説明

炭混合樹脂ペレット

【課題】屋外に放置しても、太陽光の紫外線による劣化や、腐敗性細菌の増殖による劣化が生じない樹脂原料および製品を提供。
【解決手段】木炭粉、竹炭粉、活性炭粉などの炭粉と、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ペット樹脂のいずれか又は複数の樹脂を溶融した後で、炭粉3〜10重量部と樹脂10重量部で混合して炭粉混合樹脂ペレットを得、このペレットを成形して得られた製品は、紫外線などの太陽光線を吸収して熱エネルギーに変換するため、樹脂の劣化が起こらないし腐敗性細菌の増殖を抑える作用がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は劣化しない樹脂原料と製品に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製品は屋外に放置していると数年間で紫外線によって劣化して脆くなる。
【0003】
特願H05−215008に木炭粉末を熱可塑性樹脂によって所定形状に成形した場合、木材本来の微小空隙によって生ずる吸湿性の機能は低下し、保温性もある程度は失われる。しかしながら、遠赤外線効果や電磁波遮蔽効果は損なわれず、形状を任意に設計生産できる文献がある。
【0004】
この文献は一般的に知られている炭の吸着性、吸湿性、遠赤外線作用、電磁波遮蔽作用を利用した成形物に関するものであり、紫外線による劣化防止や抗菌性に関する機能材としての記述はない。また樹脂成形原料としての記述もない。
【参考文献】

【参考文献1】
特願H05−215008
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
樹脂製品は屋外に放置していると、一定の期間で劣化し、特に液状のものを封入している場合は液漏れなどのトラブルが生じていて困っている。
【0006】
特に屋根材は太陽光線がよく当るため樹脂を使用していると劣化が早く、取替え期間が短くコストを要していた。
【0007】
また、塗装材劣化防護しても、日当たりの良い場所では劣化が早く、短期間での塗り替えが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
炭は紫外線はじめ太陽が放射する電磁波の大半を吸収して熱エネルギーに変換するため劣化しないことは知られている。また、腐敗系の細菌の増殖を抑制する作用があることは、発明者が愛媛県の農業試験所での試験データより確認している。
【0009】
本発明は炭の太陽が放射する紫外線を含む電磁波の大半を吸収する作用の利用と、腐敗性細菌の増殖抑制作用を利用した、樹脂原料と成形物を得るためになされたものである。
【0010】
0.03mm〜0.5mmの炭粉を溶融した樹脂に混合して得た炭混合樹脂であり、ペレット状にして、どのような樹脂成形機でも成形可能に作られた炭混合樹脂原料であり、炭粉と樹脂の重量比率は3〜10対10の炭混合樹脂ペレットである。このときの体積比重は樹脂が約0.7、炭混合樹脂が約1.0である。
【0011】
成形時に炭混合樹脂ペレットを溶融して任意の形に成形すれば、劣化しない細菌増殖抑制作用を有する樹脂成形物を得ることができる。
【0012】
請求項1は炭粉と、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ペット樹脂のいずれか又は複数を溶融した後、樹脂10重量、炭粉3〜10重量の比率で炭粉を混合して得た炭混合樹脂ペレットである。
【0013】
請求項2は請求項1で得た炭混合樹脂ペレットを屋根瓦に成形したものであり、比重が約1.0であり、軽くてコストが安い瓦であることが特徴であり、劣化しない瓦であることが特徴である。
【0014】
請求項3は炭混合樹脂で成形された容器であって、屋外で劣化しないことが特徴であり、容器が軽く長持ちしてコストが安くなる。
【0015】
請求項4は植物植生用のポットであり、屋外で劣化しなくて、細菌の増殖が抑制できることが特徴の植生用ポットである。
【0016】
炭粉には木炭粉、竹炭粉、活性炭粉を使用する。
【発明の効果】
【0017】
炭混合樹脂は紫外線などの太陽光線を吸収して熱エネルギーに変換するため樹脂の劣化が起こらない。また、腐敗性細菌の増殖を抑えるため植物や動物に有効に作用する。
【実施例】
【0018】
請求項1は炭粉3〜10重量と樹脂10重量を定量して、加熱式押し出し成形機に投入し混合して押出して、冷却後破砕機で任意の大きさに破砕した炭混合樹脂ペレットである。
【0019】
請求項2は炭混合樹脂ペレットを射出成形機で瓦の形に成形したものである。
【0020】
請求項3は炭混合樹脂ペレットを射出成形機や張り合わせで容器に成形したものである。
【0021】
請求項4は炭混合樹脂ペレットを射出成形機でポットに成形したものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
紫外線によって劣化しない性質を有するため、長期間使用できる樹脂製品の原料として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生産工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭粉と、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ペット樹脂のいずれか又は複数を、樹脂を溶融した後、炭粉3〜10重量と樹脂10重量の比率で混合して得た炭混合樹脂ペレットである。
【請求項2】
請求項1の炭混合樹脂ペレットを成形して得た屋根瓦。
【請求項3】
請求項1の炭混合樹脂ペレットを成形して得た容器。
【請求項4】
請求項1の炭混合樹脂ペレットを成形して得た植物用ポット。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−293006(P2009−293006A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172786(P2008−172786)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(393007341)株式会社アイテツ (4)
【Fターム(参考)】