説明

無効電力補償装置の制御装置、無効電力補償装置の制御方法、およびプログラム

【課題】負荷の無効電力変動だけでなく負荷の有効電力変動をも補償できるようにすること。
【解決手段】無効電力補償装置の制御装置は、負荷の有効電力を検出する負荷P検出部101と、負荷P検出部101により検出された負荷の有効電力の変動分を検出する負荷P変動分抽出部102と、負荷P変動分抽出部102により検出された負荷の有効電力の変動分にゲインをかけて、直流電圧指令値を変更する量を決定する補償量決定部103と、直流電圧指令値から補償量決定部103により決定された量を減算する減算器104とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷の無効電力変動を補償すると共に負荷の有効電力変動をも補償する無効電力補償装置の制御装置、無効電力補償装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アーク炉や圧延機などの急激な負荷変動によって発生するフリッカを抑制するために設置する装置として、静止型無効電力補償装置(以下、「SVC」と称す。)がある。
【0003】
SVCは負荷の無効電力の変動分を検出して高速に無効電力を補償する装置である。ところで、フリッカの原因となっている電圧変動は、負荷の無効電力変動により発生するが、負荷の有効電力が急変した場合にも母線の電圧は変動する。負荷の有効電力変動による電圧変動も補償できれば、従来以上に電圧変動(電圧フリッカ)を抑制することができるが、従来SVCは負荷の有効電力変動による電圧変動を補償する機能は有していない。
【0004】
特許文献1、特許文献2などで提案されている装置も、負荷の無効電力変動分を補償する機能のみを有した装置である。また、特許文献3は負荷の有効電流分を検出してSVC有効電力出力指令を制御するものであるが、負荷有効電流に含まれる高調波成分のみを抑制しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−011870号公報
【特許文献2】特開平07−336891号公報
【特許文献3】特開平08−076866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来のSVCは、負荷の無効電力変動分のみを補償する機能しか有しておらず、負荷の有効電力変動分を補償する機能は有していない。すなわち、従来のSVCは、負荷の有効電力変動に起因して発生する電圧変動(電圧フリッカ)を直接的に補償するものではない。負荷の無効電力変動分と有効電力変動分の双方を補償できれば、電圧変動(電圧フリッカ)の抑制効果を従来以上に向上できることが期待される。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、負荷の無効電力変動だけでなく負荷の有効電力変動をも補償することができる無効電力補償装置の制御装置、無効電力補償装置の制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による無効電力補償装置の制御装置は、負荷の有効電力を検出する負荷有効電力検出手段と、前記有効電力検出手段により検出された負荷の有効電力の変動分を検出する負荷有効電力変動分抽出手段と、前記負荷有効電力変動分抽出手段により検出された負荷の有効電力の変動分にゲインをかけて、直流電圧指令値を変更する量を決定する補償量決定手段と、前記直流電圧指令値から前記補償量決定手段により決定された量を減算する減算手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、負荷の無効電力変動だけでなく負荷の有効電力変動をも補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の各実施形態に係る自励式SVCの制御系が適用される電力システムの概略構成の一例を示す図。
【図2】図1中の自励式SVCに使用される制御系の一般的な構成の一例を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図。
【図4】同実施形態における各部の信号波形を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図。
【図6】同実施形態における各部の信号波形を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
(各実施形態に共通)
最初に、図1を参照して、本発明の各実施形態に共通する事項について説明する。
【0013】
図1は、本発明の各実施形態に係る自励式SVCの制御系が適用される電力システムの概略構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示されるように、交流電源の電力系統には母線Aが存在する。この母線Aには負荷Lおよび自励式SVC1が接続されている。負荷Lは母線Aから供給される電力を消費するものであり、一方、自励式SVC1は負荷Lにより母線Aに発生する電力変動(電圧フリッカ)を抑制するものである。
【0015】
自励式SVC1には、制御系2およびインバータ3が備えられる。制御系2は、負荷Lの無効電力変動および有効電力変動に基づき、母線Aの電圧フリッカが抑制されるようにインバータ3を駆動する制御信号を発生する制御装置である。インバータ3は、制御系2から供給される信号に従って半導体スイッチのゲートをオン・オフし、無効電力および有効電力の消費もしくは供給を行うことにより、母線Aの電圧フリッカを抑制する装置である。
【0016】
図2は、図1中の自励式SVC1に使用される制御系2の一般的な構成の一例を示す図である。
【0017】
制御系2は、減算器10、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11、フリッカ抑制制御系12、SVC出力電流指令値演算部13、減算器14a,14b,14c、交流電流制御系(AC−ACR)15、減算器16a,16b,16c、およびパルス生成回路(PWM)17を有する。
【0018】
上記要素群のほか、図2中には示されていないが、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の前段もしくは後段の位置に、後述する各実施形態で説明する負荷有効電力変動補償機能を構成する要素群が設けられる。
【0019】
減算器10は、直流電圧指令値Edc_refに対する減算処理を行うものである。図2の例では直流電圧指令値Edc_refから現在の直流電圧値Edcが減算されている。但し、後述する第1の実施形態では、この部分の構成が異なる。
【0020】
直流電圧一定制御系(DC−AVR)11は、減算器10での減算処理後の直流電圧指令値を一定に維持するようにSVC出力電流指令値を調整するものである。
【0021】
フリッカ抑制制御系12は、負荷Lの負荷電流iL_a, iL_b, iL_cからフリッカ発生原因となる無効電流成分を抽出し、それを打消すようなSVC出力電流を算出するものである。
【0022】
SVC出力電流指令値演算部13は、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の出力と、フリッカ抑制制御系12の出力とを合成し、最終的なSVCの出力電流指令値を生成するものである。
【0023】
減算器14a,14b,14cは、SVC出力電流指令値演算部13から出力される出力電流指令値isvc_a_ref, isvc_b_ref, isvc_c_refから、それぞれSVC出力電流値isvc_a, isvc_b, isvc_cを減算するものである。
【0024】
交流電流制御系(AC−ACR)15は、SVC出力電流がSVC出力電流指令値演算部13で生成された出力電流指令値となるような電流一定制御を行うものである。
【0025】
減算器16a,16b,16cは、SVC端子電圧vcvc_c,vcvc_b,vcvc_aから交流電流制御系(AC−ACR)15から出力されるSVC出力電流値を減算するものである。
【0026】
パルス生成回路(PWM)17は、交流電流制御系(AC−ACR)15の出力信号に基づき、インバータ2の半導体スイッチのゲート駆動信号を生成するものである。
【0027】
以下に説明する各実施形態では、適宜、図1及び図2を参照するものとする。
【0028】
(第1の実施形態)
まず、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図である。
【0030】
図3の負荷有効電力変動補償機能21は、前述の図2の制御系2における直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の前段に設けられるものである。この負荷有効電力変動補償機能21は、負荷有効電力抽出部101(以下、「負荷P検出部101」と称す。)、負荷有効電力変動分抽出部102(以下、「負荷P変動分抽出部102」と称す。)、補償量決定部103、減算器104、直流電圧目標値制限部105、および減算器106を有する。なお、これらの要素はいずれも、コンピュータに実現させるためのプログラムの機能として実現することが可能である。
【0031】
負荷P検出部101は、負荷Lの有効電力(以下、「負荷P」と称す。)を検出するものである。
【0032】
負荷P変動分抽出部102は、負荷P検出部101により検出された負荷Pの変動分を抽出するものである。変動分は、例えば「Ts/(1+Ts)」(Ts:時定数)により求める。
【0033】
補償量決定部103は、負荷P変動分抽出部102により検出された負荷Pの変動分にゲインKをかけて、直流電圧指令値Edc_refを変更する量を決定するものである。すなわち、母線Aのフリッカを抑制するために必要な信号が得られるよう直流電圧指令値Edc_refを調整するための機能である。
【0034】
減算器104は、直流電圧指令値Edc_refから補償量決定部103により決定された量を減算するものである。
【0035】
直流電圧目標値制限部105は、減算器104の出力の値を所定の範囲内(上限値と下限値との間)に制限するものである。
【0036】
減算器106は、直流電圧目標値制限部105の出力値から現在の直流電圧値Edcを減算するものである。この減算器106の出力は、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11へ伝達される。
【0037】
このように構成された負荷有効電力変動補償機能21において、負荷P検出部101により現在の負荷Pが取り込まれると、負荷Pが負荷P変動分抽出部102へ伝達される。負荷P変動分抽出部102では、負荷P検出部101から伝達された信号から変動分が抽出される。この場合、例えばシグナルリセット回路を用いて信号を処理することにより変動分が抽出される。抽出された変動分は補償量決定部103へ伝達される。補償量決定部103では、抽出した変動分にゲインKがかけられ、例えば負荷P変動分の大きさに対して電圧変動を小さくするための信号に調整されて出力される。補償量決定部103の出力は減算器104に伝達される。減算器104では、直流電圧指令値から補償量決定部103の出力分が減算されて直流電圧目標値制限部105へ伝達される。直流電圧目標値制限部105では、減算器104で減算された信号が所定の範囲内(上限値と下限値との間)に制限される。例えば直流電圧目標値制限部105の上限値および下限値には、システムが許容可能な直流電圧の上限値および下限値を設定する。直流電圧目標値制限部105の出力は、負荷P変動による電圧変動を抑制するための直流電圧指令値となる。減算器106では、直流電圧目標値制限部105の出力と現在の直流電圧との差が求められ、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11へ伝達される。
【0038】
図4は、同実施形態における各部の信号波形を示す図である。
【0039】
図4の(a)は負荷Lの有効電力である負荷P、(b)は母線Aの電圧、(c)は負荷P変動分抽出部102の出力信号、(d)は補償量決定部103の出力信号、(e)は直流電圧目標値制限部105の出力信号、(f)は直流電圧Edc、(g)は減算器106の出力信号(SVCの有効電力)、(h)は負荷PとSVCの有効電力との合成有効電力を示している。なお、図4中の符号Xに示す破線は従来技術による波形を示し、一方、符号Yに示す実線は本実施形態による波形を示している。
【0040】
図4(a)のように負荷Pが大きく変動した際、従来は図4(b)の破線Xのように母線電圧は大きく変動していたが、本実施形態では実線Yで示すように母線電圧の変動が小さく抑制される。本実施形態では実線Yで示すように負荷Pの変動分を捕らえて図4(c)(d)のような制御信号が生成され、図4(e)のように直流電圧指令値が変更される。そして、この直流電圧指令値の変化および図4(f)のような直流電圧の変化に応じて図4(g)のようにSVCの有効電力が形成される。例えば図4(a)のように負荷Pが急激に減少した場合には、図4(g)のように直流電圧を上げるように動作する。直流電圧が上がるとインバータ3は系統側から有効電力を消費することになり、その結果、負荷Pの減少分に相当する有効電力をSVCが消費するように動作し、図4(h)のように負荷Pの変動に伴う母線電圧の変動が補償される。
【0041】
この第1の実施形態によれば、負荷の急激な有効電力の変動分をSVCの有効電力出力(消費または供給)により補償できるため、負荷の有効電力変動によって発生する負荷近傍の電圧変動を抑制するようにSVCを動作させることができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0043】
なお、この第2の実施形態においては、前述の第1の実施形態の構成と共通する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図である。
【0045】
図5の負荷有効電力変動補償機能22は、前述の図3の負荷有効電力変動補償機能21を構成する要素101〜106に、さらに不感帯処理部107を加えたものとなっている。なお、この追加した要素は、コンピュータに実現させるためのプログラムの機能として実現することが可能である。
【0046】
不感帯処理部107は、負荷P変動分抽出部102と補償量決定部103との間に設けられ、負荷有効電力変動分抽出部102により検出された負荷Pの変動分のうち、一定の大きさ以上あるいはある一定の大きさ以下の変動分のみを補償量決定部103へ供給するものである。
【0047】
このように構成された負荷有効電力変動補償機能22において、負荷P検出部101から伝達された信号から負荷P変動分抽出部102にて変動分が抽出されると、負荷P変動分抽出部102で抽出された変動分は不感帯処理部107に入力される。不感帯処理部107では、入力された変動分に対しある一定の大きさ以上あるいはある一定の大きさ以下の入力のみを出力する。不感帯処理部107の出力は補償量決定部103へ伝達される。
【0048】
図6は、同実施形態における各部の信号波形を示す図である。
【0049】
図6の(a)は負荷Lの有効電力である負荷P、(b)は母線Aの電圧、(c)は負荷P変動分抽出部102の出力信号、(d)は補償量決定部103の出力信号、(e)は直流電圧目標値制限部105の出力信号、(f)は直流電圧Edc、(g)は減算器106の出力信号(SVCの有効電力)、(h)は負荷PとSVCの有効電力との合成有効電力を示している。なお、図4中の符号Xに示す破線は従来技術による波形を示し、一方、符号Yに示す実線は本実施形態による波形を示している。
【0050】
図6(a)のように負荷Pの減少量が小さい部分では、図6(b)のように母線電圧の変動は小さく、許容できる範囲内である。このように負荷Pの減少量が小さい部分では、負荷P変動分抽出部102から図6(c)のような信号が生成されるが、不感帯処理部107が反応せず出力値が0となるため、図6(d)のように補償量決定部103の出力値は0となり、図6(e)(f)のように直流電圧目標値制限部105の出力信号や直流電圧Edcは変化せず、図6(g)のようにSVCの有効電力は形成されず、図4(h)のように負荷Pの変動に伴う母線電圧の変動が現れるが、小さい変動であるため、問題はない。
【0051】
一方、負荷有効電力の減少量が大きい場合には、不感帯処理部107は負荷P変動分抽出部102の出力を通過させるので、図6(c)(d)のような制御信号が生成され、図6(e)のように直流電圧指令値が変更され、この直流電圧指令値の変化および図6(f)のような直流電圧の変化に応じて図6(g)のようにSVCの有効電力が形成され、直流電圧が上がるとインバータ3は系統側から有効電力を消費することになり、その結果、負荷Pの減少分に相当する有効電力をSVCが消費するように動作し、図6(h)のように負荷Pの変動に伴う母線電圧の変動が補償される。
【0052】
この第2の実施形態によれば、負荷の有効電力変動がある一定値以上の大きさになったときのみSVCが有効電力を出力(消費または供給)するので、大きな電圧変動の要因となる負荷の有効電力変動に対してのみ効果的に動作させることができる。
【0053】
(第3の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0054】
なお、この第3の実施形態においては、前述の第1の実施形態の構成と共通する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0055】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る負荷有効電力変動補償機能の構成の一例を示す図である。
【0056】
前述の図3の負荷有効電力変動補償機能21が直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の前段に設けられるものであったのに対し、図7の負荷有効電力変動補償機能23は直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の後段に設けられる。
【0057】
この負荷有効電力変動補償機能23は、前述した負荷P検出部101、負荷P変動分抽出部102、補償量決定部103、減算器104、および直流電圧目標値制限部105を有する。この場合の減算器104は、図3の負荷有効電力変動補償機能21における減算器104とは異なり、直流電圧一定制御系(DC−AVR)11の出力値から補償量決定部103により決定された量を減算する。なお、本実施形態における各部の信号波形は、前述の図4に示した信号波形と同様となるため、その説明を省略する。
【0058】
また、図7の負荷有効電力変動補償機能23において、負荷P変動分抽出部102と補償量決定部103との間に、前述の図5中の不感帯処理部107を設けるようにしてもよい。この場合の信号波形は、前述の図6に示した信号波形と同様となる。
【0059】
この第3の実施形態によれば、直流電圧一定制御系(DC−AVR)の後段に負荷有効電力変動補償機能を設けることにより、前述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、不感帯処理部を加えることにより、前述の第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
上述した各実施形態の図3〜図7で説明した各種の機能や処理手順は、コンピュータプログラムとして、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体(例えば磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ)に記憶させておき、必要に応じてそれをプロセッサにより読み出して実行するようにしてもよい。また、このようなコンピュータプログラムは、通信媒体を介してあるコンピュータから他のコンピュータに伝送することにより配布することも可能である。
【0061】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…自励式SVC、2…インバータ、10…減算器、11…直流電圧一定制御系(DC−AVR)、12…フリッカ抑制制御系、13…SVC出力電流指令値演算部、14a,14b,14c…減算器、15…交流電流制御系(AC−ACR)、16a,16b,16c…減算器、17…パルス生成回路(PWM)、21,22,23…負荷有効電力変動補償機能、101…負荷P検出部、102…負荷P変動分抽出部、103…補償量決定部、104…減算器、105…直流電圧目標値制限部、106…減算器、107…不感帯処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷の有効電力を検出する負荷有効電力検出手段と、
前記有効電力検出手段により検出された負荷の有効電力の変動分を検出する負荷有効電力変動分抽出手段と、
前記負荷有効電力変動分抽出手段により検出された負荷の有効電力の変動分にゲインをかけて、直流電圧指令値を変更する量を決定する補償量決定手段と、
前記直流電圧指令値から前記補償量決定手段により決定された量を減算する減算手段と
を具備することを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無効電力補償装置の制御装置において、
前記減算器の出力の値を所定範囲内に制限する直流電圧目標値制限手段をさらに具備することを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無効電力補償装置の制御装置において、
前記負荷有効電力変動分抽出手段により検出された負荷の有効電力の変動分のうち、一定の大きさ以上あるいはある一定の大きさ以下の変動分のみを前記補償量決定手段へ供給する不感帯処理手段をさらに具備することを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無効電力補償装置の制御装置において、
前記の各手段が、直流電圧指令値を一定に維持するための直流電圧一定制御手段の前段に設けられていることを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無効電力補償装置の制御装置において、
前記の各手段が、直流電圧指令値を一定に維持するための直流電圧一定制御手段の後段に設けられていることを特徴とする無効電力補償装置の制御装置。
【請求項6】
負荷有効電力検出手段により、負荷に供給される有効電力を検出するステップと、
負荷有効電力変動分抽出手段により、前記検出された負荷の有効電力の変動分を検出するステップと、
補償量決定手段により、前記検出された負荷の有効電力の変動分にゲインをかけて、直流電圧指令値を変更する量を決定するステップと、
減算手段により、前記直流電圧指令値から前記決定された量を減算するステップと
を有することを特徴とする無効電力補償装置の制御方法。
【請求項7】
負荷に供給される有効電力を検出する機能と、
前記検出された負荷の有効電力の変動分を検出する機能と、
前記検出された負荷の有効電力の変動分にゲインをかけて、直流電圧指令値を変更する量を決定する機能と、
前記直流電圧指令値から前記決定された量を減算する機能と
をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−35951(P2011−35951A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176762(P2009−176762)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】