説明

炊飯器

【課題】具入り炊飯モードにおいて内鍋底部の焦げ付きを抑えつつ十分な火力を投入することができ、豆類などの大きめの具材や、白米に対する混入比率が高い具材入りの炊飯に対応する炊飯器を得ること。
【解決手段】被炊飯物を入れる内鍋30と、前記内鍋を取り出し可能に収容する内鍋収容部20aを有する炊飯器本体20と、前記内鍋を加熱する加熱手段25と、前記内鍋の温度を検出する温度センサ26と、前記内鍋の温度が選択された炊飯モードにおける所定の温度になるように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、送風ファン23と、前記内鍋収容部の底面もしくは側壁部下部に設けられた送風口24と、前記送風ファンの動作を制御する送風ファン制御部とを備え、前記炊飯モードとして具入り炊飯モードを有し、前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける炊飯工程において前記送風ファンを動作させて、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に関し、特に、炊き込みご飯などの白米以外の被炊飯物を含んだ具入り炊飯モードを備えた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、炊飯器は、内鍋の周囲に配置された温度センサにより検出された内鍋温度に基づいて、加熱手段であるIHコイルやヒータへの通電電流をマイクロコンピュータによって制御し、吸水工程、昇温工程、炊き上げ工程(沸騰工程)、むらし工程という炊飯工程それぞれにおいて内鍋の温度を細かく調整することで、炊飯量や環境温度の変化に左右されずにおいしいご飯を炊くことができるようになっている。
【0003】
また、ユーザの幅広い指向に対応するべく、米とともに豆類や細かく切った野菜、鶏肉などの肉類といったさまざまな具を入れて、五目ご飯や豆ご飯などの炊き込みご飯を炊飯する具入り炊飯モードを備えた炊飯器が人気を集めている。
【0004】
一般に、白米以外の具入り炊飯モードでは、白米と、白米とはその大きさ、吸水率などが大きく異なる各種の具を同時に炊き上げなくてはならないため、炊飯工程のそれぞれの部分工程において、通常の白米を炊飯する場合とは異なる炊飯制御を行うことが必要となる。
【0005】
例えば、特許文献1には、白米と付加される各種具材との味付けや食感の違いを際だたせることができる具入り炊飯モードとして、むらし工程において炊飯器の蓋体を一旦開成して、具材を追加することができるようにした炊飯器が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、具入り炊飯モードにおける炊飯条件が、調味料として醤油を用いる場合と塩を用いる場合とで大きく異なることに着目して、醤油ベースでの具入り炊飯モードにおける加熱出力を、塩ベースでの具入り炊飯モードにおける加熱出力よりも大きくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−000186号公報
【特許文献2】特開2009−022362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、炊飯工程の途中の所定期間に蓋体を開成して具材を投入しなくてはならず、全自動で炊き上げられる白米炊飯と比べてユーザに大きな手間を掛けることになる。
【0009】
また、特許文献2に記載の方法では、調味料の違いに着目して炊飯モードのベースを異ならせているものの、吸水しにくさや加熱時にいわゆる火が通りにくいと言った、白米以外の具が備える課題を十分に解決しうるものではなかった。
【0010】
このため、具入り炊飯モードを備えた炊飯器では、調味料による焦げ付きを発生させないように白米炊飯モードよりも投入する火力を小さくせざるを得ず、また、内鍋に混ぜることができる白米以外の具の量に制限を課さなくてはならなかった。
【0011】
さらに、近年では、炊飯工程中の炊き上げ工程において、噴きこぼれを防止しつつ米のうまみを引き出すことができるように、従来からの金属製ではなく、蓄熱性の高いセラミックスなどの非金属製の材料を用いた内鍋(いわゆる土鍋釜など)が用いられている。しかし、従来、蓄熱性が高いことの裏返しとして熱伝導性が低く、加熱時に内鍋の温度が均一になりにくいという非金属製の内鍋を用いて、良好な具入り炊飯を行うに十分な炊飯条件について検討されたものはなかった。
【0012】
本発明はこのような従来技術の課題を解決するものであり、具入り炊飯モードにおいて内鍋底部の焦げ付きを抑えつつ十分な火力を投入することができ、豆類や肉類などの大きめの具材や、白米に対する混入比率が高い具材入りの炊飯にも対応することができる炊飯器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、被炊飯物を入れる内鍋と、前記内鍋を取り出し可能に収容する内鍋収容部を有する炊飯器本体と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度センサと、前記内鍋の温度が選択された炊飯モードにおける所定の温度になるように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、送風ファンと、前記内鍋収容部の底面もしくは側壁部下部に設けられた送風口と、前記送風ファンの動作を制御する送風ファン制御部とを備え、前記炊飯モードとして具入り炊飯モードを有し、前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける炊飯工程において前記送風ファンを動作させて、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の炊飯器は、具入り炊飯モードにおいて、送風ファン制御部が送風ファンを動作させ、内鍋収容部と内鍋との間に空気を送り込む。このため、内鍋全体を温度の高い気流で包むことで内鍋下部の温度を抑えつつ内鍋上部の温度を上昇させることができ、大きめの具や大量の具が投入されている具入り炊飯モードにおいても、焦げ付きが生じることがなく、具材に十分に火が通った炊飯工程を実現しうる炊飯器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態にかかる炊飯器の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる炊飯器の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる炊飯器の送風ファンによる気流の流れを説明するイメージ図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる炊飯器で、具入り炊飯モードの温度特性を測定した際の測定点を示す図である。図4(a)は、温度測定点の平面的な位置を示すための図であり、図4(b)は、温度測定点の高さ方向の位置を示すための図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる炊飯器における、具入り炊飯モードでの炊飯工程を説明するための図である。
【図6】内鍋上部の測定点1における温度特性を示す図である。
【図7】内鍋下部の測定点2における温度特性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる炊飯器の、変形例における内鍋の構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の炊飯器は、被炊飯物を入れる内鍋と、前記内鍋を取り出し可能に収容する内鍋収容部を有する炊飯器本体と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度センサと、前記内鍋の温度が選択された炊飯モードにおける所定の温度になるように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、送風ファンと、前記内鍋収容部の底面もしくは側壁部下部に設けられた送風口と、前記送風ファンの動作を制御する送風ファン制御部とを備え、前記炊飯モードとして具入り炊飯モードを有し、前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける炊飯工程において前記送風ファンを動作させて、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込む。
【0017】
本発明の炊飯器は、上記構成を備えることで、内鍋が送風ファンにより生じた気流に包まれることになり、加熱手段からの熱を、内鍋自体による熱伝導に加えて周囲の気流によっても全体に行き渡らせることができる。このため、温度が高くなりやすい内鍋下部の温度上昇を抑えつつ温度が上がりにくい内鍋上部の温度をより高くすることができるので、焦げ付きの原因となりやすい調味料を含んだ具入り炊飯モードにおいても、内鍋底面での焦げ付きの発生を抑え、大きな具材や多めの具材に十分に火が通った具入り炊飯を実現することができる。また、内鍋全体の温度分布を均一化することができるので、熱伝導性の低い非金属材料製の内鍋を用いた場合でも良好な具入りご飯を炊飯することができる。
【0018】
上記本発明にかかる炊飯器において、前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける昇温工程、炊きあげ工程、および、むらし工程のうちの少なくとも一つの工程において前記送風ファンを動作させ、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込むことが好ましい。さらに、前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける昇温工程の途中からむらし工程の終了までの間連続して前記送風ファンを動作させ、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込むことが好ましい。このようにすることで、内鍋の温度が水の沸騰点である100℃近辺に保たれる高温炊飯時において、内鍋の温度をより好適に制御することができる。
【0019】
また、具入り炊飯モードが、五目ご飯モード、豆ご飯モードを含む炊き込みご飯モードであることが好ましい。焦げ付きの原因となる調味料を含み、被炊飯物として多くの具材を含む炊き込みご飯や、大きな具材である豆類を含む豆ご飯を炊飯する場合でも、良好な炊飯工程を実現することができる。
【0020】
さらに、前記内鍋が非金属材料製であることが好ましい。このようにすることで、非金属製の内鍋の蓄熱性を利用して炊き上げ工程で内鍋温度を高いまま維持しつつ、内部の具材を炊飯できるだけの十分な火力を投入することができ、おいしい具入りご飯を炊飯することができる。
【0021】
以下、本発明にかかる炊飯器の実施形態として、内鍋が非金属製の土鍋釜であり、内鍋と内鍋収容部との間隙に気流を生じさせることができる送風ファンを備え、炊飯モードとして白米炊飯モードに加えて具入り炊飯モードを有する炊飯器を例示して説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の炊飯器の外観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の炊飯器の断面構成を示す図である。
【0023】
本実施形態の炊飯器100は、図1および図2に示すように、米と水、さらに、具入り炊飯モードでは野菜や豆類、肉類などの各種の具である被炊飯物を入れる内鍋30と、この内鍋30を内鍋収容部20aに収容することができる炊飯器本体20とを有している。
【0024】
図1は、炊飯器本体20に開閉可能に取り付けられた蓋体10が閉じた状態を示している。
【0025】
蓋体10には、ユーザが炊飯器100に各種設定を与えるためのスイッチ11と、スイッチ11による操作状況や炊飯器100の動作状態等を表示するための液晶表示部12が配置されている。スイッチ11は、炊飯スイッチ、保温スイッチ、白米炊飯モードと各種の具入り炊飯モードと含む各種炊飯メニューを設定するメニュースイッチ、時間を設定するタイマースイッチ等を含む。
【0026】
また、蓋体10には調圧キャップ13が設けられ、調圧キャップ13内部のボール状の逆止弁14(図2参照)が、蓋体10が閉じた状態で逆止弁14の弁圧を超えたときだけ蒸気を蓋体10外に放出しながら、気液分離した「おねば」を一旦ため込んだ後に内鍋30内に戻すようになっている。
【0027】
炊飯器本体20の手前側の側面には、ロックボタン21が設けられ、蓋体10が閉じている状態でロックボタン21を押し込むと、蓋体10のロックが外れ、図示しないバネ機構により蓋体10全体が図1における後方(奥)側に開くようになっている。
【0028】
また、炊飯器本体20の後方には、炊飯器100全体を持ち運び可能とするハンドル22が設けられている。
【0029】
図2に示すように、蓋体10内部の液晶表示部12の下部に位置する部分に、図2では図示を省略した各種スイッチ11の動作回路と、液晶表示部12での表示画像を出力する液晶部駆動回路などが含まれた回路部15が設けられている。また、本実施形態の炊飯器100において、ユーザにより設定された炊飯モードに従って炊飯プログラムの制御を行う制御回路が搭載された図示しないマイコンも、回路部15を構成する回路基板上に搭載されている。本実施形態の炊飯器100では、回路部15に配置されたマイコンに含まれた制御回路に、加熱手段25(25a、25b、25c)への通電を制御する加熱制御手段、後述する送風ファン23の動作を制御する送風ファン制御部も含まれている。
【0030】
なお、本実施形態の炊飯器100において、加熱制御手段と送風ファン制御部とを含んだ制御回路が搭載されたマイコンが、液晶表示部12の下部に配置されていることは一例に過ぎない。加熱制御手段と送風ファン制御部とが、それぞれ別々の回路基板上に搭載されている場合もあり、また、加熱制御手段と送風ファン制御部とが、蓋体10内の液晶表示部12から離れた、例えば炊飯器本体20内に配置される場合もある。
【0031】
本実施形態の炊飯器100では、内鍋30の温度を検出する温度センサの一つである蓋体センサ16が、内鍋30が内鍋収容部20a内に収納されたときにその上方に位置するように蓋体10の裏面に配置されていて、炊飯時の内鍋30上方の蒸気の温度を測定することができる。この蓋体センサ16や後述するセンターセンサ26など、本実施形態の炊飯器100に用いられる各温度センサは、例えばサーミスタに代表される熱的電気素子を用いて構成される従来周知の温度センサを、そのまま用いることができる。
【0032】
蓋体10は、炊飯器本体20のヒンジ機構27により開閉可能となっている。そして、蓋体10が閉じられたとき、ロックボタン21に連動する図2では明示しないロック機構により、蓋体10が炊飯器本体20の上面にしっかりと押しつけられた状態で固定される。蓋体10と炊飯器本体20とがしっかりと押さえつけられて固定されることで、蓋体10の図示しないシールパッキンが炊飯器本体20の内鍋収容部20aの口縁部に上方から圧接されて内鍋30を収めた内鍋収容部20aの空間を密閉し、炊飯や保温を行う状態となる。
【0033】
本実施形態の炊飯器100の炊飯器本体20の内部には、一対の送風ファン23が配置されている。送風ファン23は、蓋体10の回路基板15に搭載されたマイコン内部の送風ファン制御部からの信号に応じて、回転(オン)停止(オフ)、および必要に応じて、正転と反転の動作が制御される。
【0034】
本実施形態の炊飯器100において、送風ファン23は、炊飯器100を正面側であるロックボタン21側から見た場合の後方側の左右に2つ配置されている。図2では、2つの送風ファン23の内の、図2における手前側の一方のみが表されている。送風ファン23は、図示しない吸入口から吸入された空気を、内鍋収容部20aの側壁部下側に設けられた送風口24から内鍋収容部20a内の内鍋30との間隙部分に吹き出す。本実施形態の炊飯器100では、送風口24は、内鍋収容部20aの中心に対してそれぞれ60度の間隔を隔てて合計6つの送風口24が設けられている。
【0035】
炊飯器本体20の内鍋収容部20aの周囲には、加熱手段25としての第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25b、加熱ヒータ25cが設けられている。
【0036】
第1のワークコイル25aは、内鍋30の底面に面して内鍋収容部20aの底面に配置されている。内鍋収容部20aの底面中央には、内鍋30の底面の温度を検出する温度センサであるセンターセンサ26が配置されているため、第1のワークコイル25aは、平面視すると中央に穴の開いた円環(ドーナツ)状になっている。
【0037】
第2のワークコイル25bは、内鍋30の底面と側面との境界に位置する傾斜部分に対向するように配置されている。第2のワークコイル25bも第1のワークコイル25aと同様に円環状となっている。
【0038】
これら第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25bに流れる電流により渦電流が生じるように、本実施形態の炊飯器100の内鍋30では、非金属製の内鍋本体の内面側にステンレスもしくは銀などの金属薄膜がコーティングもしくは金属箔を転写するなどして形成されている。そして、第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25bに電流が流れることで金属薄膜が発熱し、この発熱が土鍋釜全体の温度を上昇させる。
【0039】
内鍋30の側面に対向する内鍋収容部20aの側壁には、側面ヒータ25cが配置されている。この側面ヒータ25cに電流が流れることにより発熱して、炊飯後のジャー機能時に内鍋30を保温するともに、炊飯時にも第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25bとともに、内鍋30を加熱することができる。
【0040】
本実施形態の炊飯器100では、これら第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25b、側面ヒータ25cが加熱手段25を構成しており、蓋体10の回路部15のマイコンに搭載された加熱制御手段により、それぞれに流れる電流量が制御されることで、加熱手段のオンとオフ、また、オンの場合の発熱量の制御が行われる。なお、加熱手段25として、上記の第1のワークコイル25a、第2のワークコイル25b、側面ヒータ25cの他にも、内鍋収容部20aの周囲の他の部分や蓋体10の内部にコイルやヒータなどを配置することも可能である。
【0041】
炊飯器本体20の背面における上部には、ヒンジ機構27が設けられていて、蓋体10が内鍋収容部20aを覆った状態から開閉することができる。
【0042】
ヒンジ機構27の下部には、炊飯器100に電力を供給するために、商用電源に接続される電源プラグ28に接続された電源コードを収納するコードリールが配置されている。
【0043】
なお、本実施形態の炊飯器100の全体の形状や、各部の具体的な構成や配置としては、上記、図1および図2に例示した構成と異なるさまざまな構成を採用することができる。
【0044】
ここで、図3を用いて、送風ファン23を動作させたときの内鍋収容部20aと内鍋30との間隙部分の空気の流れについて説明する。
【0045】
図3に示すように、図3では図示しない送風ファン23が動作することで、炊飯器本体20の内鍋収容部20aの側壁部下側に設けられた送風口24から送り込まれた空気が、気流29を形成する。例えば、図3に示すように、気流29の吹き出し方向を真上ではなく斜め左上の方向に向けることで、内鍋収容部20aの側壁と内鍋30との間の間隙部分に時計回りに循環する空気の流れを作ることができる。
【0046】
本実施形態の炊飯器100では、加熱手段25である、第1のワークコイル25aが内鍋30の底面に対向して内鍋収容部20aの底面に配置されており、また、第2のワークコイル25bも、内鍋30の底面と側面との境界部分に対向して設けられているため、第1のワークコイル25aと第2のワークコイル25bとによって、内鍋30の下部の温度が上昇しやすい。また、側面ヒータ25cも、内鍋30側面の上下方向における中央部分に対向して配置されているため、内鍋30自体の温度、および内鍋30の周囲の空気の温度は、内鍋30の下側部分が上側の部分と比較してより高くなりやすい。一方で、内鍋30の上端に形成されたフランジ部は、炊飯時に加熱される被炊飯物の噴きこぼれが生じないように、蓋体10と炊飯器本体20とで覆われていて、このフランジ部を加熱手段で直接暖めることは困難であり、内鍋30の上部側の温度は他の部分に比べて高くなりにくい。
【0047】
このため、本実施形態の炊飯器100では、送風口24を内鍋収容部20aの側壁部下側に設けることにより、送風口24から吹き出された気流29を、全体として内鍋30の外表面を下から上方向に向かわせることで、内鍋30の下部の周囲に位置する高い温度の空気を、内鍋30上方のフランジ部およびその近傍部分に向かわせて内鍋30の全体の温度を上昇させることができるようになっている。
【0048】
なお、本実施形態の炊飯器100では、炊飯器100を正面から見た場合の左右後方に備えた2つの送風ファン23を、30秒ごとに交互に動作させることで交互に逆向きの気流を内鍋収容部20aと内鍋30との間の間隙に生じさせている。しかし、本発明にかかる炊飯器において、送風ファンの数やその動作の制御方法、送風口の数およびその配置位置は例示したものに限られない。送風ファンは、1つまたは3つ以上設けることができ、複数の送風ファンを交互に動作させるのではなく、複数の送風ファンを同時に動作させて、より強い気流を起こすこともできる。また、送風口24は、内鍋収容部20aの側壁部下側に限らず、内鍋収容部20aの底面に設けることもできる。ただし、前述したように、加熱手段25の配置位置の関係から内鍋30の下部周辺の温度がより高くなるため、送風ファン23により生じる気流が下から上に向かうことがより好ましく、内鍋30の周囲を環状に取り囲む気流を生じさせることが、内鍋30全体の温度を均一に上昇させる上でさらに好ましい。
【0049】
以下、本実施形態にかかる炊飯器100における具入り炊飯モードの内鍋温度の設定条件と、実際に炊飯を行ったときの温度変化を示す。
【0050】
まず、図4を用いて、本実施形態の炊飯器100の温度測定を行った測定点について説明する。
【0051】
図4(a)は、内鍋の温度測定点の平面的な位置を示すための図であり、炊飯器本体部20の内鍋収容部20a内に内鍋30を配置した状態を、炊飯器本体20の上方から見た図である。なお、温度測定点を明瞭に示すために、蓋体10は図示を省略している。
【0052】
図4(a)に示すように、平面方向の測定場所Aは、送風ファン23により循環される気流の送風口24が配置されている部分に相当する内鍋30の部分に位置し、測定場所Bは、60度おきに配置された送風口24の中間部分に相当する内鍋30の部分に位置している。
【0053】
また、図4(b)は、内鍋の温度測定点の高さ方向の位置を示すための図である。
【0054】
図4(b)に示すように、内鍋30の上部の温度を測定する測定点1は、内鍋30の上端部であるフランジ部近傍部分に位置し、測定点2が内鍋30の下部である、底面部と側面部との境界に設けられた傾斜部分に位置している。この測定点2は、図2に示した第2のワークコイル25bに対向する部分でもある。また、測定点3は、内鍋30底部の中央部分であり、図2に示したセンターセンサ26により温度が計測される部分を示している。
【0055】
図5は、本実施形態にかかる炊飯器100の、具入り炊飯モードにおける炊飯工程全体の内鍋30の温度変化を示す温度チャートである。
【0056】
図5において、内鍋30の上部である図4(b)に示した測定点1の温度変化を実線41で、内鍋30の下部である図4(b)に示した測定点2の温度変化を点線42で、さらに、内鍋30の底面の中央部分である図4(b)に示した測定点3の温度変化を一点鎖線43で表している。なお、図5における各測定点の温度の平面的な測定位置は、図4(a)に測定位置Bとして示した、送風口24の間の部分の温度を測定している。
【0057】
また、炊飯工程において、加熱制御手段によって加熱手段25に電力が投入されたタイミングとその大きさを下段の網掛部44として示している。さらに、送風ファン制御部が送風ファン23を動作させているタイミングを、図最下段に送風「ON」として示している。
【0058】
図5に示すように、本実施形態の炊飯器100における具入り炊飯モード開示時の内鍋30の温度は、室温20℃である。吸水工程において、加熱手段25により内鍋30が加熱されるが、本実施形態の炊飯器100に用いられている内鍋30は、熱伝導性が低いために大きなオーバーシュートが生じやすく被炊飯物の吸水ムラが生じやすい非金属製の土鍋釜であることを考慮して、吸水工程での内鍋30の温度は低めの30℃に抑えられている。
【0059】
次に、昇温工程1において、加熱制御手段による加熱手段25への投入電力が最大となり、内鍋30の温度は、一気に水の沸騰温度である100℃を越えるところまで引き上げられる。内鍋30の上部の測定点1での温度41が約100℃となったことを目安として、昇温工程1から昇温工程2に移行し、ここで、送風ファン制御部が送風ファン23を動作させる。なお、本実施形態の炊飯器100では、前述したように、30秒ごとに2つの送風ファン23を交互に動作させて、内鍋30の周囲を取り囲む気流を生成する。
【0060】
その後、内鍋30内の水分を完全に蒸発させる炊き上げ工程1、炊き上げ工程2に移行する。炊き上げ工程1、炊き上げ工程2では、加熱手段25により投入される火力が少し抑えられ、水分の蒸発度合いを調整している。送風ファン23は、動作を続けている。
【0061】
内鍋30の下部である、測定点2の温度42が約100℃に到達したことを目安に、追い炊き工程に移行する。追い炊き工程では、加熱手段25は間欠的にオンされるため、第1のワークコイル25aに近い、内鍋30の底部である測定点3の温度43は、加熱手段25のオンオフに連動する形でその温度が上下する。しかし、内鍋30として、蓄熱性の高い土鍋釜を用いているために、内鍋30の上部の測定点1の温度41、内鍋30の下部の測定点2の温度42は、いずれも100℃以上に安定して維持されている。
【0062】
その後のむらし工程では加熱手段25はオフされていて、内鍋30底部の測定点3の温度43は低くなる。所定時間経過後にむらし工程が終了して炊飯工程全体が終了し、以降は保温工程となる。炊飯工程が終了すると送風ファン23の動作が停止する。
【0063】
次に、図6および図7を用いて、図5を用いて説明した、本実施形態の炊飯器100における炊飯プログラムによる、炊飯工程の効果を説明する。
【0064】
図6、および図7は、本実施形態にかかる炊飯器100の炊飯工程における送風ファン23の動作の有無による内鍋30の温度の変化を示すものである。なお、図6、図7は、いずれも炊飯工程の内の送風ファン23が動作している時間、すなわち、昇温工程の途中である昇温工程2から、炊飯工程が終了するむらし工程終了までの間、時間にして炊飯開始から24分経過後から56分経過時までに相当する期間のみを示している。
【0065】
図6は、図4(b)に示した測定点1である、フランジ部近傍の内鍋30の上部での温度を示している。
【0066】
図6において、実線51が、送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の内鍋30の、図4(a)に示した測定位置Aである送風口24が配置されている部分の温度を示す。また、点線52が、同じく送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器の内鍋30の、図4(a)に示した測定位置Bである送風口24の間の部分の温度を示している。
【0067】
一方、図6において一点鎖線61が、比較例として送風ファン23を動作させなかった場合の、測定位置Aの温度を示す。また、二点鎖線62が、送風ファンを動作させなかった比較例の測定位置Bの温度を示す。すなわち、比較例の内鍋の温度61が本実施形態の内鍋の温度51に対応し、比較例の内鍋の温度62が本実施形態の内鍋の温度52に対応している。
【0068】
一方、図7は、図4(b)に示した測定点2である、内鍋30の下部の温度変化を示している。
【0069】
図7において、実線53が、送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の内鍋30の測定位置Aの温度を示す。また、点線54が、同じく送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の内鍋30の測定位置Bの温度を示している。また、図7において一点鎖線63が、比較例として送風ファン23を動作させなかった場合の測定位置Aの温度を示し、二点鎖線64が、送風ファンを動作させなかった比較例の測定位置Bの温度を示している。図7において、比較例の内鍋の温度63が本実施形態の内鍋の温度53に対応し、比較例の内鍋の温度64が本実施形態の内鍋の温度54に対応している。
【0070】
図6に示した内鍋30の上部の温度は、測定位置A、測定位置Bのいずれにおいても、送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の温度51、52の方が、送風ファン23が動作していない比較例の炊飯器の温度61、62よりも高くなっている。一方、図7に示した内鍋30の下部の温度は、測定位置A、測定位置Bのいずれにおいても、送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の温度53、54の方が、送風ファン23が動作していない比較例の温度63、64よりも低くなっている。このことから、本実施形態の炊飯器100では、昇温工程の途中からむらし工程にかけて送風ファン23を動作させることにより生じた内鍋30を包む気流によって、第1のワークコイル25a、および、第2のワークコイル25bに面している内鍋30の下部の熱が、フランジ部近傍である内鍋30の上部に伝達されていることがわかる。
【0071】
また、送風ファン23が動作している本実施形態の炊飯器100の内鍋30では、図6に示す上部の温度51、52、図7に示す下部の温度53、54がいずれも100℃から105℃の範囲に収まっていて、その温度差が極めて小さい。これに対し、送風ファン23を動作させていない比較例の内鍋では、図6に示す上部の温度61、62はほぼ100℃となっているが、図7に示す底部の温度63、64はいずれも105℃以上となっている。このことから、本実施形態の炊飯器100の内鍋30では、送風ファン23により生じる気流によって、内鍋30全体の温度部分布をより均一化する効果が得られていることがわかる。
【0072】
このように、本実施形態の炊飯器100では、昇温工程の途中からむらし工程において、内鍋収容部20aと内鍋30との間隙の空気を循環させる送風ファン23を動作させることによって、ワークコイル(25a、25b)に面している部分であるために温度が上昇しやすい内鍋30の下部の温度上昇を抑えることができる。このため、被炊飯物として調味料を含むために焦げ付きやすい、炊き込みご飯などの具入りご飯の炊飯時でも、内鍋30の特に底部での焦げ付きの発生を効果的に低減することができる。この結果、本実施形態の炊飯器100では、送風ファン23による空気の送り込みを行わない比較例の炊飯器と比べて、昇温工程から炊き上げ工程にかけての高温炊飯工程時に加熱手段25に投入できる電力量を最大5倍にまで増やすことができた。なお、ここでの投入電力量とは、加熱手段25のオン/オフ時間のデューティー比と加熱手段に流される電流量で定まる電力量である。このように、本実施形態の炊飯器100は、炊き込みご飯モードにおいても白米炊飯モードに近い大きな電力を投入することで、おいしいお米が炊き上げられた炊き込みご飯を炊飯することができる。
【0073】
また、本実施形態の炊飯器100では、送風ファン23により生じる内鍋収容部20aと内鍋30との間隙に生じる気流によって、昇温工程の途中からむらし工程におけるフランジ部近傍である内鍋30の上部の温度をより上昇させることができるので、具入り炊飯モードでの炊飯時に、センサの誤作動を防ぐために白米の上にのせられる豆類や肉類などの、大きくまた水を吸いにくい具に対して、十分な熱を与えることができる。このため、従来は具入り炊飯を行うときに設けられていた具材の投入量の制限を大幅に緩和して、白米に対してより多くの具を被炊飯物として投入することができるようになる。例えば、本実施形態の場合の炊飯器100であれば、送風ファン23を動作させない比較例では、米一合に対して70グラムであった具材の投入量の制限値が、180グラム程度とすることができ、同じ量の白米に対する具材の投入量を約2.5倍に増やすことができた。このため、より具の多い具入りご飯を炊飯することができるとともに、栗ご飯などより大きな具を用いた具入りご飯を炊飯することができるようになる。
【0074】
また、本実施形態の炊飯器100では、内鍋30の上部の温度を高くすることができるために白米の上に載せられた各種具材の直下に位置することになる白米にも、十分な熱を与えることができる。このため、従来の炊飯器では、例えば鶏肉の直下に位置していた白米に鶏肉から出た脂分が影響して十分に温度が上昇せず、その部分での白米に炊きムラが生じていたのと比較して、本発明の炊飯器100では、具材の直下の米を含めて炊きムラのないおいしい炊き込みご飯を炊飯することができる。
【0075】
さらに、本実施形態の炊飯器では、送風ファン23により内鍋収容部20aと内鍋30との間隙に生じる気流によって、内鍋30全体の温度分布をより均一化することができる。このため、炊き込みご飯などの具入りご飯の炊飯モードにおいても、内鍋内部の被炊飯物全体に十分に熱が行き渡り、炊きむらの少ないおいしいご飯を炊くことができる。また、内鍋全体の温度をより均一化した状態で、炊飯工程で投入される火力を多くすることができるので、送風ファン23による空気の送り込みを行わない比較例の炊飯器と比べて、内鍋内に添加可能な調味料の量も2倍以上に増やすことができた。このため、電気炊飯器によって炊飯された炊き込みご飯が薄味であるという、従来からの課題を解消することができた。
【0076】
なお、上記実施形態では、送風ファンを、昇温工程の途中からむらし工程までの間連続的に動作させる例について説明した。しかし、本実施の形態にかかる炊飯器100において、昇温工程からむらし工程に渡って連続的に送風ファン23を動作させることは必須の要件ではなく、昇温工程以前の吸水工程から、むらし工程までの間の適切な期間で送風ファン23を動作させることができる。例えば、炊きあげ工程のみ、または、昇温工程から炊きあげ工程までなど、1または2以上の工程において送風ファンを動作させることができる。さらに、昇温工程、炊きあげ工程、むらし工程をそれぞれいくつかのより細かい部分工程に分けて、これらの部分工程のいくつかにおいて送風ファンを動作させることもできる。
【0077】
図8は、本実施形態の炊飯器に用いることができる。内鍋の変形例の形状を示す側面図である。
【0078】
図8に示す、変形例の内鍋31は、内鍋31の外側表面の上下方向中間部分に、筋状の溝32が形成されている。このように、内鍋31の外側表面に溝32を設けることで、送風ファンを動作したときに熱せられた空気と内鍋31との接触面積が増える。このため、コイルにより熱せられた内鍋や、ヒータによって暖められた空気が内鍋収容部20aと内鍋20との間隙で気流となって移動する際に、内鍋31の表面を暖める効果を向上させることができ、送風ファン動作時における内鍋の温度を均一化する効果を、より一層向上させることができる。
【0079】
なお、内鍋の表面積を増すことにより、内鍋周囲に生成された気流による温度上昇の効果を高めることができると考えられるので、図8に示したように溝を形成する以外に、内鍋の周囲に畝状の凸部を形成しても同じ効果が期待できる。また、図8に示す、変形例の内鍋31では、溝32を斜め方向に形成しているが、溝32の角度や長さ、内鍋31における配置位置は図8に示したものに限られず、内鍋周辺に生じさせる気流の強さや方向などに応じて、適宜選択することができる。
【0080】
以上、本発明の炊飯器について、内鍋として非金属製の土鍋釜を用いた場合を例示して説明した。しかし、本発明の炊飯器の内鍋には、非金属製のセラミックスを主成分とする土鍋釜に限られず、ステンレスや銅などの金属材料を主体とする金属釜を用いることができる。
【0081】
さらに、上記の説明では、具入り炊飯モードの例として、炊き込みご飯や豆ご飯、栗ご飯、などを例示して説明したが、他にも、白米のみの炊飯モードではない玄米や他の穀物を用いた、玄米ご飯や雑穀ご飯など、被炊飯物として白米のみを用いる通常の炊飯モード以外の炊飯モードを具入り炊飯モードとして、本発明を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の炊飯器によれば、具入り炊飯モードにおいて、調味料による鍋底部の焦げ付きを押さえつつ従来よりも多い具を被炊飯物として炊飯できるので、ユーザの多様なニーズに応えた各種の炊飯モードを実現することができる炊飯器として有用である。
【符号の説明】
【0083】
20 炊飯器本体
20a 内鍋収容部
23 送風ファン
24 送風口
25 加熱手段
26 センターセンサ(温度センサ)
30 内鍋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物を入れる内鍋と、前記内鍋を取り出し可能に収容する内鍋収容部を有する炊飯器本体と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度を検出する温度センサと、前記内鍋の温度が選択された炊飯モードにおける所定の温度になるように前記加熱手段を制御する加熱制御手段と、送風ファンと、前記内鍋収容部の底面もしくは側壁部下部に設けられた送風口と、前記送風ファンの動作を制御する送風ファン制御部とを備え、
前記炊飯モードとして具入り炊飯モードを有し、
前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける炊飯工程において前記送風ファンを動作させて、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込むことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける昇温工程、炊きあげ工程、および、むらし工程のうちの少なくとも一つの工程において前記送風ファンを動作させ、前記内鍋収容部と前記内鍋との間に空気を送り込む請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記送風ファン制御部が、前記具入り炊飯モードにおける昇温工程の途中からむらし工程の終了までの間連続して前記送風ファンを動作させ、前記内鍋収容部と前記内鍋との間の空気に空気を送り込む請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記具入り炊飯モードが、五目ご飯モード、豆ご飯モードを含む炊き込みご飯モードである請求項1から3のいずれかに記載の炊飯器。
【請求項5】
前記内鍋が非金属材料製である請求項1から4のいずれかに記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−228446(P2012−228446A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99783(P2011−99783)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】