではなく、数秒間隔で間欠的に動作させることによって消費電力を低減することが行われている。さらに、火災を感知する火災感知手段を間欠的に動作させることでも消費電力の低減を図っている。尚、火災警報器の技術分野においては誤報を防ぐために、例えば、火災に伴って発生する煙の濃度を検出する場合であれば、煙濃度が所定のしきい値を連続して複数回超えたときにだけ火災が発生したと判断するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4033号公報
【特許文献2】特開平9−120492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように電池寿命を伸ばすために受信手段を間欠駆動した場合、出火してから火災感知手段で火災が感知されるまでの時間差に加えて、火元の火災警報器によって火元以外の火災警報器に火災感知情報が伝送されるまでの時間差が生じるため、複数の火災警報器が連動して火災警報を報知するまでに無視できない程度の時間(例えば、数十秒)を要してしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、誤って火災警報が報知される誤報を低減しつつ複数の火災警報器が連動して火災警報を報知するまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の火災警報システムは、複数の火災警報器を備え、これら複数の火災警報器の間で電波を媒体とする無線信号を伝送する火災警報システムであって、各火災警報器は、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する警報手段と、無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、火災感知手段で火災を感知したときに警報手段に火災警報を報知させるとともに他の火災警報器に火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させ、且つ受信手段を間欠的に起動し他の火災警報器から送信される無線信号を受信して前記火災警報メッセージを受け取ったときに警報手段に火災警報を報知させる制御手段と、電源供給用の電池とを具備し、火災感知手段は、火災に伴って変化する物理量に基づいて火災発生の確率を段階的に判断し、当該確率が第1の確率以上になったと判断したときに火災予備信号を出力するとともに第1の確率よりも高い第2の確率以上になったと判断したときに火災確定信号を出力し、制御手段は、火災感知手段から火災予備信号が出力されると他の火災警報器の受信手段を起動させるための起動メッセージを含む無線信号を、受信手段を起動させる周期よりも短い時間内で送信手段から送信させ、且つ受信手段により他の火災警報器から送信される無線信号を受信して前記起動メッセージを受け取った後は受信手段を常時動作させ、火災感知手段から火災確定信号が出力されたときに火災警報メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させることを特徴とする。
【0007】
この火災警報システムにおいて、火災感知手段は、前記物理量が所定のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、前記物理量が前記しきい値を連続して超える期間が所定の判定期間以上となったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することが好ましい。
【0008】
この火災警報システムにおいて、火災感知手段は、前記物理量が所定のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、所定期間内に前記物理量が前記しきい値を超えた割合若しくは回数が、当該期間内に前記物理量が前記しきい値を超えなかった割合若しくは回数を上回ったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することが好ましい。
【0009】
この火災警報システムにおいて、火災感知手段は、前記物理量が第1のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、前記物理量が第1のしきい値と異なる第2のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することが好ましい。
【0010】
この火災警報システムにおいて、制御手段は、他の火災警報器から起動メッセージを受け取ったときに応答メッセージを含む無線信号を送信手段より送信させ、火災感知手段は、制御手段が起動メッセージを含む無線信号を送信した後、他の全ての火災警報器から前記応答メッセージを受け取るまでは火災発生の確率が第2の確率以上であるか否かの判断を行わないことが好ましい。
【0011】
この火災警報システムにおいて、火災感知手段は、火災予備信号を出力した後、起動メッセージによって他のすべての火災警報器における受信手段が常時動作する状態となるまでに要する待機時間が経過するまでは火災発生の確率が第2の確率以上であるか否かの判断を行わないことが好ましい。
【0012】
この火災警報システムにおいて、火災感知手段は、火災発生の確率が第2の確率に等しい第3の確率以上になったと判断したときに第2の火災確定信号を出力し、制御手段は、火災感知手段から第2の火災確定信号が出力されたときは送信手段に火災警報メッセージを含む無線信号を送信させずに警報手段に火災警報を報知させることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の火災警報システムは、誤って火災警報を報知する誤報を低減しつつ複数の火災警報器が連動して火災警報を報知するまでの時間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示し、(a)は火災警報器のブロック図、(b)は火災感知部のブロック図である。
【図2】同上の動作説明用のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
本実施形態の火災警報システムは、同一の機能を有する複数台の火災警報器TRによって構成されている。尚、以下の説明では、個々の火災警報器TRを個別に示す場合は火災警報器TR1,TR2,…,TRnと表記し、総括して示す場合は火災警報器TRと表記する。
【0017】
火災警報器TRは、図1(a)に示すようにアンテナ3から電波を媒体とした無線信号を送信するとともに他の火災警報器TRが送信した無線信号をアンテナ3で受信する無線送受信部2と、音(ブザー音や音声メッセージなど)による火災警報(以下、「警報音」と呼ぶ。)を報知(スピーカから鳴動)する警報部5と、マイコンを主構成要素とし火災感知部4で火災を感知したときに警報部5に警報音を鳴動させるとともに他の火災警報器TRに対して火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる制御部1と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電池電源部6とを具備している。尚、各火災警報器TR1,TR2,…には固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号によって無線信号の送信先並びに送信元の火災警報器TR1,TR2,…が特定できる。
【0018】
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。また本実施形態における火災感知部4は、火災に伴って発生する物理量のうちの煙濃度を検出することによって火災を感知するものである。この火災感知部4は、図1(b)に示すように火災に伴って発生する煙が導入される空間に光を照射する発光部40と、当該空間に存在する煙の粒子で反射される反射光を受光する受光部41と、発光部40を制御して光を間欠的に照射させるとともに受光部41の受光光量に基づいて火災発生の確率を判断するセンサ制御部42とを有している。発光部40は、図示しない発光ダイオードと当該発光ダイオードを発光させる駆動回路などで構成される。また受光部41は、図示しない受光素子(フォトトランジスタやフォトダイオードあるいは太陽電池など)と受光素子から受光光量に応じて出力される電流信号を電圧信号に変換する電流・電圧変換回路などで構成される。センサ制御部42は、受光光量に応じた受光部41の出力信号レベル(電圧レベル)、すなわち、前記空間内における煙濃度に基づいて火災発生の確率を段階的に判断し、当該確率が第1の確率以上になったと判断したときに火災予備信号を出力するとともに第1の確率よりも高い第2の確率以上になったと判断したときに火災確定信号を出力する。
【0019】
例えば、煙濃度(受光部41の出力信号レベル)が所定のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、煙濃度が前記しきい値を連続して超える期間が所定の判定期間(例えば、十数秒間)以上となったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったとセンサ制御部42が判断する。あるいは、煙濃度が前記しきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、所定期間(例えば、十数秒間)内に煙濃度が前記しきい値を超えた割合若しくは回数が、当該期間内に煙濃度が前記しきい値を超えなかった割合若しくは回数を上回ったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったとセンサ制御部42が判断してもよい。あるいはまた、煙濃度が第1のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断するとともに、煙濃度が第1のしきい値よりも高い第2のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第2の確率以上になったとセンサ制御部42が判断してもよい。ここで、消費電力を低減して電池の寿命を延ばすため、センサ制御部42は発光部40と受光部41を数秒(例えば、10秒)間隔で間欠的に動作させるとともに、煙濃度が前記しきい値若しくは第1のしきい値を超えたら前記間隔を短く(例えば、3秒間隔)するようにしている。尚、本実施形態では火災感知部4が火災に伴って発生する物理量として煙濃度を検出する場合を例示しているが、これに限定する主旨ではなく、例えば、火災に伴って発生する別の物理量として熱などを検出してもよい。
【0020】
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって後述する各種の機能を実現している。火災感知部4から火災確定信号が出力されると、制御部1は警報部5が備えるブザーを駆動して警報音を鳴動させたり、あるいは予めメモリ等に格納されている警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」など)をスピーカに鳴動させることで火災警報を報知するとともに、他の火災警報器TRにおいても火災警報を報知させるため、火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災警報器TRから送信された無線信号を無線送受信部2で受信することにより火災警報メッセージを受け取ったときも、制御部1が警報部5を制御して警報音を鳴動させる。
【0021】
また、制御部1ではマイコンに内蔵するタイマで所定の間欠受信間隔を繰り返しカウントするとともに間欠受信間隔のカウントが完了する毎に無線送受信部2を起動して所望の電波(他の火災警報器TRが送信した無線信号)が受信できるか否かをチェックし、当該電波が捉えられなければ直ちに無線送受信部2を停止して待機状態に移行させることで平均消費電力を大幅に低減している。なお、電波の受信チェックは、無線送受信部2から出力される、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(Receiving Signal Strength Indication:RSSI信号)に基づいて制御部1が行っており、詳細については従来周知であるから省略する。
【0022】
ここで、電波法施行規則の無線設備規則第49条の17「小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備」では、無線信号を連続して送信してもよい期間(送信期間)が3秒以下、送信期間と送信期間の間に設けられた、無線信号を送信してはいけない期間(休止期間)が2秒以上とすることが規定されている(同条第5号参照)。このために本実施形態における制御部1では、上記無線設備規則に適合する送信期間に無線信号を送信させるとともに休止期間に送信を停止し且つ受信可能な状態としている。
【0023】
従って、何れかの火災警報器TRから火災警報メッセージを含む無線信号が送信されるタイミングと、他の火災警報器TRにおける無線送受信部2が受信可能な状態となっているタイミングとが一致しなければ、当該他の火災警報器TRが火災警報メッセージを含む無線信号を受信することができず、全ての火災警報器TRが連動して火災警報を報知する(以下、「火災連動」と呼ぶ。)までの時間が長くなってしまう虞がある。
【0024】
そこで本実施形態では、火災感知部4から火災予備信号が出力されたとき、制御部1は火災警報メッセージではなく起動メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させ、当該起動メッセージを受け取った他の火災警報器TRの制御部1では、警報部5から警報音を鳴動させずに無線送受信部2を常時受信可能な状態とする。そして、起動メッセージの送信元である火災警報器TRにおいて火災感知部4から火災確定信号が出力されると、当該火災警報器TRの制御部1が警報部5から警報音を鳴動させて火災警報を報知するとともに火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。このとき、他の火災警報器TRでは先に送信された無線信号(起動メッセージを含む無線信号)によって無線送受信部2が受信可能な状態になっているため、後から送信された無線信号(火災警報メッセージを含む無線信号)を直ちに受信でき、火災警報メッセージを受け取った他の火災警報器TRの制御部1が警報部5から警報音を鳴動させて火災警報を報知することで火災連動までの時間を短縮することができる。
【0025】
例えば、図2に示すように火災警報器TR1おいて火災感知部4から火災予備信号が出力されると、当該火災予備信号を受け取った制御部1が起動メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる。他の火災警報器TR2,TR3,…,TRnにおいては、制御部1が無線送受信部2を間欠的に起動して受信可能な状態としているときに前記無線信号を受信すると、起動メッセージの受信を確認する応答メッセージ(ACK)を含む無線信号を無線送受信部2から送信元の火災警報器TR1へ送信させた後に無線送受信部2を常時受信可能な状態とする。そして、火災警報器TR1において火災感知部4から火災確定信号が出力されると、当該火災確定信号を受け取った制御部1が警報部5から警報音を鳴動させるとともに、火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる。他の火災警報器TR2,TR3,…,TRnにおいては、受信可能な状態である無線送受信部2で前記無線信号を受信し、制御部1が当該無線信号によって受け取った火災警報メッセージに応じて警報部5から警報音を鳴動させるのである。
【0026】
上述のように本実施形態によれば、火災感知部4が火災発生の確率を段階的に判断することにより誤って火災警報が報知される誤報を低減することができ、しかも、火災発生の確率が低い段階で起動メッセージを含む無線信号を送信して他の火災警報器TRの無線送受信部2を常時受信可能な状態としているため、火災発生の確率が高くなった段階で火災警報メッセージを含む無線信号を送信すると他の火災警報器TRが直ちに当該無線信号を受信することが可能であり、複数の火災警報器TRが連動して火災警報を報知するまでの時間を短縮することができる。
【0027】
ここで、火災感知部4のセンサ制御部42において、制御部1が他の全ての火災警報器TRから起動メッセージに対する応答メッセージを受け取るまで、あるいは起動メッセージによって他の全ての火災警報器TRの無線送受信部2が常時受信状態となるまでに要する待機時間が経過するまでは火災発生の確率が第2の確率以上であるか否かの判断を行わないようにすれば、全ての火災警報器TRを火災連動させるまでの時間を短縮しつつ火災連動の誤報を低減することができる。但し、火災感知部4のセンサ制御部42において、制御部1が他の全ての火災警報器TRから起動メッセージに対する応答メッセージを受け取っていない場合、あるいは前記待機時間が経過していない場合であっても、火災発生の確率が第2の確率に等しい第3の確率以上になったと判断したときには第2の火災確定信号を出力し、第2の火災確定信号を受け取った制御部1が無線送受信部2から火災警報メッセージを含む無線信号を送信させずに警報部5から警報音を鳴動させるようにしてもよい。すなわち、火元の火災警報器TRにおいて、火災感知部4のセンサ制御部42が火災確定信号(第2の火災確定信号)を出力すべきか否かを判断するタイミングを遅らせないことにより、多数の火災警報器TRによる火災警報の誤報を低減しつつ、火元の火災警報器TRにおいてはいち早く火災警報を報知することによって失報を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0028】
TR 火災警報器
1 制御部(制御手段)
2 無線送受信部(送信手段,受信手段)
4 火災感知部(火災感知手段)
5 警報部(警報手段)
6 電池電源部
40 発光部
41 受光部
42 センサ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の火災警報器を備え、これら複数の火災警報器の間で電波を媒体とする無線信号を伝送する火災警報システムであって、
各火災警報器は、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する警報手段と、無線信号を送信する送信手段と、無線信号を受信する受信手段と、火災感知手段で火災を感知したときに警報手段に火災警報を報知させるとともに他の火災警報器に火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させ、且つ受信手段を間欠的に起動し他の火災警報器から送信される無線信号を受信して前記火災警報メッセージを受け取ったときに警報手段に火災警報を報知させる制御手段と、電源供給用の電池とを具備し、
火災感知手段は、火災に伴って変化する物理量に基づいて火災発生の確率を段階的に判断し、当該確率が第1の確率以上になったと判断したときに火災予備信号を出力するとともに第1の確率よりも高い第2の確率以上になったと判断したときに火災確定信号を出力し、
制御手段は、火災感知手段から火災予備信号が出力されると他の火災警報器の受信手段を起動させるための起動メッセージを含む無線信号を、受信手段を起動させる周期よりも短い時間内で送信手段から送信させ、且つ受信手段により他の火災警報器から送信される無線信号を受信して前記起動メッセージを受け取った後は受信手段を常時動作させ、火災感知手段から火災確定信号が出力されたときに火災警報メッセージを含む無線信号を送信手段から送信させることを特徴とする火災警報システム。
【請求項2】
火災感知手段は、前記物理量が所定のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、前記物理量が前記しきい値を連続して超える期間が所定の判定期間以上となったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
【請求項3】
火災感知手段は、前記物理量が所定のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、所定期間内に前記物理量が前記しきい値を超えた割合若しくは回数が、当該期間内に前記物理量が前記しきい値を超えなかった割合若しくは回数を上回ったときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
【請求項4】
火災感知手段は、前記物理量が第1のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第1の確率以上になったと判断し、前記物理量が第1のしきい値と異なる第2のしきい値を超えたときに火災発生の確率が第2の確率以上になったと判断することを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
【請求項5】
制御手段は、他の火災警報器から起動メッセージを受け取ったときに応答メッセージを含む無線信号を送信手段より送信させ、
火災感知手段は、制御手段が起動メッセージを含む無線信号を送信した後、他の全ての火災警報器から前記応答メッセージを受け取るまでは火災発生の確率が第2の確率以上であるか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の火災警報システム。
【請求項6】
火災感知手段は、火災予備信号を出力した後、起動メッセージによって他のすべての火災警報器における受信手段が常時動作する状態となるまでに要する待機時間が経過するまでは火災発生の確率が第2の確率以上であるか否かの判断を行わないことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の火災警報システム。
【請求項7】
火災感知手段は、火災発生の確率が第2の確率に等しい第3の確率以上になったと判断したときに第2の火災確定信号を出力し、
制御手段は、火災感知手段から第2の火災確定信号が出力されたときは送信手段に火災警報メッセージを含む無線信号を送信させずに警報手段に火災警報を報知させることを特徴とする請求項5又は6記載の火災警報システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−248223(P2012−248223A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−202166(P2012−202166)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2008−138661(P2008−138661)の分割
【原出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】