説明

点灯装置及びそれを用いた照明器具

【課題】互いに電源電圧の異なる複数の電源に用いる場合でも、装置の温度の上昇を抑えるとともに点灯の維持を図ることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】交流電圧を出力する交流電源A1からの電圧を所定の直流電圧に変換して出力する第1のコンバータ部2と、第1のコンバータ部2の出力電圧を高圧放電灯100の点灯に必要な電圧に変換して高圧放電灯100に供給する第2のコンバータ部3と、第1のコンバータ部2及び第2のコンバータ部3を制御する制御部4と、装置の温度を検出する温度検出部5とを備え、制御部4は、温度検出部5で検出される温度が所定の温度を超えると、温度検出部5で検出される温度の上昇にしたがって第1のコンバータ部2の出力電圧を低下させるように制御する応答制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電灯や発光ダイオード等の光源を点灯させる点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高輝度・高出力の照明として高圧放電灯が広く使用されているが、放電灯の一種である高圧放電灯を安定して点灯させるためには、安定器(点灯装置)が必要となる。高圧放電灯用の点灯装置としては、主に鉄心に銅線が巻かれて成る銅鉄型安定器と、半導体スイッチング素子を用いた電子安定器とがある。近年では、省エネルギーの観点から電子安定器が普及しており、年々小型化及び低コスト化が図られている。そして、点灯装置の小型化に伴って、点灯装置の放熱能力が低下して点灯装置が高温化してきている。
【0003】
ここで、点灯装置を互いに電源電圧の異なる複数の電源(例えば、100V電源と200V電源)に兼用させて用いる場合がある。点灯装置には、電源電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路が内蔵されており、この昇圧コンバータ回路は、通常、電源電圧が高い方の電源に合わせて設計される。このため、点灯装置を電源電圧が低い方の電源に用いる場合、昇圧コンバータ回路の昇圧比が電源電圧が高い方の電源に用いる場合と比較して大きくなり、回路損失が大きくなって更に点灯装置が高温化してしまうという問題があった。
【0004】
上記の問題を解決するものとして、負荷時(放電灯の点灯時)において、100Vの電源電圧の入力時の昇圧コンバータ回路の昇圧電圧を200Vの電源電圧の入力時の昇圧電圧より低減させるように構成した放電灯点灯装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3850052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のように光源を高圧放電灯とし、高圧放電灯を安定して点灯させる点に鑑みると、昇圧コンバータ回路の出力電圧が高い程安定して点灯させることができる。しかしながら、特許文献1に記載の従来例のように、電源電圧に応じて昇圧コンバータ回路の出力電圧を変動させると、電源電圧の大きさによって放電灯の点灯を維持する能力に差が生じてしまう。例えば、寿命末期の高圧放電灯など、点灯状態が不安定になり易い光源を用いるとする。そして、互いに異なる電源電圧が配電される2つの地域で上記の同じ光源をそれぞれ点灯させた場合に、一方の地域では高圧放電灯にチラつきが生じないが、他方の地域では高圧放電灯にチラつきが生じる虞があった。
【0007】
また、高圧放電灯は、始動してから点灯状態が安定するまでに数分間が必要となる。この間に、特許文献1に記載の従来例のように昇圧コンバータ回路の出力電圧が変動すると、始動した高圧放電灯が消灯して点灯を維持できない虞があった。この点灯状態が安定するまでの時間は、始動時の高圧放電灯の状態や、高圧放電灯の種類により異なり(例えば同じ出力であっても、メーカや点灯の向き、色温度により異なる)、一概に始動からの時間によって制御を変更するのも困難であった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、互いに電源電圧の異なる複数の電源に用いる場合でも、装置の温度の上昇を抑えるとともに点灯の維持を図ることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の点灯装置は、直流電圧又は交流電圧を出力する入力電源からの電圧を所定の直流電圧に変換して出力する第1のコンバータ部と、前記第1のコンバータ部の出力電圧を光源の点灯に必要な電圧に変換して前記光源に供給する第2のコンバータ部と、前記第1のコンバータ部及び前記第2のコンバータ部を制御する制御部と、装置の温度を検出する温度検出部とを備え、前記制御部は、前記温度検出部で検出される温度が所定の温度を超えると、前記温度検出部で検出される温度の上昇にしたがって前記第1のコンバータ部の出力電圧を低下させるように制御する応答制御を行うことを特徴とする。
【0010】
この点灯装置において、前記入力電源の出力電圧を検出する電源電圧検出部を備え、前記制御部は、前記応答制御時において、前記第1のコンバータ部の出力電圧の下限値を設定するとともに、前記電源電圧検出部で検出される電圧が高くなるほど前記下限値が大きくなるように設定することが好ましい。
【0011】
この点灯装置において、前記第2のコンバータ部の出力電圧を検出する出力電圧検出部を備え、前記制御部は、前記応答制御時において、前記出力電圧検出部で検出される電圧が高くなるほど前記第1のコンバータ部の出力電圧の単位時間当たりの低下の割合を小さくすることが好ましい。
【0012】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源が点灯する前は前記温度検出部で検出される温度に依らず前記第1のコンバータ部の出力電圧が一定となるように制御することが好ましい。
【0013】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源が点灯する前の前記第1のコンバータ部の出力電圧が、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧よりも大きくなるように制御することが好ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源が点灯してから一定時間の間、前記温度検出部で検出される温度に依らず前記第1のコンバータ部の出力電圧が一定となるように制御することが好ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記第2のコンバータ部は、前記第1のコンバータ部の出力電圧を矩形波に変換して出力するものであって、前記制御部は、前記光源が点灯してから一定時間の間、前記矩形波の反転に同期して前記第1のコンバータ部の出力電圧に所定の電圧を重畳するように制御することが好ましい。
【0016】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源が点灯する前の前記第1のコンバータ部の出力電圧が、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧と前記重畳される所定の電圧との和よりも大きくなるように制御することが好ましい。
【0017】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源に印加される電圧が高くなるほど前記重畳される所定の電圧が高くなるように制御することが好ましい。
【0018】
この点灯装置において、前記制御部は、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧と前記重畳される所定の電圧との和が、前記温度検出部で検出される温度に依らず一定となるように制御することが好ましい。
【0019】
この点灯装置において、前記温度検出部は、前記第1のコンバータ部を構成する発熱部品の近傍に設けられることが好ましい。
【0020】
本発明の照明器具は、上記何れかの点灯装置と、前記点灯装置を収納する器具本体とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、温度検出部で検出される温度が上昇するにしたがって第1のコンバータ部の出力電圧を低下させるように制御するので、互いに電源電圧の異なる複数の電源に用いる場合でも、装置の温度の上昇を抑えるとともに点灯性能の維持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る点灯装置の実施形態1を示す図で、(a)は回路図で、(b)は応答制御の説明図である。
【図2】同上の動作を説明するための波形図である。
【図3】(a)は同上の他の応答制御の説明図で、(b)は同上の更に他の応答制御の説明図である。
【図4】同上の温度検出部の配置例を示す図で、(a)はカバーを外した状態の平面図で、(b)は断面図である。
【図5】本発明に係る点灯装置の実施形態2を示す図で、(a)は回路図で、(b)は応答制御の説明図で、(c)は応答制御時における入力電圧の下限値の説明図である。
【図6】本発明に係る点灯装置の実施形態3を示す図で、(a)は回路図で、(b)は応答制御の説明図である。
【図7】本発明に係る点灯装置の実施形態4を示す波形図である。
【図8】同上の点灯前に検出温度が所定の温度を超えた場合の制御例を示す波形図である。
【図9】(a),(b)は同上の点灯前の入力電圧と点灯後の入力電圧との相関を示す説明図である。
【図10】同上の他の制御を示す波形図である。
【図11】本発明に係る点灯装置の実施形態5を示す図で、(a)は動作を説明するための波形図で、(b)は(a)の丸印で囲まれた部分の拡大図及びランプ電圧の波形図である。
【図12】(a)は重畳電圧と点灯時間との相関図で、(b)は重畳電圧の印加時間幅と点灯時間との相関図で、(c)は重畳電圧とランプ電圧との相関図である。
【図13】同上の他の制御を示す波形図である。
【図14】(a)は直流電源を用いた場合の回路図で、(b)は光源を発光ダイオードとした場合の回路図である。
【図15】(a)〜(c)は本発明に係る照明器具の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a)に示すように、整流部1と、第1のコンバータ部2と、第2のコンバータ部3と、制御部4と、温度検出部5とを備える。整流部1は、ダイオードブリッジから構成され、交流電源AC1(入力電源)から供給される交流電圧を全波整流して後段の第1のコンバータ部2に出力する。
【0024】
第1のコンバータ部2は、例えばFETから成るスイッチング素子Q1と、チョークコイルCH1と、ダイオードD1と、平滑コンデンサC1とを有する所謂昇圧チョッパ回路である。第1のコンバータ部2は、整流部1から出力される脈流電圧を所望の直流電圧に昇圧して出力することで力率を改善する。なお、昇圧チョッパ回路については従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0025】
第2のコンバータ部3は、例えばFETから成る4つのスイッチング素子Q2〜Q5と、チョークコイルCH2と、コンデンサC3とを有する所謂降圧チョッパ回路である。第2のコンバータ部3では、2つのスイッチング素子Q2,Q3の直列回路と、残り2つのスイッチング素子Q4,Q5の直列回路とが第1のコンバータ部2の出力端間に互いに並列に接続されている。また、スイッチング素子Q2,Q3の接続点とスイッチング素子Q4,Q5の接続点との間に、チョークコイルCH2とコンデンサC3との直列回路が接続されている。更に、コンデンサC3と並列に、共振回路30と高圧放電灯100(光源)との直列回路が接続されている。共振回路30は、高圧放電灯100に直列に接続されるパルストランスPT1と、パルストランスPT1のタップと第1のコンバータ部2の低電位側の出力端の間に挿入されたコンデンサC2とを具備している。
【0026】
制御部4は、第1のコンバータ部2の出力電圧、即ち、第2のコンバータ部3への入力電圧(平滑コンデンサC1の両端電圧)V1を検出する入力電圧検出部40を備える。また、制御部4は、検出される入力電圧V1が所望の電圧レベルとなるように第1のコンバータ部2のスイッチング素子Q1をスイッチング制御する第1の駆動制御部41を備える。
【0027】
また、制御部4は、第2のコンバータ部3の出力電圧、即ち、高圧放電灯100に印加されるランプ電圧V2を検出する出力電圧検出部42と、検出されるランプ電圧V2に基づいて高圧放電灯100の点灯・非点灯を判別する点灯判別部44とを備える。更に、制御部4は、検出されるランプ電圧V2が所望の電圧レベルとなるように第2のコンバータ部3の各スイッチング素子Q2〜Q5をスイッチング制御する第2の駆動制御部43を備える。
【0028】
第2の駆動制御部43は、点灯判別部44での判別結果を受けて第2のコンバータ部3の動作モードを切り替える切替部43Bと、検出されるランプ電圧V2に応じてスイッチング素子Q4,Q5の駆動周波数及びオン期間を決定する演算部43Aとを備える。切替部43Bは、第2のコンバータ部3から高圧放電灯100を始動させるための高電圧を出力させる始動モードと、第2のコンバータ部3から高圧放電灯100を安定して点灯させるための電圧を出力させる安定点灯モードとを切り替える。また、演算部43Aは、安定点灯モードの時に切替部43Bを介して各スイッチング素子Q4,Q5を制御する。
【0029】
例えば、安定点灯モードにおいては、図2に示すように、制御部4の第2の駆動制御部43は、スイッチング素子Q2,Q5をオン/オフさせる期間と、スイッチング素子Q3,Q4をオン/オフさせる期間とを所定の周波数(数百Hz程度)で交番させている。ここで、前者の期間ではスイッチング素子Q3,Q4はオフの状態であり、後者の期間ではスイッチング素子Q2,Q5がオフの状態である。そして、前者の期間では、第2の駆動制御部43はスイッチング素子Q2をオンさせた状態でスイッチング素子Q5を所定の周波数(数十kHz程度)でオン/オフさせる。また、後者の期間では、第2の駆動制御部43はスイッチング素子Q3をオンさせた状態でスイッチング素子Q4を所定の周波数(数十kHz程度)でオン/オフさせる。
【0030】
温度検出部5は、例えばサーミスタや温度センサICから成り、装置の温度を検出するとともに検出結果を第1の駆動制御部41に与える。第1の駆動制御部41では、温度検出部5の検出結果に基づいてスイッチング素子Q1を制御することで、第2のコンバータ部3の入力電圧V1を変動させる。
【0031】
以下、本実施形態における温度検出部5の配置例について図面を用いて説明する。本実施形態は、図4(a),(b)に示すように、プリント配線板104に多数の回路部品が実装されて構成され、このプリント配線板104は扁平な矩形箱形のケース101内に収納される。ケース101は、一面が開口する矩形箱形のボディ102と、ボディ102の開口端を閉塞するカバー103とから構成される。プリント配線板104に実装された回路部品のうち、相対的に発熱量の多い回路部品(以下、「発熱部品」と呼ぶ)105には、放熱板106が熱的に結合されている。
【0032】
本実施形態では、これら発熱部品105(スイッチング素子Q1〜Q5、ダイオードD1、チョークコイルCH1,CH2等)、特に第1のコンバータ部2を構成する発熱部品の近傍に温度検出部5を配置することにより、装置の温度の上昇を素早く検出している。勿論、発熱部品105の近傍ではなく、ケース101の温度やプリント配線板104の温度といった発熱部品105の影響を受け難い低い温度を検出する位置に温度検出部5を配置してもよい。
【0033】
以下、本実施形態の動作について図2を用いて説明する。なお、図2は高圧放電灯100が非点灯状態から安定した点灯状態に至るまでの各部の波形図を示している。先ず、高圧放電灯100が非点灯状態のときに図示しない点灯スイッチが投入されて電源がオンになると、制御部4の第1の駆動制御部41が制御動作を開始し、スイッチング素子Q1を数10kHz程度でオン/オフさせるスイッチング制御を行う。これにより、第1のコンバータ部2からは、高圧放電灯100の非点灯時及び点灯時の何れにおいても、電源電圧を昇圧した直流電圧(入力電圧V1)が出力される。ここで、第1のコンバータ部2は、入力力率を高めることで入力電流歪みを抑制している。
【0034】
入力電圧V1が所定の電圧値に達すると、制御部4の第2の駆動制御部43が動作を開始する。この時点では、まだ高圧放電灯100は点灯しておらず、その等価インピーダンスは無限大に近い高インピーダンスとなっている。また、切替部43Bは始動モードとなっている。第2の駆動制御部43は、スイッチング素子Q2,Q5がオンの期間と、スイッチング素子Q3,Q4がオンの期間とを所定の周波数f0(数百kHz程度)で交番させる。ここで、所定の周波数f0は共振回路30の共振周波数に近い周波数であり、正弦波状の高電圧がパルストランスPT1の1次巻線N1に発生する。1次巻線N1で発生した正弦波状の高電圧は、1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比によって昇圧され、昇圧された電圧がコンデンサC3を介して高圧放電灯100に印加される。これにより、高圧放電灯100が絶縁破壊されて始動する。このとき、高圧放電灯100は短絡に近い低インピーダンスとなるため、高圧放電灯100の両端電圧は略0Vまで低下する。
【0035】
一方、点灯判別部44では、出力電圧検出部42で検出されるランプ電圧V2が所定の閾値を超えるか否かに基づいて高圧放電灯100の点灯・非点灯を判別している。即ち、ランプ電圧V2が所定の閾値を上回っている場合には、点灯判別部44は高圧放電灯100が非点灯状態にあると判別し、その出力電圧はハイレベルとなる。一方、ランプ電圧が所定の閾値を下回っている場合には、点灯判別部44は高圧放電灯100が点灯状態にあると判別し、その出力電圧はローレベルとなる。
【0036】
ここで、高圧放電灯100の始動により、上記のようにランプ電圧V2が略0Vまで低下することで所定の閾値を下回るので、点灯判別部44は高圧放電灯100が点灯したと判別し、その出力電圧がローレベルとなって切替部43Bに入力される。このローレベルの電圧信号を受けて、切替部43Bでは動作モードを始動モードから安定点灯モードに切り替える。
【0037】
安定点灯モードにおいては、既に上で述べたように、第2の駆動制御部43は、スイッチング素子Q2,Q5をオン/オフさせる期間と、スイッチング素子Q3,Q4をオン/オフさせる期間とを所定の周波数f1(数百Hz程度)で交番させる。したがって、高圧放電灯100には周波数f1の矩形波交流電圧が印加される。そして、高圧放電灯100は、始動直後では両端電圧(ランプ電圧V2)が低いが、ランプ内部が高温・高圧になるにつれてランプ電圧V2が上昇して定格電圧に至り、安定した点灯状態となる。なお、演算部43Aでは、入力されるランプ電圧V2に基づいてスイッチング素子Q4,Q5の駆動周波数及びオン期間を適正に制御している。このため、高圧放電灯100に適正な電力が供給され、安定した点灯状態が持続される。
【0038】
ここで、従来例では、電源電圧に応じて昇圧コンバータ回路の昇圧電圧、即ち、入力電圧V1を変更しているが、基本的には、入力電圧V1が一定となるようにスイッチング素子Q1を制御している。一方、本実施形態では、制御部4は、温度検出部5で検出される温度が所定の温度を超えると、検出温度が上昇するにしたがって第1のコンバータ部2の出力電圧、即ち入力電圧V1を低下させるように制御する応答制御を行っている。
【0039】
具体的には、図1(b)に示すように、検出温度が低い(例えば、発熱部品等の周囲温度による電力ディレーティングが開始する85℃以下)場合には、使用される電源の最大電圧値に応じた電圧値となるように入力電圧V1を制御する。本実施形態では、100V電源と200V電源とを兼用することを考慮しているので、低温時の入力電圧V1が200×√2×1.2(余裕度)≒340Vとなるように制御する。一方、検出温度が高い(例えば、部品の定格温度である105℃以上)場合には、使用される電源の最小電圧値に応じた電圧値となるように入力電圧V1を制御する。本実施形態では、100V電源と200V電源とを兼用することを考慮しているので、高温時の入力電圧V1が100×√2×1.2(余裕度)≒170Vとなるように制御する。なお、使用される電源の電源電圧や検出温度が異常を示す場合を考慮して、更に検出温度が高くなったとしても、入力電圧V1を170Vよりも更に低下させるように制御することで、回路保護も実現している。
【0040】
上述のように、本実施形態では、温度検出部5で検出される温度の上昇にしたがって第1のコンバータ部2の出力電圧を低下させるように制御するので、互いに電源電圧の異なる複数の電源に用いる場合でも、装置の温度の上昇を抑えることができる。例えば、100V電源を使用する場合、図2に示すように、高圧放電灯100の始動時は装置の温度が低いことから、制御部4は入力電圧V1を340Vに維持する。そして、高圧放電灯100の点灯後は、電源電圧が低いことから装置の温度が徐々に上昇し、時刻T1において検出温度が85℃に達する。すると、制御部4は、検出温度の上昇にしたがって入力電圧V1を低下させる応答制御を行う。これにより、回路損失が低減されるので、回路損失が大きくなることによる装置の温度の更なる上昇を抑えることができ、回路が破壊されるのを防止することができる。
【0041】
ここで、高圧放電灯100の始動時においては、高圧放電灯100自身の温度が低いために、高圧放電灯100に印加される矩形波交流電圧の極性反転時にランプ電流が流れない等、点灯状態が不安定になる虞がある。そこで、高圧放電灯100の始動時に入力電圧V1が十分に高ければ、素早くランプ電圧V2を上昇させることができ、上記のような不安定な点灯状態を解消することが可能である。本実施形態では、低い電源電圧の電源を用いる場合にも、装置の温度が所定の温度以上に上昇しない限りは入力電圧V1を低下させないので、高圧放電灯100の始動時の入力電圧V1を十分に高くすることができる。したがって、高圧放電灯100の始動時に点灯状態が不安定になるのを防ぐことができ、点灯の維持を図ることができる。
【0042】
特に、応答制御を開始する所定の温度を、使用される電源のうち最も高い電源電圧の電源を用いた場合に検出温度がその温度まで達することのないような値に設定することが望ましい。このようにすれば、電源電圧の高低に依らず高圧放電灯100の始動時に入力電圧V1を最大値とすることができ、より確実に点灯を維持することができる。なお、前回の点灯後の消灯時間が短く、装置の温度が高い状態で再度電源がオンされる場合も考えられるが、この場合は高圧放電灯100自身の温度も高く、高圧放電灯100も早く安定するため問題ない。
【0043】
また、従来例のように電源電圧を検出して入力電圧V1を変更する方法では、電源電圧の検出が装置の周囲の環境によってはノイズ等の影響を受け易いことから、検出時に誤動作する可能性がある。このため、ノイズ等の影響を低減するための構成が別途必要となり、回路が大型化するという課題がある。一方、本実施形態では、温度センサICの利用や、サーミスタによる制御部4の制御電源(図示せず)の分圧の利用により、制御系の電圧(5〜12V程度)のみで温度検出が可能である。したがって、温度検出部5による温度検出の際にノイズの影響を受け難く、変化も緩やかであるために検出時の誤動作を防止することができる。このため、ノイズ等の影響を低減するための構成が不要であるので、回路の大型化も防ぐことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、温度検出部5を発熱部品105の近傍に配置することで、発熱部品105周辺の雰囲気温度を装置の温度として検出しているが、発熱部品105の表面温度を検出するように配置してもよい。また、発熱部品105の近傍ではなく、ケース101内の何れかの場所に温度検出部5を配置することで、ケース101内の雰囲気温度を装置の温度として検出するように構成してもよい。何れの場合においても、所定の温度を検出する温度に応じて適宜設定することで、上記と同様の効果を奏することができる。
【0045】
ところで、本実施形態の制御部4は、図1(b)に示すように検出温度が所定の温度を超えると入力電圧V1を徐々に低下させる応答制御を行っているが、例えば図3(a)に示すように、入力電圧V1をステップ状に低下させる制御であってもよい。この場合、使用される電源が100V電源及び200V電源の2つのみの場合等では、入力電圧V1を素早く切り替えることができる。また、応答制御は、図3(b)に示すように、検出温度が所定の温度よりも高い第2の所定の温度に達すると、入力電圧V1を低下させずに一定に保つ制御であってもよい。この場合、入力電圧V1が過剰に低下するのを防ぐことができるので、入力電流歪みが増大するのを防止することができる。
【0046】
(実施形態2)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図5(a)に示すように、交流電源AC1の電源電圧を検出する電源電圧検出部6を備え、検出される電源電圧に基づいて応答制御時の入力電圧V1の下限値を設定することに特徴がある。なお、本実施形態では、電源電圧検出部6は整流部1の出力電圧を検出するように構成されている。
【0047】
以下、本実施形態における制御部4の応答制御について図面を用いて説明する。先ず、応答制御時における入力電圧V1の下限値の設定について説明する。第1の駆動制御部41は、図5(c)に示すように、電源電圧検出部6で検出される電源電圧に基づいて入力電圧V1の下限値を設定する(例えば、電源電圧が100Vの場合には下限値を150Vに設定する)。また、例えば図5(b)に示すように、電源電圧の高低に伴って、入力電圧V1の下限値を277V,200V,150V,100Vと設定する。即ち、電源電圧の上昇に伴って下限値を大きく設定する。
【0048】
そして、制御部4は、応答制御時において検出温度の上昇にしたがって入力電圧V1を徐々に低下させ、入力電圧V1が上記の下限値に達すると、入力電圧V1を一定に保つように制御する。例えば、100V電源を使用する場合では、図5(b)に示すように、入力電圧V1が下限値の150Vに達すると、これ以上検出温度が上昇しても入力電圧V1は150Vに保たれる。
【0049】
上述のように、本実施形態では、応答制御時における入力電圧V1に下限値を設定したので、実施形態1と同様の効果を奏しつつ、且つ入力電圧V1の過剰な低下による入力電流歪みの増大を防止することができる。
【0050】
(実施形態3)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図6(a)に示すように、出力電圧検出部42で検出されるランプ電圧V2の検出結果が第1の駆動制御部41に入力されるようになっている。そして、制御部4が、応答制御時において、ランプ電圧V2が高くなるほど入力電圧V1の単位時間当たりの低下の割合を小さくするように制御することに特徴がある。
【0051】
実施形態1では、制御部4は、検出温度の上昇にしたがって入力電圧V1を低下させるように応答制御を行っていた。ここで、実施形態1でも述べたように、高圧放電灯100の始動時において入力電圧V1が十分に高くない場合、高圧放電灯100の点灯状態が不安定にある虞がある。この不安定な点灯状態を解消するためには、入力電圧V1と高圧放電灯100の点灯時のランプ電圧V2との差を大きくする必要があることが分かっている。当該差が大きければ、高圧放電灯100にランプ電流が流れなくなった場合に、高圧放電灯100に印加するランプ電圧V2を素早く上昇させることが可能であり、不安定な点灯状態を解消することができる。
【0052】
そこで、本実施形態の制御部4は、図6(b)に示すように、応答制御時において、検出温度の上昇に伴う単位時間当たりの入力電圧V1の低下の割合(傾き)を、ランプ電圧V2が高くなるにつれて小さくしている。したがって、ランプ電圧V2が高くなるほど入力電圧V1の単位時間当たりの低下の割合が小さくなることから、入力電圧V1とランプ電圧V2との差を十分に大きくすることができる。これにより、本実施形態は、実施形態1と同様の効果を奏しつつ、且つ寿命末期等のランプ電圧V2が高い高圧放電灯100でも安定した点灯性能を発揮させることができる。
【0053】
(実施形態4)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図7に示すように、制御部4が、高圧放電灯100が点灯する前は温度検出部5で検出される温度に依らず入力電圧V1が一定となるように制御することに特徴がある。
【0054】
実施形態1では、制御部4は、検出温度が所定の温度を超えると応答制御を開始するため、例えば図8に示すように、高圧放電灯100の点灯前の時刻T2〜T3間で検出温度が所定の温度を超えた場合にも応答制御を行ってしまう。この場合、応答制御により入力電圧V1が低下してしまい、高圧放電灯100を素早く始動させることが困難になる虞がある。
【0055】
そこで、本実施形態の制御部4は、点灯判別部44が高圧放電灯100が非点灯であると判別している間は、検出温度に依らず入力電圧V1が一定となるように制御している。したがって、高圧放電灯100の点灯前に装置の温度が急激に上昇して高温となった場合や、始動までの時間が長く装置の温度が所定の温度を超えてしまった場合でも、入力電圧V1を低下させることなく一定に保つことができる。これにより、実施形態1の効果を奏しつつ、且つ高圧放電灯100の始動性能の低下を防ぐことができる。また、上記のように高圧放電灯100の点灯前に装置の温度が上昇した場合のみならず、例えば回路のノイズ等によって制御部4での読み込みに異常が発生して検出温度が所定の温度を超えたと見做された場合にも、同様の効果を奏することができる。
【0056】
なお、図9(a)に示すように、高圧放電灯100の点灯前の入力電圧V1を点灯後の入力電圧V1よりも大きくなるように制御してもよい。この場合、高圧放電灯100の始動性能をより高めることができる。また、図9(b)に示すように、高圧放電灯100の点灯前の入力電圧を点灯後の入力電圧V1の最大電圧と同じとなるように制御した場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0057】
ところで、本実施形態では、高圧放電灯100の点灯前においては入力電圧V1を検出温度に依らず一定にしているが、この場合、次のような問題が生じ得る。即ち、高圧放電灯100は、始動してから安定した点灯状態となるまでの間は不安定であるため、この間に入力電圧V1を低下させると、最悪の場合には高圧放電灯100が立ち消えする虞がある。
【0058】
そこで、本実施形態の制御部4において、上記の制御に加えて、図10に示すように、高圧放電灯100が点灯してから一定時間の間、検出温度に依らず入力電圧V1が一定となるように制御してもよい。この場合、高圧放電灯が始動してから安定した点灯状態となるまでは入力電圧V1が一定に保たれるので、高圧放電灯100が立ち消えするのを防止することができる。
【0059】
なお、上記の制御を行うにあたって、高圧放電灯100が点灯してからの一定時間は、例えば制御部4にタイマ(図示せず)を設けて当該タイマにより一定時間を計時することで定めることが考えられる。また、ランプ電圧V2やランプ電流が所定値以上となる、又はランプ電圧V2やランプ電流の変化の傾きが小さくなるといった高圧放電灯100の特性を検出することで、高圧放電灯100が安定した点灯状態に移行したことを判断するようにしてもよい。このように判断する場合でも、高圧放電灯100が始動してから安定した点灯状態となるまでの一定時間の間、入力電圧V1を一定に保つ制御を行うことが可能である。
【0060】
(実施形態5)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態4と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図11(a),(b)に示すように、制御部4が、高圧放電灯100が点灯してから一定時間の間、ランプ電圧V2の反転に同期して入力電圧V1に所定の重畳電圧V3を重畳させるように制御することに特徴がある。
【0061】
実施形態4でも述べたように、高圧放電灯100の点灯前において入力電圧V1を一定にした場合でも、高圧放電灯100が始動してから安定した点灯状態となるまでの間に入力電圧V1を低下させると、高圧放電灯100が立ち消えする虞がある。特に、始動初期の数秒間において高圧放電灯100の点灯状態が不安定であるため、この期間において高圧放電灯100が立ち消えする可能性がある。また、高圧放電灯100では、音響共鳴現象を防止するために矩形波交流電圧を印加するため、矩形波交流電圧の反転時に高圧放電灯100が立ち消えする可能性が高い。
【0062】
そこで、本実施形態の制御部4は、高圧放電灯100が始動してから数秒の一定時間において、ランプ電圧V2の反転に同期して入力電圧V1に所定の重畳電圧V3を重畳させるように制御している。このように制御することで、立ち消えの起こり易いランプ電圧V2の反転時に所定の重畳電圧V3を印加することで、高圧放電灯100の立ち消えを防止することができる。また、所定の重畳電圧V3を印加していない期間においては、検出温度の上昇にしたがって入力電圧V1が低下するように制御されるので、実施形態1と同様の効果を奏することもできる。
【0063】
ここで、本実施形態の制御において、高圧放電灯100の点灯後の入力電圧V1と重畳電圧V3との和が、点灯前の入力電圧V1以下となるように制御するのが望ましい。このように制御することで、コンデンサC2やスイッチング素子Q2〜Q5等の各部品の耐圧を点灯前の入力電圧V1に合わせて設定することができ、部品選定の幅を広げることが可能になる。
【0064】
ところで、上記の制御では、重畳電圧V3の大きさ及び印加時間の幅を一定としているが、例えば図12(a)に示すように、高圧放電灯100の点灯時間の経過にしたがって重畳電圧V3を徐々に低下させるように制御してもよい。また、図12(b)に示すように、高圧放電灯100の点灯時間の経過にしたがって重畳電圧V3の印加時間の幅を徐々に短くさせるように制御してもよい。何れの場合においても、上記と同様の効果を奏することができる。また、重畳電圧V3の印加を突然終了させた場合には、ランプ電圧V2のステップ状の変動やチラつきを生じる虞があるが、図12(a),(b)に示す制御により、高圧放電灯100の光出力を滑らかにすることができる。
【0065】
更に、図12(c)に示すように、高圧放電灯100のランプ電圧V2の上昇にしたがって重畳電圧V3を上昇させるように制御してもよい。この場合、上記と同様の効果を奏することができ、且つ高圧放電灯100の点灯性能をランプ電圧V2に依存せずに一定に保つことができる。
【0066】
また、図13に示すように、本実施形態の制御において、高圧放電灯100の点灯後の入力電圧V1と重畳電圧V3との和が一定となるように制御してもよい。この場合、上記と同様の効果を奏することができ、且つ目標とするランプ電圧V2を一定にすることができるので、容易に制御することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、上述の各制御を高圧放電灯100が始動してから数秒の一定時間だけ行っているが、安定した点灯状態に移行した後も同様の制御を行うことで、高圧放電灯100の点灯性能を向上させることができる。この場合、ランプ電圧V2の反転時に重畳電圧V3が入力電圧V1に重畳されることから回路損失が大きくなることが考えられる。しかしながら、反転時以外の期間では、検出温度の上昇にしたがって入力電圧V1を低下させる制御が行われるので、装置の温度の上昇を抑制する効果を十分に奏することができる。
【0068】
ところで、上記実施形態1〜5では、交流電源AC1を電源としていたが、図14(a)に示すように、直流電源DC1を用いてもよい。この場合、整流部1は不要となる。また、図14(b)に示すように、高圧放電灯100を用いる代わりに複数の発光ダイオード200を直列に接続したものを光源として用いてもよい。この場合、第1のコンバータ部2、第2のコンバータ部3、制御部4の代わりに、昇圧チョッパ回路7、降圧チョッパ回路8、制御回路9を用いる。
【0069】
昇圧チョッパ回路7は、その入力端間にコンデンサC0が挿入されている以外は第1のコンバータ部2と同様の構成である。降圧チョッパ回路8は、例えばFETから成るスイッチング素子Q6と、チョークコイルCH3と、ダイオードD2と、コンデンサC4とから成る。制御回路9は、昇圧チョッパ制御部90と、降圧チョッパ制御部91とから構成される。
【0070】
昇圧チョッパ制御部90は、昇圧チョッパ回路7の出力電圧を検出するとともに、検出される電圧に基づいてスイッチング素子Q1をスイッチング制御することで、整流部1から出力される脈流電圧を所望の直流電圧に昇圧して出力し、力率を改善する。また、昇圧チョッパ制御部90には温度検出部5が接続されており、昇圧チョッパ制御部90は、温度検出部5で検出される温度に基づいて、上記各実施形態と同様に応答制御を行う。
【0071】
降圧チョッパ制御部91は、各発光ダイオード200に印加される電圧及び電流を検出するとともに、検出される電圧及び電流に基づいてスイッチング素子Q6をスイッチング制御する。このため、降圧チョッパ回路8は、各発光ダイオード200に所望の直流電圧を印加する。
【0072】
上述のように発光ダイオード200を光源とした場合に、制御回路9において応答制御を行うことで、互いに電源電圧の異なる複数の電源に用いる場合でも、装置の温度の上昇を抑えることができる。また、使用される電源に応じて入力電圧V1を変更するのではなく、検出温度の上昇に基づいて入力電圧V1を低下させるので、必要以上に入力電圧V1を低下させることがなく、したがって発光ダイオード200の点灯性能の維持を図ることができる。例えば、使用する電源を200V電源から100V電源に変更した場合でも、装置の温度が所定の温度以上に上昇しない限りは入力電圧V1を低下させないので、発光ダイオード200に十分に高い電圧を印加することができる。
【0073】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について図面を用いて説明する。図15(a)〜(c)に示す照明器具は、何れも上記実施形態1〜5の何れかの点灯装置A1と、ランプソケット(図示せず)が収納された器具本体300と、点灯装置A1とランプソケットとを接続する電源ケーブル301とを共通に備える。そして、ランプソケットに装着される高圧放電灯(図示せず)に点灯装置A1から電源ケーブル301を介して点灯電力が供給される。
【0074】
これらの照明器具は、上記実施形態1〜5の何れかの点灯装置A1が用いられることにより、上記実施形態1〜5の何れかと同様の効果を奏することができる。なお、図15(a)に示す照明器具はダウンライトであり、同図(b),(c)に示す照明器具は、配線ダクトレール302に移動自在に取り付けられる照明器具である。
【符号の説明】
【0075】
2 第1のコンバータ部
3 第2のコンバータ部
4 制御部
5 温度検出部
100 高圧放電灯(光源)
AC1 交流電源(入力電源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧又は交流電圧を出力する入力電源からの電圧を所定の直流電圧に変換して出力する第1のコンバータ部と、前記第1のコンバータ部の出力電圧を光源の点灯に必要な電圧に変換して前記光源に供給する第2のコンバータ部と、前記第1のコンバータ部及び前記第2のコンバータ部を制御する制御部と、装置の温度を検出する温度検出部とを備え、前記制御部は、前記温度検出部で検出される温度が所定の温度を超えると、前記温度検出部で検出される温度の上昇にしたがって前記第1のコンバータ部の出力電圧を低下させるように制御する応答制御を行うことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記入力電源の出力電圧を検出する電源電圧検出部を備え、前記制御部は、前記応答制御時において、前記第1のコンバータ部の出力電圧の下限値を設定するとともに、前記電源電圧検出部で検出される電圧が高くなるほど前記下限値が大きくなるように設定することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記第2のコンバータ部の出力電圧を検出する出力電圧検出部を備え、前記制御部は、前記応答制御時において、前記出力電圧検出部で検出される電圧が高くなるほど前記第1のコンバータ部の出力電圧の単位時間当たりの低下の割合を小さくすることを特徴とする請求項1又は2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記光源が点灯する前は前記温度検出部で検出される温度に依らず前記第1のコンバータ部の出力電圧が一定となるように制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記光源が点灯する前の前記第1のコンバータ部の出力電圧が、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記光源が点灯してから一定時間の間、前記温度検出部で検出される温度に依らず前記第1のコンバータ部の出力電圧が一定となるように制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記第2のコンバータ部は、前記第1のコンバータ部の出力電圧を矩形波に変換して出力するものであって、前記制御部は、前記光源が点灯してから一定時間の間、前記矩形波の反転に同期して前記第1のコンバータ部の出力電圧に所定の電圧を重畳するように制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記光源が点灯する前の前記第1のコンバータ部の出力電圧が、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧と前記重畳される所定の電圧との和よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項7記載の点灯装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記光源に印加される電圧が高くなるほど前記重畳される所定の電圧が高くなるように制御することを特徴とする請求項7又は8記載の点灯装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記光源が点灯した後の前記第1のコンバータ部の出力電圧と前記重畳される所定の電圧との和が、前記温度検出部で検出される温度に依らず一定となるように制御することを特徴とする請求項7又は8記載の点灯装置。
【請求項11】
前記温度検出部は、前記第1のコンバータ部を構成する発熱部品の近傍に設けられることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の点灯装置と、前記点灯装置及び前記光源を保持する器具本体とを備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−94274(P2012−94274A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238398(P2010−238398)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】