説明

炭酸飲料における、または炭酸飲料に関する改良

酸味を帯びた炭酸飲料へのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルの添加が、過剰なおよび/または難分解性の泡立ちあるいは二酸化炭素の急速な消失の問題を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸飲料における、または炭酸飲料に関する改良に関する。特に、本発明は、炭酸飲料の充填中および/または分配中の前記飲料における泡立ちへの対処および/または二酸化炭素の調整に関する。
【0002】
本明細書における「泡立ち」は、充填中または分配中の過剰なおよび/または難分解性の表面の泡、ならびに飲料容器が開けられるときに起こり得る噴出または飛散を含む。
本明細書における「充填」は、製造中の容器への充填を意味し、したがって缶詰めまたは瓶詰めを含む。
【0003】
本明細書における「分配」または「注入」とは、(例えば、家庭人、または航空会社の客室乗務員あるいはバーテンダーなどのサービススタッフのメンバーによる)缶または瓶からの直接的な飲料の注入、ならびに、家庭におけるミキサーユニット、あるいはバーやレストランにおけるマルチミキサーユニットからの供給を意味する。
【背景技術】
【0004】
過剰な泡立ちは、食品および飲料業界を長年にわたり悩ませてきた問題であり、それは非特許文献1に詳細に記載されている。
非特許文献1およびそれが参照する多くの文献によれば、泡立ちの問題に対処するために、加熱、遠心分離、吹付けおよび超音波を含む機械的および物理的手段が提案されている。
【0005】
化学的な泡調整剤も提案または採用されている(非特許文献2〜4)。そこに開示されている泡調整剤は、天然に存在する脂肪類および油類を含むが、それらは油/水エマルションでの分散性に乏しいため、泡調整剤としての効果に限界があることに言及しておく。上記の参考文献に開示されているその他の泡調整剤は、グリセリン、レシチン、二酸化ケイ素、シリコーン類およびグリセロールモノオレエートである。グリセロールモノオレエートの使用も非特許文献1で論じられている。
【0006】
非特許文献1には、化学的泡調整剤の効果が、a)泡形成性食品または飲料の化学的性質および泡立ちの傾向、b)泡調整剤の溶解性および濃度、c)電解質、コロイドまたはその他の界面活性剤の存在、d)温度、pHおよび粘度、e)加工装置、ならびにf)前記食品または飲料の最終使用、に依存すると述べられている。
【0007】
非特許文献1の中の多くの参考文献は、泡調整に関する広範かつ多数の研究を提示しており、泡調整が食品および飲料業界において重要な問題であることを裏付けている。
周知のように、泡立ちおよび/または噴出の問題は炭酸清涼飲料において特に注目される。
【0008】
炭酸飲料の問題は、次の場合に起こり得る:
a)炭酸飲料が、しばしば実質的な撹拌を避けられない充填を含む製造に供されるとき(特許文献1、特許文献2および非特許文献1)、
b)自動販売機から分配された缶または瓶、または運搬により振動を受けた缶または瓶において発生するように、分配前に恐らく撹拌されていたことにより、炭酸飲料を含有する缶または瓶が、開封時に噴出または飛散するとき(特許文献3、特許文献4)、
c)炭酸飲料を瓶または缶からグラスまたはカップに単純に注入するとき(特許文献5)。
【0009】
充填中の泡立ちを最小限にすることは、工場操業中のそのボトルネック効果ならびにその結果生ずるコスト、時間および処理量に対する影響を考慮すると特に重要であり、「泡の抑制および阻止は、生産設備の効率的な運転のために食品加工において必要である」(非特許文献1)。
【0010】
特許文献2は、炭酸飲料中の泡立ちを減少させる化学物質の使用方法に関する。その文献は、甘味料としてアスパルテーム(APM)を含む炭酸飲料において、特に泡立ちの問題が存在することを示唆している。その文献は、さらに以下のことを述べている:
飲料製造工程中などにおける泡の形成を解決するための手段として、従来、シリコーン系消泡剤または糖エステルなどの乳化剤系消泡剤が一般に使用されてきた。しかしながら、感覚的要件と効果の持続可能性のそれとの両方の態様を満たすことができる十分な解決策は、未だ考え出されていないのが現状である。さらに、シリコーン系消泡剤は安全性に関して悪いイメージがある。
【0011】
その上、これらの通常使用されている消泡剤はAPMに起因する泡を除去する(取り除く)ことに対してあまり有効ではないことが、本発明者らによって確認されている。
特許文献2の発明の目的は、アスパルテームを含む炭酸飲料で発生する過剰な泡立ちの問題を解決することにある。HLB値が1〜14であり、かつ、好ましくは分子量が50〜300の乳化剤が、泡調整剤として提案されている。好ましい乳化剤はグリセリン脂肪酸エステル、特にグリセリンモノ脂肪酸エステルおよびジグリセリンモノ脂肪酸エステルである。
【0012】
特許文献5は、多量かつ分解が遅い表面の泡を形成する炭酸清涼飲料の注入の問題を特に論じている。その文献は、人工甘味料アスパルテームを含有する炭酸飲料が最も泡立ちやすく、かつ最も難分解性の泡を生成するが、ルートビールもまた、アスパルテームを含有するか否かによらず、泡立ちに関して難分解性であると述べている。その文献は、例えば航空路で、映画館で、スポーツ行事で、ファーストフードのチェーン店で、レストランで、およびコンビニエンスストアで、炭酸飲料を素早く給仕するときの実際的な問題を開示している。特許文献5に記載されている解決策は、その内面(例えば、カップの底および側壁)に消泡剤が塗布された使い捨ての容器を提供することである。適切な消泡剤は、市販の食品用のジメチルポリシロキサン消泡剤、例えば「ダウコーニング社(Dow−Corning)Antifoam 1500」および「ユニオンカーバイド社(Union Carbide)SAG 710」であると述べられている。
【0013】
特許文献6は、飲料容器中に配置される撹拌要素またはストロー要素などに付着させる消泡剤について記載している。その消泡剤は注入工程を加速し、また、大容量の環境、例えば旅客機、コンビニエンスストア、およびカレッジバーなどで有用であるとされている。好ましい消泡剤は食品用のシリコーンエマルションである。
【0014】
特許文献4は、「缶入り飲料の噴出しおよび飛散」の問題を重視しており、消泡剤としてポリグリセロール脂肪酸エステルを記載している。少なくともHLB5の分散剤を使用することができる。例として、ポリグリセロール脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機モノグリセリド、ポリソルベート、乳酸エステル誘導体などが挙げられる。それらの飲料は非炭酸飲料であるが、缶の上部の空間内に正圧をかけて包装されるため、依然としてそのような問題に悩まされ得る。
【0015】
本発明に関して、ポリソルベートが関心の対象である。特許文献4において、かかる化合物類は分散剤としてのみ開示されており、消泡剤としては開示されていない。
特許文献3は、酸味の低い非炭酸飲料を含有する缶を開封する際の内容物の噴出の問題を主に記載している。その文献は、泡調整剤として、構成脂肪酸が12〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸および12〜22個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸の少なくとも1つであり、平均置換度が4〜7であるスクロース脂肪酸エステルの使用を提案している。スクロース脂肪酸エステルは好ましい例である。さらに前記飲料は、低温における水中の消泡剤の分散性をさらに高めるための親水性乳化剤を含むことができる。前述の親水性乳化剤として、消泡剤の有効成分としてのスクロース脂肪酸エステルを水中に乳化させる性能を有し、かつHLB値が少なくとも10である乳化剤が好ましい。親水性乳化剤の実例として、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびスクロース脂肪酸エステルが挙げられる。さらに、必要および目的に応じて、この飲料は、その他の添加剤、例えばレシチン、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、食用油、およびジメチルシリコーン油を適切に含むことができる。この特許文献に記載されているポリオキシエチレン脂肪酸エステルについて、消泡作用は何も示唆されていない。いくつかの化合物が比較例として提示されており、それらの消泡試験において有効でないことが示されている。それらは、SPAN 65(これはソルビタンステアリン酸エステルである)、グリセロールオレイン酸エステルおよび置換度のより低いスクロースオレイン酸エステルを含む。
【0016】
特許文献7は、飲料缶、特にコーヒー、ココアまたは紅茶等の酸味の低い飲料を含有する飲料缶を開封するときの噴出を、泡調整剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルまたはプロピレングリコール脂肪酸エステルの使用によって防止することを記載している。
【0017】
特許文献8は、開封時に瓶から炭酸飲料が噴出または飛散する問題を解決するための試みについて記載している。提案されている解決策は、瓶材料中に界面活性剤を含有させることである。その界面活性剤は、適切にはグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、クロトンアミド、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリグリセリル脂肪酸エステルであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0144365号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1504678号明細書
【特許文献3】米国特許第5378484号明細書
【特許文献4】米国特許第5820905号明細書
【特許文献5】米国特許第5316779号明細書
【特許文献6】米国特許第5568973号明細書
【特許文献7】特開平02−027967号公報(特願昭63−176296号)
【特許文献8】特開昭54−126188号公報(特願昭53−31122号)
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】NOSB TAP Review Compiled by OMRI on Glycerol Monooleate Processing(2001年9月25日)
【非特許文献2】コウロヘリス エー ピー(Kouloheris,A.P.),Encyclopaedia of Food Technology (1974) 427−432
【非特許文献3】ゾットー,エー エー(Zotto,A.A.),Food Additives User’s Handbook (1991) 236−241
【非特許文献4】コムズ,シー(Combs,C.),Encyclopaedia of Food Science and Technology (2000) 844−846
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従来技術において文書化された問題、例えば充填における効率の悪さ、ならびに、瓶または缶の開封時の噴出または飛散、およびグラスまたはカップ中の過剰なまたは難分解性の泡立ちなどの、分配時の望ましくない作用に対処するために、非常に多くの努力がなされてきたことが明らかであろう。
【0021】
缶および瓶の開封時、および炭酸飲料の注入時に一般に観察される泡立ちの問題は、その問題が特にアスパルテーム含有炭酸「ダイエット用」または「低カロリー」飲料において存続することを示唆している。上記の先行技術文献のいくつかに記載されているように、アスパルテーム含有炭酸飲料において泡の調整を達成することには特別な困難が存在する。
【0022】
過剰な泡立ちに関係するさらなる問題は、充填中の二酸化炭素の過剰損失である。これは、特に瓶詰め二酸化炭素を製造するのに要するエネルギーを考慮すると非効率的であり、また二酸化炭素の環境中への望ましくない放出でもある。この問題が緩和されれば、それは望ましいことである。
【0023】
さらなる問題は、容器から飲み物を入れる器に注ぐときの炭酸飲料の「発泡性(fizz)」の消失である。過剰の二酸化炭素が飲料から失われる場合、その飲み心地が著しく悪化し得る。関連する問題は、容器(例えば再密封できる瓶)に残された飲料がその飲み心地または「発泡性」を急速に失う可能性があることにある。泡立ちおよび/または二酸化炭素の保持に関係するこの飲み心地の問題を解決または軽減する技術的手段は、高価値のものであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の第1の態様によれば、泡調整剤および/または二酸化炭素調整剤を含有する酸味を帯びた炭酸飲料が提供され、前記調整剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる。
【0025】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルの添加は、炭酸飲料が容器に供給されるとき、その容器が充填プラントにおける缶または瓶であれ、あるいはグラスまたはカップのような飲み物の容器であれ、泡調整に関して顕著な効果を有する。泡立ちは著しく減少する。多くの飲料に関して、過剰な泡立ちが阻止され、生成する表面の泡がより粗く、かつより速やかに分解されるようである。その結果、充填時に空気中に失われる二酸化炭素がより少なく(経済的および環境保全的利点を提供する)、飲み物の容器の中に注入するときに、飲料から抜け出す二酸化炭素がより少ない(それによってより良好な飲み心地を提供する)という利点が生ずる。所定の種類の1つの化合物を使用することによるさらなる利点は、開封された容器内で、二酸化炭素が飲料中により長期間保持される傾向にあることである。それにより、瓶詰め飲料が「気が抜けた」(または「その発泡性を失う」)ようになる身近な問題が改善される。
【0026】
炭酸化は、二酸化炭素の添加か、場合によっては発酵の自然作用によりなされ得る。
前記飲料は炭酸飲料であり、二酸化炭素のために(水中で炭酸を形成し)前記飲料は酸性である。しかしながら、用語「酸味を帯びた」とは、それが「舌にピリッとする」飲料に見出される種類のさらなる酸を含有することを意味する。例として、リン酸、ならびに食物酸(food acids)(しばしば「健全な酸」と呼ばれる)、例えばクエン酸、マレイン酸、フマル酸および酒石酸が挙げられる。果物、果汁および果実エキスは食物酸を含んでおり、それ故それを含む飲料は酸味を帯びている。
【0027】
前記飲料はノンアルコール性であってもよい。例として、コーラ飲料、オレンジ飲料、レモン飲料、レモネード、トニックウォーター、ルートビール、ジンジャーエールおよびジンジャービールが挙げられる。
【0028】
前記飲料は、典型的には3〜9%wt/wtのエタノールを含有するアルコール性であり得る。例として、サイダー、および、ウォッカまたは他のアルコール類とフルーツ香料とのブレンドであって多くの場合炭酸入りである、いわゆる「アルコポップス」が挙げられる。前記飲料は、典型的には0.1〜3%wt/wtのエタノールを含有する低アルコール性であり得る。例として、シャンディーならびに発酵させたある種のルートビール、ジンジャービールおよびレモネードが挙げられる。
【0029】
好ましくは、前記飲料は、乳製品、例えば牛乳またはヨーグルトを主原料とする飲料ではない。好ましくは、それは乳成分、例えば牛乳、クリーム、ヨーグルトまたはアイスクリームを含有していない。
【0030】
好ましくは、前記飲料は、実質的に無脂肪である。
好ましくは、前記飲料は、香り付けされた水飲料である。
好ましくは、前記飲料は透明である。すなわち、好ましくは曇りがなく、かつ/または濁りがなく、かつ/または不透明ではない。好ましくは、それは疎水性混濁剤、例えば、ステロールエステルまたはスタノールエステルを含有していない。
【0031】
原則として、前記飲料は、ビタミン類、例えば、A、B、C、D、EおよびK群のビタミン類の1つまたは複数を含むことができる。ビタミン類は、他の成分、例えば果汁などに存在するビタミンに追加して加えることができる。水溶性のビタミンBおよびCは、前記飲料の非常に適切な成分である。油脂溶解性のビタミンA、D、EおよびKは、それ程適切ではない。ビタミンEまたはその誘導体は前記飲料中に存在しないことが望ましい。ビタミンAおよびK、またはそれらの誘導体は前記飲料中に存在しないことが望ましい。
【0032】
好ましくは、前記飲料は、甘味剤を含有する。前記甘味剤は、天然または合成甘味剤、例えば、砂糖、コーンシロップ、糖アルコール(例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトールまたはイソマルト)、または強力甘味料(例えば、サッカリン、スクラロース、ネオテーム、アセサルフェームカリウムまたはアスパルテーム)である。
【0033】
好ましくは、前記飲料は、1つまたは複数の強力甘味料、例えばアスパルテームを含有する。
好ましい実施形態において、前記飲料は、砂糖を含有しない。
【0034】
好ましくは、前記調整剤、すなわち本明細書で定義されている泡調整剤および/または二酸化炭素調整剤(それは、所定の化合物のいずれかの種類の化合物を1つのみ、または所定の化合物のいずれかの種類の化合物の混合物、または1つの種類の1つ以上の化合物と他の種類の1つ以上の化合物との混合物を含むことができる)は、泡調整および/または二酸化炭素放出の調整を達成するために前記飲料中に存在する唯一の作用物質である。すなわち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび/またはポリエチレングリコール脂肪酸エステル以外の調整剤は存在しない。好ましくは、前記調整剤の活性を促進または高めるように意図された化合物は存在しない。
【0035】
好ましくは、前記調整剤は、200〜3000、好ましくは300〜2500、好ましくは400〜2000の範囲の分子量を有する。
好ましくは、前記調整剤は、7〜16、好ましくは7〜14、より好ましくは7〜12の範囲のHLB値を有する。
【0036】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルに対して好ましいHLB範囲は、9〜16、好ましくは10〜12である。
好ましいポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびそれらのHLB値は以下の通りである:
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタントリステアレート(慣用名ポリソルベート65)−HLB値10.5〜11.0、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタントリオレエート(慣用名ポリソルベート85)−HLB値11.0、
ポリオキシエチレン−(4)−ソルビタンモノラウレート(慣用名ポリソルベート21)−HLB値13.3、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノステアレート(慣用名ポリソルベート60)−HLB値14.9、
ポリオキシエチレン−(4)−ソルビタンモノステアレート(慣用名ポリソルベート61)−HLB値9.6、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノオレエート(慣用名ポリソルベート80)−HLB値15.0、
ポリオキシエチレン−(5)−ソルビタンモノオレエート(慣用名ポリソルベート81)−HLB値10.0。
【0037】
脂肪酸のポリエチレングリコールエステルの場合、好ましいHLB範囲は、7〜13、好ましくは7〜11である。例として以下のものが挙げられる:
PEG 200 モノオレエート(HLB 8.2)、
PEG 300 モノオレエート(HLB 10.2)、
PEG 400 ジオレエート(HLB 8.3)、
PEG 200 モノラウレート(HLB 9.3)、
PEG 300 ジラウレート(HLB 7.9)、
PEG 400 ジラウレート(HLB 9.7)、
PEG 200 モノステアレート(HLB 8.1)、
PEG 300 モノステアレート(HLB 10.3)、
PEG 400 ジステアレート(HLB 8.5)、
PEG 600 ジステアレート(HLB 10.7)、
PEG 600 ジオレエート(HLB 10.6)。
【0038】
これらの化学的種類の化合物は、毒性のないものとして監督機関により広く容認されている。それらは米国および欧州連合の関係当局の両方により、食品および飲料製品における使用に対して認可されている化合物を含む。
【0039】
HLB値は、広範に使用されているグリフィンの方法の観点で定義される。この方法によれば、それぞれの化合物のエチレンオキシド部分の分子量を計算する。例えば、20モルのエチレンオキシドが存在する場合、その成分の分子量は880(20×44)である。この数に対して脂肪酸残基(例えばモノオレエート、ジラウレートなど)の分子量を加算し、これが基本的に全体の分子量を示す。エチレンオキシド部分の分子量を全体の分子量の百分率として表し、得られた百分率の値を5で割り、HLB値を得る(したがって、エチレンオキシドが全体の化合物重量の55%に相当する場合、それぞれの化合物のHLB値は11である)。
【0040】
前記調整剤は、好ましくは少なくとも0.01mg/l、好ましくは少なくとも0.04mg/l、好ましくは少なくとも0.08mg/l、好ましくは少なくとも0.12、好ましくは少なくとも0.2mg/lの量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも0.5mg/l、特に少なくとも1mg/lの量で存在する。
【0041】
前記調整剤は、好ましくは250mg/l以下、好ましくは100mg/l以下の量で存在する。
上記の濃度範囲は、複数の上記化合物が存在するときに存在する調整剤の合計量を表す。
【0042】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの場合、かかる化合物は、好ましくは少なくとも0.01mg/l、好ましくは少なくとも0.04mg/l、好ましくは少なくとも0.08mg/l、好ましくは少なくとも0.12、好ましくは少なくとも0.2mg/lの量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも0.5mg/l、特に少なくとも1mg/lの量で存在する。
【0043】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの場合、かかる化合物は、好ましくは100mg/l以下、好ましくは50mg/l以下、好ましくは30mg/l以下、好ましくは15mg/l以下の量で存在する。
【0044】
上記の濃度範囲は、1つ以上の上記化合物が存在するときに存在するポリオキシエチレンソルビタンエステルの合計量を表す。
脂肪酸のPEGエステルの場合、かかる化合物は、好ましくは少なくとも5mg/l、好ましくは少なくとも50mg/lの量で存在する。
【0045】
脂肪酸のPEGエステルの場合、かかる化合物は、250mg/l以下、好ましくは100mg/l以下の量で好ましくは存在する。
上記の濃度範囲は、1つ以上の上記化合物が存在するときに存在するPEGエステルの合計量を表す。
【0046】
ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよびPEGエステルの両方が存在するとき、その総濃度は、好ましくは上に示された総合限度内(最も広くて0.01〜250mg/l)であり、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(1つ以上)は、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンエステル(1つ以上)について示された1つまたは複数の範囲内であり、PEG化合物(1つ以上)は、好ましくはPEG化合物について示された1つまたは複数の範囲内である。
【0047】
好ましくは脂肪酸のPEGエステルのPEG部分は、低分子PEG部分、例えば、PEG 50〜PEG 2000部分、好ましくはPEG 100〜PEG 1000部分である。
【0048】
好ましくは、本発明で使用される調整剤(ポリオキシエチレンソルビタンエステルまたはPEGエステル)は、エステル1モル当り少なくとも1モル、好ましくは少なくとも2モル、好ましくは少なくとも3モル、より好ましくは少なくとも4モルのエチレンオキシドからなる。好ましくは、それは脂肪酸エステル1モル当り、36モル以下、好ましくは24モル以下、好ましくは12モル以下、最も好ましくは7モル以下のエチレンオキシドを含有する。
【0049】
ポリオキシエチレンソルビタンエステルまたはPEGエステル中のその他のアルキレンオキシド部分、例えばポリプロピレンオキシドなどの存在は排除されない。しかしながら、ある程度のポリオキシエチレン成分は存在しなければならず、そのポリオキシエチレン成分自体は、あらゆる追加的なアルキレンオキシド成分とも無関係に、好ましくは上に示されたモル定義に適合する。しかしながら、ポリオキシエチレン成分はエチレンオキシド単位を含有し、他のアルキレンオキシド単位を含有しないことが最も好ましい。
【0050】
好ましくは所定の化合物の脂肪酸残基は、C〜C33脂肪酸、好ましくはC10〜C22脂肪酸の残基である。前記脂肪酸は、飽和(例えばラウリン酸、ステアリン酸)または不飽和(例えばオレイン酸)であり得る。一般的に、前記化合物は1個から飽和数までの脂肪酸残基を有することができる(前記化合物は、例えば、モノオレエート、ジオレエート、モノステアレート、ジステアレート、モノラウレートまたはジラウレート、あるいはソルビタン化合物の場合は、例えばトリオレエートまたはトリステアレートである)。
【0051】
当然のことながら、本発明の調整剤として上記で表されたパラメータの多く、例えば、分子量、HLB、1分子または1残基当りの炭素原子の数などは、前記調整剤が複数の化合物の分布であることを考えれば平均値である。エトキシル化が分布を生ずることを考えれば、同様の説明がエトキシル化度に当てはまる。
【0052】
好ましくは、前記調整剤は、飲料またはその液体としての前駆体(濃縮物を含む)に添加される。前記調整剤は、常温でそれ自体液体であるか、または、例えばそれを融解するために加熱するか、または液体担体中に溶解もしくは分散させることによって液化可能であり得る。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、前記第1の態様の炭酸飲料を含有する密封容器が提供される。前記密封容器は、適切には耐圧構造のものであり、例えば金属缶または耐変形性のプラスチックボトルである。
【0054】
本発明の第3の態様によれば、前記第1の態様の飲料のための濃縮物が提供され、前記濃縮物は、分配時に実質的に前記飲料を形成するために、使用時に水と混合され、二酸化炭素を注入されるか、または炭酸水と混合される。本発明は、このようにして、バーおよびレストランなどの、炭酸飲料が一般にポストミックスまたはマルチミキサー装置と呼ばれるものを用いてその場で製造される状況で活用することができる。
【0055】
本発明の第4の態様によれば、調整剤を、ベース飲料(すなわち調整剤のみを含まない飲料)またはその前駆体に加える工程を含む前記第1の態様の飲料を製造する方法が提供される。その前駆体は、炭酸を含まない希釈された形態、または濃縮物、または原料、または原料の混合物であり得る。前記方法は、飲料を耐圧容器に密封する工程を含み得る。本発明によれば、その充填工程は調整剤を伴わない場合よりもずっと迅速であることが見出されている。形成される泡の量は減少し、かつより急速に分解する。両方の現象により充填速度の加速がもたらされる。
【0056】
理論に拘束されるわけではないが、ここで使用される調整剤は、二酸化炭素が飲料溶液中に留まるようにより有利に働くと考えられる(すなわち、言い換えれば、二酸化炭素の気泡として飲料溶液から飛び出るのに不利に働く)。したがって、泡の形成に使われる二酸化炭素がより少なくなるものと考えられる。これは、泡の形成がより少ないこと、および、より多くの二酸化炭素が飲料中に保持され、より発泡性が維持されることを意味すると考えられる。この見解に従えば、泡調整剤および/または二酸化炭素調整剤は、飲料中の二酸化炭素を安定化させるか、または飲料中の二酸化炭素の保持率を高める作用物質を意味する二酸化炭素安定剤と見なすことができ、かかる用語は、本明細書においては「泡調整剤および/または二酸化炭素調整剤」の代わりに使用され得る。
【0057】
本発明の第5の態様によれば、酸味を帯びた炭酸飲料における泡立ちを減少させ、かつ/または二酸化炭素の保持率を改良する方法が提供され、前記方法は、前記飲料中に、上記で定義された化合物を包含させることからなる。
【0058】
本発明の第6の態様によれば、炭酸飲料における泡立ちを減少させ、かつ/または二酸化炭素の保持率を改良するための、上記で定義された化合物の使用方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下の実施例を参照しながら、単なる例示の目的として、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0060】
調整剤として、ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタントリステアレートとしても知られている市販のポリソルベート65(HLB 10.5、Kotilen S/3の商標で販売されている)、および下記に特定される3つの市販の炭酸を含むコーラ飲料:
A)コーラ飲料番号1(アスパルテームおよびアセサルフェームカリウム強力甘味料を含むが砂糖は含まない人工甘味料を使ったコーラ)
B)コーラ飲料番号2(アスパルテームおよびアセサルフェームカリウム強力甘味料を含むが砂糖は含まない人工甘味料を使ったコーラ)
C)コーラ飲料番号3(砂糖で甘味をつけた人工甘味料を含まないコーラ)
を用いて、泡立ち特性を評価する実験を実施した。
【0061】
コーラ飲料番号1およびコーラ飲料番号3は、一製造業者によって製造された。コーラ飲料番号2は、コーラ飲料番号1の競合企業の製品として別の製造業者によって製造された。
【0062】
ポリソルベート65を約50℃の温水に入れ、混合しながらその混合物を20℃まで冷却させて水分散液を調製し、0.5%w/wの水分散液を生成した。この混合物の適切な量を、ピペットにより全容積500mlの飲料瓶に導入し、取り外しておいたキャップを再度しっかりと取り付けた。その瓶を滑らかな動作で25回反転させ、均一な分散液にした後、そのまま常温(20℃)で1時間平衡化させた。対照は、ポリソルベート65を含有する試験溶液に代えて前記飲料に1.0gの水を加えたこと以外は同じ方法で処理した。
【0063】
縁までの容量が300ml(半パイント)である風袋を計った標準サイズのプラスチックカップの中に、25cmの高さから、連続した滑らかな流れで、コーラを各瓶からカップから溢れる寸前まで順番に注入した。注入はそこで終了した。注入作業は、反復的で試料間で一貫しており、円滑に実施できる限度で可能な限り迅速に行った。次にカップを再計量し、それらが含有する飲料の量を確認し、これを、こぼさずに注入できる最大量とすることにより、泡立ちの程度の信頼性のある指標とした。その結果を以下に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

明らかに、特に人工甘味料を使用した飲料の場合に、非常に低濃度のポリソルベート65により顕著な泡立ちの減少を達成することができる。
【0067】
さらに、処理した飲料の注入中に発生する泡は、特に人工甘味料を使った飲料の場合に、処理してない対照物のそれよりも密度が低い(すなわち粗い)。また、それらはより迅速に分解する。これは注入可能な飲料の重量が増加する1つの原因であり得、他のあり得る原因は、発生する表面の泡が減少するためであると考えられる。両方の原因、すなわち表面の泡の減少および発生した表面の泡のより急速な分解が実験的に観察された。別の実験による観察は、泡調整剤を含有する飲料では、対照よりも味が良好であったことである。その説明として、前者は「味がピリッとし」、「発泡性がより顕著である」こと、後者は「より気が抜けて」おり、「味気ない」ことが挙げられた。この観察された違いは、後者がより多くの二酸化炭素を失ったためであると考えられる。
【0068】
泡立ちの減少および急速な泡の分解効果の組合せは、瓶詰めおよび缶詰めを行う際の充填速度に対して明らかな利点を提供し、また分配の際にさらなる利点を提供する。味の優位性は、消費者に直接的にさらなる重要な利点を提供する。
【実施例2】
【0069】
英国の大手スーパーマーケットから1リットル瓶で仕入れた自家ブランドの炭酸入りトニックウォーターについて、さらなる試験を行った。前記トニックウォーターは、二酸化炭素含量がはるかに高い点で、実施例1で試験したコーラとは異なる。ラベルには、トニックウォーターはクエン酸により酸味付けされていることが示されていた。
【0070】
0.5%w/wポリソルベート65の試料を、最初に実施例1と同じように調製したが、前記トニックウォーターの瓶を処理するために、0.001%w/wおよび0.005%w/wのポリソルベート65に希釈した。その製品の「泡立つ」性質のために、それらを混合後、平衡化させるためにそのまま一晩静置したことを除き、添加は実施例1と同じ方法で行った。泡/CO調整剤を瓶に正確に添加するために1〜5g量の前記希釈物を使用し、対照は、3gの水を用いて同じ方法で処理した。飲料を、風袋を測った縁までの容量が300mlのプラスチックビーカーに注入し、そのビーカーを再度計量した。その手順は上記の通りであった。
【0071】
飲料は次のように特定された:
A)低カロリーインディアントニックウォーター、トニックウォーター番号1。ラベルには、それはアスパルテームおよびサッカリンナトリウムにより甘味付けされていることが示されていた。
【0072】
B)インディアントニックウォーター、トニックウォーター番号2。ラベルには、それは砂糖およびサッカリンナトリウムにより甘味付けされていることが示されていた。
結果を以下に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
【表5】

0.01mg/lの低さのポリソルベート65で有益な効果がみられ、その効果の大きさは濃度が増すと共に増大する。
【実施例3】
【0075】
泡もしくは泡立ちまたは二酸化炭素保持性の有益な効果を有する調整剤としてのさらなる化合物の有効性を測定するために、さらなる試験を行った。使用した飲料は、500ml瓶で仕入れた専売の炭酸入りダイエットコーラ飲料であった。試験は、実施例1に記載されている方法で行われた。下の表は、試験した化合物、それらの濃度、およびカップ中に得られた量を示している。
【0076】
【表6】

さらに、ソルビタンモノラウレートの態様でソルビタンモノステアレート(比較、HLB4.7)およびソルビタンモノオレエート(比較、HLB4.3)を使用することが試みられた。ソルビタンモノラウレートとは異なり、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタンモノオレエートは、乳化エステルの助けを借りてさえ、十分な程度まで水中に分散させることすらできなかった。したがって、これらの化合物については注入試験をすることができなかった。
【実施例4】
【0077】
炭酸入りアルコール果実飲料(英国では「アルコポップス」として一般に知られている)についてさらなる試験を行った。
A)試験した最初の製品は、4%のアルコールを含み、王冠キャップで密封された275ml瓶で供給されるブランド付きの「ホワイトラム・アンド・ブルーベリー」半糖飲料(砂糖を減らし、非砂糖源の甘味料によってさらに甘味付けされている)であった。ポリソルベート65組成物を実施例1に記載のように用意した。瓶の振動が最小限になるように注意深く瓶のキャップを取り外し、その瓶に所望の量のポリソルベート65組成物を添加した。次いで、その瓶に王冠キャップコルク栓用具を用いて再び蓋をした。その再び蓋をされた瓶をそのまま一晩静置した。
【0078】
翌日、瓶を順次開け、飲料を実施例1で上述したように300mlのプラスチックカップに注ぎ、内容物を計量した。その結果を下に示す。
【0079】
【表7】

B)試験した2番目の「アルコポップ」製品は、4%のアルコールを含み、ねじ蓋で密封された700ml瓶で供給されるスーパーマーケット自家ブランドの「ウォッカ・アンド・チェリー」の砂糖/甘味料混合飲料であった。その手順は、ポリソルベート65を用い、実施例1に記載の通りであった。その結果を下に示す。
【0080】
【表8】

実施例に関する結論
実施例3は、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタンモノオレエートが、本発明が解決しようとする問題を解決するいずれの試みにおいても効果がないか、または不十分であることを示している。
【0081】
実施例1、2および3は、本発明において有効であるためには、ソルビタン脂肪酸エステルはポリオキシエチレン部分を必要とすることを示している。
実施例3は、さらにポリオキシエチレン部分を有するポリエチレングリコール脂肪酸エステルが本発明で使用することができることを示している。
【0082】
実施例1、2および3はまた、ポリソルベート60等の幾分高いHLB値のポリソルベート化合物をある程度有利に使用することができ、一方、ポリソルベート65(実施例1および2)およびポリソルベート85などのより低いHLB値を有するポリソルベート化合物を用いることにより、さらに良好な結果が得られることを示している。
【0083】
さらに実施例3は、良好な泡調整効果を達成するために必要なPEGエステルの濃度が、良好な泡調整効果を達成するために必要なポリソルベートの濃度よりも高いことを示している。
【0084】
実施例1〜3は、ノンアルコール飲料(清涼飲料)における利点を示している。実施例4は、アルコール果実飲料(「アルコポップス」)における利点を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡調整剤および/または二酸化炭素調整剤を含有する酸味を帯びた炭酸飲料であって、前記調整剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる炭酸飲料。
【請求項2】
前記調整剤が、7〜16の範囲のHLB値を有する請求項1に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項3】
前記調整剤が、0.01〜250mg/l、好ましくは1〜100mg/lの量で存在する請求項1または2に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項4】
前記調整剤中の脂肪酸エステルに対するエチレンオキシドのモル比が、少なくとも1、好ましくは2〜36、最も好ましくは4〜7である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項5】
甘味剤、好ましくは強力甘味料を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項6】
前記調整剤が、0.01〜100mg/l、好ましくは0.1〜50mg/l、好ましくは1〜30mg/l、最も好ましくは2〜15mg/lの範囲の濃度のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項7】
前記調整剤が、9〜16、好ましくは10〜12の範囲のHLB値を有するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項8】
前記ポリオキシエチレンソルビタンエステルが、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタントリステアレート、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタントリオレエート、
ポリオキシエチレン−(4)−ソルビタンモノラウレート、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレン−(4)−ソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレン−(20)−ソルビタンモノオレエート、
ポリオキシエチレン−(5)−ソルビタンモノオレエート
から選択される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項9】
前記調整剤が、5〜250mg/l、好ましくは50〜100mg/lの量のポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項10】
前記調整剤が、7〜13、好ましくは7〜11の範囲のHLB値を有するポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる請求項1乃至5および9のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項11】
前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルが、
PEG 200 モノオレエート、
PEG 300 モノオレエート、
PEG 400 ジオレエート、
PEG 200 モノラウレート、
PEG 300 ジラウレート、
PEG 400 ジラウレート、
PEG 200 モノステアレート、
PEG 300 モノステアレート、
PEG 400 ジステアレート、
PEG 600 ジステアレート、
PEG 600 ジオレエート
から選択される請求項1乃至5、9および10のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料を含有する密封容器。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の酸味を帯びた炭酸飲料用の濃縮物であって、分配時に実質的に前記飲料を形成するために、使用時に水と混合され、二酸化炭素を注入されるか、または炭酸水と混合される濃縮物。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の飲料を製造する方法であって、前記調整剤をベース飲料またはその前駆体に添加する工程を含む方法。
【請求項15】
酸味を帯びた炭酸飲料における泡立ちを減少させ、かつ/または二酸化炭素の保持率を改良する方法であって、前記飲料中に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルを包含させることからなる方法。
【請求項16】
炭酸飲料における泡立ちを減少させ、かつ/または二酸化炭素の保持率を改良するためのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルの使用方法。

【公表番号】特表2010−510799(P2010−510799A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538782(P2009−538782)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004565
【国際公開番号】WO2008/065401
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(509148979)スティーブンソン グループ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】STEPHENSON GROUP LIMITED
【Fターム(参考)】