説明

炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造する方法

本発明は、(i)アミノ分解工程において、一成分系前駆体化合物をアンモニアまたは有機アミンと反応させ、(ii)アミノ分解による反応混合物は、連続的に運転される抽出工程で少なくとも1回有機溶剤で抽出され、(iii)抽出の際に生じるアンモニア含有相または有機アミン含有相は、廃棄されるか、後処理されるか、または少なくとも一部分が返送され、および(iv)抽出の溶剤含有相から炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを取得することを特徴とする、炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを製造するための装置および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造する方法本発明は、炭素含有のボロシラザンの製造法、そのために適した装置、該装置の使用およびその際に得られた方法生成物に関する。
【0002】
非酸化物セラミック材料は、温度安定性の点で現在の大抵の酸化物高性能セラミックを明らかに凌駕する。即ち、多重(炭化物)窒化物材料それ自体は、高い温度ないし少なくとも1500℃で良好な機械的性質を保持する。これまで四元系Si/B/N/Cは、特に好ましいことが証明された(ドイツ連邦共和国特許出願公開第10104536号明細書A1、WO 02/22625A1、米国特許第5312942号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10045428号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10045427号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10628448号明細書A1)。
【0003】
Si/B/N/C−セラミックは、分子状前駆体から重合によって得ることができる(重合法)、相応する前セラミックポリマーを熱分解する(Pyrolyse)ことによって合成される。この場合、均一なSi/B/N/Cセラミックは、こうして記載された一成分系前駆体の使用を必要とする。一般に、一成分系前駆体化合物または前セラミックポリマーは、既に生じるセラミックに対して達成しようと努力される全ての(カチオン性)元素を分子中に含有する。前セラミックポリマーは、一般に炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンならびにポリボロシラザン(以下、略記してポリボロシラザンまたはポリマーと記載される)からなる混合物である。
【0004】
こうして得られたセラミック製品を幅広の使用スペクトルに対して経済的に使用できるように形成させるために、このために必要とされるモノマー原料に対して安価な製造法を達成しようと努力すべきである。殊に、できるだけ安価な成分をエダクトとして使用することが努力されている。
【0005】
原料に対する前記の経済的な限界条件は、現在、メチルクロロシラン(MCS, ex Mueller-Rochow-Synthese)およびヘキサメチルジシラザン(HMDS)によって満たされる。
【0006】
異なるメチルクロロシラン(MCS)でのHMDSのシラザン分解および次の三塩化硼素(BCl3)との反応によって、モノマーの一成分系前駆体は得ることができる。使用されるMCS原料に応じて、例えばテトラクロロシランからトリクロロシリルアミノジクロロボランが得られるか、メチルトリクロロシランからメチルジクロロシリルアミノジクロロボラン(MADA)が得られるか、またはジメチルジクロロシランからジメチルクロロシリルアミノジクロロボラン(DADAB)が得られる。
【0007】
相応する前セラミックポリマーへの塩素含有モノマーの前駆体の引続く架橋は、窒素含有架橋試薬、例えばアンモニアまたは第1アミンとの反応によって行なわれる。できるだけ完全な架橋を前駆体分子の塩素官能基の置換下に達成させるために、アミンは、高いモル過剰量で使用される。アミノ分解は、一般に不活性溶剤中で実施され、この不活性溶剤には、ポリマーが溶解され、それによって同様にアミノ分解の際に形成された水酸化アンモニウムが分離されうる。溶剤の除去後、一般になおクロリドの明らかな含量を有する前セラミックポリマーが得られる。
【0008】
このこれまでに使用された重合法は、2つの重大な欠点を有する。こうして得られた前セラミックポリマーは、アンモニアまたはアミノ数倍の過剰量にも拘わらず、なお明らかな量のクロリドを含有する。更に、合成の場合には、大量の溶剤が使用される。
【0009】
本発明は、前セラミックポリマーをできるだけ経済的に製造するという他の方法を提供する課題に基づくものであった。殊に、溶剤の使用量を減少させ、ならびにできるだけ僅かなクロリド含量を有する製品を製造するという課題が課された。
【0010】
この課された課題は、本発明によれば、特許請求の範囲の記載に相応する解決される。
【0011】
意外なことに、本方法の場合にアミノ分解中に互いに生じる、生成物混合物の多相性をアンモニウム塩からのポリマーの分離のために有利に使用することができ、それによって費用のかかる濾過を回避させ、溶剤の必要量を劇的に減少させることができることが見出された。即ち、生じたポリボロシラザン/溶剤相は、連続的に塩酸塩/アミン相と相分離によって分離されることができ、場合によっては後中和および引続き微細濾過(Feinfiltration)によって後処理することができる。この場合、塩酸塩/アミン相は、形成された塩酸塩の主要含分を含有し、廃棄してもよいし、場合によっては例えば中和剤での適当な処理後に後処理されてもよく、エダクトとして系中に返送されてもよい。この場合、中和剤としては、例えばアンモニア、アルカリ金属アルキル、例えばNa−メチラート、アルカリ金属アルコラート、例えばNa−メタノラート、有機アミン、アルカリ液、例えばNaOH、KOH、またはアルカリ金属水素化物、例えばLiH、NaH、LiAlH4、−若干の例のみを挙げる−、を使用することができる。更に、アミンは、蒸留によって簡単にアンモニウム塩と分離されることができ、エダクトとして再度反応路(アミノ分解)に供給されることができる。更に、溶剤は、ポリボロシラザン/溶剤相(以下、略して溶剤相とも呼ばれる)と連続的に蒸留によって分離されることができ、好ましくは再び使用されることができる。
【0012】
また、アミノ分解は、溶剤の添加なしに攪拌釜中で実施されてよい。この場合には、生成物混合物の好ましい一部分は、連続的に取り出されてよく、抽出装置中に移されてよく、取り出された含分は、相応する量のエダクトによって代替されてよい。今や、抽出において、抽出剤または溶剤の添加下に、塩酸塩/アミン相からのアミノ分解の反応生成物は、溶剤または抽出剤相に移されることができ、双方の相は、互いに分離されることができる。この場合、溶剤相または抽出剤相の抽出および引続く蒸留ならびにこの場合に取得される溶剤または抽出剤の系中への返送は、連続的に、ひいては特に経済的に運転されることができる。
【0013】
更に、本発明による方法の特に連続的に運転される処理工程において、蒸留後に得られる、所謂ポリマーの塩素含量は、再度有利に減少させることができ、それによってポリマーへの後加工のために達成しようと努力される高い純度を達成することができる。この場合、所謂ポリマーは、有利に反応性の金属アミド、水素化物または金属オルガニル、例えばリチウムジメチルアミド、マグネシウム−ビス(ジメチルアミド)、水素化アルミニウムリチウム、メチルリチウム、ジメチルマグネシウムと反応されることができ、こうして残留する塩素官能基は、金属塩として分離されることができる。また、好ましくは第2アミンでのポリマーの前記後処理は、圧力下で実施されてよい。
【0014】
従って、本発明の対象は、炭素含有ポリボロシラザンの製造法であり、この場合には、
(i)アミノ分解工程において、一成分系前駆体化合物は、アンモニアまたは有機アミンと反応され、
(ii)アミノ分解による反応混合物は、連続的に運転される抽出工程で少なくとも1回有機溶剤で抽出され、
(iii)抽出の際に生じるアンモニア含有相または有機アミン含有相は、廃棄されるか、後処理されるか、または少なくとも一部分が返送され、および
(iv)抽出の溶剤含有相から、炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザン、殊にモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよびポリボロシラザンからの混合物が取得される。
【0015】
一成分系前駆体化合物は、本発明の場合、本質的にシリルアミノハロゲンボラン、シリルアルキルハロゲンボラン、シリルアミノボラジン、シリルアルキルボラジンまたは前記化合物の少なくとも2つからの混合物である。
【0016】
即ち、本発明による方法の場合、工程(i)で一般式Ia
(3-n)nSi−(NR1)−BRmX’(2-m) (Ia)
〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R1は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特に水素またはメチルを表わし、基XおよびX’は、同一かまたは異なり、XおよびX’は、H、F、Cl、Br、Iまたはアルキルアミノ基、−NR22を表わし、この場合基R2は、同一かまたは異なり、R2は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特にメチルまたは水素と一緒のメチルを表わすかまたはアルコキシ基、例えば−OR3、この場合R3は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わすものとし、特にメトキシまたはエトキシを表わし、nおよびmは、互いに無関係に0、1または2の数値を取ることができ、特にnは、0、1または2の値を取ることができ、mは、0または1の値を取ることができる〕で示されるシリルアミノハロゲンボランまたは
一般式Ib
(3-n)nSi−[C(R42p−BRmX’(2-m) (Ib)
〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R4は、無関係に水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特に水素またはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルを表わすか、または直接に隣接した単位R4は、共有結合により互いに架橋されており、pは、1、2または3の数値を取ることができ、基XおよびX’は、同一かまたは異なり、XおよびX’は、H、F、Cl、Br、Iまたはアルキルアミノ基、例えば−NR22を表わし、この場合基R2は、同一かまたは異なり、R2は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特にメチルまたは水素と一緒のメチルを表わすか、またはアルコキシ基、例えば−OR3、この場合R3は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わすものとし、特にメトキシまたはエトキシを表わし、nおよびmは、互いに無関係に0、1または2の数値を取ることができ、特にnは、0、1または2の値を取ることができ、mは、0または1の値を取ることができる〕で示されるシリルアルキルハロゲンボラン、または
一般式Ic
【化1】

〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R5およびR6は、同一かまたは異なり、R5またはR6は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特に水素またはメチルを表わし、基XおよびX’は、同一かまたは異なり、XおよびX’は、H、F、Cl、Br、I、特にCl、またはアルキルアミノ基、例えば−NR22を表わし、この場合基R2は、同一かまたは異なり、R2は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特にメチルまたは水素と一緒のメチルを表わすか、またはアルコキシ基、例えば−OR3、この場合R3は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わすものとし、特にメトキシまたはエトキシを表わし、nは、0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアミノボラジン、または
一般式Id
【化2】

〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R7は、互いに水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特に水素またはメチルを表わし、R8は、互いに水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特に水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルを表わすか、または直接に隣接した単位R8は、共有結合により互いに架橋されており、qは、1、2または3の数値を取ることができ、基Xは、同一かまたは異なり、Xは、H、F、Cl、Br、I、特にCl、またはアルキルアミノ基、例えば−NR22を表わし、この場合基R2は、同一かまたは異なり、R2は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基、特にメチルまたは水素と一緒のメチルを表わすか、またはアルコキシ基、例えば−OR3、この場合R3は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わすものとし、特にメトキシまたはエトキシを表わし、nは、無関係に0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアルキルボラジン、または
式Ia〜Idの少なくとも2つの化合物からの混合物が使用される。
【0017】
この場合、殊に好ましいのは、一連のトリクロロシリルアミノジクロロボラン、メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、ジメチルクロロシリルアミノジクロロボラン、トリクロロシリル−アミノクロロメチルボラン、メチルジクロロシリルアミノクロロメチルボラン、ジメチルクロロシリル−アミノクロロメチルボラン、トリクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、メチルジクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、ジメチルクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、トリクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、メチルジクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、ジメチルクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルアミノ)ボラジン、B,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルアミノ]ボラジン、B,B’,B’’−トリス[クロロ(ジメチル)シリルアミノ]ボラジン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルメチル)ボラジン、B,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルメチル]ボラジン、B,B’,B’’−トリス[クロロ(ジメチル)シリルメチル]ボラジンまたは前記化合物の少なくとも2つからの混合物からの前記式Ia〜Idの一成分系前駆体化合物であり、この場合メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、トリクロロシリルアミノジクロロボラン、ジクロロボリルメチルトリクロロシリルアミン、トリクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、メチルジクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルアミノ)ボラジン、B,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルアミノ]ボラジン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルメチル)ボラジンまたはB,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルメチル]ボラジンの使用は、特に好ましい。
【0018】
更に、好ましいのは、工程(i)において、アンモニアまたは一般式II
9yNH(3-y) (II)
〔式中、基R9は、同一かまたは異なり、R9は、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、yは、1または2の数値を取ることができる〕で示される第1有機アミンまたは第2有機アミンまたはまたは前記成分の少なくとも2つからなる混合物である。この場合には、殊に一連のメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミンまたはジエチルアミンからの第1有機アミンまたは第2有機アミンが適当であり、この場合メチルアミンが特に有利に使用され、第2アミンは、アンモニアおよび/または第1アミンとの混合物で好ましくは架橋度の制御に適している。
【0019】
本発明による方法の工程(i)において、アンモニアまたは有機アミンは、好ましくは過剰量で使用される。この場合には、殊に少なくとも4〜8倍のモル過剰量が好ましい。
【0020】
本発明による方法のアミノ分解(i)は、適当に−50〜+80℃の範囲内の温度ならびに0.1〜20バール絶対の圧力で実施される。特に、工程(i)は、−40〜60℃、特に有利に−30〜30℃、殊に有利に−25〜10℃、殊に−10〜10℃で、ならびに0.5〜20バール絶対、特に有利に0.8〜10バール絶対、殊に有利に0.9〜3バール絶対の好ましい圧力、殊に周囲圧力で実施される。
【0021】
更に、アミノ分解(i)を実施するための本発明による方法の場合には、反応混合物が単相で存在するような反応条件が好ましい。
【0022】
即ち、アミノ分解(i)は、好ましくは溶剤の存在下で実施されることができる。この場合、アミノ分解(i)の場合には、溶剤として一連のC3〜C9−炭化水素からの物質または物質混合物が使用されてよい。
【0023】
更に、本発明による方法の場合には、好ましくは、工程(i)を連続的に実施することができ、この場合には、反応混合物が工程(i)から取り出され、かつ工程(ii)に供給される程度に大量に使用物質が反応混合物に供給される。
【0024】
本発明による抽出(ii)の場合には、適当に、抽出剤または溶剤として一連のC3〜C9−炭化水素からの物質または物質混合物が使用される。
【0025】
本発明による方法の場合、抽出剤または溶剤としては、特に一連のn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、しみ抜き用ベンジン、トルエン、キシレンまたは前記物質の少なくとも2つからなる混合物が使用される。この場合、特に好ましいのは、n−ヘキサン、シクロヘキサンまたはn−ペンタンの使用である。
【0026】
更に、本発明による方法の工程(ii)を実施する場合に溶剤または抽出剤および本発明によるアンモニアまたは有機アミンを20:1〜1:20の体積比で使用することは、好ましい。好ましくは、10:1〜1:10、特に有利に8:1〜1:2の体積比で、殊に有利に7:1〜1:1、殊に4:1〜2:1の運転条件下での体積比でヘキサンとメチルアミンを使用する場合に作業される。
【0027】
即ち、本発明による方法の場合、抽出(ii)は、好ましくは周囲圧力および−50℃と使用される溶剤または抽出剤、有機アミンの沸点との範囲内の温度、特に−20℃〜約80℃の温度で実施され、この場合−20℃〜+30℃の範囲内の温度は、特に好ましい。
【0028】
一般に本発明による抽出(ii)において、抽出混合物は、連続的に溶剤含有相または抽出剤含有相とアンモニア含有相または有機アミン含有相とに分離される。
【0029】
本発明による方法の場合、先行する抽出工程で分離されたアンモニア含有相または有機アミン含有相は、再び溶剤または抽出剤で抽出されることができ、なお存在する残存量の所謂ポリボロシラザンを取得することができる。即ち、本発明による抽出(ii)は、少なくとも1〜6個、特に2〜5個、特に有利に3〜4個の互いに続く抽出工程を含むことができる。
【0030】
更に、有利には、本発明による方法の場合、工程(iii)で抽出(ii)からのアンモニア含有相または有機アミン含有相は、少なくとも一部分がアミノ分解(i)に返送されるかまたは抽出(ii)からのアンモニア含有相または有機アミン含有相は、蒸留され、こうして返送された有機アミンまたはアンモニアは、再び利用される。即ち、有機アミンまたはアンモニアは、殊にアミノ分解の場合にエダクト成分としてまたは後処理の場合に中和剤として有利に本発明による方法において再循環させることができる。
【0031】
更に、本発明によれば、工程(iv)において、溶剤または抽出剤は、工程(ii)で生じる溶剤含有相または抽出剤含有相から蒸留によって分離され、場合によっては精製され、再びアミノ分解(i)および/または抽出(ii)に供給され、得られた炭素含有ボロシラザン(ポリマー)は、場合によっては後処理される。
【0032】
後処理を実施するために、本発明による方法の場合には、工程(v)において、工程(iv)で得られた炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザン(炭素含有のポリボロシラザンまたはポリボロシラザンまたはポリマーとも呼称される)は、溶剤中に溶解され、この溶液または工程(iv)の範囲内で抽出(ii)に由来する溶剤含有相または抽出剤含有相には、強塩基が添加され、この場合には、支配する条件下で(結晶性)クロリドが生成され、この塩は、液状の溶剤含有相または抽出剤含有相から、特に濾過または遠心分離によって分離され、この処理工程は、1回または数回繰り返される。
【0033】
この場合、強塩基として好ましいのは、アンモニア、第1有機アミンまたは第2有機アミン、特に一般式IIの有機アミン、殊にメチルアミンまたはジメチルアミン、金属アミド、特にリチウムジメチルアミド、ナトリウムアミド、マグネシウム−ビス(ジメチルアミド)、金属水素化物、特に水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、および/または金属オルガニル、特にメチルリチウム、ジメチルマグネシウム、n−ブチルリチウム、第三ブチルリチウム、フェニルリチウムである。この場合記載された化合物は、固体または懸濁液として炭化水素中に使用されてよいし、溶液として本質的に不活性の溶剤中に使用されてよい。
【0034】
更に、本発明による後処理工程の経過中に、中和に引続き、最初に固体の成分および引続き揮発性成分が濾液から除去されることができるかまたは遠心分離物が工程(v)から除去されることができ、この場合には、残留するクロリドが本質的に除去された炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンが生成物として得られる。
【0035】
工程(v)によるポリマー中のクロリド含量を最少化するかかる処理は、連続的または非連続的に実施することができる。
【0036】
図1および図2には、本発明の好ましい実施態様の系統図が示されている。
【0037】
従って、同様に、本発明の対象は、
エダクト供給ユニットまたは計量供給ユニット(1、2)を含むアミノ分解(i)を実施するための攪拌釜(A)、
反応混合物を(A)から(B)へ連続的に移送するためのユニット(4)を含む、抽出(ii)を実施するための混合および分離ユニット(B)、溶剤相または抽出剤相中に溶解された生成物を連続的に移送するためのユニット(9)およびアンモニア含有相またはアミン含有相を(B)から導出するためのユニット(C)を含む抽出(ii)を実施するための混合および分離ユニット(B)ならびに
溶剤または抽出剤を導出するためのユニット(11)および生成物が取り出されるユニット(10)を含む、溶剤または抽出剤を生成物混合物から分離するための蒸留ユニット(C)をベースとする、炭素含有ポリボロシラザンを連続的に製造するための装置に関する。
【0038】
好ましくは、本発明による装置は、ユニット(6)を介して(B)と接続されているユニット(D)を含むことができ、この場合(D)中で固体、殊にアミン塩酸塩は分離され、導出され(8)、アンモニアまたは有機アミンは、気相中に移送され、凝縮され、引続きユニット(7)を介して場合によっては(2)を介して、(A)に返送され、即ち再循環させることができる。
【0039】
更に、本発明による装置の場合には、好ましくは、(C)からユニット(11)、(12)および/または(13)を経てユニット(A)および/または(B)への溶剤または抽出剤の返送が設けられていてよい。
【0040】
特に好ましくは、本発明による装置の場合には、ポリマーの後処理、本発明による方法の工程(v)参照、即ちハロゲン化物含量を炭素含有ポリボロシラザンの混合物から除去するための精製工程(E)が設けられており、この場合(E)は、精製すべきボロシラザン混合物のための供給管(14)、中和剤のための供給管および溶剤のための少なくとも1つの供給管(3c、17、21)を備えた溶解および中和ユニット(E1)、塩含量および場合によってはアミン含量またはアンモニア含量(18)を分離するための次のユニット(E2)およびそれに引続く、溶剤を生成物流(20)から分離するためのユニット(E3)をベースとする。
【0041】
このような装置またはプラントは、本質的に自体公知の、市場で入手可能な機器および構成部材、例えば加熱可能または冷却可能な反応器または釜、攪拌機、抽出器、蒸留塔、濾過器または遠心分離器、管路、ポンプまたは液状ないし粘稠または固体の物質のための生成物輸送機器、監視ユニット、計量供給ユニット、制御ユニットならびに調整ユニットから形成されていてよい。この場合、前記部材は、圧力および腐蝕の影響に対して安定するように形成されていてよい。
【0042】
従って、同様に本発明の対象は、本質的にモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの炭素含有ボロシラザンならびに0.01質量ppm〜0.1質量%、特に0.1質量ppm〜0.05質量%、特に有利に1質量ppm〜0.01質量%、殊に有利に10質量ppm〜0.005質量%、殊に50質量ppm〜0.001質量%の、ハロゲン化物として計算した、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのハロゲン含有および炭素含有のボロシラザンの含量を含有する組成物を製造するための本発明による装置の使用である。
【0043】
更に、本発明の対象は、本質的にモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの炭素含有のボロシラザンならびに0.01質量ppm〜0.1質量%の、ハロゲン化物として計算した、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのハロゲン含有および炭素含有のボロシラザンの含量を含有する組成物である。
【0044】
一般に、ポリマーまたは特にクロリド貧有のポリマーを取得するための本発明による方法は、次のように実施される:
エダクトのアンモニアまたは有機アミン(2)および一成分系前駆体化合物(1)、なかんずく式Ia〜Id参照、は、攪拌釜または反応器(A)中で変換することができる(アミノ分解)。この場合には、溶剤が添加されてもよい(3a、13)。一般に連続的な運転形式で量的にエダクト(1、2、3a、13)が供給されるように大量に、(A)からの反応混合物は、輸送ユニット(4)を経て連続的に運転される抽出段階(BまたはB1)中に移送される。抽出または抽出段階(BまたはB1、B2、B3)中には、他の量の溶剤(3b、12または3d、3e、3f、11a、11b、11c)が供給されてよい。連続的抽出は、多段階で実施されてよい(B1、B2、B3)。
【0045】
抽出ユニット(BまたはB1、B2、B3)の静止相または静止領域中には、相境界(5または5a、5b、5c)が形成され、この場合上部の溶剤含有相は、生成物を溶解された形で含有する。下部の相は、過剰のアミンまたはアンモニアならびにアミン塩酸塩または塩化アンモニウムを含有し、これは、少なくとも一部分が導出される。更に、上部の溶剤含有相の量は、蒸留ユニット(C)中に移送される(輸送ユニット9または9a、9b、9c参照)。この場合、抽出ユニットから供給される量と該抽出ユニットから取り出される量とは、釣り合いを保っている。
【0046】
抽出から導出されたアミン含有相またはアンモニア含有相は、廃棄されてよい。しかし、少なくとも一部分は、(A)に返送されてもよく(6a)、過剰量で使用されるアミンまたはアンモニアは、経済的に有用である。しかし、好ましくは、アミン含有相またはアンモニア含有相は、少なくとも一部分が後処理ユニット(D)中に返送されてもよく、この後処理ユニット中で最初に、例えば濾過(8)によって固体の塩含量の分離を行なうことができる。濾液は、適当に蒸留することができ、この場合塔頂生成物は、好ましくは再循環され(7)、時々塩含量は塔底部から除去される(8)。
【0047】
溶剤含有の生成物相は、連続的に蒸留ユニット(C)中に移送されることができ、そこで再循環可能な溶剤(11)とポリマー(10)、即ち生成物とに分離される。この場合、この生成物は、一般に、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの炭素含有のボロシラザンならびにモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのハロゲン含有ボロシラザンおよび炭素含有ボロシラザンのなお明らかな含量を含有する組成物である。
【0048】
できるだけ低い含量のハロゲン含有ポリマーを有する生成物組成物を提供することができるようにするために、本発明方法の範囲内でかまたは個別にポリマー(10または14)は、溶剤中に溶解することができ(E1)、強塩基(15)が存在するハロゲン化物の中和または結合のために添加されることができ、この反応混合物は、この場合に生じた塩(18)の分離のために分離ユニット(E2)中に移送することができる。更に、液相は、(E2)から(E3)に向かって蒸留ユニットに導くことができ、この蒸留ユニットから再循環可能な塔頂生成物(21)および有利に後処理された、特にハロゲン貧有のポリマー(20)中に移送することができる。後処理工程は、好ましくは連続的に実施されてよい。
【0049】
本発明による組成物、即ちハロゲン化物、殊にクロリド(Cl-)として計算した、0.1質量%未満のハロゲン含有ポリマーの含量を有する本発明によるポリマー混合物は、本発明による連続的な方法により、本発明による装置を使用しながら比較的簡単に経済的に、ひいては特殊なセラミックのSi/B/N/Cをベースとする生成物への後加工にとって有利に提供されうる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造する方法を実施するための本発明による装置の1実施態様を示す系統図。
【図2】炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造する方法を実施するための本発明による装置の別の1実施態様を示す系統図。
【符号の説明】
【0051】
1、2 エダクト供給ユニットまたは計量供給ユニット(図1)、1 一成分系前駆体化合物(図2)、 2 エダクトのアンモニアまたは有機アミン(図2)、 3a、3b、3d、3e、3f、11a、11b、11c、12、13 溶剤(図2)、 3c、17、21 中和剤のための供給管および溶剤のための少なくとも1つの供給管(図1)、 4 反応混合物を(A)から(B)へ連続的に移送するためのユニット(図1)、 4 輸送ユニット(図2)、 5または5a、5b、5c 相境界(図2)、 6、7 ユニット(図1)、 7再循環(図2)、 8 濾過(図2)、 9 溶剤相または抽出剤相中に溶解された生成物を連続的に移送するためのユニット(図1)、 9または9a、9b、9c 輸送ユニット(図2)、10 生成物が取り出されるユニット(図1)、 10、14 ポリマー(図2)、 11 溶剤または抽出剤を導出するためのユニット(図1)、 11 再循環可能な溶剤(図2)、 12、13 ユニット(図1)、 15 強塩基(図2)、 18 塩(図2)、 20 生成物流(図1)、 20 ハロゲン貧有のポリマー(図2)、 21 蒸留ユニットから再循環可能な塔頂生成物(図2)
A 攪拌釜(図1、図2)、 B 混合および分離ユニット(図1)、 B、B1、B2、B3 抽出段階(図2)、 C アンモニア含有相またはアミン含有相を(B)から導出するためのユニット、または溶剤または抽出剤を生成物混合物から分離するための蒸留ユニット(図1、図2)、 D ユニット(6)を介して(B)と接続されているユニット(図1)、 D 後処理ユニット(図2)、 E ハロゲン化物含量を炭素含有ポリボロシラザンの混合物から除去するための精製工程(図1)、 E1 溶解および中和ユニット(図1)、 E2 塩含量および場合によってはアミン含量またはアンモニア含量(18)を分離するための次のユニット(図1)、 E2 分離ユニット(図2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンの製造法において、
(i)アミノ分解工程において、一成分系前駆体化合物をアンモニアまたは有機アミンと反応させ、
(ii)アミノ分解による反応混合物を、連続的に運転される抽出工程で少なくとも1回有機溶剤で抽出し、
(iii)抽出の際に生じるアンモニア含有相または有機アミン含有相を、廃棄するか、後処理するか、または少なくとも一部分を返送し、および
(iv)抽出の溶剤含有相から炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを取得することを特徴とする、炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンの製造法。
【請求項2】
工程(i)で一般式Ia
(3-n)nSi−(NR1)−BRmX’(2-m) (Ia)
〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R1は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、基XおよびX’は、同一かまたは異なり、XおよびX’は、H、F、Cl、Br、I、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表わし、nおよびmは、互いに無関係に0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアミノハロゲンボラン、または
一般式Ib
(3-n)nSi−[C(R42p−BRmX’(2-m) (Ib)
〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R4は、無関係に水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、pは、1、2または3の数値を取ることができ、基XおよびX’は、同一かまたは異なり、XおよびX’は、H、F、Cl、Br、I、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表わし、nおよびmは、互いに無関係に0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアルキルハロゲンボラン、または
一般式Ic
【化1】

〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、基R5およびR6は、同一かまたは異なり、R5またはR6は、水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、基Xは、同一かまたは異なり、Xは、H、F、Cl、Br、I、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表わし、nは、無関係に0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアミノボラジン、または
一般式Id
【化2】

〔式中、基Rは、同一かまたは異なり、Rは、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、R7およびR8は、無関係に水素原子または1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、qは、1、2または3の数値を取ることができ、基Xは、同一かまたは異なり、Xは、H、F、Cl、Br、I、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表わし、nは、無関係に0、1または2の数値を取ることができる〕で示されるシリルアルキルボラジン、または式Ia〜Idの少なくとも2つの化合物からの混合物を使用する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(i)で一連のトリクロロシリルアミノジクロロボラン、メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、ジメチルクロロシリルアミノジクロロボラン、トリクロロシリルアミノクロロメチルボラン、メチルジクロロシリルアミノクロロメチルボラン、ジメチルクロロシリルアミノクロロメチルボラン、トリクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、メチルジクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、ジメチルクロロシリル−ジクロロボリル−メタン、トリクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、メチルジクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、ジメチルクロロシリル−クロロメチルボリル−メタン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルアミノ)ボラジン、B,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルアミノ]ボラジン、B,B’,B’’−トリス[クロロ(ジメチル)シリルアミノ]ボラジン、B,B’,B’’−トリス(トリクロロシリルメチル)ボラジン、B,B’,B’’−トリス[ジクロロ(メチル)シリルメチル]ボラジン、B,B’,B’’−トリス[クロロ(ジメチル)シリルメチル]ボラジンまたは前記化合物の少なくとも2つからの混合物の一成分系前駆体化合物を使用する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
工程(i)でアンモニアまたは一般式II
9yNH(3-y) (II)
〔式中、基R9は、同一かまたは異なり、R9は、1〜20個のC原子を有する直鎖状、分枝鎖状または環式炭化水素基を表わし、yは、1または2の数値を取ることができる〕で示される第1有機アミンまたは第2有機アミン、または前記成分少なくとも2つからなる混合物を使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程(i)で液状のアンモニアまたは一連のメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミンまたはジエチルアミンからの第1有機アミンまたは第2有機アミン、または前記化合物の少なくとも2つからなる混合物を使用する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程(i)でアンモニアまたは有機アミンを過剰量で使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
アミノ分解を−50〜+80℃の範囲内の温度および0.1〜40バール絶対の圧力で実施する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
アミノ分解(i)を単相で実施する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
アミノ分解(i)を溶剤の存在下で実施する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
アミノ分解(i)で溶剤として一連のC3〜C9−炭化水素からの物質または物質混合物を使用する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程(i)を連続的に実施し、この場合には、反応混合物が工程(i)から取り出され、かつ工程(ii)に供給される程度に大量に使用物質が反応混合物に供給される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
抽出(ii)で溶剤として一連のC3〜C9−炭化水素からの物質または物質混合物を使用する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
一連のn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、しみ抜き用ベンジン、トルエン、キシレンまたは前記物質の少なくとも2つからなる混合物からの溶剤を使用する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(ii)で溶剤の含量と存在するアンモニアまたは有機アミンとを20:1〜1:20の体積比に調節する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
抽出(ii)を−50℃と使用される溶剤または有機アミンの沸点との間の範囲内の温度で運転する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
抽出(ii)で抽出混合物を溶剤含有相とアンモニア含有相または有機アミン含有相とに分離する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
抽出(ii)の際に先行する抽出工程で分離されたアンモニア含有相または有機アミン含有相を再び溶剤で抽出する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
抽出(ii)は、少なくとも1つないし6つの抽出工程を含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
工程(iii)で抽出(ii)からのアンモニア含有相または有機アミン含有相の少なくとも一部分をアミノ分解(i)に返送するかまたは抽出(ii)からのアンモニア含有相または有機アミン含有相を、蒸留し、こうして返送された有機アミンまたはアンモニアを再び利用する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
工程(iv)で溶剤を工程(ii)で生じる溶剤含有相を蒸留によって分離し、場合によっては精製し、再びアミノ分解(i)および/または抽出(ii)に供給し、得られた炭素含有ボロシラザンを場合によっては後処理する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
工程(v)において、工程(iv)で得られた炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを溶剤中に溶解し、この溶液または工程(iv)の範囲内で抽出(ii)に由来する溶剤含有相に強塩基を添加し、この場合には、支配する条件下で(結晶性)クロリドが生成され、この塩を、液状の溶剤含有相または抽出剤含有相から分離し、この処理工程を1回または数回繰り返す、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
強塩基としてアンモニア、第1有機アミンまたは第2有機アミン、金属アミド、金属水素化物および/または金属オルガニルを使用する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
最初に固体の成分および引続き揮発性成分を濾液から除去するかまたは遠心分離物を工程(v)から除去し、この場合に、残留するクロリドが本質的に除去された炭素含有のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのボロシラザンを生成物として得られる、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
工程(v)を連続的または非連続的に実施する、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造するための装置において、
エダクト供給ユニットまたは計量供給ユニット(1、2)を含むアミノ分解(i)を実施するための攪拌釜(A)、
反応混合物を(A)から(B)へ連続的に移送するためのユニット(4)、溶剤相中に溶解された生成物を(B)から(C)へ連続的に移送するためのユニット(9)およびアンモニア含有相またはアミン含有相を(B)から導出するためのユニット(6)を含む抽出(ii)を実施するための混合および分離ユニット(B)ならびに
溶剤を導出するためのユニット(11)および生成物が取り出されるユニット(10)を含む、溶剤を生成物混合物から分離するための蒸留ユニット(C)をベースとすることを特徴とする、炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンを連続的に製造するための装置。
【請求項26】
ユニット(6)を介して(B)と接続されているユニット(D)を含み、この場合(D)中で固体を分離し、導出し(8)、アンモニアまたは有機アミンを、気相中に移送し、凝縮し、引続きユニット(7)を介して場合によっては(2)を介して、(A)に返送する、請求項25記載の装置。
【請求項27】
溶剤を(C)からユニット(11)、(12)および/または(13)を経てユニット(A)および/または(B)中に返送する、請求項25または26記載の装置。
【請求項28】
ハロゲン化物含量を炭素含有のモノボロシラザン、オリゴボロシラザンおよび/またはポリボロシラザンの混合物から除去するための精製工程(E)を有し、この場合(E)は、精製すべきボロシラザン混合物のための供給管(14)、中和剤のための供給管および溶剤のための少なくとも1つの供給管(3c、17、21)を備えた溶解および中和ユニット(E1)、塩含量および場合によってはアミン含量またはアンモニア含量(18)を分離するための次のユニット(E2)およびそれに引続く、溶剤を生成物流(20)から分離するためのユニット(E3)をベースとする、請求項25から27までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
本質的にモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの炭素含有のボロシラザンならびに0.01質量ppm〜0.1質量%の、ハロゲン化物として計算した、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのハロゲン含有および炭素含有のボロシラザンの含量を含有する組成物を製造するための請求項25から28までのいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項30】
本質的にモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの炭素含有のボロシラザンならびに0.01質量ppm〜0.1質量%の、ハロゲン化物として計算した、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーのハロゲン含有および炭素含有のボロシラザンの含量を含有する組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−528651(P2008−528651A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553540(P2007−553540)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000953
【国際公開番号】WO2006/082069
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【住所又は居所原語表記】Berlin, Germany
【Fターム(参考)】