説明

炊飯器

【課題】センサ部材の汚れ、キズ、異物混入といった温度精度劣化要因を低減することで、炊飯性能を向上する炊飯器を提供することを目的とする。
【解決手段】鍋3に接触する温度センサユニット8の内部に赤外線センサ11を配置して、鍋3との接触部分から発生する赤外線を検知することで温度検知を非接触で行い、センサ部材の熱容量、熱伝導率に起因する温度追従性の悪化を低減して精度良く温度検知する。また、赤外線センサ11、および測温対象部分の露出を低減することによって、ユーザの使用によるセンサ部材の汚れ、キズ、異物混入といった温度精度劣化要因を低減して、炊飯性能を向上した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋から放出される赤外線により鍋の温度を検知しながら炊飯する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器にあって、炊飯制御する際に鍋温度を検知するために、接触式の温度センサが使用されている。
【0003】
図3はその具体的構成を示し、炊飯器本体100に装備され、加熱手段によって加熱される鍋101に接触式の温度センサユニット102を備え、熱伝導によって鍋101の温度を検知するようにしていた。
【0004】
温度センサユニット102は絶縁手段103によって絶縁されたサーミスタ104をコンタクト部105に押さえ具106を介して圧着した構成である。
【0005】
なお、107は温度ヒューズ、108は第2の押さえ具である。
【0006】
このとき、鍋102の熱がサーミスタ104に伝わるためには、少なくともコンタクト部105、絶縁手段103を通過する必要がある。
【0007】
つまり、実際の鍋102の温度上昇に対してそれぞれの部材の内部や接触部での熱伝導率、部材の熱容量によってサーミスタ104における温度検知に遅れを生じることになり、鍋102がすでに所定温度に上昇している状態からさらに加熱して加熱量が過大になるといった問題がある。
【0008】
上記課題を解決するために鍋から出る赤外線により温度を検知して加熱制御を行う調理器は発案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
この方式によれば測定対象と非接触であるために前述の部材の熱伝導率、熱容量に左右されること無く鍋温度を素早く検知することが可能である。
【特許文献1】特開平2−180215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来の構成では、赤外線センサが鍋温度を直接取得するために、鍋を着脱できる炊飯器等においては赤外線受光部が露出し、鍋や赤外線受光部の汚れ、キズ等の使用上の温度精度劣化要因により温度精度を著しく損なう恐れがあるという課題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決したもので、赤外線センサの温度精度劣化を低減して、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、炊飯器本体に装備した鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器本体を覆う蓋と、前記鍋からの赤外線を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサにより検知した前記鍋からの赤外線による温度情報に応じて加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを備え、前記赤外線センサは前記鍋に接触する
コンタクト部を有する温度センサユニットの内部に配置したものである。
【0013】
これによって、伝熱によってのみ温度検知するのに比べて温度精度を向上させることができ、かつ赤外線の発生箇所、受光箇所の汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の炊飯器は、赤外線センサの赤外線受光部を鍋に直接接触する温度センサユニット内部に配置する構成としたものであり、伝熱によってのみ温度検知するのに比べて温度精度を向上させることができ、かつ赤外線の発生箇所、受光箇所の汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、炊飯器本体に装備した鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器本体を覆う蓋と、前記鍋からの赤外線を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサにより検知した前記鍋からの赤外線による温度情報に応じて加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを備え、前記赤外線センサは前記鍋に接触するコンタクト部を有する温度センサユニットの内部に配置したものである。
【0016】
これによって、伝熱によってのみ温度検知するのに比べて温度精度を向上させることができ、かつ赤外線の発生箇所、受光箇所の汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明の炊飯器の温度センサユニットは、前記赤外線センサの赤外線検知部と、前記コンタクト部の前記赤外線センサによる温度検知部分を密封する密封部分を設けた構成とすることにより、赤外線の発生箇所、受光箇所を外界との接触をより低減することによって汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0018】
第3の発明は、特に、第2の発明の炊飯器の密封部分内部に赤外線吸収率の低い気体を封入した構成とすることで、密封部分内部で発生した赤外線が気体に吸収されることを低減して温度精度を向上すると共に、赤外線の発生箇所、受光箇所を外界との接触を低減することによって汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0019】
第4の発明は、特に、第2または第3の発明の炊飯器の密封部分内部を真空とした構成とすることで、密封部分内部で発生した赤外線が気体に吸収されることを低減して温度精度を向上すると共に、赤外線の発生箇所、受光箇所を外界との接触を低減することによって汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0020】
第5の発明は、特に、第1〜4いずれか1つの発明の炊飯器の赤外線センサは前記密封部分の外部に前記赤外線検知部以外の少なくとも一部が解放された構成とすることで、赤外線の受熱状態を左右する赤外線センサ自身の温度を密封によって過剰に上げることを低減して温度精度を向上すると共に、赤外線の発生箇所、受光箇所を外界との接触を低減することによって汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0021】
第6の発明は、特に、第1〜5いずれか1つの発明の炊飯器の温度センサユニットは前
記赤外線センサの温度を調節する温度調節手段を有する構成とすることで、赤外線の受熱状態を左右する赤外線センサ自身の温度を一定に保つなどして温度精度を向上すると共に、赤外線の発生箇所、受光箇所を外界との接触を低減することによって汚れやキズによる温度精度劣化を低減することが可能となり、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1〜2は、実施の形態1を示し、内部に保護枠1を備えた略有底筒状の炊飯器本体2と、保護枠1に収納され、誘導加熱により発熱する磁性体の金属を含む鍋3と、炊飯器本体2の開口部を開閉可能に覆う蓋4と、この蓋4の内側カバー5に着脱自在に取り付けられ、鍋3の開口部を密閉する磁性体の金属を含む略円盤状の内蓋6と、鍋3、及び内蓋6を誘導加熱する加熱手段7とを有する。
【0024】
保護枠1の外周面には、加熱手段7における鍋底面加熱コイル7a、鍋側面加熱コイル7bが、蓋4の内側カバー5には内蓋加熱コイル7cがそれぞれ取り付けられている。
【0025】
鍋底面加熱コイル7aは、保護枠1を介して鍋3の底部の中央部周囲とコーナー部に対向するように配置されている。
【0026】
図2に示すとおり、温度センサユニット8は鍋3の底面外側の略中心部分にバネ9による反発力によって安定した接触状態を得る構成である。
【0027】
温度センサユニット8の配置構成に関しては炊飯合数によって水位が変動する鍋側面よりも常に水位よりも下に接触させられる底面への設置のほうが、取得温度が安定して水温度の制御が容易である。
【0028】
この温度センサユニット8は鍋3と接触するコンタクト部10を有し、同コンタクト部10から下方へ放射される赤外線を赤外線センサ11で検知するようにしている。
【0029】
この構成によって、ユーザが炊飯器使用時に温度検知対象(ここではコンタクト部10の鍋3との接触面と略反対面の測温範囲12)や、赤外線センサ11に手などで直接、あるいは異物などで間接的に触れる可能性を低減することによって、赤外線センサ11による温度検知の際に問題となる温度検知対象や赤外線センサ11の赤外線検知部13のキズ、汚れ等による温度精度劣化を低減することができる。
【0030】
この効果は、温度センサユニット8が略下側に解放された状態であっても、同温度センサユニット8が上方からの汚れ等から赤外線検知部13や測温範囲12を守るために有用である。
【0031】
また、以上の構成によってコンタクト部10の測温を非接触で行なうために部材の熱伝導率、熱容量に左右されること無く鍋温度を素早く検知することが可能である。
【0032】
また、赤外線センサ11の赤外線検知部13と、コンタクト部10の赤外線センサ11の視野によって定義される測温範囲12とを密封する密封部分14を設けることによって、さらにキズ、汚れ等による温度精度劣化を低減することができる。
【0033】
また、密封部分14内部を略真空にしたり、0℃〜300℃程度の物質が放出する波長
域の赤外線を吸収し難い気体(例えば窒素、酸素等)を充満させることによって、測温範囲12が同じ温度のときに赤外線検知部13に到達する赤外線量を一定に保ち、赤外線センサ11の温度検知精度を向上することができる。
【0034】
また、赤外線センサ11の一部を密封部分14の外部へ解放する構成として、室温によって冷却することで、各種の伝熱によって赤外線センサ11が昇温するのを低減して、測温範囲12が同じ温度のときに受け取る赤外線エネルギーをある程度一定に保ち、その温度検知精度を向上することができる。
【0035】
さらに、能動的に赤外線センサ11の温度を調節する温度調節手段15を配置して、温度を一定に調節することによって、赤外線センサ11の温度検知精度を向上することができる。
【0036】
また、温度センサユニット8と鍋3の間に異物が挟まり両者の接触状態が悪化した場合においても、ある程度までは鍋3と異物と温度センサユニット8間の熱伝導によって熱が伝わることによって測温が可能である。
【0037】
赤外線センサ11で直接鍋温度を検知する構成で赤外線検知部13が露出している場合には、鍋3との間に異物が挟まると鍋との接触状態によって検知温度が著しく変動する。具体的には異物が鍋3に接触していれば、鍋3と共に異物が昇温して異物から発生する赤外線によって鍋3に近い温度が検知される場合もあるが、鍋3に接していない場合には赤外線センサ11は鍋3によって昇温されていない異物の温度を検知する。
【0038】
ここで、炊飯器本体2内には、各部及び各装置を駆動制御して炊飯動作を行う制御手段16が設置されている。
【0039】
制御手段16は、例えば蓋14に設けられた入力操作部17を使用して行った使用者の指示に応じて、各部及び各装置の駆動制御を行う。
【0040】
制御手段16は加熱手段7を制御する加熱手段制御手段16a、温度センサユニット8や内蓋温度センサ18によって鍋温度や内蓋温度を計測する鍋温度計測制御手段16b、内蓋温度計測制御手段16c等によって構成される。
【0041】
蓋4には、蓋温度検知装置の一例である内蓋温度センサ18と、内蓋加熱装置の一例である内蓋加熱コイル7cと、ヒンジ軸19と、蒸気筒20が設けられている。
【0042】
内蓋加熱コイル7cは、内蓋温度計測制御手段16cの制御により内蓋6を誘導加熱するよう構成されている。
【0043】
ヒンジ軸19は、蓋4の開閉軸であり、炊飯器本体2に両端部が回動自在に支持されている。
【0044】
蓋4はヒンジ軸19の近傍に設けた回動バネ21により開動する。
【0045】
内蓋6の一部は、誘導加熱が可能なステンレスなどの金属で構成されており、蒸気を鍋3外へと排出するために、複数の穴からなる蒸気口22(例えば0.5cm)が設けてある。
【0046】
内蓋6の外周部の鍋3側の面には、蓋6が閉状態にあるとき、鍋3と密接する略環状の内蓋パッキン23が取り付けられている。この内蓋パッキン23は、ゴムなどの弾性体で
構成されている。
【0047】
蒸気筒20は、蓋4に着脱自在に取り付けられており、内蓋6の蒸気口22から出てきた蒸気が通過して蒸気排出口25を介して炊飯器外へと放出されるように構成されている。
【0048】
蒸気筒20の内部には可動自在な球状の磁石26が存在し、この磁石26は蓋4を開いたときや、炊飯中に水や米中のデンプンが水中に溶け出し粘度の高い水となったおねばが蒸気筒20内を通過したときにヒンジ軸19側に移動するように構成されている。
【0049】
蓋4内側の磁石26の近傍には、磁力センサ27が設けられており、磁石26が所定の位置にあるかどうかを検知することができるよう構成されている。
【0050】
なお、図2において、温度センサユニット8には温度ヒューズ28も設置されている。
【0051】
蓋4の外表面には、炊飯のメニュー、時間などの各種情報を表示したり、炊飯の開始、取り消し、予約などの実行を行うための入力操作部17が搭載されている。
【0052】
操作ボタンの操作等により、炊飯器本体2に内蔵された制御手段16に内蔵された炊飯プログラムが実行され、加熱手段7を炊飯プログラムの進行に合わせて動作、停止させて炊飯を実施する。
【0053】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
【0054】
まず、鍋3内に所定の米と水をセットし、入力操作部17を操作して炊飯メニューを選択し、炊飯開始ボタンを押下することで、炊飯工程が開始される。
【0055】
炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる浸せき工程、鍋3等を加熱手段7により一気に加熱し、鍋3内の水を沸騰状態にする炊き上げ工程、鍋3内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らし工程からなり、これらの工程の間に米の糊化を進めて炊飯する。
【0056】
制御手段16は温度センサユニット8により検知した鍋3の温度に応じて最適に加熱手段7を制御し、あらかじめ決められた炊飯プログラムに従って炊飯を行う。
【0057】
炊飯プログラムは米の種類などによって複数のコースが準備されている。
【0058】
蒸らし工程が終了すると炊飯が終了し、自動的に保温工程へと移行し、炊き上がったご飯の温度が低下しないようにして、使用者がいつでも温かいご飯を得られる。
【0059】
炊飯プログラム実行による動作の詳細を以下に説明する。
【0060】
炊飯が開始されると、まず米に水を吸収させる浸せき工程が始まる。制御手段16は、加熱手段7により鍋3を加熱し、鍋3に接触したコンタクト部10の温度を赤外線温度センサ11によって検知して、米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整して米の吸水を促進する。
【0061】
米は糊化が始まらない範囲で最も高い温度とし、さらにその温度を一定時間(例えば30分〜2時間)継続すると吸水率が向上しやすい。
【0062】
一方、炊飯時間はできるだけ短時間でおいしいご飯が炊き上がることが求められることが多いため、短時間で鍋3を糊化が始まらない温度にまで上昇させている。
【0063】
しかし、従来のサーミスタなどの接触式温度センサを用いると、部材の熱容量、熱伝導率に大きく影響を受けて温度追従性が悪くなるため、センサが米の糊化が始まらない温度を検知したときには実際の鍋3の温度はそれ以上に昇温されている場合がある。
【0064】
これによって鍋3に接触している米は糊化が始まってしまう。
【0065】
本実施の形態においては、コンタクト部10の鍋3に対する接触面の略反対面から発生する赤外線を検知するように、赤外線センサ11を温度センサユニット8内部に配置することによって、部材の熱容量、熱伝導率の影響を小さく抑えることで温度追従性が良くなり、鍋3を精度よく米の糊化が始まらない温度に加熱することが可能となる。
【0066】
また、加熱手段7による加熱を停止した場合にも、従来のサーミスタなどの接触式温度センサでは、鍋3の温度が下がり始めてもセンサ部材の熱容量によって一定時間(例えば数十秒〜1分)温度低下せず温度追従性が悪い。
【0067】
一方、本実施の形態では、赤外線センサ11による非接触での温度検知を行なうことで鍋3の昇温、冷却に関わらずに良好な温度追従性を得ることができる。
【0068】
そのため、一定温度(例えば60℃)に鍋3の温度を維持する場合でも、鍋3が一定温度になったことを即座に検知して加熱停止し、鍋3の温度が一定温度以下に下がったことを即座に検知して加熱を再開するため、非常に緊密に小刻みを行うことができ、より均一な鍋3の加熱が可能となり、ひいては、鍋3内部の調理物の温度もより均一にするとができる。
【0069】
炊き上げ工程では、米に水と熱を加えて糊化を進行させる。
【0070】
制御手段16は、加熱手段7を動作させて鍋3を急速に加熱し、鍋3内の水を沸騰状態とする。
【0071】
鍋3内の水が徐々になくなってくると、鍋3の温度は100℃を超えて上昇し続け、約130℃を検知することで水がなくなったと判断し、加熱手段7による加熱を停止する。
【0072】
この場合にも、本実施の形態においては、温度追従性が良いために、水がなくなったと判断する温度(ここでは約130℃)を精度良く検知することができ、安全のための温度マージンを小さく設定することができ、より多くの熱を米に与えるように加熱手段7を制御することが可能である。
【0073】
蒸らし工程では、鍋3内にはほとんど水は残留しておらず、米に付着した余分な水分を蒸散させながら、鍋3内を高温状態(約100℃の状態)に維持して糊化をさらに進展させる。
【0074】
この際、制御手段16は、内蓋温度センサ18で鍋3の上部空間の温度を検知しながら、内蓋加熱コイル7cを動作させて、米に対して熱を与え続け、糊化の進展を促進させる。
【0075】
以上の構成により、本実施の形態の炊飯器は温度検知対象や赤外線センサに手などで直接、あるいは異物などで間接的に触れることを低減することで、赤外線センサの温度精度
劣化要因である温度検知対象や赤外線センサの赤外線検知部のキズ、汚れを低減する。温度検知は赤外線センサによる非接触検知とすることによってセンサ部材の熱容量、熱伝導率の影響を低く抑えて温度追従性を良くすることで鍋の温度制御を精度良く行ない、炊飯性能を向上した炊飯器を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は測温部や赤外線検知部の汚れやキズといった赤外線センサ特有の温度精度劣化要因を低減するもので、温度センサによって加熱を制御する他の調理機器の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器側面の断面図
【図2】同炊飯器の要部断面図
【図3】従来の炊飯器の要部断面図
【符号の説明】
【0078】
2 炊飯器本体
3 鍋
4 蓋
7 加熱手段
8 温度センサユニット
10 コンタクト部
11 赤外線センサ
13 赤外線検知部
14 密封部分
15 温度調節手段
16 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体に装備した鍋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、炊飯器本体を覆う蓋と、前記鍋からの赤外線を検知する赤外線センサと、前記赤外線センサにより検知した前記鍋からの赤外線による温度情報に応じて加熱手段の加熱量を制御する制御手段とを備え、前記赤外線センサは前記鍋に接触するコンタクト部を有する温度センサユニットの内部に配置した炊飯器。
【請求項2】
温度センサユニットは、赤外線センサの赤外線検知部と、コンタクト部の前記赤外線センサによる温度検知部分を密封する密封部分とを設けた構成とした請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
密封部分内部に赤外線吸収率の低い気体を封入したことを特徴とする請求項2記載の炊飯器。
【請求項4】
密封部分内部を真空とした請求項2または3記載の炊飯器。
【請求項5】
赤外線センサは、密封部分の外部に赤外線検知部以外の少なくとも一部が解放された構成とした請求項2〜4いずれか1項記載の炊飯器。
【請求項6】
温度センサユニットは、赤外線センサの温度を調節する温度調節手段を有した請求項1〜5記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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