説明

炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置及び多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法

【課題】本発明は、炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置及び多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法に関する。
【解決手段】本発明の実施例に係る炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置は、吸気口及び排気口を備える反応容器と、この反応容器に設置されたブラジル石の反応皿と、このブラジル石の反応皿に設置された炭素ナノチューブの成長用の基材と、を含む。ここで、第一触媒層はこの基材の表面に設けられ、更に、第二触媒層は反応気体の流動方向に沿って前記ブラジル石の反応皿における前記基材の前に設けられる。また、多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置及び多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素ナノチューブは九十年代に発見された新しい一次元ナノ材料として知られているものである。炭素ナノチューブは高引張強さ及び高熱安定性を有し、また、異なる螺旋構造により、金属にも半導体にもなる。炭素ナノチューブは、理想的な一次元構造を有し、優れた力学特性、電気特性及び熱学特性などを有するので、材料科学、化学、物理の科学領域、例えば、フィールドエミッタ(field emitter)を応用した平面ディスプレイ、単一電子デバイス(single-electron device)、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope, AFM)の先端、熱センサー、光センサー、フィルターなどに広く応用されている。従って、炭素ナノチューブの成長制御の可能化、製造の低コスト化を実現することは、炭素ナノチューブの応用の推進に非常に有利である。
【0003】
現在、炭素ナノチューブの合成方法は、非特許文献1に記載されているアーク放電法と、非特許文献2に記載されているレーザ蒸着法と、非特許文献3に記載されている気相堆積法(Chemical Vapor Deposition)とがある。
【0004】
前記アーク放電法と前記レーザ蒸着法によっては、炭素ナノチューブの直径及び長さをコントロールできなく、高コスト乃至量産性が低く、炭素ナノチューブを大寸法の基材に成長させることができないので、現在、実験の用にだけ供されており、工業的に実用されていない。
【0005】
従来の気相堆積法は、炭素を含むガスをソースとして、ボーラスシリコン(porous silicon)又は沸石の基材に多層ナノチューブ又は単層ナノチューブを成長させるものであり、前記のアーク放電法やレーザ蒸着法と比べて、高量産、優れたコントロール性を持ち、現在のIC部品に適合して使用できるという優れた点があるので、工業的に量産ができる。しかし、炭素ナノチューブの整列性と量産化は同時に実現できないという課題がある。
【0006】
特許文献1には、気相堆積法により、大寸法の基材に垂直に配列された高純度の炭素ナノチューブを形成する方法が記載されている。この方法は、基材に金属の触媒層を形成する工程と、該金属の触媒層をエッチングして分離したナノの金属触媒粒子を形成する工程と、気相堆積法により、それぞれのナノの金属触媒粒子に炭素ナノチューブを成長させる工程と、不純物を除去する工程と、を含む。ここで、炭素を含むガスは、気相堆積の作業を行う装置から供給される。炭素ナノチューブは基材に垂直に成長されている。
【0007】
しかし、前記の炭素ナノチューブの合成方法は、次の欠点がある。この方法によれば、金属触媒粒子と非晶質の炭素の化合物は炭素ナノチューブに付着されることがあるので、合成作業の後、不純物の除去が必要である。また、この不純物の除去作業を行うとき、炭素ナノチューブを損傷する不都合がある。そして、この合成方法によれば、比較的高い温度で作業を行わなければならないので、応用の範囲に制限があり、炭素ナノチューブの量産に不利である。そして、この合成方法によれば、多層炭素ナノチューブと単層炭素ナノチューブが混合して生産される場合が多いので、例えば、フィールドエミッタを応用した平面ディスプレイに利用される場合、炭素ナノチューブの性能が良好に実現されない。
【0008】
従って、簡単に制御できる炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置を提供することが必要となる。
【特許文献1】米国特許第6,350,488号明細書
【非特許文献1】「Helical microtubules of graphitic carbon」、Nature、S. Iijima、1991年、第354巻、第220ページ
【非特許文献2】「Large-scale Synthesis of Carbon Nanotubes」、Nature、T.W. Ebbesen、1992年、第358巻、第220ページ
【非特許文献3】「Large-Scale Synthesis of Aligned Carbon Nanotubes」、Science、W.Z. Li、1996年、第274巻、第170ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
次に、実施例として炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置及び多層ナノチューブのマトリックスの成長方法について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例に係る炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置は、吸気口及び排気口を備える反応容器と、この反応容器に設置されたブラジル石の反応皿と、このブラジル石の反応皿に設置された炭素ナノチューブの成長用の基材と、を含む。ここで、第一触媒層はこの基材の表面に設けられ、更に、第二触媒層は反応気体の流動方向において前記ブラジル石の反応皿の前記基材の前方に設けられる。
【0011】
前記ブラジル石の反応皿は、両方の端部が開口して構成される場合、前記第二触媒は排気口から離れ、基材の少なくとも一側に設置される。前記ブラジル石の反応皿は、一方の端部が開口され、もう一方の端部が密封されて構成される場合、前記第二触媒は吸気口側から離れ、基材の少なくとも一側に設置される。
【0012】
前記第二触媒は、鉄又はニッケルの粉剤、ネット状の鉄又はニッケル、アルミナ(Al)と鉄の混合物のいずれかの一種が採用されている。
【0013】
なお、本発明の実施例として、多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法も提供されている。この成長方法は、一側の表面に第一触媒層が堆積された基材を準備する工程と、この基材をブラジル石の反応皿内に配置する工程と、気流の方向において前記基材の前に近接するように前記ブラジル石の反応皿内に第二触媒を設置する工程と、前記ブラジル石の反応皿を吸気口を備える反応容器に配置する工程と、該反応容器を所定の温度に加熱して炭素を含むガスを送り込み、前記基材に多層の炭素ナノチューブのマトリックスを成長させる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
従来の気相堆積方法と比べて、本発明に係る多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法は、次の優れた点がある。成長の温度が低い。例えば、600℃〜700℃において炭素ナノチューブのマトリックスを成長させるが、620℃〜690℃において比較的整列された炭素ナノチューブのマトリックスを成長させることができる。そして、成長のスピードが速く、産量が多く、例えば、30〜60秒の時間に炭素ナノチューブのマトリックスを数百ミクロン又は数ミリメーター程度まで成長させることができる。また、コストが低減する。例えば、前記のキャリアガスとしては、前記第二触媒を利用するので、高価な水素を用いることなく、アルゴンやアセチレンなどの安価なガスを利用しても良い。従って、危険性を軽減すると同時に、コストを低減する。また、安価な鉄を第一触媒層として利用するので、さらに炭素ナノチューブのマトリックスの成長のコストを低減し、パッチ生産に適合するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参考して本発明の実施例について詳しく説明する。
【0016】
(実施例1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置10は、吸気口191及び排気口193を備える反応容器19と、この反応容器19に設置されたブラジル石の反応皿15と、このブラジル石の反応皿15に設けられた炭素ナノチューブの成長用の基材11と、を含む。また、前記基材11には第一触媒層13が設置されている。ここで、前記基材11は例示としてシリコンからなるが、例えば、ガラスやブラジル石などが採用されることもできる。また、前記第一触媒層13は例示として鉄からなるが、例えば、コバルト又はニッケル又はそれらの合金などが採用されることもできる。なお、前記反応容器19は直径が1インチであるブラジル石の筒状に形成され、前記ブラジル石の反応皿15は両端が開口され、船の形状に形成されることが好ましい。
【0017】
炭素ナノチューブのマトリックスの成長中において、第二触媒17が前記吸気口191からの炭素を含むガスと反応して生じた水素が原因で、前記第一触媒層13を活性化させて、炭素ナノチューブのマトリックスを高速且つ高く成長させる。そのため、前記第二触媒17は前記反応容器19の前記排気口193から離れ、前記吸気口191に対する基材11の一側に設置される。ただし、前記第二触媒17は、前記吸気口191に対する基材11の一側に限らず、前記反応容器19の排気口193から離れた前記基材11のいずれか一側に設置することもできる。ここで、前記第二触媒17は、鉄又はニッケルの粉剤、ネット状の鉄又はニッケル、アルミナ(Al)と鉄の混合物のいずれか一種であるが、アルミナと鉄の混合物が好ましい。
【0018】
(実施例2)
図3〜図5に示すように、本発明の実施例2に係る炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置20は、吸気口291及び排気口293を備える反応容器29を含み、この反応容器29に設置されたブラジル石の反応皿25と、このブラジル石の反応皿25に設けられた炭素ナノチューブの成長用の基材21と、を含む。また、前記基材21には第一触媒層23が設置されている。ここで、前記基材21は例示としてシリコンからなるが、例えば、ガラスやブラジル石などが採用されることもできる。また、前記第一触媒層23は例示として鉄からなるが、例えば、コバルト又はニッケル又はそれらの合金などが採用されることもできる。なお、前記反応容器29は直径が1インチであるブラジル石の筒状に形成され、前記ブラジル石の反応皿25は一端が開口され、もう一端が密封して構成された形態になることが好ましい。
【0019】
炭素ナノチューブのマトリックスの成長中で、第二触媒27が前記吸気口291からの炭素を含むガスと反応して生じた水素が原因で、前記第一触媒層23を活性化させて、炭素ナノチューブのマトリックスを高速且つ高く成長させる。そのため、前記第二触媒27は前記反応容器29の前記吸気口291から離れ、前記基材21の一側に設置される。ここで、前記第二触媒27は、鉄又はニッケルの粉剤、ネット状の鉄又はニッケル、アルミナ(Al)と鉄の混合物のいずれか一種であるが、アルミナと鉄の混合物が好ましい。
【0020】
また、本発明について、前記実施例1又は実施例2による多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法を例示として説明する。
【0021】
まず、基材21を準備して、例えば、火炎堆積法、電子線堆積、蒸着、スパッタなどの方法により、この基材21の一方の表面に均一に第一触媒層23を堆積する。
【0022】
ブラジル石の反応皿25を準備して、前記の第一触媒層23が堆積された基材21をこのブラジル石の反応皿25に設置して、第二触媒27をこの反応皿25の所定位置に設置する。この第二触媒27はAl又は鉄からなる。また、前記基材21及び第二触媒27は前記ブラジル石の反応皿25の底部に配置される。さらに、前記の第二触媒27は基材21の一側の近くに設置されている。
【0023】
吸気口291及び排気口293を備える反応容器29を準備する。前記基材21及び前記第二触媒27が配置された前記ブラジル石の反応皿25を前記反応容器29に配置する。
【0024】
常温で、キャリアガスが反応容器29の吸気口291に導入され、加熱装置(図示せず)で反応容器29が所定の温度まで加熱されると、炭素を含むガスがソースとして供給される。本実施例における前記キャリアガスは、例えばアルゴン、窒素などの不活性ガスを利用しても良いが、安価なアルゴンが好ましい。本実施例における前記炭素を含むガスは、例えばメタン、エタン、エテンなどの炭化水素でも良いが、安価なエチンが好ましい。ここで、前記キャリアガスと炭素を含むガスとの比率は、5:1〜10:1にされるが、本実施例において、300sccmのアルゴン及び30sccmのエチンを利用することが好ましい。また、本実施例に係る前記反応容器29の温度は600℃〜700℃にされるが、620℃〜690℃が好ましい。
【0025】
所定の時間で反応させた後、触媒が原因で、前記反応容器29に供給された炭素を含むガスは、カーボンユニット(C=C、又はC)及び水素(H)に分解される。そして、該カーボンユニットは第一触媒層23の表面に付着されて、さらに炭素ナノチューブが成長される。なお、本実施例において、炭素を含むガスとしてエチンを利用して、多層の炭素ナノチューブのマトリックスを成長させる。
【0026】
前記実施例に係る方法によれば、例えば、キャリアガス及び炭素を含むガスの流量、反応温度、反応時間などを変更することにより、所定の密度、直径、長さを有する多層の炭素ナノチューブを成長させることができる。そして、本実施例において、多層の炭素ナノチューブの直径は、10nm〜30nmにされる。また、第二触媒17は炭素を含むガスと反応して少量の水素が生じる。該水素により第一触媒層13が活性化され、一部のエチンの濃度が低下するので、炭素ナノチューブの成長スピード及び成長高度が高まる。また、本実施例において、30〜60分の時間をかけると、成長された多層の炭素ナノチューブは100μmより高くなり、ミリメーターのレベル程になる可能性がある。
【0027】
図6及び図7に示すように、走査型トンネル顕微鏡(STM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して、本発明に係る多層の炭素ナノチューブのマトリックスは、高さが数百ミクロン程の状態で整列されていることが見られる。
【0028】
本発明の実施例に係る第二触媒の製造方法は、次の工程を含む。まず、11.32gの硝酸鉄(Fe(NO・9HO)及び8gのアルミナ(Al)の粉剤を100mlのエタノールに投入し、8時間かき混ぜる。そして、80℃で12時間蒸発を行った後、形成されたものを研磨して粉剤にする。
【0029】
炭素ナノチューブのマトリックスを成長させた後、反応容器の前記第二触媒を集めて、空気又は酸素の雰囲気で該第二触媒に付着された不要の炭素ナノチューブ、無定形炭素などを焼くことにより、該第二触媒は繰返して利用されることができる。
【0030】
本発明に係る第二触媒としては、鉄の粉剤又は鉄の網、ニッケルの粉剤、ネット状のニッケルが利用されることもできる。この第二触媒は、高温で導入された炭素を含むガスと反応して少量の水素を生じる。該水素により、前記第一触媒層が活性化され、一部のエチンの濃度が低下されるので、炭素ナノチューブの成長スピード及び成長高度が高まる。また、本発明に係る炭素ナノチューブのマトリックスは、数百ミクロン又は数ミリメーター程度まで成長させることができる。
【0031】
本発明に係る気相堆積の工程に使用されたブラジル石の反応皿は、それと相似した構成であっても良い。前記第二触媒は前記ブラジル石の反応皿及び気流方向によって、異なる位置に設置される。例えば、ブラジル石の反応皿は両方の端部が開口して構成される場合(本発明の実施例1に係るブラジル石の反応皿を参照する)、排気口から離れ、基材の少なくとも一方の側に第二触媒が設置される。また、例えば、ブラジル石の反応皿は一方の端部が開口して構成される場合(本発明の実施例2に係るブラジル石の反応皿を参照する)、このブラジル石の反応皿の開口された端部は反応容器の吸気口に向いており、前記第二触媒が該吸気口から離れ、少なくとも基材の一方の側に設置される。さらに、前記第二触媒は、次の条件を満足しなければならない。まず、生じた水素が基材の第一触媒層と直接反応するために、前記第二触媒は前記の基材の近くに設置しなければならない。さらに、生じた水素は気流方向に沿って前記基材の第一触媒層と反応するために、前記第二触媒は前記基材の気体方向に沿った前方又は傍らに設置しなければならない。
【0032】
本発明に係る気相堆積のデバイスは横向きに構成されるが、例えば、縦向きの形状、流動床式の気相堆積のデバイスなどが採用されても良い。
【0033】
前記気相堆積方法によれば、パッチの合成(量産)ができ、即ち、デバイスに多くの基材を配置して、炭素ナノチューブの成長を行うことができる。従って、産量を高めることができる。本発明は、例えば、炭素ナノチューブのマトリックスを利用したフィールドエミッタなどの電気部品に応用される場合、前記第一触媒層のパターンを設計することによって、炭素ナノチューブを所定のパターンにより成長させる。
【0034】
なお、前記実施例に掲載された炭素ナノチューブの成長時間及び成長温度の範囲は最適な実施例として例示されるが、より高い成長温度で前記のような多層の炭素ナノチューブのマトリックスを成長させることができ、また、異なる成長の時間はその高さに影響を与えられることが理解できる。
【0035】
従来の気相堆積による炭素ナノチューブの技術と比べて、本発明に係る炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法は、次の優れた点がある。第一に、成長温度が低い。即ち、600℃〜700℃において炭素ナノチューブのマトリックスを成長させるが、620℃〜690℃において比較的整列された炭素ナノチューブのマトリックスを成長させることができる。第二に、成長のスピードが速いし、産量が多い。即ち、30〜60秒の時間に炭素ナノチューブのマトリックスを数百ミクロン又は数ミリメーター程度まで成長させることができる。第三に、再利用性が高い。即ち、本発明に係る第二触媒は、炭素ナノチューブのマトリックスを成長させた後、簡単な加工を行うと、再利用できる。また、このようにすれば、数回は再利用することができる。第四に、コストが低減する。即ち、前記のキャリアガスとしては、前記第二触媒を利用するので、高価な水素を用いることなく、アルゴンやアセチレンなどの安価なガスを利用しても良い。従って、危険性を軽減する同時、コストを低減する。また、安価な鉄を第一触媒層として利用するので、さらに炭素ナノチューブのマトリックスの成長のコストを低減し、パッチ生産に適合するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1に係る、気相堆積法による炭素ナノチューブのマトリックスの模式図である。
【図2】本発明の実施例1に係るブラジル石の反応皿を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る気相堆積方法による炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置を示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係るブラジル石の反応皿が横向きに示される図である。
【図5】本発明の実施例2に係るブラジル石の反応皿の左側面図である。
【図6】走査型トンネル顕微鏡(SMT)で見られた、本発明の実施例に係る多層の炭素ナノチューブのマトリックスの写真である。
【図7】透過型電子顕微鏡(TEM)で見られた、本発明の実施例に係る多層の炭素ナノチューブのマトリックスの写真である。
【符号の説明】
【0037】
10、20 成長装置
11、21 基材
13、23 第一触媒層
15、25 ブラジル石の反応皿
17、27 第二触媒
19、29 反応容器
191、291 吸気口
193、293 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び排気口を備える反応容器と、
該反応容器に設置されたブラジル石の反応皿と、
該ブラジル石の反応皿に設置された炭素ナノチューブの成長用の基材と、を含み、
第一触媒層が前記基材の表面に設けられる炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置において、
第二触媒層は、反応気体の流動方向に沿って前記ブラジル石の反応皿における前記基材の前方に設けられることを特徴とする炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置。
【請求項2】
前記ブラジル石の反応皿は、両方の端部が開口して構成され、
前記第二触媒は前記排気口から離れ、前記基材の少なくとも一側に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置。
【請求項3】
前記ブラジル石の反応皿は、一方の端部が開口され、もう一方の端部が密封して構成される場合、前記第二触媒は吸気口側から離れ、前記基材の少なくとも一側に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置。
【請求項4】
前記第二触媒は、鉄又はニッケルの粉剤、ネット状の鉄又はニッケル、アルミナ(Al)と鉄の混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素ナノチューブのマトリックスの成長装置。
【請求項5】
表面に第一触媒層が堆積された基材を準備する工程と、
該基材をブラジル石の反応皿内に配置する工程と、
気流の方向に沿って前記基材の前に近接するように前記ブラジル石の反応皿内に第二触媒を設置する工程と、
前記ブラジル石の反応皿を吸気口及び排気口を備える反応容器に配置する工程と、
該反応容器を所定の温度に加熱して炭素を含むガスを送り込み、前記基材に多層の炭素ナノチューブのマトリックスを成長させる工程と、
を含むことを特徴とする多層の炭素ナノチューブのマトリックスの成長方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−256948(P2006−256948A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310370(P2005−310370)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【Fターム(参考)】