説明

無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するための方法及びデバイス

【課題】無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するための方法を提供する。
【解決手段】第2の無線電気通信デバイスは、第2の無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信し、少なくともメッセージの受信時刻及び所定の無線信号を転送又は受信する時刻から、第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線セルラー電気通信ネットワークの無線電気通信デバイスによって、該無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッション(coordination session)用の少なくとも別の無線電気通信デバイスを選択するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線セルラー電気通信ネットワークでは、基地局は、オペレーションエンティティ及びメンテナンスエンティティによって管理及び構成される。基地局は、オペレータの無線カバレッジ期待値をできるだけ満たすために無線ネットワーク計画ツール予測に従ったロケーションに設置される。
【0003】
その場合、基地局をリンクする通信ネットワークは、これらの基地局に対して十分な容量を提供するように設計され配備される。
【0004】
無線セルラー電気通信ネットワークのトポロジーのこのような制御により、2つの基地局から1つの移動端末へデータのフローを送信する等のコーディネーションセッションをセットアップすること、又は基地局によってハンドリングされる移動端末が別の基地局によって干渉されることがより少なくなるようなスケジューリング情報を交換することが可能である。これらのコーディネーションセッションは、CoMP(コーディネーテッドマルチポイント(Coordinated Multi-Point))送信とも呼ばれる。
【0005】
基地局が無線の観点からの自身の隣接基地局を自律的に発見することを可能にするメカニズムを導入することによって、基地局配備に関して、より高い柔軟性がオペレータに与えられる。
【0006】
しかしながら、隣接したものの発見は無線の態様に限られており、これは、コーディネーテッドマルチポイントの要件になったときに十分ではない。これは、基地局がフェムト基地局又はホーム基地局であるとき、オペレータがそれらの基地局のロケーションの制御も、それらの基地局をリンクする通信ネットワークの制御も有しないので、特に関連する。
【0007】
その上、それらの基地局は、非常に動的なセットを構築する可能性があり、基地局は、多くの場合に制御されていない方法で突然現れたり消えたりする。
【0008】
ホーム基地局等の新しい無線電気通信デバイスのこのような動的な構成及び導入により、無線電気通信デバイス間のコーディネーションセッションを開始することは困難である。
【0009】
特許文献1は、2つの移動端末間のピアツーピア通信を開示している。
【0010】
特許文献2は、プローブ応答を抑制するアクセスポイントの方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0046683号
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0080388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、たとえ無線セルラー電気通信ネットワークのトポロジーが可変であっても、また、たとえ無線電気通信デバイスをリンクする通信ネットワークの性能が可変及び/又は未知であっても、ホーム基地局、中継器、又は基地局のような無線電気通信デバイスを備える無線セルラー電気通信ネットワークがコーディネーションセッションに関与することを可能にするソリューションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このために、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するための方法であって、該無線電気通信デバイスは、電気通信ネットワークを通じてリンクされ、
該方法は、第2の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、
第2の無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信するステップ、並びに
少なくともメッセージの受信時刻、及び所定の無線信号を転送又は受信する時刻から、第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するステップ、
を含むことを特徴とする方法に関する。
【0014】
本発明はまた、無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するためのデバイスであって、該無線電気通信デバイスは、電気通信ネットワークを通じてリンクされ、
該デバイスは、第2の無線電気通信デバイスに含まれるとともに、
第2の無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信する手段、並びに
少なくともメッセージの受信時刻及び所定の無線信号を転送又は受信する時刻から、第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する手段、
を備えることを特徴とするデバイスに関する。
【0015】
したがって、無線電気通信デバイス間のリンクの、電気通信ネットワークを通じた状態を評価することができる。所与の時間で少なくとも1つの第2の無線電気通信デバイスへ情報を送信することができるか否かを判断することが可能である。無線パスを通じて情報を転送し、移動端末が所与の時間内に情報を受信することができるか否かを判断することも可能である。さらに、無線電気通信デバイス間の単純なプロトコルでコーディネーションセッションを確立することができるか否かを判断することも可能である。
【0016】
特定の特徴によると、第2の無線電気通信デバイスは、
所定の無線信号を転送する時刻を表す情報をメッセージの受信時刻と比較し、
少なくともこの比較に従って、転送する時刻に無線信号を転送しなければならないか否かを判断する。
【0017】
したがって、第2の無線電気通信デバイスが電気通信ネットワークを通じてメッセージを受信しない場合、又は所定の無線信号を転送する時刻がメッセージの受信時刻よりも前である場合、第2の無線電気通信デバイスは、上記第1の無線電気通信デバイスとのコーディネーションを確立することができないと推測する。無線信号を転送しないことによって、第2の無線電気通信デバイスは、協力手順を最先に停止する。
【0018】
特定の特徴によると、転送する時刻に無線信号を転送しなければならないか否かの判断は、
第2の無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は
第2の無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は
第2の無線電気通信デバイスの容量、及び/又は
コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する第2の無線電気通信デバイスの構成、及び/又は
スケジュールに従ったものにさらに依存する。
【0019】
したがって、コラボレートすることが可能であるか又はその準備ができている第2の無線電気通信デバイスのみが所定の無線信号を転送し、その後、該第2の無線電気通信デバイスを第1の無線電気通信デバイスにおいて識別することができる。
【0020】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスは、第2の無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッションが確立されるか否かを、第1の無線電気通信デバイスによって受信された所定の無線信号から判断する。
【0021】
したがって、無線信号強度を使用して、第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間の無線パス品質を評価することができる。
【0022】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスは、
受信された所定の無線信号から少なくとも1つの所定の無線信号を選択し、
選択された所定の無線信号を転送した第2の無線電気通信デバイスを識別する。
【0023】
したがって、第1の無線電気通信デバイスは、コーディネーション用の候補の無線電気通信デバイスのリストを作成することができる。
【0024】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスは、所定の無線信号を受信する少なくとも1つの移動端末によって転送された少なくとも1つの測定報告から、第2の無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッションが確立されるか否かを判断する。
【0025】
したがって、特定の移動端末について第2の無線電気通信デバイスの選択を行うことができる。この特定の移動端末は、コーディネーションの利点の主な受益者である。さらに、移動端末ごとに異なる第2の無線電気通信デバイスを選択することができる。
【0026】
特定の特徴によれば、第1の無線電気通信デバイスは、第1の無線電気通信デバイスによってハンドリングされる少なくとも1つの移動端末へ、少なくとも1つの所定の信号に関する少なくとも1つの測定に進むことを求める要求を転送する。
【0027】
したがって、移動端末は、所定の信号の送信時刻を知り、所定の信号の送信時刻を常に監視する必要はない。
【0028】
特定の特徴によると、第2の無線電気通信デバイスは、
所定の無線信号を受信する時刻を表す情報をメッセージの受信時刻と比較し、
受信された無線信号に応答して、第1の無線電気通信デバイスを対象としたメッセージを転送しなければならないか否かを比較に従って判断する。
【0029】
したがって、第2の無線電気通信デバイスが電気通信ネットワークを通じてメッセージを受信しない場合、又は所定の無線信号を転送する時刻がメッセージの受信時刻よりも前である場合、第2の無線電気通信デバイスは、上記第1の無線電気通信デバイスとのコーディネーションを確立することができないと推測する。
【0030】
メッセージを転送しないことによって、第2の無線電気通信デバイスは、協力手順を最先に停止する。
【0031】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスを対象としたメッセージを転送しなければならないか否かの判断は、
第2の無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は
第2の無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は
第2の無線電気通信デバイスの容量、及び/又は
コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する第2の無線電気通信デバイスの構成、及び/又は
スケジュールに従ったものにさらに依存する。
【0032】
したがって、コラボレートすることが可能であるか又はその準備ができている第2の無線電気通信デバイスのみが所定の無線信号を転送し、その後、該第2の無線電気通信デバイスを第1の無線電気通信デバイスにおいて識別することができる。
【0033】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスは、第1の無線電気通信デバイスによってハンドリングされる少なくとも1つの移動端末へ、所定の無線信号を転送し、所定の信号は、少なくとも第1の無線電気通信デバイスを識別する情報を含む。
【0034】
特定の特徴によると、第1の無線電気通信デバイスは、第2の無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッションが確立されるか否かを、第2の無線電気通信デバイスによって転送された少なくとも1つの測定報告から判断する。
【0035】
特定の特徴によると、無線セルラー電気通信ネットワークは、通信ネットワークを通じて複数の無線電気通信デバイスにリンクされたアクセスゲートウェイをさらに備え、メッセージは、第1の無線電気通信デバイスによってアクセスゲートウェイへ転送され、アクセスゲートウェイは、アクセスゲートウェイにリンクされた無線電気通信デバイスの少なくとも一部を選択し、選択された無線電気通信デバイスへメッセージを転送する。
【0036】
したがって、無線セルラー電気通信ネットワークが、アクセスゲートウェイによってリンクされた無線電気通信デバイスのサブセットにグルーピングすることができる中継器、ホーム基地局、及び/又は基地局等の多くの無線電気通信デバイスを備える場合、無線電気通信デバイス間の接続性は、アクセスゲートウェイによって良好な性能で行われる。
【0037】
さらに、第1の無線電気通信デバイスは、コーディネーションプロセスを実行する前に第2の無線電気通信デバイスを正確に知る必要はない。
【0038】
無線電気通信デバイスのサブセットにおける無線電気通信デバイスと無線セルラー電気通信ネットワークの残りの部分との接続は、アクセスゲートウェイを通じて作成される。無線セルラー電気通信ネットワークの残りの部分は、無線電気通信デバイスのサブセットにおける各無線電気通信デバイスに気付いている必要はない。
【0039】
これは、無線電気通信デバイスの動作状態が時間と共に変化し得るときに特に有益である。
【0040】
特定の特徴によると、所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す情報は、所与の継続時間中の時刻又は所与の無線フレーム番号である。
【0041】
したがって、第2の無線電気通信デバイスが所定の(determined)無線フレームにおいて協力することができない場合、第2の無線電気通信デバイスは、所定の無線信号もメッセージも送信せず、第1の無線電気通信デバイスによって識別することができないように、無線フレームインデックスを、第1の無線電気通信デバイスのスケジューラメモリと一致するように選ぶことができる。
【0042】
さらなる別の特徴によると、本発明は、プログラマブルデバイスに直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されると、本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0043】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0044】
本発明の特徴は、実施形態の一例の以下の説明を読むことによってより明らかになる。上記説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1a】本発明の第1の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す図である。
【図1b】本発明の第2の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す図である。
【図1c】本発明の第3の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施される基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図3】本発明が実施されるアクセスゲートウェイのアーキテクチャを表す図である。
【図4a】本発明の第1の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図4b】本発明の第2の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図4c】本発明の第3の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【図5】本発明によるアクセスゲートウェイによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1aは、本発明の第1の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す。
【0047】
図1aには、無線セルラー電気通信ネットワークの4つの無線電気通信デバイスBS1、BS2、BS3、及びBS4が示されている。
【0048】
4つの無線電気通信デバイスBSが示されているが、本発明は、異なる個数、例えばより多い個数の無線電気通信デバイスBSが無線セルラー電気通信ネットワークに存在するときにも機能するということを理解することができる。
【0049】
無線電気通信デバイスBSは、例えば、基地局、ホーム基地局、若しくは中継器、又は基地局、中継器、及びホーム基地局の組み合わせとすることができる。
【0050】
無線電気通信デバイスBSがホーム基地局又は中継器であるとき、それらの無線電気通信デバイスBSは、例えば自宅に配置される。
【0051】
各ホーム基地局は、そのセルカバレッジが数百平方メートルに制限された基地局であって、そのホーム基地局に関連付けられた限定された個数の移動端末が無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる基地局と同様のものである。
【0052】
各中継器は、その中継器に関連付けられた移動端末が、無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。例えば、中継器は、あたかも従来の基地局又はホーム基地局であるように、ダウンリンクチャネルを通じて移動端末へ信号を送信し、アップリンクチャネルを通じて移動端末から信号を受信する。しかしながら、電気通信ネットワークへの有線接続を有する基地局又はホーム基地局とは異なり、中継器は、基地局又はホーム基地局との無線接続のみを有し、電気通信ネットワークへの中継器の接続は、基地局又はホーム基地局を介して行われる。
【0053】
無線電気通信デバイスBSは、それらの無線電気通信デバイスBSがそれぞれ管理する、図1には図示しないセルに位置する移動端末MTによって転送された信号を受信することができる。無線電気通信デバイスBSは、それらの無線電気通信デバイスBSがそれぞれ管理するセルに位置する移動端末MTが受信して処理できる信号を転送する。
【0054】
無線電気通信デバイスBSが移動端末MTをハンドリングするとき、移動端末MTは、リモート電気通信デバイスとの通信を受信、確立、又は継続することができる。
【0055】
図1aには、1つの移動端末MTしか示されていないが、本発明は、異なる個数、例えばより多い個数の移動端末MTが無線セルラー電気通信ネットワークに存在するときにも機能するということを理解することができる。
【0056】
アクセスゲートウェイAGWを、無線セルラー電気通信ネットワークに含めることができる。
【0057】
アクセスゲートウェイAGWは、無線電気通信デバイスBSの少なくとも一部を、無線セルラー電気通信ネットワークの残りのデバイスとインターフェースで接続することができる。
【0058】
例えば、アクセスゲートウェイAGWは、無線電気通信デバイスBS1、BS2、BS3、及びBS4を、無線セルラー電気通信ネットワークの残りのデバイスとインターフェースで接続する。
【0059】
アクセスゲートウェイAGWは、或る無線電気通信デバイスによって転送されたメッセージを、アクセスゲートウェイAGWによって管理されるエリアに配置されたどの無線電気通信デバイスBSへ転送しなければならないのかを決定することができる。
【0060】
例えば、無線電気通信デバイスが中継器又はホーム基地局であるとき、1つ又は複数のアクセスゲートウェイAGWが無線セルラー電気通信ネットワークに含まれる。
【0061】
例えば、無線電気通信デバイスBSが基地局であるとき、アクセスゲートウェイAGWは、無線セルラー電気通信ネットワークに含まれない。
【0062】
無線電気通信デバイスBS1〜BS4は、それらの無線電気通信デバイスBSが基地局又はホーム基地局である場合に、通信ネットワークによってリンクすることができる。
【0063】
通信ネットワークは、例えば、ISDN(サービス統合デジタル網)ネットワーク又は光ファイバベース電気通信ネットワーク等のPSTNネットワーク(公衆交換電話網(Public Switch Telecommunication Network))又はパケット交換ネットワークである。
【0064】
リンクL1は、無線電気通信デバイスBS1とアクセスゲートウェイAGWとの間に確立された接続リンクを表す。
【0065】
リンクL2は、無線電気通信デバイスBS2とアクセスゲートウェイAGWとの間の接続リンクを表す。
【0066】
リンクL3は、無線電気通信デバイスBS3とアクセスゲートウェイAGWとの間の接続リンクを表す。
【0067】
リンクL4は、無線電気通信デバイスBS4とアクセスゲートウェイAGWとの間に確立された接続リンクを表す。
【0068】
リンクL1、L2、L3、及びL4は、無線電気通信デバイスBSが基地局又はホーム基地局であるとき、通信ネットワークを通じて確立される。
【0069】
リンクL1、L2、L3、及びL4は、無線電気通信デバイスが中継器であるとき、中継器と各基地局又は各ホーム基地局との間の図1aに図示しない無線接続、及び基地局又はホーム基地局から通信ネットワークを通じてアクセスゲートウェイAGWへ確立された接続を含む。
【0070】
SBS21で示す矢印は、無線電気通信デバイスBS2から無線電気通信デバイスBS1への無線パスを表す。
【0071】
SBS31で示す矢印は、無線電気通信デバイスBS3から無線電気通信デバイスBS1への無線パスを表す。
【0072】
本発明の第1の実現モードによれば、少なくとも1つの無線電気通信デバイスは、
−該無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信し、
−少なくともそのメッセージの受信時刻及びその所定の無線信号を転送する時刻から、該無線電気通信デバイスと別の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する。
【0073】
この別の無線電気通信デバイスは、自身が受信する所定の無線信号から、無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッションが確立されるか否かを判断する。
【0074】
図1bは、本発明の第2の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す。
【0075】
図1bは、無線パスSBS21及びSBS31が無線パスSBS2M、SBS3M、及びSBS1Mに置き換えられていることを除いて図1aとほとんど同一である。
【0076】
SBS2Mで示す矢印は、無線電気通信デバイスBS2から移動端末MTへの無線パスを表す。
【0077】
SBS3Mで示す矢印は、無線電気通信デバイスBS3から移動端末MTへの無線パスを表す。
【0078】
SBS1Mで示す矢印は、無線電気通信デバイスBS1と移動端末MTとの間の無線パスを表す。
【0079】
本発明の第2の実現モードによれば、少なくとも1つの無線電気通信デバイスは、
−該無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信し、
−少なくともそのメッセージの受信時刻及びその所定の無線信号を転送する時刻から、該無線電気通信デバイスと別の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する。
【0080】
この別の無線電気通信デバイスは、少なくとも1つの移動端末MTから受信される少なくとも1つの測定報告から、無線電気通信デバイスとのコーディネーションセッションが確立されるか否かを判断する。
【0081】
図1cは、本発明の第3の実現モードによる本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークを表す。
【0082】
図1cは、無線パスSBS21及びSBS31が無線パスSBSM2、SBSM3、及びSBSM1に置き換えられていることを除いて図1aとほとんど同一である。
【0083】
SBSM2で示す矢印は、移動端末MTから無線電気通信デバイスBS2への無線パスを表す。
【0084】
SBSM3で示す矢印は、移動端末MTから無線電気通信デバイスBS3への無線パスを表す。
【0085】
SBSM1で示す矢印は、無線電気通信デバイスBS1と移動端末MTとの間の無線パスを表す。
【0086】
本発明の第3の実現モードによれば、少なくとも1つの無線電気通信デバイスは、
−該無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、電気通信ネットワークを通じて受信し、
−少なくともそのメッセージの受信時刻及びその所定の無線信号を受信する時刻から、該無線電気通信デバイスと別の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する。
【0087】
図2は、本発明が実施される無線電気通信デバイスのアーキテクチャを表す図である。
【0088】
無線電気通信デバイスBSは、例えば、バス201によって互いに接続されたコンポーネントと、図4a又は図4b又は図4cに開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0089】
ここで、無線電気通信デバイスBSのアーキテクチャは、プロセッサに基づくのではなく、専用集積回路に基づくことができることに留意しなければならない。
【0090】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、ワイヤレスインターフェース205、及びネットワークインターフェース206にリンクする。
【0091】
メモリ203は、変数と、図4a又は図4b又は図4cに開示するようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令とを収容するように意図されたレジスタを含む。
【0092】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206のオペレーション及びワイヤレスインターフェース205のオペレーションを制御する。
【0093】
読み出し専用メモリ202は、図4a又は図4b又は図4cに開示するようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令を含む。これらの命令は、無線電気通信デバイスBSの電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203へ転送される。
【0094】
無線電気通信デバイスBSが基地局又はホーム基地局であるとき、無線電気通信デバイスBSは、ネットワークインターフェース206を通じて電気通信ネットワークに接続される。例えば、ネットワークインターフェース206は、DSL(デジタル加入者線(Digital Subscriber Line))モデム又はISDN(サービス統合デジタル網(Integrated Services Digital Network))インターフェース等である。
【0095】
ネットワークインターフェース206を通じて、無線電気通信デバイスBSは、他の無線電気通信デバイスBS、又はアクセスゲートウェイAGW、又は無線セルラー電気通信ネットワークのコアデバイスへメッセージを転送することができる。
【0096】
無線インターフェース205及びネットワークインターフェース206は、移動端末がこの無線電気通信デバイスBSによってサーブ(serve)されるとき、無線セルラー電気通信ネットワークにアクセスするために、すなわちリモート電気通信デバイスとの通信を確立又は受信又は継続するために、移動端末が使用することができる無線電気通信デバイスBSのリソースである。
【0097】
無線インターフェース205は、少なくとも、移動端末へ信号を転送するためのダウンリンク送信モジュールと、移動端末から信号を受信するためのアップリンク受信モジュールとを備える。
【0098】
第1の実現モードによれば、無線インターフェース205は、他の無線電気通信デバイスBSから信号を受信するためのアップリンク受信モジュールをさらに備える。
【0099】
無線電気通信デバイスBSが中継器であるとき、無線インターフェース205は、基地局又はホーム基地局へ信号を転送するためのダウンリンク送信モジュールと、基地局又はホーム基地局から信号を受信するためのアップリンク受信モジュールとをさらに備える。
【0100】
図3は、本発明が実施されるアクセスゲートウェイのアーキテクチャを表す図である。
【0101】
アクセスゲートウェイAGWは、例えば、バス301によって互いに接続されたコンポーネントと、図5に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づくアーキテクチャを有する。
【0102】
ここで、コーディネータのアーキテクチャは、プロセッサに基づくのではなく、専用集積回路に基づくことができることに留意しなければならない。
【0103】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0104】
メモリ303は、変数と、図5に開示するようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令とを収容するように意図されたレジスタを含む。
【0105】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306のオペレーションを制御する。
【0106】
読み出し専用メモリ302は、図5に開示するようなアルゴリズムに関係したプログラムの命令を含む。これらの命令は、アクセスゲートウェイAGWの電源が投入されると、ランダムアクセスメモリRAM303へ転送される。
【0107】
アクセスゲートウェイAGWは、ネットワークインターフェース306を通じて電気通信ネットワークに接続される。例えば、ネットワークインターフェース306は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(サービス統合デジタル網)インターフェース等である。
【0108】
ネットワークインターフェース306を通じて、アクセスゲートウェイAGWは、無線セルラー電気通信ネットワークの無線電気通信デバイスBS、又は図1aにも図1bにも図示しない無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークデバイスへメッセージを転送することができる。
【0109】
ここで、一変形では、アクセスゲートウェイAGWは、少なくとも1つの無線電気通信デバイスBS内に、又は無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークデバイスに含めることができることに留意しなければならない。
【0110】
図4aは、本発明の第1の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0111】
より正確には、本アルゴリズムは、各無線電気通信デバイスBSによって実行される。
【0112】
本アルゴリズムは、無線電気通信デバイスBS1のプロセッサ200によって実行される一例で開示される。
【0113】
ステップS400において、プロセッサ200は、コーディネーションセッションを確立する必要があるか否かをチェックする。
【0114】
コーディネーションセッションは、例えば、複数の無線電気通信デバイスBSによるデータのフローの送信である。その場合、同じデータを異なる無線電気通信デバイスによって並列に送信することもできるし、或いはデータのフローをデータの複数のサブフローに分割し、各サブフローをそれぞれの無線電気通信デバイスBSによって転送することもできる。
【0115】
コーディネーションセッションは、別の例では、移動端末側で観測される2つの無線電気通信デバイスBSからの干渉、又は無線電気通信デバイスBS側で観測される2つの異なるセルからの2つの移動端末MT間の干渉を削減するためのデータのスケジューリングに関係する。例えば、コーディネーションセッションによって、どの物理リソースブロックがどの送信電力で移動端末MTに割り当てられるのかを決定することが可能になる。
【0116】
物理リソースブロック(Physical Resource Block)は、データ送信に利用可能な基本時間周波数リソースである。PRBは、一定数の隣接したOFDM(直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))サブキャリアから成り、周波数領域における最小スケジューリング分解能を表す。
【0117】
いくつかのコーディネーテッドマルチポイントモードでは、コーディネーションセッションに関与する無線電気通信デバイスBSは、共通の時間基準を共有し、移動端末MTが良好な無線チャネル状態で同時にそれらの無線電気通信デバイスと通信することができるように、無線の観点から隣接したものである。
【0118】
コーディネーションセッションを確立する必要がある場合、プロセッサ200はステップS401に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS405に移動する。
【0119】
ステップS401において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206を通じてのメッセージの転送を指令する。このメッセージは、該メッセージを受信する1つ又は複数の無線電気通信デバイスBSが所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を送信することを求める要求である。
【0120】
アクセスゲートウェイAGWが無線セルラー電気通信ネットワークに含まれている場合、このメッセージは、リンクL1を通じてアクセスゲートウェイAGWへ転送される。アクセスゲートウェイAGWが無線セルラー電気通信ネットワークに含まれていない場合、このメッセージは、無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークデバイス、又は無線電気通信デバイスBS1のプロセッサ200によって知られている無線電気通信デバイスBSへ転送される。
【0121】
次のステップS402において、プロセッサ200は、ステップS401において転送されたメッセージに応答して少なくとも1つの無線電気通信デバイスBSによって転送された少なくとも1つの所定の信号の、無線インターフェース205を通じての受信を検出する。
【0122】
例えば、無線電気通信デバイスBS2及びBS3が、時刻trにおいて所定の信号を転送する。
【0123】
この所定の信号は、任意の標準的なコヒーレント検出技法又は非コヒーレント検出技法によって、無線インターフェース205により弁別される。
【0124】
例えば、プロセッサ200は、受信された各所定の信号に含まれる物理セル識別子を識別する。
【0125】
本発明の特定の実現モードによれば、所定の信号は、該所定の信号を送信した無線電気通信デバイスBSがコーディネーションセッション用に割り当てる準備ができているリソースを表す情報を含むことができる。
【0126】
次のステップS403において、プロセッサ200は、無線電気通信デバイスBS2及びBS3によって転送された所定の信号の中から、少なくとも1つの所定の信号を選択する。
【0127】
そのために、プロセッサ200は、所定の信号を送信した無線電気通信デバイスBSによって提供されるサービス品質を評価する。サービス品質は、例えば、受信された電力信号強度若しくは信号プラス雑音干渉比から、又は時刻trの受信と所定の信号の受信時刻との時間間隔から、又は所定の信号を送信した無線電気通信デバイスがコーディネーションセッション用に割り当てる準備ができているリソースを表す情報から、又は無線電気通信デバイスBS1と所定の信号を送信した無線電気通信デバイスBS2及びBS3との間のリンク品質/強度を評価するのに使用される他の任意の無線メトリックから評価される。
【0128】
ここで、サービス品質は、PRBに基づいて評価することができることに留意しなければならない。
【0129】
例えば、プロセッサ200は、無線電気通信デバイスBS2によって転送された所定の信号を選択する。
【0130】
次のステップS404において、プロセッサ200は、少なくとも1つの選択された信号を送信した少なくとも1つの無線電気通信デバイスを識別する。
【0131】
そのために、無線インターフェース205は、選択された信号の物理セル識別子を有する周期的なビーコン信号を復号することができ、ビーコンコンテンツから少なくとも1つの無線電気通信デバイスBS2の識別を完了することができる。
【0132】
プロセッサ200は、コーディネーションセッションが確立されたことを、識別された無線電気通信デバイスBS2に通知する。
【0133】
コーディネーションセッションは、その後、開始される。
【0134】
ステップS405において、プロセッサ200は、所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を送信することを求める要求が受信されるか否かをチェックする。メッセージは、ステップS401において開示された通りである。
【0135】
無線信号を送信することを求める要求が受信された場合、プロセッサ200は、ステップS406に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0136】
ステップS406において、プロセッサ200は、無線電気通信デバイスBSがコーディネーションセッション用に利用可能であるか否かをチェックする。
【0137】
例えば、プロセッサ200は、メッセージの受信時刻が時刻trよりも大きいか又は時刻trに等しいか若しくはほとんど等しいかをチェックする。
【0138】
プロセッサ200は、コーディネーションセッションの利用可能性の判定について他の判定基準も考慮することができる。
【0139】
例えば、判定基準は、無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は無線電気通信デバイスの容量、及び/又は無線電気通信デバイスがコーディネーションセッションに対して参加を受理又は拒否するように構成されていること、及び/又は時間スケジュールに従ったものである。例えば、コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する構成は、無線電気通信ネットワークのオペレータ、又はホーム基地局若しくは中継器が配置される家の所有者によって行われる。
【0140】
無線電気通信デバイスBSがコーディネーションセッション用に利用可能である場合、プロセッサ200はステップS407に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS400に戻る。
【0141】
ステップS407において、プロセッサ200は、所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を転送するように無線インターフェース205に指令する。
【0142】
この所定の信号は、無線電気通信デバイスの物理セル識別子を含む。
【0143】
本発明の特定の実現モードによれば、この信号は、無線電気通信デバイスがコーディネーションセッション用に割り当てる準備ができているリソースを表す情報を含むことができる。
【0144】
図4bは、本発明の第2の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0145】
より正確には、本アルゴリズムは、各無線電気通信デバイスBSによって実行される。
【0146】
本アルゴリズムは、無線電気通信デバイスBS1のプロセッサ200によって実行される一例で開示される。
【0147】
本アルゴリズムは、無線電気通信デバイスBSによってハンドリングされる各移動端末MTについて並列に実行することもできるし、或いは無線電気通信デバイスBSによってハンドリングされ且つ無線電気通信デバイスBSのセルの境界に位置する各移動端末MTについて並列に実行することもできる。
【0148】
ステップS450、S451、S456、S457、及びS458は、それぞれのステップS400、S401、S405、S406、及びS407と同一であり、これらのステップは、これ以上開示しないことにする。
【0149】
ステップS452において、プロセッサ200は、時刻tr周辺又はフレーム番号周辺の時間ウィンドウ中に所定の無線信号に関する或る測定に進むように少なくとも1つの移動端末MTに通知するメッセージを転送するように、無線インターフェースに指令する。各移動電話MTと所定の信号を転送することができる無線電気通信デバイスとの間の時間同期ミスの差を考慮するために、或るマージンを導入することができる。
【0150】
ステップS453において、プロセッサ200は、ステップS452において転送されたメッセージに応答して、少なくとも1つの移動端末MTによって転送された少なくとも1つの測定報告の無線インターフェース205を通じての受信を検出する。
【0151】
この測定報告は、少なくとも1つの移動端末MTによって測定された信号に含まれる対応する物理セル識別子と共に、図4aのステップS407において開示されたような少なくとも1つの無線電気通信デバイスBSによって転送された信号に関係した情報を含む。
【0152】
次のステップS454において、プロセッサ200は、測定報告を使用して少なくとも1つの無線電気通信デバイスを選択する。
【0153】
そのために、プロセッサ200は、測定報告において識別される信号を送信した無線電気通信デバイスBSによって提供されたサービス品質を評価する。サービス品質は、例えば、受信された電力信号強度、又は信号プラス雑音干渉比、又は移動端末MTと受信された信号を送信した無線電気通信デバイスBS2及びBS3との間のリンク品質/強度を評価するのに使用される他の任意の無線メトリックから評価される。
【0154】
ここで、サービス品質はPRBに基づいて評価することができることに留意しなければならない。
【0155】
例えば、プロセッサ200は無線電気通信デバイスBS2を選択する。
【0156】
プロセッサ200は、識別された無線電気通信デバイスBS2に、コーディネーションセッションが確立されたことを通知する。
【0157】
コーディネーションセッションは、その後、開始される。
【0158】
図4cは、本発明の第3の実現モードによる無線電気通信デバイスによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0159】
より正確には、本アルゴリズムは、各無線電気通信デバイスBSによって実行される。
【0160】
本アルゴリズムは、無線電気通信デバイスBS1のプロセッサ200によって実行される一例で開示される。
【0161】
本アルゴリズムは、無線電気通信デバイスBSによってハンドリングされる各移動端末MTについて並列に実行することもできるし、或いは無線電気通信デバイスBSによってハンドリングされ且つ無線電気通信デバイスBSのセルの境界に位置する各移動端末MTについて並列に実行することもできる。
【0162】
ステップS470において、プロセッサ200は、コーディネーションセッションを確立する必要があるか否かをチェックする。
【0163】
コーディネーションセッションを確立する必要がある場合、プロセッサ200はステップS471に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS476に移動する。
【0164】
ステップS471において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206を通じたメッセージの転送を指令する。このメッセージは、該メッセージを受信する1つ又は複数の無線電気通信デバイスBSが所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を受信することを求める要求である。
【0165】
アクセスゲートウェイAGWが無線セルラー電気通信ネットワークに含まれている場合、このメッセージは、リンクL1を通じてアクセスゲートウェイAGWへ転送される。アクセスゲートウェイAGWが無線セルラー電気通信ネットワークに含まれていない場合、このメッセージは、無線セルラー電気通信ネットワークのコアネットワークデバイス又は無線電気通信デバイスBS1のプロセッサ200によって知られている無線電気通信デバイスBSへ転送される。
【0166】
ステップS472において、プロセッサ200は、時刻tr周辺又はフレーム番号周辺の時間ウィンドウ中に所定の無線信号を転送するように少なくとも1つの移動端末MTに通知するメッセージを転送するように無線インターフェースに指令する。特定の特徴によれば、所定の無線信号は、少なくとも第1の基地局を識別する情報を含む。
【0167】
移動電話MTと所定の信号を受信することができる無線電気通信デバイスとの間の時間同期ミスの差を考慮するために或るマージンを導入することができる。
【0168】
ステップS473において、プロセッサ200は、1つ又は複数の移動端末MTによって転送された1つ又は複数の所定の無線信号の受信に応答して、無線電気通信ネットワークにより転送された少なくとも1つのメッセージの無線インターフェース205を通じての受信を検出する。特定の特徴によれば、このメッセージは、該メッセージを送信した無線電気通信デバイスBSを識別する情報と、少なくとも1つの無線電気通信デバイスBSによって転送された測定報告とを含むことができる。特定の特徴によれば、このメッセージは、上記移動端末MTを識別する情報と共に、移動端末MTによって転送された所定の無線信号に関する測定報告を含むことができる。
【0169】
次のステップS474において、プロセッサ200は、測定報告を使用して少なくとも1つの無線電気通信デバイスを選択する。
【0170】
そのために、プロセッサ200は、メッセージを送信した無線電気通信デバイスBSによって提供されたサービス品質を評価する。サービス品質は、例えば、受信された電力信号強度、又は信号プラス雑音干渉比、又はメッセージを送信した無線電気通信デバイスBSと移動端末MTとの間のリンク品質/強度を評価するのに使用される他の任意の無線メトリックから評価される。
【0171】
ここで、サービス品質はPRBに基づいて評価することができることに留意しなければならない。
【0172】
例えば、プロセッサ200は無線電気通信デバイスBS2を選択する。
【0173】
プロセッサ200は、識別された無線電気通信デバイスBS2に、コーディネーションセッションが確立されたことを通知する。
【0174】
コーディネーションセッションは、その後、開始される。
【0175】
ステップS476において、プロセッサ200は、所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を受信することを求める要求が受信されるか否かをチェックする。メッセージは、ステップS451において開示された通りである。
【0176】
所定の無線信号を受信することを求める要求が受信された場合、プロセッサ200はステップS477に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS470に戻る。
【0177】
ステップS477において、プロセッサ200は、無線電気通信デバイスBSがコーディネーションセッションに利用可能であるか否かをチェックする。
【0178】
例えば、プロセッサ200は、メッセージの受信時刻が時刻trよりも大きいか又は時刻trに等しいか若しくはほとんど等しいかをチェックする。
【0179】
プロセッサ200は、コーディネーションセッション用の可用性の判定について他の判定基準も考慮することができる。
【0180】
例えば、判定基準は、無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は無線電気通信デバイスの容量、及び/又は無線電気通信デバイスがコーディネーションセッションに対して参加を受理又は拒否するように構成されていること、及び/又は時間スケジュールに従ったものである。例えば、コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する構成は、無線電気通信ネットワークのオペレータ又はホーム基地局若しくは中継器が配置される家の所有者によって行われる。
【0181】
無線電気通信デバイスBSがコーディネーションセッションに利用可能である場合、プロセッサ200はステップS478に移動する。そうでない場合、プロセッサ200はステップS470に戻る。
【0182】
ステップS478において、プロセッサ200は、所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において少なくとも1つの所定の無線信号を受信するように無線インターフェース205に指令する。
【0183】
次のステップS479において、プロセッサ200は、ステップS473において開示された通りのメッセージのネットワークインターフェース205を通じての転送を指令する。
【0184】
図5は、本発明によるアクセスゲートウェイによって実行されるアルゴリズムの一例を開示する。
【0185】
より正確には、本アルゴリズムは、アクセスゲートウェイAGWのプロセッサ300によって実行される。
【0186】
ステップS500において、プロセッサ300は、所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を送信又は受信することを求める要求が受信されるか否かをチェックする。メッセージは、ステップS401又はS471において開示された通りである。
【0187】
所定の無線信号を送信又は受信することを求める要求が受信された場合、プロセッサ300はステップS501に移動する。そうでない場合、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0188】
次のステップS501において、プロセッサ300は、受信されたメッセージが転送されるべき少なくとも1つの無線電気通信デバイスBSを選択する。
【0189】
例えば、プロセッサ300は、ステップS500において受信されたメッセージを送信した無線電気通信デバイスBSを除く各無線電気通信デバイスBSを選択する。これらの各無線電気通信デバイスは、通信ネットワークを通じてアクセスゲートウェイAGWに接続されている。
【0190】
アクセスゲートウェイAGWにおける電気通信ネットワークトポロジーのアプリオリ(apriori)の知識等、他の判定基準も導入することができる。
【0191】
次のステップS502において、プロセッサ300は、選択された各無線電気通信デバイスBSへの無線インターフェース206を通じたメッセージの転送を指令する。このメッセージは、メッセージを受信する1つ又は複数の無線電気通信デバイスが所与の継続時間中に所与の時刻tr又は所与の無線フレーム番号において所定の無線信号を送信又は受信することを求める要求である。
【0192】
その後、プロセッサ300はステップS500に戻る。
【0193】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するための方法であって、該無線電気通信デバイスは、電気通信ネットワークを通じてリンクされ、
該方法は、前記第2の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、
前記第2の無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、前記電気通信ネットワークを通じて受信するステップ、並びに
少なくとも前記メッセージの受信時刻、及び前記所定の無線信号を転送又は受信する前記時刻から、前記第1の無線電気通信デバイスと前記第2の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の無線電気通信デバイスは、
前記所定の無線信号を転送する時刻を表す前記情報を、前記メッセージの前記受信時刻と比較するステップ、及び
少なくとも前記比較に従って、転送する時刻に無線信号を転送しなければならないか否かを判断するステップ、
を実行することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
転送する時刻に無線信号を転送しなければならないか否かの前記判断は、
前記第2の無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は
前記第2の無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は
前記第2の無線電気通信デバイスの容量、及び/又は
コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する前記第2の無線電気通信デバイスの構成、及び/又は
スケジュールに従ったものにさらに依存することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、前記第2の無線電気通信デバイスとの前記コーディネーションセッションが確立されるか否かを、前記第1の無線電気通信デバイスによって受信された前記所定の無線信号から判断するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、
前記受信された所定の無線信号から少なくとも1つの所定の無線信号を選択するステップ、及び
前記選択された所定の無線信号を転送した前記第2の無線電気通信デバイスを識別するステップ、
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、前記所定の無線信号を受信する少なくとも1つの移動端末によって転送された少なくとも1つの測定報告から、前記第2の無線電気通信デバイスとの前記コーディネーションセッションが確立されるか否かを判断するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の無線電気通信デバイスによってハンドリングされる少なくとも1つの移動端末へ、少なくとも1つの所定の信号に関する少なくとも1つの測定に進むことを求める要求を転送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の無線電気通信デバイスは、
前記所定の無線信号を受信する時刻を表す前記情報を前記メッセージの前記受信時刻と比較するステップ、及び
前記受信された無線信号に応答して、前記第1の無線電気通信デバイスを対象としたメッセージを転送しなければならないか否かを前記比較に従って判断するステップ、
を実行することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の無線電気通信デバイスを対象としたメッセージを転送しなければならないか否かの前記判断は、
前記第2の無線電気通信デバイスのコラボレートする能力、及び/又は
前記第2の無線電気通信デバイスの現在の負荷状況、及び/又は
前記第2の無線電気通信デバイスの容量、及び/又は
コーディネーションセッションに対する参加を受理又は拒否する前記第2の無線電気通信デバイスの構成、及び/又は
スケジュールに従ったものにさらに依存することを特徴とすることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記第1の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、前記第1の無線電気通信デバイスによってハンドリングされる少なくとも1つの移動端末へ、前記所定の無線信号を転送することを求める要求を転送するステップをさらに含み、前記所定の信号は、少なくとも前記第1の無線電気通信デバイスを識別する情報を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の無線電気通信デバイスによって実行されるステップであって、前記第2の無線電気通信デバイスとの前記コーディネーションセッションが確立されるか否かを、前記第2の無線電気通信デバイスによって転送された少なくとも1つの測定報告から判断するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線セルラー電気通信ネットワークは、前記通信ネットワークを通じて複数の無線電気通信デバイスにリンクされたアクセスゲートウェイをさらに備えることを特徴とし、前記メッセージは、前記第1の無線電気通信デバイスによって前記アクセスゲートウェイへ転送され、該アクセスゲートウェイは、該アクセスゲートウェイにリンクされた前記無線電気通信デバイスの少なくとも一部を選択し、前記選択された無線電気通信デバイスへ前記メッセージを転送することを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す情報は、所与の継続時間中の時刻又は所与の無線フレーム番号であることを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
無線セルラー電気通信ネットワークの第1の無線電気通信デバイスと第2の無線電気通信デバイスとの間にコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断するためのデバイスであって、該無線電気通信デバイスは、電気通信ネットワークを通じてリンクされ、
該デバイスは、前記第2の無線電気通信デバイスに含まれているとともに、
前記第2の無線電気通信デバイスによって所定の無線信号を転送又は受信する時刻を表す少なくとも1つの情報を含むメッセージを、前記電気通信ネットワークを通じて受信する手段、並びに
少なくとも前記メッセージの受信時刻、及び前記所定の無線信号を転送又は受信する前記時刻から、前記第1の無線電気通信デバイスと前記第2の無線電気通信デバイスとの間のコラボレーションセッションを確立することができるか否かを判断する手段、
を備えることを特徴とするデバイス。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−97584(P2011−97584A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−233204(P2010−233204)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】