説明

無作為な被覆を有する剤形

【課題】無作為被覆を有する剤形を提供する。
【解決手段】製薬の剤形は、コア部およびコア部に付着したシェルを含んで提供される。シェルは、少なくとも第1部分および第2部分を含み、それらの部分各々が互いに組成的に相違しており、渦巻き状またはマーブル状などの無作為パターンで配列されている。一実施形態では、シェルは、低温水分散性薄膜形成ポリマーを含み、第1部分および第2部分は、互いに視覚的に相違している。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
1.発明の分野
本発明は、無作為被覆(randomized coating)を有する剤形(dosage forms)、および、その製造方法に関するものである。より詳細には、本発明は、マーブル状または渦巻き状などの無作為パターンを含有する被覆で実質的に覆われたコア部を有する製薬の剤形に関する。
【0002】
背景情報
製薬の剤形を設計する際の一つの懸念は、例えば、形状、寸法、マーキング、色、および表面の質感などの外観によって、剤形が確実に容易に識別され得るようにすることである。こうした機能的な属性を剤形の設計に含めることによって、その後の薬物治療における投薬のミスが、最小化され得る。さらには、複数の薬物治療を受ける患者は、異なる頻度および/または回数で摂取する薬剤を、より容易に区別することができるため、こうした特徴から利益をさらに得ることができる。
【0003】
剤形を区別する一アプローチは、異なる色を有する外側被覆を使用することである。しかしながら、容易に区別できる色の範囲は、ある程度制限される。別のアプローチは、一方の端部または面に、ある色を有し、他方の端部または面に、別の色を有する剤形を作成することである。このアプローチは、問題を部分的に軽減しているが、容易に識別可能な表面の外観を有する剤形の必要性は依然として残る。
【0004】
本発明の1つの目的は、相違する、無作為な表面の外観を有する剤形を提供することである。本発明の別の目的は、他の薬物と容易に区別できる外側の外観を有する剤形を提供することである。本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下に示される詳細な説明から、当業者には明らかであろう。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、請求項に記載されるように、コア部、および、コア部を実質的に覆う被覆であって、無作為パターンを含有している被覆を有する剤形、ならびにその剤形の製造方法を含む、かつ/または、それらから成る、かつ/または、それらから本質的に成るものである。
【0006】
〔発明の詳細な説明〕
当業者であれば、本明細書の記載に基づき、本発明を最大限に活用することができると、確信される。以下の具体的な実施形態は、専ら例示的なものであり、いかなる形でも開示内容の他の部分を制限するものではないと解釈されるべきである。
【0007】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるあらゆる技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通して理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書で言及されるあらゆる出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、参照によって組み込まれるものとする。本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、あらゆるパーセンテージは、重量パーセントである。さらには、本明細書で示されるあらゆる範囲は、包括的に、2つの終点の間の値のいかなる組み合わせをも含むことが意図される。
【0008】
本明細書で使用される「吸湿値(Moisture uptake value)」とは、剤形が、約40℃の温度で75%の相対湿度に約60分間晒された場合に、剤形が吸収する水分量を、もとの剤形の重量に対するパーセンテージで表した値を意味するものとする。
【0009】
本明細書で使用される用語「剤形」とは、糖菓を含む、摂取可能ないかなる形態にも適用される。一実施形態では、剤形は、例えば以下に定義される有効成分(active ingredient)など、特定の既定量の(つまり、例えば、服用量の)ある成分を含有するように設計された固体、半固体、または液体の組成物である。適切な剤形は、経口投与、口腔内投与(buccal administration)、直腸投与、局所的、経皮的、もしくは粘膜での送達、または、皮下インプラントのための薬剤送達システム、または、その他の植え込み式薬剤送達システムを含む、薬剤送達システム、あるいは、ミネラル、ビタミンおよびその他の機能性食品、口腔ケア剤、ならびに香味料などを送達するための組成物であってよい。一実施形態では、本発明の剤形は、固体と考えられるが、しかしながら、剤形は、液体または半固体の構成要素を含有してよい。別の実施形態では、剤形は、ヒトの胃-腸管に製薬有効成分を送達するための経口投与されるシステムである。さらに別の実施形態では、剤形は、製薬的に非有効な成分を含有する、経口投与される「プラセボ」システムであり、この剤形は、たとえば、特定の製薬的に有効な成分の安全性および効能を試験するため、臨床研究において対照(control)を目的として使用され得るなど、特定の製薬的に有効な剤形と同じ外観を有するように設計されている。
【0010】
本明細書で使用される「錠剤」とは、圧縮または成型されたあらゆる形状または寸法の固体の剤形をいう。図1に図示されるように、一タイプの錠剤は、上面11、および、上面11の反対側に位置する下面12、ならびにダイ壁(die wall)との接触による凝縮の際に定められる腹帯13を有し、上面11は上パンチ面によって、下面12は下パンチ面によって、それぞれ形成される。
【0011】
本明細書で使用される「低温熱反応材料」とは、約100℃未満の温度で薄膜を形成する材料を意味するものとする。
【0012】
「無作為パターン」によって意味されるのは、マーブル状の、筋のある、らせん状の、渦巻き状の、らせん形の、ねじれた、湾曲した、縞入りの、または、溝の付いたパターンである。本明細書で使用される「マーブル状の」とは、大理石を真似たように、筋と色で縞入りかつまだら状となった無作為パターンを意味し、このような縞は、例えば円形であるか、または、形状および/もしくはパターンが変化するものであってよい。本明細書で使用される「渦巻き状の」とは、円形の渦のような形でねじれた無作為パターンを意味する。一実施形態では、マーブル状の無作為パターンは、渦巻き状のパターンを含んでよい。
【0013】
本明細書で使用される「低温水分散性熱反応材料」とは、100℃未満の温度で薄膜を形成し、かつ、水分散性がある熱反応材料を意味するものとする。非ポリマー材料に関連して本明細書で使用される「水溶性」または「水可溶性(water solubilize)」とは、わずかな溶解性からかなりの溶解性までを、つまり、非ポリマーの水溶性の溶質を1部溶解させるのに必要な水が100部以下であることを、意味するものとする。Remingtonの「薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(2000年)の208〜209頁を参照されたい。ポリマー材料に関連して本明細書で使用される「水溶性」または「水可溶性」とは、ポリマーが水中で膨張し、分子レベルで分散して均一分散(homogeneous dispersion)またはコロイド溶液を形成することができることを意味する。ポリマー材料に関連して本明細書で使用される「水分散性」とは、生体外での溶解試験で使用されるような水性媒体、または胃腸内の流体に剤形を浸漬した後、60分以内にポリマーの少なくとも一部が、剤形から取り除かれることを意味する。
【0014】
本明細書で使用される「射出成型」とは、剤形を所望の形状および寸法で形成する工程であって、流体の形態、または流動可能な状態の形態をした、流動可能な材料が鋳型に注入され、次に、鋳型から取り除かれる前に、温度の変化(プラスまたはマイナスのいずれか)によって鋳型の中で凝固される、工程を意味するものとする。対照的に、本明細書で使用される「圧縮」とは、剤形を所望の形状および寸法で形成する工程であって、パンチの表面の間から取り除かれる前に、材料が、圧力の増加によりパンチの表面の間で凝縮されて錠剤になる、工程を意味するものとする。
【0015】
本明細書で使用される用語「組成的に異なる」とは、質的もしくは量的な化学分析、物理的試験、または視覚的観察によって容易に区別できる特徴を有することを意味する。例えば、図1および図2に図示されるように、シェル6の第1部分14および第2部分15は、異なる成分、もしくは、異なる度合いの同じ成分を含有してよく、あるいは、第1材料および第2材料は、異なる物理的もしくは化学的特質、異なる機能的特質を有してよく、かつ/または、視覚的に相違していてよい。図6に図示されるように、第1部分14および第2部分15は、筋のある無作為パターンであり得、このようなパターンの実質的に全てまたは一部は、被覆の厚さ全体に広がっていてもよい。異なってもよい物理的または化学的特質の例には、親水性、疎水性、吸湿性、弾性、厚さ、多孔性、可塑性、引っ張り強さ、結晶性、および密度が含まれる。異なってもよい機能的特質の例には、材料自体の溶解、または、材料からの有効成分の溶解の割合および/または程度、材料の分解の割合、有効成分への浸透性、水または水性媒体への浸透性などが含まれる。視覚的相違の例には、寸法、形状、形の特徴(topography)、または、その他の幾何学的特徴、色、色調、不透明度、反射の質、明るさ、濃さ、影、彩度、および光沢などが含まれる。
【0016】
例えば、シェルは、以下のような異なる視覚的外観を有する、少なくとも2つの部分を有することができる。:白色部分と青色部分(青色の渦巻きを有する白色の背景など)、または、フラット仕上げ部分と光沢部分、または、不透明部分と半透明部分。本発明の器具および方法は、異なる色の付いた渦巻き(すなわち白および青の渦巻き)を有するシェルを用いるものとして、以下本明細書で論じられるが、パターン化された薄膜は、前述のタイプの組成的に異なる部分のいずれか、または、それらの組み合わせを有してもよく、それらには、本明細書で具体的に言及されていない視覚的相違も、限定されずに含まれる。
【0017】
図2の断面側面図に描かれるように、本発明の一実施形態は、コア部4を含む剤形2に向けられたものであり、コア部4は、被覆つまりシェル6により実質的に覆われたコア部外側表面3を有する。より詳細には、以下本明細書でさらに詳しく記載されるように、本発明のコア部4は、組成的に相違する少なくとも2つの部分、つまり、例えば、異なる視覚的外観を有する少なくとも2つの部分を備えた無作為パターンを有する被覆6によって覆われる。注目すべきこととして、以下本明細書において、本発明の器具および方法は、1つまたは複数の薄膜によって実質的に被覆されるコア部を含む剤形を生成するものとして論じられ、用語「実質的に」とは、コア部の表面積の少なくとも約95%、または少なくとも一方の面の少なくとも約95%が、1つまたは複数の薄膜によって覆われていることを意味すると理解されるものとする。さらには、当業者には理解されるであろうが、本発明の器具および方法は、1つまたは複数の薄膜によって少なくとも部分的に覆われる、被覆された剤形生成物を生成するよう構成されてよい。用語「少なくとも部分的に覆われた」とは、コア部の表面積の少なくとも約25%〜約100%が、1つまたは複数の薄膜によって覆われることを意味すると理解されるものとする。
【0018】
一実施形態では、乾燥した被覆つまりシェル6は、第1の特徴を有する第1部分14および第2の特徴を有する第2部分15を、少なくとも、含み、第1および第2の特徴は、互いに組成的に異なり、無作為パターンで配列される。例えば、図1に図示されるように、シェル6は、少なくとも、第1の視覚的外観を有する第1部分14、および、第2の視覚的外観を有する第2部分15を含み、第1および第2部分は、互いに視覚的に相違しており、無作為の渦巻き状パターンで配列される。
【0019】
図2は、図1の剤形2の断面図である。示されるように、被覆つまりシェル6は、第1部分14および第2部分15を有しており、よって、第2部分は被覆の無作為パターンを形成し、また、第2部分はコア部4のコア部外側表面3にわたって変化する厚さを有している。例えば、選択された無作為パターン、および第1部分14の流動可能な材料と第2部分15の流動可能な材料との間における混和の程度に基づき、第2部分15の厚さは、第1の上部表面つまり最上部表面8から第1部分14内に部分的に延びてもよく、または、第1部分14を貫いて延びて、コア部4のコア部外側表面3に接触してもよい。例えば、ある場所15'では、第2部分は、コア部外側表面3まで延びるか、または近接する厚さを有してよく、他の場所15”では、第2部分は、コア部外側表面3まで十分延びないか、または近接しない厚さを有してもよい。別の実施形態(不図示)では、第2部分15は、コア部外側表面3にわたって実質的に一貫した厚さを有してもよく、つまりは、例えば、厚さは、コア部外側表面3まで延びるか、もしくは近接する、または、厚さは、コア部外側表面3とシェル6の第1の上部表面8との間のある点で、実質的に一貫している。
【0020】
図6に図示される別の実施形態では、第2部分15は、剤形の上面、下面、および/または腹帯を含む、剤形の複数の面に存在してもよい。
【0021】
図2は、第2部分15の上部表面8を、第1部分14の近位上部表面10と実質的に均一な表面として、描いているが、第2部分15の上部表面8は、代替的に、シェル上部表面8にわたって、複数位置で、または実質的に一貫して、第1部分14の近位上部表面10から突出しているか、または、くぼんでいてよい。
【0022】
図2において「T」で示される、シェル6の厚さは、例えば、被覆されるコア部の表面積、所望のシェル外観、および/または所望のシェル組成に基づいて、変化してよいが、一般に、約10μm〜約5000μmの範囲にわたる。シェルはまた、一般に、剤形面の、例えば約10%より多く約90%より少ない表面積、または、約25%より多く約50%より少ない表面積など、剤形面の約0%より多く100%より少ない表面積を覆う。本明細書で使用される「面」とは、上パンチ面および下パンチ面により形成される、圧縮された錠剤の部分であり、米国特許出願公開第20040109889号に図示されるように、縁の重なり合う領域の半分を含む。
【0023】
一実施形態では、剤形は、1つまたは複数の有効成分を含有している。本明細書で使用される「有効成分」とは、例えば、調合薬、ミネラル、ビタミンおよびその他の機能性食品、口腔ケア剤、香味料、ならびに、それらの混合物を含む。適切な調合薬には、鎮痛剤、抗炎症薬、抗関節炎薬、麻酔薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、抗生物質、抗感染薬、抗ウイルス物質、抗凝固薬、抗鬱薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗膨満薬、抗真菌薬、鎮痙薬、食欲抑制薬、気管支拡張薬、心臓血管作用薬、中枢神経系作用薬、中枢神経系刺激薬、鬱血除去薬、利尿薬、去痰薬、胃腸薬、片頭痛製剤、乗物酔い製剤、粘液溶解剤、筋弛緩薬、骨粗鬆症薬、ポリジメチルシロキサン、呼吸作用剤、睡眠補助薬、尿路作用剤、および、それらの混合物が含まれる。
【0024】
適切な口腔ケア剤には、息清涼剤、歯漂白剤、抗菌薬、歯鉱化剤、虫歯抑制剤、局所麻酔薬、および粘液保護剤などが含まれる。
【0025】
適切な香味料には、メントール、ペパーミント、ミント香味料、フルーツ香味料、チョコレート、バニラ、風船ガム香味料、コーヒー香味料、リキュール香味料、および、それらの組み合わせなどが含まれる。
【0026】
適切な胃腸薬の例には、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、重炭酸ナトリウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウムなどの制酸薬、;ビサコディル、カスカラサグラダ、ダントロン(danthron)、センナ、フェノールフタレイン、アロエ、ひまし油、リシノール酸、およびデヒドロコール酸、ならびに、それらの混合物などの刺激性緩下薬、;ファモタジン(famotadine)、ラニチジン 、シメチジン(cimetadine)、ニザチジンなどのH2レセプター拮抗薬、;オメプラゾールまたはランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬、;スクラフレート(sucraflate)およびミソプロストールなどの胃腸細胞保護剤、;プルカロプリドなどの胃腸管運動促進剤、;クラリスロマイシン、アモキシシリン、テトラサイクリン、およびメトロニダゾールなどの、ピロリ菌に対する抗生物質、;ジフェノキシラートおよびロペラミドなどの止瀉薬、;グリコピロレート、;オンダンセトロンなどの制吐薬、;メサラミンなどの鎮痛薬、が含まれる。
【0027】
本発明の一実施形態では、有効成分は、ビサコディル、ファモタジン、ラニチジン、シメチジン、プルカロプリド、ジフェノキシラート、ロペラミド、ラクターゼ、メサラミン、ビスマス、制酸薬、ならびに、それらの製薬学上許容される塩、エステル、異性体、および混合物から選択されてよい。
【0028】
別の実施形態では、有効成分は、例えば非ステロイド抗炎症薬(NSAID)などの鎮痛薬、抗炎症薬、および解熱薬から選択されてよく、それらには、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、およびケトプロフェンなどのプロピオン酸誘導体(derivatives)、;例えばインドメタシン、ジクロフェナク、スリンダク、およびトルメチンなどの酢酸誘導体、;例えばメファナム酸(mefanamic acid)、メクロフェナミン酸、およびフルフェナム酸(flufenamic acid)などのフェナム酸(fenamic acid)誘導体、;例えばジフルーニサルおよびフルフェニサル(flufenisal)などのビフェニルカルボン酸誘導体(biphenylcarbodylic acid derivatives)、;ならびに、例えばピロキシカム、スドキシカム(sudoxicam)、イソキシカム、およびメロキシカムなどのオキシカム、が含まれる。一実施形態では、有効成分は、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、フルプロフェン(fluprofen)、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、スプロフェンなどのプロピオン酸誘導体NSAID、ならびに、それらの製薬学上許容される塩、誘導体、および組み合わせから選択される。本発明の別の実施形態では、有効成分は、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、シクロベンザプリン、メロキシカム、ロフェコキシブ、セレコキシブ、ならびに、それらの製薬学上許容される塩、エステル、異性体、および組み合わせから選択され得る。
【0029】
本発明の別の実施形態では、有効成分は、偽エフェドリン、フェニルプロパノラミン、フェニレフリン、クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、アステミゾール、テルフェナジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラチジン(desloratidine)、ドキシラミン(doxilamine)、ノルアステミゾール(norastemizole)、セチリジン、グアイフェネシン、ベンゾカイン、メントール、モダフィニル、ニフェジピン(nifedipene)、シルデナフィル(sidenefil)、それらの混合物、ならびに、それらの製薬学上許容される塩、エステル、異性体、および混合物から選択されてよい。
【0030】
適切なポリジメチルシロキサンの例には、ジメチコンおよびシメチコンが、限定されずに含まれ、それらは、米国特許第4,906,478号、第5,275,822号、および第6,103,260号に開示されている。本明細書で使用される用語「シメチコン」とは、ポリジメチルシロキサンの広範囲にわたる種類をいい、ジメチコンおよびシメチコンが、限定されずに含まれる。
【0031】
1つまたは複数の有効成分は、治療上効果的な量で本発明の剤形内に存在し、治療上効果的な量とは、経口投与によって所望の治療反応を生成し、かつ、当業者により容易に決定され得る量である。そうした量の決定においては、投与される特定の有効成分、有効成分の生物学的利用能の特性、投薬方式(dosing regimen)、患者の年齢および体重、ならびにその他の要素が、当業分野で既知のように、考慮されなければならない。一実施形態では、剤形は、少なくとも約85重量パーセントの有効成分を含む。
【0032】
1つまたは複数の有効成分は、いかなる形態で剤形内に存在してもよい。例えば、有効成分は、剤形内部に、例えば融解もしくは溶解されるなど、分子レベルで分散されてもよく、または、粒子の形態であってもよく、これは、被覆されていても、されていなくてもよい。粒子は、剤形のシェルおよび/またはコア部に存在してよい。有効成分が粒子の形態である場合、粒子(被覆されていようと、いなかろうと)は、典型的には、約1μm〜約2000μmの平均粒子寸法を有する。一実施形態では、このような粒子は、約1μm〜約300μmの平均粒子寸法を有する結晶である。さらに別の実施形態では、粒子は、例えば約50μm〜約1000μm、または、約100μm〜約800μmなど、約50μm〜約2000μmの平均粒子寸法を有する顆粒または球粒である。
【0033】
有効成分の、変更された(modified)放出が所望される、ある実施形態では、有効成分は、選択的に、既知の放出変更被覆(release-modifying coating)で被覆されてよい。このことは、有利なことに、剤形からの有効成分の放出プロフィールを変更するための追加的なツールを提供する。例えば、剤形は、1つまたは複数の有効成分の、被覆された粒子を含有してよく、粒子の被覆は、当業分野で周知のように、放出変更機能をもたらす。粒子の適切な放出変更被覆の例は、米国特許第4,173,626号、第4,863,742号、第4,980,170号、第4,984,240号、第5,286,497号、第5,912,013号、第6,270,805号、および第6,322,819号に記載されている。市販されている放出変更有効成分(modified release active ingredients)もまた、用いられてよい。例えば、コアセルベーション(coaccervation)工程によって、放出変更ポリマーでカプセル包囲されたアセトアミノフェン粒子が、本発明で使用されてよい。このようなコアセルベーションでカプセル包囲されたアセトアミノフェンは、例えば、Eurand America Inc.またはCirca Inc.から市販されている。
【0034】
有効成分が好ましくない風味を有し、剤形が嚥下前に口内で咀嚼または分解されるよう意図される場合、有効成分は、当業分野で既知のように、風味遮蔽被覆で被覆されてよい。適切な風味遮蔽被覆の例は、例えば、米国特許第4,851,226号、第5,075,114号、および第5,489,436号に記載されている。市販の、風味が遮蔽された有効成分もまた、使用されてよい。例えば、コアセルベーション工程によって、エチルセルロースまたは他のポリマーでカプセル包囲されたアセトアミノフェン粒子が、本発明で使用されてもよい。このようなコアセルベーションでカプセル包囲されたアセトアミノフェンは、Eurand America Inc.またはCirca Inc.から市販されている。風味‐遮蔽被覆を適用する追加的な適切な方法は、当業分野で周知であり、例えば、米国特許第4,851,226号、第5,653,993号、第5,013,557号、および第6,569,463号にそれぞれ開示される流動床(fluid bed)被覆、複合コアセルベーション、噴霧乾燥、および、噴霧凝固を含む、これらに限定されない。
【0035】
1つまたは複数の有効成分は、典型的には、水、胃酸、または腸内流体などの流体と接触すると、溶解が可能である。一実施形態では、有効成分の溶解特性は、有効成分を含有する即時放出錠剤に関する米国薬局方の仕様(USP specifications)を満たしている。有効成分が動物の体循環に吸収されることが所望される実施形態では、1つまたは複数の有効成分は、水、胃内流体、または、腸内流体などの流体と接触すると溶解が可能でなければならない。一実施形態では、有効成分の溶解特性は、有効成分を含有する即時放出錠剤に関する米国薬局方の仕様を満たしている。例えば、アセトアミノフェン錠剤について、米国薬局方24は、pH5.8のリン酸塩緩衝液中において、50rpm(毎分回転数)で米国薬局方器具2(パドル)を使用して、剤形に含有されるアセトアミノフェンの少なくとも80%が、投薬後30分以内に剤形から放出されることを条件として指定している。また、イブプロフェン錠剤について、米国薬局方24は、pH7.2のリン酸塩緩衝液中において、50rpmで米国薬局方器具2(パドル)を使用して、剤形に含有されるイブプロフェンの少なくとも80%が、投薬後60分以内に剤形から放出されることを条件として指定している。2000年版米国薬局方24の19〜20頁および856頁(1999年)を参照されたい。別の実施形態では、有効成分の溶解特性は、変性されてよく、例えば、制御、持続、延長、遅延、延滞、または遅速されてよい。
【0036】
コア部は、選択的に副コア部(「挿入部(insert)」といわれてもよい)を含んでよく、副コア部は、例えば圧縮や成型など、いかなる方法で作られてもよく、1つまたは複数の有効成分を選択的に含有してよい。
【0037】
コア部(または基盤)は、いかなる固体または半固体の形態であってもよい。本明細書で使用される「基盤」とは、表面または基礎をなす支持部をいい、その上に、別の物体が備わるか、または作用する。また、「コア部」とは、別の材料によって少なくとも部分的に包まれるか、または囲まれる材料をいう。一実施形態では、コア部は固体を含み、例えば、コア部は、圧縮もしくは成型された錠剤、硬質もしくは軟質のカプセル、座薬、または、薬用ドロップ、ヌガー、キャラメル、フォンダン、もしくは脂をベースにした組成物などの糖菓の形態であってもよい。他のある実施形態では、コア部は、完成剤形において半固体または液体の形態であってよい。
【0038】
本発明のコア部は、例えば圧縮および成型などを含む、いかなる適切な方法で準備されてもよく、また、コア部が作られる方法に基づいて、典型的には、有効成分、および様々な賦形剤、つまり、投薬コア部に所望される物理的特質をもたらすのに有用でありうる非有効成分を含んでいる。
【0039】
コア部が、圧縮された剤形、例えば圧縮された錠剤となっている実施形態では、コア部は、圧縮された粉末から得られてよい。粉末は、有効成分を含有してよく、また、選択的に、結合剤、錠剤分解物質、潤滑剤、および充填剤など、従来的なさまざまな賦形剤を含んでよく、または、粉末は、薬効性のある他の粒状材料、もしくは、錠剤化用の非有効プラセボ混和物、および糖菓混和物など、薬効性のない他の粒状材料を含んでよい。特定の一処方(formulation)は、有効成分、賦形剤として、可塑的に変形する圧縮可能な材料、および、選択的に、錠剤分解物質および潤滑剤などの他の賦形剤を含み、さらに詳しくは、米国特許出願公開第20030068373号に記載されている。圧縮の際には、可塑的に変形する圧縮可能な材料は、上パンチ表面および/または下パンチ表面から微起伏した形状をとる。
【0040】
これら実施形態に関する、可塑的に変形する圧縮可能な適切な材料には、ミクロクリスタリンセルロース、蝋、脂、モノグリセリドおよびジグリセリド、ならびに、それらの誘導体および混合物などが含まれる。ある実施形態では、可塑的に変形する圧縮可能な材料は、後から融解して錠剤の中に吸収されるようになされ、そうした可塑的に変形する圧縮可能な材料は、セラック蝋およびミクロクリスタリン蝋などの可塑的に変形する圧縮可能な粉末状の蝋、ポリエチレングリコール、ならびにそれらの混合物など、低融点の可塑的に変形する圧縮可能な材料から選択されてよい。
【0041】
適切な充填剤には、デキストロース、スクロース、イソマルツロース(isomaltalose)、果糖、麦芽糖、および乳糖を含む糖、ポリデキストロース、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、キシリトール、エリトリトールを含む糖アルコール、デキストリンおよびマルトデキストリンを含む澱粉加水分解物(starch hydrolysates)などの水溶性圧縮可能炭水化物、ミクロクリスタリンセルロース、または他のセルロース誘導体などの可塑的に変形する非水溶性材料、リン酸二カルシウムおよびリン酸三カルシウムなどの非水溶性脆性破壊材料、ならびに、それらの混合物が、限定されずに含まれる。
【0042】
適切な結合剤には、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの乾燥結合剤、;アルギナート、寒天、グアールガム、イナゴマメ、カラギーナン、タラ(tara)、アラビアゴム、トラガカントゴム、ペクチン、キサンタン、ジェラン(gellan)、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスチュラン(pusstulan)、プルラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ウェラン(whelan)、ラムサン(rhamsan)、ズーグラン(zooglan)、メチラン(methylan)、キチン質、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、および澱粉などの親水コロイドを含む、水溶性ポリマーなどの湿性結合剤、;ならびに、それらの誘導体および混合物が、限定されずに含まれる。
【0043】
適切な錠剤分解物質には、澱粉グリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、澱粉、および、ミクロクリスタリンセルロースなどが、限定されずに含まれる。
【0044】
適切な潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸などの長鎖脂肪酸およびその塩、タルク、ならびに蝋が、限定されずに含まれる。
【0045】
適切な滑沢剤には、コロイド状の二酸化ケイ素などが、限定されずに含まれる。
【0046】
コア部が圧縮によって準備される実施形態では、コア部はまた、保存料、アスパルテーム、アセスルファームカリウム、シクラメート、サッカリン、およびスクラロースなど強度の甘味料、;ならびに、ジヒドロアルコン(dihydroalcones)、グリチルリチン、Monellin(商標)、ステビオシド、およびTalin(商標)などのその他の甘味料、;香味料、酸化防止剤、表面活性剤、ならびに、着色料などが、限定されずに含まれる、製薬学上許容される補助剤を組み込んでもよい。
【0047】
本発明の一実施形態では、本発明の剤形は、約50μm〜約500μmの平均粒子寸法を有する粉末の混和物から作られるコア部を含む。一実施形態では、有効成分は、約50μm〜約500μmの平均粒子寸法を有する。別の実施形態では、少なくとも1つの賦形剤は、例えば約100μm〜約500μmなど、約50μm〜約500μmの平均粒子寸法を有する。このような一実施形態では、主な賦形剤、つまり、コア部の少なくとも50重量%を含む賦形剤は、例えば約100μm〜約500μmなど、約50μm〜約500μmの平均粒子寸法を有する。この寸法範囲にある粒子は、特に、直接圧縮工程に有用である。
【0048】
本発明の一実施形態では、コア部は、水溶性ポリマー結合剤および水和したポリマーを実質的にもたない(free of)粉末から作られた、直接的に圧縮された錠剤であってよい。この組成物は、即時放出溶解プロフィールの維持、加工および材料費用の最小化、ならびに、剤形の最適な物理的および化学的安定性の提供のために、有利である。
【0049】
コア部が直接圧縮によって準備される実施形態では、1つまたは複数の有効成分および賦形剤など、コア部を構成する材料は、例えば乾燥粉末として相互に混和されて、コア部を形成するため圧力をかける器具の空洞内に供給されてよい。いかなる適切な凝縮器具が使用されてもよく、そうした器具には、例えば、チルソネーター(chilsonator)もしくはドロップローラーなどのローラー凝縮機、;または、従来的な錠剤プレス機が含まれる。一実施形態では、コア部は、当業分野で既知のように、回転式錠剤プレス機を使用して凝縮することにより形成されてよい。一般に、計量された量の粉末が、回転式錠剤プレス機のダイ空洞に充填され、空洞が「ダイテーブル」の一部分として、充填位置から凝縮位置へと回転する。凝縮位置において、粉末は、上パンチと下パンチとの間で凝縮され、次に、結果として生じた錠剤が、下パンチによって、ダイ空洞から押し出される。有利なことには、直接圧縮工程は、ポリビニルピロリドン、アルギナート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースなどの、水溶性の非糖類ポリマー結合剤の最小化または排除を可能にする。こうした結合剤は溶解においてマイナスの効果を有し得るものであった。
【0050】
別の実施形態では、コア部は、米国特許出願公開第20040156902号に記載される圧縮方法および器具によって準備されてよい。詳細には、コア部は、米国特許出願公開第20040156902号の図6に示されるように、二重列のダイ構造を有する単一の器具に充填区域、挿入区域、圧縮区域、排出区域、および浄化区域を含む、回転式圧縮モジュールを使用して作られてよい。圧縮モジュールのダイは、次に、真空の助けを使用して、各ダイの中または近くに位置付けられたフィルターを用いて、充填されてよい。圧縮モジュールの浄化区域は、フィルターから過剰な粉末を回収し、その粉末をダイに戻すための、選択的な粉末回収システムを含む。
【0051】
別の実施形態では、コア部は、湿性-顆粒化方法によって準備されてよく、この方法では、1つまたは複数の有効成分、適する賦形剤、および湿性結合剤の溶液または分散物(例えば、加熱処理された水性の澱粉ペースト、またはポリビニルピロリドンの溶液)が、混合され、顆粒化されてよい。湿性顆粒化のための適切な器具には、プラネタリーミキサーなどの低剪断機、高剪断ミキサー、および、回転流動床を含む流動床が含まれる。結果として生じた顆粒化された材料は、次に乾燥され、選択的に、例えば潤滑剤および着色料といった補助剤および/または賦形剤など、さらなる成分と乾燥混和される。最終的な乾燥混和物は、先の段落に記載された方法による圧縮に適している。
【0052】
直接圧縮および湿性顆粒化の工程の方法は、当業分野で既知であり、詳しくは、例えば、Lachmanらによる「産業製薬の理論と実践(The Theory and Practice of Industrial Pharmacy)」第11章(第3版1986年)に記載されている。
【0053】
一実施形態では、シェルまたはコア部は、米国特許出願公開第20030124183号に記載されるように、ほぼ一定の温度で鋳型が維持される方法および器具を使用した熱硬化射出成型によって準備されてよい。この実施形態では、第1部分またはコア部は、流動可能な形態のスタート材料を成型チャンバに注入することによって形成されてよい。スタート材料は、有効成分および熱反応材料を含んでよく、スタート材料は、熱反応材料のガラス転位温度または硬化温度(set temperature)より高く、かつ、有効成分の分解温度よりも低い温度で、鋳型に導入される。スタート材料は、次に成型チャンバ内で冷却され、所望の成形された形態(つまり鋳型の形状)に凝固される。スタート材料は、そのガラス転位温度または硬化温度より高い温度にある場合、成型チャンバに容易に注入されるよう、または送り込まれるよう、十分に流動可能である。
【0054】
本明細書で使用される「熱反応材料」とは、材料に適用される温度が上がると、より軟質になり、適用される温度が下がると、逆に、より硬質になり流動を減少させる、材料を含むものとする。ゲルの場合、「硬化温度」とは、ゲル形成材料が、ゲル化工程を通して急速に凝固する温度を意味するものとする。
【0055】
別の実施形態では、シェルまたはコア部は、米国特許出願公開第20030086973号に記載されるように、少なくとも2つの温度の間を鋳型が循環する方法および器具を使用して熱循環射出成型によって準備されてよい。この実施形態では、第1部分またはコア部は、加熱された成型チャンバに流動可能な形態のスタート材料を注入することによって形成されてよい。スタート材料は、熱反応材料のガラス転位温度または硬化温度より高く、かつ、有効成分の分解温度より低い温度で、有効成分および熱可塑性材料を含んでよい。スタート材料は、次に、成型チャンバ内で冷却され、所望の成形された形態(つまり鋳型の形状)に凝固される。
【0056】
こうした成型方法のいずれによっても、スタート材料は、流動可能な形態でなければならない。例えば、スタート材料は、ポリマーマトリクスなどの融解されたマトリクスに懸濁された固体粒子を含んでよい。あるいは、スタート材料は、完全に融解されているか、またはペースト状の形態であってよい。一実施形態では、スタート材料は、融解された材料の中に溶解された有効成分を含んでよい。あるいは、スタート材料は、溶媒の中に固体を溶解させることによって作られてよく、この溶媒は、スタート材料が成型された後、スタート材料から蒸発させられる。
【0057】
スタート材料は、成形される形態に組み込まれるのに望ましい、いかなる食用の材料を含んでもよい。そうした食用の材料には、コア部、栄養素、ビタミン、ミネラル、香味料、および甘味料などに関して先に記載された有効成分などの有効成分が含まれる。典型的には、スタート材料は、有効成分および熱反応材料を含む。熱反応材料は、約37℃〜約250℃の間の温度で流動可能であり、かつ、約マイナス10℃〜約35℃の間の温度で固体または半固体である、いかなる食用の材料であってもよい。流動可能なスタート材料は、流体または流動可能な状態にある場合、溶解または融解された構成要素、および、選択的に、例えば水もしくは有機的な溶媒などの溶媒、またはそれらの組み合わせを含んでよい。溶媒は、乾燥によって部分的または実質的に取り除かれてよい。
【0058】
適切な流動可能なスタート材料には、薄膜形成ポリマー、ゲル化ポリマー、親水コロイド、脂および蝋などの低融点疎水性材料、ならびに、結晶化不可能な炭水化物などの熱反応材料が、限定されずに含まれる。
【0059】
適切な熱反応材料の例には、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシドおよび誘導体、ならびにスクロース脂肪酸エステルなどの水溶性ポリマー、;ココアバター、パーム核油、綿実油、ひまわり油、および大豆油といった硬化植物油などの脂、;遊離脂肪酸およびそれらの塩、;モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、燐脂質、および、カルナウバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、カンデリラ蝋、セラック蝋、ミクロクリスタリン蝋およびパラフィン蝋などの蝋、;チョコレートなどの脂含有混合物、;硬質キャンディ形態を作るのに使用されるような、非晶質ガラスの形態の糖、および、フォンダン形態を作るのに使用されるような、過飽和溶液中の糖、;糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトールおよびエリトリトールなど)または熱可塑性澱粉などの炭水化物、;ならびに、例えば「グミ」糖菓形態を作るのに使用されるような、水含有量が約30%以下の、ゼラチンおよび他の親水コロイドの混合物などの低水分のポリマー溶液が、限定されずに含まれる。一実施形態では、熱反応材料は、脂、モノグリセリドおよびジグリセリドの混和物である。
【0060】
本発明の一実施形態では、流動可能な材料には、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースといったセルロースエーテル、または、例えば蝋質のトウモロコシ澱粉といった変性された澱粉などの薄膜形成材、;選択的に、例えばマルトデキストリンなどのポリカーボハイドレイト(polycarbohydrate);選択的に、例えばキサンタンガムまたはカラギーナンなどの親水コロイド、または、例えばスクロースなどの糖、;ならびに、選択的に、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ひまし油などの植物油、グリセリン、およびそれらの混合物などの可塑剤が含まれてよい。
【0061】
当業分野で既知のいかなる薄膜形成材も、熱反応材料として使用されるのに適している。適切な薄膜形成材の例には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、プルラン、メチルエチル澱粉、カルボキシメチル澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ−ス(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース(HEMPMC)、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー、ポリエチレンオキシドおよびポリビニルピロリドンコポリマー、ゼラチン、ホエイプロテイン、アルブミン、カゼインおよびカゼインアイソレートといった凝固可能なプロテイン、大豆プロテインおよび大豆プロテインアイソレートなどのプロテイン、予めゼラチン化された澱粉、ならびに、それらのポリマー、誘導体および混合物が、限定されずに含まれる。
【0062】
適切な、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの一化合物は、HPMC 2910であり、HPMC 2910は、約1.9の置換度(degree of substitution)および0.23のヒドロキシプロピルモル置換(molar substitution)を有し、かつ、化合物の総重量に基づき、約29%〜約30%のメトキシル基、および、約7%〜約12%のヒドロキシルプロピル基を含有する、セルロースエーテルである。HPMC 2910は、商品名「METHOCEL E」としてDow Chemical Companyから市販されている。METHOCEL E5は、本発明での使用に適したHPMC−2910の1つの等級であり、ウベローデ(Ubbelohde)粘度計による測定では、20℃で2%水溶液中において、約4〜6cps(4〜6ミリパスカル-秒)の粘着性を有する。同様に、METHOCEL E6は、本発明での使用に適したHPMC−2910の別の等級であり、ウベローデ(Ubbelohde)粘度計による測定では、20℃で2%水溶液中において、約5〜7cps(5〜7ミリパスカル-秒)の粘着性を有する。METHOCEL E15は、本発明での使用に適したHPMC−2910の別の等級であり、ウベローデ(Ubbelohde)粘度計による測定では、20℃で2%水溶液中において、約15000cps(15ミリパスカル-秒)の粘着性を有する。本明細書で使用される「置換度」とは、無水グルコースの環に結びついた置換基の平均数を意味し、「ヒドロキシプロピルモル置換」とは、1モル無水グルコース当りのヒドロキシプロピルのモル数を意味するものとする。
【0063】
本明細書で使用される「変性された澱粉」とは、架橋によって変性された澱粉、安定性の改善のために化学的に変性された澱粉、または、溶解特性の改善のために物理的に変性された澱粉を含むものとする。本明細書で使用される「予めゼラチン化された澱粉」または「インスタント化された澱粉」とは、予め湿らされ、次に乾燥されて、冷水での溶解性が高められた、変性された澱粉をいう。適切な変性された澱粉は、例えば、A.E. Staley Manufacturing CompanyおよびNational Starch & Chemical Companyなど、いくつかの供給業者から市販されている。適切な変性された一澱粉には、National Starch & Chemical Companyから市販されているPURITY GUM 59などの予めゼラチン化された蝋質のトウモロコシ誘導澱粉、ならびにそれらの誘導体、コポリマー、および混合物が含まれる。このような蝋質のトウモロコシ澱粉は、典型的には、澱粉の総重量に基づいて、約0%〜約18%のアミロース、および、約100%〜約88%のアミロペクチンを含有している。
【0064】
適切なタピオカデキストリンには、商品名「CRYSTAL GUM」または「K−4484」としてNational Starch & Chemical Companyから販売されるもの、および、それらの誘導体である、商品名「PURITY GUM 40」としてNational Starch and Chemicalから入手可能である、タピオカ由来の変性された食品澱粉など、ならびに、それらのコポリマーおよび混合物が含まれる。
【0065】
適切な親水コロイド(本明細書でゲル化ポリマーともいわれる)の例には、アルギナート、寒天、グアールガム、イナゴマメ、カラギーナン、タラ(tara)、アラビアゴム、トラガカントゴム、ペクチン、キサンタン、ジェラン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスチュラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ウェラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン質、キトサン、ならびに、それらの誘導体および混合物が、限定されずに含まれる。
【0066】
適切なキサンタンガムには、商品名「KELTROL 1000」、「XANTROL 180」、または「K9B310」としてC.P. Kelco Companyから入手可能なものが含まれる。
【0067】
加熱されると成型および成形されることが可能な熱可塑性材料は、熱反応材料として使用されるのに適しており、水溶性および非水溶性ポリマーの双方を含み、それらは、一般に直線的であり、また、隣接するポリマー鎖に、架橋および強い水素結合をしていない。適切な熱可塑性材料の例には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸セルロース(CA)、エチルセルロース(EC)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、プロピオン酸セルロースなどの化学的に変性されたセルロース誘導体、;ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルピロリドン(PVP)などのビニルポリマー、;熱可塑性澱粉、;熱可塑性ゼラチン、ゼラチン、大豆プロテインアイソレート、ホエイプロテイン、筋原線維プロテイン、および、乳由来のカゼイン塩プロテインなどの天然のおよび化学的に変性されたプロテイン;ならびに、それらの誘導体および組み合わせが、含まれる。
【0068】
製薬分野で既知のいかなる可塑剤も、流動可能な材料において使用されるのに適しており、ポリエチレングリコール;グリセリン;ソルビトール;クエン酸トリエチル;クエン酸トリブチル(tribuyl citrate);セバシン酸ジブチル(dibutyl sebecate);ひまし油などの植物油;ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、およびジオクチルソジウムスルホサクシネートなどの表面活性剤;プロピレングリコール;グリセリン一酢酸エステル;グリセリン二酢酸エステル;グリセリン三酢酸エステル;天然ゴム、およびそれらの混合物を、限定せずに含んでよい。セルロースエーテル薄膜形成材を含有する溶液では、選択的な可塑剤が、溶液の総重量に基づいて、約0%〜約40%の量で、存在してもよい。
【0069】
当業分野で既知のいかなる増粘剤も、選択的に熱反応材料に加えられてよい。追加的な適切な増粘剤には、シクロデキストリンおよび結晶化可能な炭水化物など、ならびに、それらの誘導体および組み合わせが、限定されずに含まれる。適切な結晶化可能な炭水化物には、単糖類およびオリゴ糖が含まれる。単糖類のうち、例えばアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースのD異性体およびL異性体などのアルドヘキソース、ならびに、例えばフルクトースおよびソルボースのD異性体およびL異性体などのケトヘキソースが、例えばグルシトール(ソルビトール)およびマンニトールなど、それらの水素化された類似物と共に、好ましい。オリゴ糖のうち、1、2二糖スクロースおよびトレハロース、1、4二糖麦芽糖、乳糖、およびセロビオース、および1、6二糖ゲンチオビオースおよびメリビオース、ならびに三糖ラフィノースが、イソマルツロースとして知られるスクロースの異性体化した形態、および、その水素化された類似型のイソマルトと共に、好ましい。還元する二糖(麦芽糖および乳糖など)の他の水素化された形態、例えば、マルチトールおよびラクチトールもまた、好ましい。さらには、例えばD体およびL体のリボース、アラビノース、キシロース、およびリキソースなど、アルドペントースの水素化された形態、ならびに、D体およびL体のエリトロースおよびトレオースなど、アルドテトロースの水素化された形態が適しており、それぞれ、キシリトールおよびエリトリトールがよい例である。
【0070】
流動可能な材料は、選択的に、補助剤または賦形剤を含んでよく、それらは流動可能な材料の約20重量%以下を構成してよい。適切な補助剤または賦形剤の例には、粘着性除去剤(detackifiers)、湿潤剤、表面活性剤、消泡剤、着色料、香味料、甘味料、および乳白剤などが含まれる。一実施形態では、流動可能な材料は、5%未満の湿潤剤を含むか、あるいは、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、キシリトールまたはプロピレングリコールなどの湿潤剤を実質的にもたない。湿潤剤は、慣例的に、米国特許第5,146,730号および第5,459,983号に開示されるような、纏着工程(enrobing processes)で用いられる予め形成された薄膜に含まれており、工程の間、薄膜の適度な可撓性または可塑性、および接着性を保証する。湿潤剤は、水と結合し、その水を薄膜に保つことにより機能する。纏着工程で使用される予め形成された薄膜は、典型的に、45%以下の水を含むことができる。不利益なことに、湿潤剤の存在は、乾燥工程を長引かせ、完成剤形の安定性に不利な影響を及ぼし得る。
【0071】
別の実施形態では、コア部は、中空の、または、中が取り除かれたコア部であってよい。例えば、コア部は、空のカプセルシェルであってよい。あるいは、中空のコア部が、例えば、射出成型またはシェル成型によって準備されてよい。このような一方法では、流動可能な材料が、鋳型空洞に注入され、次に空洞は、コア部の外側表面(鋳型と接触している)が凝固または硬化し始める温度にされる。次に、コア部の中心からの過剰な流動可能材料が、例えばピストンポンプなどの適切な手段を使用して、鋳型から引き出される。このような別の方法では、空のカプセルが副コア部として使用され、例えば、米国特許出願公開第20030086973号に記載されるように、噴霧被覆、浸漬被覆、射出循環成型など、当業分野で既知の方法によって、空のカプセルに被覆層が形成される。本発明の、ある実施形態では、コア部は、例えば、噴霧、圧縮または成型など、当業分野で既知の方法で適用された、前述の副被覆のいずれかをさらに含んでよい。本発明の、ある他の実施形態では、コア部は、実質的に副被覆をもたなくてよい。
【0072】
本発明の別の実施形態では、コア部は、1つまたは複数の挿入部を少なくとも部分的に含有する。挿入部は、いかなる形状または寸法に作られてもよい。例えば、1つのみの対称軸を有する形状である、不規則に成形された挿入部が作られてもよい。また、円筒形に成形された挿入部が作られてもよい。挿入部は、パンニング(panning)、圧縮、または成型などの従来技術を使用して作られてよい。一実施形態では、挿入部は、本明細書に記載されるように射出成型方法および器具を使用して準備される。
【0073】
本発明の一実施形態では、挿入部は、約100〜約1000μmの平均直径を有してよい。本発明の別の実施形態では、挿入部は、コア部の直径または厚さの約10%〜約90%の平均直径または厚さを有してもよい。本発明のさらに別の実施形態では、コア部は、複数の挿入部を含んでよい。
【0074】
別の実施形態では、挿入部は、コア部の直径または厚さの約90%を上回る平均直径、長さ、または厚さを有してよく、例えば、挿入部は、コア部の厚さの約100%よりも長い平均長さを有してもよい。
【0075】
本発明の別の実施形態では、コア部、挿入部(用いられた場合)、はめ込まれた部分、または、それらの任意の組み合わせは、マイクロエレクトロニクス装置(例えば、電子「チップ」)を含んでよく、その装置は、アクティブな構成要素として、または、例えば、入力信号に応じて、コア部または挿入部の内部の有効成分の放出率を制御するために、使用されてよい。こうしたマイクロエレクトロニクス装置の例は、以下のとおりである。
【0076】
(1)完全に一体化したバイオセンサー、電子フィードバックおよび薬剤/対抗策(drug/countermeasure)放出装置を含む、一体化した自動調整反応治療装置。このような装置は、遠隔測定法および人の介在の必要性を排除し、例えば、参照によって本明細書に含まれる、www.chiprx.com/products.htmlに開示されている。
【0077】
(2)ビデオカメラを含有する嚥下可能なカプセルを含む小型診断イメージングシステムであって、例えば、参照によって本明細書に含まれる、www.givenimaging.com/usa/default.aspに開示されている、システム。
【0078】
(3)腸内流体の内部のグルコース濃度の変化を検知し、かつ、外部の検知器およびデータ保存装置と連絡している、植え込み可能または挿入可能なセンサー装置を含む、皮下グルコースモニター。このような装置は、例えば、参照によって本明細書に含まれる、www.applied-medical.co.uk/glucose.htmに開示されている。
【0079】
(4)眼球内人工レンズの中にカプセル包囲されたマイクロディスプレイ視覚補助装置。このような装置は、動力供給、データおよびクロック修復の受信機、ならびに、シリコンCMOSドライバー回路および超小型光学器械に付けられた小型LEDアレイフリップチップ(miniature LED array flip-chip)を含み、例えば、参照によって本明細書に含まれる、http://ios.oe.uni-duisberg.de/e/に開示されている。マイクロディスプレイ装置は、眼球の外部に設置されたハイダイナミックレンジ(high dynamic range)CMOSカメラから、ビットストリーム+エネルギーワイヤレス信号を受信するもので、このCMOSカメラは、およそ1Mbit/sのデータレートで、デジタル信号加工ユニット(DAP)によりシリアルビットストリームに変換されるデジタル白黒映像を生成する。画像は、網膜に投影される。
【0080】
(5)損傷した網膜細胞を刺激するために使用されるマイクロチップ。このマイクロチップにより、損傷した網膜細胞が、黄斑変性または他の網膜障害をもつ患者の脳に視覚信号を送ることが可能となる。チップは2mmx25μmであり、およそ5000の微細太陽電池(「マイクロフォトダイオード」)を含有し、各電池が刺激電極を備える。これらマイクロフォトダイオードは、画像からの光エネルギーを電気化学インパルスに変換し、このインパルスが、加齢黄斑変性(AMD)および色素性網膜炎(RP)をもつ患者の網膜の残りの機能細胞を刺激する。このようなマイクロチップは、例えば、参照によって本明細書に含まれる、www.optobionics.com/artificialretina.htmに開示されている。
【0081】
(6)即時に結果を表示する、乳房生検用の使い捨て「スマート針」。この装置は、20〜21ゲージの使い捨て針に適合し、針は、疑わしい病変に挿入される際、コンピューターに接続される。装置は、酸素分圧、電気インピーダンス、温度、ならびに光の散乱および吸収特質を、酸素が分離されたヘモグロビン、血管新生、および組織密度を含め、測定する。6種の同時測定から得られる正確さの利点、および、装置の即時性によって、コア針生検処置で達成される正確さのレベルを上回り、外科的生検に関連する高レベルの正確さに近づくことが期待される。さらに、ガンが発見された場合、装置は、ガンマーカー、レーザー加熱、極低温技術、薬剤、および放射性シードなどの様々な治療を行うよう、構成され得る。こうした装置は、例えば、参照によって本明細書に含まれる、www.bioluminate.com/description.htmlに開示される。
【0082】
(7)中波長紫外線(UVB)への露出を計測および記録する器具グレードの(instrument grade)装置であり、腕時計の表面に適合する、パーソナルUV−Bレコーダー。これらはまた、パッチとして装着されてもよい。
【0083】
コア部は、様々な異なる形状および密度であってよい。一実施形態では、コア部は、約0.7g/cc〜約3.0g/ccの密度を有してよい。異なる形状に関しては、一実施形態では、コア部は、切頭円錐形の形状であってよい。他の実施形態では、コア部は、立方体、角錐形、もしくは角柱形など、多面体として成形されてよく、または、円錐形、円柱形、球体、もしくは円環体など、平坦でない面をいくつか有する空間図形の幾何学構造を有してよい。用いられてよいコア部形状の例には、「エリザベス社錠剤設計トレーニングマニュアル(The Elizabeth Companies Tablet Design Training Manual)」(Elizabeth Carbide Die Co., Inc., p.7 (ペンシルベニア州マッキーズポート(McKeesport, Pa.))(参照によって本明細書に含まれる)に記載される圧縮用具形状(compression tooling shapes)から形成される、以下のような錠剤の形状が含まれる(錠剤形状は、圧縮用具の形状に反転して一致する)。
浅い凹形
標準的な凹形
深い凹形
極深い凹形
変形した球状凹形
標準的な凹形バイセクト(Standard Concave Bisect)
標準的な凹形二重バイセクト
標準的な凹形ヨーロピアンバイセクト
標準的な凹形部分バイセクト
二重半径(Double Radius)
ベベルおよび凹形(Bevel & Concave)
フラットプレーン
フラット面付き斜角エッジ(F.F.B.E.)
F.F.B.E.バイセクト
F.F.B.E.二重バイセクト
環形
ディンプル形
楕円形
卵形
カプセル形
矩形
正方形
三角形
六角形
五角形
八角形
ひし形
矢じり形
弾丸形
樽形
半月形
盾形
ハート形
アーモンド形
ハウス/ホームベース形
平行四辺形
台形
8の字/バーベル形
蝶ネクタイ形
不等辺三角形
【0084】
コア部もしくは副コア部は、選択的に、圧縮された、成型された、または、噴霧された副被覆によって、少なくとも部分的に覆われてよい。しかしながら、別の実施形態では、コア部は、実質的に副被覆をもたなくてもよく、つまり、コア部の外側表面と、シェルの内側表面との間に位置付けられた副被覆は存在しない。錠剤を薄膜で被覆するのに適切な、いかなる組成物も、本発明に基づいて、副被覆として使用されてもよい。適切な副被覆の例には、例えば、米国特許第4,683,256号、第4,543,370号、第4,643,894号、第4,828,841号、第4,725,441号、第4,802,924号、第5,630,871号、および第6,274,162号などに開示されるものが、限定されずに含まれる。追加的な適切な副被覆には、以下の成分のうち1つまたは複数が含まれてよい。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースエーテル;キサンタンガム、澱粉、およびマルトデキストリンなどのポリカーボハイドレイト(polycarbohydrate);例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セバシン酸ジブチル(dibutyl sebecate)、クエン酸トリエチル、ひまし油などの植物油、ポリソルベート-80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびジオクチルソジウムスルホサクシネートなどの表面活性剤などを含む可塑剤;ポリカーボハイドレイト、顔料、および乳白剤。
【0085】
一実施形態では、副被覆は、米国特許第5,658,589号に開示されるように、副被覆の総重量に基づいて、例えば約4%〜約6%など、約2%〜約8%の水溶性セルロースエーテル、および、約0.1%〜約1%のひまし油を含んでよい。別の実施形態では、副被覆は、副被覆の総重量に基づいて、例えば約25%〜約40%など、約20%〜約50%のHPMC;例えば約50%〜約70%など、約45%〜約75%のマルトデキストリン;および、例えば約5%〜約10%など、約1%〜約10%のPEG 400を含んでよい。
【0086】
一実施形態では、副被覆および/または最上部被覆は、コア部の反射率を最大化するよう作用する効果顔料(effect pigment)を含んでよい。適切な効果顔料の例には、米国特許第6,627,212号に開示されるような平らな(platy)二酸化チタン;および、商品名「CANDURIN」としてEMD Chemicals Inc.から市販されているような、遷移金属酸化物被覆された板状雲母が、限定されずに含まれる。Pfaff, G.およびReynders, P.の「薄膜および顔料のマイクロメートル以下の構造に由来する角度依存の光学的効果(Angle-dependent Optical Effects Deriving from Submicron Structures of Films and Pigments)」99ケミカルレビュー(99 Chem. Rev.) 1963〜1981(1999年)も参照されたい。剤形が副被覆を含有する実施形態では、剤形は、剤形の総重量に基づいて、約1%〜約5%の副被覆を含有してよい。
【0087】
本発明の一実施形態では、コア部のみが、1つまたは複数の有効成分を含む。本発明の別の実施形態では、シェルの第2部分のみが、1つまたは複数の有効成分を含む。本発明のさらに別の実施形態では、挿入部のみが、1つまたは複数の有効成分を含む。本発明のさらに別の実施形態では、コア部および第1シェル部分の双方、および/または第2シェル部分が、1つまたは複数の有効成分を含む。本発明のさらに別の実施形態では、コア部、第1シェル部分、第2シェル部分、または挿入部のうちの1つまたは複数が、有効成分のうち1つまたは複数を含む。選択的に、いずれの被覆も、1つまたは複数の有効成分をさらに含んでよい。コア部4もまた、選択的に有効成分を含有してよく、この有効成分は、第1シェル部分14および第2シェル部分15に含有される有効成分と同じであっても、異なっていてもよい。
【0088】
被覆の第1および第2部分は、前述の熱反応材料から作られてよく、食用および製薬用のための熱反応材料は、食品および調合薬での使用が認可されているいかなる材料であってもよく、成型が可能なものであり、例えば、薄膜形成材、低融点疎水性材料、ゲル化ポリマー、増粘剤、可塑剤、補助剤、および、賦形剤などが含まれる。
【0089】
第1部分14および第2部分15で使用されるのに適した流動可能な材料は、典型的には世界各地での剤形の保存、輸送、および使用の際に受ける湿度変化および温度変化に晒された場合、無作為パターンを保てなければならない。さらには、こうした流動可能な材料は、被覆された剤形が冷却し硬化した後、鋳型から容易かつ清潔に離れる必要がある。
【0090】
一実施形態では、第1部分14または第2部分15のいずれも、選択的に、香味料またはセンセイト(sensate)を含んでよい。本明細書で使用される「センセイト」とは、口、鼻、および/またはのどで、芳香または香味以外の知覚的効果を引き出す化学薬品である。このような知覚的効果の例には、冷却、加温、うずき、よだれ(汁気)、および、渋みなどが、限定されずに含まれる。本発明で使用されるのに適したセンセイト剤は、例えば、International Flavor & Fragrancesから市販されており、購入することができる。
【0091】
一実施形態では、第1部分または第2部分のうち少なくとも一方が、薄膜形成材、ゲル化ポリマー、低融点疎水性材料、結晶化不可能な糖または糖アルコール、および、それらの混合物から選択された材料の、例えば少なくとも約80%、または少なくとも約90%など、少なくとも約50%を含んでいる。別の実施形態では、第1部分または第2部分のうち少なくとも一方が、薄膜形成材、ゲル化ポリマー、低融点疎水性材料、およびそれらの混合物から選択された材料の、例えば少なくとも約80%、または少なくとも約90%など、少なくとも約50%を含んでいる。
【0092】
本発明の一実施形態では、流動可能な材料は、ゲル化ポリマーとしてゼラチンを含む。ゼラチンは、天然の熱ゲル化ポリマーである。ゼラチンの2つのタイプ、タイプAおよびタイプBが、通常、使用される。タイプAゼラチンは、酸処理された原材料の誘導体である。タイプBゼラチンは、アルカリ処理された原材料の誘導体である。ゼラチンのブルーム強度(Bloom strength)、組成、およびもとのゼラチンの加工条件だけでなく、ゼラチンの水分含有量が、液体と固体との間のゼラチンの転位温度を決める。ブルームとは、ゼラチンゲルの強度の標準的基準であり、分子量におおよそ相関する。ブルームは、17時間の間10℃に保持された6.67%のゼラチンゲルの中へ直径12.7mm(0.5インチ)のプラスチックプランジャーを4mm移動させるのに必要なグラム重量として規定される。一実施形態では、流動可能な材料は、20%の275ブルームの豚皮膚ゼラチン(pork skin gelatin)、20%の250ブルームの骨ゼラチン(Bone Gelatin)、および、およそ60%の水、を含む水溶液である。一実施形態では、第1部分または第2部分のうち少なくとも一方は、例えば約200〜約275など、約150〜約300のブルームを有するゼラチンを含んでいる。
【0093】
本発明の別の実施形態では、剤形の第1部分または第2部分のうち少なくとも一方は、薄膜形成材、ゲル化ポリマー(親水コロイド)、熱可塑性材料、低融点疎水性材料、結晶化不可能な糖、およびそれらの混合物から選択された材料を、例えば少なくとも約90%など、少なくとも約80%を含んでいる。
【0094】
一実施形態では、第1部分14および第2部分15は、実質的に同時にコア部に適用される。あるいは、第1部分および第2部分は、コア部外側表面3に逐次、適用されてもよい。
【0095】
シェルの無作為パターンが、第1部分14に第1の色を、および、第2部分15に第2の色を有することによって明示される一実施形態では、色は、所望される色の色合いに基づいて、レーキまたは染料の形態で、前述の流動可能な材料に、加えられてよい。別の実施形態では、第1部分および/または第2部分のうち少なくとも一方の色は、蛍光性のダイの形態で存在してもよい。偽造防止手段が重要となる別の実施形態では、第1部分および/または第2部分を形成する溶液は、白色光の波長以外の波長、例えばブラックライトまたは赤外線の波長の下で可視化され得る薬品をさらに含んでよい。
【0096】
別の実施形態では、シェルの無作為パターンは、第1部分の不透明度に対し、第2部分において10%以上のレベルの不透明度を有することによって、明示される。不透明度の量は、二酸化チタンなどの乳白剤の添加によって、所望されるレベルに調整され得る。
【0097】
無作為パターンを含有するシェルは、当業分野において既知のいかなる成型方法によっても、コア部の表面に適用されてよい。本発明の一実施形態では、被覆は、上記され、かつ、例えば米国特許公開第2003/0068367号に記載されるように、熱硬化射出成型または熱循環射出成型を使用して、剤形の表面に適用される。代替的な実施形態では、被覆は、例えば米国特許第4,820,524号に開示されるように、既知の浸漬方法によってコア部に適用されてよい。さらに別の代替的な実施形態では、無作為パターンを有する薄膜は、例えば米国特許第6,482,516号および第5,146,730号に開示されるように、既知の纏着方法を使用してコア部に纏着されてもよい。
【0098】
図3〜図5に図示されるように、流動可能な材料は、剤形2のコア部4を被覆する所望の時まで、1つまたは複数の供給タンクまたは貯蔵部110内に保持されてよい。図3に示される一実施形態では、流動可能な材料は、1つまたは複数の注入器ポート502に接続された、1つまたは複数の供給ライン503によって、剤形の所望の場所へと貯蔵部110から送られてよい。貯蔵部110は、第1の特徴を有する第1シェル溶液を含有しており、第2の特徴を有する第2シェル溶液を含有する放散装置101に嵌合される。基盤への適用点での溶液の混合が重要となる一実施形態では、第2シェル部分溶液は、第1シェル部分溶液の粘着性よりも少なくとも10%大きい粘着性を有してよい。
【0099】
一実施形態では、放散装置101は、この装置を通る中央孔部100を有するいかなる形状であってもよい。中央孔部100の形状は、重大ではないが、放散装置101の全体的な形状は、例えば、ドーナツ形、正方形フレーム、矩形フレーム、三角形フレームなどのような形であってよい。本実施形態では、装置101は、少なくとも1つの通路孔部102が通る内側装置壁103を有し、および/または、装置の外側装置壁104を通る少なくとも1つの通路孔部102'を有する。代替的な実施形態(不図示)では、放散装置101は、内側装置壁を有さないが、外側装置壁104を通る少なくとも1つの通路孔部102'を有してもよい。当業者であれば、過度な実験をすることなく容易に理解されるであろうが、孔部102の数、寸法、および配列は、結果的に生じる被覆6の第2部分の量および形状に影響を及ぼす。放散装置101は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、鋼、およびチタンなどの金属;プラスチック、ゴム、およびポリマーなどの非金属材料;または、粘着性のない表面材料で被覆された上記のいずれかなど、溶液と相互に作用しない、製薬学上許容されるいかなる材料を含んでもよい。
【0100】
一実施形態では、固体または半固体の状態の水分散性熱反応材料を含むブロックが、放散装置101に挿入されてよい。本明細書で使用される「固体または半固体の状態」とは、液体または気体と同様には流動することが不可能な硬質または軟質の状態を意味する。本実施形態では、ブロックは、第2シェル部分を形成する材料であって、図3に図示されるような放散装置101の内部に設置されて、第1溶液の正の圧力に晒された場合、第1シェル部分溶液内にゆっくりと溶解することが可能な材料で形成されてよい。本実施形態におけるブロックに適した材料には、例えば、ゼラチン、カラギーナン、ヒプロメロース、ジェランガム、融解可能な蝋、およびポリエチレングルコールなどの熱反応材料のいずれかと組み合わさった着色料が、限定されずに含まれる。一実施形態では、ブロックは、35℃より高い温度で、ゼラチンと、少なくとも約10重量パーセント以下の着色料との水溶液を形成し、次に結果として生じた溶液を、10℃〜30℃の間の温度で、放散装置の形状で準備されたゴム、プラスチックまたは金属の鋳型でゲル化することによって、準備されてよい。ゲル化されたブロックは、次に、20℃〜50℃で乾燥され、鋳型から取り除かれる。
【0101】
放散装置101は、貯蔵部110内部のいかなる場所に装着されてもよく、放散装置内の内容物をゆっくりと周囲の溶液の中に流出させることができるようにする。一実施形態では、放散装置101は、供給タンクの内側壁を放散装置の外側壁に取り付ける、例えばステンレス鋼ブラケット109など、当業分野で既知の固定手段によって、供給タンク110の底部近くに固定される。
【0102】
作動の際、第1シェル溶液の温度は、例えば約50℃〜約90℃など、約30℃〜約200℃の範囲にわたってよく、第2シェル溶液の温度は、例えば、約20℃〜約90℃など、約20℃〜約200℃の範囲にわたってよい。第1溶液が装置101の中央孔部100を通過すると、第1溶液は、通路孔部102で第2溶液と接触し、第2溶液を融解させ、第1被覆溶液と混和させる。結果として生じた混和された溶液は、弁504を有する注入器ポート502に接続された供給ライン503を通して貯蔵部110から分配され、次に、例えば米国特許公開第2003/0068367号に開示されるように、射出成型によって基盤に適用されてよい。
【0103】
図4は、第1隔室201および第2隔室202を有する1つの貯蔵部210が、第1の特徴を有する第1シェル溶液および第2の特徴を有する第2シェル溶液をそれぞれ入れられてよい、別の実施形態を図示している。各溶液は、独立してスタティックミキサー203の中に流出し、スタティックミキサーが、第2溶液を第1溶液と混和させる。2つの溶液の間の混合の程度は、スタティックミキサーの速度により制御され、よって、ミキサーの中への2つの溶液の流量に依存している。当業者であれば容易に理解するであろうが、各溶液の流量は、それぞれ、貯蔵部210に正の空気圧を加えることによって制御されてよく、典型的には、圧力は約5psi〜約50psiの範囲にわたってよい。結果として生じた混和された溶液は、逆止弁220を有する注入器ポート500にミキサー203から分配されて、射出成型によって基盤に適用されてよい。
【0104】
図5に示されるさらに別の代替的な実施形態では、第1シェル溶液を含有する第1貯蔵部301、および、第2シェル溶液を含有する第2貯蔵部302は、スタティックミキサー304が装備された供給ライン303A、303Bによって接続されている。2つの溶液の間の混合の程度は、スタティックミキサーの速度によって制御され、よって、ミキサーの中への2つの溶液の流量に依存している。当業者であれば容易に理解するであろうが、各溶液の流量は、それぞれ、貯蔵部210に正の空気圧を加えることによって制御されてよく、典型的には、圧力は約5psi〜約50psiの範囲にわたってよい。結果として生じた混和された溶液は、逆止弁320を有する注入器ポート600にミキサー304から分配されて、その後、射出成型によって基盤に適用されてよい。
【0105】
別の実施形態では、上記の工程のうちいずれかの結果として生じた混和された溶液は、例えば米国特許第4,820,524号に開示されるように、浸漬工程によって基盤へ適用するため、別個の貯蔵部(不図示)に加えられてもよい。別の代替的な実施形態では、結果として生じた混和された溶液は、予め作られた薄膜として乾燥されて、次に、例えば米国特許第6,482,516号および第5,146,730号に開示されるように、纏着工程で基盤に適用されてもよい。
【0106】
図示されてはいないが、3つ以上の異なる溶液を必要とする実施形態で使用される複数の貯蔵部および供給ラインを配列することが可能である。
【0107】
米国特許公開第2003/0068367号の図48〜図52により詳しく示されるように、各注入器ポート502の底部に位置付けられた先端部または弁504は、上部鋳型506の表面の孔部505を通過する。本発明によれば、部分的に混和された、所望量の流動可能な材料は、先端部または弁504を通過して空洞501へと入ってよい。次に、弁504が閉じられ、よって、成型期間中、孔部505が閉じられる。孔部505の場所は、流動可能な材料が、剤形510を含有する鋳型の中に注入され得る限りにおいて、重大ではない。国際公開第03/028990号の図52、図53、および図54も参照されたい。
【0108】
上部鋳型506は、剤形用のホルダーもしくは「コレット」、または、下部鋳型507のいずれかに係合する。上部鋳型506および下部鋳型507は、成型された剤形を生成するため長さに沿った形で移動するものとして図示されているが、これら部品の作動方向は重大ではない。
【0109】
鋳型に所望量の流動可能な材料が充填された後、次に、閉じられた鋳型は、剤形の流動可能な材料を硬化させるのに十分な時間にわたって、適する温度まで調節されてよい。こうしたパラメーターは、例えば流動可能な材料のタイプおよび量に基づいて、変化してよいが、典型的には、成型温度は約50℃〜約120℃であり、成型時間は約1秒〜約10秒である。
【0110】
一実施形態では、剤形は、2つの面、および、それら面の間の腹帯を有するコア部、ならびに、少なくとも一方の面の表面を実質的に覆う、約100μm〜約400μmの厚さを有するシェルを含有する。他方の面の表面は、組成的に、かつ/または、視覚的に、シェルとは異なっていてよい。シェルは、当該シェルの総重量に基づいて、約50%未満の結晶化可能な糖を含有してよい。
【0111】
図2に図示されるように、無作為パターンを有する被覆がコア部の所望の場所に適用された後、次に、選択的な最上部被覆13が、例えば、噴霧、成型、または浸漬など、上記の被覆適用方法のうちいずれかによって、コア部材料の融解温度未満の温度で、コア部外側表面3に適用されてよい。コア部が、圧縮された粉末混和物である実施形態では、このような温度は、典型的には約5℃〜約120℃の範囲にわたってよい。
【0112】
図2に図示されるように、剤形は、シェル6の上部第1表面8に備わる、選択的な透明または半透明の最上部被覆16を含有してよい。最上部被覆に含めるのに適切なポリマーには、ポリビニルアルコール(PVA)、;ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、プルラン、メチルエチル澱粉、カルボキシメチル澱粉、事前にゼラチン化された澱粉、および薄膜形成する変性された澱粉などの水溶性ポリカーボハイドレイト、;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)、およびヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロース(HEMPMC)などの水膨張可能なセルロース誘導体、;メタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールコポリマー、ポリエチレンオキシドおよびポリビニルピロリドンコポリマーなどの水溶性コポリマー、;ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアセテートコポリマー、;ならびに、それらの誘導体および組み合わせが含まれる。最上部被覆に含めるのに適切な、薄膜形成する非水溶性ポリマーには、例えば、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、酢酸セルロースおよびその誘導体、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸コポリマーなど;ならびに、それらの誘導体、コポリマー、および組み合わせが含まれる。最上部被覆に含めるのに適切な、薄膜形成するpH依存(pH-dependent)ポリマーには、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸琥珀酸ヒロドキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose acetate succinate)、酢酸フタル酸セルロースなどの腸溶性セルロース(enteric cellulose)誘導体;セラックおよびゼインなどの天然樹脂、;例えば、ポリビニルアセテートフタレート(polyvinylacetate phthalate)、酢酸フタル酸セルロース、アセトアルデヒドジメチルセルロースアセテート(acetaldehyde dimethylcellulose acetate)などの腸溶性アセテート(enteric acetate)誘導体、;および、例えば、商品名「EUDRAGIT S」としてRohm Pharma GmbHから市販されている、ポリ(メタクリル酸、メタクリル酸メチル)(poly(methacrylic acid, methyl methacrylate))1:2、および、商品名「EUDRAGIT L」としてRohm Pharma GmbHから市販されているポリ(メタクリル酸、メタクリル酸メチル)1:1といったポリメタクリル酸エステルに基づくポリマー;商品名「EUDRAGIT E」としてRohm Pharma GmbHから市販されているポリ(メタクリル酸ブチル(ジメチルアミノエチル)メタクリレート、メタクリル酸メチル)(poly (butyl methacrylate (dimethylaminoethyl)methacrylate, methyl methacrylate))などの腸溶性アクリレート(enteric acrylate)誘導体、;ならびに、それらの誘導体、塩、コポリマー、および組み合わせが含まれる。
【0113】
一実施形態では、最上部被覆13は、高い剛性を有する被覆、つまり、例えば、通常の製造、取り扱い、輸送、保存および使用の条件に晒された場合に、無作為パターンの変形を防止するのに十分な降伏値を有する被覆を含む。高い剛性を有する適切な最上部被覆には、例えば、当業分野でよく知られた、引っ張り強さの高い薄膜形成材などの薄膜形成材が含まれる。引っ張り強さの高い適切な薄膜形成材の例には、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルコポリマー、;ポリビニルピロリドン、;酢酸セルロース、;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ポリエチレンオキシド、および、ポリビニルアルコールであって、商品名「Kollicoat IR」としてBASFから市販されているもの、;エチルセルロース、;ポリビニルアルコール、;ならびに、それらのコポリマー、および混合物が、限定されずに含まれる。
【0114】
一実施形態では、最上部被覆には、HPMC、ポリビニルピロリドン、商品名「EUDRAGIT E」として販売されているアミノアルキルメタクリレート(aminoalkyl-methacrylate)コポリマー、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物から選択された、水溶性の高剛性の薄膜形成材が含まれてよい。
【0115】
高い透明度が特に重要となる実施形態では、最上部被覆には、商品名「EUDRAGIT E」として販売されているアミノアルキル‐メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシドおよびポリビニルアルコール、エチルセルロース、ならびにポリビニルアルコールセラックなどのアクリレートから選択された、高透明度の高剛性薄膜形成材が含まれてよい。
【0116】
一般に、最上部被覆の厚さは、約50μm〜約200μmの範囲にわたってよく、最上部被覆の剛性は、厚さが増すにつれ、増加する。
【0117】
一実施形態では、剤形は、剤形の総乾燥重量に基づき、例えば約5%〜約30%など、約1%〜約40%の、無作為パターンを有するシェル、および、例えば約2%〜約10%など、約0.1%〜約10%の最上部被覆を含有してよい。シェルは、シェルの総重量に基づいて、例えば約50%〜約80%など、約50%〜約99%の第1部分、および、例えば約1%〜約40%など、約1%〜約50%の第2部分を含有してよい。
【0118】
最上部被覆13は、例えば、米国特許第4,683,256号、第4,543,370号、第4,643,894号、第4,828,841号、第4,725,441号、第4,802,924号、第5,630,871号、および第6,274,162号に開示される噴霧被覆、;米国特許第5,089,270号、第5,213,738号、第4,820,524号、第4,867,983号、および第4,966,771号に開示される浸漬被覆、;または、米国特許出願公開第2003−0219484 A1号に開示される射出成型など、当業分野で既知のいかなる手段によって適用されてもよい。
【0119】
有利には、本発明の実施形態に基づき生成される剤形は、使用者が銘柄を識別するのを助けるだけでなく、模造品の剤形を管理および発見するのに役立つ、独自の製品識別外観をもっていてよい。
【0120】
さらに、剤形は、食用に不適切な金属、染料、着色料、およびインク顔料を使用することなく、独自の外観をもつことができるよう、他の洗面具、化粧品、健康管理用品(healthcare)、食料品に対してだけでなく、剤形に対して、独自の可視的効果、色彩効果、およびイメージを、有利に与えることもできる。一実施形態では、剤形のシェルの明るさは、輝く明るい色が付けられた、例えば白色の、反射表面を有するコア部を使用することによってさらに高められてもよい。本明細書で使用される「輝く」または「非常に光沢のある」とは、コア部、基盤、または剤形が、例えば約200〜約300など、少なくとも200の表面光沢度をもつことを意味する。本明細書で使用される「表面光沢度」とは、米国特許出願公開第20030072731号の例7に示される方法を使用して60度の入射角で測定される光の反射率の量をいう。例えば、非常に光沢のある効果が所望される実施形態では、コア部は、ソルビトール、キシリトール、およびマンニトールなどのポリオールを含むか、または、米国特許第6,248,391号、第6,274,162号、第5,468,561号、第6,448,323号、第6,183,808号、および第5,662,732号、ならびに国際公開第2004 073582号に開示されるように、例えばプルランを含む副被覆および他の副被覆で被覆されてもよい。
【0121】
さらには、本発明の剤形は、有益なことに、経済的に使用できるだけでなく、現行の製造技術に適合してもいる、器具および工程を用いて作ることができる。
【0122】
本発明は、以下の例によってさらに説明され、以下の例は、いかようにも本発明を制限しようとするものではない。本発明は、具体的な実施形態の参照により説明されているが、当業者には明らかなように、本発明の範囲に明確に含まれる様々な変更および改変が、なされ得る。
【0123】
〔例〕
例1:無作為被覆を備えた圧縮アセトアミノフェン錠剤
以下の表Aに示される処方(formula)を有するアセトアミノフェン錠剤が、回転錠剤プレスで圧縮される。
【表1】

【0124】
錠剤は、一旦形成されると、射出成型器具に移送され、錠剤の一部が注入器先端部の下に位置付けられるように、鋳型の空洞に置かれる。
【0125】
白色ゼラチン溶液の準備
Geltia Corporationから市販されている豚皮膚ゼラチン顆粒(275ブルーム)が、60℃の温度の湯の入った容器内で溶解され、約50RPMの速度で混合されて、35%の溶液が作り出される。商品名「Opatint White」としてColorcon, Inc.から市販されている白色着色料が、この溶液に加えられ、1%の着色料を含有する溶液が作り出される。
【0126】
約2500cps〜約3000cpsの粘着性を有する、結果として生じた白色溶液は、射出形成の前に55℃で維持される。
【0127】
青色ゼラチン溶液の準備
Geltia Corporationから市販されている豚皮膚ゼラチン顆粒(275ブルーム)が、60℃の温度の湯の入った容器内で溶解され、約200RPMの速度で混合されて、35%溶液が作り出される。商品名「Opatint Blue」としてColorcon, Inc.から市販されている青色着色料が、この溶液に加えられ、1.5%の着色料を含有する溶液が作り出される。
【0128】
約2500cps〜約3000cpsの粘着性を有する、結果として生じた青色溶液は、射出形成の前に55℃で維持される。
【0129】
青色ゼラチンブロックの準備
次に、約800gの青色ゼラチン溶液が、50mmの中央孔部を有する、予め形成された円筒形のゴム鋳型に加えられ、20℃の温度でゲル化される。次に、ゲル化された塊が取り除かれ、25℃で24時間乾燥され、約300gの乾燥重量を有するゼラチンブロックを形成する。
【0130】
射出成型工程
青色ゼラチンブロックは、底部、および、内側円筒形壁に沿った5mmの3つの孔部を有する円筒形ステンレス鋼放散装置に挿入される。次に、装置の上にフタが置かれ、装置は、図3に図示されるように、供給タンクに挿入される。青色ゼラチンブロックは、約25℃の温度である。次に、2リットルの白色ゼラチン溶液が、供給タンクに入れられ、55℃の温度で維持される。弁504が開放されると、供給タンクの空気圧が約30psiに増加する。次に、白色ゼラチン溶液は、ゆっくりと装置101の中央孔部100を通過し、内側装置壁103の表面に沿って青色ゲルに接触する。青色ゼラチンが、近接して流出する白色ゼラチン溶液によって融解されると、青色ゼラチンは通路孔部102の外に放散し、白色ゼラチン溶液の中に混和し放散し始める。白色溶液は、放散された青色ゲルと結合して、注入器ポート502に流出する。この注入器ポートは、米国特許公開第2003/0068367号の図48〜図52に図示されるように、コア部含有鋳型に接続している。約10℃の温度の混和された溶液が、およそ132ミリリットル、同じく約10℃の温度に維持された鋳型に注入された後、鋳型は取り除かれる。次に、結果として生じた、無作為パターン外観を有する被覆されたコア部は、22℃、相対湿度35%の条件下で乾燥される。加わった被覆の重量は、被覆されていない圧縮錠剤のもとの重量に基づいて、約2%〜約40%である。
【0131】
例2:無作為被覆を備えた圧縮アセトアミノフェン錠剤
例1の工程が繰り返されるが、例1に記載された単一の供給タンクおよび放散装置101ユニットの代わりに、図4に図示される2つの隔室の供給タンクが用いられる。2つの隔室の供給タンクの一方の隔室には、例1の白色ゼラチン溶液が入れられ、他方の隔室には、例1の青色ゼラチン溶液が入れられる。白色ゼラチン溶液および青色ゼラチン溶液は、スタティックミキサー203内に流出し、このミキサーにより、並んで(in-line)2つの溶液が部分的に混合される。スタティックミキサー203内への2つの溶液の流量は、約2100ミリリットル/20秒である。結果として生じた混合された溶液は、次に、注入器ポート500へ流出する。
【0132】
例3:無作為被覆を備えた圧縮アセトアミノフェン錠剤
例1の工程が繰り返されるが、例1に記載された単一の供給タンクおよび装置101ユニットの代わりに、図5に図示される2つの独立供給タンクが用いられる。供給タンクのうちの一方には、例1の白色ゼラチン溶液が入れられ、他方の供給タンクには、例1の青色ゼラチン溶液が入れられる。白色ゼラチン溶液および青色ゼラチン溶液は、スタティックミキサー304を備えた輸送チューブ303を通って流出し、スタティックミキサーによって、2つの溶液が部分的に組み合わされる。スタティックミキサー304内への2つの溶液の流量は、約2100ミリリットル/20秒である。結果として生じた混合された溶液は、次に、注入器ポート500へ流出する。
【0133】
例4:無作為被覆を備えた錠剤の製造工程
例1の工程が繰り返されるが、米国特許公開第2003/0068367号(「‘367公開」)の14〜16頁に記載されるように、移送装置によって一続きに連結した2つの熱循環成型モジュールを有する器具を含む、連続射出成型製造工程が使用される。
【0134】
熱循環成型モジュールは、米国特許公開第2003/0086973号(「‘973公開」)の図3および27〜51頁に示される一般的な構造を有しており、この‘973公開には、熱循環成型モジュールが回転子を有し、回転子の周りに複数の鋳型ユニットが配置されている様子が、表示されている。熱循環成型モジュールは、白色ゼラチンおよび青色ゼラチン材料を保持するための2つの個別の貯蔵部(‘973公開の図4を参照)を含む。さらには、それぞれの熱循環成型モジュールは、‘973公開の図55および図56に図示されるように、鋳型ユニットを急速に加熱および冷却するための温度制御システムを備えている。
【0135】
国際公開第03/28989号の図3に図示され、51〜57頁に記載される移送装置は、片持ち梁の形でベルトに取り付けられた複数の移送ユニットを含む。同出願の図68および図69を参照されたい。移送装置は、その装置が連結されている熱循環成型モジュールと同調して回転および作動する。移送ユニットは、ユニットが移送装置の周囲を移動する際に、コア部を保持するための保持器を含む。
【0136】
例1のコア部は、この移送装置によって、第2成型モジュールに移送され、第2成型モジュールがコア部に無作為パターンで2つのシェル部分を適用する。第2熱循環成型モジュールは、‘973公開の図28Aに示されるタイプのモジュールである。第2熱循環成型モジュールの鋳型ユニットは、‘973公開の図28Cに示されるように、上部鋳型組立体、回転式中央鋳型組立体、および下部鋳型組立体を含む。例1のコア部は、連続的に鋳型組立体に移送され、次に、組立体は、コア部上で閉鎖する。
【0137】
成型サイクルの開始時(回転子は0度の位置にある)、鋳型組立体は、開放位置にある。中央鋳型組立体は、圧縮モジュールから、移送装置によって移送されてきた圧縮されたコア部を受容する。回転子が回転を続けると、上部鋳型組立体が、中央鋳型組立体に対して閉鎖する。約55℃の温度にある、部分的に混ざり合った青色および白色ゼラチン溶液が、次に、鋳型組立体の結合体によって作られた鋳型空洞に注入され、約10℃の温度に維持される。溶液が冷却された後、鋳型組立体は、部分的に被覆された剤形が上部鋳型組立体4内に留まった状態で、開く。回転子の更なる回転により、中央鋳型組立体は、180度回転する。回転子が180度を超えて移動すると、鋳型組立体は再度閉鎖し、圧縮された剤形の未被覆部分が、青色および白色ゼラチンの混和された溶液によって覆われ、シェルの第2の片側部分を形成する。圧縮された剤形の第2の片側部分でシェルが凝結または硬化した後、鋳型組立体は再度開き、被覆された圧縮剤形が、成型モジュールから、取り出される。
【0138】
〔実施の態様〕
(1)製薬の剤形において、
a)上面および下面を有するコア部であって、前記上面は、外側上面表面を有し、前記下面は、外側下面表面を有する、コア部と、
b)前記面のうち少なくとも一方を実質的に覆うシェルであって、前記シェルは、第1部分および第2部分を有する、シェルと、
を含み、
前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、少なくとも約50%の熱反応材料を含み、前記シェルの前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違しており、無作為パターンで配列されている、剤形。
(2)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記第1部分は、第1の色により特徴付けられた第1の視覚的外観を有し、
前記第2部分は、前記第1の色とは異なる第2の色により特徴付けられた第2の視覚的外観を有する、剤形。
(3)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記コア部は、前記上面と前記下面との間の腹帯をさらに含み、
前記腹帯における前記シェルの厚さは、前記面における前記シェルの厚さの約50%未満である、剤形。
(4)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記シェルは、約10μm〜約1000μmの厚さをもつ、剤形。
(5)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記シェルは、約50℃より高い融点をもつ、剤形。
(6)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記無作為パターンは、マーブル状である、剤形。
(7)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記無作為パターンは、渦巻き状である、剤形。
(8)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記第1部分は、ゼラチンおよび着色料を含む、剤形。
(9)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記第1部分は、ポリエチレングリコールおよび着色料を含む、剤形。
(10)実施態様(1)に記載の製薬の剤形において、
前記コア部は、約0.7g/cc〜約3.0g/ccの密度を有する、剤形。
【0139】
(11)実施態様(1)に記載の製薬の剤形において、
前記シェルは、40℃で相対湿度75%の状態に60分間晒された場合、約0.65%未満の吸湿値を有する、剤形。
(12)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記第1部分は、第1の色により特徴付けられた第1の視覚的外観を有し、
前記第2部分は、真珠光沢のある第2の色により特徴付けられた第2の視覚的外観を有する、剤形。
(13)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記シェルは、低温熱反応材料を含む、剤形。
(14)実施態様(1)に記載の剤形において、
前記第1部分は、前記第2部分の不透明度よりも、少なくとも10%高い不透明度を有する、剤形。
(15)製薬の剤形において、
前記剤形の総重量に基づいて、
a)上面および下面を有する、約60%〜約99%のコア部であって、前記上面は、外側上面表面を有し、前記下面は、外側下面表面を有する、コア部と、
b)前記面のうち少なくとも一方を実質的に覆う、約1%〜約40%のシェルであって、前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、約50%〜約99%の第1部分、および、約1%〜50%の第2部分を含む、シェルと、
を含み、
前記コア部は、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロペラミド、シメチコン、偽エフェドリン、ファモチジン、フェニレフリン、クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、グアイフェネシン、炭酸カルシウム、メントール、アスピリン、およびそれらの混合物から選択された有効成分を含み、
前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、少なくとも約50%の低温熱反応材料を含み、
前記シェルの前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違しており、無作為パターンで配列されている、剤形。
(16)製薬の剤形に無作為パターンを有するシェルを生成する方法において、
a)第1低温熱反応材料を含む第1溶液を、計量装置の開口部を通して流すことと、
b)第2低温熱反応材料を含む第2溶液を、前記開口部を通して流すことと、
c)前記開口部近傍に位置付けられた製薬のコア部に無作為パターンを有するシェルを形成することであって、前記シェルは、前記第1溶液から形成された第1部分、および、前記第2溶液から形成された第2部分を含む、シェルを形成することと、
を含み、
前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違している、方法。
(17)実施態様(16)に記載の方法において、
ステップaおよびステップbは、実質的に同時に行われる、方法。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の被覆された剤形の一実施形態の斜視図であり、剤形は上面に渦巻き状の無作為表面外観を有している。
【図2】図1の剤形の拡大側断面図である。
【図3】本発明の方法において使用される、単一の貯蔵部および内部放散装置を有する器具を示す概略図である。
【図3A】図3の器具で使用される内部放散装置の拡大側断面図である。
【図3B】図3の器具で使用される内部放散装置の拡大斜視図である。
【図4】本発明の方法において使用される、2つの隔室を備える単一の貯蔵部を有する器具を示す概略図である。
【図5】本発明の方法において使用される、2つの独立した貯蔵部を有する器具を示す概略図である。
【図6】本発明の被覆された剤形の一実施形態の斜視図であり、剤形は、マーブル状の無作為表面外観を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製薬の剤形において、
a)上面および下面を有するコア部であって、前記上面は、外側上面表面を有し、前記下面は、外側下面表面を有する、コア部と、
b)前記面のうち少なくとも一方を実質的に覆うシェルであって、前記シェルは、第1部分および第2部分を有する、シェルと、
を含み、
前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、少なくとも約50%の熱反応材料を含み、前記シェルの前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違しており、無作為パターンで配列されている、剤形。
【請求項2】
請求項1に記載の剤形において、
前記第1部分は、第1の色により特徴付けられた第1の視覚的外観を有し、
前記第2部分は、前記第1の色とは異なる第2の色により特徴付けられた第2の視覚的外観を有する、剤形。
【請求項3】
請求項1に記載の剤形において、
前記コア部は、前記上面と前記下面との間の腹帯をさらに含み、
前記腹帯における前記シェルの厚さは、前記面における前記シェルの厚さの約50%未満である、剤形。
【請求項4】
請求項1に記載の剤形において、
前記シェルは、約10μm〜約1000μmの厚さをもつ、剤形。
【請求項5】
請求項1に記載の剤形において、
前記シェルは、約50℃より高い融点をもつ、剤形。
【請求項6】
請求項1に記載の剤形において、
前記無作為パターンは、マーブル状である、剤形。
【請求項7】
請求項1に記載の剤形において、
前記無作為パターンは、渦巻き状である、剤形。
【請求項8】
請求項1に記載の剤形において、
前記第1部分は、ゼラチンおよび着色料を含む、剤形。
【請求項9】
請求項1に記載の剤形において、
前記第1部分は、ポリエチレングリコールおよび着色料を含む、剤形。
【請求項10】
請求項1に記載の製薬の剤形において、
前記コア部は、約0.7g/cc〜約3.0g/ccの密度を有する、剤形。
【請求項11】
請求項1に記載の製薬の剤形において、
前記シェルは、40℃で相対湿度75%の状態に60分間晒された場合、約0.65%未満の吸湿値を有する、剤形。
【請求項12】
請求項1に記載の剤形において、
前記第1部分は、第1の色により特徴付けられた第1の視覚的外観を有し、
前記第2部分は、真珠光沢のある第2の色により特徴付けられた第2の視覚的外観を有する、剤形。
【請求項13】
請求項1に記載の剤形において、
前記シェルは、低温熱反応材料を含む、剤形。
【請求項14】
請求項1に記載の剤形において、
前記第1部分は、前記第2部分の不透明度よりも、少なくとも10%高い不透明度を有する、剤形。
【請求項15】
製薬の剤形において、
前記剤形の総重量に基づいて、
a)上面および下面を有する、約60%〜約99%のコア部であって、前記上面は、外側上面表面を有し、前記下面は、外側下面表面を有する、コア部と、
b)前記面のうち少なくとも一方を実質的に覆う、約1%〜約40%のシェルであって、前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、約50%〜約99%の第1部分、および、約1%〜50%の第2部分を含む、シェルと、
を含み、
前記コア部は、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロペラミド、シメチコン、偽エフェドリン、ファモチジン、フェニレフリン、クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、グアイフェネシン、炭酸カルシウム、メントール、アスピリン、およびそれらの混合物から選択された有効成分を含み、
前記シェルは、前記シェルの総重量に基づいて、少なくとも約50%の低温熱反応材料を含み、
前記シェルの前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違しており、無作為パターンで配列されている、剤形。
【請求項16】
製薬の剤形に無作為パターンを有するシェルを生成する方法において、
a)第1低温熱反応材料を含む第1溶液を、計量装置の開口部を通して流すことと、
b)第2低温熱反応材料を含む第2溶液を、前記開口部を通して流すことと、
c)前記開口部近傍に位置付けられた製薬のコア部に無作為パターンを有するシェルを形成することであって、前記シェルは、前記第1溶液から形成された第1部分、および、前記第2溶液から形成された第2部分を含む、シェルを形成することと、
を含み、
前記第1部分および前記第2部分は、互いに視覚的に相違している、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
ステップaおよびステップbは、実質的に同時に行われる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−530420(P2009−530420A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501711(P2009−501711)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/064497
【国際公開番号】WO2007/109713
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】