説明

炭化水素異性化の改良方法

本発明は、C10+炭化水素原料油ストリームをスチーム処理触媒と接触させることによって、C10+炭化水素原料油ストリームを異性化する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された炭化水素異性化方法に関する。より詳しくは、本発明は、スチーム処理触媒を用いる、C10+炭化水素原料油ストリームの改良された異性化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異性化方法においてスチーム処理触媒を用いることが、当該技術および文献に示されている。例えば、特許文献1には、ゼオライトベータおよび第VIII族金属を含むスチーム処理触媒がクレームされ、また示され、特許文献2には、主としてC〜C炭化水素を含む原料油ストリームを異性化する際に、類似の触媒を用いることがクレームされる。
【0003】
特許文献3には、5オングストローム超の細孔直径で、好ましくは10員環(シリカ/アルミナ比少なくとも12および制約指数1〜12)を有するゼオライトを用いることが開示される。これらのゼオライトは、使用前にスチームまたは水による処理を経て、酸性触媒転化方法で用いられる。
【0004】
特許文献4には、5オングストローム超の細孔直径で、好ましくは10員環(シリカ/アルミナ比12超および制約指数1〜12)を有するゼオライトを用いることが開示される。触媒は、アルファで表される酸性度を約300に高めるように制御された処理を経る。これらの触媒は、C〜Cパラフィンの水素異性化で用いられる。
【0005】
上記の引用特許は全て、本明細書に参照により援用される。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,166,112号明細書
【特許文献2】米国特許第5,082,988号明細書
【特許文献3】米国特許第4,418,235号明細書
【特許文献4】米国特許第4,374,296号明細書
【特許文献5】米国特許第4,016,218号明細書
【特許文献6】米国特許第5,961,951号明細書
【非特許文献1】「ジャーナルオブキャタリシス(J.Catalysis)」(第6巻、第278〜287頁、1966年)
【非特許文献2】「ジャーナルオブキャタリシス(J.Catalysis)」(第61巻、第390〜396頁、1980年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし依然として、当該分野において、C10+炭化水素原料油ストリームを異性化するための改良方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、C10+炭化水素原料油ストリームの異性化方法であって、
a)C10+炭化水素原料油ストリームを、一次元10員環中間細孔ゼオライトを含むスチーム処理触媒と水素異性化条件下で接触させる工程であって、前記水素異性化条件は、
i)温度400〜800゜F、および
ii)圧力400〜2000psig
を含む工程
を含み、
前記スチーム処理触媒は、前記スチーム処理触媒のアルファ値が、同じ一次元10員環中間細孔ゼオライトを含む未スチーム処理触媒のアルファ値を、1超〜10だけ超えることのない条件下でスチーム処理される
ことを特徴とする異性化方法に関する。
【0009】
一実施形態においては、10員環中間細孔ゼオライトは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−48およびフェリエライトよりなる群から選択される。
【0010】
他の実施形態においては、モレキュラーシーブは、ZSM−48である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、C10+炭化水素原料油ストリームを水素異性化するに際して、モレキュラーシーブを含むスチーム処理触媒を用いる。C10+炭化水素原料油ストリームを、水素異性化条件下で処理触媒と接触させる。条件には、温度400〜800°Fおよび圧力400〜2000psigが含まれる。本明細書で用いられる「スチーム処理」とは、使用前にスチーミングに付した触媒を示す意味であり、「未スチーム処理」とは、スチーミングに付さなかった触媒を示す意味である。
【0012】
本方法で用いるのに適切な原料油ストリームは、650〜1050°F、好ましくは700〜1000°F、より好ましくは750〜950°Fの範囲で沸騰するC10+炭化水素原料油ストリームである。
【0013】
本方法で用いる触媒は、モレキュラーシーブを含む。本発明で用いるのに適切なモレキュラーシーブは、シリコアルミノホスフェート(SAPO)などの酸性メタロシリケート、および一次元10員環ゼオライト(即ち、10員環を含む一次元通路を有する中間細孔ゼオライト)から選択される。好ましくは、モレキュラーシーブはゼオライトである。
【0014】
本発明におけるモレキュラーシーブとして有用なシリコアルミノホスフェート(SAPO)は、既知のいかなるSAPOであってもよい。好ましいSAPOには、SAPO−11、SAPO−34およびSAPO−41が含まれる。
【0015】
本明細書で用いる一次元10員環ゼオライト(即ち、中間細孔ゼオライト)は、任意の既知のものであり得る。ゼオライトは、多孔性結晶物質であり、中間細孔ゼオライトは、一般に、細孔サイズ5〜7オングストロームを有するものとして定義される。そのため同ゼオライトは、n−ヘキサン、3−メチルペンタン、ベンゼン、p−キシレンなどの分子を自由に吸着する。中間細孔ゼオライトに用いられる他の一般的な分類には、制約指数試験が含まれる。これは、特許文献5(本明細書に参照により援用される)に記載される。中間細孔ゼオライトは、典型的には、改質剤なしの、触媒の拡散性を調整するための処理前のゼオライト自体を基準として、制約指数1〜12を有する。好ましい一次元10員環ゼオライトは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−48およびフェリエライトである。より好ましくは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48およびZSM−57である。最も好ましくはZSM−48である。
【0016】
また、本明細書で用いる触媒は、少なくとも一種の第VIII族金属、好ましくは第VIII族貴金属、より好ましくはPtおよびPd、最も好ましくはPtを含むことが好ましい。金属は、触媒の重量を基準として、0.05〜2.0wt%、好ましくは0.1〜1.0wt%の量で存在する。金属は、既知のいかなる手段または技術(例えば、初期湿潤など)を用いて組み込んでもよい。
【0017】
前記のように、本明細書で用いる触媒は、本方法で用いる前に、スチームを用いて効果的にスチーム処理される。従って本明細書では、これをスチームで処理された触媒、またはスチーム処理された触媒と称する。スチーミングは、スチーム100%の雰囲気、または、スチームと、触媒に対して実質的に不活性なガスを含む雰囲気中で達成できる。適切なスチーミング温度は、700〜1000°F、好ましくは800〜900°Fの範囲である。触媒は、効果的な時間(典型的には10時間未満、好ましくは8時間未満、より好ましくは2〜8時間)だけスチーミング条件に付される。他のスチーミング技術は、特許文献3および特許文献4に開示される。これは、既に、本明細書に参照により援用されている。
【0018】
「効果的にスチーム処理される」とは、スチーミングにより、未スチーム処理触媒のアルファ値が実質的に増加しないことを意味する。アルファ値またはアルファ数は、ゼオライトの酸性機能の尺度であり、特許文献5、非特許文献1および非特許文献2に、その測定法の詳細と共により完全に記載される。これらはすべて、本明細書に参照により援用される。一般に、アルファ値は、高活性シリカ−アルミナ分解触媒に関して、相対的な活性を表す。本明細書で用いるアルファ値の測定には、800°Fにおけるn−ヘキサン転化率を測定する。転化率を、n−ヘキサンの転化率レベル10〜60パーセントが得られるように、空間速度を変えることによって変化させ、次いでゼオライトの単位容積当たりの速度常数に変換して、シリカ−アルミナ触媒のそれと比較する。これは、1000°Fの参照活性に対して標準化される。触媒活性は、この標準(即ち、シリカ−アルミナ標準)の倍数として表される。シリカ−アルミナ参照触媒は、Al10wt%を含み、残りはSiOである。従って、触媒のアルファ値が減少するにつれて、非選択的分解の傾向もまた減少する。
【0019】
「実質的に増加する」とは、スチーム処理触媒のアルファ値が、同じ未スチーム処理触媒のアルファ値を1超〜10だけ超えることがないことを意味する。典型的には、ゼオライトのスチーミングにより、ゼオライトの骨格からアルミニウム点が抽出される。これは、ゼオライトの酸活性(酸性度)を減少する効果を有し、より低いアルファ数を有する(即ち、非選択的分解の傾向を少なく有する)触媒をもたらす。従って、スチーミングはしばしば、分解触媒(例えば流動接触分解装置で用いられる触媒など)の活性を制御するのに用いられる。
【0020】
本明細書で用いる触媒のスチーミングは、スチーム処理触媒のアルファ値が、未スチーム処理触媒のそれよりも、アルファ数1超〜10、好ましくはアルファ数1〜5、より好ましくはアルファ数1〜3だけ増加することがないように行われる。
【0021】
しかし、未スチーム処理触媒に対する、スチーム処理触媒のアルファ値の減少が見られることもある。アルファ値の減少は、処理触媒が分解傾向を減少している(即ち、触媒が分解するC10+炭化水素原料油ストリームがより少ないと見られる)ことを示す。より低いアルファ値は、より低い非選択的分解傾向を示すが、それらはまた、触媒活性の減少を表す。従って、本明細書で用いる触媒のスチーミングは、未スチーム処理触媒のアルファ値を50%超減少すべきではない。従って、スチーム処理触媒が未スチーム処理触媒より低いアルファ値を有する場合、アルファ値の減少は、未スチーム処理触媒のアルファ数に対し10以内に保持されるべきである。スチーム処理触媒は、未スチーム処理触媒のそれよりアルファ数5(より好ましくはアルファ数3)だけ低いアルファ値を有することが好ましい。
【0022】
本明細書で用いる触媒は、先に論じたように、少なくとも一種の第VIII族金属、好ましくは第VIII族貴金属、最も好ましくはPtを含むことが好ましい。触媒を、少なくとも一種の第VIII族金属を添加する前、またはそれに続けてスチーム処理してもよい。しかし、少なくとも一種の第VIII族金属を組み込んだ後に触媒をスチーム処理することが好ましい。
【0023】
前記したように、本明細書で用いられるモレキュラーシーブは、ゼオライトであることが好ましい。ゼオライトを、適切な結合剤または母材物質と組み合わせてもよい。そのような物質には、粘土、シリカおよび/または金属酸化物(アルミナなど)などの、活性および不活性物質が含まれる。複合化されうる天然粘土には、モンモリロナイトおよびカオリン系統からの粘土が含まれる。これには、亜ベントナイト、並びに通常ディキシー(Dixie)、マクナミー(McNamee)、ジョージア(Georgia)およびフロリダ(Florida)粘土として知られるカオリンが含まれる。主な鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトまたはアナウキサイトである他のものを用いてもよい。粘土は、初めから混合された素材状態で用いることもでき、ゼオライトと組み合わせる前に焼成、酸処理または化学修飾に付すこともできる。
【0024】
加えて、ゼオライトはまた、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニアなどの多孔質母材または結合剤物質を含んでいてもよい。ゼオライトはまた、シリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア、シリカ−マグネシア−ジルコニアなどの三元組成物を含んでいてもよい。
【0025】
好ましくは、多孔質母材または結合剤物質は、シリカ、アルミナまたはカオリン粘土を含む。より好ましくは、結合剤物質はアルミナを含む。この実施形態においては、アルミナは、ゼオライト15部未満(好ましくは10部未満、より好ましくは5部未満、最も好ましくは2部)/結合剤1部の比率で存在する。
【0026】
一般に、本発明は、C10+炭化水素原料油ストリームを、水素異性化条件下でスチーム処理触媒と接触させることによって実行される。水素異性化条件には、温度400〜800゜F、圧力400〜2000psig、水素循環速度1000〜5000scf/bblおよび空間速度0.25〜2.0が含まれる。
【0027】
処理触媒を用いることにより、水素異性化方法の生成物選択性が2%超、好ましくは3%超、より好ましくは5%、最も好ましくは5%超だけ向上される。
【0028】
上記は、本発明の一実施形態に関する。当業者には、等しく効果的な他の実施形態が、本発明の精神を実施するために考案されうることが認められる。
【0029】
次の実施例は、本発明の有効性を示すが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0030】
実施例1
ベース未処理触媒(ここではZSM−48)を、特許文献6の手順に従って晶出した。晶出、傾斜および洗浄に続いて、ZSM−48結晶をろ過し、乾燥した。ZSM−48粉を、ゼオライト2部/結合剤1部となる比率で、ヴァ−サル(Versal)300アルミナとカラ練りした。水を加えて、押出し成形可能な混練物を形成し、混練物を押出し成形して、1/20インチ四葉型押出し成形物を得、これを250゜Fで乾燥した。次いで、押出し成形物を窒素中、ロータリー焼成炉内で予備焼成して、有機指向剤(directing agent)を分解した。次いで、押出し成形物を加湿し、室温下に1NのNHNOで2回交換し、脱イオン水ですすぎ、250゜Fで乾燥した。次いで、未処理触媒を空気中1000゜Fで焼成した。
【0031】
実施例2
実施例1で調製した触媒にPtを含浸させ、触媒重量を基準に、乾燥ベースで測定して0.6wt%の最終Pt充填を得た。触媒への白金の含浸は、初期湿潤法により行った。含浸に用いた白金塩は、白金テトラアミンナイトレート(Pt(NH(NO)であった。白金を含浸した後、触媒を250゜Fで乾燥し、空気中680゜Fで2時間焼成した。完成触媒を、本明細書では触媒Aと称する。この触媒のアルファ値は、触媒試料約1gを採取し、それを大気圧でガラス反応器中に置くことによって決定された。1000゜Fで試料をヘキサンと接触させ、定常状態でのヘキサンの転化率を測定した。この触媒のアルファ値を次の表1に示す。
【0032】
実施例3
この実施例においては、実施例1のベース触媒を、固定床スチーム処理装置内で、900゜Fで3時間スチーム処理した。スチーム処理後、実施例2に記載のようにして、0.6wt%レベルまで触媒にPtを添加した。この触媒を、本明細書では触媒Bと呼ぶ。
【0033】
実施例2の白金含有触媒もまた、固定床スチーム処理装置内で、900゜Fで3時間スチーム処理した。この触媒を、本明細書では触媒Cと呼ぶ。
【0034】
これら両触媒のアルファ値を、実施例2に記載の方法に従って決定した。これらのアルファ値を下記表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1からわかるように、本発明のスチーム処理触媒のアルファ値は、ベース触媒のそれからの実質的な変化を示さない。
【0037】
実施例4
触媒A、BおよびCを、大気圧n−デカン異性化装置で評価した。14/24メッシュサイズの触媒約1gを試験に用いた。先ず試料を窒素下500゜Fに加熱し、次いで、系を第一の設定点325゜Fに冷却しつつ、流れを水素とn−デカンのものに切り替えた。この温度でラインアウトした後、オンラインガスクロマトグラフにより、異性化装置を出る生成物を分析し、次いで次の設定点の温度を達成した。325〜495゜Fの範囲の、全9点の異なる温度で触媒を評価した。データを採取し、分析した。全ての生成物を、できるだけ完全に分析した。以下に論じられる異性化生成物には、全ての異性化C10成分(メチルノナン、エチルオクタン等)が含まれる。
【0038】
下記図1は、デカンの水素異性化におけるZSM−48の触媒性能を示す。異性化C10への選択性は、Y軸に、n−C10転化率に対して示される。図1は、ベース(未処理)触媒をスチーム処理することにより、イソデカン収率の有意な向上がもたらされることを表す。図1はまた、触媒のスチーム処理を、少なくとも一種の第VIII族金属を組み込んだ後に行うことにより、ベース触媒より大きなイソデカン収率がもたらされることを示す。スチーム処理触媒のアルファ値は、未スチーム処理触媒のそれらと実質的に異ならないことに留意されたい。従って、殆ど同じ全炭化水素転化率が、所定の温度で保持される。従って、触媒のスチーム処理を制御することにより、触媒活性に悪影響を及ぼすことなく、生成物の選択性を向上することが可能である。
【0039】
実施例5
第二の触媒を、実施例1の触媒と同じ方法で調製した。この触媒を、1000゜Fで10時間、および1200゜Fで12時間、別々にスチーム処理した。ベース触媒、および上記のスチーム処理条件でスチーム処理に付した触媒を、それぞれ触媒D、EおよびFと呼ぶ。スチーム処理後、触媒D、EおよびFを、実施例2に記載のようにPtで含浸し、実施例4に記載のように、n−デカンを用いて試験した。これらの各触媒のアルファ値を、実施例2に概略的に述べられた手順に従って決定した。
【0040】
触媒D、EおよびFのアルファ値を表2に示す。スチーム処理条件により、アルファ値が減少した。これは、これらの触媒が有する、非選択的分解の傾向が少ないことを意味する一方、それはまた、図2に見られるように、活性の損失をもたらす。実施例4の結果をこの実施例の結果と比較すると、触媒を非常に低いアルファ値にまでスチーム処理することは望ましくないことが示される。
【0041】
【表2】

【0042】
実施例6
他の中間細孔ゼオライトも評価した。ZSM−22およびZSM−23を評価した。これらの二つの触媒を、本明細書ではそれぞれ触媒GおよびHと呼ぶ。触媒GおよびHを、実施例1に概略的に述べられた手順に従って形成した。次いで触媒を、実施例3に概略的に述べられた方法に従ってスチーム処理した。触媒Gは、900゜Fで3時間スチーム処理した。触媒Hは、800゜Fで3時間スチーム処理した。
【0043】
スチーム処理後、実施例2で論じたと同じ手順を用いて、Ptを触媒に組み込んだ。触媒GおよびHのアルファ値を、実施例2の手順に従って決定した。触媒GおよびHのアルファ値を測定した。触媒GおよびHは、表3の「触媒の説明」欄にはPt含有と示されるが、未スチーム処理触媒のアルファ値は、Ptを充填する前に測定されたことに留意されたい。
【0044】
【表3】

【0045】
ここでも、触媒のアルファ値は、スチーム処理後、実質的に変化しない。実施例4に概略的に述べられた手順に従い、触媒を、スチーム処理および未スチーム処理形態で評価した。下記図3には、未スチーム処理触媒に対する、スチーム処理触媒の向上が示される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ベ−スPt含有ZSM−48触媒のデカン水素異性化性能を、900゜Fで3時間スチーム処理された二つのスチーム処理Pt含有ZSM−48触媒と比較するグラフである。触媒Bは、Pt含浸後スチーム処理され、触媒Cは、Pt含浸前にスチーム処理された。
【図2】ベ−スPt含有ZSM−48触媒のデカン水素異性化性能を、1000゜Fで10時間スチーム処理された二つのスチーム処理Pt含有ZSM−48触媒と比較するグラフである。触媒Eは、Pt含浸後スチーム処理され、触媒Fは、Pt含浸前にスチーム処理された。
【図3】ベ−スPt含有ZSM−22およびZSM−23触媒のデカン水素異性化性能を、スチーム処理Pt含有ZSM−22およびZSM−23触媒と比較するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10+炭化水素原料油ストリームの異性化方法であって、
a)C10+炭化水素原料油ストリームを、一次元10員環中間細孔ゼオライトを含むスチーム処理触媒と水素異性化条件下で接触させる工程であって、前記水素異性化条件は、
i)温度400〜800゜F、および
ii)圧力400〜2000psig
を含む工程
を含み、
前記スチーム処理触媒は、前記スチーム処理触媒のアルファ値が、同じ一次元10員環中間細孔ゼオライトを含む未スチーム処理触媒のアルファ値を、1超〜10だけ超えることのない条件下でスチーム処理される
ことを特徴とする異性化方法。
【請求項2】
前記スチーム処理触媒は、700〜1000゜Fで10時間未満スチーム処理されることを特徴とする請求項1に記載の異性化方法。
【請求項3】
前記一次元10員環中間細孔ゼオライトは、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−57、ZSM−48またはフェリエライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の異性化方法。
【請求項4】
前記スチーム処理触媒は、前記スチーム処理触媒のアルファ値が、同じ一次元10員環中間細孔ゼオライトを含む未スチーム処理触媒のアルファ値を、1超〜5だけ超えることのない条件下でスチーム処理されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の異性化方法。
【請求項5】
前記水素異性化方法の生成物選択性は、2%超向上することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の異性化方法。
【請求項6】
前記一次元10員環中間細孔ゼオライトは、少なくとも一種の第VIII族金属を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の異性化方法。
【請求項7】
前記第VIII族金属は、第VIII族貴金属であることを特徴とする請求項6に記載の異性化方法。
【請求項8】
前記触媒は、金属の添加後にスチーム処理されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の異性化方法。
【請求項9】
前記一次元10員環中間細孔ゼオライトは、粘土、シリカおよびアルミナよりなる群から選択される少なくとも一種の結合剤または母材物質を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の異性化方法。
【請求項10】
前記結合剤または母材物質は、ゼオライト15部未満/結合剤1部の比率で存在するアルミナであることを特徴とする請求項9に記載の異性化方法。
【請求項11】
前記アルミナは、ゼオライト2部/結合剤1部の比率で存在することを特徴とする請求項10に記載の異性化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−514086(P2006−514086A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568599(P2004−568599)
【出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/041757
【国際公開番号】WO2004/074221
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(390023630)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (442)
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
【Fターム(参考)】