説明

炭酸温水による頭皮血行促進方法および機器

【課題】 育毛に関しては、さまざまな方法が行われているが、マッサージや刺激を与える方法が中心であり、あくまでも現状維持や一時的な回復を期待するものであり、本質的な改善にはなりえないものであった。
【解決手段】 30℃以上で炭酸ガス濃度が500ppm以上の高濃度炭酸温水に少なくとも5分以上頭部を浸けることにより、皮下の毛細血管の血流が良くなり頭皮の新陳代謝が活発になる。そして、毎日続けることで皮下の毛細血管が頭皮向かって発達すると考えられ、毛根の活動を促進して恒久的な育毛改善になる。この高濃度炭酸温水による頭部浴を手軽に、そして無理な体勢ではなく楽に行えるように、容器などに入れた高濃度炭酸温水をポンプなどで後頭部上部へ送り、その炭酸温水が重力で頭部上部全体をつたって下に流れ落ちるようにし、その落ちた炭酸温水を受け止めて再び容器に戻す方法を提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度が30℃以上で炭酸ガスの含有濃度が500ppm以上になるようにした炭酸温水を後頭部上部から額に掛けて頭部上部の全体に膜を作るように流すことによる頭皮の血行促進技術に関するものである。
【0002】
また、本発明は、高濃度の炭酸温水に育毛剤あるいは塩分や遊離硫化水素を溶解させた温水を頭皮表面に流すことによる頭皮の血行促進技術に関するものである。
【0003】
さらに、本発明は炭酸温水を頭皮表面に流す際に、吸水性部材や液体が透過しないシート部材を用いて、不織布や布または発泡ポリウレタンなどの吸水性部材の内部および頭皮と吸水性部材の間あるいはシート部材と頭皮の間に炭酸温水を流し、その吸水性部材あるいはシート部材と頭皮表面の間に炭酸温水の膜ができるようにした頭皮の血行促進技術に関するものである。
【背景技術】
【0004】
従来から、頭皮の血行促進に関しては、さまざまな方法が提案されてきた。たとえば、オイルによる頭皮マーサージにより血行をよくする方法である。
あるいは、頭皮の血行を促進する薬剤を塗ったり、服用したりする物であった。
【0005】
しかしながら、これと言って有効な方法がなく、薬剤の使用においては少なからず副作用の危険が付きまとっている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの方法は一時的に血行を良くするものであり、本質的な頭皮の血行改善になっているかどうかは疑問が残る。すなわち、摩擦や刺激により良くなった血行は、刺激がなくなるとすぐに元に戻り、効果はすぐに消えてしまう。
【0007】
本質的に頭皮の血行改善を行う為には、毛細血管自体を表皮に向かって成長させ、恒久的に血行を良くすることが大切である。
【0008】
老化による毛細血管の減少は血管から運ばれてくる水分や酸素や栄養分の不足をもたらし、毛根による頭髪の成長を阻害する。これにより、発毛不全や抜け毛により頭髪が薄くなってしまう。この防止や改善には、毛細血管を頭皮表面に向かって発育させて、皮下の血流を増加させることによる毛根の本質的な改善が有効である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
人は酸素を吸い炭酸ガスを吐き出しているが、これは吸った酸素が血液により細胞に運ばれて消費され、代わりに炭酸ガスを細胞から引き取って呼気により体外に排出している。
【0010】
炭酸ガスが高濃度で溶解した炭酸温水に肌を浸すと、炭酸ガスが肌から吸収され、吸収された炭酸ガスは毛細血管に入り、そして炭酸ガスが毛細血管内に増えると、体は酸素が不足していると判断し、毛細血管へ流れる血液量を増やすという報告がある。
【0011】
この毛細血管の血行促進により、肌のへの酸素・水分・栄養の補給が増加され肌本来の機能である新陳代謝が促進される。炭酸温水に肌を浸すのを止めるとすぐに血流量は元に戻るが、この炭酸温水浴を毎日続けることにより、次第に毛細血管自体が皮膚に向かって発達すると考えられる。
【0012】
本発明は、この炭酸温水浴を頭部に対して応用する物である。方法としては頭部を温水に浸す方法があるが、前に屈む体勢で行なう場合、ほぼ逆立ちするような体勢となり頭に血が下がってくる為長時間行なうのは苦痛である。
【0013】
後ろ向きに寝そべって行なう場合は、専用のベッドや桶が必要であると共に、終わった後に頭を持ち上げると水浸しになるため、1人で行なうのは現実的ではない。
【0014】
本発明においては、高濃度炭酸温水を頭部上部に沿って後頭部上部から額に向かって全体に膜を作るように流す事により、すこし前に屈むだけで楽に炭酸温水による頭皮の血行促進が行なえる方法および機器を提案する物である。すなわち頭を炭酸温水に浸けるのではなく、炭酸温水の膜で頭部上部を覆い、炭酸温水に頭を浸けているのと同じ状態を作る方法を提案する物である。
【0015】
ここで、炭酸温水の膜が頭皮を覆っている間だけ覆っている部分の頭皮直下の毛細血管の血流が良くなるが、炭酸温水の送水を止めたとたん血流は元に戻る。したがって、少なくとも5分以上連続的に炭酸温水を流すことが重要であり、好ましくは10分以上連続して行うのが効果的である。本発明の方法であれば、炭酸温水を後頭部上部から額にかけて流すため姿勢が楽であり長時間続けることが可能である。
【0016】
また、高濃度炭酸温水による血行促進法は毎日続けることが大切である為、手軽に何処ででも出来るように、炭酸温水を入れた容器と容器から炭酸温水を吸い上げて後頭部上部へ送水し、額から流れ落ちた温水を再び容器に戻す循環ユニットを適当な場所に運んで使用できる方法と機器も提案する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明における実施例の1つを示す。容器1に溜めた炭酸温水をポンプ2により吸い上げ、送水管路3、4、5を介して送水部6に送られ、さらに送水部6の先端にある吐水部7に設けられたスリットあるいは穴8から後頭部上部18に静かに吐水する。
【0018】
吐水する際には頭にシャワーキャップ9などをかぶり、後頭部上部18に吐水された炭酸温水は、シャワーキャップ9により後ろ行くことなく重力により頭皮表面に沿って流れ落ちる。そして、額から流れ落ちた炭酸温水は再び容器1に戻る。
【0019】
このとき、吐水部7のスリットあるいは穴8が設けられている部分はある程度面積を広く取って有り、スリットあるいは穴8から吐水された炭酸温水は後頭部上部18に全体的に吐水され、吐水された炭酸温水は矢印10のように頭部上部全体を覆うように炭酸温水の膜を作って下へ流れてゆく。
【0020】
この膜状の炭酸温水で頭部上部全体が包まれる為、炭酸温水に溶けている炭酸ガスが頭部上部全体の表皮から肌内部に吸収され、頭部上部を炭酸温水に浸けているのと同じ効果が得られる。
【0021】
ここで、送水部6が取り付けられているフレーム14は、固定つまみ11とスライドガイド12によりフレーム13に固定されており、固定つまみ11を緩めることにより、フレーム14を上下にスライドでき、吐水部7の高さを後頭部上部18の高さに合わせることができる。
【0022】
同様に送水部6自体もフレーム14に対して前後にスライドできる構造となっており、吐水部を後頭部上部に対してある程度移動できるようになっている。
【0023】
また、フレーム13には弾性体でできた額当て15が設けられており、炭酸温水浸透浴時に額を乗せることにより、頭の重みを支えられるので楽に浸透浴ができるようになされている。
【0024】
さらにフレーム13の下部には滑り止め17が取り付けられており、この滑り止め17を桶1の淵に乗せ、頭部の重みを桶1で支えられるようになされている。
【0025】
図2は本発明のもう一つの実施例を示す。フレーム13の上部に設けられた固定具16に吸水性部材20を挟んで固定し、多端を額と額当ての間に挟んで固定する例である。吸水性部材は、たとえば不織布や布あるいは発泡ポリウレタンなどで、しかも柔らかく柔軟性のあるものが望ましい。
【0026】
この吸水性部材20は吐水部7に設けられたスリットあるいは穴8から吐水された炭酸温水が内部に染み込んで吸水性部材20内部を流れると共に、吸水性部材20と頭皮の間を流れ落ちる。この頭皮表面と吸水性部材の間を流れる炭酸温水によって頭皮表面に炭酸温水の膜ができたような状態になる。
吸水性部材20の下端から落ちた炭酸温水は再び容器1に戻り循環する。
【0027】
上記の実施例では吸水性部材20を使用しているが、液体が透過しないシート部材を使用しても良い。シート部材は、たとえばビニールなどで、しかも薄くて柔らかく柔軟性のあるものが望ましい。
【0028】
このように、吸水性部材やシート部材を使用することにより、頭皮表面に流す炭酸温水の量を少なくしても、頭皮全体に炭酸温水の膜ができ、効率が向上される。
また、炭酸温水に一般に認められている育毛剤や塩分あるいは遊離硫化水素を含有させても良い。さらに桶1や送水管路3から5に炭酸温水を保温加熱するヒータなどを取り付けて、炭酸温水の温度を一手に保つようにしても良い。
【0029】
以下に本発明において使用する炭酸温水を生成する装置の例を説明する。
図3は 高濃度炭酸温水生成回路の模式図を示す。桶101に溜めたお湯をポンプ102により、吸い上げ管路103を介して吸い上げ、混合タンク104に設けられたノズル105により混合タンク104内の空間106に噴射する。
【0030】
また、炭酸ガスは炭酸ガスカートリッジ107から圧力調整器108で圧力を調整された後、混合タンク104に供給される。混合タンク104内の空間106は炭酸ガスで満たされており、混合タンク104内の底部にはノズル105により噴射された温水が貯留されるようになっている。
【0031】
混合タンク104の底部に溜まっている温水はノズル105により混合タンク104内の空間106に噴射されることにより、空間106に満たされた炭酸ガスを吸収し、高濃度の炭酸温水となっている。そして、この溜まった高濃度炭酸温水は混合タンク104の底部に接続された戻り管路109により桶101に戻される。
【0032】
ここで、混合タンク104の底部に溜められた高濃度炭酸温水の水位はある所定の範囲に保たれている。この水位を保つ方法を以下に説明する。
混合タンク104には圧力調整器108により圧力を調整された炭酸ガスが開閉バルブ111を介して供給されている。また、混合タンク104の底部に接続されている戻り管路109にはオリフィスなどの流量調整部110が設けられている。さらに混合タンク4には水位を検知できるセンサー112、113、114、115が4つ設置されている。
【0033】
流量調整部110と炭酸ガスの圧力調整器108は、炭酸ガスの開閉バルブ111が開いて炭酸ガスが混合タンク104に供給されている時は、混合タンク104内の水位が徐々に下がり、また、炭酸ガスの開閉バルブ111が閉じて炭酸ガスの供給がなくなると、混合タンク104内の炭酸ガスがノズル105により噴射された温水に吸収され、水位が徐々に上がるようにそれぞれ調整されている。
【0034】
そして、センサー114が水位を検知すると炭酸ガスの開閉バルブ111を閉じて炭酸ガスの供給を止め、これにより混合タンク104内の炭酸ガスが温水に吸収されて水位が徐々に上昇する。そしてセンサー113が水位を検知すると開閉バルブ111が開いて炭酸ガスを混合タンク104内に供給する。これにより混合タンク104内の圧力が上がり、水位は徐々に下降する。そして再びセンサー114が水位を検知して開閉バルブ111を閉じ水位が上昇し始める。この繰り返しにより、混合タンク104内の水位は、センサー113と114の間に保たれる。
【0035】
図4は炭酸温水を生成する装置の外観を示す。装置本体120には炭酸ガスカートリッジ121が取り付けられている。この炭酸ガスカートリッジ122はねじ込み式で、工具を使わなくても容易に着脱が出来る構造となっている。装置本体の前面には炭酸温水を溜める桶101が装着されている。この桶101は図7に示すように、使用時には装置本体から取り外して使用するようになっている。吸い上げ管路103と戻り管路109は装置本体120から出た所で回転自在になっており、先端を桶のお湯に浸けたり逃がしたりすることが出来る。
【0036】
図3と5を用いて、炭酸温水を生成する装置使用時の動作を説明する。まず、図5のように桶101を装置本体120から外し、桶101に給湯器などからお湯を入れる。そして、図5のようにお湯を入れた桶101を装置本体120の前に置き、吸い上げ管路103と戻り管路109の先端を桶101内のお湯に浸ける。
【0037】
次に、装置本体上部にあるスイッチ116を押す。すると、混合タンク104に接続された排気管路117の途中に設けられた開閉バルブ118が開くと共にポンプ102が運転される。これにより、桶101内のお湯が吸い上げ管路103から吸い上げられ、ポンプ102を通って混合タンク104内にノズル105から噴射される。このとき、炭酸ガスの開閉バルブ111は閉じた状態にある。
【0038】
混合タンク内の空気は排気管路117を通り、さらに戻り管路109を通って桶101に放出される。そして、混合タンク104内の空気が完全に抜けて混合タンク104内がお湯で満たされたことをセンサー112が検知すると開閉バルブ118が閉じ、排気管路117からの排気が遮断されるとともに、炭酸ガスの開閉バルブ111が開き炭酸ガスが混合タンク104に供給される。これにより、混合タンク104内の水位は徐々に下がり、空間106は炭酸ガスだけになる。
【0039】
ノズル105から噴射されたお湯は混合タンク104内の空間106で炭酸ガスと接触して炭酸ガスを吸収して高濃度炭酸温水となり、混合タンク104の底部に貯留し、さらに混合タンク104内の炭酸ガスの圧力で戻り管路109を通って桶101に戻される。この循環により桶101内のお湯の炭酸ガス濃度が上がってゆく。
【0040】
所定の時間が経過すると、炭酸ガスの開閉バルブ111を閉じ、吸い上げ管路103から分岐した吸気管路123の先端に設けられた開閉バルブ124を開く。これにより、吸い上げ管路3に空気が入りポンプ102は桶のお湯を吸い上げなくなる。吸気管路から入った空気はポンプ102を通って混合タンク104内に送られ、混合タンク内の高濃度炭酸温水を全て戻り管路109に押し出す。
【0041】
混合タンク104内の水位がタンク下部まで下がるとセンサー115が水位を検知しポンプの運転を停止して動作を終了する。これら一連の動作により、桶101に入れたお湯は全て高濃度炭酸温水となり、装置本体内の高濃度炭酸温水もほとんど桶101に戻されて生成を完了する。
【0042】
炭酸温水生成装置本体120は必ずしも小さいとは言えないため、装置本体120を居間のテーブルや寝室に設置しておくことは好ましくなく、また、装置本体120ごと持ち運ぶのも良い方法ではない。したがって、桶101の部分だけを分離して持ち運べることは重要用件である。
【0043】
混合タンク104内の水位を保つ方法として、炭酸ガスの開閉バルブ111の開閉ではなく、開閉バルブ111は開けておいて、ポンプ102の回転数を変えたり、戻り管路109に電動式流量調整バルブ(図示せず)などを設けて、混合タンク104への給水量や排水量を調整しても良い。
【0044】
また、炭酸ガスカートリッジ121の炭酸ガスが空になると、開閉バルブ111が開いても炭酸ガスの圧力によって混合タンク104内の高濃度炭酸水を押し出すことが出来なくなり、混合タンク104内の水位が下がらなくなる。その場合、開閉バルブ111が開いた後、ある時間以上経過してもセンサー114が水位を検知しない場合は、炭酸ガスが無くなったと判断して、ポンプ2の運転を停止して警告表示を行う。
【0045】
さらに、吸い上げ管路103が桶101内のお湯の面から出ている場合やポンプ102が動作しない場合、運転開始時においては混合タンク104にお湯が送られないため、いつまで経っても混合タンク104内の水位が上がらずセンサー112が水位を関知しない。その場合も、ある所定時間が経過してもセンサー112が水位を検知しない場合は異常としてポンプ102の運転を停止して警告表示を行う。
【0046】
また、運転途中に吸い上げ管路103が桶101のお湯の面から出されたり、ポンプ102が動作しなくなった場合も、混合タンク104にお湯が供給されなくなる為、開閉バルブ111が閉じても混合タンク104内の水位は上がらず、徐々に下がってセンサー115が水位を検知する。センサー115が水位を検知した場合、直ちにポンプ102を停止し警告表示を行う。
【0047】
図6は炭酸温水を生成する装置の別の実施例である。図3の実施例に対して、図6においては戻り管路109の途中に貯蔵部119を設けたものであり、貯蔵部119には岩塩や硫化水素を含む塩あるいは硫化水素水を入れ、戻り管路109を流れる高濃度炭酸温水に岩塩や硫化水素塩を含む岩塩を溶かし、桶101に溜められる高濃度炭酸温水に僅かな塩分や遊離硫化水素を含有させ、頭皮のケアー効果を増大させる実施例である。
【0048】
図7は炭酸温水を生成する装置のもう一つの実施例である。図3および図6では桶101に溜めたお湯を吸い上げ管路103で吸い上げたが、本実施例では給湯器(図示せず)などの一定の湯温のお湯を供給できる装置から直接お湯を給湯管路126を介してポンプ102に供給し、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水を桶101に溜めるものである。
【0049】
本発明においては、使用する炭酸温水は上記実施例で示した装置で作ることに限定しているわけではなく、市販の炭酸水をお湯でうすめて使用しても良いし、まったく別の方法で作った炭酸温水を使用してもかまわない。
さらに上記実施例では炭酸温水生成装置の桶が本体と分離できる構造となっているが、桶が本体と分離できない一体構造であってもかまわない。また、装置本体に炭酸温水の温度を一定に保つように、保温加熱ヒータなどを設けても良い。
【0050】
図8に本発明のさらに別の実施例の模式図を示す。上記の実施例では出来上がった炭酸温水を後頭部上部に送水する方法を示したが、図8は単なるお湯を桶101に入れ、図3〜6で説明した炭酸温水生成装置と同様の装置で炭酸温水を生成しながら送水部6に炭酸温水を送水する実施例である。
【0051】
なお、桶101で回収された炭酸温水は、再び炭酸温水生成装置で高濃度炭酸温水にした後に、送水部6を介して吐水部7から後頭部上部に吐水されて循環される。
【0052】
したがって、図3〜6に示した装置と異なる所は、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水が戻り管路109を通って桶101に戻るのではなく、戻り管路109が送水部6に接続された送水管路3に接続されており、混合タンク104で生成された高濃度炭酸温水が吐水部7に設けられたスリットあるいは穴8を通じて後頭部上部に吐水されることである。
【0053】
ここで、戻り管路109と送水管路3はねじなどで着脱自在に構成されていても良いし、両管路を1本の管路として分離できない構成としても良い。また、桶101と炭酸温水製造装置が分離できない一体構造となっていてもかまわない。なお、図8では吸水性部材20が表記してないが、吸水性部材20を設けても良いし、シート部材であっても良い。
【発明の効果】
【0054】
従来の頭皮血行促進法ではなかった頭部上部の炭酸泉浴を、頭部上部を炭酸泉につけるのではなく、頭部上部に炭酸泉の膜ができるように頭部上部に流すことにより行う方法である。これにより炭酸ガスが頭皮表面から皮下の毛細血管に入り、これにより毛細血管の血流を促し新陳代謝を活発にすることが出来る。さらに毛根への水分や栄養の補給が活発になり、育毛を促進することが出来る。また、高濃度炭酸温水による頭部浴を続けることにより毛細血管が頭皮に向かって発達し、恒久的に頭皮の血行を改善することができる。
【0055】
本発明により手軽に高濃度炭酸温水による頭部浴が出来るようになり、毎日続けることが可能になる。また、姿勢が楽であるため高濃度炭酸温水による頭部浴を少なくとも5分以上好ましくは10分以上連続して行う事ができるようになる。
【0056】
また、高濃度炭酸温水だけではなく、付加的に岩塩によるミネラル豊富が塩分や遊離硫化水素を混ぜることによりさらに効果を上げることが期待できる。
【0057】
本発明により、頭髪の薄い男性や女性の永遠の願望である「いつまでも若々しくいたい」という願いを本質的な頭皮の血行改善を通じて実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例の1つを示す
【図2】本発明の別の実施例を示す
【図3】炭酸温水生成回路の模式図を示す
【図4】炭酸温水生成装置の外観図を示す
【図5】炭酸温水生成装置のもう一つの外観図を示す
【図6】炭酸温水生成回路の別の模式図を示す
【図7】炭酸温水生成回路のもう一つの模式図を示す
【図8】本発明のさらに別の実施例の模式図を示す
【符号の説明】
【0059】
1 容器 、 2 ポンプ 、 3 送水管路 、4 送水管路
5 送水管路 、 6 送水部 7 吐水部
8 穴あるいはスリット 、 9 シャワーキャップ 、 10 矢印
11 固定つまみ 、 12 スライドガイド 、 13 フレーム
14 フレーム 、 15 額当て 、 16 固定具
17 滑り止め 、 18 後頭部上部 、 20 給水性部材
101 桶 、 102 ポンプ
103 吸い上げ管路 、 104 混合タンク 、 105 ノズル
106空間 、 107 炭酸ガスカートリッジ 、 108 圧力調整器
109戻り管路 、 110 流量調整部
111 開閉バルブ 、 112 センサー 、 113 センサー
114 センサー 、 115センサー 、 116スイッチ
117 排気管路 、 118 開閉バルブ
119 貯蔵部 、 120 装置本体 、 121 炭酸ガスカートリッジ
123 吸気管路 、 124 開閉バルブ 、 126 給湯管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶存炭酸ガス濃度が500ppm以上で湯温が30℃以上の炭酸温水を、頭部に沿って後頭部上部から額の方向に温水の薄い膜が出来るように重力により静かに流すことを特徴とする炭酸温水による頭皮血行促進方法
【請求項2】
前記炭酸温水は桶などの容器に溜められており、その溜められた炭酸温水をポンプなどで吸い上げて後頭部上部に送り、頭皮面を流れて落ちた炭酸温水を再び前記容器に戻すことを特徴とする請求項1に記載の頭皮血行促進方法
【請求項3】
前記炭酸温水は桶などの容器に溜められたお湯を後頭部上部へ送水する途中で、炭酸ガス混合手段により前記お湯に炭酸ガスを溶解することにより生成した炭酸温水で、頭皮表面を流れ落ちた炭酸温水を再び前記容器に戻すことを特徴とする請求項1に記載の炭酸温水による頭皮血行促進方法
【請求項4】
頭部上部に吸水性部材を密接させ、該吸水性部材の上方から前記炭酸温水を供給し、吸収性部材に沿って吸収性部材の内部や頭皮と吸水性部材の間および吸水性部材表面を前記炭酸温水が流れ落ちることを特徴とする請求項1から3に記載の頭皮血行促進方法
【請求項5】
前記炭酸温水に育毛剤を添加することを特徴とする請求項1から4に記載の頭皮血行促進方法
【請求項6】
前記炭酸温水に食塩や岩塩を溶解させることを特徴とする請求項1から4に記載の頭皮血行促進方法
【請求項7】
硫化水素塩を含む岩塩または硫化水素塩または硫化水素を用いて、前記炭酸温水に遊離硫化水素を溶解させることを特徴とする請求項1から4に記載の頭皮血行促進方法
【請求項8】
炭酸温水を溜めておく容器を有し、該炭酸温水を吸い上げるポンプを有し、ポンプで吸い上げた炭酸温水を後頭部上部に送水する送水部を有し、該送水部の先には送水された炭酸温水を後頭部上部全体にできる限り均等に吐水できる面積を持つ吐水部を有し、該吐水部にはスリットあるいは穴を有し、ポンプと前記送水部をつなぐ送水管を有し、後頭部上部から額に沿って流れた炭酸温水を受け止めて前記容器に戻すための温水回収部を有し、その回収部には額を乗せられる額当てを有することを特徴とする炭酸温水による頭皮血行促進機器
【請求項9】
お湯を溜めておく容器を有し、該お湯を吸い上げるポンプを有し、炭酸ガスを供給するボンベを有し、炭酸ガスの圧力を調整する圧力調整器を有し、前記ポンプで吸い上げたお湯と炭酸ガスとを接触混合する混合タンクを有し、炭酸ガスの混合タンクへの供給を遮断する開閉弁を有し、混合タンクで生成された炭酸温水を後頭部上部に送水する送水部を有し、該送水部は送水された炭酸温水を後頭部上部全体にできる限り均等に吐水できる面積を持つ吐水部を有し、該吐水部にスリットあるいは穴を有し、ポンプと前記送水部をつなぐ送水管を有し、後頭部上部から頭皮表面に沿って流れた炭酸温水を額の下で受け止めて前記容器に温水を戻す回収部を有し、該受液部には額を乗せられる額当てを有することを特徴とする炭酸温水による頭皮血行促進機器
【請求項10】
吸水性部材の上端を前記吐水部よりも僅かに下方に位置するように固定する固定部を有し、吸水性部材の下端は額まで届く長さを有し、該シート部材を前記回収部に設けられた額当てと額で挟めるようになされており、吐水部から吐水された炭酸温水が前記吸水性部材の内部や頭皮と吸水性部材の間および吸水性部材表面に沿って流れる際に吸水性部材が頭部に密接する構造であることを特徴とする請求項8および9に記載の頭皮血行促進機器
【請求項11】
液体を通さないシート部材の上端を前記吐水部よりも僅かに下方に位置するように固定する固定部を有し、シート部材の下端は額まで届く長さを有し、該シート部材を前記回収部に設けられた額当てと額で挟めるようになされており、吐水部から吐水された炭酸温水が前記シート部材と頭皮の間を頭皮に沿って流れる際にシート部材と頭皮表面の間に炭酸温水の層ができる構造であることを特徴とする請求項8および9に記載の頭皮血行促進機器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−50333(P2008−50333A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258007(P2006−258007)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000122483)
【出願人】(500235386)ヴィータ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】