説明

炭素酸化物のメタン化触媒の製造方法およびその触媒を使用したメタン化方法

【課題】 二酸化炭素、一酸化炭素と二酸化炭素との混合物、またはこれらを主成分とする混合物を水素と反応させてメタンを得るメタン化反応に使用する触媒の、改良された製造方法を提供する。
【解決手段】 Zr(A)のヒドロゾル、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,CaおよびMgから選んだ1種または2種以上の安定化元素(B)の塩および鉄族元素(C)の塩を混合し、濃縮・乾固・焼成して触媒前駆体とする。この触媒前駆体を還元処理して、触媒を得る。このとき、元素状態の金属に基づいて、原子%で、A:18〜70%、B:1〜20%、C:25〜80%の化学組成とする。このようにして、安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の複酸化物に、金属状態の鉄族元素を担持させた触媒が得られる。鉄族元素は、NiまたはNiとFeおよびCoの1種または2種であって、Niが原子比率で全体の0.6またはそれ以上を占める必要がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とする混合ガスと、水素とを反応させてメタンを製造するための触媒の製造方法に関する。本発明はまた、その方法により製造した触媒を使用するメタン化方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料を燃焼することによって排出される二酸化炭素が引き起こす、地球温暖化の問題が深刻となり、排出量を削減する対策が検討されている。その一つの方法として、二酸化炭素を水素と反応させてメタンを生成させる方法が、エネルギー生産法としても期待されている。それとともに、コークス、石炭、バイオマス燃料、汚泥廃棄物などのガス化で得られる水素、一酸化炭素、二酸化炭素からなる低カロリーガスをメタン化して、高カロリーのガスを製造する技術にも、期待がかかっている。
【0003】
二酸化炭素および一酸化炭素を含む混合ガスと水素とを接触的に反応させ、メタンを製造する反応の触媒として、これまで、ラネーニッケル、アルミナおよびシリカを担体とした触媒を用いることが試みられていた。しかしながら、既知のこの種の触媒では、メタンヘの転化の反応速度が遅いため、反応圧力を高圧にする必要があった。
【0004】
メタン合成を効率よく行なうことができる触媒として、筆頭発明者を中心とする研究グループは、Ni,Coなどの鉄族金属と、Zr,Ti,Nb,Taなどのバルブメタルとの合金の溶湯を、液体急冷法によってリボン状のアモルファス合金にしたものが、すぐれた触媒性能を有することを見出し、すでに開示した。(特許文献1、特許文献2,特許文献3)。この触媒は、メタンヘの選択率がほぼ100%であり、大気圧下においてもきわめて高い転化率を示す。しかしながら、液体急冷法による触媒製造は、量産性に欠けるほか、触媒がリボン形状であるため、触媒反応システムが制限されるという問題がある。
【0005】
そこで発明者のグループは、上述の触媒を基礎にして、リボン状触媒に代わる、量産性の高い粉末触媒を製造する方法を開発し、これも開示した(特許文献4)。この触媒は、正方晶系ジルコニア担体にNiおよび(または)Coを担持した触媒であって、Zrの酸化物中に正方晶を形成し安定化するための安定化元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu,MgおよびCa)のいずれかを加えた正方晶系ジルコニア担体を焼成により用意し、それにNiおよび(または)Coの化合物の溶液を含浸させ、加熱して乾燥した後、還元してNiおよび(または)Coを金属状態にしたものである。
【特許文献1】特開平10−43594
【特許文献2】特開平10−244158
【特許文献3】特開平10−263400
【特許文献4】特開2000−254508
【0006】
特許文献4に記載されている触媒とその製造方法は、つぎのとおりである。
[触媒] 正方晶ジルコニア系担体にNi及び/又はCoを担持してなる二酸化炭素メタン化用触媒において、該正方晶ジルコニア系担体は、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu、MgおよびCaよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の安定化元素を含み、該ジルコニア担体中の安定化元素の含有量が、Zrと安定化元素との合計に対して15原子%以下であり、Ni及び/又はCoの担持量が、Zrと安定化元素とNi及び/又はCoとの合計に対して5〜50%であることを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒。
【0007】
[製造方法] 上記の二酸化炭素メタン化用触媒を製造する方法において、
ジルコニアゾル水溶液に、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu,MgおよびCaよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩を添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させて主成分が正方晶系構造のジルコニア系担体を製造する工程と、得られたジルコニア系担体をNi及び/又はCoの水溶液に添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させた後焼成し、その後還元処理することを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒の製造方法。
【0008】
さらに二酸化炭素メタン化用触媒の改良を進めた発明者らは、特許文献4に開示したような、あらかじめ正方晶系ジルコニア構造の担体を用意して、それにNiおよび(または)Coを担持するという工程によるよりも、触媒を構成する上で必要な成分をすべて含む酸化物混合物をまず製造し、ついで還元処理を施すという工程による方が、高性能の触媒が得られることを見出し、本発明に到達した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、炭素酸化物のメタン化反応において250℃またはそれ以下の低温でも高い活性を示す触媒であって、同時に、バイオマスその他をガス化して得られる二酸化炭素、一酸化炭素および水素からなる混合ガスからメタンを製造する場合にも好適な触媒の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のメタン化反応用触媒の製造方法は、二酸化炭素、一酸化炭素と二酸化炭素との混合物、またはこれらを主成分とする混合物を水素化してメタンを得るためのメタン化反応用触媒を製造する方法であって、下記の諸工程からなり、
1)ジルコニアのヒドロゾルに、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の安定化元素の塩の水溶液、ならびに鉄族元素の塩の水溶液を混合すること、
2)混合物を濃縮乾固させて焼成すること、および
3)混合物を還元処理すること、
元素状態の金属を基準とした原子%で、
A)Zr:18〜70原子%、
B)上記安定化元素の1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、および
C)鉄族元素:25〜80原子%、
からなる組成を有し、安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を得ることを特徴とするメタン化反応用触媒の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法により製造した、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物を担体とし、金属状態のNiまたはNiとFeおよび(または)Coである鉄族元素を活性成分として担持した触媒は、反応選択率がほぼ100%メタンであって、反応平衡は、常圧でも極端に生成物側に片寄っているため、反応混合物から不純物を除去して未反応原料を循環させ、反応を高圧で何度も繰り返さなければならない、という問題は解消した。したがって、メタンとともに生成する水を除去するだけで、原料循環のための複雑な設備を要せずに、かつ、高圧でなく常圧で操業する単純な装置を用いて、迅速に、二酸化炭素または一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスを水素と反応させ、メタンに転換させることができる。
【0012】
本発明の方法により製造した触媒を用いれば、対象が一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスである場合、有毒な一酸化炭素をまずすべてメタンに転換し、残る水素で二酸化炭素をメタンに転換する、という理想的な機構を実現することができる。この触媒の製造は、きわめて容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の触媒の製造方法の特徴は、既知の、すなわち特許文献4に開示した製造方法のように、まず正方晶系ジルコニアからなる担体を形成した後に、活性金属の塩の水溶液を混合し、還元するという二段の工程によるのではなく、必要な成分をすべて水溶液の形で混合し、この混合物を蒸発乾固し、還元処理するという、一段の焼成プロセスによって触媒を得ることにある。
【0014】
この一段プロセスによるときは、蒸発乾固から焼成までの過程で、安定化元素だけでなく鉄族元素の一部も含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物との混合物が生成する。続く還元によって、鉄族元素の酸化物が還元され、その結果、金属状態の鉄族元素が、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物に担持された構造の触媒ができる。このように、還元処理後も、担体である正方晶系ジルコニア構造の複酸化物には、安定化元素とともに鉄族元素の一部が含まれたままである。
【0015】
上述した触媒製造方法において、ジルコニアヒドロゾルに正方晶ジルコニア構造安定化元素の塩と鉄族元素の塩とを添加したものに、触媒粒子の核となるアルミナ、シリカなどの粒子とバインダーとなるケイ酸塩、チタン酸塩、アルミン酸塩、ジルコン酸塩などを混合し、蒸発乾固し焼成することによって、最大3mm径の粒状触媒を形成することが可能である。バインダーの使用は、いったん製造した粉末状の触媒に対して混合し、加熱焼成するという手順によって行なうことも可能である。
【0016】
以下、本発明の触媒の構成について説明する。安定化元素である、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,CaおよびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上は、酸化ジルコニウムがゾルから結晶に変化する際に、正方晶系ジルコニア構造を安定化する作用をする成分である。1原子%以上添加する必要があるが、過剰に存在すると、安定化元素独自の酸化物を形成し触媒活性にとって有害になるため、添加量は20原子%以下にする必要がある。
【0017】
Zrは、いうまでもなく正方晶系ジルコニア構造をもつ担体を構成する基本の成分であって、18原子%以上添加する必要がある。しかし、過剰に添加すると、触媒活性に必要な鉄族元素の濃度を十分に高くできなくなるため、70原子%を上限とする。
【0018】
鉄族元素は、触媒活性を担う重要な成分であって、25原子%以上存在する必要があるが、過剰に添加すると、それ自体で凝集して分散が悪くなり、かえって十分な活性が得られなくなるから、80原子%以下とする必要がある。鉄族元素としてはNiが必要であるが、その一部を他の鉄族元素であるFeおよびCoの1種または2種で置換することができる。ただしその場合、原子比にして鉄族元素全体の少なくも6割を、Niが占めなければならない。
【0019】
本発明の製造方法により得られる触媒が高活性を有し、かつその高活性が長期にわたって維持される理由として、発明者らは以下のように考えている。すなわち、ジルコニアの安定相は単斜晶系であるが、それを単独では安定でない正方晶系とし、これに鉄族元素を担持した触媒が、二酸化炭素および一酸化炭素のメタン化に対して高活性を呈する。このことは、特許文献4に明らかにした。本発明はそれから進んで、ジルコニアゾルに安定化元素の塩と鉄族元素の塩とを混合して焼成すると、酸化ジルコニウム結晶格子中に、酸化状態の安定化元素と酸化状態の鉄族元素の一部を含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物とが均一に混じり合った酸化物混合体が得られ、この酸化物混合体に水素処理による還元を施すと、酸素との親和力が高いジルコニウムや安定化元素が主体の複酸化物は酸化状態に止まり、水素と直接接した鉄族元素の酸化物のみが金属状態に還元される、という事実を利用する。このようにして、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物上に、触媒活性点である金属状態の鉄族元素が微細に分散した触媒が形成される。
【0020】
このような触媒は、反応ガスによって攪乱され、表面が摩耗して外表面にある金属状態の鉄族元素が失われても、その下から現れる酸化状態の鉄族元素が反応ガス中の水素によって還元されて金属状態になり、触媒活性点として働くため、常に担体上に十分な量の活性点が分散した、高活性の状態を維持することができる。
【0021】
本発明の触媒の製造工程を一般的に説明すれば、Zrのヒドロゾルに、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,CaおよびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の水可溶性の塩を混合し、これに、水に溶解したNiの塩、またはNiの塩と、Feおよび(または)Coを含む鉄族元素の塩の水溶液を添加する。この混合物を濃縮し、蒸発乾固したのち、大気中で約500℃に加熱焼成して、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物との混合物を得る。ついでこの混合酸化物を、水素気流中で約300℃に加熱し、還元処理することにより、正方晶ジルコニア構造の複酸化物担体に金属状態の鉄族金属が担持された触媒を得る。
【0022】
本発明の触媒元素の構成を一覧すれば、表1に示すとおりであり、各成分の組成を、Zr,安定化元素および鉄族元素の三成分で表したダイアグラムは、図1に示すとおりである。
【0023】
表1

【実施例1】
【0024】
ジルコニアのヒドロゾル「Zr30AH」(日産化学工業(株)製、Zr:30重量%、pH=4.0)15.0gに、硝酸サマリウム六水和物の固体を1.969g加え、ガラス棒で、均一なクリーム状スラッジになるまで撹拌した。別に硝酸ニッケル六水和物19.806gを20mlの純水に溶解し、硝酸ニッケル水溶液を用意した。この水溶液を上記のスラッジに加え、均一な溶液になるまで撹拌した。この溶液を1時間静置したのちマッフル炉に入れ、150℃で4時間保持し、水分および自由水を除去し、乾固した。ついで500℃で8時間焼成し、灰黒色の固形物10.3gを得た。固形物をメノウ乳鉢で粉砕し、100μmメッシュのふるいにかけて通過分を採取することにより、触媒の前駆体となる酸化物を得た。この前駆体は、元素構成が、金属状態の元素を基準にしてNiを62.5原子%含む、
NiO0.625(Zr0.892Sm0.1081.9460.375
の組成を有する。ジルコニアが正方晶系であることは、Cu−Kα線を用いたX線回折により確認した。この触媒前駆体の比表面積は、約80m/gであった。
【0025】
内径15mmの石英管を反応管として使用し、その中に、上に得た触媒前駆体酸化物5.0gを、石英ウールで固定した。反応管を電気炉内に置き、300℃に加熱し、水素気流中で2時間還元して、触媒を得た。
【0026】
二酸化炭素と水素の割合が、モル比で1:4とした反応ガスを、触媒の温度を250℃に保った反応管に通した。反応管出口をガスクロマトグラフィと直結させ、反応ガス成分を分析して、水素および二酸化炭素の導入ガス量と未反応量のガスの比率から、転換率を求めた。
【0027】
その結果、触媒前駆体酸化物1.0g当り反応ガスを5.4L/Hr通したときの二酸化炭素の転換率は、82.2%であった。ガスクロマトグラフィで検出されたものは未反応の水素、二酸化炭素と生成物であるメタンのみであり、メタンへ反応選択率が100%であることが確認された。
【比較例1】
【0028】
特許文献4には、そこに開示した触媒のうち、50原子%のNiを含む50Ni/50(Zr0.9Sm0.11.95)の組成を有する触媒は、上記の反応条件において、二酸化炭素の転換率が52.6%であったと記載されている。
【実施例2】
【0029】
実施例1と同様の成分混合および焼成の方法に従い、Niの含有量および種々の安定化元素の含有割合およびZrの含有量割合を変化させて触媒を製造し、実施例1と同じ反応条件で、各触媒の二酸化炭素転換率を測定した。その結果を表2に示す。いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃でメタンヘの高い転換率を示し、すぐれた触媒であることが確認された。
【0030】
表2

【実施例3】
【0031】
ジルコニアのヒドロゾルに、硝酸サマリウムまたは硝酸カルシウムと、硝酸ニッケルとともに、硝酸コバルトと硝酸第二鉄のいずれか1種または2種を所定の割合で混合し、蒸発乾固、焼成および還元を行なって触媒を合成した。実施例1と同じ反応条件における、二酸化炭素転換率を測定した。その結果を、表3に示す。ここでも、各触媒は、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
【0032】
表3

【実施例4】
【0033】
実施例1と同様に、ジルコニアのヒドロゾルに、硝酸サマリウムまたは硝酸カルシウムと硝酸ニッケルとを種々の割合で混合し、蒸発乾固、焼成および還元を行なって、触媒を得た。CO,CO2およびH2の割合がモル%で15.5%、14.5%、70%となるように混合した反応ガスを、触媒の温度を300℃保った反応管に通した。反応ガスの流量は、前駆体の状態における触媒1.0g当たり5.4L/Hrである。反応管出口をガスクロマトグラフィと直結させ、反応ガス成分を分析し、導入したガスの量と未反応のガスの量との比率から、転換率を求めた。
【0034】
結果を、表4に示した。いずれの触媒も、反応温度300℃では、まず一酸化炭素を100%メタンに変換し、その反応で残った水素が、二酸化炭素をメタンに変換することが判明した。
【0035】
表4

【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の触媒の化学組成を示すダイアグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素、一酸化炭素と二酸化炭素との混合物、またはこれらを主成分とする混合物を水素化してメタンを得るためのメタン化反応用触媒を製造する方法であって、下記の諸工程からなり、
1)ジルコニアのヒドロゾルに、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の安定化元素の塩の水溶液、ならびに鉄族元素の塩の水溶液を混合すること、
2)混合物を濃縮乾固させて焼成すること、および
3)混合物を還元処理すること、
元素状態の金属を基準とした原子%で、
A)Zr:18〜70原子%、
B)上記安定化元素の1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに
C)鉄族元素:25〜80原子%、
からなる組成を有し、安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を得ることを特徴とするメタン化反応用触媒の製造方法。
【請求項2】
触媒活性を担う鉄族元素がNiである請求項1のメタン化反応用触媒の製造方法。
【請求項3】
触媒活性を担う鉄族元素が、Niと、CoおよびFeの1種または2種とであって、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占める請求項1のメタン化反応用触媒の製造方法。
【請求項4】
炭素酸化物をメタン化する方法であって、二酸化炭素、一酸化炭素と二酸化炭素との混合物またはこれらを主成分とする混合物と、水素との混合ガスを、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法により製造したメタン化反応用触媒と接触させることからなるメタン化方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−206770(P2011−206770A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124681(P2011−124681)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【分割の表示】特願2008−187970(P2008−187970)の分割
【原出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000101374)アタカ大機株式会社 (55)
【出願人】(591125935)
【Fターム(参考)】