説明

炭熱処理工程およびシステム

石炭原料の含水量が原料の自然発生状態での含水量以上となるように活性化媒体を導入することを含む、粒状炭原料から活性炭を生産する方法およびシステム。様々な方法およびシステム構造により、有害な反応状態を回避すると同時に、活性炭または他の熱処理炭素を生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭および他の熱処理炭素の熱生産に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の環境意識は、石炭火力発電所からの有害水銀排出物を除去する必要性に焦点を当てている。これらの努力から、有効な水銀除去技術に関する開発がいくつか為されている。最も成功を収めた水銀除去方法は、石炭火力発電所の煙道ガス流に注入される微粉活性炭を利用する。この分野での広範な研究が証明する通り、すべての活性炭が有効に水銀を除去するわけではない。石炭火力発電所において活性炭を使用する水銀除去の有効性に影響を及ぼす要因は、石炭燃料の種類や水銀濃度など多数ある。活性炭の水銀吸着能力における最大の要因の1つは、活性炭の孔構造である。すべての活性炭が、有効であるために必要とされる適切な孔構造や他の特性を有しているわけではない。活性炭は、水銀の酸化や除去を向上させるために様々な薬剤やガスで処理されることが多い。活性炭が増強剤で処理されているか否かにかかわらず、必然的に、この用途で使用される活性炭は、水銀除去の効果を上げるために必須と考えられる特定の物理的特性故に選択される。水銀排出量を低減するこの比較的成功を収めているアプローチに基づき、いわゆる活性炭(処理済および未処理)は非常に効率的に水銀を低減すると考えられる。
【0003】
活性炭とは、吸着、防臭、および他の用途に有用な非常に大きな表面積を有するように改変された炭素材料を説明するために使用される用語である。よって、活性炭(AC)は、開放または生成された孔構造を有する炭素を指す。活性炭は2つの方法で生産することができる。1つ目の方法は、石炭などの炭素含有材料が蒸気および/またはCOなどの他の活性因子での加熱によって活性化される熱活性化である。第2の活性化工程は、開放孔構造を作成するために各種化学薬品を使用する。これらの処理は非炭素成分を除去して、極めて大きな表面積を有する多孔性内部微細構造を生成する。このような材料1グラムは400〜1200平方メートルの表面積を有することができ、それが内部構造の最大98%を占める。
【0004】
孔構造は、マイクロ孔(<1nm)、メサ孔(1〜25nm)、およびマクロ孔(>25nm)などのいくつかに分類される。メサ孔活性炭は水銀吸着に十分に適する。活性炭は粒径範囲によっても分類される。一般的に、50メッシュ以下の微細な粒径の粉末状活性炭は微粉活性炭(PAC)と称され、4〜50メッシュの粒状活性炭は粒状活性炭(GAC)と称される。
【0005】
上述したように、炭素は熱的または化学的に活性化することができる。化学的活性化は極めてコストが高く、熱的活性化が水銀除去に適した活性炭を生産する場合に好適な方法である。熱的活性炭生産方法は、回転炉床炉、回転か焼炉、および他の各種か焼炉ならびに他の熱処理装置を含む。最も一般的な活性炭生産方法の1つ(図1)は、2つの処理段階によって特徴付けることができる。第1の段階は、炭素質供給材料の熱脱蔵、分解、または炭化から成る。第2の段階は、炭化材料のガス化または活性化である。これらの段階は脱蔵と活性化が別個の反応であることを示唆するものではあるが、実際には工程条件によって相当程度重複している。炭素質供給材料の一部は必然的に脱蔵中に活性化される。同様に、炭素質供給材料の一部はさらに、またはより完全に活性化中に脱蔵される。
【0006】
脱蔵ステップ中、水分、水素、および酸素が炭素質供給材料から除去されて、炭素質供給材料において既存の孔構造を開放させる。活性化中、蒸気、CO、または酸素などの酸化ガスが、脱蔵を完了させる、あるいは脱蔵された供給材料の炭素の部分的または選択
的なガス化を通じて新たな追加の孔構造を作製するために使用される。活性化の定義は選択的ガス化反応であることは文書で十分に立証されている。活性化、ガス化、および部分的燃焼または酸化などの用語は非常に密接に関連しあっており、多くの場合、重複する意味を有する。熱活性化は直接焼成回転炉や多段焼却炉で達成されることが非常に多く、しばしば1000℃超の温度に達する。
【0007】
熱活性化は最も広く使用される活性炭生産方法であり、長年の立証された実績を有するが、運転コストと資本コストは依然として高い。既存の熱活性化方法は、資本、エネルギー、排出制御および廃棄物処理の現行コストのために多額の費用がかかる。事実、炭素含有材料の脱蔵および活性化は通常、長時間にわたり複数段階で概して摂氏600〜1200度(華氏1112〜2192度)という高温の範囲で熱処理される。各段階で必要な時間は数分から数時間にわたる。
【0008】
脱蔵とその後の活性化反応がほんの数秒間で完了する工程スキームを指す「フラッシュ活性化」工程と発明者が称する、活性炭が単独反応槽で生産されるという活性炭生産の新たな概念が出現した。これらのフラッシュ活性化工程は、熱、水分、および他の酸化剤での迅速な脱蔵の原理を利用する。そのような方法の結果、部分燃焼反応、石炭ガス化、および他の類似の脱蔵スキームで一般的に見られる、炭化物形成と活性化が様々な程度で同時発生する。
【0009】
フラッシュ活性化で使用されるスキームにかかわらず、炭素質供給材料、空気、熱、およびCO、O、および水分などの酸化剤は、ガス環境内で反応される。この反応は脱蔵および活性化反応にとって適した条件を形成する。多くのか焼炉や他の熱処理槽は、フラッシュ活性化原理を利用して様々な程度に活性化された炭化生成物を生産するように作動させることができる。たとえば、KBR輸送反応槽ガス化装置は、石炭ガス化の既知の方法である。炭素質供給材料の部分的ガス化を選択するように変更される場合、そのような方法で活性炭を生産する。したがって、迅速で同時発生の脱蔵および活性化(すなわち、フラッシュ活性化)の概念自体、独特なものではない。最も重要な要因となるのは、生産される活性炭の品質およびこの原理の商業的適用の成功である。
【0010】
様々に異なる名称で呼ばれるこの原理の適用例には、「活性炭生産採取法」、「吸着活性化工程(SAP)」、「プラクセア高温酸素バーナ(HOB)PAC生産法」などがある。これらの方法は、この基本的な脱蔵および活性化原理と、ボイラなどの特殊装置、石炭火力発電所煙道ガス流、またはバーナ設計とを結びつける。しかしながら、これらの方法は、商業的な生産能力が未だ証明されておらず、従来の熱活性炭生産方法に匹敵する収率、組成、および全体的品質を備える活性炭を生産しない。これは一部には、複雑な工程変数の過度の単純化および反応槽の設計が原因である。従来技術は、最適な反応槽熱、粒子流、および工程反応条件をより適切に制御するために必要な酸化および還元条件プロファイルを生成する場合に要する有効な反応槽の設計を教示していない。さらに、従来の既知の熱フラッシュ活性化工程における過剰なガス化反応による偶発的損失を制御することが困難な場合が多い。炭素の過度の損失は、生成物の収率を低減させ、生産コストと残存灰の含有量とを大幅に上昇させるため、活性炭生成物の品質を低下させる。したがって、生成物収率の高い高品質な活性炭(および/または独自のまたは異なる活性化特性および用途の活性炭)の一貫した生産は、特に産業規模の生産では依然として実現しがたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって、脱蔵および活性化工程条件のより正確で柔軟な制御を可能にし、高品質のおよび/または様々な活性化特性を有する活性炭を生成する迅速で安価な方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある一定の炭素原料配合および/または熱処理条件下で、生産および/または特性が改善されることが判っている。たとえば、出発材料、移送手段、および反応槽へのガス(たとえば、再循環燃焼煙道ガス(FGR)、空気、二酸化炭素、および/または蒸気)が炭素原料として反応槽に導入され、少なくとも60RPM、好ましくは約90RPM以上の閾値のガス回転速度を生じさせる接線方向に導入されたガスと混合される場合、とりわけ米国特許第7,264,781 B2号に類似する技術を利用するフラッシュ焼成中、炭素質供給原料から炭化された、脱蔵された、および/またはより完全な活性炭を生成できるように厳密に制御可能な条件をもたらすサイクロン流が形成される。改良された新たなフラッシュ焼成技術を利用した、発明者がフラッシュ活性化と称するこの特殊な活性化方法は、以降フラッシュ活性化と称し、後で詳細に説明する。
【0013】
本発明のフラッシュ活性化は、焼成反応槽で実施することができる。焼成を定義すると、材料が化学変化を起こす熱処理の一つの形態であり、通常は材料中の化合成分の脱蔵と称する。粒状材料は、ガス媒体内に材料を閉じ込めて、該材料を加熱することによって効率的に焼成することができる。本発明でフラッシュ活性化と記載されるこの手順は、焼成される材料の特定の焼成特性に応じて様々なやり方で実行される。
【0014】
ほぼすべての焼成方法は、前処理、焼成、および冷却の3つの動作を含む。事前条件付けは、粒径の低減、選別、乾燥、および/または液体または固体の添加物を添加するステップを含むことができる。事前条件付けの主目的の1つは、焼成動作のために均一な自由流動物質を生産することである。焼成は様々な設計の機器を用いて実行することができ、焼成後、焼成された生成物は焼成が生じたガス媒体から分離される。粒状生成物が反応槽ガスから分離されるまで空気圧輸送ガス中の反応が進行し得るため、か焼炉反応槽(炉)と分離サイクロンは1つの連続反応槽(反応槽)とみなされる。反応槽という用語を以下の説明で使用するが、本発明の方法は1つまたはそれ以上の反応槽を有するシステムあるいは反応槽で実施することができると理解すべきである。焼成生成物はさらに処理された後、冷却されて保管槽に堆積されることが多い。
【0015】
含水量が原料の自然発生(すなわち、地面から採掘される前)の含有量と同等あるいはそれ以上となるように、活性化媒体(すなわち、水または水含有物質)を粒状炭原料に供給することは、活性化工程中にある一定の恩恵をもたらすことが判っている。
【0016】
よって、一つの実施形態では、粒状炭から活性炭を生産する方法は、粒状炭原料の含水量が石炭原料の自然発生状態の含水量以上となるように、粒状炭原料に活性化媒体を装荷するステップと、粒状炭原料を熱処理システムに移送するステップと、少なくとも部分的な活性化が生じるように粒状炭原料を熱処理するステップとを含む。
【0017】
別の実施形態では、活性化媒体入口を有する混合チャンバと、熱源を有する加熱チャンバと、サイクロンと、粒状炭原料を移送し、混合チャンバ、加熱チャンバ、およびサイクロンと流体連結するガス移送手段と、を含む粒状炭原料から活性炭を生産するシステムが提供される。
【0018】
優れた収率と他の独自の品質を備える高品質の活性炭を生産するため、本発明の特定の方法に必要な主要要素をいくつか以下に述べる。
1.本発明の方法の一つの主要要素は、1つの反応槽(単段階活性炭生産)または2つの別個の反応槽(2段階活性炭生産)において、炭素質供給材料の脱蔵とその後の活性化反応の両方を達成できるフラッシュ活性化システムである。
【0019】
2.炭素質供給原料は、理想的に適する褐炭などの様々な形態の石炭などの各種粒状炭化水素を含むことができる。他の粒状原料は、木質繊維やココナツの殻などの細胞性材料を含む。他の多くの糖質供給材料も使用可能である。
【0020】
3.炭素質供給材料に関連する他の主要要素は、粒状供給材料の粒径分布の制御である。脱蔵および活性化の速度は粒径によって大きく変動するため、粒状供給材料の粒径分布の制御が重要である。したがって、粒状供給材料および微粉供給材料は、同一の時間、同一の条件下で加熱された場合に、様々な速度での加熱、脱蔵、および活性化を受ける。多くの場合、細かい方の供給材料は過剰に活性化またはガス化されて生成損失を招く一方、粗い方の供給材料は活性化の程度が低くなり、生成物の品質が低下する。炭素質供給材料の粒径は、特定の種類の炭素質供給材料の平均粒径から所定の基準粒径偏差内に収まらなければならない。発明者は、粒径の均一性において以下の炭素原料範囲が特に好ましいと判定した。
【0021】
・0.40mmよりも粗い粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径の2分の1桁内に収まる。
・粒径が0.40mm以下の粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径の4分の1桁内に収まる。
・これらの粒径範囲で重複する原料は、粒子の少なくとも90%が互いに粒径の2分の1〜4分の1桁内に収まる。
【0022】
4.炭素質供給材料をフラッシュ活性化反応槽に導入するために各種技術を利用することができる。これらの技術は、石炭などの燃料が酸化または還元条件下で部分的に燃焼されることによって脱蔵された炭化物が形成されるようにバーナを動作させることと、炭素質供給材料を直接高温のバーナガス内に注入することとを含む。最も好適な方法は、プロセスバーナの下流で高温バーナガスの周囲接線方向に炭素質供給材料を空気圧注入し、反応槽の大半部分を通るサイクロン流を生成することである。代替的には、炭素質供給材料を反応槽へ機械的に移送し、反応槽への投入直後に、予めまたは同時に反応槽に導入させた空気、再循環燃焼煙道ガス、または他のガスの流体と混合させるため、所望の供給材料流パターンを形成することもできる。
【0023】
5.別の主要要素は、炭素質供給材料粒子が過熱などの有害反応状態に至る、および/または部分燃焼反応を優先して収率および孔構造に影響を及ぼすことを防止する必要性である。その工程は、細かい供給材料よりも粗い供給材料の方を長く保持することができなければならない。これは、機械または空気圧のいずれかにより炭素質供給材料を注入し、移送ガスを利用する、および/または再循環燃焼煙道ガスまたは蒸気などの第2のガスを注入してサイクロン材料流パターンを形成することによって、炉内にサイクロン流を形成することですべて達成可能である。炉内のサイクロンガス流の回転速度は最低でも約60RPM、より好ましくは少なくとも約90RPMの平均速度、さらに理想的には120〜240RPMの範囲内に収まらなければならない。炉内のサイクロン流と供給材料移送ガスおよび/または2次的なガス組成とを組み合わせると、バーナ炎によって引き起こされる過度の反応槽温度、および/または供給材料の過度の部分燃焼の影響から炭素質供給材料を緩和することによってより均一な活性炭生成物が生成される。この方法を利用することで、有害な炭素粒子表面反応、灰融合、過剰なガス化、および生成損失が回避される。また、炉内のサイクロン流は、螺旋状材料流パターンを形成して粒子経路長を増加させることで粒子の保持時間を増大させる。
【0024】
6.炭素原料のフラッシュ活性化反応槽への空気圧移送は、移送ガスと第2のガスとの混合を利用する。この結果、脱蔵および活性化が主に反応槽内の別々の領域で生じる反応槽流プロファイルを制御することができる。移送ガスとは独立して第2のガスの添加速度
、含水率、および/または活性化含量を制御することによって、1つのまたは複数の槽を用いて反応時間、温度、酸化および還元条件、ならびに他の脱蔵および活性化工程段階の態様を制御することができる。代替的には、機械式移送を用いて炭素質原料を反応槽に導入し、その直後、反応槽内の所望の組成および量の空気/ガスと混合させることができる。空気/ガスは、供給材料と同時に導入する、あるいは供給材料の前に予め導入しておくことができる。これにより、反応槽内でほぼ同様の材料流状態を生成し、空気圧移送と共に実現することができる。
【0025】
7.別の主要要素は反応槽の寸法である。炭素質材料が異なれば、適切な脱蔵および活性化のために異なる保持時間が必要となる。反応槽は固定された幾何学的形状を有するため、保持時間要件は、粒径、ガス流速、およびサイクロン回転速度によって主に制御することができる。所与の種類の炭素質供給材料および所望の活性化レベルにとって適切な反応槽の寸法選びが必要である。反応槽の寸法の制約条件を決定するため、算出される保持時間要件、最低移送ガス速度、および好適なサイクロン回転速度が使用される。発明者は、炉内部の幾何学形状が好ましくは6対1(長対径)以上であり、約4対1が最小とみなされると判定した。
【0026】
8.別の主要要素は、バーナによってもたらされる発熱率と炭素質供給原料によってもたらされる発熱率である。バーナによってもたらされる熱は、各種燃料源、空気温度、煙道ガスの再循環などバーナを通過するすべての熱源を含む。バーナからの熱のパーセンテージは、炭素質供給原料の部分燃焼によってもたらされる残りの熱を伴う必要な総熱量の20%〜60%である。また、バーナを通じて生成される熱は活性炭454グラム(1ポンド)当たり4000〜10000BTUでなければならない。
【0027】
9.別の主要要素は、すべての水分源(すなわち、燃焼生成物、供給材料水分、注入された水分、煙道ガス再循環など)からの総水分量と炭素質供給材料(乾量基準)との比である。この比は、炭素質供給材料(乾量基準)454グラム(1ポンド)当たり最低1.454グラム(1ポンド)の水分でなければならず、多くの炭素質供給材料にとってより理想的には、炭素質供給材料(乾量基準)454グラム(1ポンド)当たり681〜908グラム(1.5〜2ポンド)の水分量である。
【0028】
10.炭素質供給材料の注入から生成物の反応ガスからの分離までの槽として画定される反応槽の設計は、還元環境へと移行する酸化環境を生成しなければならない。多くの前駆物質において、還元環境への移行前の最初の酸化環境は、有害反応を制御するための追加手段である、活性化直前の供給材料表面の前処理として有益であり得る。1つの反応槽での単段階の活性炭生産を利用する際、脱蔵は還元環境に移行する酸化中に生じ、活性化は主に還元ガス環境下で生じる。別々の領域作成を支援するため、空気、再循環燃焼煙道ガスなどの追加ガス、および/または水分を反応槽のガス流路に沿った様々な地点で添加して、反応槽内に別々の反応領域を作成することができる。複数の反応槽での2段階活性炭生産を利用する際、活性化は、1つの反応槽での還元環境に移行する酸化中に生じる。脱蔵は、第1の反応槽から分離された煙道ガスを熱源として利用する個別の反応槽内の還元ガス環境下で主に生じる。2段階活性炭生産を利用する際に別々の領域作成を支援するため、空気、再循環燃焼煙道ガスなどの追加ガス、および/または水分を一方または両方の反応槽のガス流路に沿った様々な地点で添加することができる。
【0029】
11.システムを始動および停止する際、酸化状態から還元状態への移行中、あるいは還元状態から酸化状態への移行中、反応槽の活性化領域における温度の急上昇を迅速に制御することのできる方法が必要とされる。始動時の温度急上昇は、余分な酸素が消費され尽くすまで、過剰な炭素質供給材料の燃焼によって引き起こされる。停止時の温度急上昇は、余分な酸素が利用可能となるときの反応槽での高温の余剰炭素の燃焼が原因である。
【0030】
12.さらに、マグネシウム、トロナ、または炭酸カルシウムなどの、焼成される副生成工業鉱物を含めることによって、焼成生成物(たとえば、石灰)が活性炭と同時に生産されて、さらに焼成の吸熱性による温度制御源となることができる。共同生産される、あるいは副生成工業鉱物は、熱処理される炭素と同じ動作条件下で焼成されることができ、量の点で熱処理システム出力の少なくとも50%を占める鉱物として定義される。したがって、たとえば、石灰石が十分な量熱処理される炭素と共に導入されて、活性炭に加えて(石灰の形態で)出力の少なくとも50%を占める。よって、副生成工業鉱物は、システムに添加されるが、認識可能な量の別の「副生成物」とはならない(生成物のシステム出力の50%を明らかに超えない)とはならない単なる「エンハンサ」と区別される。たとえば、臭化物ドーパントの炭素への添加は、主に臭素化される炭素が結果的には生成物のシステム出力の少なくとも50%を構成する別の「副生成物」とはならない理由から、エンハンサであって、副生成工業鉱物とはみなされない。当然ながら、副生成工業鉱物は活性炭に効率性を加えることができる。たとえば、石炭火力発電所煙道ガス内の硫黄を石灰で除去することは、活性炭の水銀吸着能力に恩恵をもたらすことができる。もう一つの例がトロナと一般的に呼ばれる工業鉱物であり、活性炭と共焼成される場合に、硫黄化合物を除去するのみならず、焼成中に生成されるトロナ孔構造に水銀を吸着させるため水銀吸着に恩恵をもたらすことができる。
【0031】
13.さらに、金属鉱物、酸化物、または鉄化合物、ニッケル化合物、または他の鉱物化合物などの塩を含めることによって、活性炭が石炭火力発電所における水銀制御のために使用されるときに使用済み活性炭の分離に有益なわずかに磁性または常磁性の活性炭を生産することができる。
【0032】
14.さらに、この活性炭生産方法は、臭素化などの予め活性化されるハロゲン化合物処理に向いている。この処理は、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、または臭化鉄などのハロゲン化塩の予混合、あるいはハロゲン化物と炭素前駆物質との組み合わせなど、いくつかの形で行うことができ、活性炭の活性化とハロゲン処理を同時に発生させる。熱処理条件により、炭素前駆物質の同時活性化およびハロゲン化は、活性炭のハロゲン化の効果に好ましい影響を及ぼすことができる。
【0033】
15.さらに、別の独自の活性炭ハロゲン化方法が、フラッシュ活性化される活性炭が上述したように酸化カルシウムなどの工業鉱物と同時に生産される、あるいは金属鉱物、酸化物または塩、あるいはこれらの化合物の2つまたはそれ以上の組み合わせと予混合されるときに利用することができる。この方法は副生成活性炭とハロゲン酸とを反応させて、ハロゲン化塩(すなわち、臭化カルシウム、臭化鉄)から成るハロゲン化生成物を生じさせる。いくつかのハロゲン化塩強化活性炭生成物は、灰副産物からの使用済み強化活性炭の磁気分離が所望される場合に有益となり得る常磁性を有することができる。磁気分離の利用可能性の1例は、強化活性炭が石炭火力発電所からの水銀除去のために使用されるときに生じる可能性がある。
【0034】
概して、活性炭生産の資本コスト要件を大幅に低減する工程と、固有に安定的で、容易に調節可能で、正確に再現可能な処理とが必要とされる。
本発明の追加の特徴および利点は、添付図面と合わせて、以下のある一定の好適な実施形態の詳細な説明を読めば明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術の活性化システム(たとえば、焼成プラント)を概略的に示す。
【図2】本発明に係るシステムおよび方法の全体的フロー図である。
【図3】本発明に係る単段階方法のフロー図である。
【図4】本発明に係る2段階方法のフロー図である。
【図5】本発明の第1のシステムの実施形態を概略的に示す。
【図6】本発明の第2のシステムの実施形態を概略的に示す。
【図7】本発明の第3のシステムの実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係る工程は以下のメインカテゴリ:1)炭素質供給材料(原料)配合、2)焼成または他の熱処理、3)活性化、4)後活性化処理、5)プロセスガスの調整6)任意の活性炭強化手法、に分けることができる。焼成段階は、1つの反応槽(単段階活性炭生産)または2つの別々の反応槽(2段階活性炭生産)における炭素質供給材料の脱蔵とその後の活性化反応との両方によって達成することができる。以下のセクションは、図2の工程ブロック図(図3〜4での同様の部分/工程には同一の符号を付す)に対応する。
炭素質供給材料配合10a〜10d
本発明の第1の実施形態は、様々な炭素質供給原料を使用して粒状活性炭と微粉活性炭の組み合わせを生産することができる。炭素質材料の混合物は、活性炭の特性を調整するために作製することもできる。使用可能な材料は、石炭、バイオマス、および石油系材料などである。利用される供給材料の種類は、それぞれの材料が独自の吸着特性を生み出す、あるいは有するため、活性炭の意図される用途に依存する。たとえば、活性化されると、褐炭は優れた気相水銀吸着特性を有する活性炭を生成し、ココナツの殻などのバイオマスは最高の全般的吸着能力を有する活性炭を生成する。
【0037】
供給材料10bの配合は、原料と所望の最終生成物によって変動する。概して、発明者の活性化技術が示すように、高品質な生成物を生産することができ、必要に応じて活性炭をさらに粉砕することができる理由から、より粒状性の高い活性炭の生産が最も効率的である。したがって、工程が活性炭を生産する上で粒状供給材料のみを必要とするのではない場合でも、工程の利点と生成物の品質が実際に示す通り、定義された供給材料の粒径分布で粒状供給材料を使用して最高品質の活性炭を生産することができる。さらに、粒径が少なくとも240メッシュである原料粒が最適である。褐炭用の典型的な供給材料配合では、最初の粉砕後にマイナス10メッシュにロール粉砕される。ロール粉砕は、最小粒度を得るために他の粉砕方法よりも好まれる場合が多い。粉砕された材料は、必要に応じて大きすぎる材料を選別して、粉砕機に再循環させることができる。120メッシュよりも細かい材料は、別個に処理して、異なる特性を有する活性炭を生産することができる。配合された供給材料はサイロまたはホッパに保管される。炭素質供給材料10a内の水分は、また炭素質供給材料が、過剰な初期反応槽温度による反応槽14aおよび/または15a内の不都合な初期反応条件から影響を受けるのを緩和するために有益でもあり得る。炭素質材料の自由含水量は、供給材料の粒径および流特性によって制限される。供給材料10aは、反応槽サイクロン流へ適切に供給し、移送し、分散させるために自由に流れなければならない。
【0038】
120メッシュ未満の微細な供給材料は粗い粒状供給材料よりも極めて速く脱蔵および活性化する傾向があるため、微粉が結果的に過度に活性化またはガス化され、生成損失のみならず残留灰も増加する。微粉のガス化はまた活性化ガスの過剰な損失も招き、残りの活性炭粒子の品質を劣化させる。これらの問題がさらに悪化すると、効率と工程能力の損失が生じる。概して、システム外でガス化または搬送される炭素454グラム(1ポンド)毎に、必要とされる煙道ガス条件が増える。この増加したガス条件は、プラントの生産能力をさらに低下させる。概して、キャリーオーバ、あるいは過剰なガス化により失われた454グラム(1ポンド)毎に、454グラム(1ポンド)よりも一層多くの生産能力が失われる場合がある。
【0039】
ホッパまたはサイロ10cは好ましくは、第1の生成物が入り、第1の生成物が出るホ
ッパと称される質量流型である。このホッパは、か焼炉へ入念に計量して供給される配合炭素質供給材料用の容器としての役割を果たす。ホッパは、か焼炉へ一定して途切れず材料を供給するためのサージ容量を提供する。ホッパレベルが上昇すると、粉砕回路からの炭素質供給材料が比例して増大し、ホッパレベルが低下すると、粉砕回路からの炭素質供給材料は比例して減少する。これにより、粉砕回路は断続的に動作し、保全のための時間を提供する。ホッパから放出され、計量されて提供される材料は、空気圧移送線に導入されて、か焼炉反応槽に搬送される。当然ながら、か焼炉は一つの例示的な活性化システムとして使用されており、本発明の方法は、粒状炭素原料を加熱して本文書に記載されるような活性炭を形成する場合に適した他のシステムで実施することができる。
【0040】
ガスまたは燃料油が反応槽多燃料バーナ14bに利用できない、あるいは経済的または物流上の理由から制限され、石炭が炭素質供給材料として利用される状況では、炭素質供給材料10dの一部を転用し、多燃料バーナ14bにおいて主燃料または副燃料として使用するために配合することができる。
【0041】
移送ガスおよびブロア11
空気、再循環燃焼煙道ガス(FGR)、他のガスまたは組み合わせを含むことができる移送空気/ガスブロア11を、炭素原料を反応槽14aおよび/または15aに移送するために利用することができる。炭素原料は、反応槽へ機械的に移送し、反応槽に投入直後、反応槽に予めまたは同時に導入される空気、再循環燃焼煙道ガス、他のガスまたは組み合わせのサイクロン流と混合することによって、所望のサイクロン供給材料流パターンを形成することができる。
【0042】
活性炭エンハンサおよび/または同時副生成物の生産12、17b、および20
本発明の一つの態様は、活性炭と他の工業鉱物、金属鉱物、酸化物、および塩とを同時生産して、「強化活性炭(EAC)」を生産することである。この各種材料の同時生産は、いくつかの場合ではその後追加で酸または塩基処理されて、SO除去、常磁性特性、ハロゲン化、または発泡係数の低い強化活性炭など、独自の特性を備える利用し易い多機能強化活性炭混合物を生成する。いくつかの場合、活性化中に生じるこれら多くの副生成物の存在が、物理的な活性炭孔粒径分布と吸着特性を強化することができる。代替的には、副生成供給材料と炭素質供給材料は予め機械的に混合し、同じ供給位置からシステムに計量されて供給することができる。
【0043】
発明者は、フラッシュ活性化を用いる活性炭の強化を3つの基本カテゴリに分割している。
第1のカテゴリは、各成分を、フラッシュ焼成を用いて別々にではあるが同時に生産することのできる、同時にまたは共同で生産される活性炭生成物である。副生成活性炭の生産は、石灰、トロナ、アルミナ、および粘土などの工業鉱物を含む。同時に生産される副生成活性炭の1例が酸化カルシウム(石灰)と活性炭である。発明者の技術は当初、石灰、トロナ、アルミナ、および粘土などの工業鉱物の焼成のために開発され、石灰が最も綿密に開発された。石灰を焼成すると同時に、活性炭を脱蔵および活性化するためのフラッシュ活性化の利用は、非常に有効であることが立証されている。そのような生成物は、電力発電所におけるSOおよびHgの除去に適する。
【0044】
第2のカテゴリは、活性化中に活性炭を強化するために炭素質供給材料に加えられる添加物であるが、それ自体典型的にはフラッシュ焼成されない。これらの添加物は金属鉱物、酸化物、および塩を含む。この1例が、臭化ナトリウムを炭素質供給材料に添加し、混合物をフラッシュ活性化して、活性炭の同時活性化およびハロゲン化から得られる多数の強化特性を備えた、十分にハロゲン化されたハロゲン化活性炭を生産することである。ハロゲン化活性炭は、石炭火力発電所の煙道ガスからの元素水銀などの気相汚染物質を酸化
する能力のために利用されることが最も多い。この第2のカテゴリの別の例は、金属鉱物または酸化物の炭素質供給材料への添加である。活性化温度で、活性化条件下で加熱されたとき、この混合物は、追加活性炭処理のための触媒または前駆物質としての役割を果たし得る均一な金属に富む活性炭を生産することができる。そのような活性炭生成物は、磁性または常磁性を有するように設計することができる。
【0045】
第3のカテゴリは、酸または塩基またはその組み合わせを用いて最初の2つのカテゴリのいずれかの下で生産される活性炭の後処理である。この1例は、石灰強化活性炭とハロゲン化(臭化カルシウム)強化活性炭を生産する臭化水素酸との反応である。この第3のカテゴリの別の例は、鉄増量活性炭を臭化水素酸で処理して、常磁性特性を有するハロゲン化(臭化鉄(IIまたはIII))活性炭を生産することである。
第2のガス、たとえば、再循環燃焼煙道ガス(FGR)13a〜13bと混合される工程への炭素質供給材料の導入
【0046】
第2のガス13a、たとえば再循環燃焼煙道ガス(FGR)は、ブロア11と混合する、あるいは反応槽14aに直接注入して、反応槽14a内の適切なサイクロン回転流速および流プロファイルに必要な追加ガス流をもたらすことができる。これにより、供給材料の移送に影響を及ぼさずに再循環燃焼煙道ガス13aの速度を独立して制御することができる。再循環燃焼煙道ガスは、Oが好都合にも小量であるとともに水分が多くCOが相当量あるため、優れた活性化ガス源である。過剰酸素が存在すると炭素を消費するため、再循環燃焼煙道ガスは早期の燃焼反応の抑制を助けることができる。
【0047】
第2のガス、たとえば、再循環燃焼煙道ガス13aの水分13bおよび他の態様は調節することができる。これにより、作業者は、広範な反応条件と生成物が実現可能であるように加熱環境を変更および制御することができる。またこれによっても、炭素質供給材料における、初回の注入時に遭遇する早期のピーク炎温度および不都合な反応の影響を緩和することになる。
【0048】
炭素原料10aは、移送空気/ガスブロア11、再循環燃焼煙道ガス13a、他のガスまたは組み合わせを用いて反応槽14aに移送され、反応槽14a(枠13cによって示す)への投入前または投入時に混合されて、炭素原料を反応槽に移送することができる。空気圧移送は炭素質供給材料を反応槽に導入する好適な方法であるが、供給材料は反応槽へ機械的に移送され、反応槽への投入直後に、反応槽に予めまたは同時に導入されるブロア11、再循環燃焼煙道ガス13aおよび/または13bからの空気、再循環燃焼煙道ガス、他のガスまたは組み合わせの流体と混合されて、所望のサイクロン供給材料流のパターンを形成することができる。
【0049】
加えて、上述したように、炭素質供給材料10a内の水分は、炭素質供給材料を不都合な早期反応から守るためにも有益であり得る。高湿ではあるが、自由に流れる炭素質供給材料は、再循環燃焼煙道ガス、空気、他のガス、または組み合わせのいずれを使用しようと、サイクロン供給材料流を生成し維持するために有益である。
【0050】
11、13a、および13bの流速は、反応槽14a内でサイクロン流を生成する場合に必要な動力を提供する。反応槽14a内のサイクロン流は供給材料移送ガスおよび/または2次的なガス組成と組み合わせて、炭素質供給材料において、バーナ炎によって生じる過剰な反応槽温度および/または供給材料の過剰な部分燃焼を緩和してより均一な活性炭生成物を生成する。これは、粒子が反応槽壁に近接して移動するように粒子に作用する遠心力によるものである。これにより、供給材料と高温バーナ燃焼ガスとがより段階的に混合されて、収率と炭素孔構造の発生を向上させることができる。さらに、サイクロン流によって、反応槽は細かい材料よりも粗い供給材料の方を長く保持させることができる。
反応槽内のサイクロンガス流の回転速度は好ましくは、反応槽の「燃焼」または酸化区域において最低約90RPMの平均回転速度、より理想的には120〜240RPMの範囲に収まらなければならない。この方法を利用することによって、有害な炭素粒子表面反応、灰融合、過剰なガス化および生成損失が回避される。さらに、反応槽内のサイクロン流は、螺旋状の材料流パターンを形成して粒子路の長を拡張することによって粒子保持時間を増加させる。
【0051】
最高回転速度は、炉槽の幾何学的形状と炭素質供給材料の特性に応じて変化する。過剰な回転速度は、粒子の摩耗を招くことによって、より細かな炭素質材料の破片を生成する場合がある。微細な破片は、より広い供給材料粒径分布が利用されたのと同じような結果を招く。上述したように、多くの場合、細かい供給材料の方が生成損失につながる過剰な活性化またはガス化に遭遇し易い一方、粗い粒状供給材料は活性化の程度が低く、生成物の品質が低下する。反応槽の垂直部の接線方向の粒子回転速度は、炉の入口で1秒当たり1〜8回転、炉の出口で1秒当たり0.5〜4回転とさらに定義される。
【0052】
反応槽14aは、脱蔵および活性化が主に反応槽の別々の領域で生じる酸化状態および還元状態の両方を有する。サイクロンガス流速、含水率、および/または活性化内容を制御することで、酸化から還元への移行プロファイルを変更することができる。次にこれらは、サイクロン回転速度、反応時間、温度、酸化状態および還元状態、ならびに脱蔵および活性化工程の他の態様にも影響を及ぼす。したがって、11、13aおよび/または13bからの空気およびガス流は、最適な反応槽流条件を形成するために必須である。
【0053】
反応槽は典型的には、垂直および水平の両方の槽と配管を含む。炉の垂直部で要する最低線移送速度は、炭素質供給材料の粒径および他の特性に依存する。概して、線速度は、1秒当たり35フィート以上でなければならない。反応槽の垂直部の最低速度はチョーク速度と称される。反応槽の水平部で移送する粒子を維持するために要する最低速度はサルテーション速度と称される。垂直槽よりも水平槽で空気圧移送を維持する方が困難であるという事実により、サルテーション速度はチョーク速度よりも速い。つまり、最低反応槽移送速度はサルテーション速度によって制限される。サルテーション速度の要件を低減させるため、本発明は反応槽の水平配管部を下向きに傾けることによって最低速度の大幅な低減を実現する。サルテーションを回避するために最低速度要件を大幅に低減するには15度以上の下向き角度で十分である。さらに、これにより、反応槽の垂直部と水平部により近い最低速度要件を持たせることができる。
【0054】
単段階活性炭生産14a〜14e
反応槽14aは空気圧式フラッシュか焼炉(PFC)の心臓部である。上述したように、活性炭を生産する炭素質材料の焼成は2つの異なるステップに分類することができる。第1のステップは典型的には、水分と揮発性炭素質との化合物が供給材料粒子から排出される脱蔵とみなされる。第2のステップは、HO、CO、および/またはOなどの活性化ガスを使用する残りの炭素炭化物粒子の活性化である。上述したように、これらのステップは脱蔵および活性化が別々の反応であることを示唆するものではあるが、実際には工程条件に応じて相当程度重複する。炭素質供給材料の一部は必然的に脱蔵中に活性化される。同様に、炭素質供給材料の一部が活性化中にさらに、またはより完全に脱蔵される。
【0055】
活性化反応は以下を含むがそれらに限定されない。
1次活性化反応の例:
C+HO>>CO+H
C+CO>>2CO
C+O>>CO
2次活性化反応の例:
C0+HO>>CO+H
2CO+O>>2CO
本発明の1態様は、直後および/または同時の炭素活性化に適するように調整された高温ガス環境下での迅速な脱蔵を利用する独自の単一型活性炭生産方法である。これを「単段階」活性炭生産と称する。
【0056】
この段階で、炭素質供給材料の一部が脱蔵を受ける一方、粒状材料の他の脱蔵部分は活性化されるために先に進む。これにより、粒状供給材料を迅速に連続的に脱蔵および活性化することができる。完全な脱蔵/活性化に必要な保持時間は温度に依存するが、概して2〜15秒内に達成することができる。必要な温度はここでも使用される炭素質供給材料の種類に依存するが、概して華氏1200〜2100度の範囲に及ぶ。反応槽は、還元状態に移行する酸化状態の下で作動して、活性炭の収率および生産速度を最大化させる。圧力は概して、大気状態近くにに維持される。また、バーナを通じて生成される熱は、活性炭454グラム(1ポンド)当たり4000〜10000BTUでなければならない。
【0057】
主焼成反応槽14aは、概して中央に載置された鉛直配向のバーナ14bが嵌合されている縦型の円形開放チャンバである。バーナは、焼成に必要な熱入力をもたらす。バーナは、ガス/油または石炭燃料を用いて安定した酸化状態下で燃焼される。か焼炉反応槽内の還元状態は、炭素質供給材料が残りの過剰な空気を消費することによって酸素枯渇環境を生成する場合に生じる。バーナが酸化状態で動作する主な理由は、安定した動作を促し、生産される活性炭が、大幅に異なる条件にさらされたバーナ燃料源からの炭素で過剰に汚染されないように確保するためである。反応槽が、活性化にとって好ましい(COおよび水分を含んだガス)還元(酸素枯渇)状態に移行し、そこで動作するには、生産された活性炭を上昇温度で活性化ガスから分離させる必要がある。また、還元状態では、分離されたガスが、結果として生じるCOおよび他の揮発性ガスを消失させるように後で酸化される必要がある。再循環燃焼煙道ガス14cは、たとえば、バーナ炎温度の制御を助けるために酸化された後、複数の源からのバーナと共に使用することができる。もしくは、バーナ14bの燃料要件を低減する場合に利用可能な相当量の燃焼性ガスを依然として有する反応槽14または15aから、14cを介して再循環燃焼煙道ガスを供給することができる。間接熱交換器による14cからのガスの冷却が、ガスを安全に14bに戻すために必要となる場合がある。
【0058】
上述したように、供給材料を反応槽に導入する好適な方法は、材料を空気圧で移送することである。これにより、供給材料ホッパの底部の計量フィーダからの供給材料は空気によって移送されて、移送ガス11および第2のガス13a(たとえば、再循環燃焼煙道ガス、または煙道ガスの再循環(FGR))の混合物と混合される。この空気流は、1つの地点または複数の地点のいずれかで接線方向にか焼炉に導入される。再循環燃焼煙道ガスなどの第2のガスは、活性化に必要な追加のHOおよびCOを反応槽に提供することによって適切な活性化に必要な条件を強化する。接線方向の注入は、上向きに流れる渦状サイクロンを生成する。この鉛直方向上向きに移動する渦流により、材料は反応槽壁と超高温バーナガスとの間のバッファの役割を果たすことができる。材料が垂直に移動するにつれ、反応槽ガス温度が低下し、材料温度が脱蔵および活性化の地点まで上昇する。渦流により、粗い材料は細かな材料よりもわずかに長く保持し、より均一な活性炭生成物を生産する。このプロセスは幅広い負荷調整範囲を可能とし、様々な燃料を利用することができる。
【0059】
反応槽14aには、反応槽に沿った様々な地点に補助的な空気および/または水分注入口14dが設けられる。これらの注入口により、流プロファイルを維持し、酸化および還元区域の状態を修正する際の追加の柔軟性と制御が得られる。本発明のシステムの設計と
動作は十分に柔軟なものであるため、特定の種類の供給材料の使用と特定の活性炭生成物の生産とを最適化するように調節される。空気および/または水分の反応槽への注入の位置決めおよび制御は、コークス化反応および燃焼反応を抑制する場合に利用することができる。たとえば、反応槽内の酸化領域を拡大または最小化するために、反応槽に沿った1つまたはそれ以上の空気/水分注入口の位置を変動させることができる。柔軟性が高くなるほど、発生する反応槽内の反応領域を明確に定義することができる。
【0060】
鉛直配向バーナ14bには、焼成空気流から落下した材料を移送するため、連続的または断続的な除去を可能にするように底部に清掃機構が設けられる。バーナから放出された材料は、廃棄するか、あるいは処理してシステムに戻すことができる。反応槽の温度は、主に材料の供給速度によって制御することができる。つまり、反応槽への供給速度が速いほど、反応槽温度が低下し、反応槽への供給速度が遅いほど、反応槽温度は上昇する。これにより、バーナはほぼ最適な条件で燃焼し、ガス流の一貫性を維持する上でも役立つ。供給速度の変化を制御する場合の温度変化は迅速であり、ほんの数秒間で変化することができる。一方、空気/燃料比を使用する温度変化はずっと遅く、数分を要し、システムの変調につながる可能性がある。また、反応槽温度は、システムが安定動作を達成した後に主に水分注入によって制御することもできる。構造物のか焼炉材料は、華氏2400度以下の範囲の動作温度で設計することができる。
【0061】
材料は反応槽の炉部分の最上部で接線方向に流出する。接線方向の出口は、反応槽内の渦流を維持するのに役立つ。接線方向に流出する材料は、下向きに傾斜する配管を通じて移動し、反応槽の高温サイクロン分離器部分に入る。材料はサイクロンにつながる反応槽の炉部分の外壁と配管とに沿って移動しながら部分的にガス流から分離されるため、接線方向の出口はサイクロン効率を高めるのに役立つ。サイクロンでは、温度は所要の最低活性化温度以上に維持される。上昇温度で活性炭生成物をガス生成物から分離することが重要である。これにより、高品質の生成物を確保する活性炭排出前に、活性炭が(低温で吸着可能な)ガス汚染物質を採取しないようにすることができる。サイクロンからの活性炭排出後、材料は還元状態下を維持する。
【0062】
フラッシュか焼炉の動作中、酸化状態から還元状態へ移行する際、または還元状態から酸化状態へ移行する際、特別な考慮が図られねばならない。水分注入システム14eは温度限界設定点まで制御ループされ、システム温度が記載の条件下の高温限界を急速に超えるのを防止するために使用される。
【0063】
酸化状態から還元状態へ移行する際、過剰な酸素が消費されるまで、炭素質供給材料の温度は急上昇する。過剰な酸素が消費された後、炭素質供給材料がさらに増加して温度を低下させる。水分も温度の緩衝物質となるため、システムが移行中に動作温度を維持することができる。代替的には、周囲空気を優先して予熱燃焼用空気を迂回させ、移行中の工程温度を低下させることができる。また、再循環燃焼煙道ガスを余分に追加することで、動作状態の移行に関連する不都合な燃焼反応を軽減するのに役立てることができる。
【0064】
還元から酸化へ移行する際、反応槽壁上の残留炭素はすぐに燃焼して、望ましくない温度の急上昇を引き起こす。これは、たとえすべての供給材料とバーナ燃料が遮断されていても、空気がシステムに進入し続ける限り発生する。すべての空気、燃料、および供給材料を遮断することで温度の急上昇の多くは防止されるが、冷却されるまでシステムは燃焼可能な危険な状態で放置される。再度、水分注入14eを利用して、残留炭素が消費されるまで、移行中の温度を和らげる。もしくは、周囲空気を優先して予熱燃焼用空気を迂回させることでも、移行中の工程温度を低下させることができる。また、13aまたは14cのいずれかから再循環燃焼煙道ガスをさらに余分に追加することで、動作状態の移行に関連する不都合な燃焼反応を軽減するのに役立てることもできる。
【0065】
異なる炭素質原料の場合、反応槽流出ガスの組成は、炭素質供給材料の特性に応じて大きく変動する可能性がある。他の変動要素は、供給材料移送ガスの組成および流速、燃焼組成および流速、燃料補充速度、出口温度、および水分注入速度などである。これらの変動要素は実質上、主に供給材料の特性、活性炭生成物の特性、および流出ガスの組成に基づき調節することができる。流出ガスの組成はいくつかのガス状の化学種を含む。相互の関係が特に重要な3つのガス状の化学種がある。これらのガス種は一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、および水素(H)である。これらの種同士の割合は、反応槽の活性化ガスの適切な条件を決定する助けとしての役割を果たし得る。高品質活性炭の生産のためにこれらの種の間に存在する新規の割合範囲が以下の通り発見された。
【0066】
CO対H比=1:1〜1.75:1
CO対CO比=1:1〜2.25:1
対CO比=0.9:1〜1.75:1
上述したように、サルテーション速度の要件を低減させるため、本発明は反応槽の水平配管部を下向きに傾けることによって最低速度の大幅な低下を達成する。サルテーションを回避するために最低速度要件を大幅に低減するには15度以上の下向き角度で十分である。これによりまた、反応槽の垂直部と水平部により近い最低速度要件を持たせることもできる。
【0067】
2段階活性炭生産15a〜15b
活性炭の生産を段階化させることが、いつくかの場合において有益である。段階化とは、炭素質供給材料が最初にフラッシュ焼成流内で脱蔵されて、次に別のフラッシュ焼成流内で活性化されることを意味する。段階は、別々の排出流を有する完全に別個の焼成ユニットとなり得、あるいは段階は1つのユニットに統合して、連続して動作させることができる。
【0068】
2段階の単一型活性炭生産プラントは、1段階からの廃熱流が第2の段階のための熱を供給する発明者が特許を所有する空気圧式フラッシュか焼炉(PFC)技術(たとえば、米国特許第7,264,781号を参照)と類似の機能を果たす。この構造では、活性化段階は高温段階であり、脱蔵段階はそれより低い温度である。炭素質供給材料は活性化段階からの廃熱ガス流に入った後、脱蔵される。次に、脱蔵された炭素は活性化段階に供給される。その後、活性炭はガス流から分離されて排出される。
【0069】
2段階工程は、炭素質供給材料10cが脱蔵反応槽15aに空気圧または機械によって移送されるところから始まる。炭素質供給材料の反応槽への空気圧移送は、炭素損失を低減するのを助けるため移送媒体として再循環燃焼煙道ガスを利用することができる。代替的には、周囲空気を移送空気媒体として利用することができる。反応槽へ供給材料を空気圧で導入することは意義深く非常に有益ではあるが重要ではない。供給材料は反応槽に入り、反応槽は利用可能なかなりの廃熱を依然として有するプロセスガスをか焼炉反応槽14aから搬送する。炭素質供給材料を脱蔵するため、材料は先行の活性化段階からの利用可能な十分な熱を有するガス流中に分散される。プロセスガス流は、炭素損失の低減に役立つべく依然として酸素は枯渇した状態であり、脱蔵された炭化物とガスは空気圧でサイクロン分離器へと移送される。サイクロンでは、ガスと固体が分離されて、固体はサージホッパへと排出される。分離されたガスは、工程のプロセスガス処理部分へと進む。サージビンは、入念に計量されて活性化反応槽14aへ供給される脱蔵された炭素供給材料用の容器としての役割を果たす。サージビンは、か焼炉反応槽への一定した途切れのない材料供給を行うためのサージ容量を提供する。供給材料は、高温可変式エアロックを通じてサージピンの底部から排出される。
【0070】
サージビンのレベルは工程の最初に、主供給材料ホッパ10cからの炭素質供給材料の速度を調節することによって維持される。レベルが低下するにつれ、供給材料はそれに比例して増加し、レベルが上昇するにつれて、供給材料はそれに比例して減少する。このシステムによりシステムへの一定の荷重を維持し、システムのバランスを取ることに関連する問題を回避する場合に役立つ。レベルの監視方法は、直接接触型レベルインジケータであってもよく、あるいはサージビンを荷重計上に配置することもできる。サージビンは、華氏1200度を超える還元ガスおよび材料を取り扱うように設計された材料で構成される。
【0071】
また、サージビンは、乾燥材料の一部を上流のバックミキサに戻すことができるように装備されて、自由に流れる供給生成物を十分に生産するため、原料と乾燥供給材料との逆混合を必要に応じて可能にする。逆混合の量は、必要に応じて、供給材料の最初の含有量に左右される。
【0072】
その後、脱蔵された炭化物は、再循環燃焼煙道ガスを含有する空気圧移送ライン15bに計量されて供給されて、炭化物の酸化を防止する。また、固体、液体、および/または気体の添加物は、この時点、すなわち、脱蔵後で活性化の前に導入することができる。その後、炭化物は上述の焼成反応槽と同じ活性化反応槽14aに接線方向に導入される。この槽は、脱蔵反応が既にほぼ完了しているという事実を除き、上述と同様に動作する。活性炭の放出および生成物の取扱は、単段階または複数段階のいずれの脱蔵および活性化工程が選択されることとは関係なく同一である。
【0073】
上述したように、2段階生産は、異なる温度で動作する2つの別々のフラッシュか焼炉を用いて達成することができる。1つのユニットは脱蔵された炭化物を生成し、その後それを炭化物を活性化する別のか焼炉反応槽に供給して活性炭を生産する。効率はかなり劣るが、この方法により、各段階は別々の放出制御機器と異なる工程速度を有することができる。また、上述したように、サルテーション速度要件を低減させるため、本発明は反応槽の水平配管部を下向きに傾けることによって最低速度の大幅な低減を実現する。サルテーションを回避するために最低速度要件を大幅に低減するには15度以上の下向き角度で十分である。これによりまた、反応槽の垂直部と水平部により近い最低速度要件を持たせることができる。
【0074】
工程ガス処理16a〜16j
煙道処理は概して、調節された排出物の破棄および/または除去ならびに廃熱の利用または制御を含む。煙道ガスを制御し処理する方法は多数あるが、本発明の工程は典型的には、以下の制御技術を使用する。熱酸化剤(T.O.)槽16aは、活性炭生産工程中に生成されたH、CO、および揮発性有機化合物(VOC)などの燃焼反応を完了させるだけでなく、必要に応じて選択的無触媒還元(SNCR)の使用を通じてNOxを制御するためにも採用される。このステップは、外部で加熱された熱酸化剤を使用するか、あるいは触媒酸化機器を採用して集塵した後に実施することもできる。典型的には、活性炭生産槽の直後に配置される熱酸化剤が使用される。この位置は、適切な酸化温度で空気16bを追加してプロセスガスを効率的に酸化するため、必要に応じて補助バーナの使用と合わせて高いガス流出温度を利用する。これにより、外部熱の必要が最小限に抑えられるため、より効率的なものとなる。
【0075】
プロセスガスは熱酸化された後、部位に特化した要件に応じて、廃熱回収ボイラ、空気−ガス熱交換器、または直接噴霧冷却器16cを用いて冷却される。冷却媒体16dは空気または水のいずれかであり、排出されるか、あるいは廃熱ボイラなどの何らかの方法により利用される。空気との熱交換による冷却の場合、加熱された空気16eの一部がバーナ14b用の予熱燃焼用空気として利用される。
【0076】
多くの場合、供給材料、用地認可、および排出物制限に応じて、SO除去装置16fが必要とされる場合がある。石灰系16gまたはNaOH系のSO除去システムなど実行可能な選択肢がいくつかある。最も厳格なSO除去要件では、噴霧乾燥石灰系のスクラバーが非常に有効であり、乾燥廃棄流を生成する。90%超のSO除去効率が定常的に達成される。
【0077】
集塵機16hまたはバッグハウスとしても知られる乾燥粒子コレクタが、残りの粒状物質を除去するために使用される。これらのシステムは広く採用されており、信頼性が立証されている。ガス温度はガス蒸気の湿球温度超を維持する。布と空気の比は、バッグフィルタの寿命を延ばすため、概して4対1以下の範囲に収まる。ガスが濾過された後、ガスの部分は材料移送またはバーナ炎温度制御のいずれかのために再循環される。集塵機から回収された灰16iは飛散灰を含み、石灰系スクラビングの場合、灰は相当量のCaSO/CaSOおよび未反応Ca(OH)を含有する。
【0078】
集塵機通過後、ガスはシステム通風機を通って押し流され、スタック16jに送られる。スタックの高さと径は、ガス量と位置要件の関数である。すべてのスタックは、関連機器を備えたテストポートとプラットフォームとを含む。
【0079】
活性炭生成物の冷却17
反応槽14aからの活性炭生産は超高温であり、周囲空気にさらされると容易に燃焼または酸化する。これを避けるため、活性炭は間接的に17a、あるいは直接的水分注入急冷17bによって、あるいはその両方で冷却される。好適な活性炭冷却方法は、活性炭の活性化処理の完了後、主に間接的冷却を利用する。高温活性炭は、生成物保管所19への空気圧輸送中に空気圧移送17c(後で詳述)によってさらに冷却される。生成物の品質を高いまま確保するため、発明者は主に粒状活性炭の生産を選択する。これにより、不注意で不都合な状態にさらされる表面積が最小で済む。粒状活性炭は所望により、さらに処理して微粉活性炭に粉砕することができる。
【0080】
冷却後、活性炭は手段17を介して保管所19に機械式または空気圧によって移送される。機械式移送はスクリュコンベヤ、バケットエレベータなどを含む。空気圧移送は、周囲空気、乾燥空気、または他のガスで実行することができる。高温活性炭とガス間の接触は活性炭の特性と品質によって変動する可能性があるため、品質の偶発的な劣化を避けるように注意を払わねばならない。
【0081】
活性炭生成物の後工程表面処理18
空気圧移送ガス18または空気流での高温活性炭の直接急冷を利用することによって、高温活性炭の特性を急変させる手段が開発されている。この急冷は、ガスの種類、温度、および保持時間に応じて様々な方法で活性炭の表面特性を変更させる。この方法は容易に制御可能であり、特殊な吸着能力を備える活性炭を生産する際に有効であり得る。空気、酸素、窒素、水、アルゴンなどでの高温活性炭の急冷は、活性炭の表面特性を変更するために利用することができる。空気圧移送ガスまたは空気ブロア18aは通常、PD型ブロアであり、不活性ガスまたは反応性ガスと共に使用することができる。PDブロアの一定量は、工程の一貫性と再現性を維持するのに役立つ。
【0082】
活性炭生成物保管所19
移送された活性炭はサイロ19に保管される。これらの材料サイロは、最終生成物用サイロまたは中間保管所として使用することができる。推奨されるサイロは、第1の生成物が入り、第1の生成物が出ることによって、在庫が常に補充されるように確保されるタイプの質量流型サイロである。
【0083】
活性炭生成物粒径の仕様調節20
保管サイロへの保管後、活性炭はさらに精製または処理することができる20。そのような精製または処理は整粒、粉砕、および化学処理を含む。最終生成物活性炭は必要に応じてばらで、またはまとめて販売することができる。
【0084】
2次活性化および他の前処理方法および処理方法21〜46
さらに、2次活性化21を、新たに導入される水分、またはリグニンやリグニン化合物などの他の添加物を伴い、あるいは伴わずに実行することができる。そのような結合剤は、活性炭の粒状度や他の特性を向上させることができる。
【0085】
石炭の自然発生水分レベルは、地中に存在する際の石炭の所与の内部および外部の含水量の総計を意味する。典型的な褐炭および亜瀝青石炭は約15%〜約37%の内部水分を含む鉱床から得られ、そのような石炭は通常、採鉱、配送、および整粒活動により周囲条件にさらされて大幅に水分を失う。自然発生水分レベルへの回復(単に処理中に外部から水分を与えることではない)は粒状炭の活性化を向上し得ることが判っている。当然ながら、同じ鉱床または地域からの石炭ですら、自然発生水分レベルに幾分かばらつきが生じ得る。よって、所与の石炭の荷重またはサンプルの場合、自然発生水分レベルは、値範囲の下限から始まる値となる可能性がある。たとえば、ある鉱床からの亜瀝青石炭が20%〜25%の自然発生水分レベルを有する場合、加熱により誘導される活性化の前に少なくとも20%の含水量を石炭に装荷させる。含水量のばらつきが大きい場合、石炭に装荷される閾値量の水分を決定するため、平均含水量値を使用することができる。
【0086】
同様の構成要素に類似の参照符号を付す図5〜図7に示されるように、粒状炭に自然発生レベル以上の水分を付与する方法もシステムも両方とも有益であることが分かっている。図5では、粒状炭から活性炭を生産する方法およびシステムを示し説明する。整粒された粒状炭30が、混合要素29を有するミキサ33に装荷される。ミキサ33内で、石炭30は、入口31を通じて水などの活性化媒体で処理される。任意で、結合剤、副生成物(たとえば、石灰)、または他の添加物を、入口32を通じて導入することもできる。原料の含水量が石炭原料の自然発生状態の含水量以上となるように、活性化媒体が粒状炭原料33に装荷される。
【0087】
水分装荷は粒子の整粒に応じて様々な速度で行われ、概して、活性化媒体が供給されて、内部含水量が所望のレベルまで上昇するように確保するため、少なくとも30秒間粒状炭に混合される。よって、代表的な褐炭の場合、約30%〜37%の水分となる(好ましくは、水分は、空気圧で移送される際に石炭が浮遊できなくなる点を超えない)。次に、石炭原料30は熱源(たとえば、バーナ34)、加熱チャンバ35、およびサイクロン36を有する加熱システムに移送される。原料30は35およびサイクロン36において少なくとも部分的に活性化され、そこで混合炉33aへと接線方向に導入されて流れ落ちる。混合炉33aをサイクロン36から隔離するため、任意でエアロック38を利用することができる。この隔離により、混合炉33aはサイクロン36に存在する場合とは異なる圧力およびガスの環境下で動作することができる。ガス37はサイクロン36から排出させることができる。
【0088】
上述したように、熱処理システムは、サイクロン36から排出され粒状炭原料30から形成される熱処理炭素30aが入口31および32を通じて再度活性化媒体および/または他の添加物と混合される混合炉33aをさらに含むことができる。熱をさらに加えて、活性化媒体、エンハンサ、または他の添加物のさらなる利用と熱処理炭素30aの追加の活性化とを可能にするため、任意の補助バーナ39を混合炉と共に利用することができる。所要の換気を可能にするため、排気口40が混合炉内に存在する。
【0089】
次に、熱処理炭素30aは、スクリュ41aなどの機械式コンベアを有する間接冷却器41に移送することができる。間接冷却器は、冷却剤が直接熱処理炭素に接触しないことによって追加反応を制御する冷却器である。機械式コンベアは、コンベアの表面により達成される高い熱移送により有益である。間接冷却器41から、活性炭生成物42を排出することができる、および/または矢印43によって示されるように加熱システムを通じて少なくとも一部を再循環させることができる。活性炭生成物の再循環は、再循環部分がさらなる活性化を受けるため、全体の活性炭生成物表面積を増加させることができる。
【0090】
図6および図7は、粒状炭原料30が少なくとも部分的に活性化され(それにより熱処理炭素30aを形成して、最終的に活性炭生成物42をもたらす)、その後、熱処理システムを通じて再循環される(図6の矢印45および図7の矢印46)代替的な構造および方法を示す。図6および図7でさらに示されるように、媒体、副生成物の加熱および活性化の複数の段階、および/またはエンハンサ処理が実行され得る。好適な一つの実施形態では、エンハンサが(図7では入口32を通じて)熱処理炭素30aに供給される。たとえば、臭化水素酸を追加して、石炭などの副生成物の臭素化に至る独自の経路を提供することができる。
【0091】
別の好適な実施形態(図6)では、原料30は、活性化媒体、副生成物、および/またはエンハンサで処理される。原料30はさらに配管接続サイクロン36およびサイクロン44へと移送される。熱処理および少なくとも部分的な活性化(それにより粒状炭原料30から形成される熱処理炭素30aを生産する)は配管およびサイクロン44内で行われる。熱処理炭素30aはサイクロン44から別の混合炉33aへ排出される。混合炉33aをサイクロン44から隔離するために、任意でエアロック38を利用することができる。この隔離により、混合炉33aは、サイクロン44内に存在する場合とは異なる圧力およびガス環境の下で動作することができる。ガス37はサイクロン44から排出させることができる。
【0092】
上述したように、熱処理システムは、サイクロン44から排出される熱処理炭素30aが入口31および32を通じて再度活性化媒体および/または他の添加物と混合される混合炉33aをさらに含むことができる。サイクロン44から排出される熱処理炭素30aは大きな熱を保有し、活性化媒体、エンハンサ、または他の添加物のさらなる利用と熱処理炭素30aの追加の活性化とを可能にする。所要の換気を可能にするため、排気口40が混合炉内に存在する。
【0093】
熱処理炭素30aは混合炉33aから放出された後、熱源(たとえば、バーナ34)、加熱チャンバ35、およびサイクロン36を有する加熱システムに移送される45。熱処理炭素30aは加熱チャンバ35およびサイクロン36において再度熱処理されて、さらに活性化され、そこで混合炉33aへと接線方向に導入されて流れ落ちる。混合炉33aをサイクロン36から隔離するため、任意でエアロック38を利用することができる。この隔離により、混合炉33aはサイクロン36に存在する場合とは異なる圧力およびガスの環境下で動作することができる。ガスはサイクロン36から排出されて、配管を介してサイクロン44に連通する。
【0094】
上述したように、熱処理システムは、サイクロン36から排出される熱処理炭素30aが入口31および32を通じて再度活性化媒体および/または他の添加物と混合される混合炉33aをさらに含むことができる。熱をさらに加えて、活性化媒体、エンハンサ、または他の添加物のさらなる利用と熱処理炭素30aの追加の活性化とを可能にするため、任意の補助バーナ39を混合炉と共に利用することができる。所要の換気を可能にするため、排気口40が混合炉内に存在する。
【0095】
熱処理炭素30aは混合炉33aから排出された後、スクリュ41aなどの機械式コンベアを有する間接冷却器41に移送される。間接冷却器は、冷却剤が熱処理炭素と直接接触させないことで、さらなる反応を制御する冷却器である。機械式コンベアは、コンベア表面によって達成される高い熱移送ゆえに有利である。間接冷却器41から、活性炭生成物42を排出することができる。
【0096】
別の好適な実施形態(図7)では、原料30は、活性化媒体、副生成物、および/または エンハンサで処理される。原料30は、熱源(たとえば、バーナ34)、加熱チャンバ35、およびサイクロン36を有する加熱システムにさらに移送される。原料30は、加熱チャンバ35およびサイクロン36において少なくとも部分的に活性化され、そこで接線方向に混合炉33aに導入されて流れ落ちる。混合炉33aをサイクロン36から隔離するため、任意でエアロック38を利用することができる。この隔離により、混合炉33aはサイクロン36に存在する場合とは異なる圧力およびガスの環境下で動作することができる。ガスはサイクロン36から排出されて、配管を介してサイクロン44に連通する。
【0097】
上述したように、熱処理システムは、サイクロン44から排出され、粒状炭原料30から形成される熱処理炭素30aが入口31および32を通じて再度活性化媒体および/または他の添加物と混合される混合炉33aをさらに含むことができる。サイクロン44から排出される熱処理炭素30aは大きな熱を保有し、活性化媒体、エンハンサ、または他の添加物のさらなる利用と熱処理炭素30aの追加の活性化とを可能にする。所要の換気を可能にするため、排気口40が混合炉内に存在する。混合炉33aから排出される熱処理炭素30aは配管連通サイクロン36およびサイクロン44へ移送される46。さらなる熱処理は配管とサイクロン44で生じる。熱処理炭素30aはサイクロン44から別の混合炉33aへ排出される。混合炉33aをサイクロン44から隔離するため、任意でエアロック38を利用することができる。この隔離により、混合炉33aはサイクロン44に存在する場合とは異なる圧力およびガスの環境下で動作することができる。ガスはサイクロン44から排出することができる。
【0098】
上述したように、熱処理システムは、サイクロン44から排出される熱処理炭素30aが入口31および32を通じて再度活性化媒体および/または他の添加物と混合される混合炉33aをさらに含むことができる。熱をさらに加えて、活性化媒体、エンハンサ、または他の添加物のさらなる利用と熱処理炭素30aの追加の活性化とを可能にするため、任意の補助バーナ39を混合炉と共に利用することができる。所要の換気を可能にするため、排気口40が混合炉内に存在する。
【0099】
次に、熱処理炭素30aは、スクリュ41aなどの機械式コンベアを有する間接冷却器41に移送することができる。間接冷却器は、冷却剤が直接熱処理炭素に接触しないことによって追加反応を制御する冷却器である。機械式コンベアは、コンベアの表面により達成される高い熱移送により有益である。間接冷却器41から、活性炭生成物42を排出することができる。
【0100】
一般的な動作モードの非限定例を以下に述べる。20メッシュ未満の、含水率22%の粒状亜歴青炭から成る供給材料が使用され、供給材料の90%は粒径の0.5桁の範囲に収まる。単一型反応槽での単段階活性炭生産を利用する際、バーナを通過するガス質量流の65%は、燃焼用空気、天然ガス、再循環燃焼煙道ガス、および水分を含む。反応槽に接線方向に入るガス質量流の35%は、空気、再循環燃焼煙道ガス、追加水分、および炭素質供給材料を含み、総水分と乾燥炭素質供給材料との比は1.1〜1超であり、活性炭454グラム(1ポンド)当たりのバーナ燃料BTUは8000BTU未満であり、華氏
1850度で動作する。生産された流出煙道ガスは、およそCO対H2比が1.4対1、CO対CO2比が1.6対1、H2対CO2比が1.1対1である。生産された活性炭は、475mg/g超のヨウ素価と27.5%の収率を有する。
【0101】
上記によると、本発明は他のシステムおよび方法と区別可能な特徴を有する。高い活性炭収率と、同一の熱処理システムを使用して原料を様々な処理済み炭素に処理する能力に加えて、石炭と熱処理炭素水分の閾値量を用いて処理温度を制御することができる。これにより、温度を調節および維持するため、燃焼用空気、再循環燃焼煙道ガス、および主熱源燃料などの他のパラメータを変動させる必要なく、移送ガス流を安定させておくことができる。
【0102】
追加例として、以下の表1〜3は、ある一定のパラメータに関して発明者によって発見された、改善された活性炭処理および/または特性の傾向を概説する。
【0103】
表1 表面積/粒径分布
0.40mmよりも粗い粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径(以下のカラム内)の基準桁以内に収まる。
活性炭表面積 1 0.75 0.65 0.5 <0.25
不足 限界 適切 より適切 至適

粒径が0.40mm以下の粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径(以下のカラム内)の基準桁以内に収まる。

活性炭表面積 1 0.75 0.5 0.25 0.2
不足 限界 適切 より適切 至適
【0104】
表2 バーナを通じて必要とされる熱量/収率%
バーナを通じて生成される熱量BTU/活性炭454グラム(1ポンド)。

活性炭収率% 2000 4000 6000 8000 10000
不足 限界 適切 より適切 至適
【0105】
表3 表面積/総水分比
すべての水分源からの水分対炭素質供給材料(総水分グラム(ポンド)対材料グラム(ポンド)。

活性炭表面積 <0.7未満:1 0.9:1 1.1:1 1.5:1 ≧2:1
不足 限界 適切 より適切 至適
【0106】
添付の請求項と等価の意味および範囲における様々な修正が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭の形成に適した、粒状炭から活性炭を生産する方法であって、
a.前記粒状炭原料の含水量が前記石炭原料の自然発生状態の含水量以上となるように、粒状炭原料に活性化媒体を装荷するステップと、
b.ステップ(a)の粒状炭原料を熱処理システムに移送するステップと、
c.少なくとも部分的な活性化が生じるように前記粒状炭原料を熱処理するステップと、
からなるからなる方法。
【請求項2】
前記粒状炭原料が、1つの炉または反応槽において脱蔵と少なくとも部分的な活性化とを受ける請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒状炭原料が、前記熱処理システムからの廃ガスによって少なくとも部分的に加熱される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)の粒状炭原料が移送ガス内に浮遊可能である請求項1の方法。
【請求項5】
ステップ(c)において粒状炭原料によって形成される熱処理炭素の2次活性化をもたらすステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記2次活性化中に、前記熱処理炭素と同時に結合剤を供給するステップをさらに備える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記結合剤がリグニンまたはリグニン化合物である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)において粒状炭原料によって形成される熱処理炭素が、間接冷却器内に物理的に移送される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
活性化前に少なくとも30秒間前記粒状炭原料に前記活性化媒体が装荷される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前前記2次活性化ステップの前または同時に、記活性化媒体が熱処理炭素上に配置される請求項5に記載の方法。
【請求項11】
ステップcの活性化前に、前記粒状炭原料と同時に副生成工業鉱物を供給するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップcの活性化前に、前記粒状炭原料と同時にエンハンサを供給するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステップcの活性化後に、粒状炭原料によって形成される熱処理炭素に添加物を供給するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記加熱システムでの更なる加熱処理を通じて、ステップ(c)において粒状炭原料によって形成される熱処理炭素の少なくとも一部を再循環させるステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項15】
活性炭の形成に適した、粒状炭から活性炭を生産する方法であって、
a.前記粒状炭原料の含水量が前記石炭原料の自然発生状態の含水量以上となるように
、ミキサ内で粒状炭原料と活性化媒体とを混合するステップと、
b.前記含水量を含む粒状炭原料をミキサから熱処理システムに空気圧移送するステップと、
c.少なくとも部分的な活性化が生じるように前記粒状炭原料を熱処理するステップと、
からなる方法。
【請求項16】
前記少なくとも部分的な活性化が生じた後、前記粒状炭原料によって形成される熱処理炭素が少なくとも1つの更なる加熱処理を受ける請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記粒状炭原料が、1つの炉または反応槽において脱蔵と少なくとも部分的な活性化とを受ける請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記粒状炭原料が、前記熱処理システムからの廃ガスによって少なくとも部分的に加熱される請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(c)において粒状炭原料によって形成される熱処理炭素を2次活性化するステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記2次活性化中に、前記熱処理炭素と同時に結合剤をもたらすステップをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記結合剤がリグニンまたはリグニン化合物である請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(c)において粒状炭原料によって形成される熱処理炭素が、間接冷却器内に物理的に移送される請求項15に記載の方法。
【請求項23】
活性化前に、前記粒状炭原料に少なくとも30秒間前記活性化媒体が装荷される請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記2次活性化ステップ前にまたは同時に、前記活性化媒体が熱処理炭素上に配置される請求項19に記載の方法。
【請求項25】
ステップcの活性化前に、前記粒状炭原料と同時に副生成工業鉱物を供給するステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項26】
ステップcの活性化前に、前記粒状炭原料と同時にエンハンサを供給するステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項27】
ステップcの活性化後に、粒状炭原料によって形成される熱処理炭素に添加物を供給するステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記加熱システムの更なる加熱処理を通じて前記少なくとも部分的な活性化を受けた、粒状炭原料によって形成される熱処理炭素の少なくとも一部を再循環させるステップをさらに備える請求項15に記載の方法。
【請求項29】
加熱システムで粒状炭素原料を熱処理する方法であって、
a.粒状炭素原料移送手段を設けるステップと、
b.HO、CO、またはOのうち少なくとも1つを含有するガスを提供するステップと、
c.前記移送手段を用いて炉内に前記炭素原料を移送し、前記炉内への前記原料の投入前または投入と同時に前記ガスを添加するステップと、
d.少なくとも脱蔵が生じるように前記原料を加熱するステップと、
からなる方法。
【請求項30】
脱蔵が生じた後に、前記原料が別の炉において更なる加熱処理を受ける請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記原料が、1つの炉または反応槽において脱蔵および活性化を受ける請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ガスが活性化段階からの廃ガスを含み、前記ガスが前記粒状炭素原料を脱蔵するために使用される請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記ガスの含水量は、乾燥原料454グラム(1ポンド)当たり少なくとも499.4グラム(1.1ポンド)の水分である請求項29に記載の方法。
【請求項34】
ステップd後に、炭素原料のガス急冷をもたらすステップをさらに備える請求項29に記載の方法。
【請求項35】
ステップcにおいて前記炭素原料と同時に副生成工業鉱物を供給するステップをさらに備える請求項29に記載の方法。
【請求項36】
ステップcにおいて前記炭素原料と同時にエンハンサを供給するステップをさらに備える請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記粒状炭素原料の少なくとも90%が、粒径が少なくとも240メッシュである請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記粒状炭素原料が、粒径の均一性が以下のように分布する、
0.40mmよりも粗い粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径の2分の1桁内に収まり、
粒径が0.40mm以下の粒子の場合、原料の少なくとも90%が粒径の4分の1桁内に収まり、
これらの粒径範囲で重複する原料は、粒子の少なくとも90%がそれぞれ粒径の2分の1〜4分の1桁内に収まる、
請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記炭素原料が、少なくとも60RPMの回転速度で前記炉に接線方向に導入される請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記炭素原料が、少なくとも約90RPMの回転速度で前記炉に接線方向に導入される請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記炉が前記原料を加熱するバーナを有し、前記バーナが生産される活性炭454グラム(1ポンド)当たり4000〜10000BTUを生成する請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記粒子移送手段および前記ガスが前記加熱システムに追加される速度がそれぞれ関係なく制御される請求項29に記載の方法。
【請求項43】
ステップd後、2段階で炭素原料を冷却するステップをさらに備える請求項29の方法。
【請求項44】
前記ガスの含水量の含水量が調節可能である請求項29に記載の方法。
【請求項45】
炉の出口での還元ガス組成が、H、CO、およびCO間でほぼ以下のような組成比を有する:
CO対H比=1:1〜1.75:1、
CO対CO比=1:1〜2.25:1、および
対CO比=0.9:1〜1.75:1
請求項29に記載の方法。
【請求項46】
粒状炭原料から活性炭を生産するシステムであって、
a.熱源および少なくとも1つの水分注入口を有する加熱チャンバと、
b.サイクロンと、
c.粒状炭原料を加熱チャンバに移送する移送手段と、
を備えるシステム。
【請求項47】
ミキサをさらに備え、ミキサが、粒状炭原料と、活性炭、エンハンサ注入口、および少なくとも1つの水分注入口から選択される群のうちの少なくとも1つと接続される請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
間接冷却チャンバと、前記粒状炭原料から形成される熱処理炭素を間接冷却チャンバを通って輸送する輸送手段と、をさらに備える請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
サイクロン、少なくとも1つの水分注入口、およびエンハンサ注入口と接続される混合炉をさらに備える請求項46に記載のシステム。
【請求項50】
混合炉と接続される補助バーナをさらに備える請求項49に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−515697(P2012−515697A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546425(P2011−546425)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/021404
【国際公開番号】WO2010/083519
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511173686)ニューマティック プロセッシング テクノロジーズ エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】PNEUMATIC PROCESSING TECHNOLOGIES,LLC
【Fターム(参考)】