点火支援燃料ランスを有する多段燃焼システム
【課題】 改善された火炎安定性と完全な燃料の燃焼を有する多段燃焼システムを提供すること。
【解決手段】 炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む、燃焼システムが提供される。
【解決手段】 炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む、燃焼システムが提供される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多段燃焼システムは、酸化体と燃料を複数のゾーン又は段階で反応させる燃焼プロセスに燃料の連続部分を導入することによって燃焼を改善するのに用いられる。これによって、より低いピークの火炎温度と、酸化窒素(NOx)の生成を低減する他の有利な燃焼条件が作り出される。種々の多段燃焼法が公知であり、プロセスヒータ、炉、蒸気ボイラー、ガスタービン燃焼器、石炭火力発電装置、並びに冶金及び化学プロセス産業における他の多くの燃焼システムを含む燃焼用途で使用されている。
【0002】
可燃性領域において或る組成を有する燃料−酸素−不活性ガス混合物がその自然発火温度に達するか又は別の点火源によって点火されると、空気などの酸素含有ガス中の酸素とガス燃料の燃焼が起こる。燃焼が炉などの3次元プロセス空間で起こる場合、混合度が燃焼プロセスにおいて別の重要な変量である。炉、特にはバーナ付近の領域における混合度は、局所的なガスの組成及び温度に影響するため、操作の安定性において重要な因子である。
【0003】
燃焼プロセス、特にNOxを低減するための多段燃焼プロセスにおいては、多段燃料が燃焼空間に導入される地点に関して火炎前部の良好な火炎安定性と適切な位置を有することが重要である。通常の燃焼システムにおいては、火炎安定性は、燃料流と燃焼雰囲気の接触を改善しかつ火炎安定性を維持するのに必要とされる点火エネルギーを与えるための燃料噴射装置及び内部再循環パターンを使用することによって維持することができる。とりわけ、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はターンダウン状態の際に多段燃焼システムにおける火炎安定性と火炎位置の制御が不適当であると、望ましくない燃焼性能、より高いNOxの放出及び/又は燃焼されない燃料が生じる場合がある。燃焼されない燃料によって、炉内に燃料の実質的なポケットが生じ、制御されないエネルギー放出の可能性が生じる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とりわけ、非定常状態の操作期間、例えば、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はプロセスのターンダウン状態の際の改善された火炎安定性と完全な燃料の燃焼に関する多段燃焼プロセスのニーズがある。これらのニーズを満足させるための改善された多段燃焼システムが、以下に説明される本発明の実施態様によって開示され、特許請求の範囲によって規定される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施態様は、炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む燃焼システムに関する。1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。この実施態様においては、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接して配置され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。
【0006】
別の実施態様は、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含む燃料ランスに関する。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0007】
他の実施態様は、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含む燃料ランスに関する。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0008】
別の代わりの実施態様においては、燃料ランスは、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含むことができる。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0009】
本発明の関連する実施態様は、エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む。
【0010】
この実施態様においては、1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離は2〜50インチの範囲にあることができる。
【0011】
本発明の別の関連する実施態様は、炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む燃焼システムに関する。
【0012】
この実施態様においては、1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。
【0013】
この実施態様のシステムは、一次燃料を中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、多段燃料を1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含むことができる。中央バーナへの一次燃料と1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料は同一の組成であり;あるいはまた、中央バーナへの一次燃料と1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料は異なる組成である。1つ又は複数の多段燃料ランスは、中央バーナの外側に配置することができ、中央バーナの軸から半径方向に配置することができる。
【0014】
本発明の他の関連する実施態様は、
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法を含む。
【0015】
この実施態様においては、燃料は、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択することができる。複数の燃料ランスを使用することができ、異なる組成の燃料をこの複数の燃料ランスで使用することができる。
【0016】
本発明の別の代わりの関連する実施態様は、
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法に関する。
【0017】
この実施態様においては、一次燃料と二次燃料は、異なる組成を有するガスであることができる。一次燃料は、天然ガス又は製油所オフガスであることができ、二次燃料は、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含むことができる。あるいはまた、一次燃料と二次燃料は、同じ組成を有するガスであることができる。
【0018】
本発明の異なる実施態様は、
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
燃焼に基づくプロセスは、燃料流と酸素の燃焼を利用してプロセス加熱を作り出し、幾つかの場合には、他のプロセス系から可燃性のオフガス流を消費する。これら種々の燃料との燃焼反応の確立においては、燃料−酸化体混合物の温度がこの混合物の自然発火温度よりも高ければ自然発火が起こる。空気/天然ガス混合物においては、例えば、自然発火温度は約華氏1,000度である。点火源は、燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度よりも低い場合に燃焼反応を開始させるのに必要とされる。
【0020】
更なる変量、燃焼雰囲気又は燃焼領域における混合の程度が、ガス状の又は気化された燃料を有する燃焼プロセスの安定性に影響する場合がある。燃料の段階化がNOxの形成を制限するのに用いられる場合には、燃焼プロセスの安定化は複雑になる。燃料の段階化においては、(空気又は酸素のない)原燃料が、燃焼の初期段階から残留する過剰酸素を含有する燃焼雰囲気に導入される。燃焼の各段階の燃料は典型的には同一であるが、異なる燃料源を使用してもよく、異なる多段燃料の使用は、燃焼プロセスの操作安定性に影響する場合がある。NOxの形成を最小限に抑えるために、最小の酸素濃度を有する場所で又はその近くで燃焼雰囲気に多段燃料を導入することが望ましい。
【0021】
段階的な燃料燃焼システムにおいて火炎安定性と火炎位置を維持することは、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はターンダウン状態の際に炉で生じる非定常のプロセス状態の間は困難な場合がある。このような状態の際には、局所的な温度が燃料−酸化体混合物の自然発火温度未満に落ちる場合があり、結果として不安定な火炎及び/又は燃焼されない燃料を含有する領域が生じることがある。これは望ましくなく、炉において制御されないエネルギー放出の可能性をもたらす場合がある。
【0022】
火炎安定性とは、燃焼雰囲気において火炎流を導入する地点に関する火炎前部の適切な位置であり、燃料段階化の良い適用の鍵となる側面である。通常の多段燃焼システムにおいては、火炎安定性は、燃料噴射装置及び燃料リッチジェットと酸素源との接触を改善する混合パターンの組み合わせによって維持され、この酸素源は、炉内のガス状雰囲気に含まれる注入燃焼空気流又は未反応酸素であることができる。点火エネルギーの適切な位置及び量もまた重要である。燃料噴射装置に関するデザインにより、典型的には火炎ホルダーの先端に火炎を固定しようと試みられる。火炎ホルダーの先端は、燃料噴射器自体、別の鈍頭物体装置(例えば、耐火性タイルの外表面)又は渦巻形安定化装置ノズルであることができる。通常の鈍頭物体タイプの火炎安定化装置の欠点は、制限されたターンダウン比を有するということであり、この制限されたターンダウン比によって低温の運転開始及びプロセスの乱れ状態の際の安定性能が制限される。段階型燃料ジェットの火炎前部と火炎ホルダー面の間に相当な距離又はリフトオフ高さがあると、火炎に振動が生じ、結果として望ましくない燃焼性能となり、例えば、NOxの放出が増加し及び/又は燃焼されない燃料が存在することになる。
【0023】
運転開始やプロセスの乱れなどの非定常状態が、通常の燃料段階化システムを通る流量を維持しながら生じる場合、高濃度で存在する燃料の体積が燃焼システム内で相当に増加する可能性がある。噴射装置からの燃料リッチジェット付近の領域は、燃焼限界(例えば、天然ガスに関して5〜15vol%)の範囲外である場合があり、低温炉において利用できる不十分な点火エネルギーである場合がある。これらの燃料段階化システムの複数の構成要素が設備の一画に含まれるか又は火炎が単一バーナから再確立される場合には、付加的な点火源が炉に存在することがある。これらの点火源は、例えば、バーナ及び/又は段階化された燃料噴射装置での燃焼反応において形成されるラジカルである場合がある。これらのラジカルがプロセスヒータ、ボイラー、改質炉又は他の類似の単位操作において燃焼されない燃料の体積と反応することで促進される制御されないエネルギーの放出は、安全性及び操作性の問題がある。
【0024】
通常のバーナ技術では、低い炉温での低温の運転開始の際及び乱れ又はターンダウン状態の際、個々の燃料段階化ランスに火炎安定性を提供することができない。これらの期間の安定性の欠如により、上記のように火炎のリフトオフ及び続いて起こる制御されないエネルギー放出が生じる場合がある。これらの潜在的に安全でない状態に対処するのに強力な解決策が必要とされる。好ましい解決策は、プロセス操作員による特定の操作及び制御工程の実施を必要とするよりはむしろ燃焼設備自体に対する変更及び改良を利用すべきである。このような解決策は、1つ又は複数の点火源が燃焼の領域又はゾーンに多段燃料を導入する燃料噴射ランスとともに用いられる本発明の実施態様において開示される。
【0025】
点火支援燃料ランスは、プロセスヒータ、炉、蒸気ボイラー、ガスタービン燃焼器又は他のガスを燃料とする燃焼システムにおいて燃焼雰囲気中の酸素含有ガスに噴射される燃料を確実に点火するために、本発明の様々な実施態様で用いられる。燃料ランスは、燃焼雰囲気に高速で燃料を噴射するための装置として本明細書で規定される。燃焼雰囲気は酸化体ガスを含有し、酸化体ガスに噴射される多段燃料は、酸化体ガス中の酸素と燃焼される。酸化体ガスは、空気、酸素富化空気、又は燃焼生成物と未反応酸素を含有する燃焼ガスであることができる。例えば、点火支援燃料ランスは、バーナに隣接するがそれから離して炉の境界、壁又はエンクロージャに設置することができ、燃料ランスがバーナによって作り出される燃焼雰囲気に燃料を噴射して同心多段燃焼が達成される。あるいはまた、点火支援燃料ランスは、空気などの酸化体ガス源に隣接するがそれから離して設置することができ、燃料ランスが酸化体ガス又は燃焼雰囲気に燃料の一部を噴射してマトリックス多段燃焼が達成される。
【0026】
本明細書で用いられる「燃焼雰囲気」という用語は、炉のエンクロージャ又は境界内部の雰囲気を意味する。炉の境界内部の全体的な燃焼雰囲気は、酸素、燃料、燃焼反応生成物(例えば、炭素酸化物、窒素酸化物及び水)を含有する燃焼ガス、及び不活性ガス(例えば、窒素及びアルゴン)を含む。酸素及び不活性ガスの供給源は典型的に空気であり;その代わりとして又は追加の酸素源は、酸素富化空気及び/又は高純度酸素を導入して燃焼プロセスを向上させる酸素噴射システムであることができる。燃焼雰囲気は、構成成分の濃度が炉を通して変化するため不均一である。例えば、酸素濃度は、酸化体噴射点付近でより高く、燃料濃度は、燃料噴射点付近でより高くなるであろう。燃焼雰囲気の他の領域では、燃料が存在しない場合がある。酸素と燃焼反応生成物の濃度は、燃焼雰囲気内の様々な場所での燃焼の程度に応じて変化する。幾つかの場所では、噴射燃料は、燃焼雰囲気に噴射された酸化体ガス中の酸素と直接反応し;他の場所では、噴射燃料は、燃焼雰囲気中の他の場所で生じる燃焼からの未反応酸素と反応する。
【0027】
熱負荷は、炉内部の燃焼雰囲気中に配置され、ここで、熱負荷とは、(1)炉の燃焼雰囲気を通して運ばれる材料によって吸収される熱であって、材料が炉を通して運ばれるときに燃焼雰囲気から材料に伝達される熱として規定されるか、又は(2)燃焼雰囲気から加熱される材料へ熱を伝達するよう適合された熱交換器として規定される。
【0028】
同心多段燃焼バーナシステムの例が図1の断面図に示され、多段燃料を噴射するための複数の噴射ランスによって囲まれた中央バーナ又は火炎ホルダーを示している。バーナは、酸化体と燃料を燃焼するための一体化された燃焼アセンブリとして規定され、バーナは、炉の壁又はエンクロージャに取り付けられるよう適合される。中央バーナ又は火炎ホルダー1は、外管3と、同心の中間管5と、内側の同心管7を含む。内管7の内部及び外管3と中間管5の間の環状空間9は、外管3の内部と流れが通じている。内管7と中間管5の間の環状空間11は、燃料注入管13に接続され、それと流れが通じている。中央バーナは炉壁14に取り付けられている。
【0029】
この中央バーナの操作においては、酸化体ガス(典型的には空気又は酸素富化空気)15が外管3の内部に流され、この空気の一部が内管7の内部を通って流れ、この空気の残りの部分が環状空間9を通って流れる。一次燃料15が管13と環状空間11を通って流れ、内管7からの空気と燃焼ゾーン17で初めに燃焼される。燃焼ソーン17からの燃焼ガスが、燃焼ゾーン19において追加の空気と混合する。このゾーンでの燃焼は、典型的には極めて燃料リーンである。可視炎は、典型的には燃焼ガス23が炉内部25に入るときに燃焼ゾーン19と燃焼ゾーン21で形成される。本明細書で用いられる「燃焼ゾーン」という用語は、燃焼が起こるバーナ内部の領域を意味する。
【0030】
多段燃料システムは、注入管27と、マニホールド29と、複数の多段燃料ランス31とを含む。多段燃料ランスの端部には、任意の所望のタイプの噴射ノズル33を取り付けることができる。多段燃料35は、注入管27、マニホールド29及び多段燃料噴射ランス31を通って流れる。ノズル33からの多段燃料流37は、酸化体含有燃焼ガス23と速やかに混合して燃焼する。炉内部25のより冷えた燃焼雰囲気は、ノズル33により促進される強い混合作用で多段燃料流37によって速やかに伴出され、同心に噴射される多段燃料は、中央バーナ1の出口下流の酸化体含有燃焼雰囲気と燃焼される。一次燃料は、合計燃料流量(一次燃料+多段燃料)の5〜30%であることができ、多段燃料は、合計燃料流量の70〜95%であることができる。
【0031】
一次燃料と多段燃料は、同じ組成であってもよいし又は異なる組成であってもよく、いずれかの燃料は、任意のガス状の、気化された又は噴霧された炭化水素含有材料であることができる。例えば、この燃料は、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから成る群より選択することができる。例示的なプロセス廃ガスは、天然ガスから水素を生成するためのプロセスにおける圧力スウィング吸着システムからのテールガス又は廃ガスである。
【0032】
ノズル33の例示的なタイプが図2に示される。ノズルアセンブリ201は、ノズル入口管205に接合されたノズル本体203を含む。ここで縦に配向されて示される溝207は、溝209、211、213及び215と交差している。これらの溝は、ノズル本体203とノズル入口管205の間の接続における入口面(図示せず)と出口面217との間に配置される。流体219は、ノズル入口管205と溝207、209、211、213及び215を通って流れ、次いで溝出口を取り囲む別の流体と混合する。図2に示される溝パターンに加えて、他の溝パターンが可能であり;ノズルアセンブリは、任意の配向で使用することができ、図示される一般に水平の配向に限定されない。出口面217に垂直な方向で見た場合に、例示的な溝209、211、213及び215は、溝207と直角に交差している。交差の他の角度が、例示的な溝209、211、213及び215と溝207の間で可能である。出口面217に垂直な方向で見た場合に、例示的な溝209、211、213及び215は互いに平行であり;しかしながら、これらの溝の1つ又は複数が残りの溝と平行ではない他の実施態様も可能である。
【0033】
本明細書で用いられる「溝」という用語は、ノズル本体又は任意の溝の断面(即ち、以下に規定される流入軸に垂直な断面)が非円形であり、長軸と短軸によって特徴付けられる他の固体材料を貫く開口として規定される。長軸は短軸よりも長く、2つの軸は一般に垂直である。例えば、図2における任意の溝のより長い断面軸は溝断面の2つの端部間に延び;より短い断面軸は長軸に垂直であり、溝断面の両端の間に延びる。溝は、任意の非円形の断面を有することができ、各断面は、中点又は通常の幾何図形定義を有する重心によって特徴付けることができる。
【0034】
溝は、全ての溝断面の重心を接続する直線として規定される溝軸によりさらに特徴付けることができる。加えて、溝は、全ての溝断面のより長い断面軸と交差する中心面によって特徴付けるか又は規定することができる。各溝断面は、この中心面の両側で垂直対称性を有することができる。中心面は、溝のいずれかの端部を越えて伸び、以下に規定されるノズル本体の流入軸に関する溝配向を規定するのに用いることができる。
【0035】
図2のノズルの軸方向の断面I−Iが図3に与えられる。流入軸301は、ノズル入口管302と、入口面303と、出口面217の中心を通っている。この実施態様においては、溝209、211、213及び215の中心面は、流体が流入軸301から分岐した方向において出口面217で溝から流れるように流入軸301とある角度をなしている(即ち、流入軸301に対して平行ではない)。溝207の中心面(この溝の一部のみが図3に示される)もまた、流入軸301とある角度をなしている。この例示的な特徴は、流入軸301から別の分岐した方向においてノズル出口面から流体を方向づける。この例示的な実施態様においては、図3の軸方向の断面に垂直な方向で見た場合に、溝209と211が入口面303で交わって尖った縁305を形成し、溝211と213が交わって尖った縁307を形成し、溝213と215が交わって尖った縁309を形成する。これらの尖った縁は、溝に空気力学的な流量分離を与え、鈍頭物体と関連した圧力降下を低減する。あるいはまた、これらの溝は、入口面303と出口面217の間のある軸方向の位置で交差させることができ、尖った縁は、ノズル本体203内に形成される。あるいはまた、これらの溝は、図2の軸方向断面に垂直な方向で見た場合に交差していなくてもよく、その場合、尖った縁は形成されない。
【0036】
本明細書で用いられる「流入軸」という用語は、入口面でノズルに入る流体の流れ方向によって規定される軸であり、この軸は入口面と出口面を貫いている。典型的にしかし全ての場合においてではないが、流入軸は、ノズル入口面303及び/又は出口ノズル面217の中心に垂直であり、面と垂直に交わる。ノズル入口管302が図示されるように典型的な円筒形導管である場合には、流入軸は、導管軸と平行にするか又は一致させることができる。
【0037】
軸方向の溝長さは、ノズル入口面と出口面の間、例えば、図3の入口面303と出口面217の間の溝長さとして規定される。溝高さは、より短い断面軸における溝の壁の間の垂直な距離として規定される。軸方向の溝長さ/溝高さの比は、約1〜約20であることができる。
【0038】
ノズル本体の複数の溝は、流入軸に垂直な面において交差させることができる。図2に示すように、例えば、溝209、211、213及び215は、溝207と直角に交差する。望ましい場合には、これらの溝は、流入軸に垂直な面において直角以外の角度で交差させることができる。隣接する溝もまた、流入軸に平行な面、即ち、図3の断面において見た場合に交差させることができる。図3に示すように、例えば、溝209と211は入口面303で交わり先に記載した尖った縁305を形成している。溝の中心面の間、さらに各溝の中心面と流入軸の間の角度の関係は、望ましいように変えることができる。これにより、流体をノズルの軸に関して任意の選択された方向にノズルから放出することができる。
【0039】
軸301に垂直な任意の面において互いに交差する溝がない他のノズル本体を考えることもできる。この他の実施態様においては、例えば、ノズル本体面に垂直に見た全ての溝は独立であり、他の溝と交差しない。このようなノズルは、例えば、ノズルが溝209、211、213及び215のみを有する溝207のない図2のノズルと類似していることができる。これらの溝は、図2に示すように軸方向に交差させることができる。
【0040】
図4は、図2と図3の多段燃料ランスノズルを利用した図1の例示的な装置の放出端を示す平面図である。同心の管403、405及び407は、半径方向の部材又はフィンを取り付けた環状空間409と411を取り囲んでいる。(先に記載の)溝付多段燃料噴射ノズル433は、図示される中央バーナの周りに同心に配置することができる。この実施態様においては、溝付噴射ノズルの溝角度は、中央バーナ1の軸に関して分岐した方向に噴射多段燃料を向けるよう配向されている。
【0041】
ノズル構成の他のタイプを、多段燃料ノズル433(図4)の噴射端部でノズル本体203(図2)に使用することができる。例えば、ノズル本体203の出口面217における開口は、2つの交差する溝によって形成される1つ又は複数の十字型開口において形成することができる。あるいはまた、任意の他のタイプの開口を、上記の溝と異なる形状を有するノズル本体面において使用することができる。
【0042】
図1の例示的な同心多段燃焼バーナシステムは、図5に示される本発明の実施態様に従って改良することができる。ここで概略的に示される点火器501は、多段燃料ランス31と関連しており、ノズル33から放出される多段燃料37を点火するよう適合している。点火器は、図示される多段燃料ランスと隣接させることができ、点火器の点火端部503は、ノズル33の先端と隣接している。あるいはまた、点火器は、後で記載される多段燃料ランスに一体化させることができる。本明細書で用いられる「点火器」という用語の一般的な意味は、燃料−酸化体混合物の自然発火温度よりも高い局所的な温度を作り出すための装置である。例えば、点火器501はノズル33に隣接しているため、確実に多段燃料流が点火される。点火器501は、図5に概略的に示され、多段燃料と酸化体の混合物を点火するのに十分高い温度を作り出すことができる任意のタイプの点火器であることができる。例えば、これらの点火器は、パイロット炎が中央バーナの燃料−酸化体混合物とは別の燃料−酸化体混合物を燃焼することによって形成される点火端部503でパイロット炎を作り出すことができる。あるいはまた、点火器501は、点火端部503において断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、又は他の任意のタイプの点火器であることができる。
【0043】
図5における点火器の位置は、中央バーナの放出端部及び同心の噴射ノズル33と関連する概略的な点火端部503を示す図6の平面図において確認することができる。この実施態様においては、各点火端部は、多段噴射ノズルに隣接している。あるいはまた、点火器は、後で説明されるように多段燃料ランス31に一体化することができる。図6の実施態様においては、それぞれの噴射ノズルと燃料ランスは、隣接する点火器を有し、点火器の数と多段燃料ランスの数は等しい。あるいはまた、多段燃料ランスの数は、点火器の数よりも少なくすることができ、各点火器が、複数の燃料ランスの点火を達成する。1つの例においては、点火器は交互の多段燃料ランスと関連させることができ、その場合、点火器の数が燃料ランスの半分の数である。任意の数及び構成の点火器を使用して多段燃料−酸化体混合物の適切な点火を達成することができる。本開示においては、「関連する」という用語は、多段燃料ランスと関連する点火器が、多段燃料ランスからの多段燃料と該ランスの吐出に隣接する領域に存在する酸化体とによって形成される燃料−酸化体混合物を点火するのに適合しかつ点火することができるということを意味する。上記のように、ランスと関連する点火器は、ランスに隣接してもよいし又はランスの一体化された部分であってもよい。
【0044】
点火器501(図5)は、パイロット燃料とパイロット酸化体によって点火端部503で形成されるパイロット炎を利用することができる。パイロット燃料は、多段燃料ランスに提供されるものと同じ燃料であることができるか、又は例えば、中央バーナ1の一次燃料15のような異なる燃料であることができる。パイロット酸化体は、空気、酸素富化空気又は他の酸素含有ガスであることができる。パイロット炎の放出方向は、多段燃料の放出方向に一般に平行であることができるか、あるいはまた多段燃料の放出方向に対して任意の角度であることができる。1つの実施態様においては、パイロット炎は、中央バーナの軸から半径方向外側に向けることができ、別の実施態様においては、中央バーナの軸に一般に平行に向けることができる。パイロット燃料とパイロット酸化体を点火器端部の上流で予備混合することができるか、あるいはまた燃料と酸化体をパイロットタイプの点火器の点火端部付近に送って燃焼させることができる。点火器自体は、以下で説明されるようにパイロット燃料とパイロット酸化体を点火するための火花点火手段を装備することができる。
【0045】
例示的な点火器は、図7(a)(側断面図)及び7(b)(端面図)に示されるパイロット装置である。このパイロットは、外管701、内管703、乱流発生器又は鈍頭物体705及び環状路707を含む。空気又は酸素富化空気などの酸化体ガスは、環状路707を通って乱流発生器又は鈍頭物体705を越えて流れ、燃料ガスは内管703を通って流れる。燃料と酸化体が燃焼してパイロットの出口でパイロット炎を形成する。望ましい場合には、電気点火装置をパイロット燃料と酸化体の初期点火に使用することができる。例示的な点火装置が図8(a)及び8(b)に示され、電極801が内管703の内部に取り付けられる。電極の端部は、典型的には内管703の端部を越えて延び、内管703と外管701の端部間の領域に配置される。電極が電気的に励磁されると、火花が電極端部と外管701の内壁の間で発生する。それぞれ内管703と環状路707を通る酸化体と燃料流が、内管703と外管701の端部間の領域で混合し、電極端部と外管701の内壁の間で発生した火花によって点火される。
【0046】
他のタイプの点火器パイロットが、図8(a)及び8(b)に代わるものとして使用できる。この変形態様においては、内管703は用いられず、予備混合された燃料−酸化体混合物が管701を介して提供され、電極801の端部からの火花によって点火される。
【0047】
上記のパイロット点火器は、例えば、図5のバーナ1の場合と同様に、例えば、複数のバーナによって燃焼される炉の操作の間連続的に操作することができる。あるいはまた、パイロット点火器は、炉の低温の運転開始の際にのみ操作することができ、炉の通常の運転の際には稼動しない。
【0048】
図7(a)及び7(b)又は図8(a)及び8(b)のパイロット点火器は、図5及び6に示される各多段燃料ランスに隣接して取り付けることができる。あるいはまた、パイロット点火器は、図9に示される多段燃料ランスの一体的な部分としてデザインすることができる。この例示的な実施態様においては、図8(a)及び8(b)の電極支援パイロット点火器は、図2及び3の燃料ランスとノズルに一体化されている。図9の一体化された燃料ランスと点火器のアセンブリ901においては、溝909、911、913及び915は、示されるように溝907と交差し、全ての溝は、燃料ランスのノズル面917を貫通し、流体が出口面917で流入軸から分岐した方向に溝から流れるようランスの流入軸に対して角度をつけている。点火器は、外管903、内管904及び電極905を含み、これらの構成部材は、ランスの軸に平行なランスを貫く穴に取り付けられる。点火器は、図8(a)及び8(b)に関して上記されるように作用する。
【0049】
燃料919は、ランスの入口端部に入り、内部の燃料流路(図示せず)を通って流れ、ノズル面917で溝907、909、911、913及び915を出る。パイロット燃料921は、ランス燃料919と同じであってもよく又はそれと異なってもよく、内管904に及びそれを通って流れる。パイロット酸化体ガス923(例えば、空気又は酸素富化空気)は、外管903と内管904の間の環状路に及びそれを通って流れる。点火電極905は、上記のようにパイロット燃料と酸化体ガスの混合物を点火するのに用いられる。
【0050】
図9の点火支援ランスの一部として上で説明されるパイロット炎点火器の代わりに、他の任意のタイプの点火器を使用することができる。この点火器は、例えば、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、及び高エネルギーレーザービームから選択することができる。
【0051】
本発明の他の実施態様は、酸化体ガスを炉に噴射するための酸化体噴射器と、燃料を炉に噴射するための独立した点火支援燃料ランスを有する燃焼システムに関する。マトリックス燃焼システムとみなすことができるこの実施態様では、個々のバーナは使用されない。このシステムは、エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを有する炉と;エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と複数の燃料ランスを用いる場合には、燃焼システムは、マトリックス多段燃焼システムとして規定することができる。
【0052】
この実施態様は、図10に概略的に示され、この図においては、酸化体ガス1001は、炉壁又はエンクロージャ1005に取り付けられた酸化体ガス噴射器1003を通して噴射される。炉壁又はエンクロージャは、図示されるように高温耐火物1007でライニングすることができる。酸化体ガス1001は、空気、酸素富化空気、又は他の任意の酸素含有ガスであることができる。噴射された酸化体ガスは、炉内部1011の燃焼雰囲気内に分散されたジェット1009を形成する。
【0053】
点火支援燃料ランス1013は、酸化体ガス噴射器1003から離れた炉壁1005に配置され、燃料ガス1015を炉内部1011に噴射して分散された燃料ガスジェット1017を形成するよう作用する。任意のタイプの点火支援ランスを使用することができるが、点火支援燃料ランス1013は、図10に関する上記ランスの断面図としてここで示される。酸化体ガス噴射器1003の周囲と隣の点火支援燃料ランス1013の周囲との間の距離Dは、2〜50インチの範囲にあることができる。パイロット炎1019は、先に記載したようにランス内に配置された電極により点火されるパイロット燃料1021とパイロット酸化体1023とによって提供される酸化体−燃料混合物の燃焼で形成される。
【0054】
燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度より低い場合、パイロット炎1019が、燃料1017と酸化体1009によって形成される燃料−酸化体混合物を炉内部の燃焼雰囲気1011において点火する。典型的には、炎(図示せず)は、分散された燃料ガスジェット1017のすぐ下流に形成される。燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度よりも高い場合には、パイロット炎点火器の操作は必要とされない場合がある。しかしながら、パイロット炎の操作は、炉の操作において運転が乱れた場合に必要であれば燃料−酸化体混合物の点火を提供し続けることができる。
【0055】
追加の点火支援燃料ランスを、炉壁1005の他の離間した場所に配置することができ;例えば、ランス1013と同一のランスを、酸化体ガス噴射器1003の反対側に示される開口1025に取り付けることができる。図10の実施態様においては、酸化体ガス噴射器1003及び点火支援燃料ランス1013(及び図示されない他の任意の点火支援燃料ランス)は、典型的には炉壁1005に取り付けられる独立した部材である。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と複数の燃料ランスを使用してマトリックス多段燃焼システムを提供することができる。
【0056】
複数の酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスを利用した例示的なマトリックス多段装置が、図11の実施態様において図示される。例示的な炉1101は、壁又はエンクロージャ1103によって画定され、燃焼雰囲気を取り囲む直角平行六面体の燃焼空間又は体積を形成しているが、他の実施態様においては、燃焼雰囲気は、任意の炉形状によって取り囲むことができる。複数の酸化体ガス噴射器1105、1107及び1109並びに複数の点火支援燃料ランス1111、1113及び1115が、炉の上部境界又は天井に取り付けられている。それぞれの噴射器及びランスから下向き矢印によって示されるように、それぞれの酸化体ガス噴射器が酸化体ガスのジェット又は流れを炉に導入し、それぞれの点火支援燃料ランスが燃料ガスのジェット又は流れを導入する。酸化体ガス噴射器は、図10の酸化体ガス噴射器1003と同一であることができ、点火支援燃料ランスは、図10の点火支援燃料ランス1013と同一であることができる。望ましい場合には、他のタイプの酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスを使用することができ、酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスの任意の幾何学的配置を使用することができる。
【0057】
噴射された燃料ガスは酸化体ガスと燃焼され、燃焼は、図10に関して先に記載したように、点火支援ランスのパイロット炎によって開始することができる。炎は、典型的には下向きの燃料ジェットの下に形成され、これらの炎は可視であってもよいし又は可視でなくてもよい。炭素酸化物、窒素酸化物、水、未消費酸素及び不活性ガスを含む高温の燃焼雰囲気が、煙道ガス1117として炉1101を出る。燃料の一部が煙道ガス1117の出口方向の炉の流れ軸に沿って燃料ランスにおいて噴射された場合に、マトリックス多段燃焼が炉において生じる。
【0058】
熱負荷は、典型的には炉1101内にあって、その中で発生する燃焼熱の一部を吸収する。この図においては、プロセスフィード流1121を加熱し、それをプロセス流出液流1123に変換して炉から出すための概略的な熱交換器1119が炉の底部に示される。プロセスフィード流1121は、化学反応を伴うか又は伴わないで炉において加熱することができる。特定の適用に応じて、プロセス流の相変化が起こる場合もあるし又は起こらない場合もある。熱負荷を含むプロセス流の代わりに、物品を炉に通して運び、例えば、冶金熱処理プロセスにおいて炉の中で熱を吸収させることができる。炉を通過させる材料のタイプに関係なく、システム及びプロセスは、炉内の高温の燃焼雰囲気から熱を吸収する熱負荷によって特徴付けられる。本発明の全ての実施態様においては、先に記載される「熱負荷」の一般的な意味は、(1)炉の燃焼雰囲気を通して運ばれる材料によって吸収される熱であって、材料が炉を通して運ばれるときに燃焼雰囲気から材料に伝達される熱であるか、又は(2)燃焼雰囲気から加熱される材料へ熱を伝達するよう適合された熱交換器である。燃焼雰囲気は、噴射酸化体と燃料の燃焼が起こるエンクロージャとして規定される炉の中に含まれる。
【0059】
図11の実施態様は、上部に取り付けられた下向きの噴射器を備えた平行六面体炉のエンクロージャを示しているが、他の任意の所望の幾何学的形状を使用することができる。例えば、図11の炉は、水平方向の酸化体と燃料噴射によって壁焚きすることができるか又は上向きの酸化体と燃料噴射によって床焚きすることができる。あるいはまた、プロセス管が円筒形壁に平行な円形状において設置された円筒形炉を使用することができる。燃料と酸化体は、炉の底部で上方向に噴射することができ、燃焼生成物は、スタックを通って炉の上部に出ることができる。同心多段燃焼システム(図5及び6)又はマトリックス多段燃焼システム(図10及び11)は、均一な熱分配、より優れた火炎安定性、及びより低いNOx放出を得るための任意の炉形状において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】二次燃料噴射ノズルを利用するバーナアセンブリの概略側面図である。
【図2】本発明の実施態様で使用できるノズルアセンブリとノズル本体の等角図である。
【図3】図2のノズル本体の軸断面図である。
【図4】図1のバーナアセンブリの概略正面図である。
【図5】本発明の実施態様に関する二次燃料噴射ノズルと例示的な点火器を利用するバーナアセンブリの概略断面図である。
【図6】図5のバーナアセンブリの概略正面図である。
【図7】(a)は本発明の実施態様で使用される例示的な点火器の概略断面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図8】(a)は本発明の実施態様で使用される他の例示的な点火器パイロットの概略断面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図9】本発明の実施態様に従った一体化された燃料噴射器ノズルと点火器の等角図である。
【図10】図9の一体化された燃料噴射器ノズルと点火器及び酸化体ガス噴射器を炉の壁又はエンクロージャに取り付けた本発明の別の実施態様の概略断面図である。
【図11】図10の複数の一体化された燃料噴射器ノズルと点火器及び図10の複数の酸化体ガス噴射器を用いた実施態様におけるマトリックス炉燃焼システムの概略図である。
【符号の説明】
【0061】
1 中央バーナ又は火炎ホルダー
3 外管
5 中間管
7 内管
9、11 環状空間
13 燃料注入管
14 炉壁
15 酸化体ガス又は一次燃料
17、19、21 燃焼ゾーン
23 燃焼ガス
25 炉内部
27 注入管
29 マニホールド
31 多段燃料ランス
33 噴射ノズル
35 多段燃料
37 多段燃料流
【背景技術】
【0001】
多段燃焼システムは、酸化体と燃料を複数のゾーン又は段階で反応させる燃焼プロセスに燃料の連続部分を導入することによって燃焼を改善するのに用いられる。これによって、より低いピークの火炎温度と、酸化窒素(NOx)の生成を低減する他の有利な燃焼条件が作り出される。種々の多段燃焼法が公知であり、プロセスヒータ、炉、蒸気ボイラー、ガスタービン燃焼器、石炭火力発電装置、並びに冶金及び化学プロセス産業における他の多くの燃焼システムを含む燃焼用途で使用されている。
【0002】
可燃性領域において或る組成を有する燃料−酸素−不活性ガス混合物がその自然発火温度に達するか又は別の点火源によって点火されると、空気などの酸素含有ガス中の酸素とガス燃料の燃焼が起こる。燃焼が炉などの3次元プロセス空間で起こる場合、混合度が燃焼プロセスにおいて別の重要な変量である。炉、特にはバーナ付近の領域における混合度は、局所的なガスの組成及び温度に影響するため、操作の安定性において重要な因子である。
【0003】
燃焼プロセス、特にNOxを低減するための多段燃焼プロセスにおいては、多段燃料が燃焼空間に導入される地点に関して火炎前部の良好な火炎安定性と適切な位置を有することが重要である。通常の燃焼システムにおいては、火炎安定性は、燃料流と燃焼雰囲気の接触を改善しかつ火炎安定性を維持するのに必要とされる点火エネルギーを与えるための燃料噴射装置及び内部再循環パターンを使用することによって維持することができる。とりわけ、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はターンダウン状態の際に多段燃焼システムにおける火炎安定性と火炎位置の制御が不適当であると、望ましくない燃焼性能、より高いNOxの放出及び/又は燃焼されない燃料が生じる場合がある。燃焼されない燃料によって、炉内に燃料の実質的なポケットが生じ、制御されないエネルギー放出の可能性が生じる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とりわけ、非定常状態の操作期間、例えば、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はプロセスのターンダウン状態の際の改善された火炎安定性と完全な燃料の燃焼に関する多段燃焼プロセスのニーズがある。これらのニーズを満足させるための改善された多段燃焼システムが、以下に説明される本発明の実施態様によって開示され、特許請求の範囲によって規定される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施態様は、炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む燃焼システムに関する。1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。この実施態様においては、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接して配置され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。
【0006】
別の実施態様は、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含む燃料ランスに関する。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0007】
他の実施態様は、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含む燃料ランスに関する。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0008】
別の代わりの実施態様においては、燃料ランスは、入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器とを含むことができる。点火器は、ノズル本体の出口面に隣接して配置することができ;あるいはまた、点火器は、ノズル本体と一体化することができ、ノズル本体の出口面を貫いている。
【0009】
本発明の関連する実施態様は、エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む。
【0010】
この実施態様においては、1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離は2〜50インチの範囲にあることができる。
【0011】
本発明の別の関連する実施態様は、炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む燃焼システムに関する。
【0012】
この実施態様においては、1つ又は複数の点火器は、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択することができる。点火器の少なくとも1つは、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。あるいはまた、点火器の少なくとも1つは、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合させることができる。燃料ランスの数は、点火器の数に等しいか又はそれよりも少なくすることができる。
【0013】
この実施態様のシステムは、一次燃料を中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、多段燃料を1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含むことができる。中央バーナへの一次燃料と1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料は同一の組成であり;あるいはまた、中央バーナへの一次燃料と1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料は異なる組成である。1つ又は複数の多段燃料ランスは、中央バーナの外側に配置することができ、中央バーナの軸から半径方向に配置することができる。
【0014】
本発明の他の関連する実施態様は、
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法を含む。
【0015】
この実施態様においては、燃料は、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択することができる。複数の燃料ランスを使用することができ、異なる組成の燃料をこの複数の燃料ランスで使用することができる。
【0016】
本発明の別の代わりの関連する実施態様は、
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法に関する。
【0017】
この実施態様においては、一次燃料と二次燃料は、異なる組成を有するガスであることができる。一次燃料は、天然ガス又は製油所オフガスであることができ、二次燃料は、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含むことができる。あるいはまた、一次燃料と二次燃料は、同じ組成を有するガスであることができる。
【0018】
本発明の異なる実施態様は、
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
燃焼に基づくプロセスは、燃料流と酸素の燃焼を利用してプロセス加熱を作り出し、幾つかの場合には、他のプロセス系から可燃性のオフガス流を消費する。これら種々の燃料との燃焼反応の確立においては、燃料−酸化体混合物の温度がこの混合物の自然発火温度よりも高ければ自然発火が起こる。空気/天然ガス混合物においては、例えば、自然発火温度は約華氏1,000度である。点火源は、燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度よりも低い場合に燃焼反応を開始させるのに必要とされる。
【0020】
更なる変量、燃焼雰囲気又は燃焼領域における混合の程度が、ガス状の又は気化された燃料を有する燃焼プロセスの安定性に影響する場合がある。燃料の段階化がNOxの形成を制限するのに用いられる場合には、燃焼プロセスの安定化は複雑になる。燃料の段階化においては、(空気又は酸素のない)原燃料が、燃焼の初期段階から残留する過剰酸素を含有する燃焼雰囲気に導入される。燃焼の各段階の燃料は典型的には同一であるが、異なる燃料源を使用してもよく、異なる多段燃料の使用は、燃焼プロセスの操作安定性に影響する場合がある。NOxの形成を最小限に抑えるために、最小の酸素濃度を有する場所で又はその近くで燃焼雰囲気に多段燃料を導入することが望ましい。
【0021】
段階的な燃料燃焼システムにおいて火炎安定性と火炎位置を維持することは、低温の運転開始、プロセスの乱れ又はターンダウン状態の際に炉で生じる非定常のプロセス状態の間は困難な場合がある。このような状態の際には、局所的な温度が燃料−酸化体混合物の自然発火温度未満に落ちる場合があり、結果として不安定な火炎及び/又は燃焼されない燃料を含有する領域が生じることがある。これは望ましくなく、炉において制御されないエネルギー放出の可能性をもたらす場合がある。
【0022】
火炎安定性とは、燃焼雰囲気において火炎流を導入する地点に関する火炎前部の適切な位置であり、燃料段階化の良い適用の鍵となる側面である。通常の多段燃焼システムにおいては、火炎安定性は、燃料噴射装置及び燃料リッチジェットと酸素源との接触を改善する混合パターンの組み合わせによって維持され、この酸素源は、炉内のガス状雰囲気に含まれる注入燃焼空気流又は未反応酸素であることができる。点火エネルギーの適切な位置及び量もまた重要である。燃料噴射装置に関するデザインにより、典型的には火炎ホルダーの先端に火炎を固定しようと試みられる。火炎ホルダーの先端は、燃料噴射器自体、別の鈍頭物体装置(例えば、耐火性タイルの外表面)又は渦巻形安定化装置ノズルであることができる。通常の鈍頭物体タイプの火炎安定化装置の欠点は、制限されたターンダウン比を有するということであり、この制限されたターンダウン比によって低温の運転開始及びプロセスの乱れ状態の際の安定性能が制限される。段階型燃料ジェットの火炎前部と火炎ホルダー面の間に相当な距離又はリフトオフ高さがあると、火炎に振動が生じ、結果として望ましくない燃焼性能となり、例えば、NOxの放出が増加し及び/又は燃焼されない燃料が存在することになる。
【0023】
運転開始やプロセスの乱れなどの非定常状態が、通常の燃料段階化システムを通る流量を維持しながら生じる場合、高濃度で存在する燃料の体積が燃焼システム内で相当に増加する可能性がある。噴射装置からの燃料リッチジェット付近の領域は、燃焼限界(例えば、天然ガスに関して5〜15vol%)の範囲外である場合があり、低温炉において利用できる不十分な点火エネルギーである場合がある。これらの燃料段階化システムの複数の構成要素が設備の一画に含まれるか又は火炎が単一バーナから再確立される場合には、付加的な点火源が炉に存在することがある。これらの点火源は、例えば、バーナ及び/又は段階化された燃料噴射装置での燃焼反応において形成されるラジカルである場合がある。これらのラジカルがプロセスヒータ、ボイラー、改質炉又は他の類似の単位操作において燃焼されない燃料の体積と反応することで促進される制御されないエネルギーの放出は、安全性及び操作性の問題がある。
【0024】
通常のバーナ技術では、低い炉温での低温の運転開始の際及び乱れ又はターンダウン状態の際、個々の燃料段階化ランスに火炎安定性を提供することができない。これらの期間の安定性の欠如により、上記のように火炎のリフトオフ及び続いて起こる制御されないエネルギー放出が生じる場合がある。これらの潜在的に安全でない状態に対処するのに強力な解決策が必要とされる。好ましい解決策は、プロセス操作員による特定の操作及び制御工程の実施を必要とするよりはむしろ燃焼設備自体に対する変更及び改良を利用すべきである。このような解決策は、1つ又は複数の点火源が燃焼の領域又はゾーンに多段燃料を導入する燃料噴射ランスとともに用いられる本発明の実施態様において開示される。
【0025】
点火支援燃料ランスは、プロセスヒータ、炉、蒸気ボイラー、ガスタービン燃焼器又は他のガスを燃料とする燃焼システムにおいて燃焼雰囲気中の酸素含有ガスに噴射される燃料を確実に点火するために、本発明の様々な実施態様で用いられる。燃料ランスは、燃焼雰囲気に高速で燃料を噴射するための装置として本明細書で規定される。燃焼雰囲気は酸化体ガスを含有し、酸化体ガスに噴射される多段燃料は、酸化体ガス中の酸素と燃焼される。酸化体ガスは、空気、酸素富化空気、又は燃焼生成物と未反応酸素を含有する燃焼ガスであることができる。例えば、点火支援燃料ランスは、バーナに隣接するがそれから離して炉の境界、壁又はエンクロージャに設置することができ、燃料ランスがバーナによって作り出される燃焼雰囲気に燃料を噴射して同心多段燃焼が達成される。あるいはまた、点火支援燃料ランスは、空気などの酸化体ガス源に隣接するがそれから離して設置することができ、燃料ランスが酸化体ガス又は燃焼雰囲気に燃料の一部を噴射してマトリックス多段燃焼が達成される。
【0026】
本明細書で用いられる「燃焼雰囲気」という用語は、炉のエンクロージャ又は境界内部の雰囲気を意味する。炉の境界内部の全体的な燃焼雰囲気は、酸素、燃料、燃焼反応生成物(例えば、炭素酸化物、窒素酸化物及び水)を含有する燃焼ガス、及び不活性ガス(例えば、窒素及びアルゴン)を含む。酸素及び不活性ガスの供給源は典型的に空気であり;その代わりとして又は追加の酸素源は、酸素富化空気及び/又は高純度酸素を導入して燃焼プロセスを向上させる酸素噴射システムであることができる。燃焼雰囲気は、構成成分の濃度が炉を通して変化するため不均一である。例えば、酸素濃度は、酸化体噴射点付近でより高く、燃料濃度は、燃料噴射点付近でより高くなるであろう。燃焼雰囲気の他の領域では、燃料が存在しない場合がある。酸素と燃焼反応生成物の濃度は、燃焼雰囲気内の様々な場所での燃焼の程度に応じて変化する。幾つかの場所では、噴射燃料は、燃焼雰囲気に噴射された酸化体ガス中の酸素と直接反応し;他の場所では、噴射燃料は、燃焼雰囲気中の他の場所で生じる燃焼からの未反応酸素と反応する。
【0027】
熱負荷は、炉内部の燃焼雰囲気中に配置され、ここで、熱負荷とは、(1)炉の燃焼雰囲気を通して運ばれる材料によって吸収される熱であって、材料が炉を通して運ばれるときに燃焼雰囲気から材料に伝達される熱として規定されるか、又は(2)燃焼雰囲気から加熱される材料へ熱を伝達するよう適合された熱交換器として規定される。
【0028】
同心多段燃焼バーナシステムの例が図1の断面図に示され、多段燃料を噴射するための複数の噴射ランスによって囲まれた中央バーナ又は火炎ホルダーを示している。バーナは、酸化体と燃料を燃焼するための一体化された燃焼アセンブリとして規定され、バーナは、炉の壁又はエンクロージャに取り付けられるよう適合される。中央バーナ又は火炎ホルダー1は、外管3と、同心の中間管5と、内側の同心管7を含む。内管7の内部及び外管3と中間管5の間の環状空間9は、外管3の内部と流れが通じている。内管7と中間管5の間の環状空間11は、燃料注入管13に接続され、それと流れが通じている。中央バーナは炉壁14に取り付けられている。
【0029】
この中央バーナの操作においては、酸化体ガス(典型的には空気又は酸素富化空気)15が外管3の内部に流され、この空気の一部が内管7の内部を通って流れ、この空気の残りの部分が環状空間9を通って流れる。一次燃料15が管13と環状空間11を通って流れ、内管7からの空気と燃焼ゾーン17で初めに燃焼される。燃焼ソーン17からの燃焼ガスが、燃焼ゾーン19において追加の空気と混合する。このゾーンでの燃焼は、典型的には極めて燃料リーンである。可視炎は、典型的には燃焼ガス23が炉内部25に入るときに燃焼ゾーン19と燃焼ゾーン21で形成される。本明細書で用いられる「燃焼ゾーン」という用語は、燃焼が起こるバーナ内部の領域を意味する。
【0030】
多段燃料システムは、注入管27と、マニホールド29と、複数の多段燃料ランス31とを含む。多段燃料ランスの端部には、任意の所望のタイプの噴射ノズル33を取り付けることができる。多段燃料35は、注入管27、マニホールド29及び多段燃料噴射ランス31を通って流れる。ノズル33からの多段燃料流37は、酸化体含有燃焼ガス23と速やかに混合して燃焼する。炉内部25のより冷えた燃焼雰囲気は、ノズル33により促進される強い混合作用で多段燃料流37によって速やかに伴出され、同心に噴射される多段燃料は、中央バーナ1の出口下流の酸化体含有燃焼雰囲気と燃焼される。一次燃料は、合計燃料流量(一次燃料+多段燃料)の5〜30%であることができ、多段燃料は、合計燃料流量の70〜95%であることができる。
【0031】
一次燃料と多段燃料は、同じ組成であってもよいし又は異なる組成であってもよく、いずれかの燃料は、任意のガス状の、気化された又は噴霧された炭化水素含有材料であることができる。例えば、この燃料は、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから成る群より選択することができる。例示的なプロセス廃ガスは、天然ガスから水素を生成するためのプロセスにおける圧力スウィング吸着システムからのテールガス又は廃ガスである。
【0032】
ノズル33の例示的なタイプが図2に示される。ノズルアセンブリ201は、ノズル入口管205に接合されたノズル本体203を含む。ここで縦に配向されて示される溝207は、溝209、211、213及び215と交差している。これらの溝は、ノズル本体203とノズル入口管205の間の接続における入口面(図示せず)と出口面217との間に配置される。流体219は、ノズル入口管205と溝207、209、211、213及び215を通って流れ、次いで溝出口を取り囲む別の流体と混合する。図2に示される溝パターンに加えて、他の溝パターンが可能であり;ノズルアセンブリは、任意の配向で使用することができ、図示される一般に水平の配向に限定されない。出口面217に垂直な方向で見た場合に、例示的な溝209、211、213及び215は、溝207と直角に交差している。交差の他の角度が、例示的な溝209、211、213及び215と溝207の間で可能である。出口面217に垂直な方向で見た場合に、例示的な溝209、211、213及び215は互いに平行であり;しかしながら、これらの溝の1つ又は複数が残りの溝と平行ではない他の実施態様も可能である。
【0033】
本明細書で用いられる「溝」という用語は、ノズル本体又は任意の溝の断面(即ち、以下に規定される流入軸に垂直な断面)が非円形であり、長軸と短軸によって特徴付けられる他の固体材料を貫く開口として規定される。長軸は短軸よりも長く、2つの軸は一般に垂直である。例えば、図2における任意の溝のより長い断面軸は溝断面の2つの端部間に延び;より短い断面軸は長軸に垂直であり、溝断面の両端の間に延びる。溝は、任意の非円形の断面を有することができ、各断面は、中点又は通常の幾何図形定義を有する重心によって特徴付けることができる。
【0034】
溝は、全ての溝断面の重心を接続する直線として規定される溝軸によりさらに特徴付けることができる。加えて、溝は、全ての溝断面のより長い断面軸と交差する中心面によって特徴付けるか又は規定することができる。各溝断面は、この中心面の両側で垂直対称性を有することができる。中心面は、溝のいずれかの端部を越えて伸び、以下に規定されるノズル本体の流入軸に関する溝配向を規定するのに用いることができる。
【0035】
図2のノズルの軸方向の断面I−Iが図3に与えられる。流入軸301は、ノズル入口管302と、入口面303と、出口面217の中心を通っている。この実施態様においては、溝209、211、213及び215の中心面は、流体が流入軸301から分岐した方向において出口面217で溝から流れるように流入軸301とある角度をなしている(即ち、流入軸301に対して平行ではない)。溝207の中心面(この溝の一部のみが図3に示される)もまた、流入軸301とある角度をなしている。この例示的な特徴は、流入軸301から別の分岐した方向においてノズル出口面から流体を方向づける。この例示的な実施態様においては、図3の軸方向の断面に垂直な方向で見た場合に、溝209と211が入口面303で交わって尖った縁305を形成し、溝211と213が交わって尖った縁307を形成し、溝213と215が交わって尖った縁309を形成する。これらの尖った縁は、溝に空気力学的な流量分離を与え、鈍頭物体と関連した圧力降下を低減する。あるいはまた、これらの溝は、入口面303と出口面217の間のある軸方向の位置で交差させることができ、尖った縁は、ノズル本体203内に形成される。あるいはまた、これらの溝は、図2の軸方向断面に垂直な方向で見た場合に交差していなくてもよく、その場合、尖った縁は形成されない。
【0036】
本明細書で用いられる「流入軸」という用語は、入口面でノズルに入る流体の流れ方向によって規定される軸であり、この軸は入口面と出口面を貫いている。典型的にしかし全ての場合においてではないが、流入軸は、ノズル入口面303及び/又は出口ノズル面217の中心に垂直であり、面と垂直に交わる。ノズル入口管302が図示されるように典型的な円筒形導管である場合には、流入軸は、導管軸と平行にするか又は一致させることができる。
【0037】
軸方向の溝長さは、ノズル入口面と出口面の間、例えば、図3の入口面303と出口面217の間の溝長さとして規定される。溝高さは、より短い断面軸における溝の壁の間の垂直な距離として規定される。軸方向の溝長さ/溝高さの比は、約1〜約20であることができる。
【0038】
ノズル本体の複数の溝は、流入軸に垂直な面において交差させることができる。図2に示すように、例えば、溝209、211、213及び215は、溝207と直角に交差する。望ましい場合には、これらの溝は、流入軸に垂直な面において直角以外の角度で交差させることができる。隣接する溝もまた、流入軸に平行な面、即ち、図3の断面において見た場合に交差させることができる。図3に示すように、例えば、溝209と211は入口面303で交わり先に記載した尖った縁305を形成している。溝の中心面の間、さらに各溝の中心面と流入軸の間の角度の関係は、望ましいように変えることができる。これにより、流体をノズルの軸に関して任意の選択された方向にノズルから放出することができる。
【0039】
軸301に垂直な任意の面において互いに交差する溝がない他のノズル本体を考えることもできる。この他の実施態様においては、例えば、ノズル本体面に垂直に見た全ての溝は独立であり、他の溝と交差しない。このようなノズルは、例えば、ノズルが溝209、211、213及び215のみを有する溝207のない図2のノズルと類似していることができる。これらの溝は、図2に示すように軸方向に交差させることができる。
【0040】
図4は、図2と図3の多段燃料ランスノズルを利用した図1の例示的な装置の放出端を示す平面図である。同心の管403、405及び407は、半径方向の部材又はフィンを取り付けた環状空間409と411を取り囲んでいる。(先に記載の)溝付多段燃料噴射ノズル433は、図示される中央バーナの周りに同心に配置することができる。この実施態様においては、溝付噴射ノズルの溝角度は、中央バーナ1の軸に関して分岐した方向に噴射多段燃料を向けるよう配向されている。
【0041】
ノズル構成の他のタイプを、多段燃料ノズル433(図4)の噴射端部でノズル本体203(図2)に使用することができる。例えば、ノズル本体203の出口面217における開口は、2つの交差する溝によって形成される1つ又は複数の十字型開口において形成することができる。あるいはまた、任意の他のタイプの開口を、上記の溝と異なる形状を有するノズル本体面において使用することができる。
【0042】
図1の例示的な同心多段燃焼バーナシステムは、図5に示される本発明の実施態様に従って改良することができる。ここで概略的に示される点火器501は、多段燃料ランス31と関連しており、ノズル33から放出される多段燃料37を点火するよう適合している。点火器は、図示される多段燃料ランスと隣接させることができ、点火器の点火端部503は、ノズル33の先端と隣接している。あるいはまた、点火器は、後で記載される多段燃料ランスに一体化させることができる。本明細書で用いられる「点火器」という用語の一般的な意味は、燃料−酸化体混合物の自然発火温度よりも高い局所的な温度を作り出すための装置である。例えば、点火器501はノズル33に隣接しているため、確実に多段燃料流が点火される。点火器501は、図5に概略的に示され、多段燃料と酸化体の混合物を点火するのに十分高い温度を作り出すことができる任意のタイプの点火器であることができる。例えば、これらの点火器は、パイロット炎が中央バーナの燃料−酸化体混合物とは別の燃料−酸化体混合物を燃焼することによって形成される点火端部503でパイロット炎を作り出すことができる。あるいはまた、点火器501は、点火端部503において断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、又は他の任意のタイプの点火器であることができる。
【0043】
図5における点火器の位置は、中央バーナの放出端部及び同心の噴射ノズル33と関連する概略的な点火端部503を示す図6の平面図において確認することができる。この実施態様においては、各点火端部は、多段噴射ノズルに隣接している。あるいはまた、点火器は、後で説明されるように多段燃料ランス31に一体化することができる。図6の実施態様においては、それぞれの噴射ノズルと燃料ランスは、隣接する点火器を有し、点火器の数と多段燃料ランスの数は等しい。あるいはまた、多段燃料ランスの数は、点火器の数よりも少なくすることができ、各点火器が、複数の燃料ランスの点火を達成する。1つの例においては、点火器は交互の多段燃料ランスと関連させることができ、その場合、点火器の数が燃料ランスの半分の数である。任意の数及び構成の点火器を使用して多段燃料−酸化体混合物の適切な点火を達成することができる。本開示においては、「関連する」という用語は、多段燃料ランスと関連する点火器が、多段燃料ランスからの多段燃料と該ランスの吐出に隣接する領域に存在する酸化体とによって形成される燃料−酸化体混合物を点火するのに適合しかつ点火することができるということを意味する。上記のように、ランスと関連する点火器は、ランスに隣接してもよいし又はランスの一体化された部分であってもよい。
【0044】
点火器501(図5)は、パイロット燃料とパイロット酸化体によって点火端部503で形成されるパイロット炎を利用することができる。パイロット燃料は、多段燃料ランスに提供されるものと同じ燃料であることができるか、又は例えば、中央バーナ1の一次燃料15のような異なる燃料であることができる。パイロット酸化体は、空気、酸素富化空気又は他の酸素含有ガスであることができる。パイロット炎の放出方向は、多段燃料の放出方向に一般に平行であることができるか、あるいはまた多段燃料の放出方向に対して任意の角度であることができる。1つの実施態様においては、パイロット炎は、中央バーナの軸から半径方向外側に向けることができ、別の実施態様においては、中央バーナの軸に一般に平行に向けることができる。パイロット燃料とパイロット酸化体を点火器端部の上流で予備混合することができるか、あるいはまた燃料と酸化体をパイロットタイプの点火器の点火端部付近に送って燃焼させることができる。点火器自体は、以下で説明されるようにパイロット燃料とパイロット酸化体を点火するための火花点火手段を装備することができる。
【0045】
例示的な点火器は、図7(a)(側断面図)及び7(b)(端面図)に示されるパイロット装置である。このパイロットは、外管701、内管703、乱流発生器又は鈍頭物体705及び環状路707を含む。空気又は酸素富化空気などの酸化体ガスは、環状路707を通って乱流発生器又は鈍頭物体705を越えて流れ、燃料ガスは内管703を通って流れる。燃料と酸化体が燃焼してパイロットの出口でパイロット炎を形成する。望ましい場合には、電気点火装置をパイロット燃料と酸化体の初期点火に使用することができる。例示的な点火装置が図8(a)及び8(b)に示され、電極801が内管703の内部に取り付けられる。電極の端部は、典型的には内管703の端部を越えて延び、内管703と外管701の端部間の領域に配置される。電極が電気的に励磁されると、火花が電極端部と外管701の内壁の間で発生する。それぞれ内管703と環状路707を通る酸化体と燃料流が、内管703と外管701の端部間の領域で混合し、電極端部と外管701の内壁の間で発生した火花によって点火される。
【0046】
他のタイプの点火器パイロットが、図8(a)及び8(b)に代わるものとして使用できる。この変形態様においては、内管703は用いられず、予備混合された燃料−酸化体混合物が管701を介して提供され、電極801の端部からの火花によって点火される。
【0047】
上記のパイロット点火器は、例えば、図5のバーナ1の場合と同様に、例えば、複数のバーナによって燃焼される炉の操作の間連続的に操作することができる。あるいはまた、パイロット点火器は、炉の低温の運転開始の際にのみ操作することができ、炉の通常の運転の際には稼動しない。
【0048】
図7(a)及び7(b)又は図8(a)及び8(b)のパイロット点火器は、図5及び6に示される各多段燃料ランスに隣接して取り付けることができる。あるいはまた、パイロット点火器は、図9に示される多段燃料ランスの一体的な部分としてデザインすることができる。この例示的な実施態様においては、図8(a)及び8(b)の電極支援パイロット点火器は、図2及び3の燃料ランスとノズルに一体化されている。図9の一体化された燃料ランスと点火器のアセンブリ901においては、溝909、911、913及び915は、示されるように溝907と交差し、全ての溝は、燃料ランスのノズル面917を貫通し、流体が出口面917で流入軸から分岐した方向に溝から流れるようランスの流入軸に対して角度をつけている。点火器は、外管903、内管904及び電極905を含み、これらの構成部材は、ランスの軸に平行なランスを貫く穴に取り付けられる。点火器は、図8(a)及び8(b)に関して上記されるように作用する。
【0049】
燃料919は、ランスの入口端部に入り、内部の燃料流路(図示せず)を通って流れ、ノズル面917で溝907、909、911、913及び915を出る。パイロット燃料921は、ランス燃料919と同じであってもよく又はそれと異なってもよく、内管904に及びそれを通って流れる。パイロット酸化体ガス923(例えば、空気又は酸素富化空気)は、外管903と内管904の間の環状路に及びそれを通って流れる。点火電極905は、上記のようにパイロット燃料と酸化体ガスの混合物を点火するのに用いられる。
【0050】
図9の点火支援ランスの一部として上で説明されるパイロット炎点火器の代わりに、他の任意のタイプの点火器を使用することができる。この点火器は、例えば、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、及び高エネルギーレーザービームから選択することができる。
【0051】
本発明の他の実施態様は、酸化体ガスを炉に噴射するための酸化体噴射器と、燃料を炉に噴射するための独立した点火支援燃料ランスを有する燃焼システムに関する。マトリックス燃焼システムとみなすことができるこの実施態様では、個々のバーナは使用されない。このシステムは、エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを有する炉と;エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器とを含む。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と複数の燃料ランスを用いる場合には、燃焼システムは、マトリックス多段燃焼システムとして規定することができる。
【0052】
この実施態様は、図10に概略的に示され、この図においては、酸化体ガス1001は、炉壁又はエンクロージャ1005に取り付けられた酸化体ガス噴射器1003を通して噴射される。炉壁又はエンクロージャは、図示されるように高温耐火物1007でライニングすることができる。酸化体ガス1001は、空気、酸素富化空気、又は他の任意の酸素含有ガスであることができる。噴射された酸化体ガスは、炉内部1011の燃焼雰囲気内に分散されたジェット1009を形成する。
【0053】
点火支援燃料ランス1013は、酸化体ガス噴射器1003から離れた炉壁1005に配置され、燃料ガス1015を炉内部1011に噴射して分散された燃料ガスジェット1017を形成するよう作用する。任意のタイプの点火支援ランスを使用することができるが、点火支援燃料ランス1013は、図10に関する上記ランスの断面図としてここで示される。酸化体ガス噴射器1003の周囲と隣の点火支援燃料ランス1013の周囲との間の距離Dは、2〜50インチの範囲にあることができる。パイロット炎1019は、先に記載したようにランス内に配置された電極により点火されるパイロット燃料1021とパイロット酸化体1023とによって提供される酸化体−燃料混合物の燃焼で形成される。
【0054】
燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度より低い場合、パイロット炎1019が、燃料1017と酸化体1009によって形成される燃料−酸化体混合物を炉内部の燃焼雰囲気1011において点火する。典型的には、炎(図示せず)は、分散された燃料ガスジェット1017のすぐ下流に形成される。燃料−酸化体混合物の温度がその自然発火温度よりも高い場合には、パイロット炎点火器の操作は必要とされない場合がある。しかしながら、パイロット炎の操作は、炉の操作において運転が乱れた場合に必要であれば燃料−酸化体混合物の点火を提供し続けることができる。
【0055】
追加の点火支援燃料ランスを、炉壁1005の他の離間した場所に配置することができ;例えば、ランス1013と同一のランスを、酸化体ガス噴射器1003の反対側に示される開口1025に取り付けることができる。図10の実施態様においては、酸化体ガス噴射器1003及び点火支援燃料ランス1013(及び図示されない他の任意の点火支援燃料ランス)は、典型的には炉壁1005に取り付けられる独立した部材である。1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と複数の燃料ランスを使用してマトリックス多段燃焼システムを提供することができる。
【0056】
複数の酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスを利用した例示的なマトリックス多段装置が、図11の実施態様において図示される。例示的な炉1101は、壁又はエンクロージャ1103によって画定され、燃焼雰囲気を取り囲む直角平行六面体の燃焼空間又は体積を形成しているが、他の実施態様においては、燃焼雰囲気は、任意の炉形状によって取り囲むことができる。複数の酸化体ガス噴射器1105、1107及び1109並びに複数の点火支援燃料ランス1111、1113及び1115が、炉の上部境界又は天井に取り付けられている。それぞれの噴射器及びランスから下向き矢印によって示されるように、それぞれの酸化体ガス噴射器が酸化体ガスのジェット又は流れを炉に導入し、それぞれの点火支援燃料ランスが燃料ガスのジェット又は流れを導入する。酸化体ガス噴射器は、図10の酸化体ガス噴射器1003と同一であることができ、点火支援燃料ランスは、図10の点火支援燃料ランス1013と同一であることができる。望ましい場合には、他のタイプの酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスを使用することができ、酸化体ガス噴射器と点火支援燃料ランスの任意の幾何学的配置を使用することができる。
【0057】
噴射された燃料ガスは酸化体ガスと燃焼され、燃焼は、図10に関して先に記載したように、点火支援ランスのパイロット炎によって開始することができる。炎は、典型的には下向きの燃料ジェットの下に形成され、これらの炎は可視であってもよいし又は可視でなくてもよい。炭素酸化物、窒素酸化物、水、未消費酸素及び不活性ガスを含む高温の燃焼雰囲気が、煙道ガス1117として炉1101を出る。燃料の一部が煙道ガス1117の出口方向の炉の流れ軸に沿って燃料ランスにおいて噴射された場合に、マトリックス多段燃焼が炉において生じる。
【0058】
熱負荷は、典型的には炉1101内にあって、その中で発生する燃焼熱の一部を吸収する。この図においては、プロセスフィード流1121を加熱し、それをプロセス流出液流1123に変換して炉から出すための概略的な熱交換器1119が炉の底部に示される。プロセスフィード流1121は、化学反応を伴うか又は伴わないで炉において加熱することができる。特定の適用に応じて、プロセス流の相変化が起こる場合もあるし又は起こらない場合もある。熱負荷を含むプロセス流の代わりに、物品を炉に通して運び、例えば、冶金熱処理プロセスにおいて炉の中で熱を吸収させることができる。炉を通過させる材料のタイプに関係なく、システム及びプロセスは、炉内の高温の燃焼雰囲気から熱を吸収する熱負荷によって特徴付けられる。本発明の全ての実施態様においては、先に記載される「熱負荷」の一般的な意味は、(1)炉の燃焼雰囲気を通して運ばれる材料によって吸収される熱であって、材料が炉を通して運ばれるときに燃焼雰囲気から材料に伝達される熱であるか、又は(2)燃焼雰囲気から加熱される材料へ熱を伝達するよう適合された熱交換器である。燃焼雰囲気は、噴射酸化体と燃料の燃焼が起こるエンクロージャとして規定される炉の中に含まれる。
【0059】
図11の実施態様は、上部に取り付けられた下向きの噴射器を備えた平行六面体炉のエンクロージャを示しているが、他の任意の所望の幾何学的形状を使用することができる。例えば、図11の炉は、水平方向の酸化体と燃料噴射によって壁焚きすることができるか又は上向きの酸化体と燃料噴射によって床焚きすることができる。あるいはまた、プロセス管が円筒形壁に平行な円形状において設置された円筒形炉を使用することができる。燃料と酸化体は、炉の底部で上方向に噴射することができ、燃焼生成物は、スタックを通って炉の上部に出ることができる。同心多段燃焼システム(図5及び6)又はマトリックス多段燃焼システム(図10及び11)は、均一な熱分配、より優れた火炎安定性、及びより低いNOx放出を得るための任意の炉形状において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】二次燃料噴射ノズルを利用するバーナアセンブリの概略側面図である。
【図2】本発明の実施態様で使用できるノズルアセンブリとノズル本体の等角図である。
【図3】図2のノズル本体の軸断面図である。
【図4】図1のバーナアセンブリの概略正面図である。
【図5】本発明の実施態様に関する二次燃料噴射ノズルと例示的な点火器を利用するバーナアセンブリの概略断面図である。
【図6】図5のバーナアセンブリの概略正面図である。
【図7】(a)は本発明の実施態様で使用される例示的な点火器の概略断面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図8】(a)は本発明の実施態様で使用される他の例示的な点火器パイロットの概略断面図であり、(b)は(a)の正面図である。
【図9】本発明の実施態様に従った一体化された燃料噴射器ノズルと点火器の等角図である。
【図10】図9の一体化された燃料噴射器ノズルと点火器及び酸化体ガス噴射器を炉の壁又はエンクロージャに取り付けた本発明の別の実施態様の概略断面図である。
【図11】図10の複数の一体化された燃料噴射器ノズルと点火器及び図10の複数の酸化体ガス噴射器を用いた実施態様におけるマトリックス炉燃焼システムの概略図である。
【符号の説明】
【0061】
1 中央バーナ又は火炎ホルダー
3 外管
5 中間管
7 内管
9、11 環状空間
13 燃料注入管
14 炉壁
15 酸化体ガス又は一次燃料
17、19、21 燃焼ゾーン
23 燃焼ガス
25 炉内部
27 注入管
29 マニホールド
31 多段燃料ランス
33 噴射ノズル
35 多段燃料
37 多段燃料流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接して配置され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項6】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項7】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項6に記載の燃料ランス。
【請求項8】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項6に記載の燃料ランス。
【請求項9】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項10】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項9に記載の燃料ランス。
【請求項11】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項9に記載の燃料ランス。
【請求項12】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項13】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項12に記載の燃料ランス。
【請求項14】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項12に記載の燃料ランス。
【請求項15】
(a)エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;
(b)エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(c)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項17】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項18】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項19】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離が2〜50インチの範囲にある、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項21】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(c)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項22】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項23】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項24】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項25】
前記多段燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項26】
前記一次燃料を前記中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、前記多段燃料を前記1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含む、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項27】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が同一の組成である、請求項26に記載の燃焼システム。
【請求項28】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が異なる組成である、請求項26に記載の燃焼システム。
【請求項29】
前記1つ又は複数の多段燃料ランスが、前記中央バーナの外側に配置され、該中央バーナの軸から半径方向に配置された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項30】
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項31】
前記燃料が、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択される、請求項30に記載の燃焼方法。
【請求項32】
複数の燃料ランスが使用され、異なる組成の燃料が該複数の燃料ランスで使用される、請求項30に記載の燃焼方法。
【請求項33】
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項34】
前記一次燃料と前記二次燃料が、異なる組成を有するガスである、請求項33に記載の燃焼方法。
【請求項35】
前記一次燃料が、天然ガス又は製油所オフガスであり、前記二次燃料が、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む、請求項33に記載の燃焼方法。
【請求項36】
前記一次燃料と前記二次燃料が、同じ組成を有するガスである、請求項35に記載の燃焼方法。
【請求項37】
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項2】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項3】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項4】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項5】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項2、3又は4に記載の燃料ランス。
【請求項6】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項2、3又は4に記載の燃料ランス。
【請求項7】
(a)エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;
(b)エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(c)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項8】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項9】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項10】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離が2〜50インチの範囲にある、請求項7に記載の燃焼システム。
【請求項12】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(c)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項1、7又は12に記載の燃焼システム。
【請求項14】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項15】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項16】
前記多段燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項17】
前記一次燃料を前記中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、前記多段燃料を前記1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含む、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項18】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が同一の組成である、請求項17に記載の燃焼システム。
【請求項19】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が異なる組成である、請求項17に記載の燃焼システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の多段燃料ランスが、前記中央バーナの外側に配置され、該中央バーナの軸から半径方向に配置された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項21】
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項22】
前記燃料が、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択される、請求項21に記載の燃焼方法。
【請求項23】
複数の燃料ランスが使用され、異なる組成の燃料が該複数の燃料ランスで使用される、請求項21に記載の燃焼方法。
【請求項24】
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項25】
前記一次燃料と前記二次燃料が、異なる組成を有するガスである、請求項24に記載の燃焼方法。
【請求項26】
前記一次燃料が、天然ガス又は製油所オフガスであり、前記二次燃料が、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む、請求項24に記載の燃焼方法。
【請求項27】
前記一次燃料と前記二次燃料が、同じ組成を有するガスである、請求項26に記載の燃焼方法。
【請求項28】
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項1】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接して配置され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項6】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項7】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項6に記載の燃料ランス。
【請求項8】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項6に記載の燃料ランス。
【請求項9】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項10】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項9に記載の燃料ランス。
【請求項11】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項9に記載の燃料ランス。
【請求項12】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項13】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項12に記載の燃料ランス。
【請求項14】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項12に記載の燃料ランス。
【請求項15】
(a)エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;
(b)エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(c)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項17】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項18】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項19】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離が2〜50インチの範囲にある、請求項15に記載の燃焼システム。
【請求項21】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(c)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項22】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項23】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項24】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項25】
前記多段燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項26】
前記一次燃料を前記中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、前記多段燃料を前記1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含む、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項27】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が同一の組成である、請求項26に記載の燃焼システム。
【請求項28】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が異なる組成である、請求項26に記載の燃焼システム。
【請求項29】
前記1つ又は複数の多段燃料ランスが、前記中央バーナの外側に配置され、該中央バーナの軸から半径方向に配置された、請求項21に記載の燃焼システム。
【請求項30】
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項31】
前記燃料が、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択される、請求項30に記載の燃焼方法。
【請求項32】
複数の燃料ランスが使用され、異なる組成の燃料が該複数の燃料ランスで使用される、請求項30に記載の燃焼方法。
【請求項33】
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項34】
前記一次燃料と前記二次燃料が、異なる組成を有するガスである、請求項33に記載の燃焼方法。
【請求項35】
前記一次燃料が、天然ガス又は製油所オフガスであり、前記二次燃料が、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む、請求項33に記載の燃焼方法。
【請求項36】
前記一次燃料と前記二次燃料が、同じ組成を有するガスである、請求項35に記載の燃焼方法。
【請求項37】
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)燃料を燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該1つ又は複数の燃料ランスによって燃焼雰囲気に噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項2】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸を有し、該溝の少なくとも1つの溝軸が該ノズル本体の流入軸に平行でなく、かつ該溝が該ノズル本体の出口面で燃料を放出するよう適合されたノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項3】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、該溝のいずれも他の溝と交差せず、該溝の全てが共通の燃料供給導管と流体の流れが通じるノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項4】
(a)入口面、出口面及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体であって、2つ以上の溝が該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延び、各溝が溝軸と溝中心面を有し、2つ以上の溝のうち第1の溝が他の溝のそれぞれと交差し、該溝の少なくとも1つの溝中心面が該ノズル本体の流入軸と交差するノズル本体と;
(b)該ノズル本体と関連し、該ノズル本体の出口面で放出された燃料を点火するよう適合された点火器と
を含む、燃料ランス。
【請求項5】
前記点火器が、前記ノズル本体の出口面に隣接して配置された、請求項2、3又は4に記載の燃料ランス。
【請求項6】
前記点火器が、前記ノズル本体と一体化され、該ノズル本体の出口面を貫いている、請求項2、3又は4に記載の燃料ランス。
【請求項7】
(a)エンクロージャとその中に配置された熱負荷とを含む炉と;
(b)エンクロージャに取り付けられ、酸化体ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(c)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項8】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項9】
前記点火器の少なくとも1つが、燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項10】
前記燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項1又は7に記載の燃焼システム。
【請求項11】
前記1つ又は複数の酸化体ガス噴射器の1つの周囲と隣接する燃料ランスの周囲との間の距離が2〜50インチの範囲にある、請求項7に記載の燃焼システム。
【請求項12】
(a)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(b)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(c)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、該炉の燃焼雰囲気に多段燃料を噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(d)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから噴射された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む、燃焼システム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の点火器が、断続火花点火器、連続火花点火器、DCアークプラズマ、マイクロ波プラズマ、RFプラズマ、高エネルギーレーザービーム、及び酸化体−燃料パイロットバーナから成る群より選択された、請求項1、7又は12に記載の燃焼システム。
【請求項14】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスに隣接し、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項15】
前記点火器の少なくとも1つが、多段燃料ランスと一体化され、そこから放出された燃料を点火するよう適合された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項16】
前記多段燃料ランスの数が、前記点火器の数に等しいか又はそれよりも少ない、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項17】
前記一次燃料を前記中央バーナに提供するよう適合された主燃料用配管と、前記多段燃料を前記1つ又は複数の多段燃料ランスに提供するよう適合された多段燃料用配管とをさらに含む、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項18】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が同一の組成である、請求項17に記載の燃焼システム。
【請求項19】
前記中央バーナへの一次燃料と前記1つ又は複数の多段燃料ランスへの多段燃料が異なる組成である、請求項17に記載の燃焼システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数の多段燃料ランスが、前記中央バーナの外側に配置され、該中央バーナの軸から半径方向に配置された、請求項12に記載の燃焼システム。
【請求項21】
(a)燃焼システムであって、
(1)炉であって、その中に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)軸、一次燃料の入口、酸化体ガスの入口、及び燃焼ガスを該炉に導入するよう適合された燃焼ガスの出口を有する中央バーナと;
(3)該中央バーナの軸から半径方向に配置され、多段燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射するよう適合された1つ又は複数の多段燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の多段燃料ランスと関連し、そこから放出された多段燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)酸化体ガスの入口を介して酸化体ガスを導入し、該1つ又は複数の燃料ランスを介して該炉の燃焼雰囲気に燃料を噴射する工程;並びに
(c)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項22】
前記燃料が、天然ガス、製油所オフガス、原油生産からの関連ガス、及び可燃性プロセス廃ガスから選択される、請求項21に記載の燃焼方法。
【請求項23】
複数の燃料ランスが使用され、異なる組成の燃料が該複数の燃料ランスで使用される、請求項21に記載の燃焼方法。
【請求項24】
(a)バーナアセンブリであって、
(1)中央火炎ホルダーであって、酸化体ガスの入口手段、一次燃料の入口手段、酸化体ガスと一次燃料を燃焼させる燃焼領域、及び該火炎ホルダーから一次流出物を放出する出口を有する中央火炎ホルダーと;
(2)該中央火炎ホルダーの出口を取り囲む複数の二次燃料噴射器ノズルであって、各二次燃料噴射器ノズルが、
(2a)入口面、出口面、及び入口面と出口面を貫く流入軸を有するノズル本体と;
(2b)該ノズル本体を通って入口面から出口面まで延びる1つ又は複数の溝であって、各溝が溝軸と溝中心面を有する1つ又は複数の溝と;
を含む複数の二次燃料噴射器ノズルと;
(3)該複数の二次燃料噴射器ノズルと関連する1つ又は複数の点火器と;
を含むバーナアセンブリを提供する工程;
(b)一次燃料と酸化体ガスを該中央火炎ホルダーに導入し、該火炎ホルダーの燃焼領域において一次燃料と酸化体ガスの一部を燃焼させ、燃焼生成物と過剰な酸化体ガスを含有する一次流出物を該火炎ホルダーの出口から放出する工程;
(c)二次燃料を該二次燃料噴射器ノズルを介して該火炎ホルダーの出口からの一次流出物に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該二次燃料噴射器ノズルからの燃料を点火して燃料と燃焼生成物中の過剰な酸化体を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【請求項25】
前記一次燃料と前記二次燃料が、異なる組成を有するガスである、請求項24に記載の燃焼方法。
【請求項26】
前記一次燃料が、天然ガス又は製油所オフガスであり、前記二次燃料が、圧力スウィング吸着システムから得られる水素、メタン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む、請求項24に記載の燃焼方法。
【請求項27】
前記一次燃料と前記二次燃料が、同じ組成を有するガスである、請求項26に記載の燃焼方法。
【請求項28】
(a)燃焼システムであって、
(1)エンクロージャを有する炉であって、エンクロージャ内に設けられた熱負荷と燃焼雰囲気を有する炉と;
(2)エンクロージャに取り付けられ、酸素含有ガスを該炉に導入するよう適合された1つ又は複数の酸化体ガス噴射器と;
(3)エンクロージャに取り付けられ、該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器から間隔を置いて配置された1つ又は複数の燃料ランスであって、燃料を該炉に噴射するよう適合された1つ又は複数の燃料ランスと;
(4)該1つ又は複数の燃料ランスと関連し、該燃料ランスによって噴射された燃料を点火するよう適合された1つ又は複数の点火器と
を含む燃焼システムを提供する工程;
(b)該1つ又は複数の酸化体ガス噴射器を介して酸素含有ガスを該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;
(c)該1つ又は複数の燃料ランスを介して燃料を該炉の燃焼雰囲気に噴射する工程;並びに
(d)該1つ又は複数の点火器を操作し、該燃料ランスからの燃料を点火して燃料と燃焼雰囲気中の酸素を燃焼させる工程
を含む、燃焼方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−17453(P2006−17453A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−193362(P2005−193362)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193362(P2005−193362)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]