説明

無停電電源装置

【課題】バックアップ電源として鉛蓄電池を備えた無停電電源装置において、トリクル充電により鉛蓄電池の長寿命化を図ることができ、しかも、外部電源の停電時及び復電時に、負荷への電源供給を停止(瞬断)させることなく、鉛蓄電池の負荷への接続及び遮断を適性に切り換えることができるようにする。
【解決手段】外部負荷である送信ユニットに電源供給を行う電源ユニット4には、外部の交流電源から電源供給を受けて負荷駆動用の直流電源電圧を生成するAC/DCコンバータ30と、鉛蓄電池からなるバッテリ6を外部負荷に接続するか否かを切り換える切換スイッチ36と、交流電源からの入力電圧から停電を判定して切換スイッチ36をオンさせる検波回路40及び比較器44と、AC/DCコンバータ30からの出力電圧から停電からの復帰を判定して切換スイッチ36をオフさせる比較器46と、が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップ電源として鉛蓄電池を備えた無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の無停電電源装置では、鉛蓄電池への充電方式として、トリクル充電が採用されている。
トリクル充電は、外部電源から電源供給を受けている通常時に、鉛蓄電池を負荷から切り離して、鉛蓄電池の自己放電分を補うように鉛蓄電池を低電流で充電することで、鉛蓄電池を満充電状態に保持する充電方式であり、鉛蓄電池の長寿命化を図ることができる。
【0003】
しかし、この充電方式では、外部電源が停電した際に、その旨を検出して、鉛蓄電池を負荷に接続することで、負荷に電源供給を行う電源を、外部電源からバックアップ電源である鉛蓄電池に切り換えるから、その切換時に、負荷への電力供給が一時的に停止される(所謂瞬断が発生する)ことがあった。
【0004】
一方、こうした瞬断を防止しつつ、負荷に安定した電源電圧を供給できるようにした無停電電源装置として、外部電源から電源供給を受けて負荷駆動用の直流電源電圧(定電圧)を生成する電源回路(DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータ等)を設け、その電源回路から負荷への電源供給経路に、バックアップ電源としてのバッテリを、直接若しくはスイッチを介して接続するように構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−95107号公報
【特許文献2】特公平7−106041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記提案の装置の内、バッテリを電源供給経路に直接接続するようにしたもの(特許文献1)は、外部電源から電源供給がなされているときでも、高負荷時等、負荷の状態によっては、バッテリから負荷に電力供給がなされることから、トリクル充電による鉛蓄電池の長寿命化を図ることができないという問題がある。
【0007】
一方、バッテリを、スイッチを介して電源供給経路に接続するようにしたもの(特許文献2)は、上述したトリクル充電による鉛蓄電池の長寿命化を図ることはできる。
しかし、この提案の装置では、外部電源の停電、及び、停電からの復帰(以下、復電ともいう)を、電源回路への入力電圧及び電源回路からの出力電圧の何れか一方を用いて検出し、スイッチの切り換えを行うことから、停電時若しくは復電時に、スイッチの切り換えが遅れ、負荷への電源供給の瞬断が発生することがあった。
【0008】
つまり、電源回路(DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータ等)は、電源投入後、所定電圧を出力できるようになるまでには時間(起動時間)がかかり、また、電源遮断後、出力電圧が低下するまでには時間(停止時間)がかかる。
【0009】
このため、電源回路への入力電圧にて停電及び復電を検出するようにした場合には、復電検出後、直ぐにスイッチをオフ状態に切り換えると、電源回路から正規の電源電圧が出力されず、負荷への電源供給が一時的に停止してしまう。
【0010】
逆に、電源回路からの出力電圧にて停電及び復電を検出するようにした場合には、復電検出時には、既に電源回路から正規の電源電圧が出力されているので、直ぐにスイッチをオフ状態に切り換えても問題ない。
【0011】
しかし、この場合、停電検出時には、電源回路の出力が低下していることから、スイッチをオン状態にするのに要する応答時間によって、負荷への電源供給が一時的に停止することが考えられる。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、バックアップ電源として鉛蓄電池を備えた無停電電源装置において、トリクル充電により鉛蓄電池の長寿命化を図ることができ、しかも、外部電源の停電時及び復電時に、負荷への電源供給を停止(瞬断)させることなく、鉛蓄電池の負荷への接続及び遮断を適性に切り換えることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の無停電電源装置は、
外部電源から電源供給を受けて外部負荷駆動用の直流電源電圧を生成し、該生成した直流電源電圧を、逆流防止用ダイオードを介して、外部負荷に供給する駆動電圧生成手段と、
前記外部負荷駆動用のバックアップ電源となる鉛蓄電池と、
外部電源から電源供給を受けて前記鉛蓄電池を充電することにより、前記鉛蓄電池を満充電状態に保持する充電手段と、
前記逆流防止用ダイオードから前記外部負荷への電源供給経路と、前記鉛蓄電池との間に設けられ、前記鉛蓄電池の電池電圧を前記電源供給経路に印加するか否かを切り換える切換スイッチと、
前記切換スイッチがオフ状態であるとき、前記外部電源から前記駆動電圧生成手段への供給電圧が、予め設定された停電判定電圧よりも低下すると、前記切換スイッチをオンする停電時切換手段と、
前記切換スイッチがオン状態であるとき、前記駆動電圧生成手段から前記逆流防止用ダイオードに出力される直流電圧が、予め設定された停電復帰判定電圧を越えると、前記切換スイッチをオフする停電復帰時切換手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無停電電源装置には、駆動電圧生成手段にて生成された直流電源電圧を外部負荷に供給する逆流防止用ダイオードが備えられている。
また、逆流防止用ダイオードから外部負荷への電源供給経路と、外部負荷に対するバックアップ電源となる鉛蓄電池との間には、鉛蓄電池の電池電圧を電源供給経路に印加するか否か(換言すれば、鉛蓄電池をバックアップ電源として機能させるか否か)を切り換える切換スイッチが備えられている。
【0015】
そして、この切換スイッチは、オフ状態であるときに、外部電源から駆動電圧生成手段への供給電圧が予め設定された停電判定電圧よりも低下すると、停電時切換手段によって、オン状態に切り換えられる。
【0016】
また、切換スイッチは、オン状態であるときに、駆動電圧生成手段から逆流防止用ダイオードに出力される直流電圧が予め設定された停電復帰判定電圧を越えると、停電復帰時切換手段によって、オフ状態に切り換えられる。
【0017】
つまり、本発明では、外部電源からの供給電圧が停電判定電圧よりも低下したときに、外部電源の停電を検出して、切換スイッチをオンすることで、鉛蓄電池から外部負荷への電源供給を開始し、駆動電圧生成手段からの出力電圧が停電復帰判定電圧を越えると、外部電源の停電復帰を検出して、切換スイッチをオフすることで、外部負荷への電源供給を駆動電圧生成手段に切り換える。
【0018】
これは、外部電源の停電及び復電の開始タイミングと、駆動電圧生成手段からの出力電圧が低下若しくは復帰するタイミングとには、駆動電圧生成手段の動作時間によって時間差が生じるためである。
【0019】
つまり、停電時切換手段が外部電源の停電を検出した時点では、駆動電圧生成手段からの出力電圧が正規の電圧値から低下することはなく、また、停電復帰時切換手段が外部電源の復電を検出した時点では、駆動電圧生成手段からの出力電圧が正規の電圧値に復帰している。
【0020】
そこで、本発明では、停電時切換手段及び停電復帰時切換手段を上記のように構成することで、外部電源の停電及び復電に伴う切換スイッチの切換時に、外部負荷に供給される電源電圧が一時的に低下するのを防止し、外部負荷に安定して直流電源電圧を供給できるようにしているのである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態の送信装置の概略構成を表す説明図である。
【図2】送信装置に組み込まれた電源ユニット及び充電ユニットの構成を表すブロック図である。
【図3】電源ユニット内の切換スイッチの切換動作を表すタイムチャートである。
【図4】従来の送信システムの概略構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明が適用された実施形態の送信装置の概略構成を表している。
本実施形態の送信装置は、地上波によるテレビ放送信号を受信し、再送信するためのものであり、テレビ放送信号の受信点から伝送線(同軸ケーブル、光ファイバ等)を介して伝送されてきた受信信号を取り込むための信号入力端子Tin、その受信信号を再送信用に信号処理(増幅等)する送信ユニット2、及び、送信ユニット2にて信号処理された送信信号を送信アンテナへ出力する信号出力端子Tout、を備える。
【0023】
送信ユニット2は、外部の交流電源(商用電源:AC100V)から電源供給を受けて、送信ユニット駆動用の直流電源電圧を生成する電源ユニット4、及び、外部電源の停電時にバックアップ電源として利用されるバッテリ6と共に、金属製の筐体10内に収納されている。なお、バッテリ6は、密閉型且つ長寿命型の鉛蓄電池にて構成されている。
【0024】
筐体10は、一面が開口した矩形の箱状に形成されており、その開口一端縁には、内部空間を密閉するための蓋体12が、ヒンジ14を介して、開閉自在に取り付けられている。
【0025】
また、筐体10の内部は、図1に示すように所定の再送信場所に送信装置を設置した際、上下に分断されるように、仕切り板16で仕切られており、電源ユニット4及びバッテリ6は、その仕切り板16の上方に配置され、送信ユニット2は、仕切り板16の下方に配置されている。
【0026】
そして、信号入力端子Tin及び信号出力端子Toutは、送信ユニット2に対し受信信号及び送信信号を入出力できるように、筐体10の下方の壁面に組み付けられている。
また、筐体10の下方の壁面には、外部の交流電源(商用電源:AC100V)からの電源電圧を取り込むためのAC入力端子Tac、及び、外部の直流電源(例えば、自動車等のバッテリ電圧)を取り込むためのDC入力端子Tdc、が設けられている。
【0027】
そして、筐体10の仕切り板16の下方には、これらAC入力端子Tac若しくはDC入力端子Tdcを介して入力される電源電圧を受けて、バッテリ6を、出力電圧12Vの満充電状態となるよう充電する充電ユニット8が収納されている。
【0028】
なお、筐体10の仕切り板16の下方には、AC入力端子Tacから電源ユニット4及び充電ユニット8に至る交流電源電圧の入力経路に設けられて、過電流が流れたときにその経路を遮断する、自動復帰ブレーカからなる安全装置22や、耐雷トランス24も収納されている。
【0029】
本実施形態の送信装置において、本発明の無停電電源装置としての機能は、電源ユニット4、バッテリ6、及び充電ユニット8にて実現される。
そこで、次に、これら各部の構成を、図2を用いて詳しく説明する。
【0030】
図2に示すように、電源ユニット4には、AC入力端子Tacから安全装置22及び耐雷トランス24を介して入力される交流電圧(AC100V)を、送信ユニット2を駆動するための直流電源電圧(DC12V)に変換するAC/DCコンバータ30を備え、AC/DCコンバータ30にて生成された直流電源電圧を、逆流防止用のダイオード34を介して、送信ユニット2に出力するようにされている。
【0031】
なお、AC/DCコンバータ30からダイオード34に至る電源供給経路には、直流電源電圧を安定化させるための、容量の大きなコンデンサ32が設けられている。
また、ダイオード34から送信ユニット2への直流電源電圧の出力経路には、バッテリ6の正極側端子が、切換スイッチ36及び逆流防止用のダイオード38を介して、接続されている。
【0032】
このため、切換スイッチ36がオン状態であるとき、バッテリ6は、ダイオード38を介して送信ユニット2に接続され、AC/DCコンバータ30からの出力電圧が低下しても、バッテリ6から送信ユニット2に、正規の直流電源電圧(DC12V)を供給できるようになる。
【0033】
また、電源ユニット4には、AC/DCコンバータ30への入力電圧に基づき、外部の交流電源(商用電源)の停電を判定して、切換スイッチ36をオンし、AC/DCコンバータ30からの出力電圧に基づき、外部の交流電源(商用電源)の停電からの復帰(復電)を判定して、切換スイッチ36をオフする、切換スイッチ36の駆動回路48が設けられている。
【0034】
つまり、電源ユニット4には、停電判定用の回路として、AC/DCコンバータ30への入力電圧(交流電圧)を検波する検波回路40と、その検波電圧Vacを安定化させるコンデンサ42と、コンデンサ42により安定化された検波電圧Vacと停電判定用の閾値電圧V1とを比較し、検波電圧Vacが閾値電圧V1よりも低くなると、停電検知信号を出力する比較器44と、が備えられている。
【0035】
そして、駆動回路48は、切換スイッチ36がオフ状態であるとき、比較器44から停電検知信号が入力されると、外部の交流電源(商用電源)が停電したと判断して、切換スイッチ36をオンし、バッテリ6から送信ユニット2へ直流電源電圧を供給させる。
【0036】
また、電源ユニット4には、復電判定用の回路として、AC/DCコンバータ30からの出力電圧(直流電圧)Vdcと復電判定用の閾値電圧V2とを比較し、出力電圧Vdcが閾値電圧V2を越えると、復電検知信号を出力する比較器46が備えられている。
【0037】
そして、駆動回路48は、切換スイッチ36がオン状態であるとき、比較器46から復電検知信号が入力されると、外部の交流電源(商用電源)が停電から復帰したと判断して、切換スイッチ36をオフし、バッテリ6と送信ユニット2との接続を遮断することで、AC/DCコンバータ30から送信ユニット2へ直流電源電圧を供給させる。
【0038】
なお、切換スイッチ36は、リレーにて構成されており、駆動回路48は、このリレーへの通電・非通電を切り換えることにより、切換スイッチ36をオン・オフさせる。
次に、充電ユニット8には、AC入力端子Tacから安全装置22及び耐雷トランス24を介して入力される交流電圧(AC100V)に基づき、バッテリ6の自己放電による電力低下を補うための充電電流を生成し、その充電電流にてバッテリ6を充電する充電回路50と、この充電回路50をバッテリ6に接続するか、DC入力端子Tdcに入力される直流電圧にてバッテリ6を急速充電するかを切り換える切換スイッチ52とが設けられている。
【0039】
この切換スイッチ52は、使用者が手動操作でオン・オフできるように構成されている。このため、使用者が、DC入力端子Tdcに外部の直流電源を接続して、切換スイッチ52をDC入力端子Tdc側に切り換えた際に、バッテリ6への急速充電が可能となり、通常は、切換スイッチ52を充電回路50側に切り換えておくことで、充電回路50を介してバッテリ6をトリクル充電できるようにされている。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の送信装置においては、外部の交流電源から交流電圧(AC100V)が正常に供給されているときには、電源ユニット4内の切換スイッチ36がオフ状態に保持される。このため、充電ユニット8内の充電回路50を介して、バッテリ6をトリクル充電することができ、バッテリ6の長寿命化を図ることができる。
【0041】
また、電源ユニット4内では、切換スイッチ36がオフ状態であるとき、比較器44により外部の交流電源の停電が判定されると、駆動回路48が切換スイッチ36をオンし、切換スイッチ36がオン状態であるとき、比較器46により外部の交流電源の停電からの復帰(復電)が判定されると、駆動回路48が切換スイッチ36をオフする。
【0042】
そして、図3に示すように、比較器44は、検波回路40により得られるAC/DCコンバータ30への入力電圧の検波電圧Vacが、停電判定用の閾値電圧V1よりも低下すると、外部の交流電源の停電を判定して、駆動回路48に、切換スイッチ36をオンさせる。
【0043】
また、比較器44は、AC/DCコンバータ30から出力される直流電圧Vdcが、復電判定用の閾値電圧V2を越えると、外部の交流電源の停電からの復帰を判定して、駆動回路48に、切換スイッチ36をオフさせる。
【0044】
従って、本実施形態によれば、図3に示すように、外部の交流電源の停電及び復電に対応した検波電圧Vacの変化に対し、AC/DCコンバータ30からの出力電圧Vdcの変化が遅れたとしても、その遅れの影響を受けることなく、切換スイッチ36を適正なタイミングでオン・オフさせることができ、その切換時に、送信ユニット2への電源供給が遮断されるのを防止できる。
【0045】
このため、本実施形態の送信装置によれば、送信ユニット2への電源供給が一時的に遮断されて、テレビ放送信号の再送信が停止されるようなことはなく、テレビ放送信号を安定して再送信することができるようになる。
【0046】
また、従来、テレビ放送信号を再送信するシステムは、図4に示すように、送信装置に対し、バッテリを内蔵した無停電電源装置から、交流電源電圧を供給するように構成されていたため、無停電電源装置では、商用電源の停電時に、バッテリをバックアップ電源として使用する際、バッテリからの直流電圧を交流電圧に変換する必要があった。
【0047】
そして、バッテリからの直流電圧を交流電圧に変換する際には、変換ロスが生じることから、その分、本実施形態に比べ、バッテリ容量を増加する必要があった。
このため、従来のテレビ放送信号の再送信システムでは、バッテリの個数や重量が、本実施形態に比べ増加し、無停電電源装置と送信装置とを一体化することが困難であり、これら各部は、図4に示すように別体で構成するしかなかった。
【0048】
これに対し、本実施形態の送信装置では、無停電電源装置を構成する電源ユニット4から外部負荷である送信ユニット2には、AC/DCコンバータ30にて生成した直流電源電圧、若しくは、バッテリ電圧をそのまま出力するようにしていることから、バッテリ6の容量(延いては、バッテリの個数や重量)を小さくして、送信ユニット2と共に一つの筐体10内に組み込むことができる。
【0049】
具体的には、例えば、従来の再送信システムにおいて、テレビ放送電波を9波(9チャンネル)再送信する場合、12V15Ahの鉛蓄電池が2個必要であったのに対し、本実施形態では、同条件でテレビ放送電波を再送信する場合に、同じ鉛蓄電池を1個使用するだけでよくなり、鉛蓄電池の重量を従来の半分にすることができ、一つの筐体10内に、無停電電源装置と送信ユニットとを一体的に収納することができるようになった。
【0050】
よって、本実施形態の送信装置によれば、筐体の数や信号線を含めると、従来の再送信システムに比べ、総重量を2分の1程度に減らすことができ、再送信システム構築時の作業性及び設置性を向上することができる。
【0051】
なお、本実施形態において、電源ユニット4内のAC/DCコンバータ30は、本発明の駆動電圧生成手段に相当し、充電ユニット8は、充電手段に相当し、検波回路40、比較器44、及び駆動回路48は、本発明の停電時切換手段に相当し、比較器46及び駆動回路48は、本発明の停電復帰時切換手段に相当する。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、電源ユニット4、バッテリ6、及び充電ユニット8からなる無停電電源装置は、テレビ放送信号を再送信するための送信ユニット2と共に、一つの筐体内に組み込まれるものとして説明した。
【0053】
しかし、本発明の無停電電源装置は、電源ユニット4、バッテリ6、及び充電ユニット8からなる無停電電源装置、若しくは、これら各部に加えて安全装置22や耐雷トランス24等を含む無停電電源装置として、単独で構成してもよい。
【0054】
また、本発明の無停電電源装置は、負荷に供給する直流電源電圧の低下を防止することができるので、電源供給対象となる外部負荷が、電源電圧が瞬断することにより問題が発生するコンピュータである場合でも、或いは、テレビ放送信号を有線にて配信するCATVシステムに用いられる各種伝送用機器である場合であっても、その効果を発揮することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、電源ユニット4には、外部負荷駆動用の直流電源電圧を生成する駆動電圧生成手段として、AC/DCコンバータ30が設けられているものとして説明したが、AC/DCコンバータ30に代えて、外部の直流電源から電源供給を受けて外部負荷駆動用の直流電源電圧を生成するDC/DCコンバータが設けられている場合であっても、本発明を適用して、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
2…送信ユニット、4…電源ユニット、6…バッテリ(鉛蓄電池)、8…充電ユニット、10…筐体、12…蓋体、14…ヒンジ、16…仕切り板、22…安全装置、24…耐雷トランス、30…AC/DCコンバータ、32…コンデンサ、34…ダイオード、36…切換スイッチ、38…ダイオード、40…検波回路、42…コンデンサ、44…比較器、46…比較器、48…駆動回路、50…充電回路、52…切換スイッチ、Tac…AC入力端子、Tdc…DC入力端子、Tin…信号入力端子、Tout…信号出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から電源供給を受けて外部負荷駆動用の直流電源電圧を生成し、該生成した直流電源電圧を、逆流防止用ダイオードを介して、外部負荷に供給する駆動電圧生成手段と、
前記外部負荷駆動用のバックアップ電源となる鉛蓄電池と、
外部電源から電源供給を受けて前記鉛蓄電池を充電することにより、前記鉛蓄電池を満充電状態に保持する充電手段と、
前記逆流防止用ダイオードから前記外部負荷への電源供給経路と、前記鉛蓄電池との間に設けられ、前記鉛蓄電池の電池電圧を前記電源供給経路に印加するか否かを切り換える切換スイッチと、
前記切換スイッチがオフ状態であるとき、前記外部電源から前記駆動電圧生成手段への供給電圧が、予め設定された停電判定電圧よりも低下すると、前記切換スイッチをオンする停電時切換手段と、
前記切換スイッチがオン状態であるとき、前記駆動電圧生成手段から前記逆流防止用ダイオードに出力される直流電圧が、予め設定された停電復帰判定電圧を越えると、前記切換スイッチをオフする停電復帰時切換手段と、
を備えたことを特徴とする無停電電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−99204(P2013−99204A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242462(P2011−242462)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【Fターム(参考)】