説明

無定形マーブルを表現するためのツーエンボシステム床材及びその製造方法

【課題】合成樹脂製無定形マーブル床材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る合成樹脂製マーブル床材及びその製造方法は、合成樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練してから1次圧延してシートを作り、1次圧延されたシートを回転しつつ積層し低温カレンダリングで2次圧延して波パターンと粗い表面を形成した後、この2次圧延されたシートをツーエンボ(two embo)システムを用いて1次エンボユニットでは1次に長手方向のエンボシングまたは全ての形態のエンボシングを通じて粗い面を整え、2次エンボユニットを通じては面を平滑に処理する加工プロセスにより無定形であり耐久性に優れたマーブル効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂製無定形マーブル(marble)床材及びその製造方法に係り、さらに詳しくは既存の無定形マーブル床材の後加工プロセスでカレンダリング、プレッシングなどの加工プロセスを用いたこととは違って、ツーエンボ(Two Embo)を用いて低価格で無定形マーブル効果を表現した無定形マーブル合成樹脂床材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製マーブル床材は優れた耐久性と共に美麗な装飾効果を与えるためのもので、従来は合成樹脂コンパウンドに2ないし3種類のスポットカラーチップを混練した後熱圧延して製造したり、予め製造された合成樹脂シート上にスポットカラーチップをカラー別に一定量を排出分散させ熱圧着カレンダリング方式で製造した。
【0003】
しかし、このような製造方式は多様なカラーによる外観の変化は可能であるが、マーブルの方向性を除去するのに限界があって自然な外観効果のような差別性を表現するのに困難な問題があった。
【0004】
既存の方向性マーブルの装飾効果を脱皮するため、韓国特許第249、569号では1次カレンダリングしたシートを90°回転させて積層した後2次カレンダリングを経て方向性が除去された無定形マーブル床材を製造した。しかし、前記特許の製造方式はマーブルの定形性を除去することは可能であるが立体感を表現するには限界があった。
【0005】
前記特許の問題を解決するため、韓国実用新案登録第343、899号ではエンボシングを通じて立体感を表現したが、エンボシングを通じた後加工は表面の汚染性や耐久性に問題があった。
【0006】
本発明者らはエンボユニットをもう一つ設けてそれぞれのエンボユニットに役割を与え面を平滑にすることによって既存の製品に比べて汚染性と耐久性を改善させられ、エンボロールによる速度差(friction比)を通じて無定形マーブルをさらに延伸して外観を自然に演出する効果と、二番目のエンボユニットにスチームを投入して熱による有光効果を付与して既存の表面汚染性と耐久性の問題点を解決するのみならず、外観が差別化された無定形の自然なマーブル効果を表現する床材を製造した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した従来の技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は従来のエンボシングによる後加工で発生する表面の汚染性と耐久性を改善した無定形マーブル床材及びその製造方法を提供するところにある。
【0008】
本発明の他の目的は無定形マーブルに延伸効果及び有光効果を付与した無定形マーブル床材及びその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述した目的を達成するため、合成樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練した後1次圧延してシートを作り、1次圧延されたシート生地を一定のサイズに切断し回転しつつ積層した後、2次圧延して無定形マーブル床材を製造するにおいて、外観差別化のため表面に波パターンを形成させ、前記2次圧延時カレンダロールの温度を60ないし100℃に低く維持する低温カレンダリングにより前記波パターンを形成させ、低温カレンダリングにより波パターンと共に形成される粗い表面を有する2次圧延されたシートをツーエンボシステムを用いて、1次エンボユニットでは前記粗い表面を埋めながら厚さを一定水準に維持させた後、2次エンボユニットでは表面を平滑に処理することを特徴とする無定形マーブル床材の製造方法を提供する。
【0010】
本発明で1次圧延されたシートを切断した後回転させる回転設備は真空吸着タイプの回転設備を用い、追って積層方法は高圧延がなされうるように、階段状に連続的に積み上げる階段状連続積層などを用いる。
【0011】
本発明では回転設備を製造ラインに付着させシートを一定サイズに切断し回転させながら階段状に積層して連続作業が可能であり、高圧延を実現できるように設計されることを特徴とする。
【0012】
本発明では合成樹脂コンパウンドに低温加工添加剤として置換されたポリグリコールエーテル(Substituted polyglycolether)、脂肪アルコール部分エステルと脂肪酸エステルの混合物(Mixture of fatty alcohol partial esters and fatty acid esters)のうち1種以上を添加して既存対比加工温度を10ないし20℃低く保つことによって、シート生地を積層させる真空吸着タイプの回転設備の真空吸着作業性を確保することができる。
【0013】
1次圧延後シート生地の表面温度が140℃以上の高温の場合はシート生地が柔軟でありゆらゆらして回転設備による真空形成が不可能であり、シート生地の温度が低すぎる時には表面クラック(Crack)により真空形成が不可能であるが、本発明では合成樹脂コンパウンドに低温加工添加剤を添加してシート生地の温度を既存の加工温度より10ないし20℃低く維持することにより回転設備に対する作業性を確保した。
【0014】
本発明では2次エンボユニットにスチームを投入して熱による表面有光効果と、上下部エンボロールの速度差(friction比)による圧延時マーブル延伸効果を付与することができる。
【0015】
本発明で1次エンボユニットに用いられるロールは長手方向のエンボシングを含んで全形態のエンボシングが可能なロールである。
【0016】
また、本発明は塩化ビニル樹脂(PVC)100重量部に対して充填材として炭酸カルシウム500ないし650重量部、充填補助剤として海泡石(Sepiolite)、滑石、シリカのうち1種以上50ないし200重量部、可塑剤(DOP)30ないし50重量部、エポキシ3ないし10重量部、Ba-Zn系安定剤2ないし6重量部、低温加工添加剤2ないし10重量部及び顔料を含む合成樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練した後1次圧延してシートを作り、1次圧延されたシート生地を一定サイズに切断し回転させながら積層した後、2次圧延時カレンダロールの温度を60ないし100℃に低く維持する低温カレンダリングにより床材表面に波パターンと粗い表面を形成させた後、2次圧延されたシートをツーエンボシステムを用いて、1次エンボユニットでは前記粗い表面を埋めながら厚さを一定水準に維持させた後、2次エンボユニットでは表面を平滑に処理して製造することを特徴とする無定形マーブル床材を提供する。
【0017】
本発明で使用可能な低温加工添加剤は置換されたポリグリコールエーテル、脂肪アルコール部分エステルと脂肪酸エステルの混合物の中から選ばれる1種以上であり、望ましくはこれらの組み合わせである。
【0018】
本発明で使用される合成樹脂は塩化ビニル樹脂(Polyvinylchloride: PVC)が適切であるが、これに限らず圧延可能な熱可塑性樹脂として本発明の工程に適合なものならいずれも使用可能である。
【0019】
本発明は既存の無定形マーブル床材の後加工プロセスとしてカレンダリング、プレッシングなどの加工プロセスを用いてきたこととは違って、二つのエンボユニットを用いて無定形マーブル床材を後加工する床材製造プロセスであって、一番目にエンボユニットは低温カレンダリングを経て形成される波パターンと粗い表面を長手方向のエンボシングまたは全形態のエンボロールを通じて表面クラックを埋め、二番目のエンボユニットは表面を平滑にする役割を果たすことによって無定形の自然な(natural)マーブルを表現することができる。
【0020】
特に、本発明で適用した低温カレンダリングとは既存の工程作業条件に比べて温度が140℃未満の条件下でも真空吸着タイプの回転設備を用いてシート生地を持ち上げて積層させられる低温処方に基づき、2次圧延時特定厚さと一定に積層されたシートを高圧延及び低温カレンダリングするロールの温度を、望ましくは60ないし100℃の低温に低く維持しつつ実施するカレンダリング工程である。
【0021】
本発明の特徴は、従来の方向性を除去した無定形マーブル床材を改良して、第1に高圧延と低温カレンダリングによる波パターンの無定形マーブル外観効果を付与したものであり、第2にツーエンボシステムにより前記波パターンと粗い表面を平滑にして耐久性を付与すると同時に、表面有光効果と派手な無定形の外観効果を付与したもののである。
【0022】
本発明は低温カレンダリングにより波パターンと粗い表面を有する半製品を製造した後、これにツーエンボ システムを用いて表面平滑度確保と共に表面有光効果と派手な無定形外観効果を奏でる完成品を製造するもので、この際波パターンと粗い表面は高圧延及び低温カレンダリングにより形成される外観であり、具体的に低温カレンダリング時高圧延による波パターンと熱い生地が冷たいカレンダロールにより加工されながら発生するクラック(粗い表面)である。この際、低温処方に使用される低温加工添加剤は既存の工程より低い温度で加工を容易に、具体的に真空吸着方式でシート生地を積層する作業が可能にするものである。
【0023】
本発明は外観差別化のために波パターンを得るためのことであり、粗い表面は波パターンに加工するために低温カレンダリングを経ながら表面が粗くできあがったものである。すなわち、低温カレンダリングを施したことから粗い表面も同時にできあがって、この粗い表面を解決するためにツーエンボシステムを用いて表面を平滑に処理したものである。
【0024】
特に、粗いか表面を改善させるべき製品において、不完全な表面をヒータで加熱した後エンボシングにより粗い表面を整える工程を含む。低温カレンダリング後生地の温度がたいぶ冷めるようになるが、これを補うためヒータを用いて150℃以上に加熱する。エンボシング工程で使用されるエンボロールの構造は全形態のエンボロール(鏡面またはエンボ)が可能である。
【0025】
本発明の一実施例によれば、高圧延と低温カレンダリングで波パターンと粗い表面を有する半製品(図2)を製造した後、これを完製品(図3)に作るためにツーエンボ システムを用いて処理した結果、実際にマーブル延伸効果と有光効果によって無定形マーブル外観が自然でのみならず、エンボシング以後平滑度が改善され耐久性と耐磨耗性などの表面物性が向上された。
【発明の効果】
【0026】
以上述べたように、本発明は低温加工添加剤により加工時140℃未満の作業条件下で真空吸着方式による回転設備の作業性を確保できる処方と、カレンダロールの温度を60ないし100℃ほどに維持する低温カレンダリングを施して波パターンと粗い表面を形成した後、ツーエンボシステムを用いて平滑度を改善させられ、前記粗い表面を平滑にすると同時に、表面有光効果及び2次圧延時マーブル延伸効果によって外観が派手でありながらも自然な無定形外観を与えるのみならず、カレンダリング、サンディング、プレッシングなど既存の表面を平滑にするプロセスに比べて、エンボシングによるプロセスなので費用を節減できる効果を奏でる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付した図面に基づき本発明の好適な実施形態を詳述する。
【0028】
図1は本発明によりカレンダリング(calendering)工法で製造し、二つのエンボユニットを用いた床材の製造工程図であって、前記製造工程は原料配合工程、混合された原料を加熱及び加圧する混練工程、原料を均一に混ぜ合わせるミキシング工程、無定形マーブル状を具現するカレンダリング工程、及び表面を平滑に誘導し、延伸効果と有光効果を与えるツーエンボ工程より大別される。
【0029】
具体的に説明すれば、本発明により装飾効果に優れた合成樹脂製無定形マーブル床材は塩化ビニル樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練した後1次圧延してベースシートを作り、このベースシートを切断し回転させた後階段状に積層し高圧延と低温カレンダリングで2次圧延した後、この2次圧延された波パターン(wave pattern)と粗い表面(rough surface)を有するシートを1次エンボユニットで表面クラックを一定水準に埋め、2次エンボユニットで表面を平滑に処理して製造する。
【0030】
この際、ベースシート層1の組成は塩化ビニル樹脂(PVC:重合度800ないし1、000)100重量部に対して充填材として炭酸カルシウム500ないし650重量部、充填補助剤として海泡石、滑石、シリカのうち1種以上50ないし200重量部、可塑剤(DOP)30ないし50重量部、エポキシ3ないし10重量部、Ba-Zn系安定剤2ないし6重量部、低温加工添加剤2ないし10 重量部及び各種顔料を含む。
【0031】
スポットカラーチップ2はPVCに顔料などを配合した後圧延したシートを粉砕器を用いて0.5ないし20mmどに粉砕したもので、可塑剤の含量においてベースシートと多様に相違にすることによってチップの硬度を多様に与えたものである。
【0032】
本発明に係る耐汚染性及び耐久性を有する無定形マーブル床材の製造過程を具体的に説明すれば次の通りである。
【0033】
まず、それぞれの液状及び粉末原料を一定量配合して分散させ、均一に分散された原料を120ないし150℃未満のバンバリーミキサー(Banbury mixer)3内でスクリューで混練する。混練された原料を100ないし130℃ほどのミキシングロール4を用いてケーキ状のベースシート1を製造する。
【0034】
前記ベースシート1と多様なカラーのスポットチップ2を合板カレンダ8を用いて3.0mm以下のシートに作り、これを粉砕して200ないし250℃のオーブン17で加熱し、これを110ないし150℃の1次カレンダ(calender)8を用いて約1.0ないし5.0mmの厚さで圧延してシートを作り、このシートをカッタ9で切断し、切断されたシートは90°回転設備10を用いて真空吸着後90°回転させて階段状の一定間隔に積層12する。ここで、一定間隔積層とは階段状に一定した幅間隔13を維持しながら積層されたものである。この際スポットチップ2は1次カレンダリングで分離投入されうる。
【0035】
前記切断(cut)設備9は1次圧延されたベースシート1を一定長さに切断する設備であって、シートの切断長さは光センサにより感知され一定長さに切断されるよう構成されている。
【0036】
前記回転(turn)設備10は真空形90°回転設備であって中空の四角ケースよりなっているが、その下部には数多くのシリコン材質のキャップ11が取付けられてシートが指定された位置に至ると四角ケース内に2ないし20kg/cmの真空圧が印加されながら下降し真空キャップ11を用いて1次圧延されたベースシート1を吸着する。このように吸着されたシートは指定されたレールに沿って90°回転しつつ一定間隔13に積層12され2次カレンダ14に供給されうるようにする。
【0037】
一方、1次圧延されたベースシート1はコンパウンディングされたPVC原料とスポットカラーチップ2が混練されて圧延されたもので長手方向のマーブルが形成される。
【0038】
そして、90°回転させた後の積層間隔13は通常100ないし500mmを保たせるのが望ましい。この積層間隔13及び積層数により無定形マーブルの形態が違ってくるが、すなわち積層間隔及び積層数が少なければ1次形成されたマーブルが90°回転した後2次圧延される時、既存の方向性マーブルでやや幅方向に広がった方向性が現れて所望の無定形マーブルが得難い。
【0039】
積層されるベースシート1の枚数はベースシート1の厚さと積層間隔13により異なるが通常2ないし10重が積層される。
【0040】
こうして積層12されたシートを60ないし100℃の2次カレンダ14を用いた低温カレンダリングを施すことによって、波パターンと粗い表面を有する半製品を製造する。この際、長手方向に形成されたマーブルが90°回転して自然な無定形のマーブルに変り、ベースシート1とソフトカラーチップ2が自然に調和できるようにする。また、2次圧延シートの厚さは2.5ないし4.5mmに保たせる。
【0041】
2次カレンダ14を通過して高圧延と低温カレンダリングで製造した半製品を1次ヒータ15を用いて加熱(150℃以上)した後、1次エンボユニット16を用いて長手方向のエンボシングを施すことによって粗い表面を一定水準に埋め、2次ヒータ18を通じてもう一度熱を加えた後(130ないし150℃)、2個のエンボロールで構成された2次エンボユニット19にスチーム(2ないし10kg)を投入しつつ2次エンボシングを行なって表面有光効果を示すようにし、かつエンボユニットの上下速度差(5ないし20%速度差)調節を通じてシート生地が受ける力を増大させて表面マーブル延伸効果を付与し表面を平滑にして、耐久性及び外観が差別化された無定形天然マーブルを表現できる床材を製造する。
【0042】
図2は本発明により製造した無定形マーブル床材の半製品写真であって、低温カレンダリングにより波パターンと粗い表面の外観が形成され、多色のスポットカラーチップがベースシート上に無定形に圧延されていることが見られる。
【0043】
図3は本発明に係る無定形マーブル床材の完製品写真であって、図2の半製品からツーエンボシステムにより表面有光効果と表面マーブル延伸効果が付与されて表面が平滑で外観が差別化された無定形天然マーブルが見られる。
【0044】
図4は本発明で使用される1次エンボユニットの概略的な構造図であって、1次エンボユニットは長手方向(点線部分)にエンボ(または全形態のエンボロールが可能)を作り、低温カレンダリングにより発生するクラックを埋めるよう働く。
【実施例】
【0045】
ツーエンボシステムを用いて無定形天然マーブル床材を製造するため、まずそれぞれの液状及び粉末原料を一定量配合して分散させた。均一に分散された原料を120ないし150℃未満のバンバリーミキサー3内でスクリューで混練し、この混練された原料を100ないし130℃ほどのミキシングロール4を用いてケーキ状のベースシート1を製造した。
【0046】
前記ベースシート1と多様なカラーのスポットチップ2を合板カレンダ5を用いて3.0mm以下のシートに作り、これを粉砕して200ないし250℃のオーブン17で加熱し、これを110ないし150℃の1次カレンダ8で1.0ないし5.0mm厚さのシートに作り、これを一定間隔で切断し回転設備10の真空キャップ11を用いてシートを回転させて積層12した後、マーブル状によって2ないし10枚の一定間隔13で積層した。
【0047】
積層されたシートを60ないし100℃の2次カレンダ14に通過させ高圧延と低温カレンダリングにより波パターンと粗い表面を有する2.5ないし4.5mmの半製品シートを作り、2次カレンダ14を通過して出てくる半製品シートを1次ヒータ15を用いて加熱した後1次エンボユニット16を用いて長手方向エンボシングを施すことによって粗い表面を埋めながら一定厚さに保たせ、2次ヒータ18を通じてもう一度熱を加えてから、2次エンボユニット19にスチームを2ないし10kg供給しつつ2次エンボシングを行なって表面有光効果を奏でるようにし、かつエンボユニットの上下速度差(5ないし20%速度さ)を用いて表面マーブル延伸効果を付与し表面を平滑にして、耐久性及び外観が差別化された無定形天然マーブルを表現できる床材を製造した。
【比較例】
【0048】
無定形でありながら立体感を表現する床材を製造するため、まずそれぞれの液状及び粉末原料を一定量配合して分散させた。均一に分散された原料を120ないし150℃未満のバンバリーミキサー3内でスクリューで混練し、この混練された原料を100ないし130℃ほどのミキシングロールてケーキ状のベースシート1を製造した。
【0049】
前記ベースシート1と多様なカラーのスポットチップ2を合板カレンダ5を用いて3.0mm以下のシートに作り、これを粉砕して200ないし250℃のオーブン17で加熱し、これを110ないし150℃の1次カレンダ8で1.0ないし5.0mm厚さのシートに作り、これを一定間隔で切断し回転整備10の真空キャップ11をを用いてシートを回転させ積層12した後、マーブル形状によって2ないし10枚の一定間隔13で積層した。
【0050】
積層されたシートを60ないし100℃の2次カレンダ14に通過させ低温カレンダリングにより波パターンと粗い表面を有する2.5ないし4.5mmの半製品シートを作った。2次カレンダ14を通過して出てくる半製品シートをヒータ15を用いて加熱した後、エンボシング16を施して粗い表面は整えられ、波パターンには立体感が具現された無定形マーブル床材を製造した。
【0051】
前記実施例で製造したマーブル床材は比較例の床材より耐汚染性において20%程度、耐久性においても30%程度改善された。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る床材の概略的な製造工程図。
【図2】本発明に係る無定形マーブル床材の半製品写真。
【図3】本発明によりツーエンボシステムを用いた無定形マーブル床材の完成品写真。
【図4】本発明で使用される1次エンボユニットの概略的な構造図。
【符号の説明】
【0053】
1: ベースシート 2: スポットカラーチップ
3: バンバリーミキサー 4: ミキシングロール
5: 合板カレンダ 6: 粉砕器
7: チップ投入設備 8: 1次カレンダ
9: 切断設備 10: 回転設備
11: 真空キャップ 12: 積層
13: 積層間隔 14: 2次カレンダ
15: 1次ヒータ 16: 1次エンボユニット
17: オーブン 18: 2次ヒータ
19: 2次エンボユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練した後1次圧延してシートを作り、1次圧延されたシート生地を一定サイズに切断し回転しつつ積層した後、2次圧延して無定形マーブル床材を製造することにおいて、
外観差別化のために表面に波パターンを形成させ、前記2次圧延時カレンダロールの温度を60ないし100℃に低く維持する低温カレンダリングにより前記波パターンを形成させ、
低温カレンダリングにより波パターンと共に形成される粗い表面を有する2次圧延されたシートをツーエンボシステムを用いて、1次エンボユニットでは前記粗い表面を埋めながら厚さを一定レベルに維持させた後、2次エンボユニットでは表面を平滑に処理することを特徴とする無定形マーブル床材の製造方法。
【請求項2】
前記1次圧延されたシートを切断した後回転させる回転設備は真空吸着タイプの回転設備を用い、積層方法は階段状に連続的に積み上げる階段状の連続積層を特徴とする請求項1に記載の無定形マーブル床材の製造方法。
【請求項3】
前記合成樹脂コンパウンドに低温加工添加剤に置換されたポリグリコールエーテル、脂肪アルコール部分エステルと脂肪酸エステルの混合物のうち1種以上を添加して既存対比加工温度を10ないし20℃低く維持することによって、シート生地を積層させる真空吸着タイプの回転設備の真空吸着作業性を確保することを特徴とする請求項2に記載の無定形マーブル床材の製造方法。
【請求項4】
前記2次エンボユニットにスチームを投入して熱による表面有光効果と、上下部ロールの速度差による圧延時マーブル延伸効果を付与することを特徴とする請求項1に記載の無定形マーブル床材の製造方法。
【請求項5】
前記1次エンボユニットに用いられるロールは長手方向のエンボシングを含んで全形態のエンボシングが可能なロールであることを特徴とする請求項1に記載の無定形マーブル床材の製造方法。
【請求項6】
塩化ビニル樹脂100重量部に対して充填材として炭酸カルシウム500ないし650重量部、充填補助剤として海泡石、滑石、シリカのうち1種以上50ないし200重量部、可塑剤30ないし50重量部、エポキシ3ないし10重量部、Ba-Zn系安定剤2ないし6重量部、低温加工添加剤2ないし10重量部及び顔料を含む合成樹脂コンパウンドに多色のスポットカラーチップを混練した後1次圧延してシートを作り、1次圧延されたシート生地を一定サイズに切って回転しつつ積層した後、2次圧延時カレンダロールの温度を60ないし100℃に低く維持する低温カレンダリングにより床材の表面に波パターンと粗い表面を形成させた後、2次圧延されたシートをツーエンボシステムを用いて、1次エンボユニットでは前記粗い表面を埋めながら厚さを一定水準に保たせた後、2次エンボユニットでは表面を平滑に処理して製造することを特徴とする無定形マーブル床材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−508970(P2007−508970A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536458(P2006−536458)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/KR2004/003380
【国際公開番号】WO2005/061211
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(502202007)エルジー・ケム・リミテッド (224)
【Fターム(参考)】