説明

無線アクセスポイントおよびそれを用いたセンサネットワークシステム

【課題】無線アクセスポイントに記録機能を搭載して、PCなどの情報処理装置がなくても電源供給のみで運用を可能とし、無線アクセスポイント自体の使い勝手、さらには無線アクセスポイントを用いたセンサネットワークシステム全体の使い勝手を向上させる技術を提供する。
【解決手段】センサネットワークシステムにおいて、無線センサ端末10と、無線センサ端末10との間で無線接続可能な無線アクセスポイント20と、無線アクセスポイント20が挿抜により接続可能なPC30とを有し、無線アクセスポイント20には、メモリカード25を挿抜可能にして、アクセスポイント機能と、メモリカードへの記録機能とを両立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットワークシステムに関し、特に、無線センサ端末からの無線センサデータを受信し、情報処理装置に接続可能な無線アクセスポイント、さらにこの無線アクセスポイントを用いたセンサネットワークシステムに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセンサネットワークシステムとしては、無線センサ端末と、この無線センサ端末との間で無線接続可能な無線アクセスポイントと、この無線アクセスポイントが接続可能なPC(パーソナルコンピュータ)とを有し、無線アクセスポイントが無線センサ端末からの無線センサデータを受信して、このセンサデータをPCに伝送するように構成されたシステムなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前述したようなセンサネットワークシステムにおいては、例えば、無線アクセスポイントは、PCに接続して使用するため、PCがなければ使うことができない。さらに、この無線アクセスポイントは、PCとの接続状態において、無線センサ端末からのセンサデータをPCに伝送するだけの使い方に限られている。
【0004】
そこで、本発明の代表的な目的は、無線アクセスポイントに記録機能を搭載して、PCなどの情報処理装置がなくても電源供給のみで運用を可能とし、無線アクセスポイント自体の使い勝手、さらには無線アクセスポイントを用いたセンサネットワークシステム全体の使い勝手を向上させる技術を提供することにある。
【0005】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0007】
すなわち、代表的なものの概要は、無線アクセスポイントにおいて、メモリカードを挿抜可能にして、アクセスポイント機能と、メモリカードへの記録機能とを両立することを特徴とするものである。
【0008】
具体的に、無線センサデータを受信し、情報処理装置に挿抜により接続可能な無線アクセスポイントにおいては、無線センサデータを受信する無線IC回路と、無線IC回路で受信した無線センサデータを制御するマイコンと、マイコンで制御された無線センサデータを出力するインタフェース回路と、無線アクセスポイントに挿抜可能とされるメモリカードとを有し、メモリカードに無線IC回路で受信した無線センサデータを記録する第1の機能モードと、メモリカードに記録した無線センサデータをインタフェース回路から情報処理装置に出力する第2の機能モードとを有することを特徴とする。
【0009】
さらに、機能モードとして、無線IC回路で受信した無線センサデータをシリアル用インタフェース回路を通じて情報処理装置に出力する第3の機能モード、無線センサデータを第1の無線アクセスポイントで中継して、第2の無線アクセスポイントに送信する第4の機能モードを有することを特徴とする。
【0010】
また、前述した無線アクセスポイントを含むセンサネットワークシステムにおいても、無線センサ端末と、無線センサ端末との間で無線接続可能な無線アクセスポイントと、無線アクセスポイントが挿抜により接続可能な情報処理装置とを有する構成において、前述した第1の機能モード、第2の機能モード、第3の機能モード、第4の機能モードを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、無線アクセスポイントに記録機能を搭載して、PCなどの情報処理装置がなくても電源供給のみで運用を可能とすることができる。この結果、無線アクセスポイント自体の使い勝手、さらには無線アクセスポイントを用いたセンサネットワークシステム全体の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、無線センサ端末の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、無線アクセスポイントの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、無線アクセスポイントの外観の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、「APモード(PC接続)」の動作の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、「APモード(電源のみ)」の動作の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、「リーダモード」の動作の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態であるセンサネットワークシステムにおいて、「ルータモード」の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明の実施の形態の概要>
本発明の実施の形態の概要は、無線アクセスポイントに、メモリカードを挿抜可能にして、アクセスポイント機能と、メモリカードへの記録機能とを両立することを特徴とする。この無線アクセスポイントは、無線センサデータを受信し、情報処理装置に接続可能な構成となっている。
【0015】
本実施の形態においては、一例として、例えば情報処理装置としてPCを用い、このPCのUSBインタフェースを使用し、PCのUSBポートに無線アクセスポイントを挿抜して、無線アクセスポイントとPCとを接続する場合を例に説明する。しかしながら、情報処理装置はPCに限られるものではなく、情報処理端末、携帯情報端末などのように外部インタフェースを有する装置であれば広く適用可能である。また、外部インタフェースについても、USBインタフェースに限られるものではなく、電源とデータの入出力が可能なインタフェースであれば適用可能である。このように、情報処理装置と外部インタフェースの型式や種類などは特に問わないものである。
【0016】
また、本実施の形態においては、センサネットワークシステムの主な構成の一例として、無線センサ端末と無線アクセスポイントとPCとを有し、4つの機能と、4つのモードとを持ち、その概要は以下の通りである。
【0017】
4つの機能には、「無線センサデータ受信機能」、「PCへのデータ送信機能」、「メモリカードへのデータ記録機能」、「メモリカードからのデータ読み出し機能」がある。
【0018】
「無線センサデータ受信機能」は、無線センサ端末からのデータを受信する。この「無線センサデータ受信機能」は、「APモード(PC接続)」、「APモード(電源のみ)」、「ルータモード」で実現する。
【0019】
「PCへのデータ送信機能」は、無線アクセスポイントをPCに接続時、シリアル通信(COMポート使用)で、無線センサ端末から無線で受信したデータをPCに送信する。この「PCへのデータ送信機能」は、「APモード(PC接続)」、「ルータモード」(マルチホップ通信で無線アクセスポイントまで送信)で実現する。
【0020】
「メモリカードへのデータ記録機能」は、無線センサ端末から無線で受信したデータをメモリカードに記録する。この「メモリカードへのデータ記録機能」は、「APモード(電源のみ)」、「APモード(PC接続)」、「ルータモード」で実現する。
【0021】
「メモリカードからのデータ読み出し機能」は、無線アクセスポイントをPCに接続時、メモリカードの内容を参照でき、メモリカードに記録されたデータファイルを読み出す。この「メモリカードからのデータ読み出し機能」は、「リーダモード」で実現する。
【0022】
4つのモードには、「APモード(PC接続)」、「APモード(電源のみ)」、「リーダモード」、「ルータモード」がある。
【0023】
「APモード(PC接続)」は、無線アクセスポイントをPCに接続し、PCのアプリケーションソフトを起動することにより、無線センサ端末から無線で受信したデータを無線アクセスポイントを通じてリアルタイムでPCのディスプレイ上に表示する。また、「APモード(PC接続)」は、メモリカードを挿しておくことにより、データをPCのディスプレイ上に表示すると同時にメモリカードへの記録もできる。
【0024】
「APモード(電源のみ)」は、無線アクセスポイントにメモリカードが挿された状態かつ、電源が供給された場合、または、PCに接続され、かつPCの電源がオンでかつ、アプリケーションソフトが起動されていない場合に、無線センサ端末から無線で受信したデータを無線アクセスポイントのメモリカードに記録する。
【0025】
「リーダモード」は、無線アクセスポイントをPCに接続することにより、無線アクセスポイントのメモリカードがPCからリムーバブルディスクとして認識され、PC上にメモリカードからデータファイルを読み出す。
【0026】
「ルータモード」は、無線アクセスポイントに電源供給のみを行い、無線センサ端末と無線アクセスポイントとの間に、中継用無線アクセスポイントを配置することで、無線センサ端末から無線で受信したデータを中継用無線アクセスポイントを通じてマルチホップ通信により無線アクセスポイントまで届ける。また、「ルータモード」は、無線アクセスポイントにメモリカードを挿しておくことにより、同時にメモリカードに無線で受信したデータを記録できる。この「ルータモード」は、ROM容量の大きなマイコンを使用することで、出荷時およびユーザによる環境設定(フラッシュROMに設定値を書込む)により実現する。
【0027】
なお、無線センサ端末から無線アクセスポイントへの無線通信は、一例として、例えば950MHz帯を使用する。
【0028】
以上の本発明の実施の形態の概要に基づいた、本発明の一実施の形態を、以下において図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明は図示した形態に限られるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0029】
<センサネットワークシステムの構成>
図1は、本実施の形態であるセンサネットワークシステムの構成の一例を示す図である。図2は無線センサ端末の構成の一例を示す図、図3は無線アクセスポイントの構成の一例を示す図、図4は無線アクセスポイントの外観の一例を示す図である。
【0030】
本実施の形態であるセンサネットワークシステムは、主な構成として図1に示すように、無線センサ端末10と、この無線センサ端末10との間で無線接続可能な無線アクセスポイント20と、この無線アクセスポイント20が挿抜により接続可能なPC30とを有して構成される。
【0031】
無線センサ端末10は、図2に示すように、センサ11とマイコン12と無線IC回路13とこれらの各ブロックに電源を供給する電池14などから構成され、センサ11を内蔵したアクティブ無線タグである。この無線センサ端末10は、内蔵したセンサ11の他に、外部に各種のセンサ15も接続可能となっており、内蔵したセンサ11や外部に接続したセンサ15によるセンサデータを、マイコン12の制御により、無線IC回路13が一定間隔の時間毎に電波に載せて発信する。これらのセンサ11,15には、センサネットワークシステムの用途に応じて、一例として、例えば振動、温度、湿度、照度、気圧、電力量、電力使用量、流量、ガス使用量、水道使用量、石油使用量、人物・物の位置情報などを検知するセンサがあり、これらのセンサデータは無線アクセスポイント20に向けて発信される。
【0032】
無線アクセスポイント20は、図3に示すように、無線IC回路21とマイコン22とシリアル用インタフェース回路23とストレージ用インタフェース回路24とメモリカード25と機能切替スイッチ26と状態表示LED27などから構成される。一例として、例えばシリアル用インタフェース回路23にはシリアル用USB−IC回路などが用いられ、ストレージ用インタフェース回路24にはストレージ用USB−IC回路などが用いられる。また、メモリカード25には、SDカード(商品名)、メモリスティック(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)などが用いられる。
【0033】
この無線アクセスポイント20は、図4に示すように、本体にメモリカード25が挿抜可能になっている。また、本体の表面には、機能切替スイッチ26が切替可能に取り付けられ、さらに切替状態が外側から見えるように状態表示LED27も設けられている。
【0034】
この無線アクセスポイント20では、無線センサ端末10から発信されたセンサデータを無線IC回路21で受信し、マイコン22の制御により、シリアル用インタフェース回路23でシリアルインタフェースのデータに変換してPC30へ伝送することが可能である。また、センサデータは、マイコン22の制御により、前記PC30への伝送と同時にメモリカード25への記録が可能である。また、メモリカード25に記録されたセンサデータは、ストレージ用インタフェース回路24でUSBインタフェースのデータに変換してPC30へ読み出すことが可能である。また、PC30からストレージ用インタフェース回路24を介してメモリカード25にデータを記録することが可能である。
【0035】
また、この無線アクセスポイント20は、機能切替スイッチ26を切り替えることで、シリアル用インタフェース回路23を使用する「APモード」と、ストレージ用インタフェース回路24を使用する「リーダモード」とを切り替えることが可能である。この切り替えられた各モードの状態は、状態表示LED27の表示により外側から認識することが可能である。この状態表示LED27はマイコン22の制御により表示される。
【0036】
PC30は、一般的なノート型などのパーソナルコンピュータであり、マイコン、メモリ、ディスプレイ、キーボードなどから構成される。一例として、例えば外部とのインタフェースとして、USBポートやシリアルポートなどを備え、外部機器が接続可能となっている。本実施の形態においては、USBポートに無線アクセスポイント20が挿抜可能となっている。
【0037】
このPC30では、マイコンの制御により各種のアプリケーションソフトを起動して、無線アクセスポイント20から伝送されたデータをメモリに記憶し、ディスプレイに表示して監視したり、さらには収集したデータの管理・解析・統計処理なども含めて、各種の処理を実行することが可能である。
【0038】
以上のように構成されるセンサネットワークシステムには、無線センサ端末10、無線アクセスポイント20、PC30の他に、AC電源をDC電源に変換して無線アクセスポイント20に電源供給するACアダプタ40なども含めて、本実施の形態であるセンサネットワークシステムが構築される。また、無線センサ端末10、無線アクセスポイント20、PC30、ACアダプタ40の各構成要素の数量については、それぞれ1台に限らず、2台以上を組み合わせることで、種々の用途に適用可能なセンサネットワークシステムを構築することができる。
【0039】
<センサネットワークシステムの動作>
図5〜図8は、本実施の形態であるセンサネットワークシステムの動作の一例を示す図であり、それぞれ、図5は「APモード(PC接続)」、図6は「APモード(電源のみ)」、図7は「リーダモード」、図8は「ルータモード」を示す。
【0040】
「無線センサデータ受信機能」、「PCへのデータ送信機能」を実現する「APモード(PC接続)」は、図5に示すように、無線センサ端末10、無線アクセスポイント20、PC30を有する構成において実現される。無線アクセスポイント20のコネクタをPC30のUSBポートに挿し、無線アクセスポイント20とPC30とを接続し、無線アクセスポイント20として、リアルタイムで無線センサ端末10から発信された無線センサデータの送受信通信(COMポート使用)をシリアル用インタフェース回路23を通じて行う。PC30のアプリケーションソフトを起動することにより、PC30のディスプレイにデータを表示し、またPC30のメモリにログデータを保存する。このPC30のディスプレイにデータを表示する機能とPC30のメモリにログデータを保存する機能は、それぞれ実施する/しないを選択でき、4パターンの仕様となる。
【0041】
また、この「APモード(PC接続)」では「メモリカードへのデータ記録機能」も実現でき、無線アクセスポイント20にメモリカード25を挿しておくことにより、データをPC30のディスプレイ上に表示すると同時にメモリカード25への記録もできる。
【0042】
この「APモード(PC接続)」は、無線アクセスポイント20の機能切替スイッチ26をシリアル用インタフェース回路23を使用する「APモード」に切り替えて、PC30のモニタアプリケーションソフトを起動している間、このモードとなる。
【0043】
「無線センサデータ受信機能」、「メモリカードへのデータ記録機能」を実現する「APモード(電源のみ)」は、図6に示すように、無線センサ端末10,10a(図6では2台の例を図示)、無線アクセスポイント20、ACアダプタ40を有する構成において実現される。PC30がなくても、無線アクセスポイント20のコネクタをAC電源に接続されたACアダプタ40に挿し、無線アクセスポイント20にACアダプタ40から電源が供給されていれば、メモリカード25へ無線センサデータを記録する。
【0044】
この「APモード(電源のみ)」は、無線アクセスポイント20の機能切替スイッチ26をシリアル用インタフェース回路23を使用する「APモード」に切り替えて、ACアダプタ40から電源が供給されている間、このモードとなる。メモリカード25に記録したデータの読み出しは、「リーダモード」によりPC30から読み出す。
【0045】
「メモリカードからのデータ読み出し機能」を実現する「リーダモード」は、図7に示すように、無線アクセスポイント20、PC30を有する構成において実現される。無線アクセスポイント20のコネクタをPC30のUSBポートに接続した場合は、メモリカード25はPC30からリムーバブルディスクとして認識され、メモリカード25内に記録されているデータファイルをストレージ用インタフェース回路24を通じてPC30上に読み出す。
【0046】
この「リーダモード」は、無線アクセスポイント20の機能切替スイッチ26をストレージ用インタフェース回路24を使用する「リーダモード」に切り替えた場合に、このモードとなる。この「リーダモード」では、通常のメモリカードリーダと同様の使い方ができる。
【0047】
「無線センサデータ受信機能」、「PCへのデータ送信機能」を実現する「ルータモード」は、図8に示すように、無線センサ端末10、中継用の無線アクセスポイント20a,20bとACアダプタ40a,40b(図8では各2台の例を図示)、中継先の無線アクセスポイント20とACアダプタ40を有する構成において実現される。PC30がなくても、中継用、中継先の各無線アクセスポイント20a,20b,20のコネクタをAC電源に接続された各ACアダプタ40a,40b,40に挿し、各無線アクセスポイント20a,20b,20に各ACアダプタ40a,40b,40から電源が供給されていれば、無線センサ端末10から無線受信したセンサデータを、まず1台目の無線アクセスポイント20aからなるルータで中継し、さらに2台目の無線アクセスポイント20bからなるルータで中継して、そして、中継先の無線アクセスポイント20まで届ける。この中継用の無線アクセスポイント20a,20bは、2台に限らず、3台以上で中継することも可能である。
【0048】
また、この「ルータモード」では「メモリカードへのデータ記録機能」も実現でき、各無線アクセスポイント20a,20b,20に各メモリカード25a,25b,25を挿しておくことにより、同時にメモリカード25a,25b,25に無線で受信したデータを記録できる。
【0049】
この「ルータモード」は、中継用の無線アクセスポイント20a,20bはROM容量の大きなマイコン22を使用することで、出荷時およびユーザによる環境設定(フラッシュROMに設定値を書込む)を行い、中継先の無線アクセスポイント20の機能切替スイッチ26をシリアル用インタフェース回路23を使用する「APモード」に切り替えて、ACアダプタ40a,40b,40から電源が供給されている間、このモードとなる。
【0050】
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態であるセンサネットワークシステムによれば、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
(1)無線アクセスポイント20としては、この無線アクセスポイント20にメモリカード25を挿抜可能にして、アクセスポイント機能とメモリカード25への記録機能とを両立させることができるので、無線アクセスポイント20自体の使い勝手を向上させることが可能となる。特に、この無線アクセスポイント20は、PC30がなくても電源供給のみで運用が可能となる。
【0052】
(2)センサネットワークシステムとしては、「無線センサデータ受信機能」、「PCへのデータ送信機能」、「メモリカードへのデータ記録機能」、「メモリカードからのデータ読み出し機能」の4つの機能と、「APモード(PC接続)」、「APモード(電源のみ)」、「リーダモード」、「ルータモード」の4つのモードとで動作させることができるので、センサネットワークシステム全体の使い勝手を向上させることが可能となる。
【0053】
(3)センサネットワークシステムとしては、無線センサ端末10のセンサ11,15の種類や、PC30でのアプリケーションソフトによる処理の種類などを種々組み合わせることで、広い用途での運用が可能となる。
【0054】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明のセンサネットワークシステムは、無線センサ端末からの無線センサデータを受信し、PCなどの情報処理装置に接続可能な無線アクセスポイント、さらにこの無線アクセスポイントを用いたセンサネットワークシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
10,10a…無線センサ端末、11…センサ(内蔵)、12…マイコン、13…無線IC回路、14…電池、15…センサ(外部)、
20,20a,20b…無線アクセスポイント、21…無線IC回路、22…マイコン、23…シリアル用インタフェース回路、24…ストレージ用インタフェース回路、25,25a,25b…メモリカード、26…機能切替スイッチ、27…状態表示LED、
30…PC、
40,40a,40b…ACアダプタ。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線センサデータを受信し、情報処理装置に挿抜により接続可能な無線アクセスポイントであって、
前記無線センサデータを受信する無線IC回路と、前記無線IC回路で受信した無線センサデータを制御するマイコンと、前記マイコンで制御された無線センサデータを出力するインタフェース回路と、前記無線アクセスポイントに挿抜可能とされるメモリカードとを有し、
前記無線アクセスポイントを前記情報処理装置に挿し、前記メモリカードを前記無線アクセスポイントに挿した状態で、前記メモリカードに前記無線IC回路で受信した無線センサデータを記録する第1の機能モードと、前記メモリカードに記録した無線センサデータを前記インタフェース回路から前記情報処理装置に出力する第2の機能モードとを有することを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項2】
請求項1記載の無線アクセスポイントにおいて、
前記インタフェース回路は、前記無線センサデータをデータ変換して前記情報処理装置に出力するシリアル用インタフェース回路と、前記メモリカードに記録した無線センサデータをデータ変換して前記情報処理装置に出力するストレージ用インタフェース回路とを含み、
前記無線IC回路で受信した無線センサデータを前記シリアル用インタフェース回路を通じて前記情報処理装置に出力する第3の機能モードをさらに有し、
前記第2の機能モードでは、前記メモリカードに記録した無線センサデータを前記ストレージ用インタフェース回路を通じて前記情報処理装置に出力することを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項3】
請求項2記載の無線アクセスポイントにおいて、
前記無線アクセスポイントを前記情報処理装置から抜いた状態で、前記無線アクセスポイントは外部から電源が供給可能とされ、
前記第1の機能モードを前記外部からの電源供給で行うことを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項4】
請求項3記載の無線アクセスポイントにおいて、
前記外部からの電源供給が可能な無線アクセスポイントが複数からなる場合に、前記複数の無線アクセスポイントのうち、第1の無線アクセスポイントを中継用に用い、第2の無線アクセスポイントを中継先に用い、
前記無線センサデータを前記第1の無線アクセスポイントで中継して、前記第2の無線アクセスポイントに送信し、かつ、前記無線センサデータを前記第1の無線アクセスポイントに挿されたメモリカードおよび前記第2の無線アクセスポイントに挿されたメモリカードに記録する第4の機能モードをさらに有することを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項5】
請求項4記載の無線アクセスポイントにおいて、
前記第1または第4の機能モードまたは前記シリアル用インタフェース回路を使用する前記第3の機能モードか、前記ストレージ用インタフェース回路を使用する前記第2の機能モードかを切り替える機能切替スイッチと、前記機能切替スイッチにより切り替えたモードを認識可能に表示する状態表示LEDとをさらに有することを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項6】
無線センサ端末と、前記無線センサ端末との間で無線接続可能な無線アクセスポイントと、前記無線アクセスポイントが挿抜により接続可能な情報処理装置とを有するセンサネットワークシステムであって、
前記無線アクセスポイントは、
前記無線センサ端末からの無線センサデータを受信する無線IC回路と、前記無線IC回路で受信した無線センサデータを制御するマイコンと、前記マイコンで制御された無線センサデータを出力するインタフェース回路と、前記無線アクセスポイントに挿抜可能とされるメモリカードとを有し、
前記無線アクセスポイントを前記情報処理装置に挿し、前記メモリカードを前記無線アクセスポイントに挿した状態で、前記メモリカードに前記無線IC回路で受信した無線センサデータを記録する第1の機能モードと、前記メモリカードに記録した無線センサデータを前記インタフェース回路から前記情報処理装置に出力する第2の機能モードとを有することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項7】
請求項6記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記インタフェース回路は、前記無線センサデータをデータ変換して前記情報処理装置に出力するシリアル用インタフェース回路と、前記メモリカードに記録した無線センサデータをデータ変換して前記情報処理装置に出力するストレージ用インタフェース回路とを含み、
前記無線IC回路で受信した無線センサデータを前記シリアル用インタフェース回路を通じて前記情報処理装置に出力する第3の機能モードをさらに有し、
前記第2の機能モードでは、前記メモリカードに記録した無線センサデータを前記ストレージ用インタフェース回路を通じて前記情報処理装置に出力することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項8】
請求項7記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記無線アクセスポイントを前記情報処理装置から抜いた状態で、前記無線アクセスポイントは外部から電源が供給可能とされ、
前記第1の機能モードを前記外部からの電源供給で行うことを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項9】
請求項8記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記外部からの電源供給が可能な無線アクセスポイントが複数からなる場合に、前記複数の無線アクセスポイントのうち、第1の無線アクセスポイントを中継用に用い、第2の無線アクセスポイントを中継先に用い、
前記無線センサデータを前記第1の無線アクセスポイントで中継して、前記第2の無線アクセスポイントに送信し、かつ、前記無線センサデータを前記第1の無線アクセスポイントに挿されたメモリカードおよび前記第2の無線アクセスポイントに挿されたメモリカードに記録する第4の機能モードをさらに有することを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項10】
請求項9記載のセンサネットワークシステムにおいて、
前記無線アクセスポイントは、前記第1または第4の機能モードまたは前記シリアル用インタフェース回路を使用する前記第3の機能モードか、前記ストレージ用インタフェース回路を使用する前記第2の機能モードかを切り替える機能切替スイッチと、前記機能切替スイッチにより切り替えたモードを認識可能に表示する状態表示LEDとをさらに有することを特徴とするセンサネットワークシステム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−239186(P2011−239186A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109020(P2010−109020)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(398035626)杉原エス・イー・アイ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】