説明

炭素系磁性材料を用いたスピントロニクス素子

【課題】磁性材料に遷移金属を含まない軽元素を用い、軽量化と環境調和性に寄与するスピントロニクス素子構造を提供することである。
【解決手段】本発明に係るスピントロニクス素子構造は、炭素系材料からなる材料の一端の磁気モーメントのみを消去することにより強磁性を持たせた材料を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重金属を用いないスピントロニクス素子に関し、特に炭素系磁性材料を用いたスピントロニクス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年スピントロニクス技術に関する研究が進んでいる。スピンを利用した、ロジック、メモリ素子は、荷電を利用したそれらに比較して、低消費電力動作が可能なので、従来の半導体製品よりも環境調和性の高い製品を提供すると期待されている。例えば特許文献1には、常磁性化合物の遷移金属原子の原子磁気モーメントを利用するメモリが開示されている。
【0003】
また、炭素材料を用いた素子の例として、特許文献2には、グラフェンを含む非線形素子を有するグラフェン集積回路が開示されている。特許文献3には、1対の金属性電極間にグラフェンを含む層を有する電子素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2006/001332号公報
【特許文献2】特開2007−335532号公報
【特許文献3】特開2009−111377号公報
【特許文献4】特開2009−176401号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】M. Fujita, K. Wakabayashi, K. Nakada and K. Kusakabe, “Peculiar Localized State at Zigzag Graphite Edge”, J. Phys. Soc. Jpn, Vol. 65, p1920 (1996)
【非特許文献2】H. Lee, Y. −W. Son, N. Park, S. Han and J. Yu, “Magnetic ordering at the edges of graphite fragments:Magnetic tail interactions between the edge−localized states”, Phys. Rev. B72, 174431(2005).
【非特許文献3】J. Zhou et al., “Ferromagnetism in Semihydrogenated Graphene Sheet”, Nano Letters (Publication Date (Web): August 31, 2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スピンを利用した素子は、荷電を利用したものと同等のサイズで素子が構成されている場合には、スピン反転相互作用が、Coulomb相互作用に比較して小さいので、素子の動作速度が遅いという欠点がある。それを補うためには、素子サイズをナノスケールにする必要がある。ナノスケールの規模で磁性をコントロールできれば、例えば特許文献1に記載のスピンの向きを利用したメモリを実現することや、特許文献4に記載の磁気抵抗素子をナノスケールにダウンサイジングして製造することが可能になる。
【0007】
ここで第1の問題点は、スピントロニクス素子おいて磁性を有する電極材料が現在のところFe、Co、Niなどの遷移金属に限られていることである。しかし、これらの金属類は、環境調和性を考えると、使用を控えるべきである。第2の問題点は、ナノスケールサイズにすると、遷移金属からなる素子は構造安定性が悪いということである。その理由は、これらの材料における、酸化や歪に対するもろさが、ナノスケールにダウンサイジングした際の素子性能を保証しないからである。
【0008】
非特許文献3において、一枚のグラフェンシートを強磁性体化する方法として、シートの片面の炭素原子のうち50%のみを水素原子にて終端する方法が提案されている。この方法はグラフェンのエッジを利用しないで強磁性を実現する方法であるが、実際に水素終端が50%よりも少しでも多いあるいは少ない場合には強磁性体は実現できない。そして非特許文献3には、どのような方法で50%の炭素原子を水素終端するかは開示されておらず、実用可能かどうか不明である。
【0009】
本発明の課題は、磁性材料に遷移金属を含まない軽元素を用い、軽量化と環境調和性に寄与するスピントロニクス素子構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の視点において、本発明に係るスピントロニクス素子構造は、炭素系材料からなる材料の一端の磁気モーメントのみを消去することにより強磁性を持たせた材料を含むことを特徴とする。
【0011】
第2の視点において、本発明に係るスピントロニクス素子構造の製造方法は、炭素系材料からなる材料の一端に水分子を吸着させるステップを含み、水分子の該吸着により該一端の磁気モーメントのみを消去し、該炭素系材料に強磁性を持たせることを特徴とする。
【0012】
第3の視点において、本発明に係る磁気モーメントを調整する方法は、一端に水分子を吸着させることで該一端の磁気モーメントのみを消去した多層グラフェン層から構成したスピントロニクス素子の電極の磁気モーメント調整方法であって、必要な磁気モーメント量に応じて該グラフェン層の数と幅を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による炭素系磁性材料を用いた素子構造は、軽量化と環境調和性に寄与するとともに、スピンを有する電極も、スピンを輸送するチャネル部も小さく作りこむことができるので、素子動作の高速化に寄与する。このようにスピンを利用とした素子とすることで、荷電素子に比較して低消費電力化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る、磁気抵抗を利用したスピントロニクスデバイスの構造例である。
【図2】本発明に係る強磁性電極材料の1例である。
【図3】グラフェンリボンの両方の端の磁気モーメントを示す模式図である。
【図4】図3のリボンが多層になった構造を示す模式図である。
【図5】本発明に係る磁性グラファイト構造を利用したスピントロニクスデバイス構成図である。
【図6】グラフェン端の単位長さ辺りの磁気モーメントの大きさを示す図である(非特許文献2の表2による)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の視点において、前記炭素系材料は多層構造のグラフェン又はカーボンナノチューブからなる材料であり、該材料を電極に用いることが好ましい。
【0016】
また、前記炭素系材料の一端に水分子を吸着させたことにより、該材料の一端の磁気モーメントのみを消去することが好ましい。
【0017】
また、吸水性材料からなる基板の上に前記材料の一端を配置することにより、該一端に水分子を供給して吸着させることが好ましい。
【0018】
また、前記炭素系材料の一端にベンゼン環を有する化合物又はベンゼン環が縮合した多環式化合物を吸着させたことにより、該材料の一端の磁気モーメントのみを消去することもできる。
【0019】
また、前記炭素系材料からなる材料を用いて構成した少なくとも2つの電極間を、グラフェン又はカーボンナノチューブからなるチャネル部により接続することが好ましい。これにより、スピントロニクス素子におけるスピン移動度(より厳密には、スピン偏極した電子の移動度)を高くすることができる。なぜなら、チャネル部分にグラフェン等の炭素系材料を用い、さらにそれと接する磁性を有する電極が遷移金属ではなく、グラフェン等の集合体を用いているため、電極とチャネル部の接触抵抗を下げているからである。また、素子全体の構造をナノスケールにしても、素子構造の安定性が損なわれない。なぜなら、融点の高いグラフェン等だけで素子構造を形成しているからである。このように、融点が高く、化学的に不活性な材料を、素子を構成する電極・チャネル部分の材料に選ぶことで、構造安定性を高め、信頼性が向上する。
【0020】
また、前記チャネル部の長さが、素子を用いるデバイスの動作速度に合わせて規定されていることが好ましい。
【0021】
また、前記炭素系材料は、多層構造のグラフェン層から構成され、該グラフェン層の数と幅は、必要な磁気モーメント量に応じて規定されていることが好ましい。
【0022】
第2の視点において、強磁性を持たせた前記材料を少なくとも2つの電極として構成するステップと、該少なくとも2つの電極間をグラフェン又はカーボンナノチューブからなるチャネル部により接続するステップと、を含むことが好ましい。
【0023】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、本発明の実施の形態は、両極に磁気モーメントを有する電極1、2にはさまれたチャネル部3を有しており、チャネル部3には電子スピンの寿命が長い材料が必要である。これは、通常のスピン寿命ではスピン反転が容易に起きてしまい、電極磁気モーメントが並行であろうが反平行であろうが伝導度に差が出なくなってしまうからである。チャネル部3のスピンの寿命が長い場合には、両端の電極1,2の磁気モーメントが平行なときにのみ伝導度を有し(on動作、図1(a)参照)、反並行のときには伝導度を有しない(off動作、図1(b)参照)。チャネル部3を走る電子のスピン状態は電極1の方向に保存されたままである。
【0024】
図1の電極1、2には、グラフェンの多層膜を用いており、強磁性を持たせるために図2のようにグラフェン層5の片側の端(図では下端)が水素に加えて水分子8で終端された構造を有している。なお、水分子8で終端された反対側の端は図示しないが水素終端されている。
【0025】
また、図1のチャネル部3では、数層からなるグラフェンか、あるいはカーボンナノチューブが望ましい。その理由は電極材料と類似の構造を有する材料で、接触抵抗が低いことが期待されるからである。さらに、これらのチャネル材料ではスピンを有する電子が輸送される間、スピン反転が起きない利点もある。
【0026】
グラフェンを有限幅の短冊状に切ったグラフェンリボン(グラフェン層)は、その端に磁気モーメントを持った電子が存在するため、その端に磁気モーメントが発生することは良く知られている。ジグザグ端を有するグラフェン(端の炭素原子は水素原子で終端されている)は、非特許文献1の図6が示すとおり、端の一方に上向きスピン、もう片側の端に下向きスピンが存在する。この模式図を図3に示した。両方の端でスピンが必ず反対方向を向き、全体の磁気モーメントが打ち消しあっている。そのため、このままではグラフェンは巨大な磁気モーメントを持つことができない。なお、図3ではグラフェンの端を終端している水素原子は省略されている。グラフェンの両端の磁気モーメントはグラフェンの端に局在する炭素のπ軌道によるもので、端を終端する水素原子の影響を受けるものではない。しかし、このπ軌道と相互作用できる分子がグラフェンの端に吸着すると、磁気モーメントが消失する。
【0027】
一方、このようなグラフェン層5が何層にも重なった場合の磁気モーメントを模式的に示したのが図4である。図3と同様に全体の磁気モーメントは上向きスピンと下向きスピンで相殺してしまうことに変わりはないが、隣り合う層の同じ側の端では、スピンは平行方向を向くことがわかっている(非特許文献2)。なお、グラフェンの積層はAB−stackingとよばれる積層構造でないと、端での強磁性発現がないことが、非特許文献2の表1及び表2に示されているが、AB−stacking構造は天然で安定構造なので、容易に実現する構造である。本明細書の図3と4とを見比べると、グラフェンリボン(層)の片側のスピンを何らかの方法で消去できれば、層をまたがるスピンは平行になる傾向にあるのだから、全体として巨大な磁気モーメントを得ることができることが結論付けられる。
【0028】
なお、図3、4で説明したグラフェンのジグザグ端をもつカーボンナノチューブにおいても、ナノチューブの両方の端においてそれを水素終端した場合、磁気モーメントが生じる。そのままでは、それぞれの端の磁気モーメントが反対方向を向き、全体として反磁性であるが、水素終端に加えて片方の端だけを水分子終端することで、ナノチューブの残りの端に磁気モーメントを生じる。多層グラフェンの場合と同様、多層カーボンナノチューブにおいて、そろった片方の端の磁気モーメントだけを水素に加えて水終端により消失させることで、残りの端の磁気モーメントが平行になろうとする相互作用が残ることは、図4から類推して明らかである。
【0029】
図2の水分子の変わりに、ベンゼン分子、ナフタレン分子のようなπ軌道を持つ有機分子もグラフェンの端の磁気モーメント消失には有効である。その理由は、水分子と同様に、グラフェンの端のπ電子と相互作用して、その磁気モーメントを消失させる性質を持った分子軌道を、これらの分子も有するからである。これらの分子は水分子と異なり、グラフェンの層と層の隙間に入り込み拡散する可能性もあるので、その効果の大きさは実験的に検証する必要があるが、同じπ軌道を持つ高分子群はその移動速度の遅さから、グラフェン層の隙間に入り込むことは少ないと期待される。従って、本発明の水分子を利用する効果と同様に片側の端だけに吸着し巨大磁気モーメントを作り出すことができると考えられる。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
図2の構造は、おのおののグラフェンリボン(層)の片側端部に水分子を吸着させることにより、磁気モーメントを消去することを利用して、平行スピンだけを残すことで全体の磁気モーメントを巨大にしたものである。基板4は吸水性の材料による基板であり、グラフェン層と接することにより、その端に水分子を供給する。非特許文献2と同様の第一原理計算理論を用いた全エネルギー計算によれば、水素終端されたグラフェンリボンにおいても、水分子はリボンの中の部分より端の部分に吸着する傾向がある。エネルギーに換算して水分子1個当たり0.5eVの差で、水分子はリボンの端にいるほうが安定である。水分子がリボンの端に存在すると、水分子の最高位占有分子軌道(HOMO)と、グラフェンの端のπ軌道の相互作用のせいで、水分子のいる側の磁気モーメントが消失し、水分子のない反対側の端の磁気モーメントだけが残る。
【0031】
更に、この第一原理計算の結果、水はグラフェンリボンの端に吸着することはあっても、層と層の隙間に入りこむ(インターカレートする)ことは無いことがわかっている。従って、水が吸着したのとは反対側の端にまで水が浸透し、残りの磁気モーメントを消失してしまう恐れは無い。
【0032】
したがって、図2のようにグラフェン多層からなる構造の片方の端を水素に加えて水分子で完全終端してやれば、反対側の端(繰り返しになるが、こっちは水素終端されているのみである)の磁気モーメントが全て平行にそろった構造になる。この強磁性構造は、外部より与える磁場の方向に平行になるような巨大磁気モーメントを示すという強磁性の特徴を示す。したがって、このような構造をもつ材料を、図1における磁気モーメントを持った電極として用いれば、スピントロニクスデバイスを構成することができる。
【0033】
(実施例2)
図5に示した構造は、本発明による磁性グラファイト構造を利用したスピントロニクスデバイス構造で、その動作原理は図1に示したものと同等である。図1における磁気モーメントを有する電極が図5では積層したグラフェン層5とその片側の端を終端する基板4からなっている。図1におけるチャネル部3は、図5ではグラフェンを用いている。なお、図5においては、図2〜4まで示した炭素原子一つ一つの配列の表記は省略されている。図5における実際の寸法には制限がない。非特許文献2の図6からもわかるように、電極部分を構成するグラフェン層一枚一枚の幅は有限から無限になっても磁気モーメントを有することが知られている。したがって、磁気モーメントを持たせるだけならば図5の構造をナノスケールにする必要はない。しかしながら、高速動作を目標にするのなら、図5のチャネル長(図中の双方向矢印に示す長さ)を数ミクロンから数ナノまでダウンサイジングする必要がある。GHz動作を目標にするのなら、チャネル長は1ミクロン程度、THzでは1ナノメートル程度にする必要がある。
【0034】
一方、電極側のグラフェンの積層数と端の長さについては、要求される磁気モーメントの絶対値が大きければ大きいほど多くの層数が必要になる。得られる磁気モーメントの大きさは、層数×端の長さに比例する。非特許文献2の表6から換算して、強磁性を示すグラフェンの磁気モーメントの大きさは端の炭素原子一個当たり1.26μB(μBはボーア磁子)である。炭素原子一個分の端の長さL(図4参照)をnm単位で示すと0.246nmになるので、この長さ1nmあたりL/0.246個の炭素原子、すなわちL*1.26/0.246μBの磁気モーメントを有する。この式を用いて、スピントロニクスデバイスに必要な電極の磁気モーメントにあわせて、グラフェン幅、総数を設計すればよい(図6参照)。
【0035】
本発明の活用例として、スピン注入方トランジスタやメモリ素子の構成要素といった、既存スピントロニクスデバイスと同じ領域が挙げられる。先にも述べたように、毒性のある遷移金属を必要としない素子構造を持つので、環境調和性の高いスピントロニクス素子ができる。また、動作速度を上げるためにナノスケールへダウンサイジングした際に、グラフェンの安定性が、素子の信頼性を高める利点がある。
【0036】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 磁気モーメントを持った一方の電極
2 磁気モーメントを持った他方の電極
3 チャネル部
4 基板
5 グラフェン層
6 グラフェン層の片側の端に局在する磁気モーメント
7 6と反対側の端の磁気モーメント
8 水分子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素系材料からなる材料の一端の磁気モーメントのみを消去することにより強磁性を持たせた材料を含むことを特徴とする、スピントロニクス素子構造。
【請求項2】
前記炭素系材料は多層構造のグラフェン又はカーボンナノチューブからなる材料であり、該材料を電極に用いたことを特徴とする、請求項1に記載の素子構造。
【請求項3】
前記炭素系材料の一端に水分子を吸着させたことにより、該材料の一端の磁気モーメントのみを消去したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の素子構造。
【請求項4】
吸水性材料からなる基板の上に前記材料の一端を配置することにより、該一端に水分子を供給して吸着させたことを特徴とする、請求項3に記載の素子構造。
【請求項5】
前記炭素系材料の一端にベンゼン環を有する化合物又はベンゼン環が縮合した多環式化合物を吸着させたことにより、該材料の一端の磁気モーメントのみを消去したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の素子構造。
【請求項6】
前記炭素系材料からなる材料を用いて構成した少なくとも2つの電極間を、グラフェン又はカーボンナノチューブからなるチャネル部により接続したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の素子構造。
【請求項7】
前記チャネル部の長さが、素子を用いるデバイスの動作速度に合わせて規定されていることを特徴とする、請求項6に記載の素子構造。
【請求項8】
前記炭素系材料は、多層構造のグラフェン層から構成され、該グラフェン層の数と幅は、必要な磁気モーメント量に応じて規定されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の素子構造。
【請求項9】
炭素系材料からなる材料の一端に水分子を吸着させるステップを含み、水分子の該吸着により該一端の磁気モーメントのみを消去し、該炭素系材料に強磁性を持たせることを特徴とする、炭素系材料からなるスピントロニクス素子構造の製造方法。
【請求項10】
強磁性を持たせた前記材料を少なくとも2つの電極として構成するステップと、
該少なくとも2つの電極間をグラフェン又はカーボンナノチューブからなるチャネル部により接続するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
一端に水分子を吸着させることで該一端の磁気モーメントのみを消去した多層グラフェン層から構成したスピントロニクス素子の電極の磁気モーメント調整方法であって、
必要な磁気モーメント量に応じて該グラフェン層の数と幅を調整することを特徴とする、磁気モーメント調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−124328(P2011−124328A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279487(P2009−279487)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】